JP3902461B2 - 床材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎、壁、梁等の建築構造材で対向する2点の上面に設置し、架け渡される床材に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
建物、特に住宅を構築する際には、まず布基礎を構築し、構築した布基礎の上端面に台輪を敷き、この台輪上に床パネルや壁パネルを設置していくといったパネル工法が知られている。
このパネル工法の一例として、特開平8−93133号公報記載の床パネルが挙げられる。この技術における床パネルは、複数の芯材によって形成された方形状の枠体と、この枠体内に、枠体の長手辺と平行に所定間隔をあけて架け渡された2本の補強用芯材と、枠体および補強用芯材の上面に枠体を覆って貼り付けられた床仕上げ材とからなるものである。
このようにして、工場等で予め、床仕上げ材が貼り付けられた床パネルを製造することによって、現場で床仕上げ材を取り付ける作業を省け、床を構築すると同時に仕上げも完了することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特開平8−93133号公報記載の床パネルは、枠体内に2本の補強用芯材が架け渡され、この補強用芯材によって床パネルの強度が確保されており、通常、床パネルの強度はこれで十分であるが、前記補強用芯材は、枠体内に枠体の長手辺と平行に等間隔をあけて架け渡されているので、床パネルの幅方向中央部側と端部側とでは、同じ強度を有していた。
しかし、床パネルの幅方向端部側は、一般に、床パネルどうしを連結したり、他の部材とを接合するため、集中荷重を受けやすく、よって床パネルの幅方向端部側の強度を上げるとともに、近年、床パネル全体における強度もさらに高めることが望まれていた。
また、前記床パネルを製造するには、工場等で、まず、枠体を組み付けて、この枠体内に補強用芯材を設け、さらに枠体の上面に床仕上げ材を貼り付けるので、施工工程数が増え、施工期間の短縮化を図ることができなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、強度をより一層高めることができ、また、施工作業の簡略化および施工期間の短縮化を図ることのできる床材(床パネル)を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、例えば、図1に示すように、
基礎、壁、梁等の建築構造材で対向する2点の上面に設置し、架け渡される床材1であって、
木粉と樹脂とを含む押出し材を押出成形してなる板状の床材本体2と、該床材本体2の内部に、押出方向に延在するようにして設けられた複数の空洞3,…とを備え、
前記床材本体2の幅方向端部2aは、幅方向中央部2bより床厚が厚く、
前記床材本体2の下面は、幅方向において上に凸の曲面となっており、
前記床材本体2の幅方向端部2 a 側にある空洞3,3に、補強部材4,4が挿入され、
前記床材本体2の上面および下面は、該上面および下面に木目模様5が施されることによって仕上げ面とされていることを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、床材本体2と複数の空洞3,…とを備え、前記床材本体2の幅方向端部2aは、幅方向中央部2bより床厚が厚くなっているので、床材本体2の幅方向端部2aの強度を高めることができる。したがって、床材1,1どうしや、床材1と他の部材とを連結する場合に、床材本体2の幅方向端部2aに加えられる集中荷重に対して、高い補強性能を得ることができ、よって、床材1,1どうしや、床材1と他の部材とを確実かつ強固に連結することができる。
また、軽量化を図れるとともに、床材本体2の幅方向中央部2bにおいて、原料となる押出し材の量を減らすことができ、よって、コストの削減にもつながる。
【0007】
また、前記床材本体2および空洞3,…は、木粉と樹脂とを含む押出し材を押出成形してなるので、床材本体2の全体に木粉が含まれた木質感のある床材1とすることができる。さらに、従来と異なり、枠体を組み付けて、枠体内に補強用芯材を設け、その後、枠体の上面に床仕上げ材を貼り付けるといった面倒な作業を行うことなく、前記押出し材を押出成形することによって、容易に木質感のある床材1とすることができ、施工工程数および施工期間の短縮化を図ることができる。
前記床材本体2は、従来と異なり、木製ではなく木粉と樹脂とを含む押出し材から押出成形してなるので、木製とした場合に比して、押出方向において所望の長さに製造することができ、よって長スパンの床材1を提供することができるとともに、断面を様々な形状に成形できる。
【0008】
前記木粉としては、例えば、住宅等の建物を解体した際に排出される木質廃材、建物建築中に排出される端材、おが屑等の木質廃材を粉砕することによって得られる木粉や、木材、バカス、稲藁等の天然木材を粉砕することによって得られる木粉が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、食品等の包装に用いられた後回収されたトレー、食品コンテナ等の包装部材を粉砕することによって得られる樹脂や、天然木材から得られる樹脂等が挙げられる。すなわち、塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂等である。
【0009】
また、前記床材本体2の下面は、幅方向において上に凸の曲面となっているので、床材本体2の幅方向端部2aの床厚は、幅方向中央部2bの床厚よりも厚く形成され、よって、この点においても幅方向端部2aの強度を高めることができる。
また、前記床材本体2の幅方向中央部2bの床厚は、幅方向端部2aの床厚よりも薄くなるので、軽量化を図れるとともに、幅方向中央部2bにおいて、原料となる押出し材の量を減らすことができ、よって、コストの削減にもつながる。
さらに、例えば、このような床材1を2階以上の床に設置した場合には、床材本体2の下面のうちの幅方向中央部2bに照明6等を設置することができ、下の階7の天井高を高くとることができる(図2(a),(b)参照)。
【0010】
また、前記補強部材4は、床材本体2の幅方向端部2a側にある空洞3,3に挿入されているので、この補強部材4によって、床材本体2の幅方向端部2aの強度をより一層高めることができる。
【0011】
さらに、前記床材本体2の上面および下面は、木目模様5が施されることによって仕上げ面とされているので、このような床材本体2を設置することによって、上面および下面に木目模様5があらわれて、容易に木質感のある床とすることができる。つまり、例えば、このような床材1を2階以上の床に設置した場合には、下面にも木目模様5が施されているので、下の階7の天井部分に木目模様5があらわれて見栄えに優れる(図2(a),(b)参照)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の床材の要部を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態の床材1は、基礎、壁、梁等の建築構造材で対向する2点の上面に設置されるものであり、ここでは、基礎の上端に設置される場合の床パネルについて説明する。
前記床材1は、木粉と樹脂とを含む押出し材を押出成形してなる板状の床材本体2と、該床材本体2の内部に、押出方向に延在するようにして設けられた複数の空洞3,…とを備えている。
そして、前記床材本体2の幅方向端部2a,2aは、幅方向中央部2bより床厚が厚くなっている。つまり、床材本体2の下面2cは、幅方向において上に凸の曲面となっている。
【0013】
前記複数の空洞3,…は、床材本体2の幅方向に所定間隔で設けられており、該床材本体2の押出方向に貫通している。また、これら空洞3,…を形成する壁面のうちの下面は、床材本体2の下面に沿って曲面をなすように形成されている。
さらに、これら空洞3,…のうちの端部2a側の空洞3,3には、補強部材4,4が挿入されている。
【0014】
また、前記床材本体2の上面および下面は、木目模様5が施されることによって仕上げ面とされている。つまり、この木目模様5は、床材本体2の上面および下面に、多数の溝部が押出方向に沿って形成されてなるものである。
【0015】
ここで、前記床材1の製造方法について説明する。
まず、粉砕工程において、周知の粉砕装置で木質廃材を粉砕することによって、木粉を得る。前記木質廃材としては、例えば、住宅等の建物を解体した際に排出される木質廃材、建物建築中に排出される端材、おが屑等の木質廃材等が挙げられる。
次いで、例えば、食品等の包装に用いられた後回収されたトレー、食品コンテナ等の包装部材等の廃材樹脂を粉砕することによって樹脂を得る。
【0016】
そして、混練工程において、粉砕工程で得られた木粉と樹脂と、顔料とを均一に分布するように混合して、この混合材料を押出成形機で加熱溶融させて押出成形することによって押出し材を製造する。
【0017】
その後さらに、成形工程において、前記押出し材を所定の温度および圧力を加えて、押出成形機により上述した所要の形状に成形し、床材本体2を製造する。
ここで、押出成形する際に使用される金型は、床材本体2の内部にあたる箇所に、前記複数の空洞3,…と同様の形状が形成されたものである。
【0018】
そして、このようにして製造された床材本体2の上面および下面に、サンディングペーパー等で擦ることにより押出方向に沿って多数の溝部を形成し、木目模様5を施す。
【0019】
本発明の実施の形態の床材1によれば、床材本体2と複数の空洞3,…とを備え、床材本体2の幅方向端部2aは、幅方向中央部2bより床厚が厚くなっており、さらに、床材本体2の下面が幅方向において上に凸の曲面となっているので、床材本体2の幅方向端部2aの強度を高めることができる。
また、軽量化を図れるとともに、床材本体2の幅方向中央部2bにおいて、原料となる押出し材の量を減らすことができ、よって、コストの削減にもつながる。
さらに、例えば、このような床材1を2階以上の床に設置した場合には、床材本体2の下面のうちの幅方向中央部2bに照明6等を設置することができ、下の階7の天井高を高くとることができる(図2(a),(b)参照)。
【0020】
前記床材本体2および空洞3,…は、木粉と樹脂とを含む押出し材を押出成形してなるので、容易に木質感のある床材1とすることができるとともに、従来に比して、施工を簡略化できる。
また、床材本体2は、押出方向において所望の長さに製造することができ、よって長スパンの床材1を提供することができるとともに、断面を様々な形状に成形できる。
【0021】
さらに、床材本体2の幅方向端部2a側にある空洞3,3に、補強部材4,4が挿入されているので、この点においても幅方向端部2a側の強度を高めることができる。
また、床材本体2の上面および下面は、該上面および下面に木目模様5が施されることによって仕上げ面とされているので、上面および下面に木目模様5があらわれて、容易に木質感のある床とすることができる。つまり、例えば、このような床材1を2階以上の床に設置した場合には、下面にも木目模様5が施されているので、下の階7の天井部分に木目模様5があらわれて見栄えに優れる(図2(a),(b)参照)。
【0022】
なお、前記床材1では、複数の空洞3,…のうちの、床材本体2の幅方向端部側2bにある空洞3,3に補強部材4,4を挿入していたが、例えば、空洞3,…すべてに補強部材4,…を挿入しても良い。
また、前記補強部材4が挿入されていない空洞3,…に、例えば、断熱材等を挿入しても良い。
【0023】
上記実施の形態の床材1は、基礎の上端に設置される床パネルとしたが、例えば、2階以上の床に設置されるものとしても良い。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、前記床材本体の幅方向端部の強度を高めることができる。また、軽量化を図れるとともに、コストの削減にもつながる。
さらに、容易に木質感のある床材とすることができるとともに、施工を簡略化できる。
前記床材本体は、押出方向において所望の長さに製造することができ、よって長スパンの床材を提供することができるとともに、断面を様々な形状に成形できる。
【0025】
また、前記床材本体の幅方向端部の強度を高めることができる。
また、軽量化を図れるとともに、コストの削減にもつながる。
【0026】
また、床材本体の幅方向端部の強度をより一層高めることができる。
【0027】
さらに、上面および下面に木目模様があらわれて、容易に木質感のある床とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示すためのもので、床材の要部を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態を示すためのもので、(a)は、床材の敷設構造を示す斜視図、(b)は、2階の床に床材が敷設された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 床材
2 床材本体
2a 幅方向端部
2b 幅方向中央部
3 空洞
4 補強部材
Claims (1)
- 基礎、壁、梁等の建築構造材で対向する2点の上面に設置し、架け渡される床材であって、
木粉と樹脂とを含む押出し材を押出成形してなる板状の床材本体と、該床材本体の内部に、押出方向に延在するようにして設けられた複数の空洞とを備え、
前記床材本体の幅方向端部は、幅方向中央部より床厚が厚く、
前記床材本体の下面は、幅方向において上に凸の曲面となっており、
前記床材本体の幅方向端部側にある空洞に、補強部材が挿入され、
前記床材本体の上面および下面は、該上面および下面に木目模様が施されることによって仕上げ面とされていることを特徴とする床材。
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