JP3903874B2 - 潜熱回収式熱源機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜熱回収用の熱交換器を備えた潜熱回収式熱源機に関し、特に潜熱回収用熱交換器において発生する排ガスドレンに対する対策を施した潜熱回収式熱源機に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、潜熱回収式熱源機として、例えば図6に示すようなものが知られている。このものでは、燃焼バーナ2の燃焼熱により熱交換加熱される一次熱交換器3と、潜熱回収のための二次熱交換器4aとを缶体5内に備え、給水管6からの入水をまず上記二次熱交換器4aに通過させて燃焼排ガスの潜熱により予熱し、次いで上記一次熱交換器3に通過させて燃焼バーナ2からの燃焼熱により加熱した上で、出湯管7に出湯させて給湯の用に供するようにしている。つまり、燃焼排ガスの潜熱をも回収して高効率化を図るようにしている。そして、上記二次熱交換器4aにおいて上記潜熱との熱交換により発生した強酸性の排ガスドレンをドレン集水管81を通して中和槽8に集め、中和槽8内に充填された中和剤により中和処理した後に機外に排水させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如き潜熱回収式熱源機においては、製造ラインで組立が完了した後、製品として出荷される前に完成時検査として燃焼バーナ2を燃焼させて燃焼検査することが通常行われる。この検査の際に、各熱交換器に水が通されて燃焼バーナ2が実際に燃焼されるため、少量(例えば30〜70mL)ではあるものの排ガスドレンが発生することになる。
【0004】
例えば図7の左側部分に上記潜熱回収式熱源機の具体構造例を示すように、燃焼バーナ2が実際に燃焼されると、一次熱交換器3を通過した燃焼排ガス(図7の一点鎖線の矢印参照)が排気通路51に沿って排気筒9に導かれ、この排気筒9内に設置された二次熱交換器4aを通過する際に燃焼排ガスの潜熱と二次熱交換器4a内の水との熱交換により二次熱交換器4aの表面等に結露が生じ、排ガスドレンが発生することになる。この排ガスドレンは排気筒9の底壁91に沿ってドレン集水管81の入口に流入し中和槽8に流れ落とされることになる。
【0005】
但し、この場合には、上記二次熱交換器4aの表面には表面張力により付着して重力落下しないままに排ガスドレンの一部が残留することが考えられる。特に二次熱交換器として外部フィンを有するものを用いる場合、そのフィンピッチが狭いと上記の表面張力も強くなる傾向にあり、上記の排ガスドレンの残留のおそれは高まることになる。
【0006】
通常は、上記の潜熱回収式熱源機は縦置きの正立状態(図7の左側部分に示す状態)で上下が緩衝材H,H等に覆われ梱包され、この正立状態で保管、運送及び設置現場での横持ち等が行われるため、上記の排ガスドレンの残留がたとえ生じていてその排ガスドレンが運送時の振動等により落下したとしても、ドレン集水管81内に流れ落ちるため何らの不都合も生じない。
【0007】
しかしながら、上記の検査後、住宅等に上記の正立状態で最終的に設置されるまでの保管や運送等の過程において、予期しない転倒や誤取り扱い等により上記潜熱回収式熱源機が横倒し状態(図7の右側部分に示す状態)のままに放置されることも考えられる。横倒し状態のままにされてしまうと、残留している排ガスドレンが排気筒9内から排気通路51に流れ出て燃焼バーナ2や他の機能部品に付着するおそれがある。そして、排ガスドレンが付着した場合には、その排ガスドレンが強酸性であることから、腐食を引き起こす原因にもなるという不都合がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、たとえ横倒し状態にされたとしても検査時に残留することのある排ガスドレンが燃焼バーナ側にまで流出しないように、あるいは、流出しても不都合が生じないようにし得る潜熱回収式熱源機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、以下の各発明では、燃焼排ガスの排出通路内に配設されその燃焼排ガスと熱交換させてその燃焼排ガスの有する潜熱を回収するための潜熱回収用熱交換器を備えた潜熱回収式熱源機を対象として、以下に記載の各特定事項を備えることとした。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明では、熱源機本体が正立状態から横倒し状態に姿勢変換された場合に、上記排出通路を構成する壁面の内、少なくとも上記姿勢変換に伴い排ガスドレンが燃焼排ガスの上流側に向けて重力により流下するように姿勢変換されることになる壁面領域に対し、排ガスドレンを中和するための中和剤を上記流下する排ガスドレンと接触可能に添着して保持させることとした。
【0011】
この請求項1の場合には、製品出荷前の燃焼検査により排気通路内に若干量の排ガスドレンが残留し、製品出荷から現実に設置されるまでの間に熱源機本体が本来の正立状態から横倒し状態に姿勢変換されるという不測の事態が生じたとしても、上記残留の排ガスドレンが排出通路の上流側に向けて流下し出すと、その排ガスドレンが上記姿勢変換により流下しようとする壁面領域には中和剤が添着保持されているため、上記排ガスドレンはこの中和剤と接触して中和されることになる。このため、中和後に中性となったドレン水がさらに流下したとしても腐食上の不都合が発生することはない。
【0012】
ここで、上記の「排ガスドレンと接触可能に添着して保持させる」とは、例えば粉状もしくは微小粒状の中和剤を水等に溶いて所定の壁面領域の表面に対し刷毛塗もしくはスプレー塗により塗布して乾燥させることにより中和剤を主成分とする皮膜を形成する、あるいは、所定の粒状をメッシュ状もしくは多孔性の容器内に充填しこれを取り付ける等により行うようにすればよい(請求項3において同じ)。
【0013】
また、請求項2に係る発明では、熱源機本体が正立状態から横倒し状態に姿勢変換された場合に、上記排出通路を構成する壁面の内、少なくとも上記姿勢変換に伴い排ガスドレンが燃焼排ガスの上流側に向けて重力作用により流下するように姿勢変換されることになる壁面領域に対し、上記横倒し状態で流下する排ガスドレンをせき止めるように突出する堰壁を設けることとした。
【0014】
この請求項2の場合、上記の如く、製品出荷前の燃焼検査により排気通路内に若干量の排ガスドレンが残留し、製品出荷から現実に設置されるまでの間に熱源機本体が本来の正立状態から横倒し状態に姿勢変換されるという不測の事態が生じて、上記残留の排ガスドレンが排出通路の上流側に向けて重力作用により流下し出そうとしても、その排ガスドレンが上記姿勢変換により流下しようとする壁面領域には堰壁が設けられているため、上記排ガスドレンはこの堰壁によりせき止められてそれ以上の流下が阻止されることになる。このため、強酸性の排ガスドレンが排出通路の上流側に流下することに起因する熱源機内の機能部品等の腐食発生のおそれを回避することが可能になる。
【0015】
さらに、請求項3に係る発明では、熱源機本体が正立状態から横倒し状態に姿勢変換された場合に、上記排出通路を構成する壁面の内、少なくとも上記姿勢変換に伴い排ガスドレンが燃焼排ガスの上流側に向けて重力により流下するように姿勢変換されることになる壁面領域に対し、排ガスドレンを中和するための中和剤を上記流下する排ガスドレンと接触可能に添着して保持させる一方、上記横倒し状態で流下する排ガスドレンをせき止めるように突出する堰壁を設けることとした。
【0016】
この請求項3の場合、上記壁面領域に中和剤が添着保持されている上に、堰壁が設けられているため、請求項1及び請求項2による双方の作用が発揮され、上述の不測の事態が生じたとしても、排ガスドレンの中和剤による中性化及び排ガスドレンの流下防止の双方が図られる。この場合、上記堰壁を中和剤が添着保持されている壁面領域の上流側となる位置に設けることにより、上記中性化された後のドレン水の流下を阻止したり、上記中和剤による中和処理が不十分であってもその不十分な排ガスドレンの流下を阻止したりすることが可能になる。あるいは、上記堰壁を中和剤が添着保持されている壁面領域の中間位置に設けることにより、排ガスドレンの中和剤による中和処理を行いつつその流下を阻止し得る一方、万一オーバーフローしたとしても堰壁よりも上流側の領域に添着保持されている中和剤により中和処理し得ることになる。さらに上記堰壁を中和剤が添着保持されている壁面領域の下流側(つまり排ガスドレンの発生側)に設けることにより、まず排ガスドレンの流下を阻止し得る一方、万一オーバーフローしたとしても堰壁よりも上流側の領域に添着保持されている中和剤により中和処理し得ることになる。以上により、強酸性の排ガスドレンが排出通路の上流側に流下することに起因する熱源機内の機能部品等の腐食発生のおそれをより一層確実に回避することが可能になる。
【0017】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の潜熱回収式熱源機によれば、製品出荷前の燃焼検査により排気通路内に若干量の排ガスドレンが残留し、製品出荷から現実に設置されるまでの間に熱源機本体が本来の正立状態から横倒し状態に姿勢変換されるという不測の事態が生じたとしても、上記姿勢変換により流下し出そうとする残留排ガスドレンを壁面領域に添着保持されている中和剤により中和させることができる。このため、中和後に中性となったドレン水がさらに流下したとしても腐食上の不都合が発生することを回避することができる。
【0018】
請求項2の潜熱回収式熱源機によれば、製品出荷前の燃焼検査により排気通路内に若干量の排ガスドレンが残留し、製品出荷から現実に設置されるまでの間に熱源機本体が本来の正立状態から横倒し状態に姿勢変換されるという不測の事態が生じたとしても、上記姿勢変換により流下し出そうとする残留排ガスドレンを堰壁によりせき止めてそれ以上の流下を阻止することができる。このため、強酸性の排ガスドレンが排出通路の上流側に流下することに起因する熱源機内の機能部品等の腐食発生のおそれ自体を解消することができる。
【0019】
請求項3の潜熱回収式熱源機によれば、所定の壁面領域に中和剤を添着保持させると同時に堰壁をも設けるようにしているため、請求項1及び請求項2による双方の効果を得ることができる。すなわち、上述の不測の事態が生じたとしても、排ガスドレンの中和剤による中性化及び排ガスドレンの流下阻止の双方を図ることができ、強酸性の排ガスドレンが排出通路の上流側に流下することに起因する熱源機内の機能部品等の腐食発生のおそれをより一層確実に回避して解消することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る潜熱回収式熱源機の缶体5の一部分を示す。この潜熱回収式熱源機の全体構成は図6に示され、図1は図6のハウジング(熱源機本体)1に内蔵された缶体5の具体構造を示したものである。すなわち、図1においては、燃焼バーナ2(図6参照)を内蔵する燃焼缶体部52の一部と、一次熱交換器3を内蔵する熱交換缶体部53と、排気通路51を内部に形成した排気通路用缶体部54と、二次熱交換器4を内蔵し正面側(同図の左面側)に後述の排気出口97が開口した排気筒9とを示している。
【0022】
上記排気通路用缶体部54は、その内部の排気通路51がその下面において一次熱交換器3の上面の全体に拡がり上方に向けて徐々に狭まって上記排気筒9の後面側を通過しその上端部において排気筒9の後述の上部開口96に連通するように組み付けられている。
【0023】
また、上記排気筒9は、底壁91と、前壁92と、後壁93と、頂壁94と、左右両側壁95,95(図2も参照)とを備え、排気通路51からの排ガスを上記後壁93の上端部の上部開口96を通して流入させ上記前壁92の排気出口97から外部に排出させるようになっている。上記排気通路51と、上部開口96から排気出口97までの内部空間99とによって排出通路が構成されている。
【0024】
上記底壁91は後から前に向けて斜め下り勾配に傾斜され、前端部にドレン集水管81の上流端が開口している。すなわち、二次熱交換器4等から底壁91の上面に落下してくる排ガスドレンを前端側に導いてドレン集水管81内に落下させるようになっている。また、上記内部空間99の前端部側には頂壁94から仕切り壁94aが垂下され、この仕切り壁94aにより上記上部開口96から流入した排ガスの流れが二次熱交換器4を上から下に通過した後に排気出口97から排出されるようにされている。
【0025】
上記後壁93の上端縁は上記上部開口96の下側開口縁を構成し、この後壁93の上端縁から排気筒9の内部空間に向けてほぼ水平に突出して堰壁98が例えば屈曲形成等により一体に形成されている。加えて、この堰壁98はこれに連続して左右の各側壁95の側にも延びて形成され、3方向のいずれの方向に対して横倒し状態に姿勢が変換したとしても「堰」としての役割を果たすようになっている。
【0026】
なお、上記二次熱交換器4はフィンアンドチューブ式のものが採用されており、チューブの一端からの入水が多数のフィンを繰り返し貫通して通過する間に上記排ガスと熱交換され、熱交換後の予熱された水がチューブの他端から一次熱交換器3に供給されるようになっている。つまり、上記排ガスの潜熱を水との熱交換により回収するようになっている。
【0027】
以上の構成の場合、潜熱回収式熱源機が後方(図1の右方)又は側方(図1の奥方もしくは手前方向)のいずれの側かに転倒されて後方横倒し状態(図7の右側部分に示すものと同じ状態)や側方横倒し状態に姿勢変換された場合、いずれの方向への横倒し状態であっても、その姿勢変換に伴い上記堰壁98が上方に向けて突出した状態に姿勢が変換されることになる。この姿勢変換後の状態では、例えば後方横倒し状態の場合には後壁93がほぼ水平状態になって上記排ガスドレンが流下し出す壁面領域になり、この後壁93から排気通路51側に流下し出す上部開口96の開口縁位置に堰壁98が上記の如く上方に突出して存在することになる。このため、製品出荷前の燃焼検査により上記二次熱交換器4の表面に付着してドレン集水管81からは排出されずに残留した排ガスドレンが排気通路51側に流下しようとしても、その残留排ガスドレンは上記堰壁98により堰き止められることになる。これにより、上記残留排ガスドレンが一次熱交換器3や燃焼バーナ2の側に流れ込むことを確実に防止することができる。
【0028】
なお、上記第1実施形態においては堰壁98の代わりに排気通路51内の内周面の各面(少なくとも3つの面)に堰壁98aを設けるようにしてもよく、また、この堰壁98aを上記堰壁98に加えて2段配置にし、より確実性を期すようにしてもよい。
【0029】
<第2実施形態>
図3は本発明の第2実施形態を示す図1対応図である。この図3において、符号10は内部に中和剤が充填された中和剤容器である。その他の構成要素は第1実施形態と同じであり、同一構成要素には第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0030】
上記中和剤容器10は、図4にも示すようにその容器壁101が所定間隔のメッシュ状素材により形成され、内部にこの容器壁10から脱落しない程度の比較的小さい粒径の中和剤(例えば炭酸カルシウム)102が充填されている。そして、この中和剤容器10は上部開口96を除き後壁93(壁面領域)のほぼ全面を覆う大きさに設定され、後壁93の内面に対し点溶着等の手段により固定されている。この中和剤容器10によって中和剤102が上記壁面領域に対し残留排ガスドレンと接触可能に添着保持されている。
【0031】
この第2実施形態の場合には、上述の後方横倒し状態に姿勢変換されると、上部開口96を通して排気通路51側に流下しようとする排ガスドレンは必ず上記中和剤容器10内の中和剤102と接触することになる。このため、上記上部開口96から排気通路51側に流下したとしても、上記の接触により中和されて強酸性から中性に中和処理された後のドレン水であるため、一次熱交換器3等の側への各部品に腐食原因になるなどの悪影響を及ぼすことはない。
【0032】
なお、上記の中和剤容器10をさらに両側壁95,95の各内面、好ましくは上部開口96の開口縁位置から拡がる各内面に設置するようにしてもよく、これにより、上述の側方横倒し状態に姿勢変換された場合においても、上記の後方横倒し状態に姿勢変換された場合と同様の効果を得ることができる。
【0033】
<第3実施形態>
図5は本発明の第3実施形態を示す図1対応図である。この図5において、符号11は中和剤を主成分とする中和被膜である。なお、その他の構成要素は第1実施形態と同じであり、同一構成要素には第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0034】
上記中和被膜11は、中和剤(例えば炭酸カルシウム)の粉末を水に溶いて混合撹拌したものを刷毛塗により塗布した後に乾燥させた塗布皮膜により形成されている。そして、この中和皮膜11の形成範囲として、少なくとも底壁91及び後壁93の各内面と、排気通路51を構成する排気通路用缶体部54の頂部及び後部の各内面との範囲(図5に多数の黒点で示す範囲)が設定されている。この中和皮膜11によって中和剤自体が上記形成範囲の壁面領域に対し残留排ガスドレンと接触可能に添着保持されている。
【0035】
この第3実施形態の場合には、後方横倒し状態に姿勢変換された場合には、残留排ガスドレンが底壁91及び後壁93を流下する間に上記中和皮膜11と接触して中和処理される上に、堰壁98により堰止められて上部開口96から排気通路51側への流下が阻止されることになる。このため、残留排ガスドレンの中和処理による無害化と、一次熱交換器3等の側への流下阻止との双方を図ることができる。また、万一、側方横倒し状態に姿勢変換された場合に、上記中和皮膜11と接触しない残留排ガスドレンが存在していても、その排ガスドレンは堰壁98により堰き止められることになる。
【0036】
なお、好ましくは上記の中和皮膜11の形成範囲として両側壁95,95の各内面と、排気通路用缶体部54の各側部の内面とを追加すれば、側方横倒し状態に姿勢変換された場合にも、より確実に残留排ガスドレンの中和処理を行うことができる。
【0037】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1〜第3実施形態では、排気筒9として図示の如き形状のものを示したが、排気筒9の形状の如何に拘わらず燃焼排ガスの排出通路に対し本発明を適用することができる。
【0038】
また、上記第2実施形態に対しさらに第1実施形態の堰壁98を追加してもよいし、逆に第3実施形態から堰壁98を省略してもよい。
【0039】
さらに、上記第1〜第3実施形態では、潜熱回収用の二次熱交換器4としてフィンアンドチューブ式のものを採用した場合を示しているが、これに限らず、積層式熱交換器あるいは蛇腹管(フレキシブル管)を採用するようにしてもよい。特に積層式熱交換器の如くフィンピッチ(プレート間隔)が比較的小さくて燃焼検査時に排ガスドレンが残留し易い熱交換器を潜熱回収用の熱交換器として採用した潜熱回収式熱源機に対し本発明を適用することで、より大きな効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の要部を示す部分断面図である。
【図2】図1の部分の斜視図である。
【図3】第2実施形態の図1対応図である。
【図4】図3の内部を切欠いて示す斜視図である。
【図5】第3実施形態の図1対応図である。
【図6】潜熱回収式熱源機の一例を示す原理図である。
【図7】従来の問題点を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング(熱源機本体)
2 燃焼バーナ
3 一次熱交換器
4 二次熱交換器(潜熱回収用熱交換器)
5 缶体
10 中和剤容器
11 中和皮膜
51 排気通路(排出通路)
98 堰壁
99 内部空間(排出通路)
102 中和剤

Claims (3)

  1. 燃焼排ガスの排出通路内に配設されその燃焼排ガスと熱交換させてその燃焼排ガスの有する潜熱を回収するための潜熱回収用熱交換器を備えた潜熱回収式熱源機であって、
    熱源機本体が正立状態から横倒し状態に姿勢変換された場合に、上記排出通路を構成する壁面の内、少なくとも上記姿勢変換に伴い排ガスドレンが燃焼排ガスの上流側に向けて重力により流下するように姿勢変換されることになる壁面領域に対し、排ガスドレンを中和するための中和剤が上記流下する排ガスドレンと接触可能に添着されて保持されている
    ことを特徴とする潜熱回収式熱源機。
  2. 燃焼排ガスの排出通路内に配設されその燃焼排ガスと熱交換させてその燃焼排ガスの有する潜熱を回収するための潜熱回収用熱交換器を備えた潜熱回収式熱源機であって、
    熱源機本体が正立状態から横倒し状態に姿勢変換された場合に、上記排出通路を構成する壁面の内、少なくとも上記姿勢変換に伴い排ガスドレンが燃焼排ガスの上流側に向けて重力作用により流下するように姿勢変換されることになる壁面領域に対し、上記横倒し状態で流下する排ガスドレンをせき止めるように突出する堰壁が設けられている
    ことを特徴とする潜熱回収式熱源機。
  3. 燃焼排ガスの排出通路内に配設されその燃焼排ガスと熱交換させてその燃焼排ガスの有する潜熱を回収するための潜熱回収用熱交換器を備えた潜熱回収式熱源機であって、
    熱源機本体が正立状態から横倒し状態に姿勢変換された場合に、上記排出通路を構成する壁面の内、少なくとも上記姿勢変換に伴い排ガスドレンが燃焼排ガスの上流側に向けて重力により流下するように姿勢変換されることになる壁面領域に対し、排ガスドレンを中和するための中和剤を上記流下する排ガスドレンと接触可能に添着して保持させる一方、上記横倒し状態で流下する排ガスドレンをせき止めるように突出する堰壁を設けてなる
    ことを特徴とする潜熱回収式熱源機。
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