JP3905777B2 - 段ボールシートの反り矯正システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボールシート製造装置により製造される段ボールシート(両面段ボールシート)の流れ方向の反りを矯正する、段ボールシートの反り矯正システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
段ボールシートは、一方のライナ(裏ライナ)に段繰りした中芯を糊で貼り合わせて片段シートを作製し、さらに、片段シートの中芯側に他方のライナ(表ライナ)を貼り合わせることによって段ボールシートを作製し、この段ボールシートを適宜の長さに切断することによって製造される。この製造過程において、表ライナや片段シートの搬送方向(以下、流れ方向ともいう)の張力が適正範囲から外れてしまい、表ライナの流れ方向張力と片段シートの流れ方向張力との間に顕著な差があると、完成した段ボールシートには流れ方向の上下反り(以下、単に流れ方向反りという)や貼り合わせ不良等の不具合が発生してしまう。
【0003】
従来、このような流れ方向の反りについては、オペレータが段ボールシートの反りの状態を目視して、オペレータ自身の経験やノウハウに基づいて片段シートや表ライナの張力に関する各制御要素(例えば、片段シートのサクションブレーキ,パウダブレーキや、表ライナのミルスタンドブレーキやパウダブレーキ)を手動で個々に調整することによって対応していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように経験やノウハウに依存した調整方法では、オペレータの熟練レベルによりシート品質にバラツキが生じるという課題があった。また、同じオペレータでも調整を何度もやり直したり、誤操作したりする場合があるため、安定したシート品質を得ることが困難であった。さらに、上記のように調整対象となる制御要素が複数ある上に、これらの制御要素の現在量を確認した上で調整量を判断しなければならず、操作が煩雑で調整に時間を要するという課題もあった。
【0005】
そこで、特開平10−128881号公報には、反り検出装置からの検出信号に基づいて表シート部材及び/又は裏シート部材にかける適正張力値を演算し、張力調整装置によりこの表シート部材及び/又は裏シート部材の張力を上記適正張力値になるように調整するようにした技術が開示されている。
しかしながら、この技術は、単に、張力調整装置として予め選定された特定の制御要素を段ボールシートの反り状態に応じて制御するものであることから制御要素が反り量にかかわらず固定されてしまうため、反り量が大きい場合には、上記の選定された制御要素を調整するだけでは、反りの矯正に時間がかかってしまい、極端な場合には反りを矯正できない虞がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく、確実且つ効率的に段ボールシートの流れ方向の反りを矯正できるようにした、段ボールシートの反り矯正システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の段ボールシートの反り矯正システム(以下、システム)は、以下に説明する反り状態情報取得手段、運転状態情報取得手段、制御要素選定手段、制御量演算手段、及び制御手段を備え、これら各構成要素を用いることによって段ボールシート製造装置で製造される段ボールシートの流れ方向の反りを矯正することを特徴としている。
【0008】
まず、反り状態情報取得手段は、段ボールシート製造装置で製造された段ボールシートの流れ方向の反り状態(流れ方向の反りの上下方向や大きさ)に関する情報を反りの程度(大きさ)が段階的に区分して判定された状態で取得する手段である。情報の取得方法は、オペレータによる手動入力でも自動取得でもよく、オペレータによる手動入力の場合は、例えば、段ボールシートの流れ方向の反り状態を示す複数の選択肢の中から任意の一つをオペレータに選択させる選択手段を備え、選択手段で選択された選択肢を段ボールシートの流れ方向の反り状態に関する情報として取得するように構成するのが好ましい。
【0009】
一方、自動取得の場合は、例えば、段ボールシート製造装置で製造された段ボールシートの流れ方向側面を撮像する撮像手段と、撮像手段で得られた画像情報に基づき段ボールシートの流れ方向の反りを検出する検出手段とを備え、検出手段で検出された情報を段ボールシートの流れ方向の反り状態に関する情報として取得するように構成するのが好ましい。
【0010】
或いは、段ボールシート製造装置で製造された段ボールシートの垂直方向変位量を段ボールシートの流れ方向に沿って検出する変位量測定手段と、変位量測定手段で得られた変位量情報に基づき段ボールシートの流れ方向の反りを検出する検出手段とを備え、検出手段で検出された情報を段ボールシートの流れ方向の反り状態に関する情報として取得するように構成しても良い。
【0011】
運転状態情報取得手段は、段ボールシート製造装置の運転状態に関する情報を取得する手段である。運転状態に関する情報とは、運転速度、各ブレーキ装置のブレーキ力、巻き付けロールのシート巻き付け量に関する情報等の各種情報を指している。
制御要素選定手段は、段ボールシート製造装置の制御要素のうち片段シート或いは表ライナの流れ方向張力に影響を与える複数の特定制御要素の中から、段ボールシートの流れ方向の反り状態と各特定制御要素が段ボールシートの流れ方向の反りに与える影響とに応じて、予め設定された(所定の)優先順位に従い少なくとも一つの特定制御要素を選定する手段である。
特定制御要素としては、走行中の片段シートにブレーキ力を作用させるブレーキ装置のブレーキ力、走行中の表ライナにブレーキ力を作用させるブレーキ装置のブレーキ力や、片段シート及び表ライナの少なくとも一方のシート状物に設けられた巻き付けロールのシート巻き付け量である。シート巻き付け量は、巻き付け量調整手段により調整される。
【0012】
制御量演算手段は、段ボールシートの反り状態情報と段ボールシート製造装置の運転状態とに基づき、制御要素選定手段により選定された特定制御要素の制御量を演算する手段である。
そして、制御手段は、制御量演算手段で演算された制御量で選定された特定制御要素を制御する手段である。より具体的には、特定制御要素の現在量が制御量演算手段で演算された制御量になるように、特定制御要素に対応する各アクチュエータを制御する手段である。
【0013】
このような構成により、反り状態情報取得手段により取得された段ボールシートの流れ方向の反り状態に応じて、段ボールシートの反りに影響を与える特定制御要素が自動で制御されるので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく、確実且つ効率的に段ボールシートの流れ方向の反りが矯正される。特に、情報取得手段が情報を自動取得する場合には、段ボールシートの流れ方向の反りが全自動で矯正されることになる。
【0014】
さらに、段ボールシートの反りの大きさに応じて、所定の優先順位に従い特定制御要素を順次に追加選定していくように制御要素選定手段を構成する。つまり、制御要素選定手段は、反り状態情報取得手段により取得された段ボールシートの反りの程度が小さい段階にある場合には、優先順位の最も高い方から順に1又は複数の特定制御要素を選定し、反り状態情報取得手段により取得された段ボールシートの反りの程度が大きくなるにつれ、優先順位に従い特定制御要素を順次に追加し、制御量演算手段で演算される特定制御要素が増加するように選定する。これにより、反りの大きさに応じて矯正の程度も大きくすることができ、段ボールシートの反りをより速やかに矯正することが可能になる。特に、段ボールシートの反りに与える影響が大きい特定制御要素ほど優先順位を高く設定した場合には、段ボールシートの反りをさらに速やかに矯正することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムの概要を示す図である。本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムは、段ボールシート製造装置1と段ボールシート製造装置1を制御する生産管理装置2とにより構成されている。
【0016】
段ボールシート製造装置1は、主な構成装置として、裏ライナ20を加熱する裏ライナプレヒータ10、中芯21を加熱する中芯プレヒータ12、中芯プレヒータ12で加熱された中芯21を段繰りして糊付けし、裏ライナプレヒータ10で加熱された裏ライナ20を貼り合わせるシングルフェーサ11、シングルフェーサ11により形成された片段シート22を加熱する片段シートプレヒータ13、表ライナ23を加熱する表ライナプレヒータ14、片段シートプレヒータ13により加熱された片段シート22に糊付けするグルーマシン15、グルーマシン15により糊付けされた片段シート22に表ライナプレヒータ14より加熱された表ライナ23を貼り合わせて段ボールシート24を形成するダブルフェーサ16、ダブルフェーサ16で形成された段ボールシート24に罫入れや溝切りを行うスリッタスコアラ17、スリッタスコアラ17で罫入れ等された段ボールシート24を分割板状に裁断して最終製品である段ボールシート(板状段ボールシート)25を作製するカットオフ18、及び段ボールシート25を完成順にスタックするスタッカ19を備えている。
【0017】
なお、各シート20,21,23は、それぞれミルロール用スタンドM1,M2,M3に回転可能に取り付けられた原紙ロールから送り出される。
また、片段シート22や表ライナ23の走行方向(流れ方向)張力に影響を与える(流れ方向張力を調整しうる)制御要素として、段ボールシート製造装置1には、走行するシート22,23にブレーキ力を作用させる各種ブレーキ装置が設けられている。表ライナ23用としては、例えば、表ライナ23用のミルスタンドM3に設けられたミルブレーキ30や、表ライナプレヒータ14とダブルフェーサ16との間でブレーキ力を作用させる表ライナ用パウダブレーキ31が設置され、片段シート22用としては、例えば、シングルフェーサ11と片段シートプレヒータ13との間で片段シート22にブレーキ力を作用させる片段用サクションブレーキ32や、グルーマシン15の入口で片段シート22にブレーキ力を作用させる片段用パウダブレーキ33が設けられている。
【0018】
以下、これらのブレーキ装置について簡単に説明する。
先ず、パウダブレーキ31,33の構造を、片段用パウダブレーキ33を例に取り説明する。片段用パウダブレーキ33は、図2に示すように、ブレーキロール33aと、このブレーキロール33aの回転軸33bに連結されブレーキロール33aのトルクを規制するトルク調整装置33cとをそなえて構成されている。また、片段用パウダブレーキ33の上流側及び下流側にはそれぞれガイドロール33dが設置されており、片段シート22は、これらのガイドロール33dとブレーキロール33aとの間を通され、片段用パウダブレーキ33に巻き付けられている。
【0019】
ブレーキロール33aは、トルク調整装置33cを介して後述するプロセスコントローラ5によりそのトルクが制御されるようになっており、このトルク制御によりブレーキロール33aに巻き付けられた片段シート22に所定の大きさのブレーキ力を作用させることができ、片段シート22に所定の大きさの流れ方向張力を発生させることができるようになっている。
【0020】
次に、片段用サクションブレーキ32について説明すると、片段用サクションブレーキ32は、走行中の片段シート22にブレーキ力として吸引力を作用させるものであり、図3に示すように吸引口32aを片段シート22の走行ラインに向けて設置され、吸引口32aは、図示しない吸引源と連通接続されている。プロセスコントローラ5は、例えば、片段用サクションブレーキ32と上記の図示しない吸引源との間の吸引ラインに介装されたバルブの開度、或いは吸引源の負荷を制御することにより片段シート22の流れ方向張力を所定の大きさに制御するようになっている。
【0021】
表ライナ用ミルスタンドM3のミルブレーキ30について説明すると、このミルブレーキ30は、表ライナ23のミルロールを、上記パウダブレーキ31,33と同じくトルク制御することにより表ライナ23にブレーキ力を作用させるものである。
さて、生産管理装置2は、このような各ブレーキ装置を適宜制御することによって、段ボールシート25の反りを矯正している。この段ボールシート25の反り矯正機能に着目した場合、生産管理装置2は、図1に示すように、知識データベース3、制御量演算部4、プロセスコントローラ5、及び反り状態入力部6から構成される。
【0022】
知識データベース3には、段ボールシート製造装置1を制御するための制御要素のうち段ボールシート25の流れ方向反りに影響を与える特定の制御要素(特定制御要素)に関し、その制御量(現在値からの調整量)の設定値、或いは制御量を設定するための設定式を段ボールシート25の各流れ方向反りの状態(反り方向や反りの大きさ)に対応して定めたものが記憶されている。ここでいう特定の制御要素とは、片段シート22や表ライナ23の流れ方向張力を左右する制御要素であり、具体的には、上述した表ライナ23のミルブレーキ30やパウダブレーキ31,33や片段用サクションブレーキ32のブレーキ力等のことである。
【0023】
例えば、段ボールシート25が上反り(表ライナ23側に凸)の場合には、表ライナ23の流れ方向張力を増大させたり、片段シート22の流れ方向張力を低下させたりするように各制御要素の制御量の設定値或いは設定式が定められている。逆に、段ボールシート25が下反り(片段シート22側に凸)の場合には、片段シート22の流れ方向張力を増大させたり、表ライナ23の流れ方向張力を低下させたりするように各制御要素の制御量の設定値或いは設定式が定められている。
【0024】
また、各制御要素の設定値或いは設定式は、所定の優先順位に従って定められている。ここでいう優先順位とは出力上の優先順位であり、例えば、反りの程度が小さい場合には優先順位の高い制御要素のみが出力され、反りの程度が大きくなるにつれ優先順位に従って順次に他の制御要素が追加出力されるように定められている。優先順位は、反りに与える影響が大きい制御要素ほど、換言すれば反りを矯正する力の高い制御要素ほど、高く設定されている。
【0025】
図4は本実施形態にかかる知識データベース3の構成を示したものである。ここでは、段ボールシート25の反り状態の種類は、後述する押し釦の種類に対応して、上反り大、上反り中、上反り小、下反り大、下反り中、下反り小の6種類が設定され、各反り状態毎に、出力すべき制御要素が優先順位に従って決められている。本実施形態では、上述した表ライナ23のミルブレーキ30のブレーキ力、パウダブレーキ31,33の各ブレーキ力、片段用サクションブレーキ32のブレーキ力が制御要素(特定制御要素)として設定されており、上反り時については、表ライナ用パウダブレーキ31のブレーキ力が優先順位1とされ、表ライナ用ミルブレーキ30のブレーキ力が優先順位2とされ、一方、下反り時については、片段用パウダブレーキ33のブレーキ力が優先順位1とされ、片段用サクションブレーキ32のブレーキ力(サクション圧)が優先順位2とされている。
【0026】
図4中、三角印(△),丸印(○)或いは二重丸印(◎)が付けられた制御要素が、その反り状態において出力される制御要素である。また、三角印と丸印と二重丸印は制御量(現在値からの調整量)の大きさを示し、同一の制御要素で比較した場合には、三角印,丸印,二重丸印の順に大きな制御量を示している(△<○<◎)。したがって、本実施形態では、例えば段ボールシート25の反り状態が上反り小の場合には、表ライナ用パウダブレーキ31のブレーキ力のみが制御され、反り状態が上反り中の場合には、表ライナ用パウダブレーキ31のブレーキ力の調整量が増大されるとともにミルブレーキ30のブレーキ力の調整が追加され、さらに、反り状態が上反り大の場合には、表ライナ用パウダブレーキ31及びミルブレーキ30のブレーキ力の調整量が共に増大される。なお、各制御要素の具体的な設定値或いは設定式は、試験やシミュレーションにより決定する。
【0027】
本実施形態では、段ボール25の反り状態は、反り状態入力部(反り状態情報取得手段)6においてオペレータにより手動入力されるようになっている。反り状態入力部6は、知識データベース3において区分された各反り状態に応じた6つの押し釦61(上反り大),62(上反り中),63(上反り小),65(下反り大),66(下反り中),67(下反り小)とリセット釦64を備えており、オペレータが該当する釦を選択して押すことで、その選択信号が制御量演算部4に入力されるようになっている。なお、段ボールシート25の反り状態は、オペレータがスタッカ19に積層された段ボールシート25を目視して判断する。
【0028】
制御量演算部4は、反り状態入力部6からの選択信号に基づき知識データベース3を検索する。そして、該当する各制御要素の制御量の設定値或いは設定式を知識データベース3から読み出し、段ボールシート製造装置1のマシン状態(運転状態)に応じた各制御量を演算する。本実施形態では、この制御量演算部4と知識データベース3とにより、本発明にかかる制御要素選定手段と制御量演算手段とが構成されている。
【0029】
なお、マシン状態とは、例えば段ボールシート製造装置1の運転速度(シートの走行速度)や、パウダブレーキ31,33のブレーキ力(正確にはトルク調整装置の電流値)や、ミルブレーキ30力や、片段用サクションブレーキ32のブレーキ力(正確にはサクション圧ラインに介装されたバルブの開度)等の各現在値のことである。これらのマシン状態情報は、後述するプロセスコントローラ5から入力されるようになっている。
【0030】
また、制御量演算部4は、反り状態入力部6でリセット釦64が選択された場合には、全制御要素をオリジナル値(原紙構成、使用原紙の坪量、紙幅、フルート等の生産状態情報に基づいたマトリックス制御により決定される値)に戻すようにプロセスコントローラ5に指令を送るようになっている。
プロセスコントローラ5は、段ボールシート製造装置1を構成する各装置10〜19を総合制御している。通常、プロセスコントローラ5は、生産状態情報に基づいたマトリックス制御により各装置10〜19を制御しているが、反り状態入力部6において押し釦61〜63,65〜67が押された場合には、該当する装置の制御要素(ここではブレーキ30〜33の各ブレーキ力いずれか或いはそれらの組み合わせ)を制御量演算部4で演算された制御量で制御する。また、リセット釦64が押された場合には、全制御要素をオリジナル値に戻すように各装置10,13,14を制御する。また、プロセスコントローラ5は、段ボールシート製造装置1のマシン状態を常に把握しており、定期的に或いは制御量演算部4からの要求に応じて現在のマシン状態を制御量演算部4に出力している。すなわち、プロセスコントローラ5は、本発明にかかる制御手段と運転状態情報取得手段として機能している。
【0031】
以上説明した生産管理装置2の機能を段ボールシート25の反りを矯正する際の一連の処理の流れで表したのが図5に示すフローチャートである。
まず、生産管理装置2は、ステップS10でマシン状態をチェックし、ステップS20で生産状態をチェックする。次に、ステップS30で、現在、反り状態の入力が可能な状態(押し釦61〜67を押せる状態)か否か判定する。これは、糊の付着力が強すぎてシート速度が上がらない等のトラブルが生じている状態で反りを矯正しても意味がないので、他にトラブルが生じている場合には反り矯正を行わないようにするための処理である。
【0032】
ステップS30で反り状態が入力可能な場合には、ステップS40で実際に反り状態の入力があったか否か判定する。そして、反り状態の入力があった場合には、ステップS50で、入力された反り状態、すなわち選択された押し釦61〜63,65〜67に応じて優先順位に従い制御すべき制御要素(ここではブレーキ30〜33のブレーキ力のいずれか或いはそれらの組み合わせ)を選定する。
【0033】
続いて、ステップS60では、選定された制御要素について、知識データベース3を参照してステップS10で取得したマシン状態情報に応じた制御量を演算する。なお、このとき、原紙構成(厚紙、薄紙)の違いにより巻き付け量を変える等、ステップS20で取得した生産状態情報を参考データとして用いる場合もある。そして、ステップS70で、演算した制御量を該当する装置(ここではブレーキ30〜33のいずれか或いはそれらの組み合わせ)に出力する。
【0034】
このように、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、オペレータが段ボールシート製造装置1により製造された段ボールシート25の反り状態を目視で判定し、反り状態に対応する釦61〜63,65〜67を押すだけで、段ボールシート25の反りに影響を与えるブレーキ30〜33のブレーキ力が生産管理装置2によって自動調整されるので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく正確に且つ容易に段ボールシート25の流れ方向反りを矯正することができる。
【0035】
また、反り量に応じて制御要素が選定される(ここでは段ボールシート25の反りの大きさに応じて、所定の優先順位に従い制御要素が順次に追加選定される)ので、反り量にかかわらず反りの矯正を確実且つ効率的に行なえる。特に本実施形態のように優先順位を段ボールシート25の反りに与える影響が大きい制御要素ほど高く設定することによって、段ボールシート25の反りをより速やかに矯正することが可能になる。
【0036】
なお、第1実施形態では、ブレーキ30〜33のブレーキ力を制御要素として段ボールシート25の反りを矯正する場合について説明したが、これはあくまでも一例であり、以下の第2実施形態のように、制御すべき制御要素の種類を増やしてもよい。
(B)第2実施形態
図6は本発明の第2実施形態にかかる段ボール装置製造システムの構成を示したものである。
【0037】
本実施形態の段ボールシート製造装置1は、第1実施形態に対し、表ライナ23用の巻き付けロール(表ライナ用巻き付けロール)40と、片段シート22用の巻き付けロール(片段用巻き付けロール)41とが追加された構成となっており、ここでは、表ライナ用巻き付けロール40は表ライナプレヒータ14とダブルフェーサ16との間に配置され、片段用巻き付けロール41は片段シートプレヒータ13とグルーマシン15との間に配置されている。
【0038】
巻き付けロール40,41について片段用巻き付けロール41を例に取り図7を参照して説明すると、片段用巻き付けロール41には上流及び下流側に近接してガイドロール41a,41bが設けられており、片段シート22は片段用巻き付けロール41とガイドロール41a,41bとの間を通され片段用巻き付けロール41に巻き付けられている。
【0039】
一方のガイドロール41aは、片段用巻き付けロール41の軸に揺動自在に取り付けられたアーム41cの先端に支持され、このアーム41cは、図示しないモータによって駆動されるようになっており、ガイドロール41a及び図示しないモータにより巻き付け量調整装置が構成されている。つまり、アーム41cをモータ駆動してガイドロール41aを所定位置に旋回させることで、片段用巻き付けロール41に対する片段シート22の巻き付け量を調整できるようになっているのである。そして、上記巻き付け量を増大させれば、片段シート22の走行に対して抵抗が増大し片段シート22の流れ方向張力を増大させることができ、逆に、上記巻き付け量を減少させれば、片段シート22の流れ方向張力を減少させることができる。
【0040】
なお、表ライナ用巻き付けロール40の設置個所はダブルフェーサ16よりも上流側であれば良く、片段用巻き付けロール41の設置個所はグルーマシン15よりも上流側であれば良い。
さて、図8は本発明の第2実施形態にかかる知識データベース3の構成を示したものである。
【0041】
反り矯正制御に着目すると、本実施形態では、第1実施形態における各制御要素に加え、新たに上記巻き付けロール40,41のシート巻き付け量が特定制御要素として設定されている。そして、上反り時には、第1実施形態と同様、表ライナ用パウダブレーキ31のブレーキ力が優先順位1、表ライナ用ミルブレーキ30のブレーキ力が優先順位2とされ、表ライナ用巻き付けロール40は優先順位3とされている。また、下反り時には、第1実施形態と同様、片段用パウダブレーキ33のブレーキ力が優先順位1、片段用サクションブレーキ32のブレーキ力が優先順位2とされ、片段シート用巻き付けロール41は優先順位3とされている。
【0042】
この他の構成は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、上記のように制御要素が第1実施形態よりも増えることによって、第1実施形態よりも細かな制御が可能になり、より正確に段ボールシート25の反りを矯正することができる。
【0043】
(C)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について図9〜図11を用いて説明する。本実施形態は、段ボールシート25の反り状態に関する情報を取得するための手段に特徴があり、他の構成は第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態にかかる生産管理装置2は、第1実施形態にかかる反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8を備えている。また、段ボールシート製造装置1の最後尾には、CCDカメラ(撮像手段)7が備えられている。
【0044】
CCDカメラ7は、図10に示すようにスタッカ19のスタック部192に配置されている。スタック部192には、カットオフ18で裁断された段ボールシート25が図示しない複数のコンベアによって搬送され、順に積載されていく。CCDカメラ7は、このスタック部192に積載された段ボールシート25を流れ方向に沿う側面から撮像し、その画像情報を反り状態判定部8に出力する。
【0045】
反り状態判定部8は、CCDカメラ7からの画像情報を画像処理して段ボールシート25の流れ方向に並ぶ所定の3点(両端及び中央)の高さを計側する。そして、計測した高さのバラツキから、段ボールシート25の流れ方向における反り方向(上方向或いは下方向)と高さの程度(大、或いは中、或いは小)を判定する。判定結果は、制御量演算部4に送られ、制御量演算部4ではこの判定結果に基づき制御要素を選定し、選定した制御要素について、知識データベース3を参照してマシン状態情報に応じた制御量を演算する。
【0046】
ここで、反り状態判定部8による反り状態の判定について図11(a),(b)を参照して具体的に説明する。CCDカメラ7は、図11(a)に示すように段ボールシート25の流れ方向側面を撮影するようになっている。そして、反り状態判定部8は、CCDカメラ7からの画像情報を画像処理して段ボールシート25の流れ方向に並ぶ所定の3点(上流側隅PE,シート中央PF及び下流側隅PG)について基準線L0に対する垂直方向変位量e,f,gをそれぞれ算出するようになっている。
【0047】
そして、反り状態判定部8は、これらの垂直方向変位量e,f,gから、段ボールシート25を床平面に置いた場合の各隅PE,PGの上記床平面からの垂直方向跳ね上がり量E,Gを下式(1),(2)に示すようにそれぞれ演算し、これらの跳ね上がり量E,Gを使用して下式(3)により定義される流れ方向反り量WFを算出するようになっている。さらに、この反り量WFの正負により反り方向を判定し、反り量WFの絶対値の大きさにより反りの高さを判定するようになっている。
【0048】
E=f−e … (1)
G=f−g … (2)
【0049】
【数式1】
Figure 0003905777
【0050】
なお、上式(3)において、Wは段ボールシート25の幅寸法であり、αは反り量を無次元化するための定数である。
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、段ボールシート25の反りが全自動で矯正されることになり、オペレータの経験やノウハウに頼ることなくさらに正確に且つさらに容易に段ボールシート25の反りを矯正することができる。また、ここでは、第1実施形態の知識データベース3を利用するように、反りの程度を大、中、小の3段階に判定しているが、このシステムによればより細かく反りの程度を判定することができ、より正確に段ボールシート25の反りを矯正することができる。
【0051】
(D)第4実施形態
図12は、本実施形態にかかる段ボールシートの反り検出装置の要部構成を示した概略図である。
上述した第3実施形態では、CCDカメラ7により得られた画像情報に基づいて反り状態判定部8が段ボールシートの反り状態を検出していたが、本実施形態では、CCDカメラ(撮像手段)7の代わりに変位センサ(変位量測定手段)7A,7Bを用い、この変位センサ7Aの測定情報に基づいて反り状態判定部8が段ボールシートの反り状態を検出するようになっている。
【0052】
変位センサ7Aは、図12に示すように、変位センサ取付用部材72aを介して、段ボールシート25の幅方向に沿って水平に延びるレール71aに摺動可能に取り付けられ、さらに、このレール71aは、変位センサ取付用部材72bを介して、スタック部192の上部フレーム71に取り付けられ段ボールシート25の流れ方向に沿って水平に延びるレール71bに摺動可能に取り付けられている。
【0053】
また、変位センサ取付用部材72a,72bには図示しない駆動手段が設けられている。変位センサ7Aは、上記構成においてこの駆動手段により駆動され段ボールシート25の幅方向及び流れ方向に沿って水平に移動することができ、図13に示す段ボールシート25の上流側の駆動側隅部近くの測定点PD及び操作側隅部近くの測定点PCと、流れ方向中央の駆動側端部近くの測定点PS及び操作側端部近くの測定点PRとの鉛直上方にそれぞれ位置制御されるようになっており、変位センサから各点PC,PD,PR,PSまでの垂直変位量c,d,r,sをそれぞれ検出できるようになっている。
【0054】
一方、変位センサ7Bは、図12に示すように、変位センサ取付用部材74aを介して、フレーム71に取り付けられ段ボールシート25の幅方向に沿って水平に延びるレール73aに摺動可能に取り付けられ、また、変位センサ取付用部材74aには図示しない駆動手段が設けられている。変位センサ7Bは、この駆動手段により駆動され段ボールシート25の幅方向に沿って水平に移動することができ、図13に示す段ボールシート25の下流側の駆動側隅部近くの測定点PA及び操作側隅部近くの測定点PBの各上方に位置制御されるようになっており、変位センサから各点PA,PBまでの垂直変位量a,bを検出できるようになっている。
【0055】
そして、反り状態判定部8では、下式(4)に示すようにシート流れ方向中心に対するシート流れ方向両端部の垂直方向変位量の差に基づき、流れ方向反り量WFが演算されるようになっている。ここでは、反り状態判定部8は、下式(4)に示すように、駆動側については流れ方向中心PSの垂直方向変位量sを基準に流れ方向反り量を演算し、操作側については流れ方向中心PRの垂直方向変位量rを基準に流れ方向反り量を演算し、この平均を段ボールシート25の流れ方向反り量として演算するようになっている。
【0056】
【数式2】
Figure 0003905777
【0057】
この他の構成は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、上記第3実施形態と同様の効果が得られる。
なお、流れ方向反りを検出するためには、流れ方向に沿って段ボールシートの垂直方向変位を検出できれば良く、例えば図14に示す三位置PA′,PB′,PC′についてそれぞれ垂直方向変位分布a′,b′,c′を検出するように簡素化して構成しても良い。この場合、流れ方向反り量WFは例えば下式(5)により演算される。
【0058】
【数式3】
Figure 0003905777
【0059】
また、上記実施形態では、スタッカ19のスタック部192上で段ボールシート25の垂直方向変位量を変位量センサにより検出するようにしているが、変位量センサは、カットオフ18により全幅にわたって断裁された最終製品としての段ボールシートの垂直方向変位量を検出できればよい。つまり、カットオフ18よりも下流側で段ボールシート25について上記検出を行なえるものであれば良く、例えば変位量センサをカットオフ18とスタッカ19との間のコンベア上に設け、このコンベア上を搬送される段ボールシート25について上記検出を行なうようにしてもよい。
【0060】
(E)その他
以上、本発明について実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記第3実施形態は、第1実施形態の反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8及びCCDカメラ(撮像手段)7をそなえた構成とし、第4実施形態は、第1実施形態の反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8及び変位センサ(変位量測定手段)7A,7Bをそなえた構成としたが、第2実施形態に対して、反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8及びCCDカメラ(撮像手段)7をそなえた構成にしたり、反り状態入力部6の代わりに反り状態判定部8及び変位センサ(変位量測定手段)7A,7Bをそなえた構成にしたりすることもできる。
【0061】
また、上述の実施形態では、ブレーキ装置30〜33や巻き付けロール40,41を特定制御要素として使用しているが、これに限らず、片段シート22や表ライナ23の流れ方向張力に影響を与える制御要素であれば、特定制御要素として段ボールシート25の反りの矯正に用いることができる。したがって、第1実施形態及び第2実施形態で説明した知識データベース3の構成は一例にすぎず、用いる特定制御要素に応じて構成すればよい。また、優先順位の設定も上述の実施形態の順位に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の段ボールシートの反り矯正システムによれば、製造された段ボールシートの流れ方向の反り状態に応じて、段ボールシートの流れ方向の反りに影響を与える特定制御要素が自動で制御されるので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく、確実且つ効率的に段ボールシートの流れ方向の反りを矯正できるという効果がある。
【0063】
また、段ボールシートの反りの大きさに応じて、所定の優先順位に従い特定制御要素を順次に追加選定していくので、反りの大きさに応じて矯正の程度も大きくすることができ、段ボールシートの反りをより速やかに矯正することができ、さらに、段ボールシートの反りに与える影響が大きい特定制御要素ほど優先順位を高く設定した場合には、段ボールシートの反りをさらに速やかに矯正することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる片段用パウダブレーキ(ブレーキ装置)の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる片段用サクションブレーキ(ブレーキ装置)の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる知識データベースの構成を示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる反り矯正処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムの概要を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる片段用巻き付けロールの構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる知識データベースの構成を示した図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムの概要を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得手段の概要を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得方法を説明するための模式図である。
【図12】本発明の第4実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得手段の概要を示す図である。
【図13】本発明の第4実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得方法を説明するための模式図である。
【図14】本発明の第4実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得方法の変形例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 段ボールシート製造装置
2 生産管理装置
3 知識データベース
4 制御量演算部
5 プロセスコントローラ
6 反り状態入力部
7 CCDカメラ(撮像手段)
7A,7B 変位センサ(変位量測定手段)
8 反り状態判定部
10 裏ライナプレヒータ
11 シングルフェーサ
12 中芯プレヒータ
13 片段シートプレヒータ
14 表ライナプレヒータ
15 グルーマシン
16 ダブルフェーサ
17 スリッタスコアラ
18 カットオフ
19 スタッカ
20 裏ライナ
21 中芯
22 片段シート
23 表ライナ
24 段ボールシート
25 段ボールシート(製品)
30 表ライナ用ミルブレーキ
31 表ライナ用パウダブレーキ
32 片段用サクションブレーキ
32a 吸引口
33 片段用パウダブレーキ
33a ブレーキロール
33b 回転軸
33c トルク調整装置
40,41 巻き付けロール
41a,41b ガイドロール
41c アーム
61〜67 押し釦
M1,M2,M3 ミルスタンド
71 フレーム
71a レール
72 CCDカメラ取付用部材
72a,72b 変位センサ取付用部材
191 コンベア
192 スタック部

Claims (8)

  1. 段ボールシート製造装置で製造される段ボールシートの反りを矯正する反り矯正システムであって、
    該段ボールシート製造装置で製造された該段ボールシートの流れ方向の反り状態に関する情報を反りの程度が段階的に区分して判定された状態で取得する反り状態情報取得手段と、
    該段ボールシート製造装置の運転状態に関する情報を取得する運転状態情報取得手段と、
    該段ボールシート製造装置の制御要素のうち片段シート或いは表ライナの流れ方向張力に影響を与える複数の特定制御要素の中から、該段ボールシートの流れ方向の反り状態と各特定制御要素が該段ボールシートの流れ方向の反りに与える影響とに応じて、予め設定された優先順位に従い少なくとも一つの特定制御要素を選定する制御要素選定手段と、
    該段ボールシートの反り状態情報と該段ボールシート製造装置の運転状態情報とに基づき該選定された特定制御要素の制御量を演算する制御量演算手段と、
    該制御量演算手段で演算された制御量で該選定された特定制御要素を制御する制御手段とを備え、
    該制御要素選定手段は、該反り状態情報取得手段により取得された該段ボールシートの反りの程度が小さい段階にある場合には、該優先順位の最も高い方から順に1又は複数の該特定制御要素を選定し、該反り状態情報取得手段により取得された該段ボールシートの反りの程度が大きくなるにつれ、該優先順位に従い該特定制御要素を順次に追加し、該制御量演算手段で演算される該特定制御要素が増加するように選定する
    ことを特徴とする、段ボールシートの反り矯正システム。
  2. 該段ボールシートの流れ方向の反りに与える影響が大きい特定制御要素ほど該優先順位が高く設定されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  3. 該段ボールシート製造装置は、走行する該片段シートにブレーキ力を作用させるブレーキ装置と、走行する該表ライナにブレーキ力を作用させるブレーキ装置をそれぞれ備え、
    片段シートのための該ブレーキ装置のブレーキ力と該表ライナのための該ブレーキ装置のブレーキ力とのうち少なくとも一つが該複数の特定制御要素に含まれる
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  4. 該片段シート及び該裏ライナの少なくとも一方のシート状物に対し、該シート状物が巻き付けられる巻き付けロールと、該巻き付けロールへのシート状物の巻き付け量を調整する巻き付け量調整手段とがそなえられ、
    該巻き付けロールへのシート状物の巻き付け量が複数の特定制御要素に含まれる
    ことを特徴とする、請求項3記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  5. 該特定制御要素の優先順位は、該片段シートのための該ブレーキ装置のブレーキ力及び該表ライナのための該ブレーキ装置のブレーキ力が、該巻き付けロールへのシート状物の巻き付け量よりも高く設定されている
    ことを特徴とする、請求項4記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  6. 該反り状態情報取得手段は、該段ボールシートの流れ方向の反り状態を示す複数の選択肢の中から任意の一つをオペレータに選択させる選択手段を備え、該選択手段で選択された選択肢を該段ボールシートの流れ方向の反り状態に関する情報として取得する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  7. 該反り状態情報取得手段は、該段ボールシート製造装置で製造された該段ボールシートの流れ方向に沿う側面を撮像する撮像手段と、該撮像手段で得られた画像情報に基づき該段ボールシートの流れ方向の反りを検出する検出手段とを備え、該検出手段で検出された情報を該段ボールシートの反り状態に関する情報として取得する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  8. 該反り状態情報取得手段は、該段ボールシート製造装置で製造された該段ボールシートの垂直方向変位量を該段ボールシートの流れ方向に沿って測定する変位量測定手段と、該変位量測定手段で得られた変位量情報に基づき該段ボールシートの流れ方向の反りを検出する検出手段とを備え、該検出手段で検出された情報を該段ボールシートの反り状態に関する情報として取得する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の段ボールシートの反り矯正システム。
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