JP3904224B2 - Xy位置決め装置及び電子部品搭載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体の平面での位置決めを行なうXY位置決め装置と、このXY位置決め装置を備え、基板に電子部品を搭載する電子部品搭載装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子部品搭載装置は、予め半田印刷、接着剤塗布の施された基板に電子部品を搭載する装置であり、プリント基板上の所定位置に電子部品を搭載するためのXY位置決め装置9を備える。
【0003】
従来のXY位置決め装置9について、図4、図5を参照して説明する。従来のXY位置決め装置9は、X方向移動ユニット90及びY方向移動ユニット20、ヘッドユニット4等を備えて構成される。
【0004】
Y方向移動ユニット20は、Y軸フレーム21等を備えて構成される。Y軸フレーム21、21は、XY位置決め装置9の両端に、図4におけるY軸に沿って延在する形態で固定されることにより2組備えられた構造物であり、X方向移動ユニット10の両端を図4におけるY軸方向に移動自在に支持する。
【0005】
X方向移動ユニット90は、X軸フレーム91、X方向駆動部92、リニアガイド(案内部材)93、バックプレート(補強部材)94等を備えて構成され、ヘッドユニット4を図4におけるX軸方向に移動自在に支持する。
【0006】
X軸フレーム91は、図5に示すように略逆C字型の断面形状を有しており、軽量化のため例えばアルミニウム材で形成される。X軸フレーム91は、Y軸フレーム21、21により両端部で、図4におけるY方向に移動自在に支持される形態で図4におけるX軸に対して平行に設置される。X軸フレーム91は、後述するヘッドユニット4を図4におけるX方向に移動自在に支持する。
【0007】
リニアガイド93、93は、X軸フレーム91の前面側(ヘッドユニット4が取り付けられる側)に、X軸フレーム91に対してほぼ平行に2本設置され、ヘッドユニット4を案内する。リニアガイド93は、例えば角棒の対向する2面の側面を略く字型に切り欠いた断面形状を有する鋼鉄製棒材である。また、X軸フレーム91の後面側には、例えば溝型鋼で形成されたバックプレート94、94がX軸フレーム91に対してほぼ平行に2本設置される。バックプレート94は、X方向移動ユニット90に外力が掛かった際や、温度変化によりX軸フレーム91及びリニアガイド93、93が伸縮した際に、X軸フレーム91が歪んだりしないようX軸フレーム91を補強する。
【0008】
X方向駆動部92は、図4に示すようにX軸モータ92a、減速プーリ92b、X軸タイミングベルト92c、小ベルト92d、支持プーリ92e等を備えて構成され、ヘッドユニット4を駆動する。
【0009】
X軸モータ92a、92aは、X軸フレーム91の両端に固定して備えられており、互いに連動して駆動することにより、ヘッドユニット4が移動するための駆動力を発生する。X軸モータ92aで発生した駆動力は、小ベルト92dから減速プーリ92bへ伝わり、この減速プーリ92bで適宜減速されてから、支持プーリ92e、92eを通じてX軸タイミングベルト92cへ伝達される。
【0010】
X軸タイミングベルト92cは、X軸フレーム91の前面側に、図1におけるX軸方向の長さのほぼ全体にわたり、支持プーリ92e、92eに掛けて設置される。また、X軸タイミングベルト92cは、ヘッドユニット4と接続している。X軸モータ92a、92aの駆動に従ってX軸タイミングベルト92cが駆動させられることで、ヘッドユニット4が図1におけるX軸方向に移動する。
【0011】
ヘッドユニット(移動体)4は図示しない吸着ノズル、吸着ポンプ等を備えて構成され、この吸着ノズルで電子部品を吸着した状態でXY位置決め装置9の作動により移動することで基板に電子部品を搭載する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のXY位置決め装置9に備えられたX方向移動ユニット90では、X軸フレームのY軸方向に沿った断面形状が、垂直な中心線に対して対称ではないので、外力によって歪みやすいという問題点があった。また、X軸フレーム91がアルミニウム製であるのに対し、リニアガイド93、93が鋼鉄製であるので、両者の膨張率の違いにより、温度変化によってX軸フレーム91及びリニアガイド93、93がバイメタルの様にして歪むという問題点もあった。
【0013】
この様にしてX軸フレーム91及びリニアガイド93、93が歪んだ場合、X方向移動ユニット90で位置決めされるヘッドユニット4の位置に誤差が生じた。そのため、XY位置決め装置1でヘッドユニット4を移動させ、電子部品の位置決めを行なう際、この位置決めの精度が低下するという問題点があった。
【0014】
温度変化によるX軸フレーム91及びリニアガイド93、93の変形を抑制するため、従来のX方向移動ユニット90では、バックプレート94、94をX軸フレーム91の後面側に取り付けて補強を行なうという解決法がある。
【0015】
しかし、従来のX方向移動ユニット90はリニアガイド93、93側と、バックプレート94、94側とで非対称な断面構造を有しているため、熱膨張に伴なってX軸フレーム91に掛かる力がリニアガイド93、93側と、バックプレート94、94側との間で不均等となるため、X軸フレーム91及びリニアガイド93、93の温度変化に伴なう変形を抑制し切れなかった。よって、この場合でも、XY位置決め装置9による位置決めの精度を十分に向上することができなかった。
【0016】
また、従来のX方向移動ユニット90では、X軸タイミングベルト92cがX軸フレーム91の前面側に設置されていた。そのため、X軸タイミングベルト92cのベルトテンションがX軸フレーム91において不均等に掛かり、X軸フレーム91の変形を来たし、このこともXY位置決め装置1による位置決め精度の向上を妨げていた。
【0017】
上述の課題を解決するため、本発明は移動体の位置決めを高い精度で行なうXY位置決め装置と、基板への電子部品搭載作業を高精度で行なう電子部品搭載装置とを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、互いに間隔を開けてY軸方向に沿って延在する一対のY軸フレーム(21、21)と、前記Y軸方向と直交するX軸方向に沿って延在するとともに、両端部をY軸フレーム(21、21)に支持された状態で、Y軸方向に沿って移動自在なX軸フレーム(11)と、該X軸フレーム(11)にX軸方向に移動自在に支持された移動体(例えばヘッドユニット4)とを備えるXY位置決め装置(1)であって、
前記X軸フレーム(11)のY軸方向に沿った断面形状が、水平な中心線に対して線対称とされるとともに、垂直な中心線に対して線対称とされ、
前記X軸フレーム(11)は、該X軸フレーム(11)の前面側にX軸方向に沿って延在するように設けられるとともに、X軸方向に沿って移動体(4)を案内する案内部材(例えばリニアガイド13、13)と、前記X軸フレーム(11)の後面側にX軸方向に沿って延在するように設けられるとともに、前記X軸フレーム(11)に歪みが生じるのを防止する補強部材(例えばバックプレート14、14)とを備え、
これら案内部材(13、13)と補強部材(14、14)とがほぼ同じ材質で形成され、
前記案内部材(13、13)のY軸方向に沿った断面形状と、前記補強部材(14、14)のY軸方向に沿った断面形状とがほぼ同一の形状とされるとともに、これら案内部材と補強部材(14、14)とがX軸フレーム(11)を挟んで対称となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、X軸フレームはY軸方向に沿った断面形状が、水平な中心線に対して線対称とされるとともに、垂直な中心線に対して線対称とされ、極めて対称性の高い形状を有している。この様にすることで、外力によるX軸フレームの変形が抑制され、XY位置決め装置による位置決めの精度が向上する。
また、X軸フレームに案内部材及び補強部材を設置した状態でのY軸方向に沿った断面の形状は、水平な中心線に対して線対称とされるとともに、垂直な中心線に対して線対称とされ、極めて対称性の高い形状を有している。よって、温度が変化する際、X軸フレームと案内部材との間の膨張率の違いに由来する力と、X軸フレームと補強部材との間の膨張率の違いに由来する力とが打ち消しあうこととなり、結果としてX軸フレーム及び案内部材の歪みが抑制される。よって、XY位置決めユニットによる位置決めの精度を向上させることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のXY位置決め装置(1)において、前記補強部材(14、14)として、前記案内部材(13、13)と同一の部材が用いられることを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、補強部材と案内部材とを同一の規格とすることで、XY位置決め装置の部品の種類を減らすことができ、部品に係る経費を削減することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、互いに間隔を開けてY軸方向に沿って延在する一対のY軸フレーム(21、21)と、前記Y軸方向と直交するX軸方向に沿って延在するとともに、両端部をY軸フレーム(21、21)に支持された状態で、Y軸方向に沿って移動自在なX軸フレーム(11)と、該X軸フレーム(11)にX軸方向に移動自在に支持された移動体(例えばヘッドユニット4)とを備えるXY位置決め装置(1)であって、前記X軸フレーム(11)には、前記移動体(4)を前記X軸フレーム(11)に沿って移動させる環状のベルト(タイミングベルト12c)を備え、該ベルト(12c)が前記X軸フレーム(11)の前面側と後面側とを逆方向に移動して前記X軸フレーム(11)の周囲を周回するように配置されていることを特徴とする。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、移動体をX軸フレームに沿って移動させるベルトは、X軸フレームの周囲を周回する形態で備えられている。よって、このベルトのベルトテンションはX軸フレームに均等に掛かることとなり、このベルトテンションによるX軸フレームの変形が抑制される。このことにより、XY位置決め装置による位置決め精度が向上する。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載のXY位置決め装置(1)を備えた電子部品搭載装置(100)であって、前記移動体が、電子部品を吸着して搬送する吸着ノズルを備えたヘッドユニット(4)とされ、前記吸着ノズルにより基板上の設定された位置に電子部品を搭載することを特徴とする。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、X軸フレーム及び案内部材が変形しにくくなったことで、移動体であるヘッドユニットの吸着ノズルにより吸着された電子部品は、高い精度で位置決めされる。よって、基板への電子部品搭載作業を高い精度で行なうことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明に係るXY位置決め装置1と、このXY位置決め装置1を備えた電子部品搭載装置100とについて説明する。
【0029】
本発明に係るXY位置決め装置1は、X方向移動ユニット10、Y方向移動ユニット20、ヘッドユニット4等を備えて構成される。また、本発明に係るXY位置決め装置1を備えた電子部品搭載装置100は、図1に示すように、XY位置決め装置1の他に搬送手段3等を備えて構成される。
【0030】
Y方向移動ユニット20は、Y軸フレーム21、Y方向駆動部22、Y軸ガイド23、図示しない位置検知手段等を備えて構成される。Y軸フレーム21、21は、電子部品搭載装置100の両端に、図1におけるY軸に沿って延在する形態で備えられ、X方向移動ユニット10の両端を図1におけるY軸方向に移動自在に支持する。
【0031】
Y方向駆動部22は、Y軸モータ22a、減速プーリ22b、Y軸タイミングベルト22c、小ベルト22d、支持プーリ22e等を備えて構成され、X方向移動ユニット10を図1におけるY軸方向に駆動する。
【0032】
Y軸モータ22aは、Y軸フレーム21の一端に固定して備えられており、X方向移動ユニット10が移動するための駆動力を発生する。Y軸モータ22aで発生した駆動力は、小ベルト22dから減速プーリ22bへ伝わり、この減速プーリ22bで適宜減速されてからY軸タイミングベルト22cへ伝達される。
【0033】
Y軸タイミングベルト22cは、Y軸フレーム21の図1におけるY方向の長さのほぼ全体にわたって、支持プーリ22e、22eに掛けて設置される。Y軸モータ22a近傍側に設置された支持プーリ22eは減速プーリ22bと接続している。Y軸タイミングベルト22cはX軸フレーム11と接続しており、Y軸モータ22aから伝達された駆動力によりX軸フレーム11を駆動し、図1におけるY軸方向に移動させる。また、図示しない位置検知手段(リニアエンコーダ)は、例えば磁気的な手段により、X方向移動ユニット10の図1におけるY軸方向の位置を検知する。
【0034】
X方向移動ユニット10は、X軸フレーム11、X方向駆動部12、リニアガイド13、バックプレート14、図示しない位置検知手段(リニアエンコーダ)等を備えて構成され、ヘッドユニット(移動体)4を支持するとともに、ヘッドユニット4を図1、図2におけるX軸方向に移動させる。
【0035】
X軸フレーム11は、図3に示すように略I字型の断面形状を有しており、軽量化のため例えばアルミニウム材で形成される。X軸フレーム11は、図2におけるX軸に沿って延在し、Y軸フレーム21、21により両端部で図2におけるY軸方向に移動自在に支持される形態で設置される。このとき、X軸フレーム11の姿勢は、ウェブ部分11aが鉛直方向に配置された形態を取る。X軸フレーム11は、後述するヘッドユニット4を図2におけるX軸に沿って移動自在に支持する。
【0036】
リニアガイド13、13は、案内部材であり、角棒の対向する2面の側面を略く字型に切り欠いた形状を有する鋼鉄製の棒材である。リニアガイド13、13は後述するX軸駆動部12の駆動によりヘッドユニット4が図1におけるX軸方向に移動する際に、ヘッドユニット4を案内する。リニアガイド13、13は合わせて2本、X軸フレーム11に対してほぼ平行に設置される。リニアガイド13、13は、X軸フレーム11の2本のフランジ部分11b、11bのそれぞれの先端部であり、ヘッドユニット4が配置される前面側となる位置に、上記略く字型の切り欠きを備えた側面が鉛直方向を向くようにして配置される。
【0037】
バックプレート14は補強部材であり、上述のリニアガイド13と同一の規格で形成される。すなわち、バックプレート14はリニアガイド13と同一の断面形状を有した棒材であるとともに、リニアガイド13と同一の材質で形成される。バックプレート14は、X方向移動ユニット10に外力が掛かった際や、温度変化によりX軸フレーム11及びリニアガイド13、13が伸縮した際に、アルミニウムで形成されたX軸フレーム11が歪んだりしないよう補強する。バックプレート14はX軸フレーム11に合わせて2本、X軸フレームに対してほぼ平行に設置される。バックプレート14、14は、X軸フレーム11の2本のフランジ部分11b、11bの後面側先端部に、上記略く字型の切り欠きを備えた側面が鉛直方向を向くようにして配置される。
【0038】
上述の様に、X軸フレーム11は略I型の断面形状を有することで、X軸フレーム11は図2におけるY軸方向に沿った断面形状が、水平な中心線に対して線対称であるとともに、垂直な中心線に対しても線対称である。また、同一の断面形状を有したリニアガイド13、13及びバックプレート14、14が上述の様に設置されることで、X軸フレーム11にリニアガイド13、13及びバックプレート14、14を設置して形成されるX方向移動ユニット10の、上記Y軸方向に沿った断面形状もまた、水平な中心線に対して線対称であるとともに、鉛直な中心線に対して線対称な形状となる。
【0039】
X方向駆動部12は、図1、3に示すようにX軸モータ12a、減速プーリ12b、X軸タイミングベルト12c、小ベルト12d、支持プーリ12e、図示しない位置検知手段(リニアエンコーダ)等を備えて構成され、ヘッドユニット4が移動する際、このヘッドユニット4を駆動する。
【0040】
X軸モータ12a、12aは、X軸フレーム11の両端に固定して備えられており、互いに連動して駆動することにより、ヘッドユニット4が移動するための駆動力を発生する。X軸モータ12aで発生した駆動力は、小ベルト12dから減速プーリ12bへ伝わり、この減速プーリ12bで適宜減速されてからX軸タイミングベルト12cへ伝達される。
【0041】
支持プーリ12e、12eは、X軸フレーム11のウェブ部分11aの両端部に1個ずつ設けられ、X軸タイミングベルト12cを図1におけるX軸に平行に支持するとともに、X軸モータ12aから減速プーリ12bへ伝達された駆動力をさらにX軸タイミングベルト12cへと伝達する。
【0042】
X軸タイミングベルト12cは環状のベルトである。X軸フレーム11の図2におけるX軸方向の長さのほぼ全体にわたり、フランジ部分11b、11bに対して垂直に、ウェブ部分11aの周囲を周回する形態で、支持プーリ12e、12eに掛けることにより設置される。すなわち、X軸タイミングベルト12cはX軸フレーム11の前面側と後面側とを逆方向に移動して、X軸フレーム11の周囲を周回する形態で配置される。また、X軸タイミングベルト12cは、ヘッドユニット4と接続している。
【0043】
X軸モータ12a、12aの駆動に従ってX軸タイミングベルト12cが駆動させられることで、ヘッドユニット4が図2におけるX軸方向に移動する。また、図示しない位置検知手段は、例えば磁気を用いた方法により、ヘッドユニット4の図2におけるX方向の位置を検知する。
【0044】
なお、図2では減速プーリ12bと支持プーリ12eとが軸を共有して設置されているものとして描図されているが、減速プーリ12bから支持プーリ12eへ駆動力を伝達する手段は設計事項である。よって、減速プーリ12bと支持プーリ12eとは例えばベルトを介して接続するものとしても良いし、歯車を介して接続するものとしても良い。
【0045】
ヘッドユニット4は基板に電子部品を搭載するための作業手段である。ヘッドユニット4は、X方向移動ユニット10及びY方向移動ユニット2の作動により、図示しない部品供給手段から基板上へと電子部品を運ぶとともに、後述する搬送手段3上に固定された基板の所定位置上に電子備品を位置決めし、この基板に電子部品を搭載する。
【0046】
搬送手段3は、電子部品が搭載される基板を図1におけるX方向に搬送するとともに、電子部品の搭載作業を行なう位置で上記基板を固定する。
【0047】
次に、図1を参照して本発明に係るXY位置合わせ手段1を備えた電子部品搭載装置100による基板への電子部品の搭載について説明する。
【0048】
まず、図示しない基板搬入口から、予め半田印刷と接着剤塗布とが施された基板が電子部品搭載装置100内部に搬入され、搬送手段3によって電子部品搭載作業を行なう所定位置まで搬送され、固定される。次に、ヘッドユニット4がX方向移動ユニット10及びY方向移動ユニット20の作動で図示しない部品供給手段の位置まで移動し、図示しないノズルで電子部品を吸着する。
【0049】
ヘッドユニット4が電子部品を吸着した状態で、再びX方向移動ユニット10及びY方向移動ユニット20が作動してヘッドユニット4を搬入手段3上で固定された基板の上へ移動させる。さらに、X方向移動ユニット10及びY方向移動ユニット20に備えられた位置検知手段が検知する位置情報に基づき、X方向移動ユニット10及びY方向移動ユニット20を作動させ、ヘッドユニット4に吸着された電子部品の位置を微調整して、電子部品が基板上の取付位置の直上に位置するよう位置あわせを行なう。該位置あわせ後、ヘッドユニット4に備えられた図示しない上下動手段により、電子部品を基板と同じ高さまで下降させるとともに、ノズルによる吸着を止めて、基板の所定位置に電子部品を搭載する。上述の操作を繰り返し、所定の電子部品を基板に搭載した後に搬送装置3で基板を搬出口から搬出する。
【0050】
ここで、X軸フレーム11の図2におけるY軸に沿った断面が、略I字型であり、水平な中心線に対して線対称であるとともに、垂直な中心線に対して線対称となっていることで、X軸フレーム11に外力が掛かった際には、外力によるX軸フレーム11の歪みが抑制され、XY位置決め装置1によるヘッドユニット4の位置決めの精度が向上する。そして、XY位置決め装置1を備えた電子部品搭載装置100においては、基板に対する電子部品の搭載作業の精度を向上させることができる。
【0051】
また、X軸フレーム11に対して、同一の断面形状、材質で形成されたリニアガイド13、13及びバックプレート14、14を、このX軸フレーム11に対して対称となる位置に配置することで、温度変化によるX軸フレーム11及びリニアガイド13、13の変形をより効果的に抑制することができる。
【0052】
すなわち、上述のような、Y軸方向に沿った断面形状を水平な中心線に対して線対称であるとともに鉛直な中心線に対して線対称であるような構造にX方向移動ユニット10を形成することで、温度が変化する際、X軸フレーム11とリニアガイド13、13との膨張率の違いに由来する力と、X軸フレーム11とバックプレート14、14との膨張率の違いに由来する力とは、ほぼ同じ大きさで、正反対の方向に作用する。このことにより、上記2つの力は打ち消しあい、結果としてX軸フレーム11やリニアガイド13、13を変形させる方向にはほとんど作用しないこととなる。
【0053】
よって、温度変化に伴なうX軸フレーム11やリニアガイド13、13の変形が抑制される。このことにより、図示しない位置検知手段によるヘッドユニット4の位置が高い精度で検知できるとともに、X方向駆動部12によるヘッドユニット4の移動もまた、高い精度で検知できる。よって、XY位置決め装置1による移動体の位置決めを高い精度で行なうことができる。そのため、XY位置決め装置1を備えた電子部品搭載装置100においては、基板に対する電子部品の搭載作業の精度を向上させることができる。
【0054】
また、リニアガイド13、13及びバックプレート14、14を同一の部材として作成することにより、XY位置決め装置1に要する部品の種類を削減し、部品にかかる経費を削減することができる。
【0055】
また、X軸タイミングベルト12cをX軸フレーム11の前面側と後面側とを逆方向に移動するよう、X軸フレーム11の周囲を周回する形態でX軸フレーム11に設置することで、X軸タイミングベルト12cのベルトテンションに由来する力はX軸フレーム11に均等に掛かることとなる。このことで、X軸タイミングベルト12cのベルトテンションに由来するX軸フレーム11の変形を防止することができる。このことにより、図示しない位置検知手段によるヘッドユニット4の位置が高い精度で検知できるとともに、X方向駆動部12によるヘッドユニット4の移動もまた、高い精度で検知できる。よって、XY位置決め装置1による移動体の位置決めを高い精度で行なうことができ、XY位置決め装置1を備えた電子部品搭載装置100においては、基板に対する電子部品の搭載作業の精度を向上させることができる。
【0056】
なお、本発明に係るXY位置決め装置1は、上述のように電子部品搭載装置100に適用されるものに限らない。XY位置決め装置1に適用される移動体を、ヘッドユニット4ではなく、例えば半田印刷や接着剤塗布のための装置とすることで、基板への電子部品搭載以外の作業もまた、極めて高い精度で行なうことができる。
【0057】
なお、本発明に係るX方向移動ユニット10は、上述のものに限らない。X軸フレーム11は、図1におけるY軸に沿った断面が、水平な中心線に対して線対称であるとともに垂直な中心線に対して線対称な形状であるならば、該断面の形状は略I字型とは限らず、たとえば略X字型としても良いし、その他の形状でも良い。
【0058】
また、リニアガイド13、13及びバックプレート14、14は同一の規格の部材でなくともよく、例えば、バックプレート14、14を、リニアガイド13、13よりも多少低い精度で作成されたものとしても良いし、リニアガイド13、13と多少異なる断面形状や材質で作成することとしても良い。
【0059】
さらに、基板実装作業の精度向上がX軸フレーム11、リニアガイド13、13及びバックプレート14、14の改良だけで十分に達成できるのであれば、タイミングベルト12cは必ずしも上述の実施例ような設置方法を取らずとも良く、従来の様にX軸フレーム11の前面側に取り付けるものとしても良い。
【0060】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、外力によるにX軸フレームの変形が抑制され、XY位置決め装置による位置決めの精度が向上する。
【0061】
また、請求項1に記載の発明によれば、温度が変化する際、X軸フレームとリニアガイドとの間の膨張率の違いに由来する力と、X軸フレームとバックプレートとの間の膨張率に由来する力とが打ち消しあうことで、X軸フレーム及びリニアガイドの温度変化に伴なう変形が抑制される。結果としてXY位置決め装置による位置決めの精度を向上させることができる。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、XY位置決め装置の部品の種類を減らすことで、請求項1に記載の効果に加えて、このXY位置決め装置の部品に係る経費を削減することができる。
【0063】
請求項3に記載の発明によれば、ベルトのベルトテンションはX軸フレームに均等に掛かるので、このベルトテンションによるX軸フレームの変形が抑制される。よって、XY位置決め装置による位置決め精度が向上する。
【0064】
請求項4に記載の発明によれば、高い精度で移動体の位置決めを行なうXY位置決め装置を電子部品搭載装置100に備えることで、基板への電子部品搭載作業を高い精度で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るXY位置決め装置1を備えた電子部品搭載装置100の斜視図である。
【図2】本発明に係るXY位置決め装置1の要部上断面図である。
【図3】本発明に係るXY位置決め装置1のX方向移動ユニット10の側断面図である。
【図4】従来のXY位置決め装置9の要部上断面図である。
【図5】従来のXY位置決め装置9のX方向移動ユニット90の側断面図である。
【符号の説明】
1、9 XY位置決め装置
4 ヘッドユニット(移動体)
10、90 X方向移動ユニット
11、91 X軸フレーム
12、92 X方向駆動部
12a、92a X軸モータ
12b、92b 減速プーリ
12c、92c X軸タイミングベルト
13、93 リニアガイド(案内部材)
14、94 バックプレート(補強部材)
20 Y方向移動ユニット
21 Y軸フレーム
100 電子部品搭載装置

Claims (4)

  1. 互いに間隔を開けてY軸方向に沿って延在する一対のY軸フレームと、
    前記Y軸方向と直交するX軸方向に沿って延在するとともに、両端部をY軸フレームに支持された状態で、Y軸方向に沿って移動自在なX軸フレームと、
    該X軸フレームにX軸方向に移動自在に支持された移動体とを備えるXY位置決め装置であって、
    前記X軸フレームのY軸方向に沿った断面形状が、水平な中心線に対して線対称とされるとともに、垂直な中心線に対して線対称とされ、
    前記X軸フレームは、該X軸フレームの前面側にX軸方向に沿って延在するように設けられるとともに、X軸方向に沿って移動体を案内する案内部材と、前記X軸フレームの後面側にX軸方向に沿って延在するように設けられるとともに、前記X軸フレームに歪みが生じるのを防止する補強部材とを備え、
    これら案内部材と補強部材とがほぼ同じ材質で形成され、
    前記案内部材のY軸方向に沿った断面形状と、前記補強部材のY軸方向に沿った断面形状とがほぼ同一の形状とされるとともに、これら案内部材と補強部材とがX軸フレームを挟んで対称となる位置に配置されていることを特徴とするXY位置決め装置。
  2. 請求項1記載のXY位置決め装置において、前記補強部材として、前記案内部材と同一の部材が用いられることを特徴とするXY位置決め装置。
  3. 互いに間隔を開けてY軸方向に沿って延在する一対のY軸フレームと、
    前記Y軸方向と直交するX軸方向に沿って延在するとともに、両端部をY軸フレームに支持された状態で、Y軸方向に沿って移動自在なX軸フレームと、
    該X軸フレームにX軸方向に移動自在に支持された移動体とを備えるXY位置決め装置であって、
    前記X軸フレームには、前記移動体を前記X軸フレームに沿って移動させる環状のベルトを備え、該ベルトが前記X軸フレームの前面側と後面側とを逆方向に移動して前記X軸フレームの周囲を周回するように配置されていることを特徴とするXY位置決め装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載のXY位置決め装置を備えた電子部品搭載装置であって、
    前記移動体が、電子部品を吸着して搬送する吸着ノズルを備えたヘッドユニットとされ、前記吸着ノズルにより基板上の設定された位置に電子部品を搭載することを特徴とする電子部品搭載装置。
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