JP3906119B2 - 注液装置および電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱融着性シートからなり袋状の電池容器内に担体物質を収容し、この担体物質収容室に電解液を注入する注液装置と、この注液装置を用いて電池を製造する電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の、いわゆるIT(情報技術)の拡大化にともない、該当するほとんど大部分の機器は小型で軽量化が求められている。そのため、機器の電源としての二次電池も当然、軽く、薄く、かつ小さいものでなければならない。
電池製造としての種々の試行錯誤を経たあと、たとえば食品加工業などで多用されているフィルムで食品を真空パックする技術を電池製造に転用することが可能であるかの考えを持つに至った。
【0003】
この場合、電池容器の外装として熱融着性シートである、たとえばアルミラミネートフィルムを用いるのが妥当である。上記フィルムを横長の矩形状に形成し、幅方向中央部に上下に亘って2つ折り線を形成し、左右いずれか一方で、かつ下半分の部分にプレス加工により突部を形成する。
上記突部に、扁平状で多孔の電極コイルである担体物質を収容し、かつ上記折れ線に沿って折曲して面合わせをなし、一側辺部と下辺部を加熱融着して、袋状の電池容器を成形する。
上辺部が電池容器の開口部となり、ここから電解液を注入して担体物質収容室にある担体物質に含浸させたあと、上記開口部をシールすることにより、電池製造における所定の工程が終了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、生産量と信頼性を確保するため、所定量の電解液を電池容器内へ注入することと、注入した電解液を担体物質に含浸させることを、短時間で確実に行わせる必要がある。
特開2001−15099号では、注液ノズルの挿入がし易いように、電池容器である外装フィルム体の先端側開口部がロート状に加工されているものを用いている。すなわち、別途、注入用ロートの着脱を不要としている。
【0005】
あるいは、別の先行技術として、電池容器開口部近傍のシート面に両側から吸着パッドを当接し、かつ吸着しながら後退させることにより、電池容器開口部の開口量が拡大する。したがって、注液ノズルを開口部に挿入し易くなる。
しかしながら、電池容器は、その一面側に突部である担体物質収容室が突出し、他面側が平坦状をなしているため、担体物質収容室の端縁に沿うシール面相互が密着してほとんど隙間がない。
【0006】
勿論、担体物質収容室の上端縁もほとんど隙間がないので、注入された電解液が容易には通過しない。電解液を早急に注液すると、収容室上端縁の通過量を上回る注液がなされて、電解液が開口部からオーバーフローしたり電池容器外部に飛散する虞れがあり、液量不足となってしまう。
電解液を電解物質収容室に注入したとしても、多孔材からなる担体物質に含まれているエアーやガスなどの気泡が逃げ難く、電解液が含浸するのに長い時間がかかって生産性が悪い。気泡を残したまま開口部をシールしてしまうと、当然、電池性能に悪影響を及ぼす。
【0007】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電池容器に電解液を注入するにあたって、電解液をオーバーフローすることなく短時間で効率よく注入でき、かつエアー等を確実に脱泡させて電解液を担体物質に含浸させ、安定した品質で信頼性の高い電池性能を得られる注液装置および電池の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため本発明の注液装置は、熱融着性シートからなり担体物質を収容する担体物質収容室を備え、かつ開口部を有する袋状の電池容器内に電解液を注入する注液装置において、
電池容器の開口部を強制的に拡大する開口部拡大手段と、この開口部拡大手段によって拡大された電池容器開口部を介して担体物質収容室の端縁近傍部位まで挿入され周面形状を電池容器シート面に転移させてシート面をさらに強制的に押し広げる成形手段と、この成形手段によって拡大された電池容器内部に挿入され電解液を担体物質収容室に注入する注入手段とを具備し、上記成形手段は、高圧エアーを成形手段の先端から噴出させ、シート面相互間隔をさらに拡大する高圧エアー供給手段が接続されることを特徴とする注液装置。
【0009】
さらに、上記成形手段は、高圧エアー供給手段から供給される高圧エアーを導き先端から噴出させる杆状のノズル本体と、このノズル本体の周面に嵌着され電池容器シート面に周面形状を転移させて押し広げるアタッチメント部とを備えた成形ノズルであって、上記アタッチメント部は周面形状が相違する複数種のものが用意され仕様にもとづいて交換自在とする。
【0010】
さらに、上記開口部拡大手段は、電池容器開口部の幅方向中央部における前記熱融着性シートの両面側に対向しシートを吸着して開口部の幅方向中央部の間隔を強制的に開口するとともに、担体物質収容室の前記開口部に近い端縁とシートを介して対向しシートを吸着して担体物質収容室の開口部に近い端縁部位を強制的に開口する複数の吸着パッドを備えた。
【0011】
上記目的を満足するため本発明の電池の製造方法は、担体物質を収容する担体物質収容室を備え開口部を有する袋状の熱融着性シートからなる電池容器を供給する供給工程と、この供給工程で供給された電池容器のシート面開口部近傍部位および担体物質収容室の端縁部位に吸着し後退することによって電池容器の開口部と担体物質収容室の端縁部位のシート面相互間隔を強制的に広げる第1の拡大工程と、この第1の拡大工程で拡大された電池容器の開口部に成形ノズルを挿入しこの成形ノズルの周面形状を電池容器シート面に転移させて強制的に押し広げシート面相互間隔をさらに拡大する第2の拡大工程と、第1の拡大工程および第2の拡大工程で拡大された電池容器内部に注液ノズルを挿入し注液ノズルから電解液を注入する電解液注入工程と、この電解液注入工程で電解液が注入された電池容器を受け入れ所定の圧力条件下に晒して担体物質に電解液を含浸させる含浸工程とを具備し、上記含浸工程は、電池容器の担体物質収容室を圧迫しかつ解放を繰り返して電解液の担体物質への含浸を促進する圧迫・解放工程を同時に進行処理する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、注液装置を備えた電池製造装置の概略の平面図である。
ワークは、一端が開口する袋状の熱融着性シート内に、電極である担体物質が収納された電池容器Sである。
装置本体1の図において左側端部に設けられる供給部2に電池容器Sが供給された状態で、電池容器Sは1枚ずつ分離され、かつ電池容器Sの開口部が上部側になるよう立て姿勢に支持されている。
【0014】
上記供給部2と並行して、キャリア搬送機構aを備えた移載部3が設けられる。この移載部3では、専用キャリアをキャリア搬送機構aが支持して、所定間隔を存して搬送する。そして、専用キャリア1列分の電池容器Sを一括し、その成立状態を保持したまま別のキャリアに移載する。
上記移載部3の搬送方向端部に対向し、かつ雰囲気を隔てる仕切りを介して注液装置Eが配置される。この注液装置Eは、成形部5と、この成形部5に隣接して配置される複数の注液部6A,6Bと、これら注液部6A,6Bの下部に設けられる秤量検査部7と、一方の注液部6Bに隣設された不良払い出し部8および、含浸部9とから構成される。
【0015】
上記成形部5と注液部6A,6Bおよび含浸部9の、構成の詳細と作用については、別途、後述する。
上記注液部6A,6Bは、専用キャリアに支持される電池容器Sのうちの、半分の電池容器Sに対する注液をはじめの注液部6Aが2度に分けて行い、残りの半分の電池容器Sに対する注液をあとの注液部6Bが2度に分けて行う。
上記注液部6A,6Bの近傍には、電解液を貯溜するタンク10が配置されていて、上記注液部6A,6Bに備えられる注液手段を構成するポンプと、注液ノズルとを配管を介して連通している。
【0016】
上記秤量検査部7は、注液中の電池容器Sを計量して、その検知信号を注液部6A,6Bの制御機構にフィードバックする。したがって、実際に秤量検査部7が計量するのは担体物質を収容した電池容器Sと、注入された電解液との総量になる。
上記不良払い出し部8は、秤量検査部8が検出した規定外である注液不良の電池容器を払い出すようになっている。
上記含浸部9は、第1の含浸用チャンバ9Aと、この第1の含浸用チャンバ9Aとは所定間隔を存した位置に配置される第2の含浸用チャンバ9Bとから構成される。
【0017】
各含浸用チャンバ9A,9Bの相互間には搬送ロボット11が配置され、あとの注液部6Bから搬出される専用キャリアを各含浸用チャンバ9A,9Bの空きスペースに移載する。そして、後述する含浸工程を完了した時点で各電池容器Sを取り出すようになっている。
このような注液装置Eに隣接して、封口シール部12が配置される。この封口シール部12は、電池容器Sの開口部をシールするシール機構(図示しない)を収容するチャンバ13と、このチャンバ13の搬送両側端に連設される入口側圧力置換室14および出口側圧力置換室15とからなる。
【0018】
各圧力置換室14,15は、置換室外部と対向して開閉する外部シャッタと、チャンバ13との間に設けられる内部シャッタを開閉することにより、それぞれの内部をチャンバ13と同一の圧力条件(低圧力条件)下に設定し、もしくは大気圧に開放できる。
チャンバ13内を所定の低圧圧力条件下にした状態で、シール機構が作用して電池容器Sの上端部を加熱溶融させ、開口部をシールする封口シール作用がなされる。チャンバ13内に収容される全ての電池容器Sの開口部が封口されると、チャンバ内は大気圧に開放される。
【0019】
出口側圧力置換室15に対向してアンローダ部16が設けられる。このアンローダ部16に備えられるロボットは、出口側圧力置換室15の外部シャッタが開放された状態で、この内部に延出し、内部の専用キャリアを取り出して装置外に搬出するようになっている。
つぎに、注液装置Eを構成する成形部5と、注液部6A,6Bおよび含浸部9の構成と、これらの作用について詳述する。
【0020】
図2(A)は、供給工程にある状態の電池容器Sおよび開口部拡大手段との位置関係を表す斜視図であり、図2(B)はその断面図である。
電池容器Sは、熱融着性シートである、たとえばアルミラミネートフィルムから成形される。電池容器Sの下部側で、かつ一面側に、担体物質Tを収容して突出する担体物質収容室20が設けられる。
【0021】
電池容器Sは、熱融着性シートを横長矩形状に切断し、幅方向中央部に沿って折れ線を形成し、左右に折り曲げたあと、一側辺部mと下辺部nとを貼り合わせて、上端に開口部bを有する袋状をなす。
このような電池容器Sが供給された状態では、上端縁である開口部bから上記担体物質収容室20上端縁まではシート両面がほぼ密着状態になっていて、隙間がほとんど形成されない。
【0022】
上記した電池容器Sが供給部2から成形部5に供給される供給工程がある。そして、上記成形部5においては、はじめに、開口部拡大手段をなす複数(ここでは、3個)の吸着パッドP1,P2,P3に対向する。
各吸着パッドP1〜P3は、その先端に、たとえばゴム材などの弾性部材からなる吸盤を備え、図示しない高圧ホースを介してバキュームポンプに接続される。また、各吸着パッドP1〜P3は、図示しない支持機構に往復動自在に支持される。
【0023】
これら吸着パッドP1〜P3は、電池容器Sに対する位置が設定されている。第1の吸着パッドP1は、電池容器Sの一面側で担体物質収容室20の上方部位における、幅方向中央部に対向する。すなわち、この吸着パッドP1は、上端開口部bの中央部分に対向する。
第2の吸着パッドP2は、第1の吸着パッドP1と電池容器Sを介在した対向部位にあり、電池容器Sの他面側で上端開口部bの中央部分に対向する。第3の吸着パッドP3は、第2の吸着パッドP2の下方部位で、かつ担体物質収容室20上端縁の裏面部位に対向している。
【0024】
図3(A)は第1の拡大工程が行われている状態の電池容器Sと開口部拡大手段との関係を表す斜視図であり、図3(B)は電池容器裏面側の斜視図であり、図3(C)はその断面図である。
指示信号が入ると各吸着パッドP1〜P3は一斉に往動駆動され、電池容器Sを構成するシート面に接触する。同時にバキュームポンプが駆動され、各吸着パッドP1〜P3は電池容器Sを構成するシート面を真空吸着する。
【0025】
所定のタイミングをとって各吸着パッドP1〜P3は所定距離だけ後退する。したがって、第1、第2の吸着パッドP1、P2の作用で、電池容器Sの開口部bで幅方向中央部のシート面相互間隔が拡大する。
すなわち、開口部bの開口量が強制的に広がる。さらに、第3の吸着パッドP3の作用で、担体物質収容室20上端縁部位のシート面相互間隔が強制的に広がる、第1の拡大工程が行われる。
【0026】
図4(A)は、第1の拡大工程が終了し、かつ第2の拡大工程が行われる以前の状態の電池容器Sと成形手段との関係を表す斜視図であり、図4(B)はその断面図である。
第1の拡大工程での各吸着パッドP1〜P3の位置姿勢を保持したまま、電池容器Sの開口部b上方部位で、かつ開口部bの両側端に、成形手段を構成する成形ノズルN1,N2が対向する。
【0027】
すなわち、上記成形ノズルN1,N2は、一対(2組)備えられ、それぞれ軸心を上下方向に向け、図示しない昇降機構に支持されて垂直方向に昇降自在となっている。
図8(A)(B)は、互いに異なる形態の成形ノズルNa、Nbの断面図を示している。
図8(A)に示す成形ノズルNaは、互いに異なる種類の合成樹脂材によるノズル本体25およびアタッチメント部26とから構成される。上記ノズル本体25は、直径10mm程度の杆状をなし、先端(下端)が尖鋭状に形成されている。
【0028】
上記アタッチメント部26は、ノズル本体25の周部に着脱自在に嵌着されていて、この下端部のみテーパー状をなしている。そして、アタッチメント部26の直径が20mmから30mm程度までの異なるものが複数種用意され、仕様にもとづいて交換自在となっている。
図8(B)に示す成形ノズルNbも合成樹脂材からなり、先端からテーパー状に形成されている。基端の直径が異なるものが複数種用意され、仕様にもとづいていずれかの直径のものが用いられる。
【0029】
いずれのタイプの成形ノズルNa,Nbにおいても、基端から先端に亘る軸芯に沿って高圧エアー供給孔27が貫通して設けられ、かつ基端には高圧ホース28が接続される。上記高圧ホース28は図示しないエアーコンプレッサに連通されていて、これらで高圧エアー供給手段が構成される。
図5(A)は、第2の拡大工程が行われる状態の電池容器Sの斜視図であり、図5(B)は、その断面図である。
継続して吸着パッドP1〜P3による拡大開口処理がなされていて、指示信号にもとづいて成形ノズルN1,N2は同時に下降駆動される。各成形ノズルN1,N2は、電池容器Sの開口部b両側端に、同時に挿入する。
【0030】
それぞれの成形ノズルN1,N2の先端が尖鋭状に形成されているので、電池容器Sのシート面間隔が僅かであっても円滑に挿入できる。しかも、成形ノズルN1,N2は全体的にテーパー状をなしているので、シート面間隔を無理なく押し広げる。
各成形ノズルN1,N2は、同時に、上記担体物質収容室20の極く近傍位置(担体物質収容室の上端縁から約10mm程度)まで挿入される。この状態で、上記第1の拡大工程で拡大された電池容器Sのシート面に、成形ノズルN1,N2の周面形状が転移される。
【0031】
各吸着パッドP1〜P3による第1の拡大工程を経たあとで各成形ノズルN1,N2を挿入するので、電池容器Sの担体物質収容室20から上方部位のシート面相互が確実に押し広げられる、第2の拡大工程が行われる。
上記成形ノズルN1,N2の挿入位置が確定したあとで、高圧エアーが供給され成形ノズルN1,N2の先端から瞬間的に噴出する。高圧エアーは、たとえば0.3mPaで、かつ0.3sec間噴出され、これによってシート面相互間隔がさらに拡大する。
【0032】
つぎに、電池容器S内から各成形ノズルN1,N2を抜き出し、かつ吸着パッドP1〜P3による吸着力を解除する。電池容器Sは最も拡大変形した状態で、後述する搬送手段によって成形部5から注液部6A,6Bに移送される。
最低限の移送時間が必要であり、この間に第1、第2の拡大工程で拡大形成された電池容器Sの開口部bがある程度狭まるよう変形するのはやむを得ない。換言すれば、次の工程に全く支障のない程度に開口部bを拡大させている。
【0033】
図6(A)は、電解液注入工程が行われる状態の、電池容器Sと注液手段Kとの関係を表す斜視図であり、図6(B)は、その断面図である。
注液手段Kである注液ノズルが電池容器S内に挿入され、電解液を電池容器S内に注入する、電解液注入工程がなされる。図においては、1本の注液ノズルKで注液をなすよう表しているが、2本の注液ノズルを電池容器Sの両側端に挿入して注液するようにしてもよい。
【0034】
いずれにしても、上記吸着パッドP1〜P3によって開口量が拡大されたうえで、成形ノズルN1,N2によってさらに開口量が拡大成形された電池容器S内に電解液を供給することになる。特に、担体物質収容室20の上端縁におけるシート面相互は充分な間隔を存しているので、電解液の浸透は円滑である。
図9(A)(B)は、互いに異なる形態の注液ノズルKa,Kbの斜視図である。
図9(A)に示すように、ノズル部dが1本である注液ノズルKaと、図9(B)に示すように、ノズル部dが複数本の注液ノズルKbがある。いずれの注液ノズルKa,Kbにおける各ノズル部dも、その口径は互いに同一であり、注入量の仕様にもとずいて注液ノズルKa,Kbのいずれかが選択される。
【0035】
すなわち、ノズル部dの口径が必要最小限以上であれば、単位時間当たりの注入量が増加する代りに、注液が終了したあとで先端に液溜り(滴)が生じ易く、ついには液だれ状態になる。
したがって、ノズル部dの口径は必要最小限に抑え、液供給量が少ない場合は1本のノズル部dを備えた注液ノズルKaを用い、液供給量が増大する場合は、ノズル部dの本数の多い注液ノズルKbを用いるとよい。
【0036】
このようにして注液工程を終了した電池容器Sを、別の搬送手段が専用キャリア内ヘ移載し、かつ上述した搬送ロボット11が専用キャリアごと含浸部9に搬送する。
図10(A)は、注液された電池容器Sに対する搬送手段30の構成を説明する斜視図であり、図10(B)は、搬送手段30による電池容器Sの搬送状態を説明する斜視図である。
【0037】
上記搬送手段30は、注液された電池容器Sに対して、貼り合わされた側辺部mを把持する把持機構31と、貼り合せた下辺部nを掛合する掛合機構32とを備えている。
上記把持機構31は、一対の爪部からなっていて、互いの爪部先端が開いた状態で電池容器Sに対向し、かつ爪部先端が側辺部mを介して当接し、把持状態になる。
【0038】
上記掛合機構32は、上記把持機構31とともに電池容器に対向する位置から移動する。ほぼ平板状をなし、先端から中途部まで割り溝33が設けられていて、ここに電池容器Sの下辺部nが介挿される。
把持機構31が電池容器Sの貼り合わされた側辺部mを把持し、掛合機構32の割り溝33が電池容器Sの貼り合わされた下辺部nに掛合する。つぎに、把持機構31が成形部6から注液部6A,6Bへ、もしくは注液部6A,6Bから専用キャリアへ移動する。
【0039】
掛合機構32は、電池容器Sの側端縁に押されて移動し、把持機構31に追従することになる。把持機構31は電池容器Sの貼り合わされた側辺部mを把持するので、電池容器Sの変形がなく注入した電解液の状態に変化がない。
すなわち、電池容器S内部に電解液が注入された状態で移動しても、内部の電解液には何らの影響も与えることがない。掛合機構32は電池容器Sの下辺部nに掛合するので、電池容器Sの姿勢を保持した状態での搬送が可能となる。
【0040】
図7(A)(B)(C)は、含浸工程での所定の含浸部9を構成する含浸用チャンバ9A、9Bと、この含浸用チャンバ内に収容される電池容器Sの状態を示す概略の断面図である。
図7(A)に示すように、電池容器Sは含浸部9で所定の圧力条件下に晒される。すなわち、担体物質収容室20に注液された電解液は、担体物質T内に存在する気泡の影響で容易には含浸せず、その大部分が担体物質収容室20に溜まったままで含浸部9に搬入される。
【0041】
含浸部9において所定の低圧条件下の環境に晒されるところから、担体物質T内および電解液内に存在する気泡が脱気される。代って、担体物質収容室20に溜まっていた電解液が担体物質T自体に浸透し含浸する。
この含浸部9には、圧迫機構40が収容されている。上記圧迫機構40は、往復駆動される一対の板体からなり、これら板体相互間隙に電池容器Sの特に、担体物質収容室20が介在するよう位置決めされる。
【0042】
含浸部9を所定の低圧条件下に保持している間、圧迫機構40を構成する一対の板体は互いに近接する方向と、離間する方向に往復駆動される。このようにして、圧迫機構40は担体物質収容室20を両側から圧迫し、かつ解放する、圧迫・解放工程が同時に行われる。
以上の工程を所定時間(約20分間)継続することにより、担体物質T内および電解液内に存在する気泡が完全に脱気され、電解液は担体物質T内に含浸する。そこで、図7(C)に示すように、含浸部9を大気開放して大気圧に戻す。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電池容器に電解液を短時間で効率よく注入でき、かつ担体物質からエアー等を確実に脱泡させて電解液の含浸をなし、安定した品質で信頼性の高い電池性能を得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す、注液装置を備えた電池製造装置の概略の平面図。
【図2】同実施の形態を示す、注液装置における第1の拡大工程の開始状態を説明する図。
【図3】同実施の形態を示す、注液装置における第1の拡大工程を説明する図。
【図4】同実施の形態を示す、注液装置における第2の拡大工程の開始状態を説明する図。
【図5】同実施の形態を示す、注液装置における第2の拡大工程を説明する図。
【図6】同実施の形態を示す、注液装置における注液工程を説明する図。
【図7】同実施の形態を示す、注液装置における含浸工程を説明する図。
【図8】同実施の形態を示す、注液装置に用いられる成形ノズルの、異なる種類の断面図。
【図9】同実施の形態を示す、注液装置に用いられる注液ノズルの、異なる種類の断面図。
【図10】同実施の形態を示す、注液装置に用いられる搬送手段を説明する図。
【符号の説明】
T…担体物質、
S…電池容器、
P1〜P3…吸着パッド(開口部拡大手段)、
N1,N2…成形ノズル(成形手段)、
K…注液ノズル(注液手段)、
27…高圧エアー供給孔(高圧エアー供給手段)、
30…搬送手段、
31…把持機構、
32…掛合機構、
40…圧迫・解放機構。
Claims (4)
- 熱融着性シートからなり、担体物質を収容する担体物質収容室を備え、かつ開口部を有する袋状の電池容器内に電解液を注入する注液装置において、
上記電池容器の開口部を強制的に拡大する開口部拡大手段と、
この開口部拡大手段によって拡大された電池容器開口部を介して担体物質収容室の端縁近傍部位まで挿入され、その周面形状を電池容器シート面に転移させて、シート面をさらに強制的に押し広げる成形手段と、
この成形手段によって拡大された電池容器内部に挿入され、かつ電解液を担体物質収容室に注入する注入手段とを具備し、
上記成形手段は、高圧エアーを成形手段の先端から噴出させ、シート面相互間隔をさらに拡大する高圧エアー供給手段が接続されることを特徴とする注液装置。 - 上記成形手段は、上記高圧エアー供給手段から供給される高圧エアーを導き先端から噴出させる杆状のノズル本体と、このノズル本体の周面に嵌着され電池容器シート面に周面形状を転移させて押し広げるアタッチメント部とを備えた成形ノズルであって、
上記アタッチメント部は、周面形状が相違する複数種のものが用意され、仕様にもとづいて交換自在とすることを特徴とする請求項1記載の注液装置。 - 上記開口部拡大手段は、
上記電池容器開口部の幅方向中央部における上記熱融着性シートの両面側に対向し、上記シートを吸着して開口部の幅方向中央部の間隔を強制的に開口するとともに、上記担体物質収容室の前記開口部に近い端縁とシートを介して対向し、上記シートを吸着して上記担体物質収容室の開口部に近い端縁部位を強制的に開口する複数の吸着パッドを備えたことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の注液装置。 - 熱融着性シートからなり、担体物質を収容する担体物質収容室を備え、かつ開口部を有する袋状の電池容器を供給する供給工程と、
この供給工程で供給された電池容器のシート面開口部近傍部位および上記担体物質収容室の端縁部位に吸着し、かつ後退することによって、電池容器の開口部および担体物質収容室端縁のシート面相互間隔を強制的に広げる第1の拡大工程と、
この第1の拡大工程で拡大された電池容器の開口部に成形ノズルを挿入し、この成形ノズルの周面形状を電池容器シート面に転移させて強制的に押し広げ、シート面相互間隔をさらに拡大する第2の拡大工程と、
上記第1の拡大工程および上記第2の拡大工程でシート面間隔が拡大された電池容器内部に注液ノズルを挿入し、かつ注液ノズルから電解液を注入する電解液注入工程と、
この電解液注入工程で電解液が注入された電池容器を受け入れ、所定の圧力条件下に晒して上記担体物質に電解液を含浸させる含浸工程とを具備し、
上記含浸工程は、電池容器の担体物質収容室を圧迫し、かつ解放を繰り返して、電解液の担体物質への含浸を促進する圧迫・解放工程を、同時に進行処理することを特徴とする電池の製造方法。
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