JP2007285808A - 流体可視化計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体への照射光の入射方向が制限されている場合であっても流体の任意方向の断面における流れ場を可視化する流体可視化装置および流体可視化方法を提供する。
【解決手段】反射鏡19は透過部14を透過した照射光を反射する。流体2に混入されたトレーサ粒子は反射鏡19において反射した照射光により鮮明に照らし出される。これにより流体2のある方向に沿った断面が照射された状態になる。反射鏡19の傾きを変えることで反射鏡19が反射した照射光の進行方向を任意の方向に設定することができるので流体2の任意方向の断面を照らし出すことが可能になる。よって流体可視化計測装置100は流体2への照射光の入射方向が制限されている場合であっても、流体2の任意方向の断面における流れ場の情報を得ることが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の流れ場を可視化する技術に関し、特に、流体に光を照射する方向が制限される場合にも流れ場の任意の領域を可視化する技術に関する。
従来、流体の速度を測定するための方法として流体可視化計測と称される計測方法が多く用いられている。
一般的に流体可視化計測では、流体中の粒子と同等の比重を持つ微細なトレーサ粒子が混入された流体が測定に用いられる。測定場所である流体の断面(計測断面)は、たとえばパルスレーザ等から発せられたレーザ光等の光によってシート状に照明される。計測断面での照明は数時刻にわたり瞬間的に行なわれる。トレーサ粒子により散乱された光は瞬時的な画像としてビデオカメラなどの撮影装置に記録される。記録された複数の画像のうち、ある2時刻の画像からトレーサ粒子の移動量や移動時間などが求められる。トレーサ粒子の移動量や移動時間などから2次元の流速が求められる。
通常の流体可視化計測では、レーザ光の屈折や乱反射による拡散を防ぐためにレーザ光により照明される部分は平滑な面を形成し、かつ、透明な材料で構成されている必要がある。たとえば流体が流水であればレーザ光により照明される部分は透明アクリル樹脂等の水槽や配管である。レーザ光により照明される部分が平滑な面でない場合には、その面でレーザ光が屈折や乱反射等を行なうために流体をシート状に照明することができない。また、レーザ光により照明される部分がレーザ光を透過しなければ流体をシート状に照明することができない。
このような流体可視化計測について、たとえば特開平10−267785号公報(特許文献1)では、紫外線で励起されて可視光を発生するトレーサを観測対象流体の流れに混入し、この流れにシート状に加工された紫外線を照射することによって紫外線が横切る面内での観測対象流体の流れを可視化する流れの可視化方法及び装置が開示される。この方法および装置によれば、円筒容器の中の気体の流れに、トレーサとして紫外線により励起されて蛍光を発する物質(たとえばローダミンBを含有させた固体粒子)が混入される。この方法では円筒容器の壁面からの反射光は肉眼では見えないので、観察の際の障害にはならず、トレーサからの散乱光のみを肉眼で観察することができる。
特開平10−267785号公報
上述の流体可視化計測は河川水理の研究の一手法として用いられることがある。河川水理の研究において流体可視化計測を行なう場合、たとえばモルタル等の材料を用いて河川水理模型を形成して、模型中に形成された水路に水を流す方法が用いられる。
モルタルは光を通さないため、流体断面をシート状に照明しようとすれば流体の表面(すなわち水面)から内部に照射光を導入しなければならない。よって河川水理模型を用いて従来の流体可視化計測を行なおうとすると、流水の流れる方向に垂直な断面での情報しか得られない。このため研究に必要な実験データが十分に得られないことが起こり得る。
本発明の目的は、流体への照射光の入射方向が制限されている場合であっても流体の任意方向の断面における流れ場を可視化する流体可視化装置および流体可視化方法を提供することである。
本発明は要約すれば、複数のトレーサ粒子が混入された流体の速度を計測する流体可視化計測装置であって、光学装置と、透過部と、反射鏡と、第1の撮像装置と、速度算出部とを備える。光学装置は、流体に向けて照射光を発する。透過部は、第1および第2の主表面を有し、第2の主表面が流体の表面に接する状態で光学装置と流体との間に設けられ、第1の主表面から第2の主表面に向けて照射光を透過させる。反射鏡は、流体内部に設けられ、透過部から入射する照射光を反射する。第1の撮像装置は、反射鏡において反射した照射光が複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第1の散乱光を撮像して、第1の画像データを送信する。速度算出部は、第1の画像データに基づいて、流体の第1の速度を算出する。
好ましくは、流体可視化計測装置は、反射鏡の傾きを調整する調整機構をさらに備える。
より好ましくは、調整機構は、透過部に設置されるモータと、モータの出力軸に取り付けられるプーリーと、プーリーにかけられ、反射鏡を吊り下げるベルトとを含む。
好ましくは、反射鏡からの照射光は流体の流れる方向に沿って進行する。流体可視化計測装置は、第1の撮像装置を流体の表面に向けた状態で第1の撮像装置を覆い、少なくとも一部分が透明なカバーをさらに備える。カバーは、第1の撮像装置の少なくとも一部が流体の表面下に位置するように設置される。
より好ましくは、カバーにおいて流体に接する部分の表面は、球面状に形成される。
好ましくは、流体可視化計測装置は、透過部から反射鏡に向けて進む照射光が複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第2の散乱光を集光する集光部をさらに備える。集光部は、透過部よりも流体の下流側に設けられ、少なくとも一部が流体の内部に位置する。流体可視化計測装置は、集光部によって集光された第2の散乱光を撮像して、速度算出部に第2の画像データを送信する第2の撮像装置をさらに備える。速度算出部は、第2の画像データに基づいて、流体の第2の速度を算出する。
より好ましくは、集光部は、筒状レンズである。
本発明の他の局面に従うと、複数のトレーサ粒子が混入された流体の速度を計測する流体可視化計測方法であって、照射光を発する光学装置と、照射光を透過する透過部と、透過部から入射する照射光を反射する反射鏡とを用いて、流体に照射光を照射するステップを備える。透過部は、第1および第2の主表面を有し、第2の主表面が流体の表面に接する状態で光学装置と流体との間に設けられ、第1の主表面から第2の主表面に向けて照射光を透過する。反射部は、流体の内部に設けられる。流体可視化計測方法は、第1の撮像装置を用いて、反射鏡において反射した照射光が複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第1の散乱光を第1の画像として撮像するステップと、第1の画像に基づいて流体の第1の速度を算出するステップとをさらに備える。
好ましくは、流体可視化計測方法は、撮像するステップに先立って、調整機構を用いて反射鏡の傾きを調整するステップをさらに備える。
より好ましくは、調整機構は、透過部に設置されるモータと、モータの出力軸に取り付けられるプーリーと、プーリーにかけられ、反射鏡を吊り下げるベルトとを含む。
好ましくは、反射鏡からの照射光は流体の流れる方向に沿って進行する。第1の撮像装置は流体の表面を向いた状態で、カバーに覆われる。カバーは、少なくとも一部分が透明であり、かつ、第1の撮像装置の少なくとも一部が流体の表面下に位置するように設置される。
より好ましくは、カバーにおいて、流体に接する部分の表面の形状は、球面の一部になるように形成される。
好ましくは、流体可視化計測方法は、透過部よりも流体の下流側に設けられ、少なくとも一部が流体の内部に位置する集光部を用い、透過部から反射鏡に向けて進む照射光が複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第2の散乱光を集光するとともに、第2の撮像装置を用いて集光部が集光した第2の散乱光を第2の画像として撮像するステップと、第2の画像に基づいて、流体の第2の速度を算出するステップとをさらに備える。
より好ましくは、集光部は、筒状レンズである。
本発明によれば、流体への照射光の入射方向が制限されている場合であっても流体の任意方向の断面における流れ場の情報を得ることが可能になる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の流体可視化計測装置の構成を示す斜視図である。
図1を参照して、流体可視化計測装置100は、河川水理模型1を流れる流体2の速度を計測する。河川水理模型1において流体2は水である。流体2には複数のトレーサ粒子(図示せず)が混入される。トレーサ粒子は流体とほぼ同じ比重を有し流体粒子の動きに追従する粒子である。
なお図が煩雑化するのを防ぐために図1では河川水理模型1を一般的な水槽として示す。しかし河川水理模型は一般的にモルタル等の光を通さない材料を用いて作製される。このため、河川水理模型1において水路の周辺部分(この部分は図1の側面1A,1Bに対応する)および河川水理模型1の底面は光を通さない。よって河川水理模型1を用いて流体可視化計測を行なう場合には、流体2の上方から流体2の内部に照射光を導入する必要がある。
流体可視化計測装置100は、光学装置10と、レーザ反射板13と、透過部14と、ビデオカメラ15と、防水カバー16と、制御部18と、反射鏡19とを備える。
光学装置10は流体2に向けて照射光を発する。光学装置10は、レーザ装置11と、レンズ光学系12とを含む。レーザ装置11はレンズ光学系12を介し、所定の時間間隔(たとえば数十分の1秒間隔)で流体2に向けてパルス状のレーザ光を発する。レーザ反射板13はレーザ装置11から発せられるレーザ光の進行方向を流体2の方向に変えるために設けられる。レーザ反射板13は、たとえば一般的な鏡である。なお以下ではレーザ光のことを「照射光」と称する。
透過部14は、光学装置10と流体2との間(より厳密に説明すればレーザ反射板13と流体2との間)に設けられ、上面から底面に向けて照射光を透過する。透過部14はその底面が流体2の表面(水面)に接するように設けられる。透過部14に接した部分では流体表面の揺らぎが抑えられるので流体2の内部を均一に照明することができる。
透過部14の底面では水の表面張力によって水面が接触する。透過部14の底面と水面とが接触して一体となることで水面の揺らぎが生じなくなるので透過部14の底面では照射光の屈折あるいは乱反射を防止することができる。透過部14はたとえばアクリル樹脂で構成される。
透過部14の底面は、流体2の流れる向きに沿って流体2の表面に垂直な断面が円弧状になるように形成される。底面の形状が円弧状であれば流体の流れを乱すことなく流体表面の揺らぎを抑えることができる。なお、流体2の表面の揺らぎを抑えるのであれば透過部14の底面の形状は円弧状に限定されず、たとえば流線形であってもよい。
透過部14には複数の支持棒14Aが設けられる。透過部14は流体2の流れる方向に沿って移動可能である。透過部14が流体2によって流されることがないように複数の支持棒14Aにより透過部14は移動後の場所に固定される。
透過部14を透過した光は一部が複数のトレーサ粒子により散乱されるものの流体2の内部でいわばシート状に広がって進行する。反射鏡19は透過部14を透過した照射光を反射する。流体2に混入されたトレーサ粒子は反射鏡19において反射した照射光により鮮明に照らし出される。これにより流体2のある方向に沿った断面が照射された状態になる。
反射鏡19の傾きを変えることで反射鏡19が反射した照射光の進行方向を任意の方向に設定することができるので流体2の任意方向の断面を照らし出すことが可能になる。よって流体可視化計測装置100は流体2への照射光の入射方向が制限されている場合であっても、流体2の任意方向の断面における流れ場の情報を得ることが可能になる。
図1において、照明領域20は流体2の流れる方向に垂直な面であり、かつ、透過部14から反射鏡19に向けて進行する照射光により照明される面を示す。照明領域22は流体2の流れる方向に平行な面であり、かつ、反射鏡19からの光により照明される面を示す。
反射鏡19の傾きは透過部14の両側面(側面1B側の面および側面1A側の面)に取り付けられた調整機構14Bによって調整される。制御部18が調整機構14Bを制御することで反射鏡19の傾きが調整されてもよいし、測定者の操作により調整機構14Bを動作させて反射鏡19の傾きが調整されてもよい。
ビデオカメラ15はレーザ光の照射による複数のトレーサ粒子の散乱光(第1の散乱光)を画像として記録する。ビデオカメラ15は内部のレンズによって集光された散乱光を、ある瞬間におけるトレーサ粒子の画像として撮影して、撮影した画像のデータ(第1の画像データ)を制御部18に送信する。
ビデオカメラ15は防水カバー16に収められた状態で水中撮影を行なう。流体2の表面では散乱光が生じるので、複数のトレーサ粒子の挙動を撮影するにはビデオカメラ15のレンズを水面よりも深く沈めることが必要になる。よって防水カバー16のうち、少なくともビデオカメラ15のレンズに対応する部分は透明である必要がある。
制御部18は、たとえばパーソナルコンピュータであり、ビデオカメラ15とレーザ装置11とを制御する。制御部18はビデオカメラ15から送られた画像データに基づいてトレーサ粒子の移動距離や移動時間などを算出し、照明領域22の面内における流速(第1の速度)を求める。すなわち制御部18は本発明における「速度算出部」に対応する。
また、制御部18はビデオカメラ15による粒子画像の撮影のタイミングとレーザ光の照射タイミングとを同期させるためにレーザ装置11を制御する。
図2は、図1の反射鏡19に関する部分をより詳細に説明する図である。
図2を参照して、調整機構14Bは、ベルト14Cと、プーリー14Dと、モータ14Eとを含む。モータ14Eは透過部14に設置される。プーリー14Dはモータ14Eの出力軸に取り付けられる。ベルト14Cはプーリー14Dにかけられ、反射鏡19を吊り下げる。反射鏡19はベルト14Cによって吊り下げられた状態で流体2の内部に設置される。透過部14の底面142は流体2の表面2Aに接する。
モータ14Eがプーリー14Dを時計方向あるいは反時計方向に回転させると、反射鏡19は回転軸19Bを中心に回転する。透過部14の上面141から底面142を透過した照射光LA1は反射鏡19の反射面19Aで反射する。照射光LA2は反射面19Aで反射した照射光LA1に対応する。図2に示すように反射鏡19が回転することで反射鏡19の傾きが変わるので照射光LA2の進行方向を変えることができる。
図3は、図1のビデオカメラ15が流体2の内部を撮影する状態を示す図である。
図3を参照して、防水カバー16はビデオカメラ15を流体2の表面に向けた状態で収納する。ビデオカメラ15が撮像を行なう際には防水カバー16はビデオカメラ15の少なくとも一部が水面下に位置するように設置される。これにより水面の揺らぎ(波)による散乱光がビデオカメラに入るのを防ぎながら流体の断面(図1の照明領域22)を撮像することができる。
防水カバーの底部16Aの表面形状は球面である。底部16Aを水に浸したときに底部16Aの周辺で流体の乱れが生じるのを防ぐことができる。これによりたとえば流速等の流れ場の情報を得る際に、精度のよい情報を得ることができる。
図4は、図1のレーザ装置11の動作とビデオカメラ15の動作とを模式的に説明する図である。
図4を参照して、時刻t0と時刻t1との2つの時刻において、レーザ装置11からパルス光P1、P2がそれぞれ照射される。時刻t0と時刻t1との間はたとえば数ナノ秒である。
パルス光P1、P2の照射によるトレーサ粒子の散乱光は、それぞれトレーサ粒子の時刻t0、t1における画像としてビデオカメラ15に記録される。図4に示すカメラフレームにおいて、フレームF1では時刻t0でのトレーサ粒子の画像が記録され、フレームF2では時刻t1でのトレーサ粒子の画像が記録される。図1の制御部18はフレームF1とフレームF2との切り換わりの前後にパルス光P1、P2の照射を行なうようにレーザ装置11を制御する。
同様に、時刻t2と時刻t3とにおいてレーザ装置11からパルス光P1,P2がそれぞれ照射される。時刻t2,t3の各時刻に発せられるパルス光の照射によるトレーサ粒子の散乱光は、フレームF3の画像およびフレームF4の画像としてそれぞれ記録される。
制御部18は、たとえば連続する2時刻(時刻t0,t1)の画像上のトレーサ粒子像からその画像上でのトレーサ粒子の移動量を求める。トレーサ粒子の移動量をΔXとし、時刻t0と時刻t1との間隔をΔtとすると流体の速度uはu=ΔX/Δtの関係によって求められる。
図5は、実施の形態1の流体可視化計測装置を用いた流体の速度の計測手順を示すフローチャートである。
図5および図1を参照して、処理が開始されるとまずステップS1では、測定場所にレーザ光を照射するため、流体2の表面に透過部14が設置される。
次にステップS1Aでは調整機構14Bによって反射鏡19の傾きが調整される。この処理は、たとえば制御部18は測定者から受ける指示に応じて調整機構14Bを動作させることで実行される。
続いてステップS1Bでは、流体2内におけるレーザシートの位置(照明領域22の範囲)の確認が行なわれる。ステップS1Bでは、光学装置10がレーザ光を発することで流体2内のある領域(断面)が照射され、ビデオカメラ15によってその領域の撮像が行なわれる。制御部18はビデオカメラ15から画像を取得して予備的な実験データを生成する。測定者はこのデータに基づいて実験に最適な領域が照射されているか否かを判断する。
最適な領域が照射されている場合にはステップS1Bの処理が終了するが、照明領域を変更する必要があると測定者が判断する場合にはステップS1Bの処理が再度行なわれる。
続いてステップS2では、レーザ光を散乱するためのトレーサ粒子が流体2に散布される。
ステップS3において、レーザ装置11はパルス光(照射光)を流体2に向けて発する。パルス光は、たとえば図4に示すように数ナノ秒の間隔で発せられる。パルス光は透過部14を透過し、反射鏡19で反射することにより計測断面(照明領域22)をシート状に照明する。
ステップS4では、ビデオカメラ15によりトレーサ粒子の散乱光が画像(第1の画像)として撮影される。また、図4に示すように、ビデオカメラ15は2つの時刻におけるトレーサ粒子の画像を異なるフレームの画像として記録する。ビデオカメラ15は第1の画像データを出力する。
ステップS5において、制御部18はビデオカメラ15から送られた画像を保存する。ステップS6において、制御部18は所定の方法に基づいて画像解析処理を行ない、トレーサ粒子の移動量を算出する。
ステップS6における画像解析処理に用いられる方法として、様々な方法が適用可能である。画像解析処理方法の一例を示すと、画像を検査領域と呼ばれる小領域に分割し、その分割された領域内の輝度値パターンを追跡する画像相関法、また、個々の粒子を追跡する粒子追跡法などがある。
ステップS7において、制御部18はステップS6における画像解析処理の結果に基づき、トレーサ粒子の移動量と移動時間とから流体の速度(第1の速度)を算出する。ステップS7において流体の速度が算出されると計測が終了する。
以上のように実施の形態1によれば、流体内部に導入された光を任意の方向に反射させることが可能な反射鏡を備える。これにより実施の形態1によれば流体への照射光の照射方向が制限される場合であっても、流体の任意方向の断面における流れ場の情報を得ることが可能になる。
これにより実施の形態1によれば、河川水理模型のように光を通さない材料の表面を水が流れている場合であっても流水の様々な断面における流速の情報を得ることができる。よって、実施の形態1によれば、数値解析手法と組み合わせて、実験結果と解析結果との間で検証や相互補完を行なうことで数値解析モデルの高精度化を図ることができる。
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2の流体可視化計測装置の構成を示す斜視図である。
図6および図1を参照して、流体可視化計測装置100Aは、レンズ24と、ビデオカメラ25とをさらに備える点で流体可視化計測装置100と異なる。流体可視化計測装置100Aの他の部分については、流体可視化計測装置100の対応する部分と同様であるので以後の説明は繰返さない。
レンズ24は透過部14よりも流体2の下流に設けられる。レンズ24は少なくとも一部が流体2の内部に位置する。レンズ24は透過部14から反射鏡19に向けて進む照射光が複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた散乱光(図6に示す照明領域20において生じる第2の散乱光)を集光する。
レンズ24は、たとえばボアレンズ(小型の筒状レンズ)である。レンズ24は流体の深さに対して十分な長さを有する必要がある。レンズ24が流体の深さよりも十分長ければビデオカメラ25を流体中に設置しなくても散乱光を撮影することができる。よって、流れ場を乱すことなく散乱光を撮影することができる。
レンズ24の形状は、基本的には流体の流れに対して抵抗が小さくなるような形状であればよい。レンズ24が筒状であればレンズの表面積が小さくなる。これにより流体の流れに対するレンズの抵抗を小さくできる。
ビデオカメラ25は制御部18によって制御される。ビデオカメラ25はレンズ24が集光した散乱光(第2の散乱光)を撮像する。つまりビデオカメラ25は照明領域20におけるトレーサ粒子の挙動を撮影する。ビデオカメラ25は撮影した画像のデータ(第2の画像データ)を制御部18に送信する。
制御部18はビデオカメラ25から送られた画像データに基づいてトレーサ粒子の移動距離や移動時間などを算出し、照明領域20の面内における流速(第2の速度)を求める。これにより実施の形態2によれば流体2の垂直方向の断面と垂直方向以外の任意方向の断面(たとえば水平方向の断面)における流速とを求めることができる。
なお、図6のレーザ装置11の動作とビデオカメラ25の動作とは図4に示す動作と同様であるので、以後の説明は繰返さない。
図7は、実施の形態2の流体可視化計測装置を用いた流体の速度の計測手順を示すフローチャートである。
図7および図5を参照して、図7のフローチャートはステップS7の処理の後にステップS4A,S5A,S6A,S7Aの処理が追加される点で図5のフローチャートと異なる。図7における他のステップの処理については図5における対応するステップの処理と同様であるので以後の説明は繰返さない。以下、ステップS4A,S5A,S6A,S7Aの各ステップにおける処理を説明する。
図7および図6を参照して、ステップS4Aでは、ビデオカメラ25はトレーサ粒子の散乱光を画像(第2の画像)として撮影し、制御部18に第2の画像データを出力する。ステップS5Aにおいて、制御部18はビデオカメラ25から送られた画像を保存する。ステップS6Aにおいて、制御部18は所定の方法(たとえば上述の画像相関法等)に基づいて画像解析処理を行ない、トレーサ粒子の移動量を算出する。ステップS7Aにおいて、制御部18はステップS6Aにおける画像解析処理の結果に基づき、トレーサ粒子の移動量と移動時間とから流体の速度(第2の速度)を算出する。ステップS7Aにおいて流体の速度が算出されると計測が終了する。
なお、ステップS4〜S7の処理とステップS4A〜S7Aの処理とは並列に行なわれてもよい。
以上のように実施の形態2によれば流体2の垂直方向の断面における流速と垂直方向以外の任意方向の断面(たとえば水平方向の断面)における流速とを同時に求めることができる。よって実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に数値解析モデルの高精度化を図ることができる。
なお、実施の形態1,2において流体2は流水であるとして説明した。しかしながら本発明の流体可視化装置および流体可視化方法は、流水だけでなく流れのある物体のすべて(たとえば油、空気等を含む)の流れ場を可視化するために適用されるものである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1の流体可視化計測装置の構成を示す斜視図である。 図1の反射鏡19に関する部分をより詳細に説明する図である。 図1のビデオカメラ15が流体2の内部を撮影する状態を示す図である。 図1のレーザ装置11の動作とビデオカメラ15の動作とを模式的に説明する図である。 実施の形態1の流体可視化計測装置を用いた流体の速度の計測手順を示すフローチャートである。 実施の形態2の流体可視化計測装置の構成を示す斜視図である。 実施の形態2の流体可視化計測装置を用いた流体の速度の計測手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 河川水理模型、1A,1B 側面、2 流体、2A 表面、10 光学装置、11 レーザ装置、12 レンズ光学系、13 レーザ反射板、14 透過部、14A 支持棒、14B 調整機構、14C ベルト、14D プーリー、14E モータ、15,25 ビデオカメラ、16 防水カバー、16A 底部、18 制御部、19 反射鏡、19A 反射面、19B 回転軸、20,22 照明領域、24 レンズ、100,100A 流体可視化計測装置、141 上面、142 底面、F1〜F4 フレーム、LA1,LA2 照射光、P1,P2 パルス光、S1〜S7,S1A,S1B,S4A-S7A ステップ。

Claims (14)

  1. 複数のトレーサ粒子が混入された流体の速度を計測する流体可視化計測装置であって、
    前記流体に向けて照射光を発する光学装置と、
    第1および第2の主表面を有し、前記第2の主表面が前記流体の表面に接する状態で前記光学装置と前記流体との間に設けられ、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向けて前記照射光を透過させる透過部と、
    前記流体内部に設けられ、前記透過部から入射する前記照射光を反射する反射鏡と、
    前記反射鏡において反射した前記照射光が前記複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第1の散乱光を撮像して、第1の画像データを送信する第1の撮像装置と、
    前記第1の画像データに基づいて、前記流体の第1の速度を算出する速度算出部とを備える、流体可視化計測装置。
  2. 前記反射鏡の傾きを調整する調整機構をさらに備える、請求項1に記載の流体可視化計測装置。
  3. 前記調整機構は、
    前記透過部に設置されるモータと、
    前記モータの出力軸に取り付けられるプーリーと、
    前記プーリーにかけられ、前記反射鏡を吊り下げるベルトとを含む、請求項2に記載の流体可視化計測装置。
  4. 前記反射鏡からの照射光は前記流体の流れる方向に沿って進行し、
    前記流体可視化計測装置は、
    前記第1の撮像装置を前記流体の表面に向けた状態で前記第1の撮像装置を覆い、少なくとも一部分が透明なカバーをさらに備え、
    前記カバーは、前記第1の撮像装置の少なくとも一部が前記流体の表面下に位置するように設置される、請求項1に記載の流体可視化計測装置。
  5. 前記カバーにおいて前記流体に接する部分の表面は、球面状に形成される、請求項4に記載の流体可視化計測装置。
  6. 前記流体可視化計測装置は、
    前記透過部から前記反射鏡に向けて進む前記照射光が前記複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第2の散乱光を集光する集光部をさらに備え、
    前記集光部は、前記透過部よりも前記流体の下流側に設けられ、少なくとも一部が前記流体の内部に位置し、
    前記流体可視化計測装置は、
    前記集光部によって集光された前記第2の散乱光を撮像して、前記速度算出部に第2の画像データを送信する第2の撮像装置をさらに備え、
    前記速度算出部は、前記第2の画像データに基づいて、前記流体の第2の速度を算出する、請求項1に記載の流体可視化計測装置。
  7. 前記集光部は、筒状レンズである、請求項6に記載の流体可視化計測装置。
  8. 複数のトレーサ粒子が混入された流体の速度を計測する流体可視化計測方法であって、
    照射光を発する光学装置と、前記照射光を透過する透過部と、前記透過部から入射する前記照射光を反射する反射鏡とを用いて、前記流体に前記照射光を照射するステップを備え、
    前記透過部は、前記第1および第2の主表面を有し、前記第2の主表面が前記流体の表面に接する状態で前記光学装置と前記流体との間に設けられ、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向けて前記照射光を透過し、
    前記反射部は、前記流体の内部に設けられ、
    第1の撮像装置を用いて、前記反射鏡において反射した前記照射光が前記複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第1の散乱光を第1の画像として撮像するステップと、
    前記第1の画像に基づいて前記流体の第1の速度を算出するステップとをさらに備える、流体可視化計測方法。
  9. 前記撮像するステップに先立って、調整機構を用いて前記反射鏡の傾きを調整するステップをさらに備える、請求項8に記載の流体可視化計測方法。
  10. 前記調整機構は、
    前記透過部に設置されるモータと、
    前記モータの出力軸に取り付けられるプーリーと、
    前記プーリーにかけられ、前記反射鏡を吊り下げるベルトとを含む、請求項9に記載の流体可視化計測方法。
  11. 前記反射鏡からの照射光は前記流体の流れる方向に沿って進行し、
    前記第1の撮像装置は前記流体の表面を向いた状態で、カバーに覆われ、
    前記カバーは、少なくとも一部分が透明であり、かつ、前記第1の撮像装置の少なくとも一部が前記流体の表面下に位置するように設置される、請求項8に記載の流体可視化計測方法。
  12. 前記カバーにおいて、前記流体に接する部分の表面の形状は、球面の一部になるように形成される、請求項11に記載の流体可視化計測方法。
  13. 前記流体可視化計測方法は、
    前記透過部よりも前記流体の下流側に設けられ、少なくとも一部が前記流体の内部に位置する集光部を用い、前記透過部から前記反射鏡に向けて進む前記照射光が前記複数のトレーサ粒子を照射することにより生じた第2の散乱光を集光するとともに、第2の撮像装置を用いて前記集光部が集光した前記第2の散乱光を第2の画像として撮像するステップと、
    前記第2の画像に基づいて、前記流体の第2の速度を算出するステップとをさらに備える、請求項8に記載の流体可視化計測方法。
  14. 前記集光部は、筒状レンズである、請求項13に記載の流体可視化計測方法。
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