JP3903494B2 - 電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁鋼板の製造方法に関し、特に熱間圧延工程に工夫を加えることによって磁気特性および表面性状の改善を図ろうとするものである。
また、この発明は、いわゆる電磁鋼板であれば、無方向性電磁鋼板または方向性電磁鋼板を問わず、いずれの製造にも適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁鋼板は、モーターや発電機、変圧器等の鉄心材料として使用され、これらの機器のエネルギー効率を高めるため、材料特性として、鉄損が小さく磁束密度が大きいことが必要とされる。さらに最近では、コイル内で磁気特性に変動のないことも要求されている。
【0003】
近年、コイル内の特性変動に結びつく熱間圧延時における温度低下を解消するために、熱間粗圧延後のシートバーを巻取った後巻戻して(以下、シートバーコイリングと称する)仕上げ圧延を行うことによって、後端部の温度低下を防止する方法が開発された(例えば特開昭57−109504号公報, 特開昭61-38703号公報, 特開昭62−248501号公報)。
【0004】
しかしながら、電磁鋼板用のようなSiを含むスラブにこのような手法を適用した場合には、シートバーコイリング時における高温での保持時間が長いことに起因して、生成したスケールの剥離性が悪化するため、後工程でのスケール除去性が低下し、生産性を阻害するだけでなく、製品の表面性状も著しく悪化する点に問題を残していた。
なお、このスケールを、常法に従い、仕上熱延前に行う高圧水デスケーラーやロール方式のメカニカルデスケーラーで除去しようとした場合には、普通鋼以上に水量やロールの押付き力が必要となるだけでなく、それでもなおスケールが部分的に残存し、抜熱による特性劣化や部分的な表面性状の劣化が避けられなかった。
【0005】
このような部分的に残存するスケールは、後工程での冷間圧延時に破断原因となり易いため、生産性の低下が懸念されるだけでなく、たとえ破断を免れたとしても冷延時に噛込んだスケールに起因して、著しい表面凹凸(噛込んだスケール剥離を含む)を生じ、製品品質を劣化させるところに問題を残していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、熱間粗圧延後にシートバーコイリングを実施した場合であっても、生成スケールを効果的に剥離して、残存スケールに起因した表面性状の劣化を招くことのない、従って磁気特性および表面性状ともに優れた電磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の問題を解決すべく、シートバーコイリング条件とスケール剥離性との関係について鋭意検討を重ねた結果、巻取り温度とコイリング時間を適正な範囲に制御すると共に、巻取り前のシートバーの表面粗さを制御することによって、所期した目的が有利に達成されることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0008】
すなわち、この発明は、C:0.1 wt%以下、Si:4.5 wt%以下およびMn:2.5 wt%以下を含有する電磁鋼板用スラブを、1100℃を超える温度に加熱し、熱間粗圧延後、得られたシートバーをコイルに巻取り、ついで巻戻しつつ仕上げ圧延を行う熱間圧延工程、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板厚とする冷間圧延工程、および必要に応じて次再結晶焼鈍を含む再結晶焼鈍によって製品に最終磁性を発現させる磁性処理工程からなる一連の工程によって電磁鋼板を製造するに際し、
熱間粗圧延における最終スタンドのワークロールの表面粗さをRmax で 0.1〜100 μm にすると共に、
シートバーコイリングを、巻取り温度:900 〜1180℃、コイリング時間:10分以内の条件下で行うことを特徴とする電磁鋼板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の解明経緯について説明する。
発明者らは、Si含有電磁鋼について、シートバーコイリングを含む熱間圧延実験を進めている際に、磁気特性は長手方向で安定しているにも係わらず、脱スケール性に劣るコイルが、たまにではあるが多量に発生することを経験した。
当初、シートバーコイリングの際の温度や時間の影響について調査したが、後述するように、主に磁気特性を維持する必要のある特定の条件下において、スケール剥離性の悪いものが発生する傾向にあることが判明した。
【0010】
そこで、この点について、時系列な解析を行ったところ、粗圧延機のワークロールの切り替え直前にスケール剥離性が悪化し、部分的なスケール残存が多発することが判った。その際、粗圧延機のロール表面粗さを調査したところ、スケール剥離性の劣化時期とロール表面粗さとの間には強い相関があることを突き止めた。
【0011】
図1に、脱スケール性不良割合と粗圧延ロールの表面粗さRmax (幅方向20ポイントの最大値3ポイントの平均)との関係を時系列的に示したが、同図に示されるとおり、脱スケール性の劣化時期とロール表面粗さの増大との間には強い相関がある。
なお、中心線平均粗さRa(測定点20ポイントの平均)は、脱スケール性の劣化とは特に強い相関がなかったことから、局所的なロール粗さの増加がスケール剥離性を部分的に劣化させているものと考えられる。
【0012】
以上の経緯から、発明者らは、シートバーコイリング時に生成するスケールの部分的な脱スケール不良部分が、仕上げ圧延後のスケール組成かまたは幾何学的な密着性等に影響を与え、熱延仕上げ板の脱スケール性を左右し、最終的には製品板の表面性状を悪化させていると考えるに至った。
【0013】
そこで次に、発明者らは、各種のシートバーコイリング条件が脱スケール性に及ぼす影響について綿密な検討を行った。
まず、コイリング時の温度と時間が最終熱延板の脱スケール性に与える影響について調査した。
その結果、熱延板の脱スケール性は、巻取り温度(巻取り開始時の温度)が、1180℃から 900℃までの間で劣化(部分的にスケールが残留し易い)し易いこと、さらにシートバーコイリング時間(シートバー巻取りから巻戻しまでの時間)が10分以内になると部分的なスケール残留が生じることが判明した。
【0014】
上記の現象が生じる理由は、明らかではないが、温度が1180℃を超えたり、時間が10分を超えた場合にスケール剥離性が良好なのは、高温度、長時間になるとスケールが著しく厚くなるため、コイリング時の曲率変化による表面応力変化や地鉄とスケールの熱膨張等の物性差の影響を受け易くなるため、スケールが剥離し易くなるものと考えられる。また、温度が 900℃未満でスケール剥離性が良好なのは、スケール厚みが高温に比べて薄いためと考えられる。
【0015】
しかしながら、上記した脱スケール性が良好な条件は、磁気特性の面では適正な条件とはいえず、磁気特性の良好な製品は得られない。
この理由は、温度が1150℃を超えると仕上げ熱延時に微細析出物が多く存在するため、鉄損の劣化や不均一性が増大し、また 900℃未満では温度が低くなりすぎて、熱延組織が適正な再結晶組織とならないためと考えられる。さらに、時間が10分超になると、シートバーの温度の低下するため、やはり適正な熱延組織が得られず、磁気特性が劣化するものと考えられる。
【0016】
従って、良好な磁気特性を確保するためには、シートバーコイリング時における巻取り温度は 900〜1180℃、コイリング時間は10分以内とする必要がある。
そこで、次にかかる条件下において脱スケール性を向上させる要件について検討した。
その結果、脱スケール性の改善のためには、シートバーコイリング直前における表面粗さを制御することが有効で、そのためには、熱間粗圧延の最終スタンドにおけるワークロールの表面粗さを、Rmax で 0.1〜100 μm の範囲に規制することが有効であることが判明した。
【0017】
この点、ロール表面粗さRmax が 100μm 超では、最終的な仕上げ熱延板において脱スケールのむらが発生し易い。この理由は、明確ではないが、シートバー巻取り時に発生するスケールと地鉄界面の密着性がスケールのアンカー効果によって上昇するため、仕上げ熱間圧延前の高圧水等のデスケーリングによっても完全には脱スケールできないものと考えられる。
従って、ロール粗さは小さければ小さい程よいが、ロール粗さを 0.1μm 未満とするには、ロール加工時の研磨等に多大のコストがかかり実用的でない。
そこで、この発明では、熱間粗圧延における最終スタンドのワークロール粗さにつき、Rmax で 0.1〜100 μm の範囲に限定したのである。
【0018】
また、シートバーコイリング時間は、10分以内とする必要がある。
というのは、上述したように、該時間が10分を超えると、シートバーの温度が低下し、磁気特性の劣化を招くからである。なお、コイリング時間は、脱スケールむら発生の観点からは設備上可能な範囲でよく、短ければ短い程よい。
さらに、シートバーコイリング時における巻取り温度は 900〜1180℃とする必要がある。というのは、この点についても上述したとおり、上記の温度範囲を外れると良好な磁気特性が得られないからである。
【0019】
次に、この発明の素材成分について説明する。
電磁鋼板は、主に方向性電磁鋼板と、無方向性電子鋼板に大別され、さらに無方向性電磁鋼板は、仕上げ焼鈍後製品になるフルプロセス材と仕上げ焼鈍後軽圧下を施して製品とするセミプロセス材に類別される。
C:0.1 wt%以下
方向性電磁鋼板を製造する場合、Cは、熱延板組織の微細化促進による2次再結晶安定化元素として有効に寄与するが、0.1 wt%を超えると脱炭焼鈍における負荷が大きくなるだけでなく、製品中に残留したCが磁気特性の時効劣化を誘発する。なお、下限は経済的な理由から0.01wt%とするのが好ましい。
一方、無方向性電磁鋼板では、C析出による磁気時効劣化が発生し易いため、最終製品でのCを0.01%以下にする必要がある。好ましくは、スラブ段階でのC量を0.01%以下とすることにより、仕上げ焼鈍時の脱炭処理をなくした工程が望ましい。
【0020】
Si:4.5 wt%以下
Siは、電気抵抗を高め鉄損を改善するのに有用な元素であるが、4.5 wt%を超えると冷間圧延性が劣化するので、4.5 wt%を上限とする。なお、下限は、比抵抗の面から0.05wt%とするのが望ましい。
【0021】
Mn:2.5 wt%以下
Mnは、比抵抗を増し、鉄損を減少させる有用な成分であるが、Mnの増加は、コストアップとなるので2.5 wt%以下とした。なお、無方向性電磁鋼板では、MnはMnSとして磁気特性に有害なSを固定する作用があるので、下限は磁気特性の観点から 0.1wt%とすることが望ましい。
【0022】
以上、必須成分について説明したが、その他にも各種の公知元素を添加することが可能である。
たとえば、方向性電磁鋼板においては、インヒビター成分としてAl, P, Cr, B, Se, S, Te, Nb, Bi, Sn, Sb, NおよびMo等を添加することができる。
また、無方向性電磁鋼板においては、Al添加(0.1 〜2wt%)鋼でも、Al無添加鋼(0.002 wt%以下) でも良く、その際の微量な不純物元素S,N,O等も通常よく知られている公知の範囲内であれば、得られる効果については差はない。望ましくは、S:0.005 wt%以下、N:0.005 wt%以下、O:0.01wt%以下が好適である。さらに、無方向性電磁鋼板においては、磁気特性改善成分としてAl, B, Sb, Ni, CuおよびSn等を添加することができる。
【0023】
次に、製造方法について述べる。
上記の好適成分組成になる鋼スラブを、連続鋳造によって製造し、粗圧延を実施する。この際、必要に応じて加熱、あるいは鋳造後加熱なしまたは保熱処理後に直接粗圧延を実施することができる。加熱や保熱方法は、特に限定されることはなく、公知のガス加熱炉や誘導加熱炉が使用可能である。加熱温度は、方向性電磁鋼板においては望ましくは1350℃以上、また無方向性電磁鋼板においても粗圧延性の面から1100℃超とする必要がある。
【0024】
得られた粗圧延後のシートバーは、シートバー巻取り装置によりコイルに巻取られ、巻取り直後または所定の時間保熱した後、巻戻して、仕上げ圧延を施す。その際、上述したとおり、粗圧延の最終スタンドにおけるワークロールの表面粗さと巻取り温度、コイリング時間を所定の範囲に制御することが肝要である。
【0025】
この熱間圧延時に、必要に応じてシートバー同志を接合し、仕上げ圧延を連続的なエンドレス圧延とすることも可能である。接合する素材としては、連続的な仕上げ圧延の制御性からは同一組成の素材同志とすることが望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、接合可能な範囲で、異なる組成の素材同志でも接合可能である。板厚や板幅等についても同一とすることが望ましいが、連続的な熱間圧延が可能な範囲であれば、特に限定されない。
【0026】
熱間圧延後は、常法に従い、製品板とする。
すなわち、無方向性電磁鋼板については、熱延板をそのまままたは熱延板焼鈍後、冷間圧延を施したのち、再結晶焼鈍を施して製品板とする。また、再結晶焼鈍後、3〜15%の圧下を施すセミプロセス材への適用も可能である。
一方、方向性電磁鋼板については、1回または2回以上の冷間圧延を施した後、脱炭・一次再結晶焼鈍を施し、ついで焼鈍分離剤を塗布してから、2次再結晶焼鈍を含む最終仕上げ焼鈍を施して製品板とする。
【0027】
【実施例】
実施例1
C:0.0019wt%、Si:0.55wt%、Mn:0.25wt%、Al:0.001 wt%およびP:0.08wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる無方向性電磁鋼スラブ(鋼A;厚み 220mm)ならびにC:0.0020wt%、Si:0.56wt%、Mn:0.25wt%、Al:0.08wt%およびP:0.02wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる無方向性電磁鋼スラブ(鋼B;厚み 220mm)をそれぞれ、通常のガス燃焼型加熱炉にて1120℃に加熱後、熱間粗圧延を行って厚み:35mmのシートバーとしたのち、巻取り開始径:80cmでコイルに巻取り、保熱後、巻戻して仕上げ圧延を行い、厚み:2.0 mmの熱延コイルとした。
【0028】
上記の熱間圧延において、粗圧延最終スタンドのロール表面粗さを種々に変化させた。また、シートバーコイリング時間(巻取り開始から巻戻し終了までの時間)は 180sと一定にする一方、巻取り温度は種々に変化させた。
その後、熱延コイルに酸洗処理を施して、脱スケール性を調査した後、0.5 mmまで冷間圧延し、しかるのち 820℃, 17sの仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた製品板の磁気特性について調査した結果を、脱スケール性の調査結果と共に、表1に示す。
なお、脱スケール性は、酸洗後のコイル長手方向のスケール残存量をチェックし、コイル全長に対する長手方向の残留スケール長さ割合で評価した。
【0029】
【表1】
Figure 0003903494
【0030】
同表から明らかなように、シートバーコイリング温度が1150℃以下、 900℃以上であっても、粗圧延最終スタンドのロール表面粗さを所定の範囲に調整した場合には、良好な脱スケール性が得られている。勿論、磁気特性も良好である。
【0031】
実施例2
上掲した鋼Aおよび鋼B(いずれも厚み 220mm)をそれぞれ、通常のガス燃焼型加熱炉にて1080℃に加熱後、熱間粗圧延を行って厚み:35mmのシートバーとしたのち、巻取り開始径:80cmでコイルに巻取り、保熱後、巻戻して仕上げ圧延を行い、厚み:2.0 mmの熱延コイルとした。
上記の熱間圧延において、粗圧延最終スタンドのロール表面粗さを種々に変化させた。また、巻取り温度は1000℃の一定にする一方、シートバーコイリング時間については種々に変化させた。
その後、熱延コイルに酸洗処理を施して、脱スケール性を調査した後、0.5 mmまで冷間圧延し、しかるのち 820℃, 17sの仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた製品板の磁気特性について調査した結果を、脱スケール性の調査結果と共に、表2に示す。
【0032】
【表2】
Figure 0003903494
【0033】
同表から明らかなように、巻取り時間が10分以内であっても、粗圧延最終スタンドのロール表面粗さを所定の範囲に調整した場合には、良好な脱スケール性が良好な磁気特性と共に得られている。
【0034】
実施例3
C:0.05wt%, Si:3.3 wt%, Mn:0.08wt%, Se:0.015 wt%、Al:0.025 wt%およびN:0.008 wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる方向性電磁鋼板用スラブ(板厚:220 mm)を、通常のガス燃焼型加熱炉にて1200℃に加熱後、誘導加熱式電気炉にて1410℃に高温加熱したのち、熱間粗圧延を行って30mm厚のシートバーとした。ついで、巻取り開始径を1.8 mmとしてシートバーコイリングを行ったのち、仕上げ圧延によって板厚:2.0 mmの熱延板コイルとした。
この時、粗圧延機のロール表面粗さ、巻取り温度およびシートバーコイリング時間を種々に変化させた。
ついで、熱延板焼鈍後、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって0.23mmの最終板厚に仕上げた。その後、湿潤雰囲気中で脱炭・一次再結晶焼鈍を施したのち、MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、乾水素雰囲気中で1200℃、10時間の最終仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた製品板の磁気特性について調査した結果を、脱スケール性の調査結果と共に、表3に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0003903494
【0036】
同表から明らかなように、この発明に従う条件で製造した場合はいずれも、脱スケール性および磁気特性とも良好な方向性電磁鋼板を得ることができた。
【0037】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、熱間圧延工程においてシートバーコイリングを実施する場合であっても、脱スケール性の劣化に起因した外観不良を招くことなしに磁気特性に優れた電磁鋼板を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱スケール性に及ぼすロール表面粗さの影響を示した図である。

Claims (1)

  1. C:0.1 wt%以下、Si:4.5 wt%以下およびMn:2.5 wt%以下を含有する電磁鋼板用スラブを、1100℃を超える温度に加熱し、熱間粗圧延後、得られたシートバーをコイルに巻取り、ついで巻戻しつつ仕上げ圧延を行う熱間圧延工程、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板厚とする冷間圧延工程、および必要に応じて次再結晶焼鈍を含む再結晶焼鈍によって製品に最終磁性を発現させる磁性処理工程からなる一連の工程によって電磁鋼板を製造するに際し、
    熱間粗圧延における最終スタンドのワークロールの表面粗さをRmax で 0.1〜100 μm にすると共に、
    コイルの巻取り巻戻しを、巻取り温度:900 〜1180℃、巻取り開始から巻戻し終了までの時間:10分以内の条件下で行うことを特徴とする電磁鋼板の製造方法。
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