JP3904238B2 - グリコシル化されたヒト化b細胞特異的抗体 - Google Patents

グリコシル化されたヒト化b細胞特異的抗体 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、概して癌における診断および治療用の免疫複合体に関する。特に、本発明は組換えによって生成される、B細胞リンパ腫および白血病細胞に対するヒト化モノクローナル抗体に関しており、かかる抗体は、抗体結合および内在化(internalization)機能を失わずに、またヒト抗ネズミ抗体の産生を抑えて、診断あるいは治療試薬に共有結合することができる。
非ホジキン型リンパ腫(Non-Hodgkins lymphoma;NHL)および慢性リンパ性白血病は、現在も癌の死亡率に大きく寄与し続けているB細胞の悪性疾患である。種々の形態の治療に対するこれらの悪性疾患の応答は多様である。化学療法には良く応答し、NHLの適切な臨床病期判定が可能な場合、限局性疾患の患者については、対象野放射線療法を用いて十分な治療を施すことができる(Hallら、Radiology for the Radilogist,Lippincott,Philadelphia、1989、365-376)。しかし、化学療法に関連する有害な副作用と局所ならびに全身放射線療法による造血系への毒性が、これらの治療方法の使用を制限している。患者の約半数が本疾患のために死亡している(Posnerら、Blood,61:705(1983))。
放射性核種あるいは他の細胞毒性物質に複合したターゲティングモノクローナル抗体の使用は、そのような作用物質を直接腫瘍部位に供給送達し、それによって正常組織が毒性物質に接触するのを制限する可能性を提供する(Goldenberg,Semin.Nucl.Med.,19:333(1980))。近年、抗体ベースの治療の潜在的可能性と腫瘍関連抗原の定位におけるその精度が、動物実験と臨床試験の両方で明らかにされた(例えば、Thorpe,TIBTECH,ll:42(1993);Goldenberg、Scientific American,Science & Medicine,1:64(1994);Baldwinら.,米国特許第4,925,922号および第4,916,213号;Young,米国特許第4918163号;米国特許第5,204,095号;Irieら、米国特許第5,196,337号;Hellstromら、米国特許第5,134,075号および5,171,665号参照)。一般に、腫瘍関連マーカーに対する放射標識抗体あるいは抗体断片を腫瘍の位置確認のために使用することは、治療のための使用よりも成功を収めているが、これは一部には、腫瘍による抗体の摂取が概して低く、わずかに注入した全用量の0.01%から0.001%の範囲にとどまることによる(Vaughanら、Brit.J.Radiol.、60:567(1987))。腫瘍への投与量を増やすために放射標識の濃度を上げることは、同時に健常組織の放射能への暴露も増大させることになるので一般には逆効果である。
LL2(EPB2)は、極めて特異的な抗B細胞リンパ腫および抗リンパ性白血病細胞のネズミモノクローナル抗体(mAb)であって、そのような細胞によって速やかに内在化され、前述した困難さの一部を克服することができる(Shihら、Int.J.Cancer、56:538(1994))。IgG2a抗体型であるLL2は、ラジ(Raji)Bリンパ腫細胞系を抗原ソースとして用いて開発された(Pawlak-Byczkowskaら、Cancer Res.、49:4568(1989))。ネズミLL2(mLL2)はCD22のエピトープと反応することが知られている(Belisleら、Proc.Amer.Assn.Clin.Res.、34:A2873(1993))。CD22分子は前駆細胞および初期プレB細胞の細胞質において発現され、成熟B細胞の細胞表面に現われる。
組織切片を免疫染色することにより、mLL2が試験した51のB細胞リンパ腫のうち50と反応することが示された。mLL2は、放射標識免疫検出法によって測定されたように(Murthyら、Eur.J.Nucl.Med.、19:394(1992))、生体内で極めて感受性の高いB細胞リンパ腫細胞の検出手段を提供する。99mTcで標識したmLL2のFab’断片は、B細胞リンパ腫患者での臨床フェイズII試験において65の既知の病変のうち63を定位した(Millsら、Proc.Amer.Assn.Cancer Res.、14:A2857(1993))。さらに、131I標識mLL2は、B細胞リンパ腫患者において治療上有効であった(Goldenbergら、J.Clin.Oncol.、9:548(1991))。外毒素PE38KDELに複合したmLL2 Fab’は、ヌードネズミにおいて成長する測定可能なヒトリンパ腫異種移植片(CA-46)の完全な緩解を誘発した(Kreitmanら、Cancer Res.、53:819(1993))。
mLL2の臨床使用は、他のほとんどの有望なネズミ抗体と同様に、ヒトにおけるヒト抗ネズミ抗体応答(Human Anti Mouse Antibody response;HAMA)の発現によって制限されてきた。HAMA応答はmLL2の注入後常に認められるわけではないが、相当数の症例で患者はmLL2による単回治療後にHAMAを発現した。これは、潜在的なアナフィラキシーの問題だけではなく、循環複合体の大部分が循環抗ネズミ抗体によって複合体化され、分離されると考えられることから、そのような抗体複合体の診断および治療的有用性を制限しうる。このことは1つの試験によって例証されており、その試験では、患者の約30%が約6mgのmLL2 131I-IgGの単回注射後に低レベルのHAMA応答を発現し、追加注射によりほとんど全員が強いHAMA応答を発現した。他方で、99mTcで標識したmLL2 Fab’に関しては、HAMA応答を認めなかった。概してそのようなHAMA応答は、mLL2抗体の診断および治療上の潜在的可能性を十分に実現する上での潜在的な障害を課す。
上述したように、F(ab’)2やFab’のようなmLL2断片の使用は、これらの免疫原性の問題を部分的に軽減/回避する。しかし、治療のために細胞免疫の誘発が意図される場合、あるいは生存期間の長い抗体が必要とされる場合のように、全IgGがより望ましい状況というのがある。
薬剤および放射性核種の供給送達賦形剤として機能するためのモノクローナル抗体にとっては、生じる免疫反応性の変動を最小限に抑えながら、それらの部位特異的な結合のための方法を開発することが最も重要である。通常、薬剤および放射性核種の複合は、アミノ酸残基の側鎖への共有結合を通して達成される。これらの残基の非部位制限的性格のゆえに、ABSの内部あるいはその付近に存在する残基への好ましくない連結を避けることが困難であり、そのような好ましくない連結は親和性の低下と異種抗原結合特性の低下を導く。その代わりとして、スルフヒドリル基における複合を指令することができる。しかし、直接標識はS-S結合の低下に依存しており、タンパク質切断の危険性を伴う。
米国特許出願番号第08/289,576号は、部位特異的な薬剤あるいはキレート結合のためのLL2 VK領域の18〜20位置のアミノ酸において認められる、天然に生じるN連結グリコシル化部位を持ったヒト化mAbを開示している。本引例は、参照することによりその開示全体を本明細書の一部とする。連結された炭水化物部分は、抗原結合部位(antigen binding site;ABS)からは離れて位置し、物理的な接触を示さなかった。DTPAのようなキレートが炭水化物に複合する時には、抗体の免疫反応性は影響を受けなかった。
しかし、この抗体の有用性には制限がある。ひとつは、免疫反応性が影響を受けずにどのような大きさと種類のキレートを連結することができるかが明らかではないということである。我々は、より大きなキレートの連結は結合親和性に影響を及ぼすことを認めた。例えば、LL2 VK領域の18〜20位の炭水化物への18kD Dox-デキストランの連結は、免疫反応性を約50%に低下させる。さらに、他の抗体を活性グリコシル化部位を含むように設計することは非常に有利であろう。グリコシル化配列が可変部に存在するように他の抗体を設計することは、各々の抗体について設計段階を繰り返す必要があるため、困難である。さらに、構築物の免疫反応性が影響を受ける可能性がある。
CH2 Fc領域のAsn-297でのIgGグリコシル化は、抗体の安定性の維持と正しいエフェクター機能のための適切な構造に重要なものとして十分に特徴づけられてきた。TaoとMorrison,J.Immunol.143:2595(1989)を参照。ABSからは遠位の免疫グロブリンのグリコシル化部位が限られて局在するため、モノクローナル抗体のオリゴ糖修飾を用いて複合体を調製した。チロシン含有ペプチドに連結した131I修飾複合体を、酸化したオリゴ糖に部位特異的に結合すると、チロシンで非選択的に修飾した複合体に比べてより大きなターゲティング効率を示した。Asn-297連結炭水化物の使用は抗体のFc部分の存在を必要とするので、その使用は限られている。Fc部分が存在しない抗体断片を用いたいくつかの適用がある。
発明の概要
本発明は、定常軽鎖領域である定常カッパ(CK)と定常重鎖(CH1)領域内にN結合グリコシル化部位を構築することによるアプローチに関する。これは次のような利点を持つ。
1.グリコシル化が、ABSを構成する可変領域から物理的により離れた異なる領域上で起こる。
2.CKあるいはCH1領域の微細構造に影響すると考えられるキレートあるいはさらに大きな基の多量の複合が、ABSを形成するVHとVK領域に、もし影響するとしても、ごくわずかな影響しか及ぼさないことが予想される。
3.一部の臨床適用での好ましい形態である抗体断片はCH1とCK領域の両方を含み、複合部位は抗体断片(例えばFab、F(ab’)2)における使用に適しているはずである。
4.基によって異なる抗体に導入しなければならない(例えば部位指定突然変異によって)VK付属のグリコシル化と異なり、炭水化物付加部位を含むCKあるいはCH1領域は、ひとたび有効な複合ハンドルとして同定されれば、異なる抗原特異性を持った異なる可変領域に容易に連結することができる。
CKあるいはCH1領域にグリコシル化を持ち、抗原結合特異性を保持しているヒト化抗体を提供することが本発明の目的である。
治療あるいは診断様式を具備するグリコシル化mAbの複合体を提供することは本発明のもうひとつの目的である。
本発明のヒト化mAbを使用する治療および診断の方法を提供することは、本発明のさらにもうひとつの目的である。
これらの目的を達成するために、本発明のひとつの側面では、非Fc定常重鎖あるいは軽鎖領域にグリコシル化部位を含むように設計されたモノクローナル抗体あるいは抗体断片を提供した。好ましい具体例では、モノクローナル抗体あるいは抗体断片は、ヒト化抗体あるいは抗体断片である。もうひとつの好ましい具体例では、ヒト化特異的モノクローナル抗体はヒト化B細胞特異的抗体あるいは抗体断片である。さらにもうひとつの好ましい具体例では、グリコシル化は、図12のHCN1、HCN2、HCN3、HCN4、およびHCN5部位から成るグループから選択される部位に位置する。特に好ましい具体例では、グリコシル化部位は図12のHCN5部位あるいはHCN1部位である。さらに好ましい具体例では、グリコシル化部位を含むように設計される抗体は、hLL2抗体の特異性を有する抗体である。
本発明のもうひとつの側面では、CH1領域内に配列を有する抗体重鎖遺伝子を含む分離したDNA分子を提供する。かかるDNA分子は、前記の遺伝子がグリコシル化を支持する細胞において抗体重鎖に対する第二の遺伝子と同時発現される時、CH1領域でグリコシル化された抗体を生成する。
さらなる側面では、定常領域内に配列を有する抗体軽鎖遺伝子を含む分離したDNA分子を提供する。かかるDNA分子は、前記の遺伝子がグリコシル化を支持する細胞において抗体重鎖に対する第二の遺伝子と同時発現されるとき、定常K領域でグリコシル化された抗体を生成する。
本発明のさらにもうひとつの側面では、定常Kおよび/あるいはCH1領域でグリコシル化された抗体あるいは抗体断片を生成する方法を提供する。かかる方法は、軽鎖および重鎖遺伝子あるいはその一部を同時発現し、グリコシル化を可能にする細胞において、前記の重鎖遺伝子あるいはその一部の定常K領域あるいはCH1領域内にグリコシル化部位を作りだし、定常Kおよび/あるいはCH1領域でグリコシル化された抗体あるいは抗体断片を生成するように突然変異によって前記の軽鎖および重鎖遺伝子を構築して、その抗体あるいは抗体断片を分離することを含む。
本発明のさらにもうひとつの側面では、モノクローナル抗体あるいは抗体断片を使用して特異性抗原を標的とし、かかる抗体あるいは抗体断片をそのままであるいは診断または治療薬剤と複合して使用する、患者の診断あるいは治療の方法、ならびに前記の抗体あるいは断片が、非Fc定常重鎖あるいは軽鎖領域内にグリコシル化部位を含むように構築されたヒト化モノクローナル抗体あるいは抗体断片である改良を提供した。好ましい具体例では、抗体あるいは抗体断片はB細胞特異的抗体あるいは抗体断片である。
図の簡単な説明
図1は、ネズミとヒトのLL2 VK(図1A)とVH(図1B)領域の比較を示す。mFR配列(ネズミと称する)と異なるhFR配列(REIHuVKおよびEUHuVHと称する)だけを示しており、星印で表わしている。CDRを枠で囲っている。CDRに接するようにコンピュータモデリングによって示したFR残基には下線を付している。
図2は、LL2 CDRのフレームワーク領域(FR)との近接関係を示す。mLL2のVLおよびVH領域についてのエネルギー最小モデルを別途に構築し、半径4.5Å以内のすべてのFR残基あるいはCDR原子を潜在的なCDR-FR接触として同定した。軽鎖(L1、L2およびL3、図2A)と重鎖(H1、H2およびH3、図2B)のCDRを、各々の空間を埋めるFRの上に重ねた「ボールとスティック」の表現で示している。
図3Aは軽鎖のステージングベクター(VKpBR)と哺乳類の発現ベクター(pKH)を示し、図3Bは重鎖のステージングベクター(VHpBS)と哺乳類の発現ベクター(pG1g)を示す。
図4は、LL2 VK領域(図4A)とLL2 VH領域(図4B)の二本鎖DNAとアミノ酸配列を示す。対応するDNA配列によってコードされるアミノ酸配列を一文字のコードとして示している。CDRのアミノ酸配列を枠で囲んでいる。LL2VK(図4A)のFR1に位置するAsn-グリコシル化部位を、下線を付したNVT配列として示している。
図5Aは、hLL2 VK領域の二本鎖DNAと対応するアミノ酸残基を示す。CDRアミノ酸配列を枠で囲んでいる。VH領域についての対応するデータを図5Bに示す。
図6は、ヒト化VH領域のPCR/遺伝子合成と、ステージングベクター、VHpBSへのサブクローニングを概要一覧図として表わしたものである。
図7は、mLL2と、トレーサー放射標識mLL2に対する細胞結合に競合するcLL2抗体を含む、比較ラジ細胞競合抗体結合アッセイの結果を示す。
図8は、混合ヒト化/キメラLL2をcLL2と比較した(図8A)、およびhLL2の2つのバージョンをcLL2と比較した(図8B)、比較ラジ細胞競合抗体結合アッセイの結果を示す。
図9は、抗体内在化の比較を示す。すなわち、cLL2、cLL2(QからVへの突然変異)、hLL2およびmLL2抗体についての時間の関数としての表面結合率である。
図10は、mLL2の脱グリコシル化がラジ細胞への結合親和性に及ぼす影響を示す。
図11は、ペルオキシダーゼ複合mLL2のWNへの結合を測定した競合結合アッセイを示す。hLL2と重鎖定常領域におけるグリコシル化誘導体を表示された濃度で使用してmLL2と競合させた。
図12は、hLL2のCH1とCK領域に導入されたN-グリカンアクセプター配列と位置を示す。部位指定突然変異を用いてトリペプチドアクセプター配列(太い文字で示されている)を生成した。hLL2のCH1(H鎖)とCK(K鎖)領域の部分的ペプチド配列が示されており、構築した潜在的N連結グリコシル化部位(HCN1〜HCN5とKCN1〜KCN4)の位置を示す配列および構造相同性に従って並んでいる。β鎖配列(C-F)を枠で囲んでいる。残基をKabatのシステムに従って番号付けした。星印(*)は、その前のアミノ酸配列とは不連続に番号付けされた、これらの重鎖アミノ酸残基を示す。*によって示されたaa残基は、左から右に、各々156、162、171、182、203および205と番号付けされている。
好ましい具体例の詳細な説明
CKおよびCH1免疫グロブリン領域内にグリコシル化部位を構築し、ヒト免疫グロブリンに構築されたグリコシル化部位を与える。部位指定突然変異を用いて、重鎖および軽鎖の定常領域、特にCKとCH1領域内にグリコシル化部位を構築する。次に、突然変異を生じたCKとCH1ヌクレオチド配列を、各々軽鎖および重鎖の発現ベクターにサブクローニングする。CH1変異重鎖発現ベクターを軽鎖発現ベクターと同時発現させ、CH1領域に変化したグリコシル化部位を持つ突然変異ヒト抗体を生成する。同様の手順に従って、CK領域に変化したグリコシル化部位を持つ突然変異ヒト抗体を生成する。
必ずしもすべての潜在的炭水化物付加配列がオリゴ糖連結に使用できるわけではないことに留意しなければならない。各々抗デキストランおよび抗ダンシル抗体の重鎖相補性決定領域2(CDR2)の領域に新規のN結合グリコシル化配列を導入することにより、一連のグリコシル化突然変異体を生成した。抗デキストラン抗体のAsn54とAsn60でグリコシル化が認められたが、抗ダンシル抗体の同様の位置(Asn55)にある炭水化物付加部位は使用されなかった。この「位置効果」はよく理解されていないが、タンパク質の立体配座とグリコリルトランスフェラーゼに対する炭水化物アクセプター配列の接触性に関係すると考えられる。
この明細書においては、「hLL2」あるいは「hLL2 mAb」の表現は、ネズミVKおよびVH領域の相補性決定領域(CDR)をヒトフレームワーク領域(FR)に連結するかあるいはサブクローニングして、これらを各々ヒト定常軽鎖および重鎖に連結するかあるいはサブクローニングすることによって構築されたモノクローナル抗体を指すことが意図されている。
製薬学的に許容される賦形剤中に製剤された(例えば、Remington's Phamaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990参照)、本発明の突然変異抗体と診断あるいは化学療法試薬との共有複合体を調製することができる。ヒト化mAbを生じる、診断あるいは治療試薬に複合されたグリコシル化CKおよびCH1領域を含むB細胞リンパ腫および白血病特異的抗体は、標的細胞内に内在化され、速やかに細胞内で診断あるいは化学療法試薬を遊離する(それによって試薬の有効性を増大させる)能力と、ヒト患者におけるHAMA応答の低下という追加的利点を持ち続ける。
構築された本発明の抗体の炭水化物部分は抗原の結合に関与しないので、試薬が炭水化物部分を通して抗体に複合している複合体を使用することができる。例えば、試薬を酸化炭水化物誘導体に複合することができる。そのような複合体の生成のための方法と、診断および治療におけるそれらの使用は、例えば、Shihら、米国特許第5,057,313号、Shihら、Int.J.Cancer 41:832(1988)、および同時係属、共同所有のHansenら、米国特許出願番号第08/162,912号に述べられており、その内容は参照することにより本明細書の一部とする。ポリマー担体を使用しない、酸化炭水化物への試薬の直接連結が、McKearnら、米国特許第5,156,840号の中で述べられており、これも参照することにより本明細書の一部とする。
多様な診断および治療試薬を本発明の抗体に好都合に複合することができる。これらは次のものを含む。ドキソルビシン、メトトレキセート、タキソール等のような化学療法剤、蛍光分子のような検出可能な標識あるいは重金属または放射性核種のような細胞毒性物質が複合することのできる、DTPAのようなキレーター、ならびにシュードモナス細菌外毒素のような毒素等。これらの複合体のいくつかの具体例を以下の実施例において述べる。
追加的あるいは代替的なグリコシル化部位(NXT/S)をデザインし、本発明に従った抗体、例えばhLL2のVK、CKおよびCH領域内に導入することができる(ここではXはプロリンあるいはアスパラギン酸以外のアミノ酸を表わす)。有用なグリコシル化部位を調べるために、実験動物における生体内での結合特異性、生体内分布、ならびに薬剤およびキレートの複合効率へのグリコシル化部分の影響を検定することができる。可能性の高いグリコシル化部位は、異なる種あるいはアイソタイプの既知のAbからのグリコシル化部位との比較、接触位置を同定するためのコンピュータモデリングによるヒトCKおよびCH1領域の既知の構造の分析、あるいは任意のショットガン突然変異によって同定しうる。
本発明において使用する細胞系および培地は、LL2(EPB-2)ハイブリドーマ細胞(Pawlak-Byczkowskaら、1989、前出)、Sp2/0-Ag12骨髄腫細胞(ATCC,Rockville,MD)およびラジ細胞を含む。これらの細胞は、好ましくは10%FCS(Gibco/BRL,Gaithersburg,MA)、2mM L-グルタミンおよび75μg/mlのゲンタマイシンを補足した(完全DMEM)ダルベッコ修正イーグル培地(DMEM)において培養する。形質転換体を、10%FCSと75μg/mlのゲンタマイシンを含む(完全HSFM)ハイブリドーマ血清不含培地、HSFM(Gibco/BRL,Gaithersburg,MA)において、あるいは指示がある場合には、抗生物質だけを含むHSFMにおいて増殖させる。トランスフェクトーマの選択は、500μg/mlのヒグロマイシン(Calbiochem,San Diego,CA)を含む完全HSFMにおいて実施しうる。すべての細胞系を、好ましくは5%CO2中で37℃に保持する。
CH1およびCKにおけるグリコシル化部位の配置
本発明のひとつの重要な側面は、抗体の立体配座がコンピュータモデリングによって設計できることであり(例えば、Goldenbergら編集のCancer Therapy With Radiolabelled Antibodiesの中のDion,CRC Press,Boca Raton,FL,1994参照)、前記の文献は参照することにより本明細書の一部とする。一般に、三次元構造は相同性によって最も良好に配置され、これは、Protein Data Bank(PDRコード1REI,Bernsteinら、J.Mol.Biol.112:535(1977))からの結晶構造解析データが入手可能であることによって容易になる。本文献は、参照することにより本明細書の一部とする。同様に、抗体EU(VH)配列(Kabatら、SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,第5版、US Dept.of Health and Human Services,US Gov.Printing Office(1991))は、mLL2重鎖のFR1〜FR3についてのモデリングの対照物として選択することができる。FR4はHEWM.Id.に基づいた。EU配列に関して現在X線座標データが欠如しているので、FR1〜4についてのNEWM構造データ(PDRコード3FAB)が使用でき、アミノ酸側基を必要に応じてmLL2あるいはEU(hLL2)に対応するように置き換えることができる。軽鎖のCDRは、1MCP Protein Data Bank(L1およびL2)と1REI(L3)の対応する配列から設計することができる。重鎖CDRについては、H1とH2は各々2HFL Protein Data Bankおよび1MCPに基づくが、H3は新規に設計することができる。可能な場合にはいつでも、側基の置換はCαとCβの間の回転角度を維持するように実施しなければならない。エネルギーの最小化は、収束法を用いてAMBERフォースフィールド(Weinerら、J.Amer.Chem.Soc.106:765(1984))によって達成することができる。潜在的に極めて重要なFR-CDR相互作用は、最初にmLL2の可変軽鎖と可変重鎖を設計することによって測定することができる。CDR内の全原子の4.5Åの範囲内のすべてのFR残基をそれによって同定し、hLL2の最終デザインモデルに保持することができる。
hLL2のFab断片の相同分子モデルを、ヒト化抗p185her2抗体断片(1FVD)のX線構造を主要な鋳型として用いるQUANTAタンパク質モデリングパッケージによって創造した。Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.89:4285(1992);Eizenbrotら、J.Mol.Biol.229:969(1993)を参照のこと。2つの抗体の配列同一性は約80%である。挿入領域は、使用可能なタンパク質データライブラリーを検索することによって配置した。すべての座標を作成し、連結領域を調整した後、一連のエネルギー最小化をモデルに適用した。これは、側鎖原子だけのための100段階の最急勾配下降(Steepest descent)(SD)および複合勾配(Conjugeted Gradient)(CG)EM、次にCα原子を除くすべての原子のための100段階SDおよびCG EM、そして最後にすべての原子のための100段階SDおよびEMを含む。静電相互作用のために距離関連誘電定数、4r(rはÅでの原子-原子間距離である)を使用した。1FVDとhLL2間の等しい主鎖および側鎖原子についての原子位置のRMSは、各々1.46Åと2.11Åであった。次にhLL2に点突然変異を適用して突然変異抗体のモデル、hLL2HCN1とhLL2HCN5を生成した。炭水化物の配列決定から明らかにされた組成および構造と同じプログラムを用いて、複合体型オリゴ糖を設計した。
生成された各々のオリゴ糖鎖を、AsnのN0に重なる末端GlcNacの01およびAsnのNd-H結合のひとつと共に並ぶGlcNacの01C1結合により、対応するN連結グリコシル化部位に固定した。続いて、連結したオリゴ糖鎖の立体配座を最長鎖がhLL2の重鎖の可変領域近くになるように操作した。各々の調整後、100段階SDおよびCG EMを固定したアンカー原子とhLL2原子と共に糖原子に適用した。
CKおよびCH1グリコシル化部位についてのデザインは次の原理に基づく:
1.NXS/T配列を持つ炭水化物付加部位を選択した。Xはプロリンおよびアスパラギン酸以外のアミノ酸である。可能な場合にもいつでも、領域構造の変動を最小限にとどめるため、選択した位置に潜在的グリコシル化部位を据え付ける際には単一のアミノ酸だけを変更するように努めた。
2.潜在的なCKあるいはCH1結合グリコシル化部位は、異なる種あるいはアイソタイプの既知の抗体配列から同定することができる。
3.潜在的Asn-グリコシル化部位を据え付けることができる接触位置を同定するための、コンピュータモデリングによるヒトCKおよびCH1領域の既知構造の分析。
コンピュータモデリング試験に基づくと、VK付属のオリゴ糖とCDR間の最短アプローチ距離は20Åと推定された。4.1Å以上の距離では相互作用がないと考えられる。従って、抗原結合部位から4.1Åあるいはそれ以上離れたグリコシル化部位が、抗体断片の結合部位として使用するための候補であると考えられる。可能な場合にはいつでも、CH1およびCK領域に導入された突然変異は、タンパク質領域の最終的な三次構造を維持するように、実際上保存的である。保存的突然変異は、一般に同様の大きさと臨床特性による相互置換を含む。特に、所望する配列はNXT/Sである。例えば、最初の配列中のグルタミン(Q)をアスパラギン(N)で置き換えることは保存的置換とみなされるであろう。このように、発明の対象となるグリコシル化部位を生じるように様々なCH1およびCK領域の突然変異をデザインすることができる。
接触部位だけがグリコシル化される可能性を持つことになる。それ故、潜在的に好ましい位置である追加的部位を定位するのを助けるためコンピュータモデリングを用いた。グリコシル化部位HCN5は、AB5からさらに離れて、表面の位置にあると予測された。HCN5部位はEとFスタンドの間に形成されるボトムループに位置している。CKおよびCH1領域の配列に沿って平らに広がる他の部位を無作為に選択した。すべての場合に、潜在的なグリコシル化部位となるために単一アミノ酸の置換だけしか必要としない配列を慎重に選択して、最終的三次構造に与える可能性のある変動を最小限に抑えた。合計5つのCH1(HCN1〜5)と4つのCK(KCN1〜4)付属部位を各々CH1とCK領域に導入した。コンピューターモデリング分析によって確認されたように、これらの部位のうちで「埋もれた」あるいは2つの並列領域間の界面に位置するものはないと思われた。
Nグリコシル化は単に一例として述べたものである。当該原理はOグリコシル化にも等しく適用できる。当業者はモデリングの適用、グリコシル化部位のデザイン、ならびにPグリコシル化を可能にする定常K、CHおよびVK領域の変化を容易に理解するであろう。Oグリコシル化はトレオニンあるいはセリンのいずれかで起こることが知られている。O連結グリコシル化のためのアクセプター配列はあまり十分には定義されていない(Wilosonら、Biochem.J.275:526(1991))。これらの領域のプロリン、セリンおよびトレオニンの含量が高い場合にはバイアスが生じることがあるが、正確な一次配列よりはむしろアクセシビリティーが、特定のトレオニンあるいはセリンがOグリコシル化されるかどうかを決定する。それにもかかわらず、Oグリコシル化を有することが知られている他の抗体で同定されたもののように(Chandrashekarkanら、J.Biol.Chem.259:1549(1981);SmythとUtsumi,Nature 216:322(1967);Kimら、J.Biol.Chem.269:12345(1994))、潜在的Oグリコシル化配列は、当該抗体中の異なる位置に植え付けるための標準配列として使用することができる。広汎なOグリコシル化を含むことが確認されたものは、結合部位として検討することができる。
本発明のもうひとつの重要な側面は、ひとたび1つのグリコシル化部位が同定されれば、他の潜在的グリコシル化部位のその後の同定が容易になることである。これは2つの現象による。ひとつは、グリコシル化の成功は、関連領域を確認し、モデリングをさらに改善するのを助ける。第二に、定常KおよびCH1領域はかなりの対称性を示すことが理解されている。従って、グリコシル化が起こる部位、例えばCH1の同定は、相当するCKの位置が適切なグリコシル化部位であろうという期待を導く。
軽鎖突然変異。 潜在的N連結グリコシル化配列を、ウサギ抗体のカッパ定常領域において161〜163と174〜176のアミノ酸位置と同定した。同様の部位をhLL2のCK領域に導入することができる。例として図12参照。
重鎖突然変異。 CH1において、炭水化物付加配列、Asn-Asn-Serを、ヒトIgM CH1領域の一部で161-163のアミノ酸位置と同定した(Kabatの番号付け;Kabatら、1991)。同様に、配列Asn-Val-Thrは、ヒトIgAのCH1領域における168〜170のアミノ酸位置と同定した。グリコシル化部位の変更を生じさせるための修飾することができる配列の例は次の通りである:ヒトIgG1配列のAsn-Ser-Glyを162〜164のアミノ酸位置でAsn-Ser-Valに、Ala-Leu-Thrを165〜167のアミノ酸位置でAsn-Leu-Thrに、そしてLeu-Thr-Serを166〜168の位置でAsn-Thr-Serにそれぞれ突然変異させる。これらの3つの潜在的N結合グリコシル化部位は、IgMおよびIgAのものと類似しており、生じる構造への干渉が極めて小さいという期待を持ってヒトIgG1のCH1領域に導入することができる。そのようなグリコシル化部位は、従って、「天然の」位置のままである場合もある。同様の突然変異のデザインは、本明細書の教授するところに基づいて、十分に当業者の技術範囲内である。
部位特定突然変異導入法
オリゴヌクレオチド特定突然変異導入法についての詳細なプロトコールおよびクローン化DNAの突然変異導入法についての関連技術は、よく知られている。例えば、Sambrookら上述文献およびAusubelらの上述文献を参照のこと。
Asn結合グリコシル化部位は、常套の部位特定オリゴヌクレオチド突然変異導入反応を用いて、抗原に導入されうる。例えば、Asnをカッパタンパク質の18位に導入するために、コドン18をAGGからAACに変更できる。これを達成するために、抗体軽鎖配列を含む一本鎖DNAテンプレートは、チミジンの代わりに少量のウラシルを含有するDNA分子を得るために、大腸菌の適切な株(例えば、dut-ung+)から製造される。このようなDNAテンプレートは、M13クローニングによるか、またはSP6プロモーターを用いた生体外転写によって得ることができる。例えば、Ausubelら編、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、ニューヨーク、(1987)を参照のこと。突然変異配列を包含する一本鎖DNAに相補的なオリゴヌクレオチドを、通常に合成し、一本鎖テンプレートにアニールし、そして生成物をT4DNAポリメラーゼおよびT4DNAリガーゼで処理して、二本鎖DNA分子を生成する。二本鎖DNAで野生型大腸菌(dut+ung+)細胞を形質転換(トランスフォーメーション)すると、突然変異DNAが回収される。
代わりに、Asn連結グリコシル化部位は、所望の突然変異を含有するオリゴヌクレオチドを用いて、抗体軽鎖に導入し、PCRによってオリゴヌクレオチドを任意に増幅すること、およびそれをVL鎖のための可変部にクローニングすること、または目的の抗体をテンプレートとして生成する細胞から得たRNAを用いることによって、導入することができる。さらに、(Huse ANTIBODY ENGINEERING:A PRACTICAL GUIDE、Boerrebaeck編、W.H.Freeman & Co.、103−120、(1992)の参照のこと)。部位特定突然変異導入法は、例えば、製造業者の指示にしたがってTRANSFORMERTMキット(Clontech、Palo Alto,CA)を用いて行うことができる。
代わりに、グリコシル化部位は、オリゴヌクレオチドを相互にプライミングしながら抗体鎖を合成することによって導入でき、このようなものは、所望の突然変異を含む。例えば、(Uhlmann、Gene 71:29(1988);Wosnickら、Gene 60:115(1988);Ausubelら、上述参照)。これらは、参照することにより本明細書の一部とする。
上述の説明は、抗体の軽鎖の18位置でAsnグリコシル化部位を導入することに言及するが、軽鎖で、または重鎖の可変部で、または定常部のいずれかで、Asn連結グリコシル化部位を導入することが可能であることは、習熟した技師には思い浮かぶ。
その部位がネズミの対照物でグリコシル化される場合、グリコシル化部位の存在またはそのような部位の不在は、抗体の結合親和性または特異性に影響するかもしれないし、しないかもしれない。したがって、グリコシル化部位は、上述の方法によって導入または除去できるが、活性についてのそれらの衝撃は測定する必要がある。上で論じられた理由により、CH1またはCK領域でグリコシル化部位を遺伝子操作することが好まれる。
RNA単離、cDNA合成および増幅についての一般的技術
RNA単離、cDNA合成および増幅は、以下のとおり行うことができる。全細胞RNAは、Sambrookら、(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、Cold Spring Harbor Press、1989)にしたがって、総数約107細胞を用いて、LL2ハイブリドーマ細胞系列から製造できる。この文献は、参照することによって本明細書の一部とする。第一鎖cDNAは、Super Script予備増幅系(Gibco/BRL.、Gaithersburg、MD)を用いることのように常套により全RNAから逆転写できる。簡単には、2μlの10×合成緩衝液[200mM Tris−HCl(pH8.4)、500mM KCl、25mM MgCl2、1mg/ml BSA]、1μlの10mM dNTPミックス、2μlの0.1M DTT、および200単位のSuperScript逆転写酵素の存在下で、20μlの反応液量で、50ngのランダムプライマーを5μgのRNAにアニールできる。延長段階は、最初に室温で10分間行い、続いて42℃で50分間インキュベートさせる。反応は、反応混合物を90℃で5分間加熱することによって終了できる。
VLおよびVH領域中の遺伝子操作されたグリコシル化部位で抗体を構築すること
mLL2 mAbのVLおよびVH領域をコードするcDNAを単離し、そしてヒト抗体のそれぞれ、カッパおよびIgG1定常部をコードする遺伝子を含む哺乳類発現ベクターに組換えでサブクローニングした。これらの2つの組換えDNAと哺乳類細胞との同時トランスフェクションが、親株mLL2 mAbと同様に、それに食欲に結合したcLL2 mAbを発現させ、そしてBリンパ腫細胞にすぐに取込まれた。
同様に、VKおよびVHのDNAsのCDRsは、それぞれ、ヒトのVKおよびVH領域のフレームワーク(FR)配列に組換えで連結され、続いて、それぞれヒト・カッパおよびIgG1定常部に連結され、そして哺乳類細胞でhLL2を発現した。
hLL2のVKおよびVHドメインについての配列がいったん設計されると、長鎖合成DNAオリゴヌクレオチドをテンプレートとして使用した遺伝子合成により、そして短鎖オリゴヌクレオチドをプライマーとして使用したPCRによって長鎖オリゴヌクレオチドを増幅するによって、CDR移植は達成される。ほとんどの場合、VKまたはVHドメインをコードするDNAは、およそ350塩基対(bp)長である。コドン縮重の利点を利用することによって、コードしたアミノ酸を変えることなく、V遺伝子DNA配列の中央に近い領域に、特異的制限部位を容易に導入できる。例えば、当初に設計されたアミノ酸配列を維持しながら、hLL2のVHドメインについてのDNAヌクレオチド位置157〜162(アミノ酸位置53および54)に、特異的AvrII部位を導入できる(図4B)。AvrII部位の上流および下流の2つの長鎖のオーバーラップのない、一本鎖DNAオリゴヌクレオチド(−150bp)(例えば、以下の実施例3のオリゴAおよびオリゴBin)は、自動化DNAオリゴヌクレオチド合成機Cyclone Plus DNA Synthesizer,Milligen-Biosearch)によって製造できる。オリゴAおよびオリゴBのような全長DNAオリゴヌクレオチドの収量は、低いと予測されうる。しかし、それらは、PCR反応で2対のブランキング・オリゴヌクレオチドによって増幅できる。次のサブクローニングを促進するのに必要な制限部位を有するプライマーを設計できる。オリゴAおよびオリゴBのためのプライマーは、AvrII部位にオーバーラップ配列を含み、そのためオリゴAおよびBについて生じたPCR産物は、それぞれ、AvrII部位で枠内に連結して、hLL2 VHドメインをコードする全長DNA配列(約350bp)を形成する。AvrII部位でのオリゴA(PstIとAvrIIで制限的に消化された)およびB(AvrIIとBstEIIで制限的に消化された)についてのPCR産物のライゲーションおよびそれらをステージング・ベクターVHpBSのPstII/BstEII部位にサブクローニングするのは、一回の3断片ライゲーション段階で完了できる。実施例3を参照のこと。VHpBSに正しい配列をサブクローニングすることは、制限消化分析によって最初に分析でき、そして続いて、SangerらのProc.Natl.Acad.Sci.USA74:5463(1977)によるシークエンス反応によって確認できる。
Igプロモーター、リーダー配列およびhLL2 VH配列を含むHindIII/BamHI断片は、ステージング・ベクターから切除し、そしてヒトIgG定常部のゲノム配列、Igエンハンサーおよびgpt選択マーカーを含むpSVgpt基礎ベクターpG1g中の対応の部位にサブクローニングでき、その結果最終発現ベクターhLL2pG1gを形成する。hLL2 VK配列を構築するのに同様のストラテジーが使用できる。長鎖オリゴヌクレオチド(オリゴCおよびD、以下の実施例参照)についてのPCR産物のライゲーションのために選択される制限部位は、この場合にはNruIである可能性がある。
Igプロモーター、リーダー配列およびhLL2 VK配列を含むDNA配列は、BamHI/HindIIIで処理することによってステージング・ベクターから外に出すことができ、ヒト・カッパ鎖定常部のゲノム配列、ヒグロマイシン選択マーカー、Igおよびカッパ・エンハンサーを含むpSVhyg基礎ベクターpKhの対応部位にサブクローニングして、最終発現ベクターhLL2pKhを形成できる。
ヒト化は、しばしば抗体親和性を制限または消失さえする。したがって、初原の親和性を回復するために、さらなる修飾が必要とされるかもしれない。例えば、Tempestら、Bio/Technology 9:266(1991);Verhoeyenら、Science 239:1534(1988)を参照。これらの文献は参照することにより本明細書の一部とする。cLL2が、そのネズミの対照物(以下の実施例5を参照のこと)のものと比較できる結合親和性を示すことを知ることで、もしあれば、hLL2の当初のバージョンでの欠損のある設計物は、軽鎖および重鎖のcLL2をヒト化バージョンのものと混合し合せることによって同定できる。非還元下(ジスルフィドL−H鎖連結は無傷のままである)および還元条件(鎖は分離する)で、様々のミックス・アンド・マッチのヒト化キメラLL2のSDS−PAGE分析は、分子の特性について、様々なタイプの軽鎖および重鎖の関係の分析を可能にする。例えば、複数のバンドである場合、または見掛けの分子サイズより高い場合の移動は、LL2のネズミのVKドメインのFR1領域に見られるN連結グリコシル化部位にグリカン基が存在するためである可能性がある。約25kDaに移動する別個のバンドは、非グリコシル化軽鎖についての分子サイズと予測される。
一般に、cLL2 mAbを製造するために、DNA産物およびプライマーを用いたPCRクローニングによって、mLL2のVHおよびVK鎖を得ることができる。Orlandiら、infra、およびLeungら、infra。VK PRCプライマーを、上述のとおり、pBR327基礎のステージング・ベクター(VKpBR)にサブクローニングしてもよい。VH・PCR産物は、上述のとおり、同様のpBluescript基礎ステージングベクター(VHpBS)にサブクローニングしてもよい。VKおよびVH配列を、プロモーターおよびシグナルペプチド配列と一緒に含む断片は、HindIIIおよびBamHI制限エンドヌクレアーゼを用いてステージングベクターから切り取られる。約600bpであるVK断片は、例えば常套の方法によって、哺乳類発現ベクターpKhにサブクローニングできる。pKhは、ヒトのカッパ定常部のゲノム配列、Igエンハンサー、カッパ・エンハンサーおよびヒグロマイシン耐性遺伝子を含むpSVhyg基礎発現ベクターである。同様に、約800bpのHV断片は、ヒトのIgG1定常部のゲノム配列、Igエンハンサーおよびキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(gpt)遺伝子を担持するpSVgyt基礎発現ベクター、pGlgにサブクローニングできる。2つのプラスミドを、エレクトロポレーションによって、Sp2/0−Ag14細胞のような哺乳類の発現細胞にトランスフェクションしてもよく、そしてヒグロマイシン耐性について選択されてもよい。選択に生き残るコロニーを拡大させ、そして上清液を、ELISA法によって、cLL2 mAbの生成について観察する。約1〜10×106細胞のトランスフェクション効率が望ましい。0.10と2.5μg/mlの間の抗体発現濃度が、この系で予測できる。
RNA単離、cDNA合成および増幅についての一般的技術
RNA単離、cDNA合成、および増幅は、以下のとおり行うことができる。全細胞RNAは、Sambrookら、(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、1989)にしたがって、総数約107細胞を用いて、LL2ハイブリドーマ細胞系列から製造でき、この文献は、参照することにより本明細書の一部とする。第一鎖cDNAは、SuperScript予備増幅系(Gibco/BRL.、Gaithersburg、MD)を用いることのように、常套により全RNAから逆転写できる。簡単には、2μlの10×合成緩衝液[200mM Tris−HCl(pH8.4)、500mM KCl、25mM MgCl2、1mg/ml BSA]、1μlの10mM dNTPミックス、2μlの0.1M DTT、および200単位のSuperScript逆転写酵素の存在下で、20μlの反応液量で、50ngのランダムプライマーを5μgのRNAにアニールできる。延長段階は、最初に室温で10分間行い、続いて42℃で50分間インキュベートすることが許容される。反応は、反応混合物を90℃で5分間加熱することによって終了できる。
VHおよびVK配列の増幅 cLL2またはhLL2についてのVKおよびVH配列は、Orlandiら、(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86:3833(1989))にしたがって、記載されたとおり、PCRによって増幅でる。この文献は、参照することにより本明細書の一部とする。VK配列は、プライマーCK3BHおよびVK5〜3(Leungら、BioTechniques、15:286(1983)、この文献は参照することにより本明細書の一部とする)を用いて、増幅してよい一方で、VH配列は、ネズミのIgGのCH1領域にアニールするプライマーCH1B、およびVHIBACK(Orlandiら、上述(1989))を用いて増幅できる。10μlの第一鎖cDNA産物、9μlの10×PCR緩衝液[500mM KCl、100mM Tris−HCl(pH8.3)、15mM MgC12、および0.01%(w/v)ゼラチン](Perkin Elmer Cetus、Norwalk,CT)を含むPCR反応混合物は、30サイクルのPCRにかけることができる。各PCRサイクルは、94℃で、1分間の変性、50℃で、1.5分間のアニーリング、および72℃で、1.5分間の重合から構成されるのが好ましい。増幅VKおよびVH断片は、2%アガロース(BioRad、Richmond、CA)で精製できる。自動化Cyclone Plus DNA合成機(Milligan−Biosearch)で、オリゴA(149mer)およびオリゴB(140mer)の合成の方法について例3を参照のこと。
Igプロモーター、シグナルペプチド配列、およびVK PCR産物の枠内ライゲーションを促進するのに都合のよい制限部位を含むpBR327基礎ステージング・ベクターVKpBRのようなステージング・ベクターに、VKについてのPCR産物を、サブクローニングできる。VHについてのPCR産物を、pBluescript基礎VHpBSのような同様のステージング・ベクターにサブクローニングできる。それぞれのPCR産物を含む個々のクローンを、例えば、Sangerら(Proc.Nat1.Acad.Sci.USA、74:5463(1977)、この文献は、参照することにより本明細書の一部とする)の方法によってシークェンスしてもよい。さらに、グリコシル化部位の、したがって付随の糖(CHO)部分の存在が、薬剤とキレートの有効で優れた複合を起こすことが分かった。これは、特にCH2付随CHOの欠けている抗体断片が利用されるものである場合に当てはまる。
ここで記載されたDNA配列としては、全ての対立遺伝子、天然に生じたかまたは実験的に作り出されたそれらの突然変異体および変異株が挙げられる。
突然変異されたCH1およびCK領域での抗体の産生
CH1およびCKのDNA配列を単離し、タンパク質配列をモデル化し、そしてそのDNAをVKおよびVH配列について記載されたものに類似する方法論によって突然変異させることができる。いったんCH1またはCKヌクレオチド配列が、軽鎖または重鎖クローンから取出されグリコシル化部位が、部位特定突然変異導入法を介して挿入されると、突然変異したCH1またはCK配列を、対応の重鎖または軽鎖ベクターに再挿入することができる。CH1突然変異体の場合に、hLL2pKhのようなカッパ鎖発現ベクターと一緒に、適切な細胞、例えば骨肉腫Sp2/0−Ag14に、同時発現させることができ、そしてコロニーを、ヒグロマイシン耐性に関して選択できる。例えば以下に記載したとおりのELISA法により、本発明にしたがって、非Fc定常部のグリコシル化部位で遺伝子操作されたcLL2、hLL2またはLL2の産生について、上清液を観察できる。
トランスフェクション、およびELISAによりクローンを分泌する抗体についてのアッセイは、以下のとおりに行うことができる。(Coら、J.Immunol.、148:l149(1992))(この文献は、参照することにより本明細書の一部とする)にしたがって、エレクトロポレーション(BioRad、Richmond、CA)によって、5×106SP2/0骨肉腫細胞のトランスフェクションに、約10μgのhLL2pKh(軽鎖発現ベクター)および20μgのhLL2pG1g(重鎖発現ベクター)を使用できる。DNA導入に続いて、37℃、5%CO2で、完全HSFM培地(GIBCO、メリーランド州、Gaithersburg,MD)中の96穴マイクロタイタープレートで細胞を育成できる。選択工程は、2日後、500μg/mlのヒグロマイシンの最終濃度で、ヒグロマイシン選択培地(Calbiochem、San Diego、CA)を添加することによって始めることができる。コロニーは、一般に、エレクトロポレーションの2〜3週後現れる。その後、培養物は、次の分析のために拡大できる。
クローンを含むIg遺伝子の発現のレベルは、コピー数を増幅することによって増強できたであろう。これは、一般に、目的の遺伝子、ここではIg遺伝子に連結した選択性マーカーについて選択することによって行われる。当業者は、このような選択を用いることに慣れている。たいてい、選択性マーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dhfr)である。特に、増幅されたコピー数の遺伝子を含むと見られるクローンは、その発現によって同定され、そして増幅は、核酸ハイブリダイゼーション試験によって確認される。多ラウンドの選択アッセイおよびハイブリダイゼーションによる確認が、一般に行われる。
本発明による非Fc定常部のグリコシル化部位で遺伝子操作されたcLL2、hLL2またはLL2の分泌に陽性であるトランスフェクトーマ・クローンは、ELISA法によって同定できる。簡単には、トランスフェクトーマ培養物から得た上清サンプル(100μl)を、ヤギ抗ヒト(GAH)−IgG、F(ab’)2断片特異的抗体(Jackson ImmunoResearch、West Grove,PA)で予備被覆されたELISAマイクロタイタープレートに、三部づつ添加する。プレートを、1時間室温でインキュベートする。洗浄緩衝液(0.05%ポリソルベート20を含有するPBS)で3回洗浄することによって、未結合タンパク質を除去する。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)複合GAH−IgG、Fc断片特異的抗体(Jackson ImmunoResearch、West Grove,PA)をウェルに加え、(100μlの抗体保存液を×104に希釈し、未複合抗体で補足して、1.0μg/mlの最終濃度にした。)1時間のインキュベーション後、一般的に3回プレートを洗浄する。反応溶液(PBS中に167μgのオルソフェニレン−ジアミン(OPD)(Sigma、St.Louis,MO)、0.025%過酸化水素を含有する100μl)をそのウェルに添加する。暗所で30分間、色を発生させる。自動化ELISAリーダー(Bio−Tek装置、Winooski、VT)で490nmでの吸光度を測定する前に、50μlの4N HCl溶液を各ウェルに添加することによって、反応を停止させる。その後、無関連キメラ抗体株(Scotgen,Ltd.スコットランド、Edinburgh,Scotland))に関して、結合抗体を決定する。
抗体は、以下のとおり、細胞培養の培地から単離できる。トランスフォーマ培養を、血清不含培地に適合させる。キメラ抗体の製造のために、HSFMを用いてローラーボトルで、細胞を、500ml培養として育成する。培養物を遠心分離し、そして上清を、0.2ミクロンの膜を通して濾過する。濾過した培地を、1ml/分の流速で、プロテインAカラム(1×3cm)を通過させる。その後、その樹脂を約10カラム容量のPBSで洗浄し、そしてプロテインA結合抗体を、10mMのEDTAを含む0.1Mグリシン緩衝液(pH3.5)でカラムから溶出させる。1.0mlの画分を、10μlの3MTris(pH8.6)を含む試験管に収集し、そして280/260nmでの吸光度から、タンパク質濃度を決定する。ピーク画分を貯蔵し、PBSで透析し、そして例えば、Centricon30(Amicon、Beverly,MA)で抗体を濃縮させる。以前のとおり、ELISAによって、抗体濃度を測定し、そしてPBSを用いて、その濃度を約1mg/mlに調節する。ナトリウムアジ化物(0.01%(w/v))を、防腐剤として、都合よくサンプルに添加する。
このように単離した抗体の相対的結合親和性は、直接放射性免疫アッセイによって測定できる。本発明にしたがって、非Fc定常部のグリコシル化部位で遺伝子操作されたcLL2、hLL2またはLL2が使用できる。クロラミンT法(例えば、Greenwoodら、Biochem.J.,89:123(1963)を参照。この文献は、参照することにより本明細書の一部とする。)を用いて、抗体を、131Iまたは125Iで標識できる。ヨウ素標識抗体の比活性は、一般に、約10μCi/μgに調節する。反応培地(1%ウマ血清および100μg/mlゲンタマイシンで補足されたHSFM)を用いて、未標識または標識抗体を、適切な濃度に希釈する。適切な濃度の標識および未標識の両方の抗体を、全容量100μ1で、一緒に反応試験管に添加する。ラジ細胞の培養物をサンプリングし、そして細胞濃度を測定する。培養物を遠心分離し、そして収集した細胞を、反応培地で一度洗浄し、続いて反応培地で再懸濁して、最終濃度約107細胞/mlにする。全手段を、4℃での冷所で行う。細胞懸濁液(100μl)を反応試験管に添加する。4℃で、2時間、反応試験管を経時的に穏やかに振盪して細胞を再懸濁して、反応を行う。反応期間に続いて、5mlの洗浄緩衝液(1%BSAを含むPBS)を各試験管に添加する。懸濁液を遠心分離し、そして細胞ペレットを、別の5mlの洗浄緩衝液で2回洗浄する。遠心分離に続いて、細胞ペレットに残った残留放射能の量をガンマカウンター(Minaxi,Packard Instruments、Sterling,VA)で測定した。
本発明の抗体の抗原結合特性は、LL2抗イデオタイプ抗体(WN)について標識されたmLL2で競合結合により評価できる。
ミックス−アンド−マッチおよび十分にヒト化された抗体のラジ細胞表層抗原結合親和性は、フローサイトメトリーアッセイによって評価されるとおり、コンペティターとしてFc部分を欠く、様々な濃度のmLL2 F(ab’)2断片を用いたcLL2のものと比較できる。フローサイトメトリーアッセイでのFITC標識抗ヒトFc特異的抗体によって、ヒトFc部分(cLL2およびミックス−アンド−マッチLL2)を担持する残基表層結合LL2抗体を検出できる。ミックス−アンド−マッチLL2抗体が、cLL2のものに類似する抗原結合親和性を示す場合、軽鎖および重鎖の両方のヒト化に関する当初の設計は、mLL2免疫反応性を保つと結論づけられる。
本発明による非Fc定常部のグリコシル化部位で遺伝子操作されたcLL2、hLL2またはLL2を、標的細胞に内在化することは、基本的に(Pirkerら、J.Clin.Invest.、76:1261(1985))の手段にしたがって、蛍光標識することによって行われ、この文献は、参照することにより本明細書の一部とする。培養したラジ細胞を遠心分離し、そして細胞を、新たな培地で、再懸濁して、約5×106細胞/mlの濃度にする。96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに、100μlの細胞懸濁液を添加する。全反応を同時に終了させるために、定間隔で、100μlの液量で、抗体(40μg/ml)を反応ウェルに添加する。プレートを37℃で、CO2細胞培養インキュベーターで、インキュベートする。インキュベーションの終わりに、細胞を冷1%FCS/PBSで3回洗浄することにより、未結合抗体を除去する。その後、細胞を、15分間4℃で、1mlのFormaid−Fresh[10%ホルマリン溶液Fisher、Fair Lawn,NJ]で処理する。洗浄後、アッセイされるべき抗体が、それぞれネズミ、キメラまたはヒト化されたものであるかによって、FITC標識ヤギ抗ネズミ抗体(Tago,Burlingame,CA)またはFITC標識ヤギ抗ヒト抗体(Jackson ImmunoResearch、West Grove,PA)で処理することによって、細胞表層または細胞の内側のいずれかに存在する抗体を検出する。BH−2蛍光顕微鏡(Olympus,Lake Success、NY)を用いて、蛍光分布を評価する。
抗体内在化の比率は、放射性ヨウ素で標識した抗体をトレーサーとして用いて、Opreskoら、(J.Biol.Chem.、262:4116(1987))にしたがって、測定できる。簡単には、放射性標識抗体(1×104cpm)を、1%ヒト血清を含む0.5mlのDMEM培地中で4℃で、2時間ラジ細胞(1×106細胞/ml)を用いてインキュベートする。反応間隔に続いて、0.5mlのDMEM培地で3回洗浄することによって、非特異的に結合した抗体を除去する。各々の反応試験管に、0.5mlのDMEM培地を添加し、そして内在化を測定するために、懸濁液を37℃でインキュベートする。定間隔で、トリプリケートの細胞を取除き、そしてすぐに氷浴中で冷却して、さらなる内在化を停止する。1000×gで、4℃で、5分間細胞を遠心分離する。上清を除去し、そして放射能を計数する。冷所で、8分間、pH3.0で、1mlの0.1Mアセテート/0.1Mグリシン緩衝液で処理することによって、表層結合放射能を除去する。酸処理によって放射能を除去し、そして細胞に結合して残留するものを測定する。時間に対するCPMintracellular/CPMsurfaceの比をプロットして、その傾斜から内在化の比率を決定する。
以下に記載される代表的実施例は、単に、本発明を例示するのに使用される。当業者は、多様な本材料が、請求された発明の広範な属性の範囲内にあることを認識する。ここに記述された全文献の内容は、参照することにより本明細書の一部とする。
例1
LL2モノクローナル抗体のヒト化に関するヒトフレームワークおよび配列設計の選択
LL2のネズミの可変(V)領域フレームワーク(FR)配列を、Kabatデータベース(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版、米国厚生省、米国政府印刷局、Washington,D.C.、この文献は参照することにより本明細書の一部とする)の中のヒト抗体のものと比較することによって、ヒトREI(図1A)およびEU(図1B)配列が、それぞれLL2のVKおよびVHドメインのFRsに高度な配列相同性を示すことが分かった。したがって、REIおよびEUのFRsは、LL2のVKおよびVHについてのCDRsがそれぞれ付けられたヒトフレームワークとして選択された。しかし、EUの配列よりむしろ、NEWMのFR4配列が、LL2重鎖をヒト化するためEUのFR4配列を置換するのに使用された。コンピューターのモデル化の研究(図2Aおよび2B)の結果に基づいて、結果物である抗体の親和性と特異性に影響を及ぼす可能性のある強力なCDR接触を示すネズミのFR残基が、ヒト化FR配列の設計物に保持された(図1)。
2つのバージョンのヒト化重鎖を構築した。第一のバージョン(hLL2−1)では、アミノ酸位置5(Kabatの番号付け)にあるグルタミン(Q)が導入されて、それがステージング・ベクター(図3)にサブクローニングするのを促進するPotI制限部位を包含した。オリゴ特定突然変異導入法によって、hLL2−2中で、このネズミ残基をヒトEU残基バリン(V)に変換した。当初のネズミ・カッパ鎖可変配列中で、強力なN連結グリコシル化部位を、位置18〜20に確認し、そして糖付加に使用されたことに注目すべきである。このグリコシル化部位は、LL2軽鎖ヒト化に使用されたREI FR配列に含まれなかった。
例2
LL2の重鎖および軽鎖可変部についてのPCRクローニングおよび配列封入
上記で一般に、そして以下の例3でさらに詳細に記載されたとおりのDNAプライマーを用いたPCRクローニングによって、mLL2の重鎖(VH)および軽鎖(VK)の両方についての可変部(IgG2a)を得た。PCRが突然変異する傾向にある場合、重鎖および軽鎖のいずれかに関する複数の個々のクローンの可変部配列を、6つのクローンについて測定し、そして一致すると確認してからキメラ抗体の構築に使用した。
VKについてのPCR産物を、Igプロモーター、シグナルペプチド配列およびVKPCR産物の枠内ライゲーションを促進するのに都合のよい制限部位を含むpBR327基礎ステージングベクターVKpBRに導入した(図3A)。VHについてのPCR産物を、同様のpBluescript基礎ステージングベクターVHpBSに導入した(図3B)。
上で特記したとおり、Sangerら、上述(1977)の方法にしたがって、各々のPCR産物を含む少なくとも6つの個々のクローンをシークェンスした。全てが、相同な配列を有することが示され、そしてそれらの各々の配列は、LL2 VKについては図4Aに、そしてLL2 VHについては図4Bに示されるとおり、明らかにされた。不完全な突然変異は、VKおよびVH領域をコードする配列内には確認されなかった。LL2のPCR増幅可変部配列をKabatデータベース(Kabatら、上述)と比較すると、LL2のVKおよびVH配列が、それぞれサブグループ5と2Bに属することが示唆された。ドメイン内ジスルフィド連結についてのCysのような重要な残基は、適切な位置で保持される。
VKのFR1フレームワーク領域で、N連結糖付随部位、Asn−Val−Serを18〜20位に確認し(図4A)、それは、LL2のVKがグリコシル化されている可能性があることを示唆している。以下に詳細に説明されるとおり、還元条件下でのSDS−PAGE分析は、このAsnグリコシル化部位が実際に糖付加に利用されていることを示した。しかし、可変部でのグリコシル化部位の存在は、抗体の免疫反応性に影響を及ぼしそうにない。競合RIAでのmLL2の免疫活性をcLL2のものとの比較は、2つの抗体がほとんど同一の活性を示すことを示した。
例3
ヒト化V遺伝子のPCR/遺伝子合成
hLL2 VHドメインについて設計した配列、長鎖オリゴヌクレオチドとPCRにより構築したhLL2 VHドメイン構築物ならびにhLL2 VHドメインを含むステージングベクターVHpBSの略図を図6に示した。
hLL2 VHドメインを構築するために、オリゴA(149mer)とオリゴB(140mer)を自動CYCLONE PLUSTMDNA合成装置(Milligen Bioreseach)を利用して合成した。
オリゴAはヌクレオチド24から172に相補的なhLL2 VHドメインのマイナス鎖である。すなわち、5’−TAT AAT CAT TCC TAG GAT TAA TGT ATC CAA TCC ATT CCA GAC CCT GTC CAG GTG CCT GCC TGA CCC AGT GCA GCC AGT AGC TAG TAA AGG TGT AGC CAG AAG CCT TGC AGG AGA CCT TCA CTG ATG ACC CAG GTT TCT TGA CTT CAG CC−3’に対して相補的である。
オリゴBはnt180から320に相補的なhLL2 VHドメインのマイナス鎖である:5’−CCC CAG TAG AAC GTA ATA TCC CTT GCA CAA AAA TAA AAT GCC GTG TCC TCA GAC CTC AGG CTG CTC AGC TCC ATG TAG GCT GTA TTG GTG GAT TCG TCT ACG GTT ATT GTG GCC TTG TCC TTG AAG TTC TGA TT−3’
オリゴAとBを支持体から切り離し、濃縮した水酸化アンモニウムで処理して脱保護化した。サンプルを真空乾燥(SpeedVac、Savant、Farmingdale,NY)してから100μlの水に再懸濁し、さらにDNAオリゴマーをPCRで増幅する前に遠心分離でCHROMOSPIN−100TMカラム(Clonetech,Palo Alto,CA)を通して不完全オリゴマー(100mer以下)を除去した。分離増幅とオリゴAとBのPCRクローニングに用いる全てのブランキングプライマーは前記のSambrookらの方法(1989)によりSDS−PAGEを利用して精製した。CHROMASPINで精製したオリゴAのサンプル保存液1μlを、10μlの10×PCR緩衝液(500mM KCl、100mM Tris−HCl緩衝液、pH8.3、15mM MgCl2)と5単位のAMPLITAQTMDNAポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus,Norwalk,Ct)を含む液に5mMのオリゴ:5’−CCA GCT GCA GCA ATC AGG GGC TGA AGT CAA GAA ACC TG−3’を5μlとオリゴ:5’−AAG TGG ATC CTA TAA TCA TTC CTA GGA TTA ATG−3’を5μlを加え、100μlとした反応液中でPCR増幅した。この反応混合液を変性条件、94℃1分間、アニーリング条件50℃1.5分、重合条件72℃1.5分から成るPCR反応サイクルを30回実施した。
オリゴBのPCR増幅は次のプライマーペアーを用いて前記同様の条件下に行った:5’−TAA TCC TAG GAA TGA TTA TAC TGA GTA CAA TCA GAA CTT CAA GGA CCA G−3’と:5’−GGA GAC GGT GAC CGT GGT GCC TTG GCC CCA GTA GAA CGT AGT AA−3’
オリゴAとBの二重鎖PCR増幅産物をゲルを用いて精製し、PstI/AvrII(オリゴAのPCR産物)とBstEII/AvrII(オリゴBのPCR産物)で制限酵素処理し、重鎖ステージングベクターであるVHpBSの相補的PstI/BstEIIサイトにサブクローニングした。ヒト化したVH配列をpG1gベクター内にサブクローニングし、最終的にヒトIgG1重鎖発現ベクターhLL2pGlgを得る。
ヒト化VK配列の完全長DNAを構築するために、オリゴE(150mer)とオリゴF(121mer)を上記同様にして合成した。オリゴEの配列は:5’−CCT AGT GGA TGC CCA GTA GAT CAG CAG TTT AGG TGC TTT CCC TGG TTT CTG GTG GTA CCA GGC CAA GTA GTT CTT GTG ATT TGC ACT GTA TAA AAC ACT TTG ACT GGA CTT ACA GCT CAT AGT GAC CCT ATC TCC AAC AGA TGC GCT CAG−3’である。この配列はnt31から180に相補的なヒト型VKドメインのマイナス鎖であり、この配列はオリゴ:5’−GAC AAG CTT CAG CTG ACC CAG TCT CCA TCA TCT CTG AGC GCA TCT GTT GGA G−3’とオリゴ:5’−AGA GAA TCG CGA AGG GAC ACC AGA TTC CCT AGT GGA TGC CCA GTA−3’を利用してPCR増幅した。
オリゴF配列は:5’−GCA CCT TGG TCC CTC CAC CGA ACG TCC ACG AGG AGA GGT ATT GGT GAC AAT AAT ATG TTG CAA TGT CTT CTG GTT GAA GAG AGC TGA TGG TGA AAG TAA AAT CTG TCC CAG ATC CGC TGC C−3’である。この配列はnt208から327に相補的なヒト型LL2 VKドメインのマイナス鎖であり、この配列はオリゴ:5’−GAC AAG CTT TCG CGA TTC TCT GGC AGC GGA TCT GGG ACA G−3’とオリゴ:5’−GAC CGG CAG ATC TGC ACC TTG GTC CCT CCA CCG−3’を利用してPCR増幅した。
ゲル精製したオリゴEとFのPCR産物は、それぞれPvuII/NruIならびにNruI/BglIIIで制限酵素消化した。それからこの2つのPCR断片EおよびFをNruI部位で接続してから、軽鎖ステージングベクター、VKpBRの相補的PvuI/BcII部位につなげた。ヒト化VK配列をベクターpKh内にサブクローニングして最終的なヒトカッパ鎖発現ベクター、hLL2pKhを作製した。
ヒト化抗体を発現させるために、およそ10μgの直鎖状hLL2pKhと20μgの直鎖状hLL2pG1gを用いてエレクトロポレーションにより5×106SP2/0細胞をトランスフェクションした。トランスフェクションされた細胞を500μg/mlのヒグロマイシンで選別してから、分泌された抗体を1×3cmのプロテインAカラムで精製した。精製抗体をCentricon 30遠心分離装置で濃縮してからELISAにより抗体濃度を測定した。抗体の最終濃度を0.01%(w/v)アジ化ナトリウムを保存剤として含むPBS緩衝液で1mg/mlに調整した。
図1はネズミとヒト化したLL2 VKドメインのアミノ酸配列と(図1A)ネズミとヒト化したLL2 VHドメイン(図1B)のアミノ酸配列の比較である。VK鎖では、全てのFReにヒトREIフレームワーク配列を用いた。VH鎖の場合は、FR1−3にはヒトEUフレームワーク配列を、またFR−4にはNEWM配列を用いた。ヒトの配列についてはネズミ配列と異なる箇所のみ示した。星印はネズミFR配列とヒトFR配列とが異なる箇所を示している。この箇所のネズミ残基はヒト化構造体内でも保存された。CDRsは四角で囲んだ。
図4Aには、ヒト化LL2 VKドメインの二重鎖DNAと、それに対応したアミノ酸配列(一字コードにて示した)が示されている。CDR1−3アミノ酸配列は四角で囲んでいる。VHの同様のものにについては図4Bに示した。
図5Aと図5Bには、ヒト化LL2 VKとLL2 VHそれぞれの二重鎖DNA配列とアミノ酸配列が示されている。アミノ酸配列は1字コードで示されており、CDRアミノ酸配列は四角で囲んだ。
例4
キメラLL2抗体の構築、発現及び精製
LL2のVKとVH配列を含む断片をプロモーターおよびシグナルペプチド配列と一緒に、それぞれLL2 VKpBRとLL2 VHpBsからHindIIIとBamHIの二重制限酵素消化により切り出した。それから、およそ600bpのVK断片をほ乳類発現ベクターであるpKh(図3A)のHindIII/BamHI部位にサブクローニングした。pKhはpSVhygを基礎とした発現ベクターで、ヒトカッパ鎖の不変部領域のゲノム配列と、Igエンハンサー、カッパエンハンサー、ならびにヒグロマイシン耐性遺伝子を含んでいる。同様におよそ800bpのVH断片をpSVgptを基礎とした発現ベクターでありヒトIgG1の定常領域のゲノム配列とIgエンハンサー、キサンチン−グアニンフォスフォリボシルトランスフェラーゼ(gpt)遺伝子を含むpC1g(図3B)のHindIII/BamHI部位にサブクローニングした。出来上がった発現ベクターをそれぞれLL2pKhとLL2pGlgと命名した。
この2種類のプラスミドをエレクトロポレーションによりSp2/O−Ag14細胞内に一緒にトランスフェクションした。生き残り選別されたコロニーの上清について、キメラ抗体が分泌されているかELISA法(上記参照)によって調べた。トランスフェクションの効率はおよそ1〜10×106細胞であった。抗体の発現レベルは最終培養体で<0.10から2.5/μg/mlの範囲であった。
A精製したタンパク質mLL2とcLL2を還元条件下あるいは非還元条件下にSDS−PAGEで分析した。mLL2とcLL2の軽鎖は予想される分子量より大きかった。cLL2のヒトカッパ定常領域はグリコシル化される可能性のある部位を持たないことから、LL2 VKドメインのFR1領域内に特定されたグリコシル化可能部位が修飾を受けたことが推測されす。別のhLL2とcLL2抗体についても還元条件下と非還元条件下にSDS-PAGEを利用して解析を行った。その内の1のhLL2抗体がhLL2−1である(VHドメイン中にネズミFR残基を7つ有している)。別のhLL2がVHドメイン中にネズミFR残基を6つ持つhLL2−2である。キメラ型軽鎖に比べるとヒト化軽鎖は泳動速度が速く、またバンドが広がり不鮮明である。
ミックスアンドマッチ型cLL2とhLL2抗体を還元条件下と非還元条件下にSDS−PAGEを用いて分析した。解析した混合−整合抗体は(hL/cH)LL2、(cL/hH)LL2−1、(cL/hH)LL2である。(cL/hH)LL2−1と(cL/hH)LL2はそれぞれ重鎖のFR領域内に7つ、および6個のネズミ残基を持っている。(hL/cH)LL2について観察された移動度から、ヒト化したLL2軽鎖はグリコシル化されていないことが示唆された。
例5
cLL2抗体のラジ細胞表面抗原への結合
競合細胞結合試験を行い、親細胞であるmLL2と比較した時のcLL2の免疫反応性を調べた。131I標識mLL2(0.025μg/ml)をプローブとして、ラジ細胞を抗体と反応させ、細胞に結合した標識mLL2の量から細胞への相対結合度を調べた(上記参照)。図7に示す競合試験に示されるように、mLL2もcLL2抗体も共に同じ様な結合活性を有していた。
上記結果はフローサイトメトリーを利用した別の競合試験でも確認された。簡単には、ラジ細胞を前記同様に用いて、1種類の抗体の濃度をもう一方の抗体に対して様々に変え、結合したmLL2あるいはcLL2抗体量を、サイトフローメトリー法によりFITC標識抗ネズミFc抗体あるいは抗ヒト抗体を用いて測定した。
例6
ラジ細胞に対するhLL2抗体の結合
実施例5の実験と同様にサイトフローメトリーを用いて、3種類の混合−整合型抗体もしくはヒト化LL2の組み合わせの抗原結合親和性について、cLL2の親和性と比較した。
簡単には、cLL2 1μg、混合−整合型LL2、hLL2−1あるいはhLL2−2抗体を、様々な濃度のmLL2 F(ab’)2断片が存在する条件下で、1%FCSと0.01%アジ化ナトリウムjを添加したPBS緩衝液最終容積100μlの中で108のラジ細胞と反応させた。この混合液を30分間4℃で反応させ、3回PBSで洗浄して非結合の抗体を除いた。抗体中にあるヒトFc部を活かすために、20倍に希釈したFITC標識ヤギ抗ヒトIgG1、Fc断片特異抗体(Jackson ImmunoReseach,West Grove,PA)を加えて抗体の結合レベルを調べた。細胞を3回PBSで洗ってから、蛍光強度をFACSCAN蛍光活性化セルソーター(Becton−Dickinson,Bedford、MA)により測定した。結果は図8Aに示す。同様の方法を用いて、cLL2と2種類のhLL2とを比較した(図8B)。
図8AおよびBに示す結果より、cLL2の免疫反応性はヒト化もしくは混合−整合型抗体の免疫反応性と近似しているか、あるいは同一であることが示された。cLL2の比較結果とmLL2(図7)の結果をまとめると、得られたキメラ型ならびにヒト化VKおよびVHの配列は正統なものであることが確認された。
例7
ラジ細胞によるmLL2とcLL2抗体の細胞内取り込み
LL2抗体のユニークな特徴の一つにラジ細胞に結合すると、直ぐに細胞内の取り込まれる性質がある(Shihら.,1994前記)。細胞内に取り込まれた後のネズミLL2はすぐにゴルジ装置に運ばれ、そこから様々な化学物質の分解をつかさどるライソゾームに移されると考えられている(Keisariら.,Immunochem.,10:565(1973))。
抗体の細胞内取り込み速度を前記のOpreskoらの方法、1987により調べた。CPMintracellular/CPMsurfaceの比を時間の関数として求めた。LL2抗体の細胞内取り込み速度は放射線標識したLL2抗体(1×106cpm)と0.5×106ラジ細胞を、1%ヒト血清を含む0.5mlのDMEM緩衝液中で2時間、4℃で反応させて調べた。過剰量のヒト血清を加えてラジ細胞表面のFc受容体を飽和させて、Fc受容体を介して起こる非抗原特異的細胞内取り込みを除いた。細胞を3回、4℃にて0.5mlのDMEM緩衝液で洗浄し、結合していない放射線標識LL2抗体を取り除いた。それから細胞を37℃で反応させ、一定時間毎に細胞懸濁液の一部を氷上に移して、細胞内取り込みを停止させた。この細胞を1,000×g、4℃、5分間の遠心分離で単離し、表面に結合した放射線標識LL2を0.1Mの酢酸グリシン緩衝液、pH3、1mlを8分間、4℃作用させて剥がした。こうして剥がれた放射活性(CPM surface:表面)と細胞に残った放射活性(CPM intracellular:細胞内)を求めた。細胞内取り込みの速度は、細胞内放射活性:表面放射活性比の時間に関するプロットの傾斜から求めた。
図9に示す様に、mLL2、cLL2、cLL2QならびにhLL2抗体の細胞内取り込み速度は近かった(Ke=0.107(mLL2)から0.1221(cLL2Q、NVTがQVTに変異したもの〉。これらの数字から、表面に結合した抗体のおよそ50%が10分以内に細胞内に取り込まれることが示された。この結果より、キメラ化してもヒト化しても、あるいはmLL2抗体に突然変異を起こして脱グリコシル化しても細胞内取り込み速度に影響することは無いことが示された。
mLL2、cLL2ならびにhLL2の細胞内取り込みのパターンについても、明細書に記載した方法に従いFITC標識二次抗体プローブを用いた蛍光顕微鏡観察を時間をおって行い、モニターした。両抗体の細胞内取り込みは、測定した最初の時点で観察された。5分目では、抗体は細胞表面と細胞膜直下の領域に細胞質微小粒子として確認された。反応後15分目では、膜内周辺に広がっていた細かな点が集まりゴルジ装置と思われる場所で塊を形成し始めていた。反応30分後にはもっと多くの抗体が細胞内に取り込まれ、集合した抗体がライソゾームと思われる場所に移動していることが観察されたが、抗体はこの場所で分解されると考えられている。反応2時間後には大部分の抗体が細胞内部に観察された。LL2を氷上で20分間反応させた場合にだけ、強く表面が染色されることが観察された。mLL2やcLL2は共に同様のパターンで細胞内に取り込まれた。LL2の細胞内取り込みには抗原抗体結合が必ず伴ったのに対して、対照である無関係なヒト化抗体は表面を僅かに染色しただけであった。
A103抗体(全てのヒト上皮細胞の表面に結合するが、細胞内取り込みの効率は悪いIgG2a抗体(Mattesら.,Hybridoma,2:253(1983))は2時間目までは強く膜を染色したが、抗トランスフェリン受容体抗体(5F9)はLL2同様に素早く細胞内に取り込まれた。
例8
LL2 VK配列のFR1領域内のグリコシル化部位の役割
特に発明として興味深い点は、Asnグリコシル化部位がLL2 NVT軽鎖配列のFR1領域内の18〜20であると特定されたことである(図4A)。前記の通り、還元条件下でのSDS−PAGE分析から、このAsnグリコシル化部位が炭水化物の付加に利用される部位であることが示唆された。本実施例では、18〜20位の炭水化物基が掲載の機能活性に影響するかを検証した。
エンドグリコシダーゼ処理をした場合と、しない場合のネズミならびにキメラLL2軽鎖を、還元条件下および非還元条件下でSDS−PAGEで分析した。電気泳動での挙動に関して、抗体の型による違いはなかった。いずれの場合もグリコシル化により軽鎖の移動速度は低下した。
mLL2抗体のラジ細胞への結合親和度に及ぼす脱グリコシル化の作用を図10に示した。エンドグリコシダーゼFにより炭水化物を除去しても結合活性に変化は見られなかった。
軽鎖の18の位置に突然変異を誘導し、AsnをGlnに変えてLL2Q VK FR1を作製した。SDS−PAGEによる分析より、このNVTからQVTへの突然変異により抗体がグリコシル化されなくなった。軽鎖VKのグリコシル化があるcLL2と無いcLL2のラジ細胞への結合親和度を比較した結果、炭水化物基がこれらの細胞への抗体結合に影響しないことが示された。
可変領域内にある炭水化物基の存在は抗体の免疫反応性には影響しないと結論できる。コンピュータを利用したモデル化研究は、LL2のVKにある炭水化物基がCDRsから離れて位置しており、またCDRを支えるFR付随βバリアーの基部ループを覆う「キャップ」を形成していることを示唆している。元来あったグリコシル化部位を含まない形でヒト化した結果、免疫反応性が同種のネズミ抗体に同じであるCDR移植LL2抗体が生まれた。上記より、グリコシル化部位は、Bリンパ腫細胞あるいは白血病細胞に結合して細胞内に取り込まれる抗体の能力に影響することなく、LL2に治療あるいは診断を目的とする薬剤の結合に利用できることが示された。
例9
LL2のVK領域の炭水化物含有部位でのLL2の標識
可変域の炭水化物はmLL2、cLL2、hLL2のmAbsではその機能活性に関与していないことから、この炭水化物基が放射線核種や毒素といった細胞毒成分もしくは検出成分を結合する部位として利用することで、細胞機能を大きく妨げることなく細胞表面へこれら標識体を結合できることが示された。
抗体にある酸化された炭水化物基と、各種薬物、毒素、キレーター、検出可能な標識物を複数共有複合できる重合性担体の1次アルキルアミン基とを複合させた抗体を作製するShihらの方法、米国特許番号第5,057,313号(参照することにより本明細書の一部とする)を利用して、付随するグリカンを欠き、複数の薬剤を含むドキソルビシン−デキストラン−LL2抗体断片を作製した。cLL2 VK FR1域に含まれる炭水化物基は、Asnグリコシル化部位と共有結合する部位である。
合成では、まずNaIO4による酸化、NH2−CH2−CHOH−CH2−NH2とのシッフ基形成、NaBH4による還元を通じてデキストラン(18〜40kDa)をアミノデキストランに転換する。さらにこのアミノデキストランを無水コハク酸と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド存在下にドキソルビシン(DOX)と縮合してDOX−アミノデキストランを作る。それから、このDOX−アミノデキストランと、NaIO4を利用して抗体断片の炭水化物基を酸化することでLL2 VK FR−1に導入したアルデヒド基とを縮合した。
DOX−LL2の調整では、デキストランに複合したDOXのモル数は1モルのデキストラン当たり14モルであり、1モルのF(ab’)2当たりのドキソルビシンのモル数は8.9であった。前記のラジ細胞結合法での免疫反応性は対照のもののおよそ80%であった。この標識系はmLL2抗体のみに限定されるものではない。比較試験では、15〜19モルのDOXが1モルのcLL2に複合した。
この標識能は上記実施例に示した担体であるデキストラン使用時に限られるものではない。例えば、LL2 VK FR1域の炭水化物基を酸化することでアルデヒド基を作ることができる。言い換えれば、これらの基はいずれの薬物のアミノ基とも反応してシッフ基を形成することが可能であり、この基を還元することでアルキルアミン基を介して複数の薬物を抗体に安定して複合させることができる。
例えば、薬物がアミノヘキシルDTPA(キレート剤)である場合、キレート剤と共有結合したLL2ができる。このキレート剤を利用して組織を標的とした薬物供給が可能であり、例えば核種もしくは常磁性体金属イオンを複合させて診断ならびに治療応用できる。DTPA−LL2標識体は抗体1モル当たり5.5モルのキレート剤を含む形で作られているが、こ:れは言い換えると当該標識体によりY−90の47.3%とIn−111の97.4%がキレートされる。
例10
ヒト化抗B細胞リンパ腫抗体の産生促進
ヒト化したネズミLL2(hLL2)の臨床応用試験を通じて、非ホジキン型B細胞リンパ腫の治療と診断にネズミLL2が有効であることが示されているが、通常の形質導入細胞のhLL2の生産性が低いことが問題となった(最終培養液でおよそ1mg/リッター)。hLL2重鎖と軽鎖の非アデノシンキナーゼ列を増殖可能なジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(dhfr)(hLL2pdHL2)を含む発現ベクター中に再結合し、さらにエレクトロポレーションによりSP2/0細胞内にこのベクターをトランスフェクションしてメトトレキセート(MTX)耐性のhLL2産生クローンを得た。MTX濃度が0.1μMのとき、1リッターの最終培養液から1.4mgのhLL2が精製できた。hLL2の産生量は培養液中のMTX濃度を段階的に上げることで上昇し、3μMのMTXの時に70+/−5mg/リッターの産生量で定常化した。精製されたhLL2は免疫反応性を保持したまま10.3のPIを有していた。さらに、MTX選別を完全にのぞき、凍結融解しても得られたクローンの高い生産性に影響はなく、増幅された遺伝子が安定して染色体内に組み込まれたことが示唆された。
例11
hLL2抗体の定常域内へのN結合グリコシル化部位の構築
1.N結合グリコシル化部位への突然変異の誘導
(1)軽鎖の突然変異
ウサギ抗体のカッパ定常領域のなかでN結合グリコシル化配列となり得ると考えられるアミノ酸位置は161〜163と174〜176である。同様の配列をhLL2のCKドメイン内に誘導でき、それぞれKCN1とKCN2と命名した。さらに3ヶ所に別のCK突然変異をKCN3、KCN4,KCN5と命名し、図12に示した。
(2)重鎖の突然変異
ヒトIgMは、CH1ドメインのアミノ酸配列の161〜163の位置に炭水化物付加配列と考えられる、NNSを含む。ヒトIgAのドメイン、CHの168〜170残基の位置には、同様の配列NVTがある。軽鎖での突然変異と同じ様にして命名した(図12)。
炭水化物付加配列、Asn−Asn−SerがヒトIgMの複数のCH1ドメイン中のアミノ酸配列位置161〜163(Kabatの番号付け;Kabatら.,1991)に認められいる。同様の配列、Asn−Val−ThrがヒトIgAのCH1ドメインのアミノ酸位置168〜170に認められている。ヒトIgG1配列に突然変異を起こして、アミノ酸位置162〜164のAsn−Ser−GlyをAsn−Ser−Valに、アミノ酸位置165〜167のAla−Leu−ThrをAsn−Leu−Thrに、アミノ酸位置166〜168のLeu−THr−SerをAsn−Thr−Serにそれぞれ変え、最終的な構造への影響を最小限に留めたかたちで、IgMとIgAの場合と殆ど同じグリコシル化部位と考えられる3種類の配列をヒトIgG1のCH1ドメイン中に導入した。これらのグリコシル化部位は、「天然」の位置に留まっていると考えられる。コンピューターモデル試験より表面受容性が推測された別のグリコシル化受容体配列(例えばHCM5)も導入した。その他の部位は、コンピューターモデル試験せずにその配列の変異し易すさから無作為に選んだ。
2.発現用の変異構築体の作製
(1)変異誘導用プライマーの設計と合成
オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘導法によって、前もって設計されたN結合グリコシル化可能部位をhLL2抗体内に誘導した各CK。ならびにCH1変異に合ったオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、これを用いて試験管内突然変異誘導を行った。これらのプライマーはそれぞれ標的となるDNA断片内に制限酵素切断部位(表1、下線配列)も同時に提供し、これによってその後のスクリーニングを容易にしている。表1では変異した塩基箇所は太字で示した。
Figure 0003904238
(2)発現ベクターの構築
生体外での部位特異的突然変異誘導により、N結合グリコシル化可能配列がhLL2の軽鎖と重鎖をコードする遺伝子内に導入された。DNAの配列を決定して、確かにこの導入配列があることを確認した。それから各変異遺伝子を対応する発現ベクター(カッパ鎖の場合はhLL2pKh、重鎖の場合はhLL2pG1g)内にサブクローニングした。
まず、ヒトIgG1のCH1ドメインをヒトのゲノムIgG1定常域配列(Leungら.,1994b)を含む発現ベクターLL2pG1gから、BamHIとBstXIによる制限酵素処理して切り出し、これをその後の操作のためにpBluesrciptSKベクター(Stratagene,La Jolla,CA)の対応する位置にサブクローニングした。得られたベクターはCH1pBSと命名した。
TransformerTMSite−Directed Mutagenesis Kit(CLONTECH,Palo Alto、CA)をメーカーの取扱説明書に従い用いて突然変異を誘導した。全てのケースで、それぞれの突然変異プライマーと結合して用いるための選択プライマー、MutKS(5’−ACG GTA TCG ATA TGC ATG ATA TCG AAT T−3’)を設計した。この配列はpBluescriptのクローニング配列内にあるHindIII制限酵素部位をNsiI制限酵素部位(下線)に変える時に利用される。
162〜164アミノ酸位置にあるAsn−Ser−GlyをAsn−Ser−Thrに変異させるために、選択プライマーMutKSとプライマーCHO162(5’−GTG TCG TGG AAT TCA ACC GCC CTG ACC AGC GGC−3’)を利用して、164の位置のGlyをThrに変異した。検出のための部位として大腸菌(下線部)部位が変異プライマー内に含まれている。
165〜167アミノ酸の位置にあるAla−Leu−ThrをAsn−Leu−Thrに変異させるために、選択プライマーMutKSとプライマーCHO165(5’−GTG TCG TGG AAT TCA GGC AAC CTG ACC AGC GGC−3’)を利用して、Ala−165をThr−165に変異した。検出のための部位としてEcoRI(下線部)部位が変異プライマー内に含まれている。
166〜168アミノ酸の位置にあるLeu−Thr−SerをAsn−Thr−Serに変異させるために、選択プライマーMutKSとプライマーCHO166(5’−TGG AAC TCA GGC GCG AAT ACC AGC GGC GTG CAC−3’)を利用して、Leu−166をAsn−166に変異した。検出のために、ヒトIgG1中では元々はCH1配列中にあるKasI部位(GGC GCC)を3’のCをGに変えて除いた。
それぞれ100ngのリン酸化プライマーからなるペアー(選択プライマーと各変異プライマー)をステージングベクターのCH1pBS100ngに、20mM Tris−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、50mM NaClを含む最終容積20μlの反応液中に3分間95℃においてアニールしてから氷上に5分間放置した。この混合液に2から4単位のT4DNAポリメラーゼと、4から6単位のT4DNAライゲースを3リットルの10×合成緩衝液(CLONTECH,Palo Alto,CA)と一緒に加えた。2時間、37℃反応後、3リットルの前もって加温しておいた停止液(0.25%SDS,5mME DTA)中で5分間65℃に加熱して重合およびライゲーション反応を停止した。この混合液のDANを用いて、エレクトロポレーション法によりエレクトロコンピテントな大腸菌細胞、BMH71−18muts(修復欠損)に形質導入した。形質転換細胞を集めてから一晩、37℃で50g/mlのアンピシリンを添加したSOC(20mg/mlバクトトリプトファン、5mg/mlバクト酵母抽出物、8.6mM NaCl、2.5mM KCl、20mM グルコース)中で培養した。集めた形質転換細胞から調整したミニプラスミドDNAをHindIIIで消化して、選択プライマーで変異されなかったDNAを直鎖状に変えた。フェノール抽出により酵素を取り除いた後に、そのDNAを用いて2回目の形質転換をコンピテントDH5細胞を用いて行った。HindIIIで消化できなかったプラスミドDNAについて、EcoRI消化配列があるか(GlyがThrに、AlaがAsnに変わっている場合)、あるいはKasI検出部位がないか(LeuがAsnに変異している)調べた。突然変異の有無の最終的な確認はSangerのジデオキシ配列決定法(Sangerら.,1977)を用いて行った。所望のの変異があることが確認されたCH1領域をBamHI/BstXI酵素で切り出し、hLL2の最終的な重鎖発現ベクターであるhLL2pG1gの対応する部位にサブクローニングした。
(3)遺伝子増幅のための発現ベクター
抗体産生の下工程を効率化するためには、遺伝子増幅システムを利用することが求められる。変異抗体が工業目的に耐えうる可能性があることが確認されたのち、遺伝子増幅法により高いレベルの製造を達成できた。このために、我々はこれらのhLL2pdHL2高レベル発現ベクターにN結合グリコシル化部位変異、dhfrミニ遺伝子を基礎とした遺伝子増幅システムを構築することを計画した。重鎖の変異、HCN3,HCN4ならびにHCN5は発現に向けてこのベクターにサブクローニングした。
これら変異を発現する最終の構築体は、それぞれhLL2HCN3pdHL2、hLL2HHCN4、ならびにhLL2HCN5pdHL2と命名された。
3.変異hLL2の発現と構築部位のグリコシル化.構築されたグリコシル化部位を含む定常域をhLL2の各可変領域(V)に連結した。エレクトロポレーションにより重鎖と軽鎖の発現ベクターで形質転換されたネズミSP2/0ミエローマ細胞では各種のグリコシル化変異が発現した。構築した抗体は安定した抗体産生細胞の培養液からプロテインAカラムを用いて精製し、精製タンパク質は還元条件のSDS−PAGEにて分析した。グリコシル化変異の重鎖は対照の抗体である、そのCHIドメインにグリコシル化可能部位を持たないhLL2とは異なる移動速度を持っている。SDS−PAGEの移動速度は構築したオリゴサッカライドの分子の大きさに逆比例することから、各部位のグリコシル化の強さは最も強くグリコシル化されている抗体であるhLL2HCN5とhLL2HCN1ではHCN5.HCN1>HCN3>HCN2>HCN4の順である。逆に、変異KCN1−4の軽鎖では移動の遅れがないことから考えて、これらCK関連部位には全くグリコシル化されていないか、あるいはあってもそれほど大きくないと結論した。
4.hLL2HCN1とhLL2HCN5はCH1ドメインでNグリコシル化される。抗体hLLHCN1、hLL2HCN5、hLL2をNグリコシダーゼF(PNGaseF)で処理して、ペプチドにあるあらゆるタイプのAsn結合を切断し、還元型SDS−PAGEで分析した。PNGaseFで処理すると、分子としては大きなhLL2HCN1とhLL2HCN5がhLL2の分子の大きさまで小さくなったことは、これらの抗体の分子の大きさの違いは、重鎖にN結合したCHOsによるものであることが示された。あらゆるヒトIgG1抗体は天然にはCH2ドメインのAsn297がグリコシル化されていることに注意すべきである。観察された分子の大きさの違いは、構築した部位ではなく、むしろ培養条件の変動の結果生まれたCH2部位のグリコシル化の違いによるもであろう。そのために我々はhLL2HCN1、hLL2HCN5、hLL2のF(ab’)2断片を調整し、これら断片を還元型SDS−PAGEで分析した。これら抗体間の大きさの差は、Fc部分がないオリゴサッカライドが結合しているFd(VH−CH1)断片の大きさと関係し、hLL2HCN5のFd断片の大きさはhLL2HCN1のものより大きい。断片をPNGcaseFで処理して脱グリコシル化すると、これらの大きさの違いは無くなり、全てのFd断片はグリコシル化していないhLL2と同じ位置に泳動されることから、構築した部位は実際にグリコシル化され、HCN5のグリコシル化の程度がHCN1のものよりも大きいことが示唆された。
HLL2HCN1のCH1、ドメインにあるN結合オリゴサッカライド基はCHO特異標識法により直接目で見ることができる。その場合、まず複合したオリゴサッカライド基を過ヨウ素酸塩で酸化する。それからでき上がったアルデヒド基に、プローブとして利用し、かつウェスタンブロツト分析でストレプトアビジン−ペルオキシダーゼを用いて発色させるためのビオチンを共有結合する。これまで強調している様に、hLL2とhLL2HCN1の重鎖だけがCHO標識で可視化され、軽鎖は可視化されない。密度計測計で定量化すると、標識されたhLL2HCN1のCHOの強度はhLL2に比べておよそ2.5倍である。クーマシーブルーで染色したSDS−PAGEで示す様に、調べた各種抗体のタンパク質含有量は同様であった。我々は強度に見られる差は構築されたHCN1部位にグリコシル化が追加されたためと考えている。この考えは、F(ab’)2断片を用いて同様の解析を行った結果から支持された:hLL2HCN1のFd断片のみがCHO特異的な標識を受け、hLL2のFd断片は標識されなかった。逆に、CKのグリコシル化可能部位はグリコシル化されていなかった。
グリコシル化の強さが不均一であるVK付属のグリコシル化部位とは異なり、hLL2(HCN1)Fd断片のSDS−PAGE分析では1本の幅広のバンドだけが観察されたことを記しておく。このことから、hLL2(HCN1)のFd断片の殆ど全てがグリコシル化されていると推測され、グリコシル化の強さは比較的均一で、その後の特性分析や応用に好適な性質を有していると考えられた。
5.WN 競合結合法.これら2種類の抗体の抗原結合力を、LL2抗イディオタイプ抗体(WN)に対するmLL2による競合結合を利用して評価した。この方法より、hLL2HCN1とLL2HCN2のWNに対する結合活性がhLL2のものと同じであることが示された(図11)
例12
アミノベンジルDTPAとデキストラン−ドキソルビシンのhLL2HCN1とhLL2HCN5への部位特定的結合DTPAを用いた抗体のF(ab’)2断片の部位特異的修飾は既報の通り行った。Leungら.,J.Immunol.154:5919(1995)を参照のこと。F(ab’)2断片(−1mg/ml)を15mMのナトリウムメタロペルオキシダーゼを用いて4℃で1時間酸化した。酸化したものを精製し、545倍モルの過剰のアミノベンジルDTPAと混合し、pHを5.97に調整した。混合液を暗所、室温で5時間反応させてから、4℃に18時間置いた。複合を10mMのナトリウムシアンボロヒドリドで安定化し、精製してから濃縮した。金属複合法と111Inでスパイクした酢酸インジウムを用いて、キレート剤:F(ab’)2比を決めた。Mearesら.,Anal.Biochem.142:68(1984)を参照のこと。放射線標識は本方法に従って行った。Leungら.,(1995)、supra参照。F(ab’)2断片に複合したDTPA分子の数はIn/In−111システムを用いた複合法にて決定した。簡単に説明すると、複合体40μgを30分間、酢酸1n−111でスパイクした過剰の酢酸インジウムと反応させた。これを10mMのEDTAで液化し、さらに10分間反応させた。標識体は10mMのEDTAを展開液とするITLCで分析した。DOX−デキストラン複合体はShihら.,Cancer Res.51:4192(1991)の方法に従い、分子量18KDaのアミノデキストランを中間担体として用いて調製した。中間複合体にはデキストランポリマー当たり10.5分子のDOXが置換標識されていた。それからDOX−デキストランをhLL2HCN1あるいはhLL2HCN5のF(ab’)2断片に複合した。簡単には、この抗体断片を0.1M酢酸ナトリウム緩衝液、PH5.5を用いて10mg/mlに濃度調整し、20mMのメタペルオキシダーゼと暗所、4℃で60分間反応させた。酸化した抗体を、前もって0.1MのNaClを含む0.05MのHEPES緩衝液、pH8.0で平衡化しておいたBio−Spinカラム(Bio−Rad)で精製してから、DOX−デキストラン(4当量)と室温で24時間処理した。ナトリウムボロ水素化物で還元してから、複合産物をBio−gel A−0.5m ゲルカラム(Bio−Rad)で精製した。タンパク質分画を集め、Cetricon50濃縮装置(Amicon、Beverly,MA)を用いて濃縮した。タンパク質複合体中の中間体の残存物は、Bio−Sil Secseize exclusionカラム(Bio−Rad)を用いたHPLCで確認しながら結合緩衝液で繰り返し洗浄して取り除いた。
例13
CH1に結合するオリゴサッカライドはキレート剤および/又は薬物の効率的な複合部位として利用できる。
緩やかな化学条件下では、hLL2HCN1とhLL2HCN5のF(ab’)2断片に複合するDTPAの分子数はそれぞれ1.6と2.97である(表2)。いずれの複合体も111Inの取り込みでは高い効率を示した(hLL2HCN1で92%、hLL2HCN5で91%)。WN競合阻止アセーでしらべた限り、DTPAをグリコシル化変異部位に複合させた前後で免疫反応性には大きな変化は認められなかった。HCN5結合CHOはHCN1に結合したCHOに比べて、キレート剤複合にはより活性である。おおよそ2倍でHCN5部位無いに多くのETPA分子を取り込むことができる。
Leungら.,(1995)(前記)はネズミLL2内のVKに結合しているCHOが、抗体の抗原への結合特性を低下させることなく小分子のキレート剤の複合部位として利用可能なことを示した。このVKに結合しているCHOをデキストラン−DOXと複合させたことによる免疫反応性への影響について調べた。デキストラン−DOX複合体は18KDaのアミノデキストランポリマー上に平均して10分子のDOXを化学的に取り込ませて作製した。DOX向け担体としてアミノデキストランを利用した場合には、平均しておよそ5.1個のDOX分子がネズミLL2のVK結合CHOに取り込まれること、そして細胞結合法とELISA法により免疫反応性はおよそ60%減少することが観察された。表3参照。HCN1 CHOには若干多めのDOX分子(6.8)が複合するが、免疫反応性に対する有害作用という観点では、先の例に比べて比較的低かった。結合親和性の低下は30%のみであった。逆に、HCN5 CHOにほぼ同数(7.2)のDOX分子を複合させた場合でも、抗原結合特性には差は現れなかった。表3参照。
hLL2、hLL2HCN1,hLL2HCN5のF(ab’)2断片の分子の大きさをマススペクトリー(Mass Consortium,San Diego,CA)分析で決定したところ、それぞれ99,000,102,400,103,800であり、これら断片のアミノ酸配列は構築部位(1アミノ酸の違い)以外同一であり、断片にはグリコシル化されたFc断片を有していないことから、このhLLとグリコシル化変異のF(ab’)2の分子の大きさの差は、それぞれのCH1に結合したCHOの分子量の違いを反映したものである。即ち、HCN1とHCN5のCHOの分子量はそれぞれ3.4と4.8kDである。
PNGaseF消化により、hLL2HCN1とhLL2HCN5のCH1結合CHOsを切り出してから、フルオロポア支援炭水化物電気泳動(FACE)を用いてプロファイルならびに配列の分析を行った。CH1結合CHOは異なる種類の集団であることが判明した。HCN5部位のオリゴサッカライドのおよそ60%は大きな三突起構造を示したが、一方HCN1では殆どが2突起構造(>90%)であった。これらの結果はHCN5のCHO部位の平均分子サイズがHCN1のものに比べて大きいことを示したマススペクトロメーターの結果と一致している。
上記実施例は本発明の幾つかの特定の実施態様について記載したものであり、これらの実施例により本発明の請求の範囲が限定されるものではないことを強調する。
また本明細書に引用された文献と特許とを、参照することにより本明細書の一部とする。
Figure 0003904238
a hMN14 F(ab’)2(グリコシル化されていない)を用いた対照実験ではキレート剤/F(ab’)2比は0.075で、これは無視できる値であり、複合体が炭水化物基に有ることが確認された。
b コバルト/コバルト−57あるいはインジウム/インジウム−111法にて測定(Mearesら.,Ana1.Biochem.142:68,1984)。
c ITLC解析を用いることにより、いずれのケースのHPLC収量、標識%も高くなった。また全ての標識体中のコロイド金属は1%以下であった。
d 競合結合法による未修飾の対照F(ab’)2のID50との比較による。
ND:未決定
Figure 0003904238
a 分光光度計計測により測定。
b 分光光度計計測より測定し計算。
c 既述の細胞表面結合法により活性を測定し、ID50値から計算した。
d ID50値より計算した免疫活性。

Claims (10)

  1. B細胞特異的モノクローナル抗体または抗体断片であって、非Fc定常域の重鎖領域にグリコシル化部位を含むように操作され、前記グリコシル化部位が、ヒトIgG1に由来する図12の太字で示されたHCN1およびHCN5からなる群から選択されるアミノ酸配列に位置することを特徴とする、抗体または抗体断片。
  2. ヒト化抗体またはヒト化抗体断片である請求項1に記載の抗体または抗体断片。
  3. 該グリコシル化部位が、図12において太字で示されるHCN5配列に位置する請求項1または2に記載のヒト化B細胞モノクローナル抗体または抗体断片。
  4. 該グリコシル化部位が、図12において太字で示されるHCN1配列に位置する請求項1または2に記載のヒト化B細胞モノクローナル抗体または抗体断片。
  5. LL2抗体の特異性を有する請求項1または2に記載の抗体または抗体断片。
  6. ヒトIgG1に由来する図12において太字で示されるHCN1およびHCN5からなる群から選択されたアミノ酸配列に位置するグリコシル化部位を定常重鎖領域内に含む抗体重鎖をコードする遺伝子を含む単離されたDNA分子。
  7. 定常CH1領域をグリコシル化された抗体又は抗体断片を製造する方法であって、
    軽鎖遺伝子及び重鎖遺伝子又はそれらの部分を、グリコシル化可能な細胞内で共発現させて、定常CH1領域がグリコシル化された前記抗体または抗体断片を生成するステップであって、前記重鎖はヒトIgG1に由来する図12において太字で示されるHCN1およびHCN5からなる群から選択されたアミノ酸配列においてグリコシル化部位を含むステップと、
    前記抗体または抗体断片を単離するステップと
    を含む方法。
  8. モノクローナル抗体又は抗体断片を、特定の抗原を標的とするために用いて、抗体又は抗体断片を診断剤若しくは治療剤と複合させた形で使用する、患者の診断又は治療方法に使用するための医薬を製造するための抗体または抗体断片の使用であって、
    該抗体又は断片は、請求項2のモノクローナル抗体又は抗体断片であることを特徴とする使用。
  9. 該患者がB細胞悪性腫瘍患者であり、該ヒト化モノクローナル抗体または抗体断片がB細胞特異的抗体または抗体断片である請求項8に記載の使用。
  10. 該診断剤または治療剤が、該モノクローナル抗体又は抗体断片の炭水化物に複合している請求項8に記載の使用。
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