JP3906374B2 - 貸し出し品の管理方法及び管理システム、並びにそれらに用いる貸し出し品の返却装置 - Google Patents

貸し出し品の管理方法及び管理システム、並びにそれらに用いる貸し出し品の返却装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サウナや健康ランドのような温浴施設、あるいはレジャー施設等における貸し出し品の管理方法及び装置に係り、特に、非接触式の電子式識別荷札(以下、RFIDタグと称する)を用いた貸し出し品の管理方法及び管理システム、並びにそれらに用いる貸し出し品の返却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、健康思考、癒し系ブームにも乗り、温浴施設を伴ったレジャー施設が増えている。こういった施設では、バスローブ、施設内ユニフォーム等のリネン品を客に貸し出し利用してもらっている。しかしながら、一部の心無い客によるリネン品の紛失が問題となっており、施設側としてはその紛失防止が課題となっているが、現在まで効果的な対策が見つかっていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況において、施設側がリネン品等の貸し出し品の管理をあまり厳しくすると、一部の客のために通常の客にまで自分が疑われているような不快感を与え、ひいてはその施設への好感度に影響を与える虞がある。また、その一方で施設側に大きな負担がかかる管理方法は好ましくない。
【0004】
リネン品が紛失した場合、施設側か、リネン品をレンタルしているリネンサプライヤーがその紛失分の額を負担しなければならない。特に最近は高級感を売り物にする施設が人気を集めており、このような施設では品質のよい高価なリネン品を使用しているところから、リネン品の紛失が多く、その負担額は相当の金額になっており、効果的な対策が切望されている。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、リネン品等の貸し出し品の紛失の問題を効果的に解決することができる貸し出し品の管理方法及び管理システム、並びにそれらに用いる貸し出し品の返却装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の貸し出し品の管理方法は、固有の荷札情報を有する非接触式の電子式識別荷札が取り付けられている貸し出し品の管理方法であって、前記貸し出し品を客に貸し出す際に、該客を特定する識別情報に関連付けて前記貸し出し品の荷札情報を記憶し貸出登録を行う貸出登録過程と、前記電子式識別荷札の接近を検出し、蓋を自動的に開閉する返却ポイントを少なくとも1箇所設け、前記返却ポイントに返却された前記貸し出し品の荷札情報に基づいて該貸し出し品の返却登録を行う第1の返却登録過程と、客がチェックアウトする際に、該客が持参して前記貸し出し品を返却する場合、該貸し出し品の荷札情報に基づいて該貸し出し品の返却登録を行う第2の返却登録過程と、客がチェックアウトする際に、前記貸出登録過程で記憶した該客の識別情報に係る荷札情報と、前記第1または第2の返却登録過程における返却登録内容とに基づいて該客に貸し出した品物が全て返却済みであるか否かを判断し、未返却の品物がある場合には、その旨を報知する過程とからなることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の貸し出し品の管理方法は、請求項1に記載の貸し出し品の管理方法において、前記客を特定する識別情報は、客の履物を収容する下足ロッカーのキー番号か、あるいは客の脱衣を収納する脱衣ロッカーのキー番号であり、前記貸出登録過程において、客から前記下足ロッカーのキーか、あるいは前記脱衣ロッカーのキーの少なくともいずれか一つのキーを預り、このキー番号を用いて前記貸出登録を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の貸し出し品の管理システムは、固有の荷札情報を有する非接触式の電子式識別荷札が取り付けられている貸し出し品の管理システムであって、客を特定する識別情報に関連付けて前記貸し出し品の荷札情報を記憶する記憶手段と、前記貸し出し品を客に貸し出す場合、前記記憶手段に該客の識別番号を用いて該貸し出し品の荷札情報を記憶させる貸し出し管理手段と、前記電子式識別荷札の接近を検出し、蓋を自動的に開閉する少なくとも1つの返却装置と、前記返却装置に設けられ、返却された前記貸し出し品の荷札情報を送信する送信手段と、客がチェックアウトする際、該客が持参して返却した前記貸し出し品の荷札情報を読み取る読み取り手段と、前記記憶手段の記憶内容と、前記送信手段から送信された荷札情報または前記読み取り手段で読み取られた荷札情報とに基づいて、前記客に貸し出した品物が全て返却済みであるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により、未返却の品物があると判断された場合には、その旨を報知する警報手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の貸し出し品の返却装置は、投入口を備えた収納部と、前記投入口を覆う蓋と、この蓋の近傍に配設され、非接触式の電子式識別荷札の荷札情報を読み取る第1の読み取り手段とを備え、前記第1の読み取り手段が前記荷札情報を読み取った場合に、前記蓋を所定時間だけ自動的に開けて閉めるとともに、該読み取った荷札情報を出力することを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の貸し出し品の返却装置は、請求項4に記載の貸し出し品の返却装置において、前記第1の読み取り手段が同一の前記荷札情報を継続して一定時間以上読み取った状態である場合には、その旨の警報を出力することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の貸し出し品の返却装置は、請求項4または請求項5に記載の貸し出し品の返却装置において、前記荷札情報を読み取る第2の読み取り手段を前記収納部内部の所定位置に配設し、前記第2の読み取り手段が前記荷札情報を継続して一定時間以上読み取った状態である場合には、その旨の警報を出力することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による貸し出し品の管理システムの構成を示すブロック図である。この貸し出し品の管理システムは温浴施設に構築されている。本実施形態においては、貸し出し品の一例としてリネン品を扱う。図1に示すように、事務所には、店舗データを記録する各種ファイルを記憶する記憶装置を備えた店舗データ記憶用のサーバー1と、各種データの集計や出力を行う店舗データ管理用の管理用パーソナルコンピュータ(管理用PC)2とを備える。
【0013】
リネン品貸出・返却フロントには、リネン品の貸出登録や返却登録などの貸出・返却処理を行う貸出・返却用パーソナルコンピュータ(貸出・返却用PC)3と、この貸出・返却用PC3に接続されたプリンタ4と、リネン品に取り付けられている非接触式の電子式識別荷札(RFIDタグ)から荷札情報であるRFIDタグ番号(以下、単にタグ番号と称する)を読み取るタグリーダ(タグ読み取り装置)として機能するアンテナ5と、このアンテナ5が読み取ったタグ番号等を貸出・返却用PC3に送信するコントローラ6とを備える。プリンタ4は、客に渡す貸し出し品明細や精算明細を伝票に印字して発行するためのものである。
【0014】
女子用、男子用の各ロッカールームには、返却された貸し出しリネン品のタグ番号およびタグ番号読み取りエラー等のエラー状態をサーバー1へ送信する送信用パーソナルコンピュータ(送信用PC)7と、この送信用PC7に接続されたコントローラ6と、このコントローラ6に接続されたアンテナ5を有する返却ボックス8とを備える。この返却ボックス8は、客が借りている貸し出し品を返却するためのものである。
【0015】
温浴施設内には通信ネットワーク(LAN)9が構築されており、事務所,リネン品貸出・返却フロント,女子用、男子用の各ロッカールームなどからそれぞれLAN9に接続することができる。上記サーバー1および各PC2,3,7はそれぞれLAN9に接続し、このLAN9を介して相互にデータ通信することが可能である。各PC2,3,7はサーバー1のクライアントコンピュータであり、それらサーバー1と各PC2,3,7とからサーバー・クライアントシステムが構成される。
【0016】
なお、送信用PC7,コントローラ6,および返却ボックス8は上記ロッカールーム以外にも設置可能である。
【0017】
図2は、図1に示す返却ボックス8の構成例を示す図である。図3は、図2に示す返却ボックス8の平面図である。図2、図3に示す返却ボックス8は、本体部10と、返却する貸し出し品の投入口に設けられた電動で開閉する蓋11と、本体部10の内部に置かれた収納容器12とから構成される。蓋11の枠部には、第1のアンテナ5−1が埋め込まれている。また、収納容器12の上端の開口部には第2のアンテナ5−2が設けられている。これら第1,第2のアンテナ5−1,2はそれぞれタグリーダ(タグ読み取り装置)として機能する。
【0018】
第1のアンテナ5−1は、返却されるリネン品が接近したことを検出するためのものである。図2に示すように、RFIDタグ14が取り付けられたリネン品13が客によって返却ボックス8へ投入されると、第1のアンテナ5−1はRFIDタグ14のタグ番号を読み取り、蓋11が自動的に開く。これにより、投入されたリネン品は収納容器12に収納され、その後、一定時間経過すると蓋11が自動的に閉じる。返却ボックス8はこの蓋11を閉じるまでの時間(開時間)を計測するためのタイマーを有する。
【0019】
第2のアンテナ5−2は、収納容器12の収容量が満杯状態になったことを検出するためのものである。収納容器12内の返却リネン品が満杯になり、リネン品のRFIDタグ14が第2のアンテナ5−2に接近すると、第2のアンテナ5−2はタグ番号を読み取り、この読み取り可能な状態が一定時間以上の間継続すると、満杯を知らせるための警報を発する。これにより、収納容器12が満杯状態になったことが分かる。
【0020】
各アンテナ5−1,2は、図1に示すように、コントローラ6に接続されており、第1のアンテナ5−1で読み取ったタグ番号や、第2のアンテナ5−2が発する満杯警報などの信号を、それぞれコントローラ6に出力する。
【0021】
図4は、図1に示すサーバー1に記憶される貸出管理ファイルF1の構成例を示す図である。図4に示すように、貸出管理ファイルF1には、ロッカー番号(ロッカーNO.)毎に、貸し出し品のタグ番号(タグNO.)および貸し出し状態を示すフラグが記録される。この例では、フラグ「1」が貸し出し中を示し、フラグ「0」が返却済みを示す。
【0022】
図4の例では、ロッカー番号「0543」の人が、タグ番号「2345」のRFIDタグが付いているリネン品と、タグ番号「3456」のRFIDタグが付いているリネン品とを借り、それぞれ現在使用中であることを示している。これらリネン品が返却されると、それぞれのフラグが「1」から「0」へリセットされる。
【0023】
図5は、図1に示すサーバー1に記憶される貸出品ファイルF2の構成例を示す図である。図5に示すように、貸出品ファイルF2には、貸し出し品のタグ番号毎に、貸し出し品の種別、レンタル金額(料金)、使用開始日、貸し出し品の原価、貸し出し回数、現在の状態などが記録される。この例では、状態「0」が未使用(在庫中)を示し、状態「1」が貸し出し中(使用中)を示し、状態「2」が返却済み(使用済み)を示し、状態「3」が洗濯中(洗濯業者に預け中)を示す。
【0024】
なお、貸し出し品には1品毎に固有のタグ番号が予め付与され、貸し出し品に取り付けられているRFIDタグには該固有のタグ番号が記録されている。図5においては、例えば、タグ番号「2345」のRFIDタグが付いている貸し出し品は、種別が「男性用のLサイズのガウン」であり、レンタル料金が「500円」、使用開始日が「2001年1月1日」、原価が「5000円」、これまでの貸し出し回数が「20回」、現在の状態が「未使用であり、在庫中」であることを示している。
【0025】
また、上記貸出品ファイルF2から各種リストを得ることができる。例えば、「未使用(在庫中)貸し出し品の一覧」や「貸し出し中(使用中)貸し出し品の一覧」、「返却済み(使用済み)貸し出し品の一覧」、「洗濯中(洗濯業者に預け中)貸し出し品の一覧」などを作成可能である。
【0026】
次に、上述した貸し出し品の管理システムにおいて客がリネン品を借り、その後、返却する際の処理の流れを図6〜図8を参照して説明する。図6〜図8は、図1に示す貸し出し品の管理システムにおける処理の概要を説明するためのフローチャートであり、装置(例えば、サーバー1や各PC2,3,7内のCPU)が行う処理そのものを示すものではない。
【0027】
先ず、図6を参照して、客が施設にチェックインする際にリネン品を貸し出す時の処理を説明する。初めに、客は下足をロッカーに入れて施錠後、ロッカーキーを抜き、その後、チェックインするためにリネン品貸出・返却フロントに行く。そして、リネン品貸出・返却フロントで店員にロッカーキーを預けるとともに、貸出を希望する品物(ガウンやタオル等)を告げる。この後、図6の処理を開始する。
【0028】
店員は客からロッカーキーを受け取り、貸出・返却用PC3にロッカーキーのキー番号を入力する(ステップSP10、SP11)。このキー番号の入力は、貸出・返却用PC3のキーボードにより行うものであってもよく、あるいは、バーコードを利用するものであっても、あるいは、RFIDタグを利用して行うものであってもよい。
【0029】
次いで、店員は客が貸出を希望している品物を収納棚より取りだし、この品物に取り付けられているRFIDタグのタグ番号をアンテナ(タグリーダ)5で読み取らせる(ステップSP12)。ここで、コントローラ6は、アンテナ5で読み取られたタグ番号を貸出・返却用PC3に送信する。このタグ番号を受け取ると、貸出・返却用PC3は、サーバー1の貸出管理ファイルF1(図4参照)に、上記ステップSP11で入力されたキー番号に対応付けて、受け取ったタグ番号を登録する(ステップSP13)。この貸出登録により、図4に示すように、例えばキー番号「0543」に対応してタグ番号「2345」が貸出管理ファイルF1に記録され、該当フラグが「1(貸し出し中)」にセットされる。
【0030】
また、貸出・返却用PC3は、サーバー1の貸出品ファイルF2(図5参照)の内容を更新する。この更新時には、貸出登録を行った貸し出し品のタグ番号の貸し出し回数を1増加し、状態を「1(貸し出し中)」に変更する。
【0031】
次いで、店員は客に貸出登録済みの貸し出し品をキー番号控えとともに渡す(ステップSP14)。このキー番号控えは、プリンタ4により印字して発行され、客がチェックアウトする際に必要となる。以上で、貸し出しおよび貸出登録の処理が終了する。
【0032】
次に、図7を参照して、客が貸し出し品を返却ボックス8に返却する時の処理を説明する。先ず、図2に示す返却ボックス8において、第1のアンテナ(タグリーダ)5−1は、RFIDタグの接近によりRFIDタグのタグ番号を読み取り可能か否かを監視する。ここで、図2に示すように、客が貸し出し品(リネン品13)を返却ボックス8に投入すると、第1のアンテナ5−1はRFIDタグ14からタグ番号を読み取り、ステップSP21へ移行する(ステップSP20)。
【0033】
次いで、蓋11が既に開いた状態であるか否かをチェックし、開いていない場合には蓋11を開ける。一方、前の客の返却により既に蓋11が開いている状態での返却の場合には、そのままステップSP23へ移行する(ステップSP21、SP22)。
【0034】
次いで、返却ボックス8に接続されているコントローラ6は、上記ステップSP20で第1のアンテナ5−1が読み取ったタグ番号を送信用PC7へ出力する。送信用PC7はコントローラ6からタグ番号を受け取ると、該タグ番号をサーバー1へ送信する。サーバー1は、送信用PC7からタグ番号を受け取ると、該タグ番号に対応付けられている貸出管理ファイルF1のフラグおよび貸出品ファイルF2の状態を更新(返却登録)する(ステップSP23)。具体的には、貸出管理ファイルF1のフラグを「1(貸し出し中)」から「0(返却済み)」に変更する。また、貸出品ファイルF2の状態を「1(貸し出し中)」から「2(返却済み)」に変更する。
【0035】
次いで、返却ボックス8において、タイマーをスタートさせる(ステップSP24)。このタイマーには蓋11の開時間を規定するためのタイマー値が予め設定されている。次いで、タイマーがタイムアウトすると、蓋11を閉じる(ステップSP25、SP26)。
【0036】
なお、返却ボックス8において、第1のアンテナ5−1は、同一のタグ番号を継続して一定時間以上読み取った状態であることの検出も行う。この検出時にはその旨を報知するための警報(異常警報)信号を出力する。また、第2のアンテナ5−2は、収納容器12の上端の開口部に配設されており、ここで、タグ番号を継続して一定時間以上読み取った状態であることの検出を行う。この検出時にはその旨を報知するための警報(満杯警報)信号を出力する。
【0037】
これら警報信号は各アンテナ5−1,2からコントローラ6を介して送信用PC7に出力され、さらに、送信用PC7から管理用PCサーバー1へ通知される。これにより、従業員は、異常警報により、返却された貸し出し品が投入口等に引っ掛かるなどし、返却品のタグ番号読み取りに不具合が生じていることを遠隔で発見することができる。また、満杯警報により、収納された返却品を回収しなくてはならないことを、遠隔で発見することができる。この結果、異常の発見や収納容器12が満杯になっていないかを確かめるために、従業員が施設内全ての返却ボックス8を頻繁に見まわる必要がなくなるので、能率的な保守を行うことができる。
【0038】
次に、図8を参照して、客が施設をチェックアウトする際の処理を説明する。初めに、チェックアウトする客は、チェックイン時に渡されたキー番号控えを持って、リネン品貸出・返却フロントに行く。この際、借りた品物を返却ボックス8に返却していない場合にはその貸し出し品も持参する。リネン品貸出・返却フロントにおいて、店員はチェックアウトする客からキー番号控えを受け取る(ステップSP30)。
【0039】
次いで、店員は、客が未返却の貸し出し品を持参している場合(ステップSP31の判断結果が「YES」の場合)には、その貸し出し品も受け取り、この貸し出し品についているRFIDタグのタグ番号をアンテナ5を用いて読み取らせる(ステップSP32)。この読み取られたタグ番号はコントローラ6を介して貸出・返却用PC3に送信される。貸出・返却用PC3はコントローラ6からタグ番号を受け取ると、該タグ番号をサーバー1へ送信する。サーバー1は、貸出・返却用PC3からタグ番号を受け取ると、該タグ番号に対応付けられている貸出管理ファイルF1のフラグおよび貸出品ファイルF2の状態を更新(返却登録)する(ステップSP33)。具体的には、貸出管理ファイルF1のフラグを「1(貸し出し中)」から「0(返却済み)」に変更する。また、貸出品ファイルF2の状態を「1(貸し出し中)」から「2(返却済み)」に変更する。
一方、未返却の貸し出し品がない場合(ステップSP31の判断結果が「NO」の場合)にはステップSP34へ移行する。
【0040】
次いで、店員は客から受け取ったキー番号控えのキー番号を貸出・返却用PC3に入力する(ステップSP34)。次いで、貸出・返却用PC3は、入力されたキー番号についての全貸出管理データ(タグ番号、フラグ)をサーバー1の貸出管理ファイルF1から読み出す(ステップSP35)。この読み出した貸出管理データのフラグに基づいて、貸出・返却用PC3は未返却品があるか否かを判断する(ステップSP36)。具体的には、フラグ「1」の貸し出し品があった場合に、当該貸し出し品を未返却品と判断する。
【0041】
次いで、未返却品がある場合(ステップSP36の判断結果が「YES」の場合)には、貸出・返却用PC3は、サーバー1の貸出品ファイルF2から、未返却の貸し出し品のタグ番号についての貸出品データ(少なくとも種別データ)を読み出して、タグ番号とともに表示する(ステップSP37)。例えば、「『タグNO.3456 タオル 大サイズ』が返却されていません」等を表示する。店員はこの表示に基づいて未返却品がある場合の対応を定められている通りに行う。
【0042】
一方、未返却品がない場合(ステップSP36の判断結果が「NO」の場合)には、貸出・返却用PC3はその旨を表示する(ステップSP38)。例えば、「貸し出し品はすべて返却済みです」等を表示する。
【0043】
次いで、貸出・返却用PC3は、上記ステップSP35で読み出した貸出管理データの全タグ番号について、それぞれの貸出品データ(少なくとも種別データと料金データ)を、サーバー1の貸出品ファイルF2から読み出す。この読み出した料金データと上記ステップSP35で読み出した貸出管理データとに基づいて貸し出し品の合計料金を算出し、店員がこの算出された代金を受領して貸出・返却用PC3で精算処理を行う。この精算処理終了後、貸出・返却用PC3は、プリンタ4により、精算明細を伝票に印字して発行する。また、貸出・返却用PC3は、精算処理が終了すると、サーバー1の貸出管理ファイルF1の当該キー番号に関するデータを消去する(ステップSP39)。
【0044】
次いで、店員は、チェックイン時に受け取って保管しているロッカーキーと、精算明細が印字された伝票(レシート)を客に渡して、チェックアウトの処理を終了する(ステップSP40)。
【0045】
上述した実施形態によれば、貸し出し品に取り付けられているRFIDタグに基づいて、貸し出し品の返却管理を行うようにしたので、未返却品の発見を確実に行うことができる。
【0046】
さらに、RFIDタグを用いているので、店員の貸出登録操作が簡単であり、且つ客に負担や不快感を与える虞がないという効果が得られる。
【0047】
また、下足ロッカーキーのキー番号を客の識別データに利用するので、客の識別データを別途付与する手間が省けるという効果が得られる。
【0048】
また、下足ロッカーキーをチェックイン時に客から預かって保管するので、客の履物(下足)を貸出担保代わりとすることが可能となり、客がチェックアウトせずに帰ることを防止し、貸し出し品の紛失を未然に防ぐことができる。
【0049】
また、客がロッカールーム等に配置されている無人化された返却ボックスに、借りている貸し出し品を返却した場合でも、貸し出し品が返却されたことを検出することができるので、施設側としては返却担当者が不要となり、手間がかからないという効果が得られる。また、客側としても、貸し出し品の使用が終了した時点で返却することができるので、わざわざフロントまで返却品を持参する必要がなくなる。
【0050】
なお、送信用PC7,コントローラ6,および返却ボックス8を、客の利便性を考慮して複数設置しておけば、客は無用となった貸し出し品を適宜返却することができるので、客の施設への好感度が向上することを期待できる。
【0051】
また、上述した実施形態の返却ボックスによれば、貸し出し品の投入口の蓋が自動的に開閉されるので、手が汚れず衛生的であり、且つ手間が省け面倒くさくないという効果が得られる。
【0052】
さらに、返却ボックスの蓋は客が手動で開閉することができない構造のため、一旦返却された品物を取り出して持ち去られることを防止することができる。
【0053】
また、貸し出し品のRFIDタグのタグ番号が読み取れない場合には蓋が開動しないので、タグ番号が読み取られないまま貸し出し品を収納容器に収めてしまい、未返却として処理してしまうことを防止することができる。この結果、返却品のRFIDタグ番号の読み取りが確実に行えるようになり、客との間で起こるトラブルを未然に防ぐことができるという効果が得られる。
【0054】
また、貸し出し品が蓋に引っ掛かり、下に落ちない場合には、第1のアンテナ(タグ読み取り装置)5−1が同一のタグ番号を継続して所定時間以上読み取った状態となり、その旨の検出信号(異常警報信号)が出力されるので、従業員が直ぐにその異常を知ることができる。
【0055】
また、返却ボックスの収納容器が貸し出し品で満杯となった場合、第2のアンテナ(タグ読み取り装置)5−2がタグ番号を継続して所定時間以上読み取った状態となり、その旨の検出信号(満杯警報信号)が出力されるので、従業員が直ぐに収納容器の満杯を知ることができる。
【0056】
また、上述した実施形態によれば、貸し出し品の1品毎に固有のタグ番号が付与されているので、貸し出し品の管理を確実に行うことができる。例えば、在庫(未使用品)データの出力や、貸し出し品の貸出実績データの出力を行うことが可能であり、どのような品物がどの程度、貸し出されているかを把握することができる。
【0057】
なお、上述した実施形態においては、LAN(通信ネットワーク)を用いて貸し出し品の管理システムを構成したが、データ伝送手段はこれに限定されるものではない。例えば、リネン品貸出・返却フロントにデータ取得用のパーソナルコンピュータを配置し、このパーソナルコンピュータに、有線または無線で各返却ボックスから読み取ったタグ番号を直接送信するようにしてもよい。
【0058】
また、上述した実施形態においては、客を識別する番号として下足ロッカーのキー番号を用いるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、客の脱衣を収納する脱衣ロッカーのキー番号を用いたり、あるいは客に識別カードを渡し、この識別カードの番号を客の識別番号としてもよい。この場合、客はその識別カードを用いて施設内の有料設備を使用したり、飲食を行ったりし、後で、リネン品貸出・返却フロントにおいて貸し出し品の代金とともに精算するようにしてもよい。
【0059】
また、客がチェックアウト時に持参した貸し出し品を店員が受け取り返却するようにしたが、返却ボックスをチェックアウト用フロントの近傍に設け、チェックアウトする客が自分で返却するようにしてもよい。
【0060】
なお、返却ボックスの具体的な構成については、上述した実施形態による構成に限定されるものではない。例えば、投入口の蓋の開動はスライド構造によるものであってもよい。また、開口部から投入された返却品を自然落下により収納容器に収めるのではなく、収納容器まで動力により自動搬送するように構成してもよい。
【0061】
例えば、図9に示す返却ボックス20ように、投入口21に投入されたリネン品13のRFIDタグ14のタグ番号をアンテナ5が読み取り、蓋11を開動し、この開口部を通ってコンベア22上に落下したリネン品13を該コンベア22が収納容器12へと搬送するようにする。また、収納容器12は開閉可能な取出口23から搬出することができる。
【0062】
なお、上述した実施形態においては、客のチェックイン時に貸し出し品を貸し出すようにしたが、リネン品貸出・返却フロントにおいて客が自分の識別番号を確認可能なもの(キー番号控えや識別カード)を提示すれば、随時貸し出し可能としてもよい。
【0063】
また、温浴施設のリネン品を貸し出し品として扱うようにしたが、リネン品に限らず、客が来店時等に品物を借り、帰る時までに返却する場合であれば、品物の種類に限定されることなく貸し出し品として実施可能である。
【0064】
なお、上述した実施形態においては、貸し出し品を個別料金で貸し出す場合に適用したが、施設利用料金中にレンタル料金が含まれ、貸し出し品自体の料金を個々に取らない場合にも、同様に適用することができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、3に記載の発明によれば、返却ポイント(返却装置)が受け付けと離れた位置にあり、且つ無人化されていても、客に貸し出した品物が本当に返却済みであるかをチェックアウト時に自動的にチェックすることができる。
【0067】
さらに、非接触式の電子式識別荷札(RFIDタグ)を利用しているので、貸し出し時の荷札情報(タグ番号)登録および返却時の荷札情報登録がRFIDタグリーダ(読み取り装置)を用いて自動的に行われ、店員の処理操作が簡単になる。
【0068】
また、請求項1、3、4に記載の発明によれば、非接触式の電子式識別荷札を利用して返却ポイント(返却装置)の蓋を自動開閉するので、返却操作が簡単であり、且つ、荷札情報を読み取れないと蓋が開かないことから返却品の荷札情報を確実に読み取ることができる。また、蓋を手で開ける必要がないので衛生的であるとともに、蓋を手では開放することができない構成にすることで、返却済みの品物が盗まれることを防止可能である。
このように、リネン品等の貸し出し品の紛失の問題を効果的に解決することが可能となる。
【0069】
また、請求項2に記載の発明によれば、客を特定する識別情報を簡単且つ確実に付与することができる。また、キーを預かることにより、客の履物または脱衣を貸し出し品の担保とすることができる。
【0070】
また、請求項5に記載の発明によれば、返却品が投入口等に引っ掛かり収納部内部に正常に収納されない場合等の異常状態を自動的に検出し、異常を報知する警報を出力する。したがって、従業員が常時返却装置の近辺についていなくとも、異常が生じた場合には直ぐに発見することができる。
【0071】
また、請求項6に記載の発明によれば、収納部に返却品が所定量以上収納された場合、つまり収納部が満杯になった場合に、これを自動的に検出し、満杯を報知する警報を出力する。したがって、収納部が満杯となり、収納された返却品を回収しなければならない場合には、その旨報知されるので、従業員が常時返却装置の近辺についていなくとも直ぐに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による貸し出し品の管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す返却ボックス8の構成例を示す図である。
【図3】 図2に示す返却ボックス8の平面図である。
【図4】 図1に示すサーバー1に記憶される貸出管理ファイルF1の構成例を示す図である。
【図5】 図1に示すサーバー1に記憶される貸出品ファイルF2の構成例を示す図である。
【図6】 図1に示す貸し出し品の管理システムにおける処理の概要を説明するための第1のフローチャートである。
【図7】 図1に示す貸し出し品の管理システムにおける処理の概要を説明するための第2のフローチャートである。
【図8】 図1に示す貸し出し品の管理システムにおける処理の概要を説明するための第3のフローチャートである。
【図9】 本発明による返却ボックスの他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…サーバー、2…管理用PC、3…貸出・返却用PC、4…プリンタ、5(,5−1,5−2)…アンテナ(タグリーダ)、6…コントローラ、7…送信用PC、8(,20)…返却ボックス、10…本体部、11…蓋、12…収納容器、13…リネン品(貸し出し品)、14…RFIDタグ、21…投入口、22…コンベア、23…取出口、F1…貸出管理ファイル、F2…貸出品ファイル。

Claims (6)

  1. 固有の荷札情報を有する非接触式の電子式識別荷札が取り付けられている貸し出し品の管理方法であって、
    前記貸し出し品を客に貸し出す際に、該客を特定する識別情報に関連付けて前記貸し出し品の荷札情報を記憶し貸出登録を行う貸出登録過程と、
    前記電子式識別荷札の接近を検出し、蓋を自動的に開閉する返却ポイントを少なくとも1箇所設け、前記返却ポイントに返却された前記貸し出し品の荷札情報に基づいて該貸し出し品の返却登録を行う第1の返却登録過程と、
    客がチェックアウトする際に、該客が持参して前記貸し出し品を返却する場合、該貸し出し品の荷札情報に基づいて該貸し出し品の返却登録を行う第2の返却登録過程と、
    客がチェックアウトする際に、前記貸出登録過程で記憶した該客の識別情報に係る荷札情報と、前記第1または第2の返却登録過程における返却登録内容とに基づいて該客に貸し出した品物が全て返却済みであるか否かを判断し、未返却の品物がある場合には、その旨を報知する過程と、
    からなることを特徴とする貸し出し品の管理方法。
  2. 前記客を特定する識別情報は、
    客の履物を収容する下足ロッカーのキー番号か、あるいは客の脱衣を収納する脱衣ロッカーのキー番号であり、
    前記貸出登録過程において、
    客から前記下足ロッカーのキーか、あるいは前記脱衣ロッカーのキーの少なくともいずれか一つのキーを預り、このキー番号を用いて前記貸出登録を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の貸し出し品の管理方法。
  3. 固有の荷札情報を有する非接触式の電子式識別荷札が取り付けられている貸し出し品の管理システムであって、
    客を特定する識別情報に関連付けて前記貸し出し品の荷札情報を記憶する記憶手段と、
    前記貸し出し品を客に貸し出す場合、前記記憶手段に該客の識別番号を用いて該貸し出し品の荷札情報を記憶させる貸し出し管理手段と、
    前記電子式識別荷札の接近を検出し、蓋を自動的に開閉する少なくとも1つの返却装置と、
    前記返却装置に設けられ、返却された前記貸し出し品の荷札情報を送信する送信手段と、
    客がチェックアウトする際、該客が持参して返却した前記貸し出し品の荷札情報を読み取る読み取り手段と、
    前記記憶手段の記憶内容と、前記送信手段から送信された荷札情報または前記読み取り手段で読み取られた荷札情報とに基づいて、前記客に貸し出した品物が全て返却済みであるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により、未返却の品物があると判断された場合には、その旨を報知する警報手段と、
    を備えたことを特徴とする貸し出し品の管理システム。
  4. 投入口を備えた収納部と、
    前記投入口を覆う蓋と、
    この蓋の近傍に配設され、非接触式の電子式識別荷札の荷札情報を読み取る第1の読み取り手段とを備え、
    前記第1の読み取り手段が前記荷札情報を読み取った場合に、前記蓋を所定時間だけ自動的に開けて閉めるとともに、該読み取った荷札情報を出力する
    ことを特徴とする貸し出し品の返却装置。
  5. 前記第1の読み取り手段が同一の前記荷札情報を継続して一定時間以上読み取った状態である場合には、その旨の警報を出力する
    ことを特徴とする請求項4に記載の貸し出し品の返却装置。
  6. 前記荷札情報を読み取る第2の読み取り手段を前記収納部内部の所定位置に配設し、
    前記第2の読み取り手段が前記荷札情報を継続して一定時間以上読み取った状態である場合には、その旨の警報を出力する
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の貸し出し品の返却装置。
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