JP3901777B2 - 基板洗浄装置のゲート装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は基板洗浄装置のゲート装置に関し、さらに詳細には、半導体や電子部品等のディバイス製造工程において、スパッタリングやCVD処理等による薄膜形成のための処理工程の前段階で行われる半導体ウエハ等をウェット洗浄処理するためのウェット洗浄技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体ウエハ等(以下単にウエハと称する)をウェット洗浄する方法としては、複数の洗浄槽が連続して配列されてなるウェットベンチタイプの洗浄槽に対して、キャリアカセットに収納した複数枚のウエハを、搬送装置により順次浸漬して処理するいわゆるバッチ式ウェット洗浄が主流であったが、近年は、洗浄効率を高めるとともに洗浄液の汚染を防止するためおよび生産効率を上げるために、キャリアカセットを省略して搬送装置により直接複数枚のウエハを把持搬送するカッセトレスのバッチ式ウェット洗浄が一般的になりつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のウェット洗浄では、以下に列挙するような種々の問題があることに加えて、半導体装置もサブミクロン時代を迎え、このような装置構造の微細化、高集積化に伴って、ウェハの表面にも非常に高い清浄度が要求されている昨今、より高い清浄度の要求を満足するウェット洗浄技術の開発が強く要求されるに至った。
【0004】
すなわち、複数枚まとめて処理する方式であるため、
(1) ウエハ毎の精密な処理を行なうことができず、全体として高精度なプロセス制御が困難である。
(2) 隣接するウエハ等からのパーティクル(particle) の再付着がある。
(3) 各洗浄槽が大きく、洗浄液も多量に必要であることから、ランニングコストが高く、また多品種少量生産に対応できない。
【0005】
また、洗浄槽の構成がウェットベンチタイプの多層式であるため、
(4) ウエハを洗浄槽に対して出し入れする際に、大気に触れて、金属汚染、イオンあるいは酸素等の影響を受けたり、洗浄後のパーティクルの再付着があるなど、高い清浄度を確保するためにはプロセス的な限界がある。
(5) 装置構成が非常に複雑かつ大型で、クリーンルームの投資効率が悪く、メンテナンスも大がかりで面倒かつ困難で、作業性が悪い。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、単一の密閉された洗浄室内でウエハを一枚ずつカセットレスでウェット洗浄することにより、パーティクルの再付着等もなく高い清浄度雰囲気での洗浄を高精度に行なう基板洗浄装置において、密閉可能な処理チャンバの基板搬入出口を構成するゲート装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の基板洗浄装置のゲート装置は、基板を一枚ずつ複数の洗浄液で洗浄処理する枚葉式の洗浄装置において、密閉可能な単一の処理チャンバの基板搬入出口を構成するものであって、前記処理チャンバの側部から外側へ突出して設けられたゲート開口に、一対の昇降ゲートが設けられてなるダブルゲート構造とされ、これら一対の昇降ゲートは、基板搬入出方向へ所定間隔をもって配置されるとともに、独立して上下方向へ開閉可能な構成とされ、
前記ゲート開口における前記一対の昇降ゲート間に、排気部が設けられて、ゲート開口内の排気を強制的に行う強制排気構造とされていることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、基本的にウエハを一枚ずつ処理する枚葉式であることから、パーティクル等の再付着もほとんどなく、ウエハ毎の精密な処理を行なうことができ、基板洗浄装置の洗浄空間も小さく、洗浄液も少量で済むとともに、密閉可能な単一の処理チャンバの基板搬入出口にダブルゲート構造が採用されているから、処理チャンバ内の洗浄液や気体の外部への放出が有効に防止されて、処理チャンバ内雰囲気のチャンバ外部(クリーン室内)への拡散防止を行うことができる。
【0009】
また、ウエハを一枚ずつ複数の洗浄液で洗浄処理する、つまり一つの処理槽で全洗浄工程を行なうワンチャンバ式であることから、洗浄工程においてウエハの出し入れがなく、大気に触れて、金属汚染、イオンあるいは酸素等の影響を受けることもなく、各基板洗浄装置の構成も単純かつ小型化できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施形態1
本発明に係る基板洗浄システムを図1に示す。この基板洗浄システムは、具体的には、ウエハWの洗浄を一枚ずつ行う枚葉式の基板洗浄装置Aを基本単位として構成されるもので、複数台(図示のものにおいては4台)の基板洗浄装置A,A,…が基板搬入装置B、基板搬出装置Cと共に環状に配置されるとともに、これら環状配列群A〜Cの中心位置に基板移載装置Dが配置されてなり、これらは単一のクリーンルーム内に設置している。各基板洗浄装置Aは、それぞれ洗浄液の供給源である洗浄液供給装置Eに連係されるとともに、上記各装置A〜Eは、システム制御装置Fにより相互に連動して駆動制御される構成とされている。以下、各構成装置毎に順次説明する。
【0012】
基板搬入装置Bは、ウエハWを前工程から搬入する部位であり、ここには、洗浄処理前のウエハW,W.…が複数枚ストックされて搬入待機する。また、基板搬出装置CはウエハWを次工程へ搬出する部位であり、ここには洗浄処理後のウエハW,W.…が複数枚ストックされて搬出待機する。これら両装置B,Cは、以下の説明するごとく同様の基本構成を備える。
【0013】
すなわち、基板搬入装置Bを例にとって説明すると、この基板搬入装置Bは、図2に示すように、基板待機室1が、第1の開閉シャッタ2により前工程側に対して開閉可能とされるとともに、第2の開閉シャッタ3によりロボット室4に対して開閉可能とされている。
【0014】
また、上記基板待機室1内には、複数枚のウエハW,W,…を水平状態で上下方向へ所定の配列ピッチをもって保持する基板保持部5と、この基板保持部5を移動させて、ウエハW,W,…の搬入出のための位置決めを行う位置決め部6とを備えてなる。
【0015】
上記基板保持部5は、具体的には、水平載置面を有するカセット載置台5aと、このカセット載置台5a上に取外し可能に載置される搬送用カセット5bとからなる。この搬送用カセット5bは、本システム外におけるウエハ搬送用として兼用されるもので、図示しないが、その内部にはウエハWの周縁部を保持する保持溝が所定の配列ピッチをもって設けられている。そして、搬送用カセット5bは、ウエハ搬送の際には、ウエハW,W,…が垂直の起立状に保持される姿勢で取り扱われる一方、上記カセット載置台5aに載置される際には、ウエハW,W,…が水平の倒伏状態に保持される姿勢で取り扱われる。
【0016】
なお、上記基板保持部5は、上記カセット載置台5aと搬送用カセット5bが一体的に形成された保持部専用構造とされても良く、この場合は、ウエハW,W,…が本システム外におけるウエハ搬送用カセットから上記基板保持部5に移載されるための装置構成が付加されることとなる。
【0017】
上記位置決め部6は、具体的には、上記カセット載置台5aを昇降動作させる送りねじ機構6aと、この送りねじ機構6aを回転駆動させる駆動モータ6bとからなる。そして、後述する基板移載装置Dの動作と連動する駆動モータ6bの駆動により、送りねじ機構6aを介して、カセット載置台5aさらには搬送用カセット5b内のウエハW,W,…が、上下方向へ昇降されて、その搬入出のための位置決めが行われる。
【0018】
なお、図示しないが、上記位置決め部6に、カセット載置台5aを水平回転させるための回転機構が設けられて、カセット載置台5a上の搬送用カセット5bの開口部が上記第1および第2のシャッタ2,3にそれぞれ対向配置するように位置決めされる構成とされても良い。
【0019】
また、上記構成に関連して、ウエハセンタリング部7とウエハ枚数確認センサ8が設けられている。
【0020】
ウエハセンタリング部7は、後述する基板移載装置DによるウエハWの抜き取り動作等を円滑かつ確実に行うためのもので、ウエハ当接バー7aおよび水平シリンダ7bからなり、水平シリンダ7bのピストンロッドの突出動作により、ウエハ当接バー7aが前進して、搬送用カセット5b内のウエハW,W,…を押圧整列(センタリング)させる。
【0021】
ウエハ枚数確認センサ8は、上記基板移載装置Dの駆動を制御するためのもので、ウエハ確認センサ8a、上下シリンダ8bおよび水平シリンダ8cからなる。そして、上下シリンダ8bと水平シリンダ8cの突出退入動作により、ウエハ確認センサ8aが搬送用カセット5b内のウエハW,W,…に正対するよう位置決めされて、これらウエハW,W,…の保持位置とウエハW,W,…の存在の有無を検出し、上記位置決め部6と基板移載装置Dの動作を制御する。
【0022】
基板搬出装置Cは、第1の開閉シャッタ2が次工程側に対して開閉可能とされているほかは、上記基板搬入装置Bと同様の基本構成を備える。
【0023】
基板移載装置Dは、基板搬入装置Bと基板洗浄装置Aの間およびこの基板洗浄装置Aと上記基板搬出装置Cとの間で、ウエハWを一枚ずつ水平状態のままで移載するものである。
【0024】
この基板移載装置Dは、具体的には図1および図3に示すような真空吸着式の移載ロボットの形態とされ、図示の実施形態においては、ロボット室4内に設けられて、基板搬入装置Bまたは基板搬出装置C内の搬送用カセット5bと、後述する基板洗浄装置Aの基板支持部17との間でウエハWを移し替える構成とされている。
【0025】
移載ロボットDは、図示のごとく、昇降動作するとともに水平動作するハンド部10と、ウエハWを真空吸着チャッキングする基板吸着部11とを主要部として備えてなる。具体的には、ハンド部10は、ロボット本体12の上側に、支軸13を介して昇降可能かつ回転可能に設けられるとともに、ロボット本体12内部の駆動源(例えばACサーボモータ)に連係されている。
【0026】
基板吸着部11はハンド部10の先端部に設けられて、図4に示されるような吸引プレートの形態とされている。この吸引プレート11は図4(a) に示すようなほぼU字形の平面形状とされ、その上面にはウエハWを保持する凹部11aが形成されている。また、この凹部11a内には、ウエハWを吸引支持する複数(図示のものにおいては4つ)の吸引突起11b,11b,…が設けられ、これら吸引突起11b,11b,…の吸引穴は、図示しない真空ポンプ等の負圧源に連通されている。
【0027】
そして、吸引プレート11は、ハンド部10のハンドリング動作により、搬送用カセット5bまたは基板支持部17上のウエハWを水平状態のまま抜き取り、水平方向へ所定角度だけ回転移動させた後、基板支持部17または搬送用カセット5b上に移し替える。この場合、ハンド部10は、搬送用カセット5bに対するウエハWの抜き差しに際して、垂直方向へ1ピッチ分だけ昇降動作してから、上記と同様の動作を順次繰り返すように駆動制御される。
【0028】
基板洗浄装置Aは、ウエハWを単一の処理チャンバ15内において一枚ずつ複数種類の洗浄液で洗浄処理するワンチャンバ枚葉式のものであって、以下に述べるように、スプレー洗浄処理するための構成とディップ洗浄するための構成を兼備してなる。
【0029】
I.スプレー洗浄処理処理するための構成:
基板洗浄装置Aは、図5および図6に示すように、処理チャンバ15、ゲート部16、基板支持部17、基板回転部18、噴射ノズル19、不活性気体供給部20、ドレン部21および基板洗浄制御部22などを主要部として構成されている。
【0030】
処理チャンバ15は、一枚のウエハWを収容する密閉可能な単一洗浄槽構成とされており、上部大径部25と下部小径部26とからなる。
【0031】
上部大径部25は、ウエハWを搬入出するとともに乾燥処理する部位で、その側部には、ウエハWを搬入出するための上記ゲート部16が設けられるとともに、その内部には、上記基板支持部17に支持されたウエハWの表面に洗浄液を噴射する噴射ノズル19が設けられている。
【0032】
下部小径部26は、ウエハWを洗浄処理する部位で、その内径寸法は、上記基板支持部17を収容し得る大きさに設定されている。また、下部小径部26内には、ウエハWの裏面に洗浄液を噴射する噴射ノズル27が設けられている。
【0033】
ゲート部16は、処理チャンバ15の基板搬入出口を構成する開閉可能なもので、一対の昇降ゲート30、31を備えてなるダブルゲート構造とされている。
【0034】
具体的には、ゲート部16のゲート開口32が、上部大径部25の側部から水平方向外側へ突出して設けられており、このゲート開口32に、上記両昇降ゲート30、31が、水平方向へ所定間隔をもって配置されている。ゲート開口32は、図3に示すように、ウエハWを水平状態で吸着保持した上記移載ロボットDのハンド部10が通過し得る開口面積を有する。また、内外両昇降ゲート30、31は、それぞれエアシリンダ等の駆動源により、上下方向へ独立して開閉可能な構造とされている。
【0035】
基板支持部17は、処理チャンバ15の下部小径部26内における底部中央に設けられ、一枚のウエハWを水平状態に支持する構成とされている。具体的には、基板支持部17は、図7に示すように、ウエハWの周縁部をチャッキング支持する複数(図示のものにおいては4本)のチャッキングアーム35,35,…を備えてなる。
【0036】
これらチャッキングアーム35,35,…は、図7(a) に示すように、ウエハWの外径側上方へ傾斜した放射状に設けられるとともに、適宜の駆動機構(図示省略)により放射方向へ往復移動可能とされている。チャッキングアーム35,35,…の先端にそれぞれ設けられたチャッキング爪36,36,…は、互いに同一高さになるように設定されており、これにより、チャッキング時において、ウエハWの周縁部を水平状態でチャッキング支持する。
【0037】
また、チャッキング爪36のチャッキング面37は、ウエハWの周縁部の断面形状に対応した断面形状を有している。つまり、図7(c) に拡大して示すように、チャッキング面37は上下方向に傾斜した直角平面とされて、ウエハWの矩形断面の周縁部に対して、その周縁角部を点接触状態または線接触状態で当接支持するように形成されている。
【0038】
これにより、チャッキングアーム35,35,…のチャッキング時において、ウエハWの周縁部は、上記チャッキング面37,37,…により上下方向へ拘束状態で支持されることとなる。また、この支持状態は、ウエハWの周縁部を固定的ではなく、周縁部の若干の移動を許容する程度に設定されている。このような構成とされることにより、ウエハWの周縁部のみを支持するため、ウエハWの裏側の汚染がない、チャッキング面37がウエハWの周縁部の断面形状に対応しているため、ウエハW周縁部のチッピングがない等の効果を有する。
【0039】
基板回転部18は、上記基板支持部17をスプレー洗浄時およびスピン乾燥時において水平回転させるもので、具体的構造は図示しないが、その回転軸38の先端部分に基板支持部17が水平状態で取付け支持されている。
【0040】
また、図示しないが、基板支持部17を上昇位置と下降位置との間で昇降させる基板昇降部も備えている。
【0041】
しかして、基板支持部17は、この基板昇降部により、上昇位置である上部大径部25内のウエハ搬入出・乾燥処理位置と、下降位置である下部小径部26内のウエハ洗浄処理位置に適宜位置決めされるとともに、これら両位置において、上記基板回転部18により、所定の回転速度をもって水平回転される。
【0042】
上側の噴射ノズル19は、上記処理チャンバ15の上部大径部25内において、下向き状態で水平旋回可能に設けられるとともに、洗浄液供給装置Eに連通可能とされている。これにより、噴射ノズル19は、基板支持部17に水平状態で回転支持されるウエハWの表面に対して、その外周から中心にわたって水平旋回しながら、あるいは水平旋回して静止後に洗浄液を噴射する。
【0043】
一方、下側の噴射ノズル27は、下部小径部26内の底部近傍側部に上向き状態で固定的に設けられるとともに、洗浄液供給装置Eに連通可能とされている。これにより、噴射ノズル27は、回転支持される上記ウエハWの裏面に対して、洗浄液を噴射する。これにより、ウエハWは、下部小径部26内において、その表裏両面を同時洗浄される。
【0044】
不活性気体供給部20は、処理チャンバ15内の洗浄液を排出置換するための不活性気体を供給するもので、上部大径部25の頂部に設けられるとともに、不活性気体供給源(図示省略)に連通可能とされている。なお、この不活性気体供給源は、上記噴射ノズル19,27にも連通可能とされて、これら噴射ノズル19,27も、選択的に不活性気体供給部として機能しうる構成とされている。これに対応して、処理チャンバ15の適所に、排気部28とドレン部21が設けられている。
【0045】
また、不活性気体供給部20は、上記ゲート開口32における内外両昇降ゲート30、31間の上部位置にも設けられるとともに、これに対向するゲート開口32の底部には、排気部29が設けられている。
【0046】
ドレン部21は、処理チャンバ15内の洗浄液または不活性気体を排出するもので、下部小径部26の底部に設けられるとともに、洗浄液供給装置Eおよび装置外部へ連通可能とされている。
【0047】
基板洗浄制御部22は、上記ゲート部16、基板回転部18、噴射ノズル19、不活性気体供給部20およびドレン部21等を相互に連動して駆動制御するもので、洗浄液供給装置Eの駆動に連動して、後述する各種、各方式のウェット処理工程を処理チャンバ15へのウエハWの搬入時から搬出時まで全自動で選択的に実行する。
【0048】
II. ディップ洗浄するための構成:
基板洗浄装置Aは、スピン洗浄処理するための上記構成に加えて、ディップ洗浄するための構成も備えている。
【0049】
すなわち、上記処理チャンバ15の下部小径部26には、下部小径部26内に洗浄液を供給する洗浄液供給部40が設けられている。この洗浄液供給部40は、上記洗浄液供給装置Eに連通可能とされて、洗浄液を、下部小径部26内において基板支持部17に支持されたウエハWが浸漬し得る程度まで供給するように構成されている。
【0050】
また、これに対応して、下部小径部26は、洗浄液の上昇流れを生じるオーバフロー槽として、または、洗浄液のウエハ表裏面に沿った水平流れを生じる槽として機能し得る構造とされている。
【0051】
つまり、下部小径部26の側部において、上記洗浄液供給部40の上側位置に洗浄液オーバフロー部41が設けられている。これにより、ディップ洗浄において、選択的に、ウエハWを浸漬する洗浄液の上昇流れを発生させる構成とされている。
【0052】
また、図8に示すように、上記洗浄液供給部40の反対側対向側部の下側位置に、水平フロー部42が設けられている。これにより、ディップ洗浄において、選択的に、ウエハWを浸漬する洗浄液のウエハWの表裏面に沿った水平流れを発生させる構成とされている。
【0053】
洗浄液供給装置Eは、基板洗浄装置Aに洗浄液を供給する供給源で、例えば、選択的に、図5に示すSC−1液による洗浄を行うための構成と、図6に示すフッ酸水溶液(HF)による洗浄を行うための構成とを備える。
【0054】
図5に示す洗浄液供給装置EのSC−1液供給回路は、SC−1液および超純水を選択供給するものである。
【0055】
そして、SC−1液洗浄時には、過酸化水素(H2 2 )供給源50、アンモニア(NH4 OH)供給源51、超純水(DIW)供給源52からそれぞれ供給される、過酸化水素、アンモニアおよび超純水は、混合タンク53で混合された後、供給ポンプ54により回路内をフィルタ55およびヒータ56を介して循環されて、所定濃度、所定温度のSC−1液が生成されるとともに、切換弁57,57,…の切換え操作により、上記噴射ノズル19,27および洗浄液供給部40から処理チャンバ15内へ供給される。58は回路で生成されるSC−1液の濃度を検出するSC−1濃度計、59は回路で生成されるSC−1液の温度を検出する温度計を示す。ドレン部21、洗浄液オーバフロー部41あるいは水平フロー部42から回収されるSC−1液は、SC−1液供給回路を再び循環されて再利用可能とされている。
【0056】
また、リンス時においては、切換弁57,57,…の切換え操作により、超純水供給源52から供給される超純水が、上記噴射ノズル19,27および洗浄液供給部40から処理チャンバ15内へ供給される。
【0057】
また、図6に示す洗浄液供給装置Eのフッ酸水溶液供給回路は、フッ酸水溶液および超純水を選択供給するものである。
【0058】
そして、フッ酸水溶液洗浄時には、フッ酸(HF)供給源60、過酸化水素供給源61、超純水供給源62からそれぞれ供給される、フッ酸、過酸化水素および超純水は、混合タンク63で混合された後、供給ポンプ64により回路内をフィルタ65を介して循環されて、所定濃度のフッ酸水溶液が生成されるとともに、恒温槽66に一時的に貯溜されて所定温度に加熱される。このように所定濃度、所定温度に混合生成されたフッ酸水溶液は、切換弁67,67,…の切換え操作により、上記噴射ノズル19,27および洗浄液供給部40から処理チャンバ15内へ供給される。68は回路で生成されるフッ酸水溶液の濃度を検出するフッ酸濃度計、69は回路で生成されるフッ酸水溶液の温度を検出する温度計を示す。ドレン部21、洗浄液オーバフロー部41あるいは水平フロー部42から回収されるフッ酸水溶液は、フッ酸水溶液供給回路を再び循環されて再利用可能とされている。
【0059】
また、リンス時においては、切換弁67,67,…の切換え操作により、超純水供給源62から供給される超純水が、上記噴射ノズル19,27および洗浄液供給部40から処理チャンバ15内へ供給される。この場合、図示しない超音波発生器の併用による超音波洗浄も適宜可能である。
【0060】
なお、詳細な説明は省略するが、洗浄液供給装置Eは、上述したSC−1液供給回路(図5参照)やフッ酸水溶液供給回路(図6参照)のほか、SC−2液供給回路を含めた従来周知の他の洗浄液供給回路を含めることができ、これにより、各種の洗浄液によるウェット処理を選択的にかつ連続的に実行可能である。
【0061】
また、洗浄液供給装置Eから各基板洗浄装置Aへの洗浄液の供給方法としては、例えば、4台すべての基板洗浄装置A,A,…に同一の洗浄液を同一順序で供給して、各基板洗浄装置Aで一連の同じ洗浄工程を完結させる方法や、あるいは、2台の基板洗浄装置A,AにSC−1液を供給する一方、他の2台の基板洗浄装置A,Aにフッ酸水溶液を供給するなどして、各基板洗浄装置Aを特定の洗浄処理専用として、複数の基板洗浄装置A,A,…により一連の洗浄工程を完結させる方法など、種々の洗浄処理方法を採用可能である。さらに、基板洗浄装置Aの設置数も、目的に応じて適宜増減可能である。
【0062】
システム制御装置Fは、これら基板搬入装置B、基板洗浄装置A、基板搬出装置Cを相互に連動して駆動制御するもので、このシステム制御装置Fにより、以下の基板洗浄システムにおける一連のウェット処理工程が、ウエハWの前工程からの搬入時から次工程への搬出時まで全自動で実行される。
【0063】
I.ウエハW,W,…の搬入:
前工程から搬送されてくる洗浄前のウエハW,W,…は、図2に示すように、搬送用カセット5bに収容された状態で基板搬入装置Bのカセット載置台5a上に搬入配置され、位置決め部6により位置決めされるとともに、ウエハセンタリング部7により整列されて、ロボット室4の移載ロボットDを待機する。
【0064】
移載ロボットDは、ウエハ枚数確認センサ8からの検出信号に応じて、上記搬送用カセット5b内のウエハWを一枚ずつ水平状態のままで吸着支持し、各基板洗浄装置Aの処理チャンバ15内に順次搬入する。
【0065】
この際のウエハWの受渡しは、基板支持部17が処理チャンバ15の上部大径部25内のウエハ搬入出・乾燥処理位置に上昇待機した状態で、図3に示すように、移載ロボットDのハンド部10が、ゲート部16を介して、ウエハWを吸着支持したまま水平移動し、基板支持部17の上方位置へ伸長した後下降して、基板支持部17上にウエハWを搬入載置する。
【0066】
このときのゲート部16は、一対の昇降ゲート30、31からなるダブルゲート構造とされているのに加えて、昇降ゲート30、31間には、昇降ゲート30、31の開閉動作に連動して、不活性気体供給部20から不活性気体例えは窒素ガスが供給されるとともに、排気部28から排気されており、処理チャンバ15内のフュームの拡散や処理チャンバ15内へのパーティクルの流入等が有効に防止される。
【0067】
処理チャンバ15内の基板支持部17上にウエハWが搬入されると、チャッキングアーム35,35,…が、ウエハWの周縁部を水平状態でチャッキング支持する。この場合、そのチャッキング爪36のチャッキング面37がウエハWの周縁部のみを上下方向へ拘束状態で支持するため、確実なチャッキング状態が得られるとともに、ウエハWの裏側の汚染やウエハW周縁部のチッピングが有効に防止される。
【0068】
II.基板洗浄装置Aにおけるウエット処理:
基板支持部17がウエハWをチャッキング支持すると、下部小径部26内のウエハ洗浄処理位置に下降した後、前述した各種の洗浄処理が予め定められた手順で実行される。
【0069】
例えば、スプレー洗浄であれば、基板回転部18により、基板支持部17が所定の回転速度をもって水平回転されるとともに、この基板支持部17上のウエハWの表裏両面に対して、噴射ノズル19、27から洗浄液が噴射される。
【0070】
一方、ディップ洗浄であれば、洗浄液供給部40から、洗浄液がウエハWを浸漬し得る程度まで供給される。この際、洗浄液オーバフロー部41または水平フロー部42が選択的に開口されて、洗浄液に上昇流れまたは水平流れ(図8参照)が発生し、効率的な洗浄が行われる。
【0071】
あるいは、これらスプレー洗浄とディップ洗浄が複合的に組み合わされて行われる。
【0072】
また、異種の洗浄液による洗浄処理の間には、不活性気体供給部20からの不活性気体例えば窒素ガスの導入により、洗浄液が置換排除されるとともに、噴射ノズル19、27または洗浄液供給部40からの超純水の供給によるリンス処理が行われる。
【0073】
また、一連の洗浄処理が終了すると、基板支持部17が再び上部大径部25内のウエハ搬入出・乾燥処理位置に上昇した後、基板回転部18により、基板支持部17が所定の回転速度をもって水平回転されるとともに、噴射ノズル19、27から不活性気体例えば窒素ガスが噴射されて、スピン乾燥が行われる。
【0074】
この際、チャンバ下部のドレン部21から強制排気することにより、処理チャンバ15内には、図9に示すように、チャンバ上部の不活性気体供給部20からチャンバ下部のドレン部21に至るような経路の気流が生じて、処理チャンバ15内のミストの巻き上がりが有効に防止される。
【0075】
III .ウエハW,W,…の搬出:
基板洗浄装置Aにおける一連の洗浄処理が完了したウエハWは、再び移載ロボットDにより、前述と逆の要領で各処理チャンバ15から搬出されて、基板搬出装置C内で待機する搬送用カセット5b内に順次水平状態で搬出収容される。
【0076】
そして、この搬送用カセット5b内部の保持溝のすべてに、洗浄後のウエハW,W,…が配列されて満たされると、搬送用カセット5bは、次工程のスパッタリングやCVD処理等による薄膜形成のための処理工程へ向けて搬送される。
【0077】
しかして、以上のように構成された基板洗浄システムにおいては、基本的にウエハWを一枚ずつ処理する枚葉式であることから、パーティクル等の再付着もほとんどなく、ウエハW毎の精密な処理を行なうことができ、基板洗浄装置Aの洗浄空間つまり処理チャンバ15自体の容積も小さく、洗浄液も少量で済む。
【0078】
また、ウエハWを一枚ずつ複数の洗浄液で洗浄処理する、つまり一つの処理槽である処理チャンバ15で全洗浄工程を行なうワンチャンバ式であることから、洗浄工程においてウエハWの出し入れがなく、大気に触れて、金属汚染、イオンあるいは酸素等の影響を受けることもなく、各基板洗浄装置Aの構成も単純かつ小型化できる。
【0079】
実施形態2
本実施形態は図10ないし図19に示されており、実施形態1における基板洗浄装置Aの構成をより具体的にしたものである。したがって、本実施形態において実施形態1と同一の参照符号は、実施形態1の構成装置、部材と同一または類似の構成を示しているものとする。
【0080】
本実施形態に係る基板洗浄装置Aは、以下に述べるように、スプレー洗浄処理するための構成とディップ洗浄するための構成を兼備してなり、前述した図1に示される基板洗浄システムの基本単位構成要素である基板洗浄装置としてはもちろんのこと、本装置単独でもウエハWを単一の処理チャンバ15内において一枚ずつ複数種類の洗浄液で洗浄処理するワンチャンバ枚葉式の基板洗浄装置としても使用される構成を備えている。
【0081】
I.スプレー洗浄処理するための構成:
基板洗浄装置Aは、図10および図6に示すように、処理チャンバ15、ゲート部16、基板支持部17、基板回転部18、噴射ノズル19、不活性気体供給部20、ドレン部21および基板洗浄制御部22などを主要部として構成されている。
【0082】
基板洗浄装置Aの処理チャンバ装置を構成する処理チャンバ15は、具体的には円筒形状の密閉型容器であって、図19に示すように、一枚のウエハWを収容する密閉可能な単一洗浄槽構成とされており、上部大径部25と下部小径部26とからなる。また、処理チャンバ15の材質は、ステンレス鋼板の内面に、PFA(テフロン系樹脂)のライニングが施されてなる。
【0083】
上部大径部25は、ウエハWを搬入出するとともに乾燥処理する部位で、大径円筒部の形態とされている。大径円筒部25の側部には、ウエハWを搬入出するための上記ゲート部16が設けられるとともに、その内部には、上記基板支持部17に支持されたウエハWの表面に洗浄液を噴射する噴射ノズル19が設けられている。
【0084】
図示のものにおいては、上記大径円筒部25は、本体25aと蓋体25bからなる上下分割構造とされている。本体25aは、その下部が逆円錐形状の円筒とされて、上記小径円筒部26と一体に形成されるとともに、この本体25aの上端縁に、蓋体25bが、取付けボルト70により取り外し可能にかつ水密・気密性をもって施蓋される。また、この蓋体25bには、上記不活性気体供給部20と噴射ノズル19が設けられている。
【0085】
下部小径部26は、ウエハWを洗浄処理する部位で、小径円筒部の形態とされている。この下部小径部26の内径寸法は、ウエハWを水平状態で支持する上記基板支持部17を収容し得る大きさに設定されている。基板支持部17は、後述するように、小径円筒部26の底部中央に、昇降動作可能にかつ水平回転可能に設けられている。また、下部小径部26内には、ウエハWの裏面に洗浄液を噴射する噴射ノズル27が設けられている。
【0086】
処理チャンバ15は、高さ調整機能を有する支持脚250,250,…により装置基台200上に設置されている。
【0087】
処理チャンバ15のゲート装置を構成するゲート部16は、処理チャンバ15の基板搬入出口を構成する開閉可能なもので、図10に示すように、上記大径円筒部25の側部から水平方向外側へ突出して設けられるとともに、一対の昇降ゲート30、31を備えてなるダブルゲート構造とされている。
【0088】
具体的には、図12に示すように、ゲート部16のゲート開口32が、大径円筒部25の側部から水平方向外側へ突出して設けられており、このゲート開口32に、上記両昇降ゲート30、31が、水平方向つまり基板搬入出方向へ所定間隔をもって配置されている。
【0089】
ゲート開口32は、前述の図3に示すように、ウエハWを水平状態で吸着保持した前記移載ロボットDのハンド部10が通過し得る開口面積を有する。
【0090】
内外両昇降ゲート30、31は、それぞれ昇降シリンダ100により上下方向へ独立して開閉可能な構成とされている。
【0091】
具体的には、昇降ゲート30,31は、上記ゲート開口32を閉塞しうる形状寸法を備えた平板状とされて、ゲート開口32に設けられた案内溝32a,32a内を上下方向へ摺動するように支持されている。また、昇降ゲート30,31の先端部つまり下端部30a,31aは、その外側面が下側内向きの傾斜面とされたくさび形状とされて、この下端部30a,31aが、上記案内溝32a,32aの底部に閉止係合可能とされ、これにより、ゲート開口32が気密・水密性をもって閉塞される。
【0092】
上記昇降シリンダ100はロッドレスシリンダであって、図外において装置基台200に支持固定されたゲート本体(ゲート装置本体)101に、ロッドレスシリンダ100のリニアガイド100aが鉛直方向へ延びて設けられるとともに、このリニアガイド100aに沿って移動するシリンダ本体100bに上記昇降ゲート30,31の基部がそれぞれ取り付けられている。
【0093】
また、上記一対の昇降ゲート30,31間におけるゲート開口32の底部には、排気部29が設けられて、ゲート開口32内の排気を強制的に行う構成とされている。さらに、内側の昇降ゲート31の内側部位におけるゲート開口32の上部には、図示しない超純水供給源に連通可能な洗浄水供給部102が設けられて、上記昇降ゲート31の内側面に飛散付着した洗浄液が洗浄されるように構成されている。これに関連して、両昇降ゲート30,31の先端部30a,31aが閉止係合する上記案内溝32a,32aの底部には、洗浄液や不活性気体を排出するドレン部103が設けられている。
【0094】
しかして、ウエハ搬入出時のゲート開口32の開口動作は、まず外側の昇降ゲート30が開いてから、続いて内側の昇降ゲート31が開き、逆に、ゲート開口32の閉止動作は、まず内側の昇降ゲート31が閉じてから、続いて外側の昇降ゲート30が閉じる。また、この開閉時には、排気部29によりゲート開口32内が強制排気されて、これらダブルゲート構造と強制排気構造の相乗効果により、処理チャンバ15内のミスト等が外部へ拡散するのを有効に防止する。
【0095】
ウエハWのチャッキング装置を構成する基板支持部17は、処理チャンバ15の下部小径部26内における底部中央に設けられており、一枚のウエハWを水平状態に支持する構成とされている。
【0096】
具体的には、図示の基板支持部17は、図13ないし図16に示すように、ウエハWの周縁部をチャッキング支持する4本のチャッキングアーム35,35,…を備えてなる。このチャッキングアーム35の配設数は、取り扱うべきウエハWの大きさ等、目的に応じて適宜設定される。
【0097】
これらチャッキングアーム35,35,…は、図13に示すように、円周方向へ等角度をもって4等配の放射状に、かつ図14に示すように、ウエハWの外径側上方へ傾斜して設けられるとともに、後述する開閉部105により放射方向へ往復移動して開閉動作可能とされている。
【0098】
具体的には、後述する基板回転部18の回転軸38の先端部分に、支持部本体110が取付け固定され、この支持部本体110の挿通穴110a,110a,…に、チャッキングアーム35が放射方向へ往復摺動可能に保持されている。
【0099】
また、チャッキングアーム35,35,…の先端にそれぞれ設けられたチャッキング爪36,36,…は、互いに同一高さになるように設定されており、これにより、チャッキング時において、ウエハWの周縁部を水平状態でチャッキング支持する。
【0100】
また、チャッキング爪36のチャッキング面37は、ウエハWの周縁部の断面形状に対応した断面形状を有している。具体的には、図15に拡大して示すように、チャッキング面37は上下方向に傾斜した直角平面とされて、ウエハWの矩形断面の周縁部に対して、その周縁部角部を点接触状態または線接触状態で当接支持するように形成されている。
【0101】
これにより、チャッキングアーム35,35,…のチャッキング時において、ウエハWの周縁部は、上記チャッキング面37,37,…により上下方向へ拘束状態で支持されることとなる。また、この支持状態は、ウエハWの周縁部を固定的ではなく、周縁部の若干の移動を許容する程度に設定されている。このような構成とされることにより、ウエハWの周縁部のみを支持するため、ウエハWの裏側の汚染がない、チャッキング面37がウエハWの周縁部の断面形状に対応しているため、ウエハW周縁部のチッピングがない等の効果を有する。
【0102】
上記チャッキングアーム35の開閉部105は、図14、図16および図17に示すように、開閉カム120と駆動機構121を備えてなる。
【0103】
開閉カム120は、図17に示すように、上向き円錐台形状とされて、その外表面が上向き円錐状のテーパカム面とされている。この開閉カム120は、駆動機構121の開閉ロッド123の先端部に同軸状に取付け固定されるとともに、開閉カム120のテーパカム面に、上記チャッキングアーム35,35,…の係合フランジ124a,124a,…がそれぞれ当接係合されている。この係合フランジ124aは、具体的には、チャッキングアーム35の基端に同軸状に螺着された従動ボルト124,124,…の頭部から構成されており、よって、この従動ボルト124を適宜螺進退させることにより、チャッキングアーム35の突出退入量つまりチャッキング状態が調整される。
【0104】
また、開閉カム120に対するチャッキングアーム35の突出退入動作の追随性、特に退入動作時の正確な追随性を確保するために、上記開閉カム120に係合カバー125が設けられている。この係合カバー125は、開閉カム120を被覆する中空円錐形状とされるとともに、上記従動ボルト124,124,…の軸部をそれぞれ挿通可能な長穴状挿通溝が設けられている。これにより、従動ボルト124の頭部つまり係合フランジ124aは、係合カバー125と開閉カム120のカム面との間に介装されて、開閉カム120と係合フランジ124aのカム面に沿った上下方向への相対的な移動を許容する一方、チャッキングアーム35の突出退入方向へは、両者120、124aが一体的に移動し得る係合構造とされている。
【0105】
駆動機構121は、開閉カム120を鉛直方向へ昇降動作させる昇降機構の形態とされており、上記開閉ロッド123、昇降シリンダ126および復帰スプリング127を主要部として構成されている。
【0106】
開閉ロッド123は、スライド軸受135により、基板回転部18の回転軸38の内部に、同軸状にかつ鉛直上下方向へ進退移動可能な状態で挿通支持されており、その先端部に上記開閉カム120が同軸状にかつ一体的に取付け固定されている。
【0107】
昇降シリンダ126は上記開閉ロッド123を昇降させるもので、具体的にはエアシリンダからなり、上記開閉ロッド123の下側位置において、装置基台200に上下方向へ昇降可能に設けられた昇降台201に上向きに取付け支持されている。この昇降シリンダ126のピストンロッド126aは、上記開閉ロッド123と同軸状に配置されるとともに、その突出動作により開閉ロッド123を上方へ押圧移動させる。
【0108】
一方、復帰スプリング127は、上記開閉ロッド123を常時下降方向へ付勢するもので、図16に示すように、開閉ロッド123の下端部において、その上端が回転軸38の基端面、具体的にはスライド軸受135の端面38aに当接係合するとともに、その下端が開閉ロッド123の下端フランジ123aに当接係合されている。
【0109】
しかして、常態つまり上記ピストンロッド126aが退入した状態において、上記復帰スプリング127の復帰弾力により、開閉カム120が下降して、チャッキングアーム35,35,…が縮閉状態(チャッキング状態)にあり、一方、昇降シリンダ126のピストンロッド126aが突出動作すると、開閉カム120が復帰スプリング127の復帰弾力に抗して上昇し、チャッキングアーム35,35,…が拡開動作(チャッキング動作)するように構成されている。
【0110】
なお、上記チャッキングアーム35とその開閉部105の各部には、Oリング130や密封カバー131等が施されて、基板支持部17の外部(洗浄液等)に対しての気密・液密性が保持される密封構造とされている。また、例えば、開閉ロッド123はステンレス鋼製とされるとともに、その外周面にピーク材により被覆されてなる。また、チャッキングアーム35等の直接洗浄液に接触する部材も、ピーク材により形成されている。
【0111】
基板回転部18は、上記基板支持部17をスプレー洗浄時およびスピン乾燥時において水平回転させるもので、図10、図16および図17に示すように、上記回転軸38と駆動モータ140を主要部として構成されている。
【0112】
上記回転軸38は、軸受141,141,…により、前記昇降台201に鉛直状態で回転可能に軸支されるとともに、その上端部分に上記基板支持部17が水平状態で取付け支持されている。
【0113】
駆動モータ140は上記回転軸38を回転駆動するもので、具体的にはサーボモータからなり、上記昇降台201と一体的に昇降動作するように取付け支持されるとともに、その主軸140aが上記回転軸38と平行になるように配置されている。主軸140aは、伝動プーリ142a、伝動ベルト142bおよび伝動プーリ142cからなる動力伝達機構を介して、上記回転軸38に駆動連結されている。
【0114】
しかして、駆動モータ140の回転駆動により、基板支持部17が回転軸38を介して所定の回転速度で水平回転され、この回転速度は、スプレー洗浄時およびスピン乾燥時にそれぞれ対応して設定されている。
【0115】
また、基板支持部17を上昇位置と下降位置との間で昇降させる基板昇降部150を備え、この基板昇降部150は、図10に示すように、上記昇降台201と昇降シリンダ202を主要部として構成されている。
【0116】
上記昇降台201は、具体的には図示しないが、装置基台200に上下方向へ延びて設けられたリニアガイド(図示省略)上を昇降案内される構造とされ、この昇降台201上に上記基板支持部17と基板回転部18が搭載されている。
【0117】
昇降シリンダ202は、基板支持部17を支持する昇降台201を昇降させるもので、具体的にはエアシリンダからなり、そのシリンダ本体202aが装置基台200上に取付け支持されるとともに、そのピストンロッド202bが、接続ブラケット203を介して上記昇降台201に接続されている。
【0118】
しかして、基板支持部17は、この基板昇降部150により、上昇位置である大径円筒部25内のウエハ搬入出・乾燥処理位置と、下降位置である下部小径部26内のウエハ洗浄処理位置に適宜位置決めされるとともに、これら両位置において、上記基板回転部18により、所定の回転速度をもって水平回転される。
【0119】
また、上記基板支持部17の昇降および回転動作に対応して、回転軸38には、図17および図18に示すような軸シール構造(軸シール装置)210が採用されている。
【0120】
この軸シール構造210は、回転軸38における処理チャンバ15内の軸部分を密封するものであって、固定側と回転側の軸部のいずれか一方に設けられる環状シール211と、この環状シール211と共働する簡易なラビリンスシール212とを備えてなる。
【0121】
環状シール211はテフロン製の環状シールで、図示のものにおいては、固定側である処理チャンバ15底部の支持台215に設けられている。
【0122】
具体的には、図18に示すように、環状シール211のシール本体211aが、上記支持台215の適所に、環状の取付け部材230により挟持状に締付け固定されるとともに、上記回転軸38にシールカラー216が取付け固定され、このシールカラー216の軸方向シール面216aに、環状シール211の先端シールリップ211bが摺動可能に密接係合可能とされている。上記軸方向シール面216aは、回転軸38の軸線に垂直な水平環状面とされている。
【0123】
しかして、上記先端シールリップ211bは、基板支持部17の下降状態つまり回転軸38にシールカラー216と支持台215の上下軸方向の接近状態において、対向する上記軸方向シール面216aに摺動可能に密接係合して、この部位の気密・水密性を確保する。
【0124】
また、上記回転軸38に環状フランジ部217が取り付けられている。この環状フランジ部217は、上記シールカラー216と支持台215の上下軸方向の接近状態において、上記軸方向シール面216aの外径側で下方へ延びて垂下状に設けられている。これに対応して、支持台215には環状溝218が設けられ、この環状溝218内に、上記環状フランジ部217が小さな隙間をもって非接触で嵌挿される構造とされている。これにより、上記環状シール211のシール部の外径側に、このシール部に連続するラビリンスシールが形成されている。
【0125】
なお、上記環状シール211は、図示と逆の構成、つまり回転側である回転軸38側に設けられても良い。
【0126】
上側の噴射ノズル19は、図示のものにおいては3台設けられている。すなわち、図11に示すように、処理チャンバ15の大径円筒部25の蓋体25bに、3台の噴射ノズル19a,19b,19cが、互いにの水平旋回動作を干渉しないように配置されている。
【0127】
これら噴射ノズル19a,19b,19cの具体的構成は、回動支軸219が蓋体25bに鉛直状態で回転可能に軸支されるとともに、この回動支軸219の下端に水平バー220が取付けられ、この水平バー220の先端部に噴射ノズル19a,19b,19cがそれぞれ下向きに設けられている。
【0128】
また、上記蓋体25bの外側上部には、駆動モータ221が取付け支持されており、その駆動軸221aが、軸継手222を介して上記回動支軸219と同軸状に駆動連結されている。
【0129】
さらに、上記回動支軸219と水平バー220の内部には、洗浄液供給路223がほぼ全長にわたって設けられており、その先端が噴射ノズル19a,19b,19cに連通されるとともに、その基端が前記洗浄液供給装置Eに連通可能とされている。
【0130】
これにより、各噴射ノズル19a,19b,19cは、基板支持部17に水平状態で回転支持されるウエハWの表面に対して、その外周から中心にわたって水平旋回しながら、あるいは水平旋回して静止後洗浄液を噴射する。
【0131】
なお、図示のものにおいては、噴射ノズル19a,19cは放射状に洗浄液を噴射する構造とされている。一方、噴射ノズル19bは、スリット状の開口を備えてカーテン状に洗浄液を噴射する構造とされて、超音波洗浄に適した構成とされている。また、これに関連して、噴射ノズル19bの下側には、滴受け240が設けられており、噴射ノズル19bから詰まり防止のため常時落ちる洗浄液の滴を受ける構造とされている。さらに、噴射ノズル19bの回動支軸219の適所には、処理チャンバ15の内壁を洗浄するためのタンク洗浄ノズル260が設けられている。このタンク洗浄ノズル260は球状のもので、その全周にわたって洗浄液を噴射する構造とされている。
【0132】
一方、下側の噴射ノズル27は、図示のものにおいては4台設けられている。すなわち、処理チャンバ15の小径円筒部26内の底部近傍側部において、周方向へ等間隔をもって、4台の噴射ノズル27,27,…が上向き状態で固定的に設けられている。これらの噴射ノズル27,27,…も、噴射ノズル19a,19b,19cと同様、洗浄液供給装置Eに連通可能とされている。これにより、噴射ノズル27は、回転支持される上記ウエハWの裏面に対して、洗浄液を噴射する。これにより、ウエハWは、下部小径部26内において、その表裏両面を同時洗浄される。
【0133】
不活性気体供給部20は、処理チャンバ15内の洗浄液を排出置換するための不活性気体を供給するもので、大径円筒部25における蓋体25bの頂部に設けられるとともに、不活性気体供給源(図示省略)に連通可能とされている。なお、この不活性気体供給源は、上記噴射ノズル19a〜19c,27,27,…にも連通可能とされて、これら噴射ノズルも、選択的に不活性気体供給部として機能しうる構成とされている。
【0134】
これに対応して、処理チャンバ15の適所に、ドレン部21が設けられている。このドレン部21は、洗浄液の排出と不活性気体の排出を行うため、小径円筒部26の底部に複数箇所設けられるとともに、洗浄液供給装置Eおよび装置外部へ連通可能とされている。なお、不活性気体の排出を行う専用の排気部を別途設けて、上記ドレン部21を洗浄液排出専用とすることも可能である。
【0135】
また、不活性気体供給部20は、具体的には図示しないが、上記ゲート開口32における内外両昇降ゲート30、31間の上部位置にも設けられるとともに、これに対向するゲート開口32の底部には、前述したように排気部29が設けられている。
【0136】
II. ディップ洗浄するための構成:
基板洗浄装置Aは、スピン洗浄処理するための上記構成に加えて、ディップ洗浄するための構成も備えている。
【0137】
すなわち、上記処理チャンバ15の小径円筒部26には、図10および図19に示すように、小径円筒部26内に洗浄液を供給する洗浄液供給部40が設けられている。この洗浄液供給部40は、上記洗浄液供給装置Eに連通可能とされて、洗浄液を、小径円筒部26内において基板支持部17に支持されたウエハWが浸漬し得る程度まで供給するように構成されている。
【0138】
また、これに対応して、小径円筒部26は、洗浄液の上昇流れを生じるオーバフロー槽として、または、洗浄液のウエハ表裏面に沿った水平流れを生じる槽として機能し得る構造とされている。
【0139】
つまり、小径円筒部26の側部において、上記洗浄液供給部40の上側位置、換言すれば、上記小径円筒部26と大径円筒部25の境界部分に、洗浄液オーバフロー部41が設けられている。これにより、ディップ洗浄において、選択的に、ウエハWを浸漬する洗浄液の上昇流れを発生させる構成とされている。
【0140】
また、具体的には図示されていないが、前述した図8に示すように、上記洗浄液供給部40の反対側対向側部の下側位置に、水平フロー部が設けられている。これにより、ディップ洗浄において、選択的に、ウエハWを浸漬する洗浄液のウエハWの表裏面に沿った水平流れを発生させる構成とされている。
【0141】
基板洗浄制御部22は、上記ゲート部16、基板回転部18、噴射ノズル19a〜19c、不活性気体供給部20およびドレン部21等を相互に連動して駆動制御するもので、この基板洗浄制御部22により、以下に述べるように、洗浄液供給装置Eの駆動に連動して、前述した各種、各方式のウェット処理工程を処理チャンバ15へのウエハWの搬入時から搬出時まで全自動で選択的に実行する。
【0142】
▲1▼ウエハWの搬入:
前工程から搬送されてくる洗浄前のウエハWは、前述の図3に示すように、移載ロボットDにより、水平状態のままで基板洗浄装置Aの処理チャンバ15内に搬入される。
【0143】
この際のウエハWの受渡しは、基板支持部17が処理チャンバ15の大径円筒部25内のウエハ搬入出・乾燥処理位置に上昇待機した状態で、移載ロボットDのハンド部10が、ゲート部16を介して、ウエハWを吸着支持したまま水平移動し、基板支持部17の上方位置へ伸長した後下降して、基板支持部17上にウエハWを搬入載置する。
【0144】
このときのゲート部16は、一対の昇降ゲート30、31からなるダブルゲート構造とされているのに加えて、昇降ゲート30、31間には、昇降ゲート30、31の開閉動作に連動して、不活性気体供給部20から不活性気体例えは窒素ガスが供給されるとともに、排気部29から排気されており、処理チャンバ15内のフュームの拡散や処理チャンバ15内へのパーティクルの流入等が有効に防止される。
【0145】
処理チャンバ15内の基板支持部17上にウエハWが搬入されると、チャッキングアーム35,35,…が、ウエハWの周縁部を水平状態でチャッキング支持する。この場合、図15に示すように、そのチャッキング爪36のチャッキング面37がウエハWの周縁部のみを上下方向へ拘束状態で支持するため、確実なチャッキング状態が得られるとともに、ウエハWの裏側の汚染やウエハWの周縁部のチッピングが有効に防止される。
【0146】
▲2▼ ウエット処理:
基板支持部17がウエハWをチャッキング支持すると、小径円筒部26内のウエハ洗浄処理位置に下降した後、前述した各種の洗浄処理が予め定められた手順で実行される。
【0147】
例えば、スプレー洗浄であれば、基板回転部18により、基板支持部17が所定の回転速度をもって水平回転されるとともに、この基板支持部17上のウエハWの表裏両面に対して、噴射ノズル19a〜19c,27,27,…から洗浄液が噴射される。
【0148】
一方、ディップ洗浄であれば、洗浄液供給部40から、洗浄液がウエハWを浸漬し得る程度まで供給される。この際、洗浄液オーバフロー部41または水平フロー部(図示省略)が選択的に開口されて、洗浄液に上昇流れまたは水平流れが発生し、効率的な洗浄が行われる。
【0149】
あるいは、これらスプレー洗浄とディップ洗浄が複合的に組み合わされて行われる。
【0150】
また、異種の洗浄液による洗浄処理の間には、不活性気体供給部20からの不活性気体例えば窒素ガスの導入により、洗浄液が置換排除されるとともに、噴射ノズル19a〜19c,27,27,…または洗浄液供給部40からの超純水の供給によるリンス処理が行われる。
【0151】
また、一連の洗浄処理が終了すると、基板支持部17が再び大径円筒部25内のウエハ搬入出・乾燥処理位置に上昇した後、基板回転部18により、基板支持部17が所定の回転速度をもって水平回転されるとともに、噴射ノズル19a〜19c,27,27,…から不活性気体例えば窒素ガスが噴射されて、スピン乾燥が行われる。
【0152】
この際、チャンバ下部のドレン部21,21,…から強制排気することにより、処理チャンバ15内には、前述した図9に示すように、チャンバ上部の不活性気体供給部20からチャンバ下部のドレン部21,21,…に至るような経路の気流が生じて、処理チャンバ15内のミストの巻き上がりが有効に防止される。
【0153】
▲3▼ ウエハW,W,…の搬出:
基板洗浄装置Aにおける一連の洗浄処理が完了したウエハWは、再び移載ロボットDにより、前述と逆の要領で各処理チャンバ15から搬出されて、次工程のスパッタリングやCVD処理等による薄膜形成のための処理工程へ向けて搬送される。
【0154】
しかして、以上のように構成された基板洗浄装置Aにおいては、ウエハWを一枚ずつ処理する枚葉式であることから、パーティクル等の再付着もほとんどなく、ウエハW毎の精密な処理を行なうことができ、処理チャンバ15自体の容積も小さく、洗浄液も少量で済む。
【0155】
また、処理チャンバ15内でウエハWの全洗浄工程を行なうワンチャンバ式であることから、洗浄工程においてウエハWの出し入れがなく、大気に触れて、金属汚染、イオンあるいは酸素等の影響を受けることもなく、基板洗浄装置Aの構成も単純かつ小型化できる。
【0156】
なお、上述した実施形態1および2はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0157】
例えば、図示しないが、処理チャンバ15の上部に膜厚計を設けて、ウエハWの膜厚を測定できる構成としても良い。この場合、膜厚計はウエハWの中心からずらした位置に配置して、基板回転部18により、基板支持部17上のウエハWを所定の回転速度をもって水平回転させながら測定することにより、ウエハWの数点(同一円周上)の膜厚を測定することができる。
【0158】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、洗浄処理前のウエハが複数枚ストックされて搬入待機する基板搬入装置と、ウエハを一枚ずつ複数の洗浄液で洗浄処理する複数の枚葉式の基板洗浄装置と、洗浄処理後のウエハが複数枚ストックされて搬出待機する基板搬出装置と、上記基板搬入装置と基板洗浄装置の間およびこの基板洗浄装置と上記基板搬出装置との間で、ウエハを一枚ずつ移載する基板移載装置と、これら装置を相互に連動して駆動制御するシステム制御装置とを備えてなり、上記基板搬入装置、基板洗浄装置および基板搬出装置が環状に配列されて環状配列群が形成されるとともに、この環状配列群の中心位置に上記基板移載装置が配置されてなるから、また、その具体的構成として以下のような構成を採用するから、以下に列挙するような種々の効果が得られる結果、パーティクルの再付着等もなく高い清浄度雰囲気での洗浄を高精度に行なうことができ、しかも装置構成が単純かつコンパクトで多品種少量生産にも有効に対応できるウエハ洗浄技術を提供することができる。
【0159】
したがって、昨今の半導体装置のサブミクロン時代の到来を迎え、このような装置構造の微細化、高集積化に伴ってウェハの表面に要求される非常に高い清浄度にも十分に対応することができる。
【0160】
(1) 基本的にウエハを一枚ずつ処理する枚葉式であることから、パーティクル等の再付着もほとんどなく、ウエハ毎の精密な処理を行なうことができ、基板洗浄装置の洗浄空間の容積も小さく、洗浄液も少量で済む。
【0161】
(2) ウエハを一枚ずつ複数の洗浄液で洗浄処理する、つまり一つの処理槽で全洗浄工程を行なうワンチャンバ式であることから、洗浄工程においてウエハの出し入れがなく、大気に触れて、金属汚染、イオンあるいは酸素等の影響を受けることもなく、各ウエハ基板洗浄装置AAの構成も単純かつ小型化できる。
【0162】
(3) ウエハを一枚ずつ処理するから、ウエハ毎に精密な処理が行え、全体として高精度なプロセス制御が可能となる。
【0163】
(4) ウエハを一枚ずつ洗浄処理するから、パーティクルの再付着がない。
【0164】
(5) ウエハを一枚ずつ洗浄処理するから、洗浄空間の容積が小さく、洗浄液も少なくて済み、多品種少量生産に対応できる。
【0165】
(6) 本発明の基板洗浄装置のゲート装置は、基板を一枚ずつ複数の洗浄液で洗浄処理する枚葉式の洗浄装置において、密閉可能な単一の処理チャンバの基板搬入出口を構成するものであって、前記処理チャンバの側部から外側へ突出して設けられたゲート開口に、一対の昇降ゲートが設けられてなるダブルゲート構造とされ、これら一対の昇降ゲートは、基板搬入出方向へ所定間隔をもって配置されるとともに、独立して上下方向へ開閉可能な構成とされ、前記ゲート開口における前記一対の昇降ゲート間に、排気部が設けられて、ゲート開口内の排気を強制的に行う強制排気構造とされているから、処理チャンバ内の洗浄液や気体の外部への放出が有効に防止されて、処理チャンバ内雰囲気のチャンバ外部(クリーン室内)への拡散防止を行うことができる。
すなわち、例えば、図示の実施形態で説明したように、ウエハ搬入出時のゲート開口の開口動作を、まず外側の昇降ゲートが開いてから、続いて内側の昇降ゲートが開く構成とし、逆に、ゲート開口の閉止動作を、まず内側の昇降ゲートが閉じてから、続いて外側の昇降ゲートが閉じる構成とすることにより、処理チャンバ内の洗浄液や気体の外部への放出が有効に防止されて、処理チャンバ内雰囲気のチャンバ外部(クリーン室内)への拡散防止を行うことができる。
また、この開閉時に、排気部によりゲート開口内が強制排気されることで、上記ダブルゲート構造と強制排気構造の相乗効果により、上記処理チャンバ内のミスト等が外部へ拡散するのが有効に防止される。
【0166】
(7) ワンチャンバ式の洗浄装置を備えてなるから、クラスタ(cluster)化をにらんでのインライン化が可能となる。
【0167】
(8) 基板洗浄装置のコンパクト化およびユニット化により、各ユニットごとの脱着が可能となり、メンテナンス性が向上する。
【0168】
(9) 洗浄・水洗・乾燥までの連続プロセスにより、外気に触れることもなく、自然酸化膜の制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である基板洗浄システムを示す概略平面図である。
【図2】同基板洗浄システムの基板搬入装置および基板搬出装置を示す概略構成図である。
【図3】同基板洗浄システムの移載ロボットによるウエハの基板洗浄装置への搬入出動作を説明するための概略説明図である。
【図4】同移載ロボットの基板吸着部を示す図で、図4(a) は平面図、図4(b) は側面図である。
【図5】同基板洗浄システムにおける基板洗浄装置と洗浄液供給装置との回路構成の一例を示す概略構成図である。
【図6】同じく同基板洗浄システムにおける基板洗浄装置と洗浄液供給装置との回路構成の他の例を示す概略構成図である。
【図7】同基板洗浄装置における基板支持部のチャッキングアームの概略構成を示す図で、図7(a) は概略側面図、図7(b) は概略平面図、図7(c) は同チャッキングアームのチャッキング時におけるチャック爪とウエハとの関係を示す拡大側面図である。
【図8】同基板洗浄装置におけるディップ洗浄時の洗浄液の水平流れ構成を示す図で、図8(a) は概略側面図、図8(b) は概略平面図である。
【図9】同基板洗浄装置における乾燥時の構成を示す図で、図9(a) は不活性気体の噴射構成を示す概略側面図、図9(b) は同不活性気体の流れを示す概略側面図である。
【図10】本発明の実施形態2である基板洗浄システムの基板洗浄装置の構成を示す側面断面図である。
【図11】同基板洗浄装置の構成を一部切開して示す平面図である。
【図12】同基板洗浄装置におけるゲート装置を一部切開して示す正面図である。
【図13】同基板洗浄装置におけるチャッキング装置を示す平面図である。
【図14】同チャッキング装置の要部構成を示す正面断面図である。
【図15】同チャッキング装置のチャッキング時におけるチャック爪とウエハとの関係を拡大して示す一部断面側面図である。
【図16】同チャッキング装置の開閉部の一部を示す正面断面図である。
【図17】同基板洗浄装置における軸シール装置を示す正面断面図である。
【図18】同軸シール装置の要部を拡大して示す正面断面図である。
【図19】同基板洗浄装置における処理チャンバ装置を示す正面断面図である。
【符号の説明】
W ウエハ
A 基板洗浄装置
B 基板搬入装置
C 基板搬出装置
D 移載ロボット(基板移載装置)
E 洗浄液供給装置
F システム制御装置
10 移載ロボットのハンド部
11 移載ロボットの吸引プレート(基板吸着部)
15 基板洗浄装置の処理チャンバ
16 基板洗浄装置のゲート部(ゲート装置)
17 基板洗浄装置の基板支持部(チャッキング装置)
18 基板洗浄装置の基板回転部
19 基板洗浄装置の噴射ノズル
20 基板洗浄装置の不活性気体供給部
21 基板洗浄装置のドレン部
22 基板洗浄装置の基板洗浄制御部
25 処理チャンバの大径円筒部(上部大径部)
25a 大径円筒部の本体
25b 大径円筒部の蓋体
26 処理チャンバの小径円筒部(下部小径部)
27 基板洗浄装置の噴射ノズル
29 ゲート部の排気部
30,31 ゲート部の昇降ゲート
30a,31a 昇降ゲートの先端部
32 ゲート部のゲート開口
35 基板支持部のチャッキングアーム
36 チャッキングアームのチャッキング爪
37 チャッキング爪のチャッキング面
38 基板回転部の回転軸
40 基板洗浄装置の洗浄液供給部
41 基板洗浄装置の洗浄液オーバフロー部
42 基板洗浄装置の水平フロー部
100 ゲート部の昇降シリンダ
100a 昇降シリンダのリニアガイド
100b 昇降シリンダのシリンダ本体
101 ゲート本体(ゲート装置本体)
102 洗浄水供給部
103 ドレン部
105 開閉部(開閉手段)
110 支持部本体
120 開閉カム
121 駆動機構
123 開閉ロッド
125 係合カバー
126 昇降シリンダ
127 復帰スプリング
140 駆動モータ
150 基板昇降部
201 昇降台
202 昇降シリンダ
210 軸シール構造(軸シール装置)
211 環状シール
211a 環状シールのシール本体
211b 環状シールのラビリンスシール
216a 回転軸の軸方向シール面
217 環状フランジ部
218 環状溝

Claims (6)

  1. 基板を一枚ずつ複数の洗浄液で洗浄処理する枚葉式の洗浄装置において、密閉可能な単一の処理チャンバの基板搬入出口を構成するものであって、
    前記処理チャンバの側部から外側へ突出して設けられたゲート開口に、一対の昇降ゲートが設けられてなるダブルゲート構造とされ、
    これら一対の昇降ゲートは、基板搬入出方向へ所定間隔をもって配置されるとともに、独立して上下方向へ開閉可能な構成とされ、
    前記ゲート開口における前記一対の昇降ゲート間に、排気部が設けられて、ゲート開口内の排気を強制的に行う強制排気構造とされている
    ことを特徴とする基板洗浄装置のゲート装置。
  2. 前記処理チャンバの側部から水平方向外側へ突出してゲート開口が設けられるとともに、このゲート開口に前記一対の昇降ゲートが水平方向へ所定間隔をもって配置されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置のゲート装置。
  3. 前記昇降ゲートは、昇降シリンダにより昇降可能とされるとともに、昇降ゲートの先端部は、その外側面が下側内向きの傾斜面とされたくさび形状とされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板洗浄装置のゲート装置。
  4. 前記昇降ゲートの先端部が閉止係合する前記ゲート開口の底部に、洗浄液を排出するドレン部が設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の基板洗浄装置のゲート装置。
  5. 前記ゲート開口における内側の前記昇降ゲートの内側部位に、この昇降ゲートの内側面を洗浄する洗浄水供給部が設けられている
    ことを特徴とする請求項2からのいずれか一つに記載の基板洗浄装置のゲート装置。
  6. 前記昇降シリンダはロッドレスシリンダであって、ゲート装置本体に、前記ロッドレスシリンダのリニアガイドが鉛直方向へ延びて設けられるとともに、このリニアガイドに沿って移動するシリンダ本体に前記昇降ゲートが取り付けられている
    ことを特徴とする請求項3からのいずれか一つに記載の基板洗浄装置のゲート装置。
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