JP3903244B2 - シート状弾性体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シート状弾性体の製造方法に関し、更に詳細には、電子機器や精密機器等のガスケットまたはパッキン等といったシール材として好適に使用され、所定の形状保持性を与える共に、該形状保持性を発現するフィルムを50μm未満として極めて薄い厚さを実現し得るシート状弾性体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、携帯電話、電子機器やその他精密機器等では、本体と上蓋との間等にガスケットを介在させ密閉させてその内部に微細なほこり等が入り込まないように、また液晶等のディスプレイ部分の場合にはバックライトの光漏れが起こらないように製造されている。そして近年の前記携帯電話等の高機能化および軽量化の要請から、本体部だけでなく、前記ガスケット等の補助部材についても極めて小さく薄いものが要求されている。このような物性を達成する材質として各種シート状弾性体が挙げられるが、一般にシート状該弾性体を構成する素材としては、優れた柔軟性を有するポリウレタンフォームやシリコーンゴムフォームに代表される各種発泡体またはソリッドシリコーンゴム等の弾性基体が使用されている。
【0003】
しかし前述のような特徴を有するシート状弾性体は、クッション性、シール性、柔軟性および凹凸面等への形状追従性には優れる一方で、薄くて柔らかいため剛性に乏しい、すなわち形状保持性が低く、例えば図7に示すような表面筐体52および裏面筐体54内に収容される液晶表示部56が、透明保護部58で覆われた携帯電話50における該液晶表示部56と表面筐体52との間に対応したシール材40として使用する場合、その形状は厚さ0.5mm、幅1mmで縦×横の寸法が30mm×40mm程度の所謂窓枠形状に加工されるが、製造の際や、該携帯電話50への取付等の際に剛性が乏しいため、切れるまたは裂けると云った物理的な問題が多発している。このため実際の使用に際しては、前記シール材40の片面または両面に対して、樹脂シートまたは金属シート等の強化材を粘着テープ、粘着剤または接着剤等の接着手段を使用して接合させる等による構造的な強化が必要であった。
【0004】
しかし前記シール材40は前述の如く厚さが薄いため、製造後の、例えば巻き取り等による回収が非常に困難であり、また回収後の該シール材40と樹脂シートまたは金属シート等の強化材との接合についても、同様に該シール材40の弱い構造的強度のため、非常に時間、手間のかかるものとなってしまい、その結果、製造コストを悪化させる欠点を内在している。更に前述の粘着テープ、粘着剤または接着剤等の接合部材を使用した場合には、電子機器作動時の発熱により該接合部材から、例えばアルコール類等の有機溶剤蒸気が発生してしまい、この蒸気によって内部部品にトラブルが発生する問題も内在する。
【0005】
前述の問題を解決するため本願出願人は、特開平9−254293号公報に記載の「シール材及びその製造方法」や、特開2001−100216号公報に記載の「ガスケット」等を案出している。
【0006】
特開平9−254293号公報では、第1の発泡体層、強化層及び第2の発泡体層が、この順に積層されてなり、且つ該強化層と、該第1の発泡体層及び該第2の発泡体層とが直接接合され、充分なシール性と形状保持性とを両立するシール材およびその製造方法が開示されている。また特開2001−100216号公報では、所定の物性と弾性とを有する発泡体からなる基体の片面にプラスチックフィルムを固着させることで、防塵性や遮光性およびガタツキ防止性を損なうことなく、形状保持性および貼り付け作業性等を向上させるガスケットが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−254293号公報に記載の「シール材及びその製造方法」におけるシール材40の基となるシール部材41は、図8に示す如く、第1の発泡体層44および第2の発泡体層46と、2つの該発泡体層44,46の間に介挿される層状の強化材48とからなり、該強化材48として、ステンレス鋼箔、アルミニウム箔等の金属箔或いはポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドまたはポリ塩化ビニル等の汎用樹脂からなるフィルムが使用されており、図9に示すような製造装置58により製造されている。
【0008】
前記製造装置58による製造方法の概略を説明すると、前記強化材48の一面側に第1の弾性基体原料層42を形成し、次いで該強化材48と該第1の弾性基体原料層42とからなる2層の積層体における該強化材48の他面側に第2の弾性基体原料層43を形成し、該第1の弾性基体原料層42および第2の弾性基体原料層43を該強化材48の上面および下面に接触させたままトンネル式加熱炉等により反応・硬化させて、夫々第1の発泡体層44および第2の発泡体層46とし、該第1の発泡体層44、前記強化材48および第2の発泡体層46を積層させる。
【0009】
すなわち前述の構造および製造方法により、
▲1▼前記第1の弾性基体原料層42および第2の弾性基体原料層43を別々に形成する必要があり、製造装置の構造および製造工程が煩雑となる、
▲2▼前述の携帯電話、電子機器やその他精密機器のシール材には、前述の如くより薄いことが求められるが、前記強化材48の両側に発泡体層44,46を配置しているため、厚さ寸法の精度を保持したままより薄くすることが困難である、
といった問題が指摘される。
【0010】
また特開2001−100216号公報に記載の「ガスケット」は、別途作製した前記基体およびプラスチックフィルムを接着剤等の接着手段で固着する、または該プラスチックフィルムの蛇行や皺を防止するべく所定のテンションをかけて供給される該プラスチックフィルム上に基体原料を供給し、加熱等を施し該プラスチックフィルムおよび基体を一体化することによりなされるが、構造的強度を発現させる前記プラスチックフィルムの材質として、所定の強度があり、安価であると共に、固着された基体の動きに対して柔軟に対応して追従し得るポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂が好適に使用されていることから、以下の難点を内在している。
【0011】
すなわち、別途作製した前記基体およびプラスチックフィルムを接着剤等の接着手段で固着する場合には、▲3▼該接着剤付与等の別工程が必要となる他、前述の如くガスケットの使用に際して該接着剤から発生する有機溶剤蒸気等によって内部の部品にトラブルを引き起こす畏れがある。
【0012】
また所定のテンションをかけて供給される前記プラスチックフィルム上に基体原料を供給し、加熱等により該プラスチックフィルムおよび基体を一体化する場合には、前述した製造工程の簡略化および有機溶剤蒸気によるトラブル等が回避される一方、▲4▼該プラスチックフィルムの材質が熱可塑性樹脂であるため、該フィルムおよび基体の一体化時にかかる加熱およびテンションの同時負荷による該フィルムの軟化により、該フィルムに収縮や伸びまたは皺等が発生してしまい、その結果、良好な製品を得ることができない。これは前記フィルムは所定以上の加熱下においては、形状耐熱性が乏しいという物性的な問題によるものである。
【0013】
更に前述の▲4▼に係る問題を克服するために、低温で加熱を長時間施すことによって前記基体を成形し、熱可塑性樹脂であるプラスチックフィルムに負担をかけないようにする方法が考えられるが、この場合、ラインスピード、すなわち製造スピードを落とさなければならず、製造コストが増大してしまう。一方、トンネル式加熱炉等の加熱装置を長くすることで、前述の製造スピード低下は回避できるが、この場合、場所の確保および設備投資等の莫大な初期コストが必要となる。
【0014】
また前述の低温加熱による方法を導入した場合、基体の原料の加熱タイミングがズレてしまい、該原料がたれてしまう等の問題が発生して厚さ方向の寸法精度が大きく狂ってしまう欠点も指摘される。
【0015】
その他、加熱負荷をそのままにして、超低テンション状態でガスケットを製造する方法も考えられるが、該超低テンションを達成する制御装置等は一般に高価であり初期コストが嵩んでしまうため現実的ではない。また超低テンション制御装置を導入した場合であっても、前記プラスチックフィルムのたるみ、蛇行等の製造時の不具合は防止しきれず、やはり良好な製品が得られない問題を内在している。
【0016】
【発明の目的】
この発明は、従来の技術に係るシート状弾性体の製造方法に内在していた問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、内部に構造保持性、すなわち形状保持性を高めると共に、極力薄い構造強化フィルムを使用する際に、該構造強化フィルムと製造時に原料等の運搬の役割を担うキャリアフィルムとを、その合計厚さが50μmとなるように積層して製造することで該構造強化フィルムに形状耐熱性を与え、シール性等の弾性体特性と形状保持性等のフィルム特性とを併有すると共に、該フィルムを極力薄くしたシート状弾性体の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明に係るシート状弾性体の製造方法は、連続的に供給される熱可塑性樹脂のキャリアフィルムに、同じく熱可塑性樹脂で厚さが4μm以上50μm未満の範囲とされる構造強化フィルムを連続的に供給して密着状態に積層させ、
前記連続供給の過程で弾性基体原料を前記構造強化フィルムに上方から供給し、
前記供給された弾性基体原料の反応および硬化を進行させることで、前記構造強化フィルム上に所定厚のシート状弾性基体を形成し、
積層状態にある前記シート状弾性基体と構造強化フィルムとが固着した後に、該構造強化フィルムの下層となっている前記キャリアフィルムを剥離することで、該シート状弾性基体と構造強化フィルムとが積層されたシート状弾性体を製造するようにしたことを特徴とする。
【0018】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の別の発明に係るシート状弾性体の製造方法は、熱可塑性樹脂で厚さが4μm以上50μm未満の範囲とされる構造強化フィルムおよび同じく熱可塑性樹脂のキャリアフィルムは、別工程で予め密着状態に積層され
前記連続供給の過程で弾性基体原料を前記構造強化フィルムに上方から供給し、
前記供給された弾性基体原料の反応および硬化を進行させることで、前記構造強化フィルム上に所定厚のシート状弾性基体を形成し、
積層状態にある前記シート状弾性基体と構造強化フィルムとが固着した後に、該構造強化フィルムの下層となっている前記キャリアフィルムを剥離することで、該シート状弾性基体と構造強化フィルムとが積層されたシート状弾性体を製造するようにしたことを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の更に別の発明に係るシート状弾性体の製造方法は、熱可塑性樹脂のキャリアフィルムに、同じく熱可塑性樹脂で厚さが4μm以上50μm未満の範囲とされる構造強化フィルムが少なくとも2層で積層され、該キャリアフィルムと構造強化フィルムとが密着状態となっている積層体の連続供給の過程で、弾性基体原料を最も上方に配置されている前記構造強化フィルムに上方から供給し、
前記供給された弾性基体原料の反応および硬化を進行させることで、最も上方に配置されている前記構造強化フィルム上に所定厚のシート状弾性基体を形成し、
積層状態にある前記シート状弾性基体と最も上方に配置されている構造強化フィルムとが固着した後に、他の構造強化フィルムを前記キャリアフィルムと共に剥離することで、該シート状弾性基体と構造強化フィルムとが積層されたシート状弾性体を製造し、
次いで残った前記他の構造強化フィルムとキャリアフィルムとの積層体を用いて、上述した前記弾性基体原料を供給・反応・硬化させて得たシート状弾性基体と最も上方に配置されている構造強化フィルムとが固着した後に、他の構造強化フィルムをキャリアフィルムと共に剥離する一連の工程を、該積層体をなす構造強化フィルムが使い尽くされるまで繰り返すようにしたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施例に係るシート状弾性体の製造方法につき、好適な実施例を挙げて、以下説明する。本願の発明者は、シート状弾性体を製造する際に、該シート状弾性体にこし、すなわち形状保持性を与える50μm未満の構造強化フィルムを付与する際、該構造強化フィルムが製造中に加えられる熱およびテンションに耐えられるように、該構造強化フィルムに対して合計厚さが50μm以上となるキャリアフィルムと積層させ(例えば構造強化フィルムの厚さが4μmならば、キャリアフィルムに必要とされる厚さは46μm以上)、この積層された該構造強化フィルム上に前記シート状弾性体の基体部分となるシート状弾性基体を一体的に成形した後に該キャリアフィルムを分離させることで、携帯電話等に好適に使用し得るシール材等として最適なクッション性、シール性、柔軟性、形状追従性、形状保持性およびμm単位で厚さを低減し得ると共に、良好な外観等を有する商品性の高いシート状弾性体が得られることを知見したものである。
【0020】
実施例に係るシート状弾性体10は、図1に示す如く、所要のクッション性、シール性、柔軟性および形状追従性等の各物性を達成する弾性体からなるシート状弾性基体12と、このシート状弾性基体12の片面に積層された構造強化フイルム14とから基本的に構成される。
【0021】
前記シート状弾性基体12としては、シール材としての使用を考慮し、防塵および光漏れ等の機能を長期間に亘って維持し得る、すなわち材質的にヘタリおよび発生ガス(移行性)が少なく、かつ物性的に硬度が低い、例えばウレタンフォーム、シリコーンゴムフォーム等の発泡体またはソリッドシリコーンゴムの如きゴム材料が好適に採用される。
【0022】
その際、前記シート状弾性基体12の硬度は、発泡体またはソリッドゴム材料において、夫々25%圧縮時の硬度が0.35MPa以下またはアスカーA硬度計による測定で20°以下に設定されると好ましい。前記発泡体またはゴム材料の硬度が前述の値を超える場合には、シール材としての使用が困難となる。具体的には実際に使用機器に組み込まれて使用される際に、シールすべき筐体等に過大な負荷が常時かかってしまい、その結果該筐体に歪み、割れまたはカケ等の物理的な欠陥を生じさせる畏れがある。このような物性的な点から、シート状弾性基体12としては、基本的に従来技術として公知であるメカニカルフロス(mechanical fothing(機械的泡立て))により作製された低硬度のポリウレタン発泡体が好適である。
【0023】
前記メカニカルフロス法により作製されるポリウレタン発泡体は、材質的にヘタリが少なくかつ発生ガスが少ない(移行性が少ない)というポリウレタンフォームが有する利点と、方法的に形成セルが微細であり防塵および光漏れ防止性能が高いというメカニカルフロス法の採用により発現する利点とを併有している。この他に材質的には、前述の移行性が少ないポリエチレンフォームまたはゴムスポンジ等も利用可能であるが、長尺性、低発生ガス性および圧縮永久歪み等の点で前記ポリウレタンフォームに劣る点に留意が必要である。
【0024】
前記メカニカルフロス法については、例えば特公昭53−8735号公報にその内容が記載されているので詳細は割愛するが、基本的には主原料であるポリオールおよびイソシアネート成分からなる2液性のウレタン原料に対して、副原料である触媒、整泡剤、発泡剤、可塑剤およびフィラー等を適宜添加し、更に窒素等の造泡用気体を混合し、更にオークスミキサ等により混合攪拌することで弾性基体原料Mを得るものである。そして得られた弾性基体原料Mは、所定の成形型または後述する製造装置30([0032]に後述)等を使用してシート状弾性体10にされる。
【0025】
前記ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはポリジエン系ポリオール等が使用され、これらのポリオールは単独または2種類以上を併用した形で使用される。また前記イソシアネート成分としては、トルエンジフェニルジイソシアネート(TDI)、TDIプレポリマー、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、クルードMDI、ポリメリックMDI、ウレトジオン変性MDIまたはカルボジイミド変性MDI等が使用される。
【0026】
作製されるべき前記シート状弾性基体12は、その厚みが0.1〜5.0mmに設定される。この厚みが0.1mm未満の場合には充分な弾力性、すなわち充分なシール性を発現することが困難となり、一方5.0mmを超える場合には厚過ぎて巻き取り等による回収時の巻き取り効率が低下し、その結果、製造効率が悪化する等の畏れがあるためである。また前記シート状弾性基体12の長さとしては5m以上の長尺品であることが好ましく、この場合製造されるシート状弾性体10を所要形状に加工する、打ち抜き等の加工の連続実施が可能となるため、生産効率の向上による製造コストを低減が期待できる。
【0027】
前記構造強化フィルム14は、前記シート状弾性基体12に剛性を持たせて製造時や使用時における該基体12の裂けまたは破れといった物理的な損傷を防止し、所謂形状保持性を高めるものである。その材質としては、前記シート状弾性基体12と積層された基体の動きに対して柔軟に対応して追従し得る、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の如きポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド、ポリアミド、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)またはEPM(エチレンプロピレン共重合体)等の熱可塑性樹脂が好適に使用される。またその厚みは、前記シート状弾性基体12に必要な剛性、すなわち形状保持性を持たせ、かつμm単位で薄くされ、具体的には4〜50μmに設定される。
【0028】
前記構造強化フィルム14は、熱可塑性樹脂であるため前述の如く形状体熱性、すなわち加熱下でテンションをかけると熱により軟化し、収縮、伸びまたは皺等の形状上の問題が生じる。この現象は、その厚さが充分でないことにも起因しているため、この点を回避すべく製造時においては、後述するキャリアフィルム16が積層された状態で使用される。このときの前記キャリアフィルム16の条件は、前記構造強化フィルム14と積層されることでその合計厚さが、前述の形状耐熱性を充分に発現し得る50μm以上となる厚さを有することであり、例えば該構造強化フィルム14の厚さが4μmである場合、該キャリアフィルム16の厚さは少なくとも50−4=46μmとなる。
【0029】
前記キャリアフィルム16は、前記構造強化フィルム14に積層されることで、一層のフィルムとして物性を発現して前述の形状耐熱性等を確保するものであるので、該構造強化フィルム14に対して極めて密着性が高い等の物性を有する材質、すなわち同一材質の採用が好適である。もちろん後述する前記キャリアフィルム16および構造強化フィルム14の積層方法によって充分な密着状態となる材質であれば、如何なる材質のものでも採用可能である。
【0030】
【製造装置および製造方法】
次に、本実施例に係るシート状弾性体10の好適な製造装置と、該製造装置を用いた製造方法を以下説明する。なお原料となる弾性基体原料M、構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16が準備されており、メカニカルフロス法によって長尺のシート状弾性体10が製造されるものとする。
【0031】
前記シート状弾性体10の製造は、図2に示すように原料準備工程S1、積層体準備工程S2、成形工程S3、キャリアフィルム除去工程S4および最終工程S5から基本的に構成され、図3に示す製造装置30により好適に製造される。前記製造装置30は、基本的に前述の積層体準備工程S2、成形工程S3、キャリアフィルム除去工程S4および最終工程S5を連続的に実施するものであり、前記原料準備工程S1は別の装置で実施し、該積層体準備工程S2についても後述するような別の装置で実施する場合もある。なお前記原料準備工程S1については、製造すべき弾性体の原料およびその混合組成によって、適宜好適な従来公知等の方法により弾性基体原料Mを準備する工程であり、詳細な説明については省略すると共に、後述の実験例([0049])で一例を挙げている。
【0032】
(製造装置概略)
前記製造装置30は、メカニカルフロス法によりシート状弾性体10を製造する装置であり、前記弾性基体原料Mを移送するため図示しない駆動源により駆動される2つの供給ロール32a,32aおよび製品回収ロール32bからなるロール機構32と、構造強化フィルム14上に該弾性基体原料Mを供給する吐出ノズル34と、該吐出ノズル34の下流側に設置され、供給された弾性基体原料Mを所定厚さのシート状とする製品厚制御手段36と、その下流側に設けられ所定長さのトンネル式加熱炉38と、更に下流側に配置される回収ロール33とから基本的に構成される。すなわちこの製造装置30を使用することで、コーティング等により成形される前記シート状弾性基体12と、構造強化フィルム14とを積層させた長尺のシート状弾性体10が連続的に得られる。
【0033】
前記ロール機構32は、基本的に前記構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16に対して所定のテンションをかけつつ製造ラインに供給・回収する機構である(具体的には、前記構造強化フィルム14には上方の供給ロール32aおよび製品回収ロール32bによりテンションがかけられつ連続的に供給され、キャリアフィルム16には下方の供給ロール32aおよび回収ロール33によりテンションがかけられつ連続的に供給される)。前記ロール機構32を構成する供給ロール32a,32aには、夫々構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16が巻き付けられており、一対の温熱ロール31,31(後述[0038])により積層された後に製造ラインに供給される。
【0034】
前記吐出ノズル34は、積層されて所定のテンションをかけた状態で移送される構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16の上方に配置される該構造強化フィルム14上に弾性基体原料Mを制御下に供給するものであり、一端が図示しない該弾性基体原料Mの混合・貯留装置に接続されている。
【0035】
前記製品厚制御手段36は、前記構造強化フィルム14上に吐出供給された弾性基体原料Mを所定厚さのシート状物とするものであり、具体的にはロールコーターまたはナイフコーター等の従来公知の手段が採用される。なおこの際、前記弾性基体原料Mの製品厚精度が問題となるが、該弾性基体原料Mの土台となる前記構造強化フィルム14は、前述のようにキャリアフィルム16と共に積層状態とされ、所定の形状耐熱性を発現した極めて形状変動が少ない状態で該土台として使用されるため、該製品厚は充分な精度を達成し得る。なお前記コーターとして、ロールコーター等を使用した場合、該コーターの外周面に所要の模様形状の凹凸を施すことで、得られる前記シート状弾性基体12の表面に対して、該模様を転写することが可能となり、意匠性を付加することで商品力を向上させ得る。
【0036】
前記トンネル式加熱炉38は、所定厚さとされた弾性基体原料Mに制御下に加熱を施して反応・硬化を進行させてシート状弾性基体12とするためのものであり、この他該シート状弾性基体12を充分に反応・硬化させ得るものであれば、如何なるものでも採用可能である。またこの際、前記弾性基体原料Mは前記構造強化フィルム14上にあって反応・硬化されるため、該弾性基体原料Mおよび前記構造強化フィルム14は強固に積層・一体化される。
【0037】
前記回収ロール33は、前記トンネル式加熱炉38の下流側に配置され、前記供給ロール32a(下方)と対になることで、前記キャリアフィルム16に所定のテンションを与えると共に、前記シート状弾性体10から該キャリアフィルム16を除去・回収する役割を担う。なおここで前記回収ロール33に巻き取られたキャリアフィルム16は、再び前記構造強化フィルム14との積層に再使用が可能であり、殊に該回収ロール33と前記供給ロール32a(下方)とを同一寸法等にすることで、製造装置上も容易に可能である。
【0038】
(積層体準備工程S2について)
また本製造装置30の場合、前記積層体準備工程S2を実施、すなわち構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16の積層体を得る一対の温熱ロール31,31が前記ロール機構32の上流側に設置されている。
【0039】
前記構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16の積層については、静電力、コロナ処理、超音波または温熱等による圧着といった粘着剤または接着剤等の接着手段を使用しない方法により実施される、この他、最終製品の使用形態に応じて、例えば精密機器等の周辺に使用されない場合であれば、少量の粘着剤または接着剤等の接着手段による微粘着等の方法も採用可能である。
【0040】
なお前記構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16については、弾性基体原料Mの供給位置上流側で連続的に積層しつつ供給するのではなく、別の積層装置で予め積層させておくようにして、前記製造装置30に対して連続的に供給するようにしてもよい。
【0041】
また前記構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16の積層を、例えばコロナ処理により実施する際に、該処理を前記構造強化フィルム14側に実施した場合には、その後のアッセンブリー用に両面粘着シート等を貼り付ける際に、未処理の該フィルム14に比べて接着性が向上する利点がある。また積層に先立つ処理を前記キャリアフィルム16側に実施した場合には、該キャリアフィルム16に再び新たな構造強化フィルム14を積層させる再使用に際して、何等の前処理なしの繰り返し使用が可能となる効果が期待できる。
【0042】
(成形工程S3について)
前記ロール機構32には、吐出される前記弾性基体原料Mの土台となると共に、完成時に形状保持性を発現する構造強化フィルム14と、該構造強化フィルム14と積層されることで合計厚さが50μm以上とされるキャリアフィルム16とを温熱ロール31,31を介して圧着して積層状態として、該ロール機構32と平行となるよう連続的に供給されている。そして更に下流側では、前記吐出ノズル34から前記弾性基体原料Mが、前記構造強化フィルム14の上方に供給される。
【0043】
そして供給された前記弾性基体原料Mは、前記製品厚制御手段36により所定の厚さにならされ、その後、前記トンネル式加熱炉38を通過する際に所定の温度に昇温、一定時間保持されることで、前記構造強化フィルム14上で反応および硬化が進行され、その結果、前記シート状弾性基体12および構造強化フィルム14が一体的に積層・固着されたシート状弾性体10が形成されることになる。
【0044】
(キャリアフィルム除去工程S4および最終工程S5)
そして得られた前記シート状弾性体10からは、前記回収ロール33によりキャリアフィルム16が分離除去されて完成品となる。そして完成品となった
前記シート状弾性体10は、前記製品回収ロール32bにより回収されることで製造が終了する。なお前記製品回収ロール32bに回収せず、連続的に所定形状への打ち抜き加工およびその他検査等を実施等をし、シール材等の各種最終製品としてもよい。
【0045】
(まとめ)
すなわち前記構造強化フィルム14はシート状弾性体10の完成時においては、数μmでも薄い方が結果的に得られる該シート状弾性体10の厚さを薄くすることができるが、経験的にその厚みが50μm未満であると前述の如く、製造時にかかる温度およびテンションによって問題となる形状耐熱性の低さにより該構造強化フィルム14が軟化してしてしまい、結果として収縮、伸びまたは皺等といった形状耐熱性に係る不具合が発生して良好な製品が得られ難い。しかし、図4に示す如く、前記シート状弾性体10を構成せず、前記シート状弾性基体12および構造強化フィルム14の製造時のキャリアとしての役割を果たすキャリアフイルム16を予め前記構造強化フィルム14と積層させることで(図4(b)参照)、合計厚さを50μm以上として加熱等の必要な工程を実施し、その後該キャリアフィルム16だけを積層状態とされている該構造強化フィルム14から分離させて除去することにより(図4(c)参照)、厚さの薄い該構造強化フィルム14が積層的に固着された良好なシート状弾性体10を製造し得るものである。
【0046】
また前述のように、製造において前記構造強化フィルム14およびキャリアフイルム16が積層され、見かけ上1枚のフィルムとして機能するので、製造装置におけるキャリアの役割および構造強化材の役割を得られるシート状弾性体10の厚さ寸法を高い精度で達成すると共に、これまで使用されてきたノウハウの蓄積された製造条件を使用して製造効率を容易に向上させ得る利点もある。
【0047】
更に前記弾性基体原料Mが構造強化フィルム14上で反応・硬化する際に、同時に接着もなされるのでその接着強度は強く、また別工程を用いて製造する手間も省ける。
【0048】
【別の製造方法】
前述の製造方法では、1枚の50μm未満の前記構造強化フィルム14と、該構造強化フィルム14と積層されることで合計厚さが50μm以上とされるキャリアフィルム16とが積層することで製造に供している例を説明したが、図5に示すように複数枚の構造強化フィルム14とキャリアフィルム16との積層体を利用し、図6に示すような製造形態とすることで、複数回、すなわち積層体を構成する複数の該構造強化フィルム14が使い尽くされるまで繰り返し使用し(例えば5枚の構造強化フィルム14とキャリアフィルム16とを積層させた場合、計5回の使用が可能となる)、製造工程における前記積層体作製工程S2を事実上省略して製造工程の簡略化を図った製造方法も採用可能である。
【0049】
【実験例】
以下に、本発明に係るシート状弾性体を携帯電話のシール材として使用した際の優位性を表す実験例を示す。本実験に使用されたシート状弾性体は前記製造装置30を使用して以下の手順で製造した。
【0050】
(製造方法)
・原料準備工程S1
▲1▼ポリエーテルポリオール(平均分子量3000、水酸基価43.0)100重量部に対して、金属触媒(スタナスオクトエート)を0.1重量部およびシリコーン整泡剤を3重量部混合して連続的にミキシングヘッドに流入させる。
▲2▼そしてこのミキシングヘッドに流入する直前に前述の混合物に対して、0.1NL/分の流量で造泡用気体としての窒素と、イソシアネートインデックスが0.9〜1.1となるように設定されたポリイソシアネート(クルードMDI、NCO含有量:31%)とを流入させて該ミキシングヘッドで混合させて弾性基体原料Mを得る。
【0051】
・積層体準備工程S2
▲3▼別工程において、150℃の条件で一対の温熱ロール31,31を使用し、所定厚さの構造強化フィルム14およびキャリアフィルム16から積層体を得て供給ロール32aにセットする。
【0052】
・成形工程S3
▲4▼前記弾性基体原料Mに対して、ミキサ等による混合・剪断を実施した後、ロール機構32上に29.4〜98.1N(3〜10kgf)(テンションをかける対象物が1000mm幅の場合)程度のテンションをかけられた状態で前記供給ロール32aから連続的に供給されている前記積層体の構造強化フィルム14上に吐出ノズル34を介して、前記シート状弾性基体12の完成時密度が0.3g/cm3となるように供給し、該構造強化フィルム14、キャリアフィルム16および弾性基体原料Mの厚さを設定した製品厚制御手段36により、該弾性基体原料Mを所定の厚さに設定する。
▲5▼前記ロール機構32により、前記構造強化フィルム14上の弾性基体原料Mは、トンネル式加熱炉38内で条件150℃〜200℃、1〜3分間の加熱が実施され、反応および硬化が進行することで該構造強化フィルム14と一体的に積層したシート状弾性基体12からなるシート状弾性体10を得る。
【0053】
・キャリアフィルム除去工程S4および最終工程S5
▲6▼そして前記シート状弾性体10を構成する構造強化フィルム14に積層されているキャリアフィルム16を、回収ロール33により該構造強化フィルム14から分離させて除去すると共に、除去後のシート状弾性体10を製品回収ロール32bに回収する。
【0054】
前述の組成および製造方法により、下記の表1に記載された条件の実験例および比較例に係るシート状弾性体の試験体を夫々作製し、各試験体について単位面積あたりの重量(mg/cm2)、引張強度(MPa)および衝撃吸収性(落下試験;後述[0055])を夫々測定・評価すると共に、製品外観について目視にて○×で評価した。なお構造強化フィルムおよびキャリアフィルムとして、密度1.4g/cm3のPETフィルムを使用した。
【0055】
(衝撃吸収性の評価方法について)
本部品を携帯電話の液晶硝子(LCD)クッション材として組み付けて、1.5mの高さから地面に繰り返し落下させて、該LCDが割れるまでの回数をカウントして、その回数により衝撃吸収性を評価した。すなわち回数が多いほど衝撃吸収性は高いと評価される。
【0056】
【表1】
【0057】
(結果および評価)
得られた結果を表1の併記した。比較例1に係る試験体の結果、すなわち従来品の結果と比較することで、本発明に係るシート状弾性体の特性が明らかになっている。すなわち、実施例1は、シート状弾性体(製品全体)としての厚さを変化させない場合であるが、構造強化フィルムの厚さが0.05から0.004に減少した分だけシート状弾性基体の厚さが増加している。このため衝撃吸収性が大きく向上していることが確認され、単位面積あたりの重量も減少している。また実施例2は、構造強化フィルムの厚さだけを減少させて、その分だけシート状弾性体(製品全体)としての厚さを減少させた場合であるが、この場合、衝撃吸収性は殆ど変化せずシール性等が従来品と同等に確保されている一方で、厚さおよび単位面積あたりの重量を大きく減少させている。なお何れの実験例についても、引張強度および製品外観は従来品と比較して遜色のない、製品として充分に使用し得る水準であることが確認された。
【0058】
前述の実験例2に準じた条件で、実験例に係る試験体を製造する際に使用する構造強化フィルムおよびキャリアフィルムとして、該構造強化フィルムを複数枚積層された(前述の別の製造方法([0048]記載))積層体を使用して繰り返し該実験例2と同様のシート状弾性体を量産した。その結果、得られる個々のシート状弾性体から得られる測定結果は、前述の実験例2の測定結果とほぼ同一であり優れた製造再現性が確認された。
【0059】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係るシート状弾性体の製造方法によれば、構造強化フィルムと製造時に原料等の運搬の役割を担うキャリアフィルムとを、その合計厚さが50μmとなるように積層して製造を実施したので、充分なシール性等の弾性体特性と形状保持性等のフィルム特性とを併有すると共に、該フィルムを極力薄くしたシート状弾性体を得ることができた。
【0060】
また本発明に係るシート状弾性体の製造方法では、構造強化フィルムを従来より極めて厚さの薄いものとしたことにより、従来品に比べ、総厚みが同等な場合、弾性体部の割合が増すことにより、シール材として必要なクッション性や柔軟性、局面への追従性を向上させることができた。反対に従来品と弾性部の厚みを同等とした場合には、部品の薄肉化および軽量化を達成したシート状弾性体を製造し得る。
【0061】
更に構造強化フィルムが薄くなることにより、該構造強化フィルム側面も柔軟性が増加するので、両面に局面追従性を有するシート状弾性体を得ることができると共に、通常重さ単価でコストが決まる構造強化フィルムが薄くなることで、製造コストの低減も達成し得る。
【0062】
殊にガタツキ防止等の目的を兼ねるシール材として使用される場合には、シート状弾性基体の割合が増すことで、圧縮可能範囲が増加し、その結果、良好なガタツキ防止効果も獲得したシート状弾性体を製造し得る。
【0063】
前記構造強化フィルム複数枚と、キャリアフィルムとを容易に積層して、該構造強化フィルムが使い尽くされるまでシート状弾性体を量産することが可能となり、不要なキャリアフィルムおよび該構造強化フィルムおよびキャリアフィルムの積層準備工程をなくして製造効率を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施例に係る方法で製造されたシート状弾性体を一部切り欠いて示す概略斜視図である。
【図2】実施例に係るシート状弾性体の製造方法を示す工程図である。
【図3】実施例に係るシート状弾性体をメカニカルフロス法により製造する製造装置の一例である。
【図4】シート状弾性体を製造する際に使用する、シート状弾性基体、構造強化フィルムおよびキャリアフィルムの各工程での状態を概略的に示す状態図である。
【図5】別の製造方法に係るシート状弾性体を製造する際に使用される複数の構造強化フィルムおよびキャリアフィルムが積層した状態を示す概略断面図である。
【図6】別の製造方法に係るシート状弾性体を製造する際に使用する、シート状弾性基体、複数の構造強化フィルムおよびキャリアフィルムの各工程での状態を概略的に示す状態図である。
【図7】従来技術に係るシール材を使用した携帯電話を分解して示す概略図である。
【図8】従来技術に係るシール材を示す概略斜視図である。
【図9】従来技術に係るシール材を製造する製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
12 シート状弾性基体
14 構造強化フィルム
16 キャリアフィルム
M 弾性基体原料
Claims (6)
- 連続的に供給される熱可塑性樹脂のキャリアフィルム(16)に、同じく熱可塑性樹脂で厚さが4μm以上50μm未満の範囲とされる構造強化フィルム(14)を連続的に供給して密着状態に積層させ、
前記連続供給の過程で弾性基体原料(M)を前記構造強化フィルム(14)に上方から供給し、
前記供給された弾性基体原料(M)の反応および硬化を進行させることで、前記構造強化フィルム(14)上に所定厚のシート状弾性基体(12)を形成し、
積層状態にある前記シート状弾性基体(12)と構造強化フィルム(14)とが固着した後に、該構造強化フィルム(14)の下層となっている前記キャリアフィルム(16)を剥離することで、該シート状弾性基体(12)と構造強化フィルム(14)とが積層されたシート状弾性体を製造するようにした
ことを特徴とするシート状弾性体の製造方法。 - 連続的に供給される前記構造強化フィルム(14)およびキャリアフィルム(16)の密着状態への積層は、前記連続供給の過程で弾性基体原料(M)を該構造強化フィルム(14)に供給する上流側で、温熱ロール(31)によってなされる請求項1記載のシート状弾性体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂で厚さが4μm以上50μm未満の範囲とされる構造強化フィルム(14)および同じく熱可塑性樹脂のキャリアフィルム(16)は、別工程で予め密着状態に積層され、
前記連続供給の過程で弾性基体原料(M)を前記構造強化フィルム(14)に上方から供給し、
前記供給された弾性基体原料(M)の反応および硬化を進行させることで、前記構造強化フィルム(14)上に所定厚のシート状弾性基体(12)を形成し、
積層状態にある前記シート状弾性基体(12)と構造強化フィルム(14)とが固着した後に、該構造強化フィルム(14)の下層となっている前記キャリアフィルム(16)を剥離することで、該シート状弾性基体(12)と構造強化フィルム(14)とが積層されたシート状弾性体を製造するようにした
ことを特徴とするシート状弾性体の製造方法。 - 熱可塑性樹脂のキャリアフィルム(16)に、同じく熱可塑性樹脂で厚さが4μm以上50μm未満の範囲とされる構造強化フィルム(14)が少なくとも2層で積層され、該キャリアフィルム(16)と構造強化フィルム(14)とが密着状態となっている積層体の連続供給の過程で、弾性基体原料(M)を最も上方に配置されている前記構造強化フィルム(14)に上方から供給し、
前記供給された弾性基体原料(M)の反応および硬化を進行させることで、最も上方に配置されている前記構造強化フィルム(14)上に所定厚のシート状弾性基体(12)を形成し、
積層状態にある前記シート状弾性基体(12)と最も上方に配置されている構造強化フィルム(14)とが固着した後に、他の構造強化フィルム(14)を前記キャリアフィルム(16)と共に剥離することで、該シート状弾性基体(12)と構造強化フィルム(14)とが積層されたシート状弾性体を製造し、
次いで残った前記他の構造強化フィルム(14)とキャリアフィルム(16)との積層体を用いて、上述した前記弾性基体原料(M)を供給・反応・硬化させて得たシート状弾性基体(12)と最も上方に配置されている構造強化フィルム(14)とが固着した後に、他の構造強化フィルム(14)をキャリアフィルム(16)と共に剥離する一連の工程を、該積層体をなす構造強化フィルム(14)が使い尽くされるまで繰り返すようにした
ことを特徴とするシート状弾性体の製造方法。 - 前記構造強化フィルム(14)およびキャリアフィルム(16)は、静電力処理、コロナ処理、超音波処理または温熱処理等によって、密着状態に積層される請求項1〜4の何れか一項に記載のシート状弾性体の製造方法。
- 前記構造強化フィルム(14)およびキャリアフィルム(16)は、微粘着等の接着成分の使用により、密着状態に積層される請求項1〜4の何れか一項に記載のシート状弾性体の製造方法。
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