JP3901256B2 - ミシンの垂直全回転かま - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば本縫いミシン等で用いられる、ミシンの垂直全回転かまに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来の一般的なミシンの垂直全回転かまを示す側面図である。図11は、給油機構を有する従来の垂直全回転かまを示す部分断面図である。
図10および図11に示す様に、一般的なミシンの垂直全回転かまは、外かまP1、内かまP2、内かま押えP3、糸案内ばねP4、外かま止めネジP10、内かま押え締めネジP11、糸案内ばね締めネジP12により構成される。また、給油機構を有するものは、図11に図示された、給油路P9を備えている。
【0003】
内かまP2の外周面には、回転軸方向のほぼ中央付近に内かまレース部P6が設けられ、それに対応して、外かまP1の内周面には外かまレース溝P7が設けられている。そして、この外かまレース溝P7に内かまレース部P6が嵌合して、外かまP1に内かまP2が遊嵌保持されている。
内かまレース部P6は、一般に、内かまP2の回転軸方向のほぼ中央付近に設けられ、その幅は1.6mm程度のものが多い。
【0004】
また、外かまP1に形成された外かまレース溝P7は、図11および図12に示すように、その半周以上が、溝の側方が開放されて形成され(側方が開放された側Jと開放されてない側Cに分けられる。)、内かま押えP3がこの溝の側方を構成している。
内かまP2を外かまP1に組み付ける場合、先ず、内かまレース部P6の半周部を外かまレース溝P7の開放されてない側Cに挿入し、その挿入した部分を中心に内かまレース部P6を回動させて、内かまレース部P6の残りの部分を、外かまレース溝P7の開放された側Jに挿入する。そして、内かま押えP3を外かまP1にネジ止着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の垂直全回転かまは、内かまレース部P6の幅が1.6mm程度と細く、図12に示すように、外かまP1の外かまレース溝P7と内かまP2の内かまレース部P6とのガタA1を受ける面積が狭い為、内かまP2の倒れが生じ易く、この倒れが外かまP1の回転に伴う内かまP2の振動を増幅させて、内かま2内に装着される不図示のボビンケースおよびボビンに影響を与え、縫製中のボビンに巻かれた下糸の張力が不安定となってしまう問題点があった。
【0006】
上記の問題点を解決するには、内かまレース部の幅と外かまレース溝の幅を広げて、ガタA1を受ける面積を広げれば良いのだが、上記従来の内かまP2と外かまP1との組付け構造では、次に挙げるような問題があった。
すなわち、内かまレース部P6を回動させて外かまレース溝P7の側方の開放された側Jに挿入する際、内かまレース部P6の幅が広いと、内かまレース部P6の角部Qが外かまレース溝P7の前で引っかかって挿入できない。
挿入させるために、内かまレース部の径(かまの回転軸線を中心とした径)を小さくすると、外かまレース溝P7と内かまレース部P6とのガタA1が大きくなってしまい、外かまP1の回転に伴う内かまP2の振動を増幅させてしまう。
【0007】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、外かまの回転に伴う内かまの振動を減少すべく、幅広の内かまレース部を備えた内かまを、ガタを大きくせずに外かまに組み付け可能なミシンの垂直全回転釜を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、内かまと、回転軸線を中心に回転する外かまと、外かまに支持されて内かまを保持する内かま押えと、を備えたミシンの垂直全回転かまにおいて、内かまの外周部に設けられ、給油を不要とするために工業用プラスチックから形成されたレース部と、外かまの内周部の一方側に設けられると共に、該外かまの内周部の他方側において、外かまと前記内かま押えとの支持部に設けられたレース溝とを有し、前記外かまと内かま押えとの継目が前記レース溝の中央から前記回転軸線方向に沿って外かまの釜底よりに位置し、前記レース溝に前記レース部が遊嵌されて内かまが保持されている構成とした。
【0009】
この請求項1記載の発明によれば、内かまを外かまに組み付ける場合、先ず、レース部の一方側を、外かまのみにレース溝が形成されている側に挿入し、その挿入した部分を中心に内かまを回動させて、内かまレース部の残りの部分を、内かま押えとの接合部にレース溝が形成されている側に挿入する。そして、内かま押えを例えばネジ止着により外かまに接合させて、内かまのレース部を外かまと内かま押えとに設けられたレース溝に遊嵌保持する。
上記の内かまを回動させて、内かまのレース部を外かまのレース溝に挿入する際、従来の構造では、レース部を幅広にすると該レース部の角が外かまに引っ掛かってしまうのに対して、この発明では、外かまと内かま押えとの継目が、レース溝の中央から釜底よりに位置するように形成されているので、レース部の幅に拘ることなく、レース部の引っ掛かかりが回避され、レース溝とレース部のガタを増すことなく、良好に内かまを外かまに挿入および抜き出しすることが出来る。従って、レース部を幅広にすることも可能となる。
【0010】
そして、前記レース部が2.4mm〜4.0mmの幅で形成された構成とした。
【0011】
従って、幅広のレース部により、レース溝とレース部とのガタを受ける面積が広くなって、内かまの倒れが減少し、これにより外かまの回転中に発生する内かまの振動が少なくなり、下糸張力が安定する。
【0014】
さらに、外かまの釜底を下に向けたときの前記内かま押えの上面部に、かまの糸取出し量が最大に達したときに上糸が渡る部位より外かまの回転方向に向かって後方にある点を頂点として、外かまの回転方向に向かって下る傾斜面(針を針落ち穴に案内するものを除く)が設けられている構成とした。
【0015】
従って、ミシンの上糸が垂直全回転かまを渡る際、外かまの回転に伴って、かまの底側を渡る糸が内かま押えの上面部に沿って相対移動することになる。この相対移動の際、糸は、かまの底側から伸び、内かま押えの上面部の角で屈折し、内かま押えの上面部に沿って縫製箇所まで伸びた状態になる。
そして、内かまのレース部が中央から幅広に形成されている分、内かま押えの厚みを一定にすると、内かま押えの上面部が高くなるが、該内かま押えの上面部に上記の勾配が設けられているので、かまの糸取り量がほぼ最大となる範囲では、上面部の高さが低められることとなって、かまの糸取り量が低く抑えられる。また、上記の範囲で上面部の高さが低められているので、内かま押えの上面部に渡る上糸の屈折抵抗(上糸の屈折した部分の抵抗)が減少し、上糸の張力変動が少なくなり、安定した縫い品質が実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図9の図面を参照しながら説明する。
始めに、この実施の形態の説明中で使用する方向についての定義づけを行う。この実施の形態の説明において、「上」「下」とは、かま10の底を下に向けたときの上下を表し、「高」「低」とは、かま10の底を基準として外かま1の回転軸線に沿った高低を表し、例えば、後述する内かまレース部6の先端部6aおよび後端部6bや、外かま押え3や糸案内ばね4の先端や後端で使用される、「前(先)」「後」とは、かま10の周方向に沿って外かま1の回転方向に向いたときの前(先)後を表す。
図1は、本発明の実施の形態の一例を示すミシンの垂直全回転かま10を側面から眺めた部分断面図、図2は、内かまレース部の糸抜け側の形状および上糸の渡りを説明する内かまの斜視図、図3は、内かまレース部の糸分け側の形状を示す側面図、図4は、外かまレース溝と内かま押えレース溝の合わせ位置を示す部分拡大図、図5はかまの正面図、図6は、図5の矢印U方向から見たかまの部分拡大図である。
【0017】
この実施の形態の垂直全回転かま10は、給油を必要とせず高速回転可能な本縫いミシン用の垂直全回転かまであり、従来と同様、外かま1、内かま2、内かま押え3、糸案内ばね4により構成されている。内かま押え3および糸案内ばね4は、外かま1にネジ止着されている。
内かま2の外周面には内かまレース(軌条)部6が設けられ、それに対応して、外かま1と内かま押え3の内周面にはレース溝7が設けられている。内かま2は、この内かまレース部6がレース溝7に嵌合して、外かま1に遊嵌保持されている。
【0018】
内かまレース部6は、給油を不要とするため工業用プラスチックから形成され、且つ、レース溝7とのガタを広い面積で受けるため、幅広に形成されている。その幅Wは、従来(一般的に1.6mm程度で図中二点鎖線で示す。)に比べて1.5倍〜2.5倍、すなわち、2.4mm〜4.0mm程度のものである。
そして、幅が2.4mm以下であるとレース溝7とレース部6とのガタに対するレース部の幅の割合が大きくなり、ボビンに釜の回転による振動が伝わり、ボビンが空転して、ボビンケースの中で下糸が絡みつき糸切れが生じる。
又、幅が4.0mm以上であると、釜の底からの傾斜面Bまでの距離が必然的に長くなり、これによって、釜の糸取り曲線が変化するため糸締りも変化し、薄い布を縫う際の糸の締りに対応できなくなるという欠点がある。このため、レース幅は上記の範囲に設定されている。
内かまレース部6は、かま10の回転軸線方向のほぼ中央に設けられ、従来の細いものに比べて、中央付近から両方向に、ほぼ均等に幅が拡大されている。
【0019】
図2に示すように、内かまレース部6のレース糸ぬけ部(先端部)6aには、内かまレース部6の幅Wのほぼ1/2の半径でアールが形成されている。図中二点鎖線で示す従来の細い内かまレース部と比べると、内かまレース部6が幅広になった分、アールが大きくなっている。
【0020】
図3に示すように、内かまレース部6のレース糸分け部(後端部)6bは、上糸を中かま2の底側と上側とに分ける頂点を有し、且つ、この頂点(特に頂点から内かま2の底側にかけて)にはアールが形成されている。図中二点鎖線で示す従来の細い内かまレース部と比べると、頂点の位置を変えることなく、大きなアールが形成されている。
【0021】
図4に示すように、レース溝7は、糸案内ばね4側の一部分が外かま1のみに形成され、糸案内ばね4に対向する半周以上の部分が、外かま1と内かま押え3とに渡って形成されている。外かま1側に形成された部分を外かまレース溝1a、内かま押え3側に形成された部分を内かま押えレース溝3aとする。
詳細には、内かま押え3がある部分において、レース溝7の一方の側壁部が外かま1により構成され、他方の側壁部が内かま押え3により構成され、レース溝7の底面部が外かま1と内かま押え3にわたって構成されている。外かま1の外かまレース溝1aと内かま押え3の内かま押えレース溝3aとの合わせ位置M1は、レース溝7のほぼ中央に位置した構成となっている。
【0022】
図6に示すように、内かま押え3の上面Eは、点Gより後方側において、図中二点鎖線で示す従来の上面より高くなっている。この上面Eの上昇は、内かまレース部6の幅が上側に拡大された為に生じたものである。また、内かま押え3の上面Eには、点Gを頂点として先端に掛けてなだらかに下る傾斜面Bが形成されている。点Gは、かま10の糸取り量が最大を過ぎて、糸の張力が低くなる点である。この傾斜面Bにより、内かま押え3の上面Eの高さが、糸案内ばね4の後端部4aの高さと連続的につながるようになっている。
また、内かま押え3の上面Eの高さ、および、糸案内ばね4の後端部4aの高さは、範囲Hにおいて、従来の釜のものと、ほぼ同じ高さに形成されている。範囲Hは、かま10の糸取り量がほぼ最大となるときに、外かま1の上側を渡る上糸が通過する範囲である。
【0023】
この実施の形態のミシンの垂直全回転かま10は、上記のような構成により、次に示すような作用を効する。
すなわち、内かまレース部6とレース溝7とのガタA2の説明図である図7にも示すように、内かまレース部6を従来に比べて幅広(1.5倍〜2.5倍)に形成する事により、外かま1のレース溝7と内かま2の内かまレース部のガタA2を受ける面積が広くなり、内かま2の倒れが減少し、これにより外かま1の回転中に発生する内かま2の振動が少なくなる。
【0024】
また、図1に示したように、内かまレース部6が内かま2の中央付近に位置しているため、内かま2は内かま2の重心位置とほぼ同じ高さで支持されることとなって、内かま2の振動が少なくなる。また、内かまレース部6が内かま2の底よりに位置するものに比べて、糸の供給される側(図中F側)での振動(変位)が減少され、下糸張力が安定化する。
【0025】
図2に示したように、内かまレース部6のレース糸抜け部(先端部)6aの曲率が緩やかになっていることにより、縫製中、内かまレース部6のレース糸抜け部6aに接触する上糸のしごき(上糸の釜渡り時の撚り移動)が軽減され、ルーピングや糸切れなどが低減され、安定した縫目が形成できる。
【0026】
図3に示したように、内かまレース部6のレース糸分け部(後端部)6bの曲率が緩やかになっていることにより、縫製中、内かまレース部6のレース糸分け部6bに接触する上糸のしごき(上糸の釜渡り時の撚り移動)が軽減され、ルーピングや糸切れなどが低減され、安定した縫目が形成できる。
また、レース糸分け部6bの頂点の位置が従来のものと変わっていないので、上糸をかまの底側と上側とに分ける、外かま1の剣や糸案内ばね4の構成配置を従来と同様にすることが出来る。それにより、かま10の糸取り量が従来どお りとなって、天秤の運動等を調整し直す必要がない。
【0027】
内かま2を外かま1に組み付ける際には、先ず、内かまレース部6の半周側を、外かま1のみにレース溝7が形成されている部分C1(図1)に挿入し、その挿入した部分を中心に内かま2を回動させて、内かまレース部6の残りの部分を外かま1に挿入する。
【0028】
図4および図7に示したように、外かまレース溝1aと内かま押えレース溝3aとの合わせ位置M1が、レース溝7のほぼ中央に位置しているので、上記の内かま2を回動させて外かま1に挿入する際、内かまレース部6の角部Dが外かま1に引っ掛かってしまうことが回避され、外かま1と内かま2のガタを増すことなく、良好な挿入および抜き出し性(挿抜性)が確保される。
【0029】
縫製中において、かま10の底側を渡る上糸は、糸案内ばね4に沿って移動した(実際は外かま1の方が回転移動している。)後、かま10の糸取り量がほぼ最大となる範囲Hにおいて、糸案内ばね4から内かま押え3の上面Eの傾斜面Bに渡り、そして、上糸が点Gに達する前に、かま10の糸取り量が最大を過ぎて、糸の張力が低くなる。
【0030】
図8には、かま10の底側を渡る上糸が、範囲Hにおいて、内かま押え3の上面Eに沿って移動する状態を説明する部分断面図を示す。
図6に示したように、内かまレース部6の幅の拡大に伴い、内かま押え3の上面Eが高くなっており、そのままでは縫製中E面に沿って移動する上糸Sの屈折抵抗(上糸Sの屈折部分S1の抵抗:図8参照)が増してしまうが、内かま押え3の上面Eが高くなる範囲は、上糸Sの張力が低くなる点G以降なので、上糸の渡りおよび糸取り量に影響を与えない。
【0031】
更に、図6に示すように、内かま押え3の上面Eには、点Gを頂点として先端に掛けてなだらかに下る傾斜面Bが形成されて、かま10の糸取り量がほぼ最大となる範囲Hで、上面Eの高さが低められているので、内かま押え3の上糸渡り時の糸繰出しを最小限に抑えられる。また、上記の範囲Hにおいて、内かま押え3の上面Eに沿って渡る上糸Sの屈折抵抗(上糸Sの屈折部分S1の抵抗)が減少し、上糸の張力変動が少なくなり、安定した縫い品質となる。
【0032】
また、上記のなだらかな傾斜面Bにより、内かま押え3の上面Eの高さと糸案内ばね4の後端部4aの高さとが連続的につながっているので、糸案内ばね4と内かま押え3との結節点において上糸の引っ掛かりがなく、上糸を糸案内ばね4から内かま押え3の上面Eにスムーズに移動させることが出来る。すなわち、釜の糸越しがスムーズになる。
【0033】
また、範囲Hにおいて、糸案内ばね4と内かま押え3の上面Eの高さが、従来とほぼ同一の高さに調整されているので、かま10の糸取り量が従来とほぼ同じとなって、天秤の運動を調整し直す必要がない。
【0034】
以上のように、この実施の形態のミシンの垂直全回転かま10によれば、上述した作用に従って、次の(1)〜(6)に挙げるような効果を奏する。
【0035】
(1)内かま2の倒れおよび内かま2の振動を少なくする事ができ、縫製中の下糸張力が安定し、縫い品質が向上し、縫製中のかま10から発生する騒音も減少される。
(2)内かまレース部6の先端部6aおよび後端部6bの曲率を緩やかにする事ができ、縫製中の上糸のしごきが緩和され、ルーピングや糸切れなどが低減され、低張力で安定した縫い品質を提供することができる。
【0036】
(3)外かま1と内かま2の径方向および回転軸線方向のガタを増す事なく、内かま2の挿抜性が良好となり、ユーザーレベルでの内かま2の交換作業性も良好で、ランニングコストを抑制することが出来る。
(4)内かま押え3の上面Eの先端側をなだらかな傾斜面Bで形成する事により、内かま押え3の糸渡り時の糸繰出しを最小限に抑えられ、糸渡り時の上糸の張力変動を少なくし、縫目の安定化を計ることが出来る。
【0037】
(5)従来のかまの製造工程を大きく変更する事なく、縫い品質の良い安価なかまを提供する事ができる。
(6)かま10の糸繰出し量および糸張力を、従来のものとほぼ同じにすることができるので、天秤の運動などかま以外のミシンの構成を変更する事なく、縫い品質の良いかまを適用させる事ができる。
【0038】
なお、本発明は、この実施の形態のミシンの垂直全回転かま10に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、外かまレース溝1aと内かま押えレース溝3aとの合わせ位置は、レース溝7のほぼ中央に限定されず、中央より底側に位置すれば同様の効果が得られる。
【0039】
図9には、本発明のその他の実施の形態として、外かまレース溝と内かま押えレース溝との合わせ位置のその他の例を示す断面図である。
同図に示すように、レース溝7Aの一方の側壁部を外かま1Aにより構成し、他方の側壁部を内かま押え3Aにより構成し、レース溝7Aの底面部を内かま押え3Aのみで構成しても、即ち、外かま1Aと内かま押え3Aの合わせ位置M2をレース溝7Aの下端にしても、内かまの挿抜性は良好となる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、レース部の幅に拘らず、内かまを、外かまと内かまの径方向および回転軸線方向のガタを増す事なく、良好に外かまに組み付けることが出来る。すなわち、ユーザーレベルでの内かまの交換作業性も良好で、ランニングコストを抑制することが出来る。
【0041】
そして、幅広のレース部により、レース溝とレース部とのガタを受ける面積が広くなって、内かまの倒れが減少し、これにより外かまの回転中に発生する内かまの振動が少なくなり、下糸張力が安定する。
【0043】
さらに、内かまのレース部が中央から幅広に形成されている分、内かま押えの厚みを一定にすると、内かま押えの上面部が高くなるが、該内かま押えの上面部に上記の傾斜面が設けられているので、かまの糸取り量がほぼ最大となる範囲では、上面部の高さが低められることとなって、かまの糸取り量が低く抑えられる。また、上記の範囲で上面部の高さが低められているので、内かま押えの上面部に渡る上糸の屈折抵抗が減少し、上糸の張力変動が少なくなり、安定した縫い品質を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すミシンの垂直全回転かまを側面から眺めた部分断面図である。
【図2】同垂直全回転かまにおいて、内かまレース部の糸抜け側の形状および上糸の渡りを説明する内かまの斜視図である。
【図3】同垂直全回転かまにおいて、内かまレース部の糸分け側の形状を示す内かまの側面図である。
【図4】同垂直全回転かまにおいて、外かまレース溝と内かま押えレース溝の合わせ位置を示す部分拡大図である。
【図5】同垂直全回転かまの正面図である。
【図6】図5の矢印U方向から見た垂直全回転かまの部分拡大図である。
【図7】同垂直全回転かまにおいて、内かまレース部とレース溝とのガタを示す拡大断面図である。
【図8】同垂直全回転かまにおいて、かまの底側を渡る上糸が、内かま押えの上面に沿って移動する状態を示す部分断面図である。
【図9】本発明のその他の実施の形態として、外かまレース溝と内かま押えレース溝との合わせ位置のその他の例を示す拡大断面図である。
【図10】従来の一般的なミシンの垂直全回転かまを示す側面図である。
【図11】給油機構を有する従来の垂直全回転かまを示す部分断面図である。
【図12】従来の一般的な垂直全回転かまにおいて、内かまレース部とレース溝とのガタを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1,1A 外かま
1a 外かまレース溝
2 内かま
3,3A 内かま押え
3a 内かま押えレース溝
4 糸案内ばね
6 内かまレース部
7,7A レース溝
B 内かま押えの上面の傾斜面
E 内かま押えの上面
M1,M2 レース溝における外かまと内かま押えとの合わせ位置(継目)

Claims (1)

  1. 内かまと、
    回転軸線を中心に回転する外かまと、
    前記外かまに支持されて内かまを保持する内かま押えと、
    前記外かまにネジ止着されている糸案内ばねと、
    を備えたミシンの垂直全回転かまにおいて、
    給油を不要とするために前記内かまの外周部に設けられ、2.4mm〜4.0mmの幅で工業用プラスチックから形成されたレース部と、
    前記外かまの内周部の一方側に設けられると共に、該外かまの内周部の他方側において、前記外かまと前記内かま押えとの支持部に設けられたレース溝とを有し、
    前記外かまと内かま押えとの継目が前記レース溝の中央から前記回転軸線方向に沿って前記外かまの釜底よりに位置し、
    前記レース溝に前記レース部が遊嵌されて、内かまが保持され、
    且つ、前記外かまの釜底を下に向けたときの前記内かま押えの上面部には、
    かまの糸取出し量が最大を超えたときに、上糸が渡る部位より、前記外かまの回転方向に向かって後方にある点を頂点として、前記糸案内ばねの後端部に至る、外かまの回転方向に向かって下る傾斜面(針を針落ち穴に案内するものを除く)を設け、内かま押えの上面部に渡る上糸の屈曲抵抗を減少させることを特徴とするミシンの垂直全回転かま。
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