JP3901612B2 - 化粧用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラメやアイシャドー等を塗布するために用いられる化粧用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラメやアイシャドー等を塗布するために用いられる化粧用具には、図13〜図15に示すように、把持体81の一端部に取付基板82が設けられ、取付基板82に、化粧用チップ83を外嵌固着するようにしたものがある。
しかし、この種の従来の化粧用具は、同図に示すように、化粧用チップ83を扁平な楕円筒状に形成して、化粧用チップ83をその基端開口部84から取付基板82に外嵌装着して、化粧用チップ83の、幅方向両側から先端部に至る内周部を、取付基板82の外周部に接着剤85により接着し、取付基板82と化粧用チップ83の厚み方向両側との間に空洞部86を設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の場合、化粧用チップ83の内周部のみを、取付基板82の外周部に接着しているため、取付基板82から化粧用チップ83が不測に外れるおそれが大であった。また、従来の場合、化粧用具を洗うと、取付基板82と化粧用チップ83との間に水が浸入することとなるが、この場合、水気を取るために、化粧用チップ83を厚み方向に強く摘むと、取付基板82への化粧用チップ83の接着が外れるおそれがあり、このため化粧用チップ83内に浸入した水気を取ることも困難であった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑み、化粧用チップが取付基板から不測に外れるのを防止できると共に、洗った場合等に、化粧用チップから水気を簡単に取ることができるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、把持体2の一端部に取付基板3が設けられ、取付基板3に化粧用チップ4を装着するようにした化粧用具において、
化粧用チップ4は、取付基板3を内嵌する嵌合溝部7を有すると共に、嵌合溝部7を挟む一方側に中実体8を有し、他方側に被覆体9を有し、中実体8の内面が、取付基板3を接着する接着面15とされ、被覆体9と嵌合溝部7との間に空洞部11が設けられている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、前記嵌合溝部7及び空洞部11の周囲を、基端側を残して塞ぐように、前記化粧用チップ4の中実体8と被覆体9との幅方向両側と先端側とが、一体に連結され、中実体8と被覆体9との間の基端側に、取付基板3を挿入する挿入口12が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記取付基板3は楕円の板状に形成され、化粧用チップ4は、扁平な楕円状に形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記嵌合溝部7は、空洞部11側から中実体8側に向けて段部13を介して取付基板3に対応する形状で没入形成されている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、前記化粧用チップ4は、シリコーンにより構成されている点にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に従って説明する。
図1〜図3において、化粧用具1は、クリーム状又はゲル状のラメやアイシャドー等を塗布するために用いられるもので、棒状の把持体2と、把持体2の一端に外方突設した取付基板3と、取付基板3に装着した化粧用チップ4とを備えている。
把持体2と取付基板3とは、硬質の合成樹脂によって一体に成形され、把持体2は楕円の棒状に形成され、取付基板3は楕円の板状に形成されている。
【0009】
化粧用チップ4は、シリコーンにより構成され、取付基板3に対応して扁平な楕円状に形成されている。化粧用チップ4は、取付基板3を内嵌保持する嵌合溝部7を有すると共に、嵌合溝部7を挟む一方側に中実体8を有し、他方側に被覆体9を有している。嵌合溝部7(取付基板3)と被覆体9との間に空洞部11が設けられている。
前記化粧用チップ4の中実体8と被覆体9との幅方向両側と先端側とが、一体に連結され、嵌合溝部7及び空洞部11の周囲が基端側を残して塞がれている。前記中実体8と被覆体9との間の基端側に、取付基板3を挿入する挿入口12が設けられている。
【0010】
前記嵌合溝部7は、空洞部11側から中実体8側に向けて段部13を介して取付基板3に対応する形状で没入形成されている。中実体8の内面が、取付基板3を接着する接着面15とされている。取付基板3が嵌合溝部7に内嵌され、取付基板3の空洞部11とは反対側の取付面16が中実体8の接着面15に全面に亘って接着剤18により接着されている。
上記実施の形態によれば、化粧用具1を使用する場合、把持体2を把持して、クリーム状又はゲル状のラメ又はアイシャドー等の化粧品を化粧用チップ4に付着させ、この付着させた化粧品を顔等に塗布すればよい。この場合、化粧用チップ4は、シリコーンにより構成されているので、クリーム状又はゲル状の化粧品を、化粧用チップ4の内部に染み込むおそれもなく化粧用チップ4に付着させることができて、手の指等を汚すことなく顔等に無駄なく良好に塗布することができる。
【0011】
この際、化粧用チップ4の被覆体9側を使用すれば、被覆体9と取付基板3(嵌合溝部7)との間に設けられた空洞部11のクッション作用によって、顔等に化粧用チップ4をソフトに押圧乃至接当することができて、化粧品を顔等にぼかすようにうっすらと塗布するのに便利である。また、化粧用チップ4の中実体8側を使用すれば、化粧品を顔等に比較的強くしっかりと擦り込むことができる。そして、嵌合溝部7は、空洞部11側から中実体8側に向けて段部13を介して取付基板3に対応する形状で没入形成され、取付基板3が嵌合溝部7に内嵌され、取付基板3の空洞部11とは反対側の取付面16が中実体8の接着面15に全面に亘って接着剤18により接着されているので、化粧用チップ4が取付基板3から不測に外れたりすることがなく、化粧用チップ4を強固に取付基板3に装着することができ、化粧用チップ4が取付基板3から不測に外れるのを確実に防止できる。
【0012】
また、化粧用具1を洗った際に、化粧用チップ4の空洞部11内に水等が浸入することとなるが、指等で化粧用チップ4をその厚み方向に摘んで押圧することにより、空洞部11内に浸入した水分を容易かつ確実に挿入口12から排出して、化粧用チップ4から水気を略完全に取り去ることができ、この際に、取付基板3が中実体8の接着面15に全面に亘って接着されているため、化粧用チップ4の取付基板3への接着が外れるのを防ぐことができる。
図4〜図11は他の実施の形態を示し、化粧用具1は、クリーム状又はゲル状のラメやアイシャドー等を塗布するために用いられるもので、化粧用ユニットAが複数組(図例では3組)設けられると共に、他の化粧用ユニットBが1組設けられている。その他に、長手方向両端部に一対のキャップ体Cが設けられている。
【0013】
化粧用ユニットAは、筒状の把持体2と、把持体2の一端に外方突設した取付基板3と、取付基板3に外嵌装着した化粧用チップ4とを有している。取付基板3はナイロン等により板状に形成されている。
化粧用ユニットAの把持体2は、ABC樹脂又はポリプロピレン(PP)により楕円の筒状に形成され、把持体2は透明、半透明又は着色透明であって透過性を有しており、把持体2内に収納した化粧チップ4の色等を外部から視認できるようになっている。なお、把持体2は、例えば長手方向の長さが30mm程度に設定され、楕円の長軸の長さが13mm程度に設定されている。
【0014】
化粧用ユニットAの把持体2の一端側に、把持体2よりもやや細くなった基板取付部21が設けられ、基板取付部21に嵌合孔22が設けられ、嵌合孔22に取付基板3が外方突出状に嵌合固着され、これにより基板取付部21に取付基板3が外方突設されている。基板取付部21の外周面に、周方向の係合凸部23が周方向に一対設けられている。把持体2の他端側は開口されていて外嵌筒部24とされ、外嵌筒部24の内周面に、前記係合凸部23に対応する周方向の係止凹部25が周方向に一対設けられている。
【0015】
而して、把持体2の外嵌筒部24に、他の化粧用ユニットAの把持体2の基板取付部21が着脱自在に内嵌保持されるようになっており、このとき、基板取付部21と外嵌筒部24とが不測に外れないように、基板取付部21の係合凸部23と外嵌筒部24の係止凹部25とが互いに係合し、これにより、化粧用ユニットAの化粧用チップ4が、隣り合う他の化粧用ユニットAの把持体2内に収納されると共に、複数の化粧用ユニットAが順次着脱自在に連結されるように構成されている。
【0016】
前記実施の形態の場合と同様に、化粧用ユニットAの化粧用チップ4は、シリコーンにより構成され、取付基板3に対応して扁平な楕円状に形成されている。また、化粧用チップ4は、実施の形態の場合と同様に、嵌合溝部7と中実体8と被覆体9と空洞部11とを有し、中実体8と被覆体9との間の基端側に、取付基板3を挿入する挿入口12が設けられている。取付基板3が嵌合溝部7に内嵌され、取付基板3の空洞部11とは反対側の取付面16が中実体8の接着面15に全面に亘って接着剤18により接着されている。
【0017】
第2の化粧用ユニットBは、鍔体26と該鍔体26を挟む一対の支持体27とを一体に有し、各支持体27に周方向の係止凸部23が周方向に一対ずつ突設されている。各支持体27に一対の取付基板3が互いに逆方向に外方突設され、これら取付基板3に化粧用チップ4がそれぞれ外嵌装着されている。鍔体26及び一対の支持体27はABC樹脂又はポリプロピレン(PP)等により構成され、一対の取付基板3はナイロン等により構成されている。支持体27が、化粧用ユニットAの把持体2に着脱自在に内嵌されて、前記第2の化粧用ユニットBの一端側が化粧用ユニットAに着脱自在に連結され、これにより、他の化粧用ユニットAの把持体2内に第2の化粧用ユニットBの他方の化粧用チップ4が収納されている。
【0018】
第2の化粧用ユニットBの化粧用チップ4は、化粧用ユニットAの化粧用チップ4と同様の構成であって、シリコーンにより構成され、取付基板3に対応して扁平な楕円状に形成されている。化粧用チップ4は、嵌合溝部7と、中実体8と、被覆体9とを有し、嵌合溝部7と被覆体9との間に空洞部11が設けられ、中実体8と被覆体9との間の基端側に、取付基板3を挿入する挿入口12が設けられている。
前記キャップ体Cは、化粧用ユニットAの把持体2と同一の構成であり、透明、半透明又は着色透明であって透過性を有し、キャップ体Cの一端側に、把持体2よりもやや細くなった基板取付部21が設けられ、基板取付部21に嵌合孔22が設けられ、キャップ体Cの他端側は開口されていて外嵌筒部24とされ、把持体2の外嵌筒部24に、他の化粧用ユニットAの把持体2の基板取付部21が着脱自在に内嵌保持され、これにより、キャップ体Cに、化粧用ユニットAの化粧用チップ4が収納されると共に、化粧用ユニットAが着脱自在に連結されている。
【0019】
上記実施の形態によれば、ある化粧用ユニットAの化粧用チップ4を使用する場合、当該化粧用ユニットAに連結された両隣の化粧用ユニットA、第2の化粧用ユニットB又はキャップ体Cを取り外して、化粧用ユニットAを他の化粧用ユニットA、第2の化粧用ユニットB及びキャップ体Cから分離し、又は、使用する化粧用ユニットAの化粧用チップ4を外嵌している他の化粧用ユニットAの把持体2又はキャップ体Cを、当該化粧用ユニットAから取り外し、この化粧用ユニットAの化粧用チップ4に、クリーム状又はゲル状のラメ又はアイシャドー等の化粧品を付着させ、この付着させた化粧品を顔等に塗布すればよい。
【0020】
また、第2の化粧用ユニットBの化粧用チップ4を使用する場合、使用する化粧用チップ4を外嵌している隣の化粧用ユニットAの把持体2を、第2の化粧用ユニットBから取り外して、化粧用チップ4を外部に露出し、この化粧用チップ4にクリーム状又はゲル状のラメ又はアイシャドー等の化粧品を付着させ、この付着させた化粧品を顔等に塗布すればよい。
従って、複数の化粧用ユニットA及び第2の化粧用ユニットBの複数(図例では5個)の化粧用チップ4を、使用する化粧品の種類や色等に対応して使い分けることができる。
【0021】
そして、化粧用具1を携帯又は保管等する場合には、複数の化粧用ユニットA、第2の化粧用ユニットB及びキャップ体Cを図4に示すように順次連結状態にして、化粧用具1をコンパクトで便利に携帯乃至保管することができ、非常に便利である。しかも、このとき、各化粧用チップ4を隣り合う化粧用ユニットAの把持体2又はキャップ体Cによって外嵌して、把持体2又はキャップCで化粧用チップ4を保護することができるし、化粧用チップ4に付着した化粧品で周囲を汚さないようにすることができる。
【0022】
さらに、前記実施の形態の場合と同様に、化粧用チップ4は、シリコーンにより構成されているので、クリーム状又はゲル状の化粧品を、化粧用チップ4の内部に染み込むおそれもなく化粧用チップ4に付着させることができて、手の指等を汚すことなく顔等に無駄なく良好に塗布することができる。また、化粧用チップ4の被覆体9側を使用すれば、化粧品を顔等にぼかすようにうっすらと塗布するのに便利である。また、化粧用チップ4の中実体8側を使用すれば、化粧品を顔等に比較的強くしっかりと擦り込むことができる。また、化粧用チップ4を強固に取付基板3に装着することができ、化粧用チップ4が取付基板3から不測に外れるのを確実に防止できるし、指等で化粧用チップ4をその厚み方向に摘んで押圧することにより、空洞部11内に浸入した水分を容易かつ確実に挿入口12から排出して、化粧用チップ4から水気を略完全に取り去ることができ、この際に、取付基板3が中実体8の接着面15に全面に亘って接着されているため、化粧用チップ4の取付基板3への接着が外れるのを防ぐことができる。
【0023】
なお、前記実施の形態では、化粧用具1は、複数の化粧用ユニットAと第2の化粧用ユニットBとを具備しているが、これに代え、図12に示すように、化粧用具1を、第2の化粧用ユニットBを省略して、複数の化粧用ユニットAのみで構成してもよい。この場合、一端の化粧用ユニットAの把持体2に化粧用チップ4が収納されなくなり、また、化粧用具1の他端部に、該他端側の化粧用ユニットAの化粧用チップ4を外嵌するキャップ体Cが必要になる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、化粧用チップ4が取付基板3から不測に外れるのを防止できる。洗った場合等に化粧用チップ4内に浸入した水気を簡単に取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す化粧用具の正面断面図である。
【図2】同図1のA−A線断面図図である。
【図3】同図1のB−B線断面図である。
【図4】他の実施の形態を示す正面図である。
【図5】同化粧用ユニット部分の正面断面図である。
【図6】同化粧用ユニット部分の側面断面図である。
【図7】同第2の化粧用ユニット部分の正面断面図である。
【図8】同第2の化粧用ユニット部分の側面断面図である。
【図9】同把持体の正面図である。
【図10】同図5のC−C線断面図である。
【図11】同図5のD−D線断面図である。
【図12】他の実施形態を示す正面図である。
【図13】従来例を示す正面断面図である。
【図14】同側面断面図である。
【図15】図13のE−E線断面図である。
【符号の説明】
1 化粧用具
2 把持体
3 取付基板
4 化粧用チップ
7 嵌合溝部
8 中実体
9 被覆体
11 空洞部
12 挿入口
13 段部
15 接着面
Claims (5)
- 把持体(2)の一端部に取付基板(3)が設けられ、取付基板(3)に化粧用チップ(4)を装着するようにした化粧用具において、
化粧用チップ(4)は、取付基板(3)を内嵌する嵌合溝部(7)を有すると共に、嵌合溝部(7)を挟む一方側に中実体(8)を有し、他方側に被覆体(9)を有し、中実体(8)の内面が、取付基板(3)を接着する接着面(15)とされ、被覆体(9)と嵌合溝部(7)との間に空洞部(11)が設けられていることを特徴とする化粧用具。 - 前記嵌合溝部(7)及び空洞部(11)の周囲を、基端側を残して塞ぐように、前記化粧用チップ(4)の中実体(8)と被覆体(9)との幅方向両側と先端側とが、一体に連結され、中実体(8)と被覆体(9)との間の基端側に、取付基板(3)を挿入する挿入口(12)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の化粧用具。
- 前記取付基板(3)は楕円の板状に形成され、化粧用チップ(4)は、扁平な楕円状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧用具。
- 前記嵌合溝部(7)は、空洞部(11)側から中実体(8)側に向けて段部(13)を介して取付基板(3)に対応する形状で没入形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧用具。
- 前記化粧用チップ(4)は、シリコーンにより構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧用具。
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