JP3901347B2 - エアロゾル検出装置の検出能力評価装置およびその方法 - Google Patents

エアロゾル検出装置の検出能力評価装置およびその方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアロゾルに対して光を照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を検出することによりそのエアロゾルを検出するエアロゾル検出装置について、その検出能力を評価する評価装置および評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在までに、エアロゾルに対して光を照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を検出することによりそのエアロゾルを検出するエアロゾル検出装置として、種々のものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるエアロゾル検出装置は光源の種類や検出装置の種類の他それらの位置関係などにより検出能力が異なるものであるにもかかわらず、その検出能力を厳密に評価する装置および方法は未だ提案されていない。
【0004】
そこで、本発明の主たる課題は、エアロゾルに対して光を照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を検出することによりそのエアロゾルを検出するエアロゾル検出装置について、その検出能力を正確に評価する装置および方法を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明のエアロゾル検出装置の検出能力評価装置は、エアロゾルに対して光を照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を検出することにより前記エアロゾルを検出するエアロゾル検出装置について、その検出能力を評価する評価装置であって、
評価用粒子のエアロゾルを通過させる風洞と、
この風洞内を通過してくる前記エアロゾルの個数計測を行うパーティクルカウンターと、
評価用粒子のエアロゾルを発生させるエアロゾル発生装置と、
このエアロゾル発生装置で発生させたエアロゾルを希釈して粒子濃度を低下させるとともに粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルとする希釈器と、
この希釈器からのエアロゾルを、前記評価用粒子のエアロゾルとして、内部領域全体を所定の気流速で前記風洞内を通過させ、これに続いて前記パーティクルカウンターに供給する手段と、
前記風洞内の所定の断面に沿って光を照射し、前記風洞内の前記断面において、これを通過するエアロゾルからの前記光の照射に伴う散乱光を検出する前記エアロゾル検出装置と、
前記エアロゾル検出装置による検出結果に基づき前記エアロゾルの個数を計数する計数手段と、
前記計数手段による前記エアロゾルの個数と前記パーティクルカウンターによる前記エアロゾルの個数との対比に基づいて、前記エアロゾル検出装置の検出能力を評価する手段とを備えた、ことを特徴とするものである。
【0006】
つまり、本発明のエアロゾル検出装置の検出能力評価装置は、風洞内を通過する評価用粒子のエアロゾルについてエアロゾル検出装置による検出およびパーティクルカウンターによる検出を行い、両装置により検出結果の対比に基づいて、エアロゾルの計測技術として信頼度が高くかつ汎用されているパーティクルカウンターの検出能力を基準として、エアロゾル検出装置の検出能力を評価するものである。
【0007】
かかる本発明のエアロゾル検出装置の検出能力評価装置において、前記評価用粒子のエアロゾルを発生させるエアロゾル発生装置と、このエアロゾル発生装置で発生させたエアロゾルを希釈して粒子濃度を低下させるとともに実質的に粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルとする希釈器とを備え、この希釈器からのエアロゾルを前記評価用粒子のエアロゾルとして前記風洞内を通過させるように構成するのは好ましい。これにより、風洞内を通過するエアロゾルは、個数が少なくなるとともに粒径が単分散となるため、エアロゾル検出装置の検出能力をより正確に評価できるようになる。
【0008】
また、本発明のエアロゾル検出装置の検出能力評価装置が、前記風洞の風洞内断面積を自在に変化させて前記風洞内の気流速を調整する気流速調整手段を備えるのも好ましい。これにより、種々の気流速条件下における検出能力を評価することができる。
【0009】
さらに本発明のエアロゾル検出装置の検出能力評価装置において、前記エアロゾル検出装置により前記風洞内を通過してくるエアロゾルからの散乱光を検出するにあたりその背景を自在に変更する背景変更手段を備えるのも好ましい。この場合、エアロゾル検出装置による検出に関する外乱の影響を低減することができる。
【0010】
一方、本発明のエアロゾル検出装置の検出方法は、エアロゾルに対して光を照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を検出することにより前記エアロゾルを検出するエアロゾル検出装置について、その検出能力を評価する方法であって、
評価用粒子のエアロゾルを発生させ、このエアロゾルを希釈して粒子濃度を低下させるとともに粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルとした後、この粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルを、評価用粒子のエアロゾルとして、内部領域全体を所定の気流速で前記風洞内を通過させ、これに続いて前記パーティクルカウンターに供給し、前記エアロゾルの個数をパーティクルカウンターにより計測し、
前記風洞内の所定の断面に沿って光を照射し、前記風洞内の前記断面において、これを通過するエアロゾルからの前記光の照射に伴う散乱光を前記エアロゾル検出装置により検出し、
前記風洞内の前記断面を通過するエアロゾルについて前記エアロゾル検出装置による検出結果に基づいてエアロゾルの個数を計数し、
このエアロゾルの個数を計数値と、前記パーティクルカウンターによる前記エアロゾルの個数との対比に基づいて、前記エアロゾル検出装置の検出能力を評価することを特徴とする方法である。
【0011】
本発明方法において、前記評価用粒子のエアロゾルを発生させ、このエアロゾルを希釈して粒子濃度を低下させるとともに実質的に粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルとした後、この粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルを前記評価用粒子のエアロゾルとして前記風洞内を通過させるのは好ましい。また、前記風洞内断面積を自在に変化させて前記風洞内の気流速を調整するのも好ましい。さらに、前記エアロゾル検出装置により前記風洞内を通過してくるエアロゾルからの散乱光を検出するにあたりその背景を任意の背景に変更して前記エアロゾル検出装置の検出能力を評価するのも好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳述する。
図1に本発明に係るエアロゾル検出装置の検出能力評価システム例1を示した。この評価システム1は、評価用粒子のエアロゾルを通過させる風洞2と、この風洞2内を通過したエアロゾルの計測を行うパーティクルカウンター3とを備えるものである。Pはパーティクルカウンター3用のポンプである。図示例の風洞2は、上端部にエアロゾルの供給管6が連通する第1風洞部2Aと、上端部側面において第1風洞部2Aの下端部側面と連通し、下端部にパーティクルカウンター3の試料導入管3Aが連通する第2風洞部2Bとからなるものとされている。この第2風洞部2Bの上壁には検出窓W1が設けられ、また第2風洞部2Bにおける検出窓W1とパーティクルカウンター3の試料導入管3Aの連通部との間における一方の側壁部分及びこれと対面する他方の側壁部分の各々に照射光通過窓W2,W2が設けられている。
【0013】
また、本評価システム1は、風洞2内にエアロゾルを供給すべく、評価用粒子のエアロゾルを発生させるエアロゾル発生装置4と、このエアロゾル発生装置4で発生させたエアロゾルを希釈して粒子濃度を低下させるとともに実質的に粒径が単分散のエアロゾルとする希釈器5と、この希釈器5で希釈した実質的に粒径が単分散の評価用粒子のエアロゾルを風洞2内に供給する供給管6とを備えている。
【0014】
ここに、本発明の希釈器5の具体例を図2に示した。この図示例の希釈器5は、エアロゾル発生装置4で発生させたエアロゾルが供給される希釈タンク5Aと、この希釈タンク5Aに希釈用分散媒体(空気など)を供給する希釈ポンプ5Bとからなり、エアロゾル発生装置4からの高濃度のエアロゾルを、希釈タンク5A内において希釈ポンプ5Bからの分散媒体により希釈して実質的に粒径が単分散の低濃度エアロゾルとし、この低濃度エアロゾルを希釈タンク5A上端部に連通するエアロゾル供給管6へ送出するものである。5cはエアロゾル発生装置4の希釈タンク5Aに対する高濃度エアロゾルの供給量を調節する調節弁を示し、5dは希釈ポンプ5Bの希釈タンク5Aに対する分散媒体供給量を調節する調節弁を示し、Fは希釈ポンプ5Bからの分散媒体を清浄化して希釈タンク5Aへ供給するためのフィルターを示している。
【0015】
参考までに、図3(a)にエアロゾル発生装置4で発生させたエアロゾルからの高濃度エアロゾルの粒径およびその粒子数のグラフを示し、同図(b)に希釈器5で希釈して得られる低濃度エアロゾルの粒径およびその粒子数のグラフを示す。これらのグラフは本発明者らによる実験結果である。図3(a)に示すように希釈前では単一粒子やこれが複数凝集した凝集粒子が主に存在しているが、希釈器5により希釈すると、図3(b)に示すように粒径が0.07μmおよび0.10μmの単一粒子しか存在しなくなる。また、エアロゾル濃度も60個/CFM以下とすることができる。なお、本発明では、希釈器5による希釈の程度すなわち風洞2内を通過させるエアロゾルの個数を、60個/CFM以下とするのが評価の正確を期する上で好ましい。
【0016】
さて、かかる評価システム1を用いる場合、先ず風洞2内を通過してくるエアロゾルの検出を行いうるようにエアロゾル検出装置20を設置する。すなわち、一方の照射光通過窓W2の外部から第2風洞部2B内を横切って他方の照射光通過窓W2を臨むように光源21を設置するとともに、第2風洞部2B内における光源21からの光の通過領域を臨むように、散乱光検出器22を検出窓W1の外側に設置する。
【0017】
本発明の評価対象たるエアロゾル検出装置20としては、光源21および散乱光検出器22を備え、光源からの光をエアロゾルに対して照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を散乱光検出器22で検出することによりエアロゾルを検出するものであれば照射光や散乱光検出器22の種類に限定されず、また他の付加的機器を備えるものであっても良い。例えば、照射光としてハロゲン光や、ストロボ光、レーザー光、およびこれらの光をレンズや鏡などにより加工した光などを用いるものや、散乱光検出器22として撮像管、CCDカメラ、写真機等を用いるもの、またはこれらによる検出画像を処理してコントラストを高める画像処理装置Vを備えるものなどについて、検出能力を評価することができる。
【0018】
なお、散乱光検出器22による検出結果は、そのままではパーティクルカウンター3の検出結果と対比できない。したがって、散乱光検出器22として撮像管やCCDカメラ等を用いる場合には図示するように、散乱光検出器22の検出画像を表示するモニター7、検出画像に基づいてエアロゾル数を計数する自動計数器8、検出画像を印刷するプリンター9、および検出画像を録画するビデオデッキ10等を少なくとも1つ用いる。
【0019】
計測に際しては、エアロゾル発生装置4によりエアロゾルを発生させ、これを希釈器5に供給して希釈し、粒子濃度を低下させるとともに実質的に粒径が単分散の評価用粒子からなるエアロゾルとした後、この希釈済みのエアロゾルを供給管6を介して第1風洞部2A上端より風洞2内に定量供給する。
【0020】
一方、散乱光検出器22を作動させて検出を開始するとともに、光源21からの光Lを一方側の照射光通過窓W2通して第2風洞部2B内に入射させ、第2風洞部2B内領域全体を通過させて他方側の照射光通過窓W2から風洞外に出射させる。また、ポンプPを作動させて、風洞2内の空気を吸引して、試料導入管3Aを介してパーティクルカウンター3に供給するとともに、パーティクルカウンター3による計測を開始する。このポンプPの吸引により風洞2の上端から下端に向かう気流が発生する。
【0021】
この気流に乗って、供給管6からのエアロゾルが第1風洞部2A内において均一に分散しつつ下降し、第2風洞部2Bに至り、さらに第2風洞部2B内を下降していく。この際、照射光通過窓W2によって囲まれる第2風洞部2B内の光通過領域を交差して通るエアロゾルによって、光源21からの光Lの一部が散乱される。散乱光のうち上方に向かうものが検出窓W1を通して散乱光検出器22により検出される。
【0022】
第2風洞部2Bを降下したエアロゾルは、試料導入管3Aを介してパーティクルカウンター3に導かれ、粒径や粒子数が計測される。
【0023】
一方、散乱光検出器22による検出結果に基づいてエアロゾル個数を計数する。例えば、モニター7の表示画像、ビデオデッキ10の録画画像、プリンター9の印刷画像に基づいて作業員が目視でエアロゾル個数を求めるか、あるいは自動計数器8により自動でエアロゾル個数を計数する。また、写真機を用いた場合にはその写真などの撮影結果に基づいて作業員が目視でエアロゾル個数を求める。
【0024】
かかる計測の後、エアロゾル検出装置20の検出結果に基づくエアロゾル数の計数結果と、パーティクルカウンター3によるエアロゾル個数の計数結果とを対比することにより、エアロゾル検出装置20の検出能力を評価することができる。例えば、両計数結果の比を取ることにより検出率を求めたり、評価用粒子の粒径を適宜スライドさせて評価実験を行い、エアロゾル検出装置20の検出限界を求めたりすることができる。この検出能力の評価は人的に行うことができるが、例えば自動計数器8およびパーティクルカウンター3を図示しないコンピュータに接続し、これらの計数結果をコンピュータで処理することにより行うこともできる。
【0025】
このように、本評価システム1は、エアロゾル検出装置20の検出能力(検出の可否、検出率または検出限界等)を、実質的に単分散の低濃度エアロゾルを用い、風洞2を用いることにより系外からの影響を抑制しつつ、エアロゾルの計測技術として信頼度が高くかつ汎用されているパーティクルカウンター3の検出能力を基準として評価するものである。したがって、本評価システム1によれば厳密にエアロゾル検出装置の評価を行うことができる。
【0026】
<変形例1>
上記例において、風洞2内断面積を自在に変化させて風洞2内の気流速を調整する気流速調整手段を設けるのは好ましい。例えば図4および図5に示すように、照射光通過窓W2,W2よりも上側の部分から下側の部分までの第2風洞部2Bの側壁部分R(照射光通過窓W2,W2を除く)を、図4に示すように蛇腹Sなどの変形可能な構造としたり、図5に示すようにゴムなどの変形可能な部材Gにより形成したりしておき、当該側壁部分Rを変形させつつ照射光通過窓W2,W2間距離を短く若しくは長くすることにより、照射光通過部分の第2風洞部2B内断面積を自在に変化させて、この照射光通過部分を通る気流の速度を調整することができる。
【0027】
<変形例2>
一方、本発明者らは、エアロゾル検出装置20の一構成として、散乱光検出装置22による検出にあたりその背景となる領域に光を反射しにくい背景を設置することにより、エアロゾル検出装置20の検出能力を向上させる発明をなしている。この発明においては、明度や反射率などの背景の光学特性によって検出能力に差違を生ずるため、好適な背景を選択するうえで背景種別の検出能力を測定する必要がある。また、室内等において実際にエアロゾル検出装置の測定を行う際に、検出背景となる壁などの光学特性が検出能力へ及ぼす影響を予め調べることができると、実条件に則した検出能力を評価することができ便利である。
【0028】
そこで、かかる要望に応ずるべく、上記例において、エアロゾル検出装置20により風洞2内を通過してくるエアロゾルからの散乱光を検出するにあたり、その背景すなわち上記例でいうならば、第2風洞部2B内における照射光通過窓W2よりも下側の部分を自在に変更する背景変更手段を設けることを備えせしめることを提案する。
【0029】
この背景変更手段としては、例えば図6に示すように、第2風洞部2Bの照射光通過窓W2よりも下側の部分2BU(以下、第2風洞部下側部分という)を図中矢印および二点鎖線で示すように着脱自在とするとともに、明度や反射率などの光学特性の異なる内面を有する第2風洞部下側部分(図示せず)を複数種用意しておき、これらを適宜交換して背景を任意のものに変更しつつ、エアロゾル検出装置20の検出能力を評価するものを提案する。この場合において、内面に無反射塗装を施したり、無反射シート(黒布)を貼り付けたりすることにより無反射部を設けた第2風洞部下側部分を用いると、散乱光検出装置22および光源21のみからなるエアロゾル検出装置20の検出能力を評価できる。
【0030】
また、図7に示すように、第2風洞部2B内における照射光通過窓W2よりも下側に、風洞2B内を横断する、上下面に連通する評価用粒子の通過孔(図示せず)を形成した背景部材BGを、図中矢印および二点鎖線で示すように着脱自在に設置することもできる。この場合、明度や反射率などの光学特性の異なる背景部材BGを複数種用意しておき、これらを適宜交換して背景を任意のものに変更しつつ、エアロゾル検出装置20の検出能力を評価する。この背景部材BGには、必要に応じて無反射塗装等の無反射処理を施すことができる。
【0031】
<その他>
(イ)図1に示す評価システム1は、光源21からの光の方向と散乱光検出器22の検出方向との角度および散乱光検出器22の検出距離(散乱光検出器22と照射光通過領域との距離)が一定の条件下でエアロゾル検出装置の検出能力を評価するものであるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、図示しないが光源および散乱光検出器の少なくとも一方の設置位置および設置方向を適宜変更することにより、光源の光照射方向と散乱光検出器の撮影方向との角度や散乱光検出器の検出距離を任意に定めることができる。この場合、風洞の形状や検出窓および照射光通過窓の配設位置を適宜変更することもできる。また、光源および散乱光検出器の少なくとも一方の設置位置および設置方向を可変としたり、複数の光源や散乱光検出器を設置位置および設置方向を異ならしめて設置したりするのも好ましい。
【0032】
また、光源および散乱光検出器の少なくとも一方の設置位置および設置方向を適宜変更しつつ検出能力を評価することにより、既存または新規なエアロゾル検出装置における最適条件(光源の光照射方向と散乱光検出器の検出方法との最適角度、散乱光検出器の最適検出距離)を調べることもできる。
【0033】
(ロ)上記例の評価システム1において、パーティクルカウンター3用のポンプPにより、風洞2内気流速を適宜変更して、異なる気流速における検出能力を評価することもできる。この評価結果を利用すれば、評価対象のエアロゾル検出装置が適応可能な現場を推定することが可能となる。
【0034】
【0035】
【0036】
(ハ)上記評価システム1において風洞2の形状は適宜定めることができる。また、風洞2を傾斜配置、横向き配置(すなわちエアロゾルが水平方向に移動する)、上下逆さ配置(すなわち風洞内をエアロゾルが上昇する)とすることもできる。なお風洞2内は無反射処理を施しておくのが好ましい。
【0037】
(ニ)評価用粒子としては、エアロゾルとなる限り材質は問わないが、例えば真球に近くかつ粒径が均一で単分散性に優れているポリスチレンラテックス粒子のほか、水ミストやオイルミストなどを用いることができる。
【0038】
(ホ)パーティクルカウンター3としては、JISB9921「光散乱式粒子計数器」に規定されるもの等を用いることができる。
【0039】
<実験例>
図1に示す前述の評価システム1を実験用クリーンルーム内(≧0.1μm、C−10)に設置した。評価用粒子として、真球に近く、かつ粒径が均一で単分散性に優れているポリスチレンラテックス(PSL)粒子を採用し、粒径が0.100μm、0.144μm、0.196μm、0.294μmのものを用意した。
【0040】
また、エアロゾル検出装置20の光源21として、アルゴン(Ar)レーザー(波長458〜514nm)を用い、これからのレーザー光を60Hzで振動するガルバノミラーで反射させ、その反射レーザー光を照射光通過窓W2を介して第2風洞部2B内に照射した。ガルバノミラーからの反射レーザー光は反射部を中心に揺動走査される。この走査速度は速く、肉眼ではシート状をなすように見えるので、以下、レーザーライトシートという。本実験ではレーザーライトシートの厚さは3mmとなるようにし、第2風洞部2B内を水平に横断するようにした。
【0041】
また、散乱光検出器22として高感度撮像管を用い、レーザーライトシート面と散乱光検出器22の検出方向との角度は焦点深度を考慮し、散乱光検出器22からの距離が一定となる90°に固定した。散乱光検出器22の検出結果は画像処理装置Vでコントラストを高めた後、モニター7に表示させるようにした。また、風洞2内気流速(V)は0.075m/sに調整した。
【0042】
かかるシステム構成および条件のもと、エアロゾル発生装置4においてPSL粒子のエアロゾルを発生させ、このエアロゾルを希釈器5において濃度が1ft3 当り数個〜数十個となるように希釈して実質的に粒径が単分散の低濃度エアロゾルとし、この低濃度エアロゾルを風洞2内に供給するとともに、レーザーライトシートを通過するエアロゾルからの散乱光を上部に配置した散乱光検出器22で撮影し、その撮影結果をモニター7に表示させた。また、レーザーライトシートを通過した全ての粒子をパーティクルカウンター3で計数した。そして、モニター7の表示映像に基づく粒子数の計数結果とパーティクルカウンター3による計数結果とを比較し、両計数結果が実質的に一致している場合には検出可能と判断した。
【0043】
その結果、0.294μmのPSL粒子は検出可能であった。0.196μm以下のPSL粒子を用いた実験では、モニター7の表示映像に基づく粒子数の計数結果とパーティクルカウンター3による計数結果との対比において、個数に大きな差異があったため、検出不可能と判断した。
【0044】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、エアロゾル検出装置の検出能力を、エアロゾルの計測技術として信頼度が高くかつ汎用されているパーティクルカウンターの検出能力を基準として、厳密に評価することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエアロゾル検出装置の検出能力評価装置例を示す概略縦断面図である。
【図2】 希釈器を示す概要図である。
【図3】 (a)希釈前のエアロゾルの粒径及び粒子数を示すグラフ、および(b)希釈後のエアロゾルの粒径及び粒子数を示すグラフである。
【図4】 変形例1の要部を示す概略縦断面図である。
【図5】 変形例1に係る他の例の要部を示す概略縦断面図である。
【図6】 変形例2の要部を示す概略縦断面図である。
【図7】 変形例2に係る他の例の要部を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1…エアロゾル検出装置の検出能力評価装置、2…風洞、3…パーティクルカウンター、4…エアロゾル発生装置、5…希釈器、6…エアロゾル供給管、7…モニター、8…自動計数器、9…プリンター、10…ビデオデッキ、20…エアロゾル検出装置、21…光源、22…散乱光検出器。

Claims (6)

  1. エアロゾルに対して光を照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を検出することにより前記エアロゾルを検出するエアロゾル検出装置について、その検出能力を評価する評価装置であって、
    評価用粒子のエアロゾルを通過させる風洞と、
    この風洞内を通過してくる前記エアロゾルの個数計測を行うパーティクルカウンターと、
    評価用粒子のエアロゾルを発生させるエアロゾル発生装置と、
    このエアロゾル発生装置で発生させたエアロゾルを希釈して粒子濃度を低下させるとともに粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルとする希釈器と、
    この希釈器からのエアロゾルを、前記評価用粒子のエアロゾルとして、内部領域全体を所定の気流速で前記風洞内を通過させ、これに続いて前記パーティクルカウンターに供給する手段と、
    前記風洞内の所定の断面に沿って光を照射し、前記風洞内の前記断面において、これを通過するエアロゾルからの前記光の照射に伴う散乱光を検出する前記エアロゾル検出装置と、
    前記エアロゾル検出装置による検出結果に基づき前記エアロゾルの個数を計数する計数手段と、
    前記計数手段による前記エアロゾルの個数と前記パーティクルカウンターによる前記エアロゾルの個数との対比に基づいて、前記エアロゾル検出装置の検出能力を評価する手段とを備えた、
    ことを特徴とするエアロゾル検出装置の検出能力評価装置
  2. 前記風洞の風洞内断面積を自在に変化させて前記風洞内の気流速を調整する気流速調整手段を備えた請求項1記載のエアロゾル検出装置の検出能力評価装置
  3. 前記エアロゾル検出装置により前記風洞内を通過してくるエアロゾルからの散乱光を検出するにあたりその背景を自在に変更する背景変更手段を備えた請求項1または2記載のエアロゾル検出装置の検出能力評価装置
  4. エアロゾルに対して光を照射し、その際に生じるエアロゾルからの散乱光を検出することにより前記エアロゾルを検出するエアロゾル検出装置について、その検出能力を評価する方法であって、
    評価用粒子のエアロゾルを発生させ、このエアロゾルを希釈して粒子濃度を低下させるとともに粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルとした後、この粒径が単分散の前記評価用粒子のエアロゾルを、評価用粒子のエアロゾルとして、内部領域全体を所定の気流速で前記風洞内を通過させ、これに続いて前記パーティクルカウンターに供給し、前記エアロゾルの個数をパーティクルカウンターにより計測し、
    前記風洞内の所定の断面に沿って光を照射し、前記風洞内の前記断面において、これを通過するエアロゾルからの前記光の照射に伴う散乱光を前記エアロゾル検出装置により検出し、
    前記風洞内の前記断面を通過するエアロゾルについて前記エアロゾル検出装置による検出結果に基づいてエアロゾルの個数を計数し、
    このエアロゾルの個数を計数値と、前記パーティクルカウンターによる前記エアロゾルの個数との対比に基づいて、前記エアロゾル検出装置の検出能力を評価することを特徴とするエアロゾル検出装置の検出能力評価方法。
  5. 前記風洞内断面積を自在に変化させて前記風洞内の気流速を調整する請求項4記載のエアロゾル検出装置の検出能力評価方法。
  6. 前記エアロゾル検出装置により前記風洞内を通過してくるエアロゾルからの散乱光を検出するにあたりその背景を任意の背景に変更して前記エアロゾル検出装置の検出能力を評価する請求項4または5記載のエアロゾル検出装置の検出能力評価方法。
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