JP3902016B2 - 光配線盤及び光接続ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光配線盤、及び、光コネクタアダプタによって光ファイバを別の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端する光接続ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来例の光配線盤1を示す。図13において、この光配線盤1は、外線光ファイバケーブル端末から引き出した光ファイバをコネクタ接続可能に成端した光コネクタアダプタ2aが多数配列設置されている線路側架体2と、伝送装置側の光ファイバが片側(図13紙面奥側)から接続された光コネクタアダプタ3aが多数配列設置されている装置側架体3とを、配線架体4を介して対向配置した構成になっている。この光配線盤1では、前記配線架体4を介して線路側架体2と装置側架体3との間に配線したジャンパ用光ファイバコードであるジャンパコード5の一端の光コネクタ5a(光コネクタプラグ)を線路側架体2の光コネクタアダプタ2aに接続し、他端の光コネクタ5bを装置側架体3の光コネクタアダプタ3aに接続することで、光ファイバケーブル側の光ファイバと伝送装置側の光ファイバとが選択的に接続される。ジャンパコード5の両端の光コネクタ5a、5bは、光コネクタアダプタ2a、3aに対して着脱自在であり、光コネクタアダプタ2a、3aに対する接続を切り替えることで、光ファイバケーブル側の光ファイバに対する伝送装置側の光ファイバの接続を切り替えることができる。また、配線架体4は、線路側架体2と装置側架体3との間におけるジャンパコード5の引き回し自由度を確保するとともに、ジャンパコード5の余長を湾曲処理して収容する機能を果たす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この光配線盤1では、図14に示すように、線路側架体2の隣に線路側架体2Aを追加したり、装置側架体3の隣に装置側架体3Aを追加して、対応心数の多い光配線盤を構成することが可能である。この架体の追加は、光配線盤の組み立て時の他、既設の光配線盤について対応心数の増大の要求に対応して行う場合がある。架体を追加した光配線盤では、例えば、追加した線路側架体2Aの光コネクタアダプタと装置側架体3、3Aの光コネクタアダプタとの間を接続するジャンパコードや、追加した装置側架体3Aと線路側架体2との間に配線されるジャンパコード等、追加した線路側架体2Aや装置側架体3Aの光コネクタアダプタとの接続に関与するジャンパコード5Aは、光配線盤を構成する全ての架(線路側架体2、2A、装置側架体3、3A、配線架体4)の上部あるいは下部(図14では下部)に設けた架間配線棚6を利用して、線路側架体2や装置側架体3等を迂回するようにして配線することが一般的である。
【0004】
しかしながら、前述のように、追加した線路側架体2又は装置側架体3に係るジャンパコード5Aを架間配線棚6を利用して配線する構成では、ジャンパコードの配線長が長くなり、しかも、配線ルートが複雑になることから、ジャンパコードの配線、入れ替え等に手間に掛かるといった不都合がある。また、架間配線棚6を経由して配線するジャンパコードの本数が増大すると、架間配線棚6内で多数本のジャンパコードが錯綜して、ジャンパコードの増設、取り出し、入れ替え等の手間が増大するといった不満もある。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みて、ジャンパ用光ファイバ等の光ファイバの架体への引き通し配線を実現し、この光ファイバの長さの短縮、並びに、増設、取り出し、入れ替え等の作業性の向上等を実現できる光配線盤及び光接続ユニットの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を解決手段とした。
請求項1記載の発明は、光コネクタアダプタが設置される光接続ユニットを上下多段に搭載して横並びに配列された3以上の架体を有し、前記架体間に配線されるジャンパ用光ファイバによって異なる架体の光コネクタアダプタ間を接続することで、前記光コネクタアダプタに前記ジャンパ用光ファイバがコネクタ接続される作業面側とは反対の側から接続されている光ファイバ同士が前記ジャンパ用光ファイバを介して切替可能に接続されるようになっている光配線盤において、全ての架体あるいは横並びの両端の架体の間に位置する全ての架体に設けられている前記光接続ユニットは、前記光コネクタアダプタが設置されるアダプタ設置部と、このアダプタ設置部の下側から前記作業面側に張り出されて横方向に延在され、前記光コネクタアダプタに接続されるジャンパ用光ファイバが横方向に配線される配線ダクトと、前記配線ダクトの下側にて横方向に延在され、該光接続ユニットに横方向に引き通されるジャンパ用光ファイバが配線される引き通し用ダクトを有し、前記配線ダクトに配線されたジャンパ用光ファイバが前記配線ダクトから上側に引き上げるようにして前記光コネクタアダプタにコネクタ接続されるようになっており、前記引き通し用ダクトに配線されて前記光接続ユニットに横方向に引き通されたジャンパ用光ファイバは、光コネクタが取り付けられている両端が、それぞれ、当該ジャンパ用光ファイバが引き通し用ダクトに配線されて引き通された光接続ユニットが設けられている架体を介して両側に設けられている架体の光接続ユニットに引き込まれて前記光コネクタアダプタにコネクタ接続されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、各架体に上下多段に設けられた光接続ユニットの位置が、隣り合う架体の間で横並びとなるように、対応されていることを特徴とする請求項1記載の光配線盤である。
請求項3に係る発明は、各架体には、前記光接続ユニットが上下多段に設けられたユニット搭載部と、このユニット搭載部の側部に該ユニット搭載部に沿って上下に延在する空間である光ファイバ配線領域が確保されており、隣り合う架体の一方に設けられている光接続ユニットの引き通し用ダクトに配線されている光ファイバが、隣り合う架体において横並びに対をなす光接続ユニットの一方に設けられている引き通し用ダクトと他方の光接続ユニットに設けられている配線ダクトとの間に、前記光ファイバ配線領域を介して配線され架け渡されていることを特徴とする請求項2記載の光配線盤である。
請求項4に係る発明は、ジャンパ用光ファイバを湾曲配線して余長を吸収するための光ファイバ配線領域及び引っ掛け部材を具備する配線架体を有し、この配線架体の両側に、前記光接続ユニットが搭載されている前記架体が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光配線盤である。
請求項5に係る発明は、前記横並びに配列された3以上の架体が、光ファイバケーブルの光ファイバを前記ジャンパ用光ファイバに対してコネクタ接続可能にした光コネクタアダプタが設置された光接続ユニットを搭載した1以上の線路側架体と、前記光ファイバケーブルの光ファイバをジャンパ用光ファイバを介して接続する伝送装置側の光ファイバを光コネクタアダプタによって前記ジャンパ用光ファイバに対してコネクタ接続可能とした前記光接続ユニットが搭載された1以上の装置側架体とを横並びに配列したものであり、前記ジャンパ用光ファイバは、前記線路側架体の光接続ユニットの光コネクタアダプタと、前記装置側架体の光接続ユニットの光コネクタアダプタとの間を接続することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光配線盤である。
請求項6に係る発明は、前記アダプタ設置部が、光ファイバの余長を収納した光モジュールが設置されるモジュール設置部であり、このモジュール設置部には、前記光モジュールが該光モジュールの側部に取り付けられた光コネクタアダプタを、前記光接続ユニットにおいて前記配線ダクト及び前記引き通し用ダクトが設けられている側である作業面側に向けて設置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光配線盤である。
請求項7に係る発明は、一つの架体内に、光コネクタアダプタが設置される光接続ユニ ットが横方向に複数連設された構造の光配線盤であって、前記光接続ユニットが、導入側の光ファイバを導入側に対向する作業面側の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタアダプタが設置されるアダプタ設置部と、前記作業面側にて前記アダプタ設置部の下側から前記作業面側に張り出されて横方向に延在され、前記光コネクタアダプタに前記作業面側から着脱可能に接続される光ファイバが横方向に配線される配線ダクトと、前記配線ダクトの下側にて横方向に延在され、該光接続ユニットに横方向に引き通される光ファイバが配線される引き通し用ダクトを有し、前記配線ダクトに配線された光ファイバが前記配線ダクトから上側に引き上げるようにしてコネクタ接続されるようになっており、前記アダプタ設置部が、光ファイバの余長を収納した光モジュールが設置されるモジュール設置部であり、このモジュール設置部には、前記光モジュールが該光モジュールの側部に取り付けられた光コネクタアダプタを作業面側に向けて設置され、前記引き通し用光ファイバに配線される光ファイバは、前記光コネクタアダプタにコネクタ接続可能な光コネクタが先端に取り付けられているものであり、前記引き通し用ダクトに配線して光接続ユニットに引き通した光ファイバが、前記架体内の別の光接続ユニットに引き込まれることを特徴とする光配線盤である。
請求項8に係る発明は、モジュール設置部には、前記光モジュールが、作業面側に引き出し可能に設置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光配線盤である。
請求項9に係る発明は、一つの架体内に、光コネクタアダプタが設置される光接続ユニットが横方向に複数連設された構造の光配線盤に適用される光接続ユニットであって、導入側の光ファイバを導入側に対向する作業面側の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタアダプタが設置されるアダプタ設置部と、前記作業面側にて前記アダプタ設置部の下側から前記作業面側に張り出されて横方向に延在され、前記光コネクタアダプタに前記作業面側から着脱可能に接続される光ファイバが横方向に配線される配線ダクトと、前記配線ダクトの下側にて横方向に延在され、該光接続ユニットに横方向に引き通される光ファイバが配線される引き通し用ダクトを有し、前記配線ダクトに配線された光ファイバが前記配線ダクトから上側に引き上げるようにしてコネクタ接続されるようになっており、前記アダプタ設置部が、光ファイバの余長を収納した光モジュールが設置されるモジュール設置部であり、このモジュール設置部には、前記光モジュールが該光モジュールの側部に取り付けられた光コネクタアダプタを作業面側に向けて設置され、
前記引き通し用光ファイバに配線される光ファイバは、前記光コネクタアダプタにコネクタ接続可能な光コネクタが先端に取り付けられているものであり、前記引き通し用ダクトに配線して光接続ユニットに引き通した光ファイバが、前記架体内の別の光接続ユニットに引き込まれることを特徴とする光接続ユニットである。
【0007】
請求項1記載の光配線盤では、この光配線盤を構成する全ての架体が引き通し用ダクトを有する光接続ユニットを搭載したものである必要は無く、少なくとも、配列の両端の架体の間に位置する1以上の架体が光接続ユニットを搭載した架体であれば良い
【0008】
本発明に係る光配線盤及び光接続ユニットでは、光接続ユニットの配線ダクト下に設けられている引き通し用ダクトを利用することで、この光接続ユニットに対する光ファイバの引き通し配線を簡単に実現できる。光接続ユニットは、アダプタ設置部に設置された光コネクタアダプタにコネクタ接続されるジャンパ用光ファイバが配線される配線ダクトとは別に前記引き通し用ダクトを有する構成であり、該光接続ユニットに引き通し配線する光ファイバを、配線ダクト内のジャンパ用光ファイバと干渉させることなく引き通し配線することができる。
【0009】
引き通し用ダクトに配線される光ファイバとしては、例えば光接続ユニットが搭載された架体を介して対向配置された架体間に配線されるジャンパ用光ファイバ等が挙げられるが、これに限定されず、例えば、光接続ユニットが搭載された架体(あるいは光配線盤)の設置場所(中継局等)に配線される各種光ファイバ(例えば伝送装置に接続された光ファイバコード等の光ファイバ)、光配線盤間の渡り配線用光ファイバなど、各種採用可能である。
引き通し用ダクトに配線したジャンパ用光ファイバ等の光ファイバは、光接続ユニットや架体を迂回するようにして配線する場合に比べて配線長の短縮や配線ルートの単純化を実現できる。また、本発明に係る光接続ユニット(引き通し用ダクト付きの光接続ユニット)が上下に多段に搭載されている架体(あるいは光配線盤)であれば、引き通し配線するジャンパ用光ファイバ等の光ファイバを複数の光接続ユニットの引き通し用ダクトに分散して配線することができ、これにより、引き通し配線する光ファイバが多数本であっても、この光ファイバの増設、取り出し、入れ替え等の作業性を確保できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の実施の形態の光配線盤10を示す図であって、図1は正面図、図2は平面図、図3は背面図である。
【0011】
図1〜図3において、この光配線盤10は、線路側の光ファイバケーブル11(外線光ファイバケーブル)に収納されている光ファイバ12を光コネクタアダプタ13によってコネクタ接続可能に成端(以下「コネクタ接続可能に成端」を「コネクタ成端」と略称する場合がある)する光モジュール14を収納している複数(ここでは2つ)の線路側架体20A、20Bと、伝送装置(図示略)側の光ファイバ15を光コネクタアダプタ16によってコネクタ成端する光モジュール17を収納している装置側架体30と、配線架体40とを有し、これら架体20A、20B、30、40を横並びに一列に配列設置した構成になっている。線路側架体20A、20Bは配線架体40の片側に配列されており、装置側架体30は、配線架体40を介して線路側架体20A、20Bに対して対向配置されている
【0012】
線路側架体20A、20Bに収納されている光モジュール14は、該線路側架体20A、20Bの枠状のフレーム21の内側のユニット搭載部22に上下に多段に搭載されている光接続ユニット50内に収納されている。前記光モジュール14によってコネクタ成端する光ファイバケーブル11は、線路側架体20A、20Bの作業面側(図1紙面手前側、図2下側)に対向する導入側(図2上側、図3紙面手前側)に引き込まれ、ユニット搭載部22の導入側(図2上側、図3紙面手前側)に取り付けられたケーブル固定具23によって端末が固定されている。前記ユニット搭載部22の側部には、該ユニット搭載部22に沿って上下に延在しかつ作業面側と導入側とに連通する空間である光ファイバ配線領域24が確保されており、前記ケーブル固定具23によって固定された光ファイバケーブル11端末に口出しされている光ファイバ12は、前記光ファイバ配線領域24を介して作業面側に引き込まれるとともに、ユニット搭載部22の光接続ユニット50に対して振り分け配線されている。
なお、光配線盤10並びに該光配線盤10を構成する架体20A、20B、30、40や、光接続ユニット50、60等の光配線盤10を構成する各部分等について説明する「作業面側」とは図1紙面手前側、図2下側等を指し、「導入側」とは図2上側、図3紙面手前側等を指しており、表現を統一している。
【0013】
図4(a)〜(c)は、光接続ユニット50を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図4(a)〜(c)に示すように、光接続ユニット50は、外観薄板状のケースである光モジュール14を縦置きにして横並びに複数収納した正面視(図4(b)の向き)四角枠状のユニットフレーム51と、このユニットフレーム51の下部(図4(b)、(c)の下側)から、作業面側(図4(a)下側、図4(b)紙面手前側、図4(c)左側)に張り出され、ユニットフレーム51の正面視四角枠状の本体部51aの底板51bに沿って正面視横方向に延在する配線ダクト52と、この配線ダクト52の下側にて該配線ダクト52に沿って正面視横方向に延在された引き通し用ダクト53とを有して構成されている。ユニットフレーム51は、光モジュール14が設置されるモジュール設置部、並びに、光モジュール14の設置によって光コネクタアダプタ13が設置されるアダプタ設置部として機能する。
【0014】
ユニットフレーム51と、配線ダクト52と、引き通し用ダクト53とは一体化されており、ユニットフレーム51を、線路側架体20A、20Bのフレーム21に固定することで、全体を一体的にユニット搭載部22に搭載することができる。線路側架体20A、20Bのフレーム21に対するユニットフレーム51の固定は、具体的には、ユニット搭載部22(図1参照)の正面視(作業面側から見た場合。図1の向き)左右両側に存在するフレーム21の柱21aの間に、ユニットフレーム51の本体部51aを挿入し、ユニットフレーム51の正面視左右両側に張り出された固定フランジ51cを両側の柱21aにボルト等によって固定する。図4(b)において、符号51dは、固定フランジ51cにボルトを挿通するためのボルト用溝である。なお、ユニットフレーム51をフレーム21に固定する固定手段としては、前述のボルトに限定されないが、フレーム21に対してユニットフレーム51を着脱可能に固定できる構成(前述のボルト等を含む)を採用することが好ましい。
【0015】
光モジュール14は、一端部に取り付けられた光コネクタアダプタ13を作業面側に向けてユニットフレーム51内に収納される。また、この光モジュール14は、ユニットフレーム51から作業面側に引き出し可能である(図4(c)仮想線の符号14参照)。ユニットフレーム51内に収納された光モジュール14は、ユニットフレーム51の本体部51aの底板51b及び本体部51aの天板51eから本体部51a内側に向けて突設された仕切片51fによって縦置き状態に支持される。仕切片51fは、ユニットフレーム51からの光モジュール14の引き出しや、作業面側からユニットフレーム51への光モジュール14の挿入の障害にはならない。
【0016】
前記光コネクタアダプタ13は、ユニットフレーム51に収納された光モジュール14の作業面側の側部(作業面側端部壁14a)に突出されている。また、図4(c)等に示すように、光コネクタアダプタ13には、光モジュール14内に収納された光ファイバ18(以下「モジュール側光ファイバ」と称する場合がある)先端に設けられている光コネクタ18a(光コネクタプラグ)が光モジュール14内側からコネクタ接続されている。
前記光ファイバ18は、具体的には例えば4心、8心等の多心光ファイバテープ心線等の多心光ファイバの一端に、この多心光ファイバを単心分岐した単心部を有し、各単心部先端がそれぞれ前記光コネクタ18aによってコネクタ接続可能に成端されたものである。
【0017】
この光ファイバ18(具体的には分岐されていない多心部)は、光モジュール14の作業面側端部壁14aに開口された光ファイバ挿通穴14bから光モジュール14の外側に引き出されて配線ダクト52に配線され、配線ダクト52の延在方向一端、ここでは、光ファイバ配線領域24側の端部(図4(a)、(b)右側)から引き上げるようにして、ユニットフレーム51の本体部51aの天板51e上に設けられている配線棚54に引き込まれており、前記光ファイバ配線領域24から配線棚54に引き込まれた線路側の光ファイバ12と光接続されている。光ファイバ12、18同士の光接続部55はここでは融着接続部であり、図5に示すように、配線棚54上に設けられているホルダ56に着脱自在に保持される。なお、光接続部55としては、融着接続部に限定されず、例えば光ファイバ12、18同士を機械的に突き合わせ接続する接続器(スプライス)等、各種採用可能である。
光ファイバ12、18は、心数が同じ多心光ファイバである。光ファイバケーブル11側の光ファイバ12としては光ファイバ18と同様に多心光ファイバテープ心線等が採用される。
【0018】
つまり、光ファイバケーブル11端末に引き出された多心の光ファイバ12は、モジュール側光ファイバ18を介して単心分岐して光モジュール14の光コネクタアダプタ13に光モジュール14内側から接続されており、これにより、光コネクタアダプタ13によって、該光コネクタアダプタ13に作業面側から接続される光ファイバ(ジャンパ用光ファイバ19等)に対するコネクタ成端が実現されている。
【0019】
なお、配線棚54は、ユニットフレーム51の本体部51aの天板51e上の棚収納部51gに作業面側から押し込んで格納することができ、この格納状態では、光接続部55が露出しないように光配線盤10内部に収納、保護される。
また、配線棚54は棚収納部51gから引き出し可能であり、適宜引き出すことで、光ファイバ12、18の増設、撤去、接続の切り替え等の作業を行うことができる。
【0020】
次に、装置側架体30について説明する。
図1〜図3において、装置側架体30は、枠状のフレーム31の内側に、光接続ユニット60が上下に多段に搭載されるユニット搭載部32と、このユニット搭載部32の一側部に確保された光ファイバ配線領域34とを有している。前記光ファイバ配線領域34は、ユニット搭載部32に沿って上下に延在しかつ作業面側と導入側とに連通する空間である。
【0021】
この実施の形態において、前記光ファイバ15は伝送装置側の光線路と接続された単心の光ファイバコードであり、光配線盤10に引き込まれる先端は、光コネクタ15a(光コネクタプラグ。図6(c)参照)によってコネクタ成端されている。但し、この光ファイバ15は、該光ファイバ15である光ファイバコードを複数本結束した構成のコードケーブル15Aとして光配線盤10に導入されている。コードケーブル15Aは、配線架体40の導入側に引き込まれ、該配線架体40の導入側に設けられたケーブル固定具41によってその端末が固定されている。装置側架体30では、コードケーブル15A端末に口出されている光ファイバ15が導入側から引き込まれて光ファイバ配線領域34を経由して作業面側に引き出されるとともに、前記光ファイバ配線領域34内での引き回しによってユニット搭載部22の目的の光接続ユニット60の配線ダクト62(後述)に配線されている。
【0022】
なお、コードケーブル15A端末を固定するケーブル固定具は、配線架体40以外、装置側架体30の導入側に設置しても良い。
また、光配線盤10への光ファイバ15の導入は、コードケーブル15Aとして行う構成に限定されず、例えば光ファイバコードのままの状態で、直接、引き込むことも可能である。
【0023】
図6(a)〜(c)は、光接続ユニット60を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図6(a)〜(c)に示すように、光接続ユニット60は、外観薄板状のケースである光モジュール17を縦置きにして横並びに複数収納した正面視(図6(b)の向き)四角枠状のユニットフレーム61と、このユニットフレーム61の下部(図6(b)、(c)の下側)から、作業面側(図6(a)下側、図6(b)紙面手前側、図6(c)左側)に張り出され、ユニットフレーム61の正面視四角枠状の本体部61aの底板61bに沿って正面視横方向に延在する配線ダクト62と、この配線ダクト62の下側にて該配線ダクト62に沿って正面視横方向に延在された引き通し用ダクト63とを有して構成されている。ユニットフレーム61は、光モジュール17が設置されるモジュール設置部、並びに、光モジュール17の設置によって光コネクタアダプタ16が設置されるアダプタ設置部として機能する。なお、ユニットフレーム61は、光モジュール17が設置されるモジュール設置部、並びに、光モジュール17の設置によって光コネクタアダプタ16が設置されるアダプタ設置部として機能する。
【0024】
ユニットフレーム61と、配線ダクト62と、引き通し用ダクト63とは一体化されており、この光接続ユニット60は、ユニットフレーム61を装置側架体3のフレーム31に固定することで、全体を一体的にユニット搭載部32に搭載することができる。装置側架体30のフレーム31に対するユニットフレーム61の固定は、具体的には、ユニット搭載部32の正面視(作業面側から見た場合)左右両側に存在するフレーム21の柱21a(図1参照)の間に、ユニットフレーム61の本体部61aを挿入し、ユニットフレーム61の正面視左右両側に張り出された固定フランジ61cを両側の柱31aにボルト等によって固定する。図6(b)において、符号61dは、固定フランジ61cにボルトを挿通するためのボルト用溝である。なお、ユニットフレーム61をフレーム31に固定する固定手段としては、前述のボルトに限定されないが、フレーム31に対してユニットフレーム61を着脱可能に固定できる構成(前述のボルト等を含む)を採用することが好ましい。
【0025】
光モジュール17は、一端部に取り付けられた光コネクタアダプタ16を作業面側に向けてユニットフレーム61内に収納される。また、この光モジュール17は、ユニットフレーム61から作業面側に引き出し可能である。ユニットフレーム61内に収納された光モジュール17は、ユニットフレーム61の本体部61aの底板61b及び天板61eから本体部61a内側に向けて突設された仕切片61fによって縦置き状態に支持される。仕切片61fは、ユニットフレーム61から作業面側への光モジュール17の引き出しや、作業面側からユニットフレーム61への光モジュール17の挿入の障害にはならない。
【0026】
図6(b)、(c)等に示すように、光モジュール17の前記光コネクタアダプタ16が取り付けられている側壁部、すなわち、ユニットフレーム61に収納された光モジュール17の作業面側の側壁部(作業面側端部壁17a)には光ファイバ挿通穴17bが開口されている。光ファイバ配線領域24から光接続ユニット60の配線ダクト62に引き込まれた光ファイバ15は、この配線ダクト62から引き上げるようにして前記光ファイバ挿通穴17bを介して目的の光モジュール17内に引き込まれ、その先端の光コネクタ15aを光モジュール17内側から光コネクタアダプタ16に接続しており、これにより、光コネクタアダプタ16によって、該光コネクタアダプタ16に作業面側から接続されるジャンパ用光ファイバ19等の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端されている。なお、配線ダクト62では、該配線ダクト62に設けられているクランプ部材71等によって、光ファイバ15の配線領域とジャンパ用光ファイバ19の配線領域とが区分けされている。
【0027】
図1〜図3、図7に示すように、配線架体40は、枠状のフレーム42と、このフレーム42の中央部に設けられ該フレーム42内側の領域を作業面側と導入側とに仕切る仕切壁43と、この仕切壁43の導入側に取り付けられたケーブル固定具41と、仕切壁43の作業面側に上下に多段に取り付けられた引っ掛け部材44とを有している。前記引っ掛け部材44は、フレーム42の内側の領域を仕切壁43によって仕切った作業面側の部分(空間)である光ファイバ配線領域45の中央部に配置されている。
【0028】
図8に示すように、ジャンパ用光ファイバ19は、ここでは、両端が光コネクタ19a、19b(光コネクタプラグ)によってコネクタ成端されている単心の光ファイバコード(所謂ジャンパコード)である。図1、図2等に示すように、この光配線盤10では、ジャンパ用光ファイバ19の一端の光コネクタ19aを、線路側架体20A、20Bに設けられている光モジュール14の光コネクタアダプタ13から選択したものに接続し、ジャンパ用光ファイバ19の他端の光コネクタ19bを、装置側架体30に設けられている光モジュール17の光コネクタアダプタ16から選択したものに接続することで、ジャンパ用光ファイバ19を介して、線路側の目的の光回線を装置側の光回線(光ファイバ15)に対して接続できる。線路側架体20A、20Bの光コネクタアダプタ13に対する光コネクタ19aの切り替え接続、及び/又は、装置側架体30の光コネクタアダプタ16に対する光コネクタ19bの切り替え接続によって、線路側の光回線に対する装置側の光回線(光ファイバ15)の接続を切り替えることができる。
なお、以下、図1、図2中、ジャンパ用光ファイバ19の内、配線架体40に近い側の線路側架体20Aの光モジュール14の光コネクタアダプタ13と装置側架体30の光モジュール17の光コネクタアダプタ16との間を接続するジャンパ用光ファイバ19に符号19A、線路側架体20Aを介して配線架体40に対向する側に配置された線路側架体20Bの光モジュール14の光コネクタアダプタ13と装置側架体30の光モジュール17の光コネクタアダプタ16との間を接続するジャンパ用光ファイバ19に符号19Bを付して区別して説明する場合がある。
【0029】
光モジュール14、17の光コネクタアダプタ13、16は、光モジュール14、17内側から該光コネクタアダプタ13、16に接続されている光ファイバとジャンパ用光ファイバ19との単心接続に対応する光コネクタアダプタ(以下「単位光コネクタアダプタ」と称する場合がある)を多連にしたものであり、光コネクタアダプタ13、16に対するジャンパ用光ファイバ19の切り替え接続によって、線路側の光回線に対する伝送装置側の光回線(光ファイバ15)の接続を単心単位で切り替えることができる。
【0030】
なお、光コネクタアダプタ13、16の単位光コネクタアダプタと、伝送装置側の光線路に接続されている光ファイバ15と、ジャンパ用光ファイバ19とは、対応心数が同じものであれば良く、必ずしも単心のものに限定されない。コネクタアダプタ13、16の単位光コネクタアダプタや、光ファイバ15、ジャンパ用光ファイバ19が多心用である場合、線路側架体20A、20B内の光モジュール14に収納される光ファイバ(モジュール側光ファイバ)としても、多心部先端を分岐した単心部を有するものに代えて、光モジュール内側から光コネクタアダプタに対して接続される先端に、ジャンパ用光ファイバ19の光コネクタ19aと同じ対応心数の多心光コネクタを有するものものを採用する。
光モジュール14、17に設けられる光コネクタアダプタ、モジュール側光ファイバ18先端の光コネクタ18a、伝送装置側の光ファイバ15先端の光コネクタ15a、ジャンパ用光ファイバ19先端の光コネクタ19a、19bとして、光ファイバ同士の単心接続に対応するものとしては、例えばJIS C 5973に制定されるSC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical
fiber connector)の光コネクタプラグや光コネクタアダプタ等が採用可能であり、光ファイバ同士の多心接続に対応するものとしては例えばJIS C 5982に制定されるMPO形光コネクタ(MPO:Multifiber Push-On)の光コネクタプラグや光コネクタアダプタ等が採用可能である。
【0031】
図1に示すように、ジャンパ用光ファイバ19の長手方向中央部は配線架体40内に配線されている。配線架体40内では、ジャンパ用光ファイバ19を前記引っ掛け部材44に引っ掛けて該引っ掛け部材44から下方に垂らすようにして湾曲配線することで、ジャンパ用光ファイバ19の余長が吸収される。
【0032】
図4(a)〜(c)に示すように、線路側架体20A、20Bの目的の光接続ユニット50に引き込まれたジャンパ用光ファイバ19A、19Bの端部(一端)は、前記光接続ユニット50の配線ダクト52に配線され、この配線ダクト52から引き上げるようにして目的の光モジュール14の光コネクタアダプタ13にコネクタ接続される。一方、図6(a)〜(c)に示すように、装置側架体30の目的の光接続ユニット60に引き込まれたジャンパ用光ファイバ19A、19Bの端部(他端)は、前記光接続ユニット60の配線ダクト62に配線され、この配線ダクト62から引き上げるようにして目的の光モジュール17の光コネクタアダプタ16にコネクタ接続される。
なお、線路側架体20A、20Bの光接続ユニット50の配線ダクト52では、該配線ダクト52上に設けられたクランプ部材71(図4(c)参照。図4(a)、(b)等では図示略)や仕切部材(図示略)等によって、ジャンパ用光ファイバ19(19A、19B)とモジュール側光ファイバ18とが区分けして配線されるようになっており、ジャンパ用光ファイバ19やモジュール側光ファイバ18の増設、撤去、入れ替え等を効率良く行える。
【0033】
クランプ部材71は、光ファイバを取り出し可能にクランプ保持する部材であって、配線棚54や引き通し用ダクト53にも設けられている。また、図示を略すが、配線棚54や引き通し用ダクト53でも、光ファイバの錯綜を防止するための仕切部材等を適宜設置することが可能である。
【0034】
図1〜図4に示すように、ジャンパ用光ファイバ19Bは、配線架体40に近い側の線路側架体20Aに搭載されている各光接続ユニット50の引き通し用ダクト53に配線して、前記線路側架体20Aよりも配線架体40から遠い側の線路側架体20Bに引き込まれている。すなわち、線路側架体20Aの光接続ユニット50では、当該光接続ユニット50の光モジュール14の光コネクタアダプタ13にコネクタ接続されるジャンパ用光ファイバ19Aと引き通されるジャンパ用光ファイバ19Bとが複数のダクトに区分けして別個に配線されるため、ジャンパ用光ファイバ19Aやモジュール側光ファイバ18の増設、撤去、切り替え接続等に伴う入れ替えなどの作業を行う際に、ジャンパ用光ファイバ19Bの干渉を防止でき、作業性を確保できる。
【0035】
しかも、ジャンパ用光ファイバ19Bは、線路側架体20Bの目的の光接続ユニット50への配線ルートに鑑みて、配線架体40に近い側の線路側架体20Aに上下に多段に搭載されている各光接続ユニット50の引き通し用ダクト53に選択的に配線することで配線長の短縮を図ることができる。これにより、ジャンパ用光ファイバ19Bを低コスト化できるとともに、長さの短縮によって、増設、撤去、切り替え接続等に伴う入れ替えなどの作業性を向上できる。さらに、ジャンパ用光ファイバ19Bが多数本であっても、複数の光配線ユニット50の引き通し用ダクト53に分散配線することで、ジャンパ用光ファイバ19Bの増設、撤去、切り替え接続等に伴う入れ替えなどの作業性を向上できる利点がある。
【0036】
特に、この光配線盤10では、隣り合う線路側架体20A、20Bにそれぞれ上下に多段に搭載されている光接続ユニット50の位置が、線路側架体20A、20B間で丁度横並びとなるように対応されており、線路側架体20Aの光接続ユニット50の引き通し用ダクト53に引き通し配線されたジャンパ用光ファイバ19Bは、該引き通し用ダクト53が設けられている光接続ユニット50の横方向に位置する線路側架体20A側の光接続ユニット50の配線ダクト52に配線されるようになっている。ジャンパ用光ファイバ19Bは、線路側架体20A側の引き通し用ダクト53と線路側架体20A側の配線ダクト52との間の位置(高さ)の違いを吸収できる程度に緩やかに湾曲するだけで隣り合う線路側架体20A、20B間に容易に配線することができる。
なお、隣り合う線路側架体20A、20B間では、線路側架体20A側の引き通し用ダクト53と線路側架体20A側の配線ダクト52とが横並びとなるように光接続ユニット50の搭載位置を調整することも可能である。
【0037】
この光配線盤10では、線路側架体20A、20B及び装置側架体30の上部又は下部(本実施の形態では下部)に設けられた架間配線棚25、35にもジャンパ用光ファイバ19を配線可能である。架間配線棚25、35は、光配線盤間の渡り配線用の光ファイバの配線等にも利用される。但し、架間配線棚25内でジャンパ用光ファイバ19Bが錯綜したり、架間配線棚25に配線される他の光ファイバ(光配線盤間の渡り配線用の光ファイバ等)と干渉するといった不都合を避ける点では、架間配線棚25に配線するジャンパ用光ファイバ19Bの本数を極力少なく抑えることが好ましい。
【0038】
線路側架体20A、20Bに収納されている光モジュール14の光コネクタアダプタ13には、ジャンパ用光ファイバ19の他、伝送装置側の光ファイバ15を接続することも可能である。以下、線路側架体20A、20B内の光モジュール14の光コネクタアダプタ13に直接接続される光ファイバ15に符号15Bを付して説明する場合がある。すなわち、図2に示すように、この光配線盤10では、配線架体40の導入側にてコードケーブル15A端末に口出しされている光ファイバ15Bを、配線架体40の仕切壁43に形成されている窓(図示略)を介して配線架体40の作業面側に引き出し(図7参照)、以下、ジャンパ用光ファイバ19A又はジャンパ用光ファイバ19Bと同様の配線ルートによって線路側架体20A、20Bの目的の光接続ユニット50に引き込み、この光ファイバ15B先端の光コネクタ15aを目的の光モジュール14の光コネクタアダプタ13に接続する。なお、この光ファイバ15Bについても、ジャンパ用光ファイバ19と同様に、配線架体40の引っ掛け部材44に引っ掛けて該引っ掛け部材44から垂れ下げるようにして光ファイバ配線領域45内に配線することで、余長を簡単に吸収できる。
【0039】
線路側架体20A、20B、装置側架体30に収納されている光モジュール14、17の光コネクタアダプタ13、16には、架間配線棚25、35等を経由して光配線盤10に外部から引き込まれた光ファイバ(以下「外部光ファイバ」)を接続することも可能である。但し、この外部光ファイバは、ジャンパ用光ファイバ19先端の光コネクタ19a、19bと同様に光コネクタアダプタ13、16に対してコネクタ接続可能な光コネクタを先端に有するものである。
また、この架間配線棚25、35を介して、ジャンパ用光ファイバ19等を光配線盤10の外に引き出すことも可能である。
【0040】
前記光配線盤10は、設置時の対応心数に対応して線路側架体や装置側架体の設置数を図1等に例示したものよりも多くしたり、設置後に対応心数の増大の要求に対応して線路側架体や装置側架体を増設することが可能である。
図9〜図11は、前述の光配線盤10の装置側架体30の隣(装置側架体30を介して配線架体40に対向する側)に装置側架体30を1つ追加して、合計4つの架体を横並びに配列した例を示すものである。説明の便宜上、以下、光配線盤10に係る装置側架体30に符号30A、追加した装置側架体30に符号30B、この装置側架体30Bを増設した光配線盤に符号100を付して説明する。
【0041】
装置側架体30Bの構成は配線架体40側の装置側架体30Aと同様である。図10に示すように、この装置側架体30Bの光接続ユニット60内の光モジュール17の光コネクタアダプタ16によってコネクタ成端される光ファイバ15(伝送装置側の光ファイバ)は、配線架体40の導入側から装置側架体30Aの導入側を経由して装置側架体30Bの導入側から光ファイバ配線領域34に配線されて該装置側架体30Bの作業面側に引き込まれ、光ファイバ配線領域34から目的の光接続ユニット60に配線され、以下、配線架体40側の装置側架体30Aの場合と同様に、光モジュール17内に引き込まれて、光モジュール17内側から光コネクタアダプタ16に接続される。
【0042】
図9、図10に示すように、装置側架体30Bの光接続ユニット60内の光モジュール17の光コネクタアダプタ16と、線路側架体20A、20Bの光接続ユニット60内の光モジュール14の光コネクタアダプタ13とを接続するジャンパ用光ファイバ19(以下、説明の便宜上、このジャンパ用光ファイバ19に符号19Cを付して説明する場合がある)は、線路側架体20A、20B及び配線架体40では前述の光配線盤10におけるジャンパ用光ファイバ19と同様の配線ルートで配線されるが、図9、図12に示すように、配線架体40側の装置側架体30A内では、該装置側架体30に上下に多段に搭載されている光接続ユニット60の引き通し用ダクト63に引き通し配線して、この装置側架体30よりも配線架体40から遠い位置に配置されている装置側架体30Bに引き込まれ、この装置側架体30Bの目的の光接続ユニット60の配線ダクト62に配線される。そして、この配線ダクト62から引き上げるようにして、先端の光コネクタ19bを目的の光モジュール17の光コネクタアダプタ16に接続する。
【0043】
装置側架体30Aの光接続ユニット60では、当該光接続ユニット60の光モジュール17の光コネクタアダプタ16にコネクタ接続されるジャンパ用光ファイバ19と引き通されるジャンパ用光ファイバ19Cとが配線ダクト62と引き通し用ダクト63とに区分けして別個に配線されるため、ジャンパ用光ファイバ19や伝送装置側の光ファイバ15の増設、撤去、切り替え接続等に伴う入れ替えなどの作業にジャンパ用光ファイバ19Cが干渉することを防止でき、作業性を確保できる。
【0044】
しかも、ジャンパ用光ファイバ19Cは、配線架体40から遠い側の装置側架体30Bの目的の光接続ユニット60への配線ルートに鑑みて、配線架体40に近い側の装置側架体30に上下に多段に搭載されている各光接続ユニット60の引き通し用ダクト63に選択的に配線することで装置側架体30Aを迂回する場合に比べて配線長を短縮でき、これによりジャンパ用光ファイバ19Cの低コスト化、増設、撤去、切り替え接続等に伴う入れ替えなどの作業性の向上を実現できる。また、装置側架体30Aに配線するジャンパ用光ファイバ19Cが多数本であっても、複数の光接続ユニット60の引き通し用ダクト63に分散配線することでジャンパ用光ファイバ19Cの錯綜を防止でき、ジャンパ用光ファイバ19Cの増設、撤去、切り替え接続等に伴う入れ替えなどの作業性を向上できる。
【0045】
特に、この光配線盤100では、隣り合う装置側架体30A、30Bにそれぞれ上下に多段に搭載されている光接続ユニット60の位置が、装置側架体30A、30B間で丁度横並びとなるように対応されており、装置側架体30Aの光接続ユニット60の引き通し用ダクト63に引き通し配線されたジャンパ用光ファイバ19Cは、該引き通し用ダクト63が設けられている光接続ユニット60の横方向に位置する装置側架体30A側の光接続ユニット60の配線ダクト62に配線されるようになっている。ジャンパ用光ファイバ19Cは、装置側架体30A側の引き通し用ダクト63と装置側架体30A側の配線ダクト62との間の位置(高さ)の違いを吸収できる程度に緩やかに湾曲するだけで隣り合う装置側架体30A、30B間に容易に配線することができる。
なお、隣り合う装置側架体30A、30B間では、装置側架体30A側の引き通し用ダクト53と装置側架体30A側の配線ダクト52とが横並びとなるように光接続ユニット60の搭載位置を調整することも可能である。
【0046】
ジャンパ用光ファイバ19Cは、装置側架体30A、30Bに設けられている架間配線棚35にも配線することが可能であり、これにより、より多くの配線ルートへの分散配線を実現できる。但し、架間配線棚35に配線される他の光ファイバとの干渉防止の点で、架間配線棚35に配線するジャンパ用光ファイバ19Cの本数は極力少なくすることが好ましい。
【0047】
なお、本発明の光配線盤としては、前記実施の形態に限定されず、以下の変更も含まれる。
本発明に係る光配線盤を構成する線路側架体や装置側架体の数は、前述の実施の形態に限定されず、さらに多くしても良い。また、線路側架体と装置側架体とをそれぞれ1つずつ有する構成も採用可能である。
本発明の請求項記載の発明に係る光配線盤は、本発明に係る光配線ユニットを搭載した光配線盤であり、具体的構成は前述の実施の形態に限定されず、各種採用可能である。例えば、一つの架体のみからなる構成の光配線盤も採用可能である。本発明に係る光配線ユニットを搭載した光配線盤であれば、横並びに別の光配線盤(架体)を追加設置する際に、この追加設置する光配線盤(架体)への光ファイバの配線を、光配線ユニットの引き通し用ダクトを利用することで簡単に行うことができる。また、一つの架体の横方向に複数の光接続ユニットが連設された構成も採用可能である。この場合、光接続ユニットの引き通し用ダクトには、該引き通し用ダクトが設けられている光接続ユニットに引き通して、同一の架体内の別の光接続ユニットに引き込まれるジャンパ用光ファイバ等が配線される。本発明に係る光配線盤は、本発明に係る光配線ユニットを既設の光配線盤に搭載することによっても構成可能である。
【0048】
前記実施の形態では、光ファイバをコネクタ成端する光コネクタアダプタが側部に取り付けられている光モジュールを収納する構成の光接続ユニットを例示したが、発明に係る光接続ユニットとしてはこれに限定されず、例えば、光接続ユニットの導入側の光ファイバを作業面側の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタアダプタが取り付けられるパネルを有するもの等、各種構成が採用可能である。また、前記実施の形態では、線路側架体に搭載される光接続ユニットとして、光モジュールに内蔵の光ファイバ(モジュール側光ファイバ)を介して線路側(外線光ファイバケーブル11側)の光ファイバをコネクタ成端した構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、線路側の光ファイバが直接、光コネクタアダプタによってコネクタ成端された構成も採用可能である。この場合、線路側の光ファイバが直接、導入側の光ファイバとして機能する。
光接続ユニットの引き通し用ダクトに配線される光ファイバとしては、ジャンパ用光ファイバ19や伝送装置側の光ファイバ15や光配線盤に外部から引き込まれる外部光ファイバに限定されず、光接続ユニットへの引き通し配線を要する各種光ファイバが採用可能である。また、引き通し用ダクトには、光ファイバ以外、電線等の各種線状体の引き通し配線にも利用できる。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、光接続ユニットに設けられている引き通し用ダクトを利用することで、光接続ユニットへの光ファイバの引き通し配線を、該光接続ユニットの光コネクタアダプタに接続されるジャンパ用光ファイバとの干渉を生じることなく簡単に実現できる。光接続ユニットは、該光接続ユニットに設置された光コネクタアダプタにコネクタ接続されるジャンパ用光ファイバが配線される配線ダクトとは別に前記引き通し用ダクトを有する構成であるため、該光接続ユニットに引き通し配線する光ファイバと、該光接続ユニットの光コネクタアダプタに接続されるジャンパ用光ファイバとの干渉を防止でき、光コネクタアダプタに対する作業面側からのジャンパ用光ファイバのコネクタ接続、接続解除(光コネクタアダプタからの離脱)、配線ダクトに対するジャンパ用光ファイバの増設、撤去、入れ替え等の作業性を確保できる。また、引き通し用ダクトを利用して光接続ユニットに光ファイバを引き通し配線すると、光接続ユニットや該光接続ユニットを搭載した架体(あるいは光配線盤)を迂回した配線ルートを以て光ファイバを配線した場合に比べて配線長を短くできる等の利点がある。引き通し用ダクトを利用し光接続ユニットに引き通し配線する光ファイバがジャンパ用光ファイバである場合は、配線長の短縮によって、ジャンパ用光ファイバの増設、撤去、入れ替え等の作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の光配線盤を示す正面図(作業面側から見た図)である。
【図2】 図1の光配線盤を示す平面図である。
【図3】 図1の光配線盤を示す背面図(導入側から見た図)である。
【図4】 図1の光配線盤の線路側架体に搭載されている光接続ユニットを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】 図4の光接続ユニットの配線棚に設けられているホルダを示す斜視図である。
【図6】 図1の光配線盤の装置側架体に搭載されている光接続ユニットを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図7】 図1のA−A線断面矢視図であり、図1の光配線盤の配線架体の構造を示す。
【図8】 ジャンパコードを示す図である。
【図9】 図1の光配線盤に装置側架体を追加して構成された光配線盤を示す正面図である。
【図10】 図9の光配線盤を示す平面図である。
【図11】 図9の光配線盤を示す背面図(導入側から見た図)である。
【図12】 図9の光配線盤の配線架体側の装置側架体に搭載されている光接続ユニットを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図13】 従来例の光配線盤を示す正面図である。
【図14】 図13の光配線盤に線路側架体と装置側架体とを追加した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
10,100…光配線盤、13…光コネクタアダプタ、14…光モジュール、15…導入側の光ファイバ(伝送装置側の光ファイバ)、15B…作業面側の光ファイバ(伝送装置側の光ファイバ)、16…光コネクタアダプタ、17…光モジュール、18…導入側の光ファイバ(モジュール側光ファイバ)、19,19A,19B,19C…ジャンパ用光ファイバ,作業面側の光ファイバ、20A,20B…架体,光配線盤(線路側架体)、30,30A,30B…架体,光配線盤(装置側架体)、50…光接続ユニット、51…アダプタ設置部,モジュール設置部(ユニットフレーム)、52…配線ダクト、53…引き通し用ダクト、60…光接続ユニット、61…アダプタ設置部,モジュール設置部(ユニットフレーム)、62…配線ダクト、63…引き通し用ダクト。

Claims (9)

  1. 光コネクタアダプタ(13、16)が設置される光接続ユニット(50、60)を上下多段に搭載して横並びに配列された3以上の架体(20A、20B、30、30A、30B)を有し、前記架体間に配線されるジャンパ用光ファイバ(19、19A、19B、19C)によって異なる架体の光コネクタアダプタ間を接続することで、前記光コネクタアダプタに前記ジャンパ用光ファイバがコネクタ接続される作業面側とは反対の側から接続されている光ファイバ(18、15)同士が前記ジャンパ用光ファイバを介して切替可能に接続されるようになっている光配線盤において、
    全ての架体あるいは横並びの両端の架体の間に位置する全ての架体に設けられている前記光接続ユニットは、前記光コネクタアダプタが設置されるアダプタ設置部(51、61)と、このアダプタ設置部の下側から前記作業面側に張り出されて横方向に延在され、前記光コネクタアダプタに接続されるジャンパ用光ファイバが横方向に配線される配線ダクト(52、62)と、前記配線ダクトの下側にて横方向に延在され、該光接続ユニットに横方向に引き通されるジャンパ用光ファイバ(19B、19C)が配線される引き通し用ダクト(53、63)を有し、前記配線ダクトに配線されたジャンパ用光ファイバが前記配線ダクトから上側に引き上げるようにして前記光コネクタアダプタにコネクタ接続されるようになっており、
    前記引き通し用ダクトに配線されて前記光接続ユニットに横方向に引き通されたジャンパ用光ファイバ(19B、19C)は、光コネクタ(19a、19b)が取り付けられている両端が、それぞれ、当該ジャンパ用光ファイバが引き通し用ダクトに配線されて引き通された光接続ユニットが設けられている架体を介して両側に設けられている架体の光接続ユニットに引き込まれて前記光コネクタアダプタにコネクタ接続されていることを特徴とする光配線盤(10、100)。
  2. 各架体に上下多段に設けられた光接続ユニットの位置が、隣り合う架体の間で横並びとなるように、対応されていることを特徴とする請求項1記載の光配線盤。
  3. 各架体には、前記光接続ユニットが上下多段に設けられたユニット搭載部(22)と、このユニット搭載部の側部に該ユニット搭載部に沿って上下に延在する空間である光ファイバ配線領域(24、34)が確保されており、
    隣り合う架体の一方に設けられている光接続ユニットの引き通し用ダクトに配線されている光ファイバが、隣り合う架体において横並びに対をなす光接続ユニットの一方に設けられている引き通し用ダクトと他方の光接続ユニットに設けられている配線ダクトとの間に、前記光ファイバ配線領域(24)を介して配線され架け渡されていることを特徴とする請求項2記載の光配線盤。
  4. ジャンパ用光ファイバを湾曲配線して余長を吸収するための光ファイバ配線領域(45)及び引っ掛け部材(44)を具備する配線架体(40)を有し、この配線架体の両側に、前記光接続ユニットが搭載されている前記架体が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光配線盤。
  5. 前記横並びに配列された3以上の架体が、光ファイバケーブル(11)の光ファイバ(12)を前記ジャンパ用光ファイバに対してコネクタ接続可能にした光コネクタアダプタ(13)が設置された光接続ユニットを搭載した1以上の線路側架体(20A、20B)と、前記光ファイバケーブルの光ファイバをジャンパ用光ファイバを介して接続する伝送装置側の光ファイバを光コネクタアダプタによって前記ジャンパ用光ファイバに対してコネクタ接続可能とした前記光接続ユニットが搭載された1以上の装置側架体とを横並びに配列したものであり、
    前記ジャンパ用光ファイバは、前記線路側架体の光接続ユニットの光コネクタアダプタと、前記装置側架体の光接続ユニットの光コネクタアダプタとの間を接続することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光配線盤。
  6. 前記アダプタ設置部が、光ファイバの余長を収納した光モジュール(14、17)が設置されるモジュール設置部であり、このモジュール設置部には、前記光 モジュールが該光モジュールの側部に取り付けられた光コネクタアダプタを、前記光接続ユニットにおいて前記配線ダクト及び前記引き通し用ダクトが設けられている側である作業面側に向けて設置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光配線盤。
  7. 一つの架体内に、光コネクタアダプタ(13、16)が設置される光接続ユニット(50、60)が横方向に複数連設された構造の光配線盤であって、
    前記光接続ユニットが、導入側の光ファイバ(18、15)を導入側に対向する作業面側の光ファイバ(19、19A、19B、19C、15B)に対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタアダプタ(13、16)が設置されるアダプタ設置部(51、61)と、前記作業面側にて前記アダプタ設置部の下側から前記作業面側に張り出されて横方向に延在され、前記光コネクタアダプタに前記作業面側から着脱可能に接続される光ファイバが横方向に配線される配線ダクト(52、62)と、前記配線ダクトの下側にて横方向に延在され、該光接続ユニットに横方向に引き通される光ファイバが配線される引き通し用ダクト(53、63)を有し、前記配線ダクトに配線された光ファイバが前記配線ダクトから上側に引き上げるようにしてコネクタ接続されるようになっており、
    前記アダプタ設置部が、光ファイバの余長を収納した光モジュール(14、17)が設置されるモジュール設置部であり、このモジュール設置部には、前記光モジュールが該光モジュールの側部に取り付けられた光コネクタアダプタを作業面側に向けて設置され、
    前記引き通し用光ファイバに配線される光ファイバは、前記光コネクタアダプタにコネクタ接続可能な光コネクタが先端に取り付けられているものであり、
    前記引き通し用ダクトに配線して光接続ユニットに引き通した光ファイバが、前記架体内の別の光接続ユニットに引き込まれることを特徴とする光配線盤。
  8. モジュール設置部には、前記光モジュールが、作業面側に引き出し可能に設置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光配線盤。
  9. 一つの架体内に、光コネクタアダプタ(13、16)が設置される光接続ユニット(50、60)が横方向に複数連設された構造の光配線盤に適用される光接続ユニットであって、
    導入側の光ファイバ(18、15)を導入側に対向する作業面側の光ファイバ(19、19A、19B、19C、15B)に対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタアダプタ(13、16)が設置されるアダプタ設置部(51、61)と、前記作業面側にて前記アダプタ設置部の下側から前記作業面側に張り出されて横方向に延在され、前記光コネクタアダプタに前記作業面側から着脱可能に接続される光ファイバが横方向に配線される配線ダクト(52、62)と、前記配線ダクトの下側にて横方向に延在され、該光接続ユニットに横方向に引き通される光ファイバが配線される引き通し用ダクト(53、63)を有し、前記配線ダクトに配線された光ファイバが前記配線ダクトから上側に引き上げるようにしてコネクタ接続されるようになっており、
    前記アダプタ設置部が、光ファイバの余長を収納した光モジュール(14、17)が設置されるモジュール設置部であり、このモジュール設置部には、前記光モジュールが該光モジュールの側部に取り付けられた光コネクタアダプタを作業面側に向けて設置され、
    前記引き通し用光ファイバに配線される光ファイバは、前記光コネクタアダプタにコネクタ接続可能な光コネクタが先端に取り付けられているものであり、
    前記引き通し用ダクトに配線して光接続ユニットに引き通した光ファイバが、前記架体内の別の光接続ユニットに引き込まれることを特徴とする光接続ユニット。
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