JP3904133B2 - 燃料キャップ係止具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の給油時に、燃料タンクキャップ(以下「燃料キャップ」と呼ぶ)を係止するための燃料キャップ係止具に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両にガソリンスタンドでガソリン等の燃料(以下「ガソリン」と呼ぶ)を給油する場合、燃料キャップの給油口からの取外し、ガソリンの給油、燃料キャップの給油口への取付け及びリッドパネル(給油口を覆う蓋)の閉鎖はガソリンスタンドのサービスマンが行ってくれる。従って、車両の運転者はこれらの作業に煩わされることはない。
【0003】
ところで、近年、給油コスト低減等の観点から、運転者自身が車両にガソリン給油するセルフサービス方式のガソリンスタンドが登場している。このセルフサービス方式のガソリンスタンドでは、上記燃料キャップの取外し及び取付け等の全ての作業を運転者自身が行わなければならず、この作業に不慣れな運転者には相当の負担がかかる。特に、給油口から取り外した燃料キャップの取扱いが面倒である。
【0004】
即ち、運転者は燃料キャップを掴んで給油口から取り外した後、給油装置(パイプ)を保持しなければならないので、燃料キャップからは手を離す必要がある。この場合、燃料キャップを車体(ボンネット等)の上に置くと燃料キャップが車体から滑り落ちたり、車体の表面にガソリンが付着する。
【0005】
こうした事情から、従来では図15に示すように、リッドパネル103の内面に燃料キャップ100を固定するための係止部113を形成し、燃料キャップ100を鎖状又はひも状のテザー102及び取付具104によってリッドパネル103の内面103aに連結している。
【0006】
詳述すると、リッドパネル103の内面103aには一対の係止部113が内面から突出して形成されている。この係止部113は、給油時にリッドパネル103を開放し給油口(不図示)から外した燃料キャップ100を係止するものである。給油時に燃料キャップ100をリッドパネル103の係止部113に係止すれば、ボンネットなど車体の一部が燃料キャップ100に付着したガソリンで汚れることがない。給油が終了したならば、燃料キャップ100を係止部113から外し、給油口に取り付けてリッドパネル113を閉鎖する。
【0007】
尚、その一端が燃料キャップ100に取り付けられたテザー102の他端をリッドパネル103に取り付ける取付具104は、樹脂製で、図16に示すように、テザー102の先端に連結された基部108及びその表面から延びる筒状部107から成るグリップ本体106と、筒状部107に挿入される丸棒部110及び基部111から成る中芯109とから成る。筒状部107は外周面に環状の段部107aが形成されるとともに、上方の開口端から一定の深さまで直径方向にスリット(不図示)が形成され、拡径可能である。
【0008】
テザー102の他端をリッドパネル103に取り付ける際には、クリップ本体106の筒状部107をリッドパネル103の貫通孔103bに内に挿入する。その後、中芯109の丸棒部110をクリップ本体106の筒状部107に挿入すると、筒状部107が拡径し、その外周面の段部107aがリッドパネル103の貫通孔103bの内縁に係合する。これにより、テザー102の他端が取付具104によってリッドパネル103に取り付けられる。従って、給油口から取り外した燃料キャップ100を紛失することがない。
【0009】
【発明が解決すべき課題】
しかし、この従来例には、燃料キャップ100のリッドパネル103への係止に関する問題点があった。車両(特に乗用車)では車内空間の幅を少しでも大きく(広く)することに苦心している。車両の幅は規格等によって定まっているので、室内空間の幅を大きくするためには安全性等を考慮しつつボディの側壁の厚さを減少させるしかない。しかるに、リッドパネル103に上記係止部113を形成すると、その分ボディの側壁の厚さを厚くする等の手当をしなければならず、これは上記要請に逆行する。
【0010】
上記従来例にはまた、テザー102のリッドパネル103への取付けに関する問題点もあった。取付具104の中芯109の丸棒部110はクリップ本体106の筒状部107に強制的に挿入されているので、給油時にテザー102に加わる引張り力等により筒状部107から抜けることがある。中芯109は小さな部品であり、これがクリップ本体106から抜けた場合に探すのは容易ではない。中芯109がクリップ本体106から抜けると、クリップ本体106がリッドパネル103の貫通孔103bから抜け、テザー102の他端がリッドパネル103から外れることになる。
【0011】
本発明は上記事情を考慮して、リッドパネル等の車体の一部に燃料キャップ係止用の係止部を形成することなく燃料キャップを係止できる、燃料キャップ係止具を提供することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、鋭意研究の結果、燃料キャップの係止部をリッドパネル等車体の一部でなく、燃料キャップ係止具自体に係止することを思い付いて、本発明を完成した。
【0013】
即ち、本発明は、車両の給油時に、燃料キャップを係止する燃料キャップ係止具であって、燃料キャップを保持するキャップ保持部と、該キャップ保持部から延び湾曲可能なひも状のテザーと、該テザーのキャップ保持部とは反対側に形成された先端部を車体に取り付ける車体取付部と、キャップ保持部又はテザーの該キャップ保持部側に形成された一方と車体取付部又はテザーの該車体取付部側に形成され該一方と着脱する他方とから成る着脱部材と、から成ることを特徴とする。
【0014】
本発明は、キャップ保持部により保持した燃料キャップを燃料キャップ係止具上の一部、即ち車体取付部又はテザーの車体取付部側に係止できる。その結果、リッドパネル等車体の一部に燃料キャップを係止する係止部を形成するための加工が不要となるとともに、ボディの厚さを決定する際に燃料キャップ係止具用の係止部の大きさや高さを考慮することが不要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料キャップ係止具のキャップ保持部は燃料キャップを保持する。キャップ保持部は、例えばリング状とすることができる。リング状のキャップ保持部の内径を燃料キャップの脚部の外径よりも大きくすること又は燃料キャップの頭部の角部にキャップ保持部を嵌合することにより、燃料キャップがキャップ保持部に対して回動できるようにすることが望ましい。このようにすれば、燃料キャップの給油口からの取外時及び給油口への取付時に燃料キャップの回動がキャップ保持部によって妨げられることがない。
【0016】
燃料キャップ係止具のテザーは、キャップ保持部から延び、湾曲可能でひも状である。テザーは、キャップ保持部の一対の端面の何れか一方又は外周面から延び出ることができる。テザーがキャップ保持部の外周面から延びるようにすれば、キャップ保持部とテザーとが同一平面内に位置し、これにより燃料キャップ係止具の厚さ(高さ)を小さくすることができる。キャップ保持部がリング状の場合、テザーはキャップ保持部から任意の角度で延び出ることができる。但し、テザーのキャップ保持部への結合強度等を考慮すると、テザーはその延長線がリング状のキャップ保持部の弦となるように延び出ることが望ましい。但し、テザーをキャップ保持部からその直径方向に延び出させることもできる。テザーの太さ及び長さは、キャップ保持部等に設けた着脱部材の一方を、車体取付部等に設けた他方に着脱する際に、テザーが容易に湾曲できる程度とすることが望ましい。
【0017】
燃料キャップ係止具の車体取付部はテザーのキャップ保持部とは反対側に形成された先端部を車体に取り付ける。車体とは、例えば給油時に燃料キャップを給油口から取り外すために開放されるリッドパネル、又はリッドパネルを開放したとき露出するボディの一部である。車体取付部は、テザーと一体に構成することもできるし、テザーと別体に構成することもできる。車体取付部をテザーと一体に構成する場合、車体取付部は、テザーの一部を構成する平坦な当接面を持つ基部と、該当接面より突出した拡径可能な筒状部と、該筒状部に挿入され該筒状部を拡径して車体の貫通孔の縁部に係合させる中芯とから成るクリップで構成することができる。このようにすれば、テザーの先端部及び車体取付部の構造がコンパクトになる。
【0018】
また、中芯をU字形状の連結部によってテザーの先端に連結することができる。このようにすれば、一旦クリップ本体の筒状部に挿入された中芯が該筒状部から抜け出た場合も中芯を紛失することが防止されるとともに、キャップ保持部、テザー、車体取付部、及び着脱部材を軟質樹脂などにより一体に成形することができる。
【0019】
更に、中芯の外周面に係合部を形成し、筒状部の内周面に該係合部が係合する被係合部を形成し、中芯を筒状部に途中まで挿入した状態で筒状部により保持させることができる。このようにすれば、筒状部と中芯とが連結されていない場合でも中芯を紛失することが防止でき、筒状部と中芯とが連結されている場合でも中芯がテザーの先端からぶら下がって周辺の部材と干渉することが防止できる。尚、燃料キャップ係止具の運搬時及び管理時は中芯の基部の端部と被係止部とを連結片で連結しておき、使用時にこの連結片を切断することもできる。このようにすれば、上記のように中芯をクリップ本体に途中まで挿入した状態で保持する手段を設けなくても、中芯のぶら下がりを防止することができる。
【0020】
燃料キャップ係止具の着脱部材の一方は、キャップ保持部に形成することも、又はテザーのキャップ保持部側に形成することもできる。着脱部材の一方をキャップ保持部に形成する場合、その形成位置は上記テザーの延び出ている位置や、リッドパネル及び燃料キャップが車体の左側面にあるか右側面にあるか等に応じて、適宜選択することができる。つまり、燃料キャップ係止具は、リッドパネル等が車体の左側面にあるときは全体として逆C字形状に湾曲させられ、リッドパネル等が車体の左側面にあるときは全体としてC字形状に湾曲させられるからである。これに対して、着脱部材の他方は、車体取付部に形成することも、テザーの車体取付部側に形成することもできる。着脱部材の一方をキャップ保持部に、他方を車体取付部にそれぞれ形成すれば、テザーの長さが短くて済む。
【0021】
着脱部材の具体的構成は、テザーを湾曲させてキャップ保持部を車体取付部近傍に係止する際の係止作業が容易で、一旦係止後には係止が簡単に外れないようにすることができる。例えば、着脱部材の一方は、キャップ保持部に半径方向及び/又は軸方向に突出させ、他方は車体取付部の近傍においてテザーのリッドパネルに対向する面とは反対側の面に形成することができる。なお、着脱部材の一方は、他方への着脱の容易性を向上するためや、リッドパネル及び燃料キャップが車体の左右何れの側面にある場合にも燃料キャップ係止具を共用できるようにするため、キャップ保持部上に複数設けることもできる。
【0022】
また、上記キャップ保持部、テザー、車体取付部及び着脱部材は、燃料キャップ係止具の非使用時は、リング状のキャップ保持部の存在する平面内にテザー、車体取付部及び着脱部材が存在するように構成することが望ましい。このようにすれば、燃料キャップ係止具の運搬及び保管が容易になるとともに、射出成形等による燃料キャップ係止具の成形が容易になる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明にかかる燃料キャップ係止具の実施例を添付図面を基にして説明する。
<第1実施例>
燃料キャップ係止具の第1実施例を図1から図12に示す。図1は燃料キャップ係止具の正面図、図2は図1の2−2断面図、図3は図1の3矢視図、図4は図1の4矢視図、図5は図1の5部の拡大図、図6は車体取付部の作動状態を示す断面図、図7は車体取付部の作動状態を示す断面図、図8及び図9は着脱部材の作動状態を示す平面図、図10は図8における10−10断面図、図11はリッドパネル及び燃料キャップを示す斜視図、そして図12は給油口、燃料キャップ及び燃料キャップ係止具を示す断面図である。
【0024】
図1に示すように、キャップ係止具は軟質樹脂であるTPEE(ペルプレン)から一体成形され、燃料キャップ45(図12参照)を保持するキャップ保持部11と、キャップ保持部11から延びるひも状で湾曲可能なテザー15と、テザー15の先端部18をリッドパネル40(図11参照)に取り付ける車体取付部33と、キャップ保持部11に形成された係止部13及びテザー15上の車体取付部33近傍に形成された被係止部34から成り燃料キャップ45を燃料キャップ係止具上に係止する着脱部材35と、から成る。
【0025】
この燃料キャップ係止具は、図11に示すような車体の左側面にリッドパネル40及び燃料キャップ45が設けられている乗用車に使用するものである。以下、個々の要素について説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、キャップ保持部11は、全体としてリング状で、断面は概ね矩形状である。キャップ保持部11の内周面には高さ方向中間部に環状の段部12が形成され、図2において下端面側の内径の方が上端面側の内径よりも小さくなっている。キャップ保持部11の内径は図12に示す燃料キャップ45の頭部46の外径よりも少し小さくされ、従って燃料キャップ45はキャップ保持部11内で回動可能である。
【0027】
図1に示すように、テザー15は、その延長線がキャップ保持部11の弦15aを形成するような角度でキャップ保持部11の外周面から延び出ている。テザー15のキャップ保持部11からの延出点16とキャップ保持部11の中心Oとを結んだ線と、係止部13とキャップ保持部11の中心Oとを結んだ線とはぼ直角をなす。テザー15はキャップ保持部11の存在する平面(図1の紙面)内に延び、キャップ保持部11に近い基端部及び中間部17は断面円形乃至矩形であり、これによってあらゆる方向の湾曲が可能かつ容易になっている。後述する車体取付部33が設けられたテザー15の先端部18は、図3及び図4に示すように、他の部分よりも幅が広い断面扁平形状とされ、キャップ保持部11が位置する平面とほぼ垂直な平面内に広がっている。テザー15の扁平な先端部18には、先端に中芯28が、先端から少し後退した部分にクリップ本体20が、先端から更に後退した部分に被係止部34がそれぞれ形成されている。次に、これらについて説明する。
【0028】
図3及び図5に示すように、テザー11の先端部18の一面(当接面)18aに立設されたクリップ本体20は、テザー11の先端部18から成る基部21と、筒状部23とから成る。筒状部23には先端(図5では下端)側開口端から途中まで直径方向にスリット24が形成されており、これによって筒状部23の先端側は拡径可能である。筒状部23の外周面には複数の環状突部25が形成され、また内周面には基部21側から内周面に環状溝26bを有する大径部26a、中径部26c、及び円錐部26dが連続的に形成されている。
【0029】
中芯28は基部29と丸棒部30とから成る。丸棒部30は、クリップ本体20の基部21の厚さと筒状部23の長さの合計に相当する長さを有する。丸棒部30の外径は筒状部23の中径部26cの内径にほぼ等しくされ、外周面には二つの環状突起31が軸方向に離れて形成されている。中芯28は、基部29において半円形で基部29よりも厚さの薄い連結部32によりテザー15の先端部18に連結されている。クリップ本体20の基部21と中芯28の基部29とは90から180度を成す。クリップ本体20と中芯28とで車体取付部33が構成される。
【0030】
次に、図6及び図7を参照しつつ、車体取付部33によるテザー15の先端部18のリッドパネル40への取付けについて説明する。
【0031】
この燃料キャップ係止具は、燃料キャップ45の係止に使用されないときは、図6に示すように、車体取付部33の中芯28をクリップ本体20に途中まで挿入した状態で取り扱う。この状態では、丸棒部30の先端が筒状部23の円錐部26dまで達しているのみであり、筒状部23の直径は殆んど拡大していない。また、丸棒部30の先端寄りの環状突起31が筒状部23の大径部26aの環状溝26bに係合しており、これにより中芯28のクリップ本体23からの脱落が防止されている。
【0032】
図11及び図12に示すリッドパネル40を開放して、図7に示すように、その内面に形成した取付部41の貫通孔42にクリップ本体20を挿入し、その後中芯28の丸棒部30を筒状部23に押し込む。すると、丸棒部30の挿入につれて筒状部23が拡径し、筒状部23の外周面の段部25が貫通孔42の縁部に係合する。これにより、テザー15の先端部18がリッドパネル40の内面に取り付けられる。
【0033】
一方、図12に示すように、非給油時は、燃料キャップ係止具10のキャップ保持部11は樹脂製の燃料キャップ45の頭部46の下端縁の段部46aに装着され、燃料キャップ45は脚部47の雄ねじ部を給油口48の雌ねじ部に螺合されている。リッドパネル40は閉鎖されている。
【0034】
次に、給油時における着脱部材35によるキャップ保持部11のテザー15への係止について説明する。
【0035】
図1に示すように、キャップ保持部11の円周上の所定の部分には係止部13が形成されている。この係止部13は、キャップ保持部の11の外周面から半径方向外向きに突出するコ字形部分13aと、その途中からキャップ保持部11の軸方向に延び先端が半径方向内向きに屈曲したL字形状部分13bとから成る。また、図1及び図4に示すように、テザー15の先端部18の他面18bに形成された被係止部34はコ字形状を有し、テザー15の先端部18の延長方向と同じ方向に延び、先端部18の厚さ方向に突出している。係止部13と被係止部34とで着脱部材35が構成される。
【0036】
給油時にはリッドパネル40を図11において左方(図12において時計方向)に開放し、燃料キャップ45を給油口48から取り外す。このとき、キャップ保持部11は燃料キャップ45を回転可能に保持しているので、燃料キャップ45の回転がキャップ保持部11によって妨げられることはない。
【0037】
燃料キャップ45を給油口48から取り外した後、テザー15を湾曲させキャップ保持部11の係止部13をテザー15先端部18の被係止部34に向かって移動させる。この実施例では 図11に示すように、テザー15の先端部18は左方に開くリッドパネル40に取り付られ、燃料キャップ45がリッドパネル40よりも右方に位置しているので、テザー15は逆C字形状に湾曲させる。このとき、テザー15の中間部は断面矩形とされているので湾曲が容易である。
【0038】
キャップ保持部11をテザー15の先端部18に接近させたならば、図8、図9及び図10に示すように、キャップ保持部11のL字形状部13bをテザー15の先端部18の被係止部34に係止させる。L字形状部13bはキャップ保持部11から半径方向及び軸方向に突出しているので、L字形状部13bを手前側から被係止部34に容易に係止させることができる。このとき、燃料キャップ45は図8に二点鎖線で示すように、頭部46をキャップ保持部11に保持されて脚部47が手前側に延びている。燃料キャップ45は、脚部47に比べて長さ(厚さ)の小さい頭部46がリッドパネル40側に位置しているので、頭部46とリッドパネル40とが干渉する心配もない。加えて、燃料キャップ45は重心が脚部47にあることから、脚部47の先端が頭部46よりも鉛直下方に下がって安定した状態にあり、少々のことでキャップ保持部11から外れることはない。燃料キャップ45はボディから離れているので、燃料キャップ45に付着したガソリンによってボディが汚れることもない。
【0039】
給油が終了したならば、係止部13のL字形状部13bを被係止部34から外し、キャップ保持部11即ち燃料キャップ45を給油口48に向かって移動させて燃料キャップ45を給油口48に取り付けた後、リッドパネル40を閉鎖する。
【0040】
この実施例によれば、以下の効果が得られる。
【0041】
第1に、着脱部材35の一方13bをキャップ保持部11に、他方34をテザー15の先端部18に設けたので、燃料キャップ45を燃料キャップ係止具自体により係止することができる。これにより、リッドパネル40には燃料キャップ45の係止のための係止部は不要となる。しかも、着脱部材35の一方13はL字形状とし、他方34はコ字形状としたので、該一方13bの他方34への着脱が容易かつ確実である。
【0042】
第2に、中芯28を連結部32によりテザー15の先端部18に連結したので、仮にテザー15に引張力が加わって中芯28がクリップ本体20から抜けることがあっても、中芯28を紛失する心配がない。また、中芯28はクリップ本体20の途中まで挿入した状態でクリップ本体20により保持可能なので(図6参照)、燃料キャップ係止具の非使用時、即ち運搬や管理などの際に中芯28が垂れ下がって周辺の部材と干渉することもない。
【0043】
第3に、燃料キャップ係止具は、そのキャップ保持部11、テザー15、車体取付部材33及び着脱部材35が軟質樹脂により一体成形されたものであるので、キャップ保持部11とテザー15との結合部や、中芯28とテザー15の先端部18の結合部などが分断する恐れが少ない。加えて、キャップ保持部11の位置する平面内にテザー15、車体取付部材33及び着脱部材35が位置しているので射出成形のための金型の製作及び成形作業が容易である。
【0044】
最後に、リッドパネル40が車体の左側面にある車両において(日本では大部分の自動車がこのタイプである)、燃料キャップ45を容易かつ確実に係止できる。
<第2実施例>
なお、上記第1実施例の燃料キャップ係止具はリッドパネルが左側面にある自動車に好適に使用できたが、我国及び欧米においてリッドパネルが右側面にある自動車も走行している。このタイプの自動車では、給油時にリッドパネルは右方に開放されるので、燃料キャップを保持するキャップ保持部が左方に、リッドパネルを開放したとき露出するボディの一部(図示せず)に取り付けられる車体取付部が右方に位置する。従って、給油時に燃料キャップ係止具はテザーがC字形状に湾曲されることになる。
【0045】
以上を考慮すると、図13に示すように、テザー52がキャップ保持部51から実線で示すように又は二点鎖線で示すように、即ちその延長線がキャップ保持部51の弦53a又は53bを形成するように延び出させ、テザー52の先端部54の一面54a(図13において上面)に上記クリップ本体20と同様のクリップ本体55を、先端に上記中芯28と同様の中芯57を、他面54b(図13において下面)に上記被係止部34と同様の被係止部58をそれぞれ形成する。また、キャップ保持部51の下方寄り即ちテザー52に対して被係止部58と同じ側に上記係止部13と同様の係止部59を形成する。
【0046】
この燃料キャップ係止具50は、テザー52の先端部54が車体取付部55及び57によりリッドパネルを開放したとき露出するボディの一部に取り付けられ、キャップ保持部51により燃料キャップ(不図示)を保持し、テザー52をC字形状に湾曲させて、着脱部材58及び59により燃料キャップを燃料キャップ係止具50上に係止する。
<変形例>
車体取付部の構成が変形された燃料キャップ係止具を図14(a)(b)に示す。図14(a)は車体取付部を拡大して示す正面図、図14(b)は図14の14−14断面図である。
【0047】
クリップ本体65の基部64から立ち上がる筒状部66には上方の開口端部から直径方向のスリット67が形成されている。また、筒状部66の内周面には大径部68a、円錐部68b及び小径部68cが、外周面には一つの環状溝68dがそれぞれ形成されている。また、連結部73によりテザーの先端部即ち基部64に連結された中芯70の基部72から立ち上がる丸棒部71の外周面には三つの環状突起71a,71b及び71cが形成されている。これにより、中芯70の丸棒部71をクリップ本体65の筒状部66に挿入すると、先端の環状突起71aが円錐面68bに係合して、筒状部66の先端側が拡径し、リッドパネルを開放したとき露出するボディの一部の貫通孔に係合する。
【0048】
この燃料キャップ係止具は、射出成形時には、中芯70の基部72とテザー の先端部64の被係止部74とが結合片76で結合されており、この結合片76を使用時に切断線76aに沿って切断する。これにより、燃料キャップ係止具の運搬時及び管理時に、中芯71がテザーの先端部64から垂れ下がることが防止される。尚、図示はしないが、テザーはキャップ保持部からその直径方向に延び出ている。
【0049】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の燃料キャップ係止具は、キャップ保持部と、テザーと、車体取付部と、キャップ保持部等に形成された一方と車体取付部等に形成され該一方と着脱する他方とから成る着脱部材と、から成る。従って、本発明の燃料キャップ係止具によれば、キャップ保持部により保持した燃料キャップを燃料キャップ係止具上の一部に係止できるので、リッドパネル等車体の一部に燃料キャップ用の係止部を形成することなく燃料キャップが係止できるとともに、係止部の大きさや高さを考慮することなくボディの厚さを決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料キャップ係止具の第1実施例を示す平面図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図3は図1の3矢視図である。
【図4】図4は図1の4矢視図である。
【図5】図1の5部の拡大図である。
【図6】車体取付部の作動状態を示す断面図である。
【図7】車体取付部の作動状態を示す断面図である。
【図8】着脱部材の作動状態を示す平面図である。
【図9】着脱部材の作動状態を示す正面図である。
【図10】図8における10−10断面図である。
【図11】リッドパネル及び燃料キャップを示す斜視図
【図12】給油口、燃料キャップ及び燃料キャップ係止具を示す断面図である。
【図13】本発明の燃料キャップ係止具の第2実施例を示す平面図である。
【図14】(a)は車体取付部の変形例を示す正面図、(b)は(a)における14−14断面図である。
【図15】従来の燃料キャップ係止具の概要を示す斜視図である。
【図16】上記燃料キャップ係止具の車体取付部を示す断面図である。
【符号の説明】
10:燃料キャップ係止具 11:キャップ保持部
15:テザー 18:テザーの先端部
33:車体取付部
20:クリップ本体 21:基部 23:円筒部
28:中芯 29:基部 30:丸棒部
35:着脱部材
13:係止部 34:被係止部
40:リッドパネル 45:燃料キャップ
48:給油口
50:燃料キャップ係止具 65:車体取付部
Claims (6)
- 車両の給油時に、燃料キャップを係止する燃料キャップ係止具であって、前記燃料キャップを保持するキャップ保持部と、
該キャップ保持部から延び湾曲可能なひも状のテザーと、
該テザーの前記キャップ保持部とは反対側に形成された先端部を給油時に燃料キャップを給油口から取り外すために開放されるリッドパネル、又はリッドパネルを開放したとき露出するボディの一部に取り付ける車体取付部と、
前記キャップ保持部又は前記テザーの該キャップ保持部側に形成された一方と、前記車体取付部又は前記テザーの該車体取付部側に形成され該一方と着脱する他方とから成る着脱部材と、
から成ることを特徴とする燃料キャップ係止具。 - 前記キャップ保持部は前記燃料キャップを回動可能に保持するリング状である請求項1記載の燃料キャップ係止具。
- 前記車体取付部は、前記テザーの一部を構成する平坦な当接面を持つ基部と、該当接面より突出した拡径可能な筒状部と、該筒状部に挿入され該筒状部を拡径して前記リッドパネルの貫通孔の縁部に係合させる中芯とから成るクリップである請求項1記載の燃料キャップ係止具。
- 前記中芯はU字形状の連結部によって前記テザーの先端に連結されている請求項3記載の燃料キャップ係止具。
- 前記中芯は外周面に係合部が形成され、前記筒状部は内周面に該係合部が係合する被係合部が形成され、該中芯は該筒状部に途中まで挿入した状態で該筒状部により保持可能である請求項3記載の燃料キャップ係止具。
- 前記キャップ保持部、前記テザー、前記車体取付部及び前記着脱部材は、軟質樹脂で一体成形されたものである請求項5記載の燃料キャップ係止具。
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