JP3903712B2 - 地域検索装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施設データベースに登録されている施設名称を利用して入力された所望の地域がどこに存在するかを自動検索する地域検索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、地図情報を検索する装置を用いて施設や場所などの特定の情報を検索する際に、ユーザの記憶が不正確あるいはあいまいで施設名や所在地の名称を正確に指定することができない場合が多々ある。そのような場合でも、ユーザが記憶しているある程度あいまいな名称や地名を入力しても自動的に施設データベースを検索して必要とする施設や地名に近い施設名や所在地の名称のいくつかを候補として抽出してくれることをユーザは要求する。
【0003】
このようなユーザの要望にこたえるものとして、従来、特開平10‐307833号公報に記載されている地域検索装置が知られている。この従来の地域検索装置は、地域条件に関するあいまい検索を行なうものであり、施設検索の対象となる地域を地域名称により指定された地域条件に該当する地域の近傍へ諸条件に応じて拡大して検索を行なう機能を持っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の地域検索装置は、入力された地域名称に対してその周辺の地域まで検索対象地域を広げ、検索対象地域に存在する施設を対象として施設データベースの名称の欄に登録されている場所(つまり、地域名称)を検索する機能を備えているが、この従来装置の場合でも検索対象とする地域は実在する地域名称であることを要求し、所在地として実在しないが通称として通る地域名称が検索対象地域名称として入力されたときには、該当する地域名称がデータベースに登録されていないゆえにその地域に存在する施設を施設データベースから抽出して出力することができない。例えば、「湘南のレストラン」という検索条件が入力された場合、従来例の地域検索装置では、「湘南」という地域名称が住所地として実在していない故に、施設データベースから候補を抽出することができない問題点があった。
【0005】
ところで一般に、施設名称には実際の住所地の名称ではなく通称が冠された名称が用いられることが多々ある。例えば、「湘南ホテル」、「レストラン湘南」、「〇〇株式会社湘南研修所」等である。したがって、地域検索の際に実在する地域名称ではなく、通称が用いられた場合、住所地を検索するよりも施設名称を検索し、抽出された施設名称が付された施設の座標から通称が用いられている地域を特定することができる。
【0006】
本発明はこのような技術的考察に基づき発明されたものであって、地域検索の際に所望の地域として実在する行政区画の地名ではなく、通称が入力されても該当する地域を特定して出力することができる地域検索装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の地域検索装置は、施設名称と所在位置の座標を属性情報として多数の施設が登録されている施設データベースと、行政区画名として存在しない地域名称の入力を受けて、入力された地域名称と前記施設名称との一致度が高い施設を前記施設データベースから抽出する施設検索手段と、抽出された施設の密度が高い範囲を特定し所望の地域として出力する地域決定手段とを備えたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の地域検索装置において、前記地域決定手段が、抽出された施設が高い密度で存在する範囲を特定する際、抽出された施設の座標の重心点を求め、当該重心点を中心とし所定の割合の施設を内包する地域を所望の地域として出力することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の地域検索装置において、道路地図データベースを備え、前記地域決定手段が、抽出された施設それぞれを結ぶ主要道路について前記道路地図データベースを検索し、抽出された主要道路の近傍の地域を所望の地域として出力することを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3の地域検索装置において、前記地域決定手段が、抽出された複数の施設の間の距離を求め、求めた距離が予め設定したしきい値以内の施設を同じグループに属するものとして抽出された複数の施設をグループ分けし、各グループ毎に施設の密度が高い地域を所望の地域として出力することを特徴とするものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4の地域検索装置において、前記施設検索手段が、入力された地域名称に対して前記施設データベースを検索して前記施設名称との一致度が高い施設を候補としてリストアップし、リストアップした施設候補のうち他の施設候補との最小距離が予め設定したしきい値以内の施設候補のみを該当施設として抽出することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4の地域検索装置において、前記施設データベースが、施設の種類を属性情報として併せ持ち、前記地域決定手段が、抽出した施設ごとにその種類に応じた所定の重み付けを行い、前記グループ毎にそのグループに属する施設の重みの合計を求め、それが所定値以上のグループのみを出力することを特徴とするものである。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4の地域検索装置において、前記地域決定手段が、抽出した施設のグループ化を行う際にしきい値となる距離を、前記施設データベースに登録されている近傍の施設の密度が高い場合には小さく、低い場合には大きくなるように施設ごとに変動させることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】
請求項1の発明の地域検索装置では、ユーザが行政区画名として存在しない地域名称を入力すれば、施設データベースを検索して入力された地域名称と施設名称との一致度が高い施設を抽出し、抽出された施設の密度が高い範囲を特定し所望の地域として出力する。例えば、住所地名としては実在しない「湘南」という地域名称を入力した場合、施設データベースに登録されている「湘南」という名称を含む施設名称、例えば、「湘南ホテル」、「レストラン湘南」、「〇〇株式会社湘南研修所」等を抽出し、さらに、これらの施設の地理座標を特定し、施設の存在密度が高い範囲を入力された「湘南」地域であると見なして出力することができる。また、「銀座」という地域名称を入力した場合、現実に住所地名として使用されている地域のみならず、通称として使用されている地域についても特定して出力することができる。
【0015】
これにより、住所地名としては実在せず、単に通称として使用されている地域名称を入力しても該当する地域を正しく特定して提示することができる。
【0016】
請求項2の発明の地域検索装置では、ユーザが所望の地域名称を入力すれば、施設データベースを検索して入力された地域名称と施設名称との一致度が高い施設を抽出し、抽出された施設が高い密度で存在する範囲を該当する地域として特定する際、抽出された施設の座標の重心点を求め、当該重心点を中心とし所定の割合の施設を内包する地域を所望の地域として出力する。
【0017】
これにより、通称として使用されている地域名称を入力した場合でも、該当する地域の範囲をユーザにとって理解しやすい単純な形状にして提示することができる。
【0018】
請求項3の発明の地域検索装置では、ユーザが所望の地域名称を入力すれば、施設データベースを検索して入力された地域名称と施設名称との一致度が高い施設を抽出し、抽出された施設それぞれを結ぶ主要道路について道路地図データベースを検索し、抽出された主要道路の近傍の地域を所望の地域として出力する。
【0019】
これにより、通称として使用されている地域を入力した場合に、該当する地域の範囲が複雑な形状をしている場合にも忠実に近似して提示することができる。
【0020】
請求項4の発明の地域検索装置では、ユーザが所望の地域名称を入力すれば、施設データベースを検索して入力された地域名称と施設名称との一致度が高い施設を抽出し、抽出された複数の施設の間の距離を求め、求めた距離が予め設定したしきい値以内の施設を同じグループに属するものとして抽出された複数の施設をグループ分けし、各グループ毎に施設の密度が高い地域を所望の地域として出力する。
【0021】
これにより、同じような地域名称の地域が複数箇所に存在するような場合には、それらを異なった地域として他の地域と区別して提示することができる。
【0022】
請求項5の発明の地域検索装置では、ユーザが所望の地域名称を入力すれば、入力された地域名称に対して施設データベースを検索して施設名称との一致度が高い施設を候補としてリストアップし、リストアップした施設候補のうち他の施設候補との最小距離が予め設定したしきい値以内の施設候補のみを該当施設として抽出する。
【0023】
これにより、所望の地域名称を含むとして抽出された施設候補であっても、当該施設の近くに同様の地域名称を含む施設名称の施設が存在しなければ、地域を特定する名称として使用されている施設名称ではないとして候補から除外することができ、ユーザが求めている地域の範囲を確実に特定して提示することができる。
【0024】
請求項6の発明の地域検索装置では、施設データベースが施設の種類を属性情報として併せ持ち、地域決定手段が抽出された施設ごとにその種類に応じた所定の重み付けを行い、グループ毎にそのグループに属する施設の重みの合計を求め、それが所定値以上のグループのみを用いて所望の地域範囲を決定して出力する。
【0025】
これにより、例えば、駅などの重要な目印となる施設を含まないグループの地域はユーザの所望する地域ではないとして出力せず、ユーザの望む地域を精度良く特定して出力することができる。
【0026】
請求項7の発明の地域検索装置では、地域決定手段が、抽出された施設のグループ化を行う際にしきい値となる距離を施設データベースに登録されている近傍の施設の密度が高い場合には小さく、低い場合には大きくなるように施設ごとに変動させ、定めたしきい値となる距離以内の施設を同じグループに属するものとしてグループ分けし、各グループ毎に施設の密度が高い地域を所望の地域として出力する。
【0027】
これにより、例えば、狭い範囲に多くの施設が存在する都市部と、登録されている施設の密度が低い地方部とでの施設間の距離の違いにより検索結果に悪影響が出るのを避けることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の地域検索装置を示している。この実施の形態の地域検索装置は、施設検索装置1と、施設データベース2と、地域決定装置3から構成されている。
【0029】
施設検索装置1は、地域名称の入力を受けて施設データベース2を検索し、入力された地域名称を施設名称の少なくとも一部として含む施設の関連データを抽出する。ここで、地域名称とは、例えば、「銀座」、「湘南」のような名称であり、必ずしも行政区域の名称(住所地名)でなくてもよい。
【0030】
施設データベース2は、病院、学校、駅、庁舎、交差点、公園、駐車場、ガソリンスタンド、宿泊施設、飲食店などの施設それぞれの施設名称と所在地の座標を格納している。地域決定装置3は、施設検索装置1が施設データベース2を検索して抽出した該当する施設それぞれの所在地の座標から地域を決定して出力する。
【0031】
次に、上記の構成の地域検索装置による地域検索動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。施設検索装置1がステップS1において地域名称の文字列の入力を得ると、ステップS2において施設データベース2を検索して、入力された地域名称の文字列を少なくとも一部に含む施設名称を持つ施設をピックアップし、その施設名称と所在地の座標を抽出する。地域名称として「湘南」を入力した場合の施設の抽出例が、図4に示してある。この地域名称「湘南」を施設名称の一部として含む施設が多数抽出されていることが分かる。
【0032】
そして地域決定装置3はステップS3において、抽出された施設それぞれの所在地の座標に基づき、存在密度の高い地域を特定して出力する。このステップS3の処理の詳しい内容が図3に示してある。ステップS301において、検索された施設の座標の重心点を求める。このとき、施設の種類ごとに重みを設定し、施設の重みを考慮した重み付けの重心点を求めてもよい。例えば、地方庁舎、駅、デパート、銀行などは地域名称を反映することが多く、しかも該当地域の中心部に存在することが多いため、これらには大きな重みを設定する。そしてこれらの重み付けの重心点を求めるのである。
【0033】
続くステップS302においては、検索されて施設ごとに重心点からの距離を求める。そしてステップS303においては、重心点を中心とし、検索された施設の所定の割合の施設を内包する円の半径を次のように計算する。検索された全施設数をn、所定の割合をk(0<k≦1)とする。そして前記重心点からの距離が小さい順に施設を並び替え、int(k*n)番目の施設の距離dを抽出し、適当な大きさの所定の定数c1とc2を用いてc1*d+c2を半径とする。ここで、int()は、()内の値の整数部分を意味している。続くステップS304では、重心点の座標と半径を出力する。
【0034】
図5及び図6は、本実施の形態における地域検索装置の適用例として、地域名称に「湘南」を指定した場合の地域検索結果を示している。図5は、施設データベース2に格納されている日本全国の施設のうち、施設名称に「湘南」が含まれている施設の所在位置を示している。図6は、図5の神奈川県の部分を拡大表示したものである。そして符号Oは重心点であり、円Aで囲まれた部分は、上記の地域検索装置により決定された「湘南」地域を示している。
【0035】
図5に示すように、施設検索装置1では施設データベース2を検索することにより、「湘南」を施設名称の一部に含む施設として神奈川県地方だけでなく、北海道の伊達市にも該当する施設5aが存在していることが検索された。そして上述した重心点Oの演算と半径の決定により、「湘南」を施設名称の一部とする施設が多数抽出された神奈川県地方において「湘南」地域Aが決定され、北海道の施設はこの地域Aから除外される。これにより、図6に示すように、通称として用いられている「湘南」地域Aが正しく神奈川県地方のほぼ該当する範囲に決定される。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7に基づいて説明する。第2の実施の形態の電話番号検索装置10は、図1に示した第1の実施の形態の地域検索装置を応用したものであり、施設の種類と地域名称を指定することにより、指定された地域の該当する施設の電話番号を検索する。この電話番号検索装置10は、電話番号検索部11と地域検索部12と電話番号データベース13、そして入力装置14と表示装置15から構成されている。
【0037】
電話番号検索部11は、電話番号データベース13から指定された輪郭地域内の指定された種類の施設を検索する。地域検索部12は、第1の実施の形態の地域検索装置であり、図1に示した施設検索装置1、施設データベース2及び地域決定装置3から構成されている。
【0038】
電話番号データベース13は、施設名称、施設の種類、電話番号、所在地の座標を属性とする電話番号データベースである。入力装置14は、施設の種類や地域の名称を入力するためのキーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置である。そして表示装置15は、検索された電話番号その他の必要な情報を表示する。
【0039】
次に、第2の実施の形態の電話番号検索装置10の動作について、図8のフローチャートを用いて説明する。ステップS11において、入力装置14によりユーザが入力する、検索対象となる地域の地域名称の入力を受け付ける。この入力は実在する行政区画の地名(住所地名)であってもよいが、例えば、「湘南」のような実在しないが、通称として用いられている地域名称であってもよい。
【0040】
次のステップS12において、地域検索部12により電話番号の検索対象となる地域を決定する。この際、地域検索部12に対する入力は、ユーザが入力装置14から入力した地域名称である。地域検索部12により決定した地域範囲は当該電話番号検索装置10の記憶領域に記憶される。
【0041】
次のステップS13において、ユーザからの電話番号の検索対象となる施設の種類の入力を受け付ける。この入力も入力装置14から行う。続くステップS14では、地域検索部12がステップS12において格納した地域範囲内に存在し、ステップS13において入力された種類の施設を電話番号データベース14で検索し、該当する施設の電話番号を抽出し、電話番号検索装置10の記憶領域に記憶させる。そしてステップS15において、抽出された電話番号を出力装置15に出力する。
【0042】
こうして、第1の実施の形態の地域検索装置を応用した第2の実施の形態の電話番号検索装置では、ユーザが行政区画の名称(住所地名)としては実在しないが通称として使用されている上述した「湘南」のような地域名称と、施設の種類とを指定することにより、該当する地域範囲内に存在するユーザの所望する施設を抽出し、それらの電話番号を出力することができる。例えば、ユーザが湘南のレストランに予約を取りたい場合には、「湘南」と「レストラン」を指定することにより、湘南地方に存在するいくつかのレストランの電話番号リストを得ることができるのである。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態の地域検索装置について、図9に基づいて説明する。第3の実施の形態の地域検索装置は、図1に示した第1の実施の形態の地域検索装置に対して、地域決定装置3を地域決定装置3‐1で置き換え、新たに道路データベース4を備えたことを特徴とする。なお、その他の構成要素は第1の実施の形態と共通する。
【0044】
本実施の形態の特徴である地域決定装置3‐1は、道路データベース4に格納されている道路データを用いて経路探索を行い、施設検索装置1により検索され抽出された施設の所在地の座標から地域を決定して出力する。道路データベース4は、道路リンクの接続情報と座標情報を格納している。
【0045】
以下、第3の実施の形態の地域検索装置の動作について説明する。この地域検索装置の地域検索メイン処理は、第1の実施の形態と同様に図2に示すフローチャートに従うが、ステップS3の具体的な処理が第1の実施の形態とは異なり、図10のフローチャートに示す内容となる。
【0046】
まずユーザが検索したい地域を名称入力すると、施設検索装置1が施設データベース2に対して入力された地域名称を含む施設名称を持つ施設を抽出し(ステップS1,S2)、さらにステップS3では、地域決定装置3‐1が抽出された施設の密度が高い地域を特定し出力する。
【0047】
このステップS3における処理内容は次の通りである。図10のフローチャートのステップS311において、抽出された施設のすべての組み合わせに対し、道路データベース4に格納されている道路情報を利用してそれらを結ぶ経路を探索する。そしてステップS312では、探索された経路を中心とする所定幅の近傍領域を出力する。
【0048】
これより、第3の実施の形態の地域検索装置では、図11に示すような出力が得られる。図11は、地域名称として「湘南」を指定した場合の出力例であり、ステップS2で4つの施設が抽出されたとして、それら4つの施設を互いに結ぶ経路の近傍Bが該当する地域範囲であると決定され出力されている。こうして第3の実施の形態の地域検索装置では、図6に示した第1の実施の形態による出力と比較し、通称として用いられている湘南地域をより正確に出力することができる。
【0049】
次に、本発明の第4の実施の形態の地域検索装置について、図1の構成図、図2及び図12のフローチャートに基づいて説明する。第4の実施の形態の地域検索装置は、第1の実施の形態と同様に図1に示す構成であるが、地域決定装置3の処理機能が第1の実施の形態とは異なり、図12のフローチャートに示す内容の処理を実行することを特徴としている。したがって、各構成要素の実行するメイン処理は第1の実施の形態と同様に図2に示すフローチャートの通りであるが、地域決定装置3によるステップS3では図12のフローチャートに示す処理を実行する。
【0050】
すなわち、ステップS2で抽出した施設群に対して、ステップS321で各施設毎にその施設のみを含むグループを生成する。そしてステップS322において、抽出されたすべての施設の組み合わせ(施設i、施設j:ただし、i≠j)に対して、施設iと施設jの距離が所定のしきい値より小さいならば施設iと施設jのグループを統合する。このとき、施設iと施設jの距離は直線距離、施設iと施設jの間を最短経路の長さ、あるいは車両の走行時間など考慮したものであってもよい。続くステップS323において、各グループ毎に施設の密度が高い地域を第1の実施の形態で説明した図3のフローチャートの処理により所望の地域として出力する。
【0051】
図13及び図14は、この第4の実施の形態の地域検索装置による出力例を示している。図13は地域名称として「銀座」を入力した場合の施設検索装置1による検索結果の施設分布を示したものである。「銀座」の場合、日本全国にこの「銀座」を施設名称の一部として含む施設が多数存在していることが分かる。そして図14(a),(b)は東京都と北海道旭川市の拡大図であるが、東京都の場合、「銀座」を施設名として含む施設は中央区、江東区、品川区、大田区のそれぞれでグループA1〜A4が形成され、また旭川市にも1つのグループA5が形成され、出力される。
【0052】
次に、本発明の第5の実施の形態の地域検索装置について、図1の構成図、図2及び図15のフローチャートに基づいて説明する。第5の実施の形態の地域検索装置は、第1の実施の形態と同様に図1に示す構成であるが、施設検索装置1の処理機能が第1の実施の形態とは異なり、図15のフローチャートに示す内容のものである点を特徴としている。したがって、各構成要素の実行するメイン処理は第1の実施の形態と同様に図2に示すフローチャートの通りであるが、施設検索装置1によるステップS2の処理では、図15のフローチャートに示すステップS201〜S203の処理を実行する。
【0053】
まずユーザが検索したい地域名称入力すると、施設検索装置1が施設データベース2に対して入力された地域名称を含む施設名称を持つ施設を候補としてピックアップする(ステップS1,S201)。そしてステップS202において、ピックアップしたすべての施設に対して、ピックアップされた他の施設のうち最も近い座標の施設との距離を求める。さらにステップS203において、前ステップで求めた距離がしきい値よりも大きい施設は候補から削除し、残った施設群を該当する施設として地域決定装置3に出力する。なお、この処理の際に、施設の種類に応じて、駅の名称のように施設名称が地名と深い関係にある可能性が高い施設に対しては他の種類の施設よりもしきい値を大きく設定してもよい。
【0054】
地域決定装置3は、ステップS201〜203の施設検索処理で残された施設群に対して、第1の実施の形態と同様に、図2及び図3に示すフローチャートのステップS3の処理で密度が高い地域を特定し、所望の地域として出力する。
【0055】
この第5の実施の形態の地域検索装置によれば、地域名称「湘南」を指定した場合、ステップS201では第1の実施の形態のステップS2の処理と同様、図5に示すように「湘南」を施設名称の一部とする施設が神奈川県だけでなく、北海道伊達市でもピックアップされる。しかしながら、続くステップS202,S203の処理で、他の施設からの距離がしきい値を超えて大きく離れている伊達市のゴルフ施設5aは削除され、神奈川県下の施設群だけが残されることになる。そこで、この結果を受けて地域決定装置3がステップS3の処理を行えば、図6に示すように、神奈川県下の所定の範囲Aを特定し、「湘南地域」として出力することができる。
【0056】
次に、本発明の第6の実施の形態の地域検索装置を図16〜図18に基づいて説明する。図16に示すようにこの実施の形態の地域検索装置は、施設検索装置1と施設データベース2‐1と地域決定装置3‐2から構成されている。施設データベース2‐1は、図1に示した第1の実施の形態の施設データベース2に対して、施設毎の施設名称、座標と共に施設の種類も登録していること特徴としている。そして施設検索装置1は、入力される地域名称に対して、この施設データベース2‐1を検索して入力された地域名称を含む施設名称を持つ施設を抽出して、その施設の座標と共に種類を地域決定装置3−2に出力する。また地域決定装置3‐2は図17のフローチャートに示す処理を行い、所望の地域を最終的に決定して出力する。
【0057】
次に、上記構成の第6の実施の形態の地域検索装置の動作について説明する。第1の実施の形態と同様に図2のフローチャートのステップS1において、ユーザが地域名称入力すると、ステップS2において、施設検索装置1が施設データベース2‐1を検索し、入力された地域名称を施設名称の一部として持つ施設を抽出し、抽出した各施設について、その座標と種類を地域決定装置3‐2に出力する。
【0058】
地域決定装置3‐2は、ステップS3において図17のフローチャートの処理を行う。まず、ステップS331において、各施設毎にその施設のみを含むグループを生成する。そしてステップS332において、抽出されたすべての施設の組み合わせ(施設i、施設j:ただし、i≠j)に対して、施設iと施設jの距離が所定のしきい値より小さいならば施設iと施設jのグループを統合する。このとき、施設iと施設jの距離は直線距離、施設iと施設jの間を最短経路の長さ、あるいは車両の走行時間など考慮したものであってもよい。
【0059】
続くステップS333において、施設の種類毎に決められている重みを用いて各グループ毎にそのグループに含まれる施設の重みの和を求め、それが所定のしきい値より小さい場合はそのグループを削除する。例えば、駅、ホテル、公共施設、デパートのように地名を強く反映する施設の場合には重みを大きくし、遊戯施設のように多分に恣意的な名称が用いられる施設の場合には重みを小さくする。またどちらともいえない施設の場合には中間の重みとする。そしてステップS334において、残った各グループ毎に施設の密度が高い地域を第1の実施の形態で説明した図3のフローチャートの処理により所望の地域を決定して出力する。
【0060】
この第6の実施の形態の地域検索装置による地域検索結果は図18に示すようなものとなる。図18は、「湘南」を地域名称として入力した場合の検索結果の出力である。ステップS332の処理結果では、グループG1とグループG2が残ることになる。しかしながら、ステップS333の処理により、横須賀方面のグループG2は削除され、グループG1だけが残ることになる。そこで、このグループG1に属する施設それぞれについて凸形状の範囲を設定し、そのすべてを包含するようになだらかな曲線で囲んだ範囲A10を「湘南地域」として最終的に出力するのである。
【0061】
次に、本発明の第7の実施の形態の地域検索装置について、図1の構成図、図2及び図19のフローチャートに基づいて説明する。第7の実施の形態の地域検索装置は、第1の実施の形態と同様に図1に示す構成であるが、地域決定装置3の処理機能が第1の実施の形態とは異なり、図19のフローチャートに示す内容のものである点を特徴としている。したがって、各構成要素の実行するメイン処理は第1の実施の形態と同様に図2に示すフローチャートの通りであるが、地域決定装置3によるステップS3の処理が図19のフローチャートに示すステップS341〜S343の処理に置き換えたものになる。
【0062】
まずユーザが検索したい地域名称入力すると、施設検索装置1が施設データベース2を検索し、入力された地域名称を含む施設名称を持つ施設を抽出して地域決定装置3に出力する(ステップS1,S2)。
【0063】
地域決定装置3は、図19のフローチャートにおけるステップS341を実行し、各施設毎にその施設のみを含むグループを生成する。そしてステップS342において、抽出されたすべての施設の組み合わせ(施設i、施設j:ただし、i≠j)に対して、施設iと施設jの近傍に存在し、施設データベース2に登録されている施設の数に対して所定の定数αを除算した値をしきい値とし、施設iと施設jとのグループを統合する。このとき、施設iと施設jの距離は直線距離、施設iと施設jの間を最短経路の長さ、あるいは車両の走行時間など考慮したものであってもよい。
【0064】
続くステップS343において、各グループ毎に施設の密度が高い地域を第1の実施の形態で説明した図3のフローチャートの処理により、所望の地域を決定して出力する。
【0065】
これにより、本実施の形態では、第4の実施の形態の結果と同様に図14(a),(b)に示した結果が得られる。同図(a)は、「銀座」を地域名称として入力した場合に東京都周辺で得られた検索結果、同図(b)は同じ入力に対して北海道旭川市周辺で得られた検索結果である。東京都周辺の場合、「銀座」を施設名称の一部とする施設は多数に上り、施設の密度が高いので、小さいしきい値を設定することにより、馬込銀座A3と戸越銀座A4を別のグループとして特定し、一方、旭川市周辺では施設データベース2に登録されている施設の密度が低いため、大きなしきい値を設定することにより距離的に多少離れた施設でも同じグループとして特定することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図2】上記の実施の形態による地域検索処理のメインフローチャート。
【図3】上記の地域検索処理における地域決定処理のフローチャート。
【図4】上記の実施の形態による「湘南」を施設名称の一部とする施設の抽出リスト。
【図5】上記の実施の形態による「湘南」を施設名称の一部とする施設の検出結果の分布を示す地図。
【図6】上記の実施の形態による「湘南」の地域検索結果を示す地図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図8】上記の実施の形態による地域検索処理のフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図10】上記の実施の形態による地域検索処理における地域決定処理のフローチャート。
【図11】上記の実施の形態による地域検索処理結果を示す地図。
【図12】本発明の第4の実施の形態による地域検索処理における地域決定処理のフローチャート。
【図13】上記の実施の形態による「銀座」の施設検索結果を示す地図。
【図14】上記の実施の形態による「銀座」の地域検索結果を示す地図。
【図15】本発明の第5の実施の形態による地域検索処理における施設検索処理のフローチャート。
【図16】本発明の第6の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図17】上記の実施の形態による地域検索処理における地域決定処理のフローチャート。
【図18】上記の実施の形態による地域検索結果を示す地図。
【図19】本発明の第7の実施の形態による地域検索処理における地域決定処理のフローチャート。
【符号の説明】
1 施設検索装置
2 施設データベース
2‐1 施設データベース
3 地域決定装置
3‐1 地域決定装置
3‐2 地域決定装置
10 電話番号検索装置
11 電話番号検索部
12 地域検索部
13 電話番号データベース
14 入力装置
15 表示装置

Claims (7)

  1. 行政区画名として存在しない地域を含む地域名称を入力する入力手段と、
    施設名称と所在位置の座標を属性情報として多数の施設が登録されている施設データベースと、
    前記入力手段によって入力した前記地域名称と前記施設名称との一致度が高い施設を前記施設データベースから検索する施設検索手段と、
    前記施設検索手段によって検索した前記地域名称と前記施設名称との一致度が高い施設の所在位置の座標を抽出する座標抽出手段と、
    前記座標抽出手段によって抽出した施設の所在位置の座標の密度が高い範囲を特定し、当該範囲を所望の地域として出力する地域決定手段とを備えて成る地域検索装置。
  2. 前記地域決定手段は、前記座標抽出手段によって抽出した施設の所在位置の座標の密度が高い範囲を特定する際、施設の所在位置の座標の重心点を求め、当該重心点を中心とし所定の割合の施設を内包する地域を所望の地域として出力することを特徴とする請求項1に記載の地域検索装置。
  3. 道路地図データベースを備え、
    前記地域決定手段は、抽出された施設それぞれを結ぶ主要道路について前記道路地図データベースを検索し、抽出された主要道路の近傍の地域を所望の地域として出力することを特徴とする請求項1に記載の地域検索装置。
  4. 前記地域決定手段は、抽出された複数の施設の所在位置の座標間の距離を求め、求めた距離が予め設定したしきい値以内の施設を同じグループに属するものとして抽出された複数の施設をグループ分けし、各グループ毎に施設の所在位置の座標の密度が高い範囲を所望の地域として出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地域検索装置。
  5. 前記施設検索手段は、入力された地域名称に対して前記施設データベースを検索して前記施設名称との一致度が高い施設を候補としてリストアップし、リストアップした施設候補のうち他の施設候補との最小距離が予め設定したしきい値以内の施設候補のみを該当施設として抽出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の地域検索装置。
  6. 前記施設データベースは、施設の種類を属性情報として併せ持ち、
    前記地域決定手段は、抽出した施設ごとにその種類に応じた所定の重み付けを行い、前記グループ毎にそのグループに属する施設の重みの合計を求め、それが所定値以上のグループのみを出力することを特徴とする請求項4に記載の地域検索装置。
  7. 前記地域決定手段は、抽出した施設のグループ化を行う際にしきい値となる距離を、前記施設データベースに登録されている近傍の施設の密度が高い場合には小さく、低い場合には大きくなるように施設ごとに変動させることを特徴とする請求項4に記載の地域検索装置。
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