JP3900990B2 - 偏肉管製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円管内に拡管プラグを挿入し軸方向に押し出して周廻りの偏肉を生じさせた偏肉管を製造する偏肉管製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、円管を曲げ加工する際に、曲げ加工した円管の外側では引っ張られ、内側では圧縮されるので、外側の肉厚は薄くなり、内側の肉厚は厚くなる。曲げ半径が小さいと、外側の肉厚が薄くなって、破損する場合があるので、曲げ加工前の円管の肉厚を十分に厚いものとする必要がある。
【0003】
また、バルジ加工により円管の一部を径方向に膨出させて、T字管に加工する場合、膨出させた箇所の肉厚は、加工前の円管の肉厚よりも薄くなるので、膨出箇所の強度を得ようとすると、加工前の円管の肉厚を、バルジ加工後でも十分な肉厚が得られるような厚いものにする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来の方法では、十分な肉厚の円管を曲げ加工しなければならないので、円管の重量が重くなり、また、小さな曲げ半径では曲げ加工できない場合があるという問題があった。
【0005】
バルジ加工する際には、バルジ加工後の膨出箇所の肉厚が十分な厚さを有するように、肉厚の厚い円管を用いなければならず、重量が重くなり、また、十分な膨出量を得られない場合があるという問題があった。
本発明の課題は、重量を軽減できると共に、適切な曲げ加工やバルジ加工が可能となる偏肉管製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
先端に円管の内径よりも大きい外径の拡管プラグを有する芯金を、前記拡管プラグが前記円管の軸方向中心から偏芯した状態で前記円管内に挿入し、前記円管を軸方向に押し出しながら、前記円管を前記偏芯方向と逆方向に押圧して前記円管を直管状に矯正して偏肉管を製造することを特徴とする偏肉管製造方法がそれである。
【0007】
前記拡管プラグは、前記芯金の先端に径方向に移動可能に支持された浮動拡管プラグで、該浮動拡管プラグを前記円管の外側から前記偏芯方向に押圧して偏芯させるようにしてもよい。また、前記拡管プラグの偏芯を調整して、前記円管の偏肉を調整するようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、1は金属製の円管で、円管1は円管1を挿通可能なガイド孔2が形成された案内部材4に挿入される。円管1内には、円管1の内径よりも小さな外径を有する芯金6が挿入されている。
【0009】
芯金6の先端には、浮動拡管プラグ8が設けられている。浮動拡管プラグ8は、その外径が円管1の内径よりも大きな球状に形成されている。浮動拡管プラグ8からは、軸部10が芯金6に向かって突出形成されており、軸部10の先端には、球状部12が形成されている。球状部12は、芯金6に形成された球孔14に挿入されて、浮動拡管プラグ8が芯金6に径方向に移動可能に支持されている。
【0010】
浮動拡管プラグ8は、ガイド孔2を通過した後の円管1内に挿入されており、この浮動拡管プラグ8が挿入された円管1の外側には、円管1の外周に接触するようにして、プラグ移動ロール16が設けられている。プラグ移動ロール16は、円管1の径方向に所定量移動することができるように構成されている。
【0011】
このプラグ移動ロール16を移動することにより、円管1を介して内部の浮動拡管プラグ8が押圧されて、径方向に浮動拡管プラグ8を移動することができる。プラグ移動ロール16の移動量を制御することにより、浮動拡管プラグ8の偏芯量cを制御することができる。ここで、偏芯量cは、円管1の軸方向中心からの浮動拡管プラグ8の移動量をいう。
【0012】
また、浮動拡管プラグ8から所定距離L離れた位置に、モーメント負荷ロール18が設けられている。モーメント負荷ロール18は、円管1を間にして、プラグ移動ロール16と反対側に設けられて、モーメント負荷ロール18を円管1の外周に接触させて、浮動拡管プラグ8の偏芯方向と逆方向に円管1を押圧できるように構成されている。
【0013】
更に、円管1は、その軸方向に押し出すことができるように、図1に矢印で示すように、案内部材4側からモーメント負荷ロール18側に向かって軸方向に図示しない押出機構により押し出されるように構成されている。
円管1を偏肉加工する場合、円管1を軸方向に、ガイド孔2を通過させ、浮動拡管プラグ8からモーメント負荷ロール18に向かって押し出す。その際、プラグ移動ロール16により円管1を介して浮動拡管プラグ8を押圧して径方向に移動し、偏芯させる。偏芯量cは円管1の偏肉量に応じて決定すればよい。
【0014】
円管1は、偏芯した浮動拡管プラグ8により、図1に示すように、浮動拡管プラグ8の偏芯側の円管1の肉厚が薄くなり、その反対側の肉厚は厚くなる。また、これにより、円管1は偏芯側に曲がろうとするが、モーメント負荷ロール18により、その逆側に押圧されて、直管状に矯正される。その際、距離Lは実験等により適宜決定すればよい。
【0015】
円管1は、モーメント負荷ロール18により直管状に矯正される際に、曲げ加工されることになり、モーメント負荷ロール18の接触側の円管1は曲げ加工の外側になるので、その肉厚は減少する。逆に、その反対側は曲げ加工の内側になるので、肉厚は増加する。即ち、モーメント負荷ロール18の矯正により、浮動拡管プラグ8による偏肉が更に増加することになる。また、材料を周方向に流すので軸方向の寸法を変化させず、容易に直管が保てる。
【0016】
次に、前述した偏肉管製造方法により、外径15mm、肉厚1mmの銅管(JIS−C1220T−1/2H)を用いて偏肉加工した実験例について説明する。この実験例では、円管1の内面に菜種油を塗布して、円管1と浮動拡管プラグ8との間の潤滑とした。
【0017】
本実験例では、偏心量c=2mm、浮動拡管プラグ8の外径d=15.6mmとし、円管1の周方向の肉厚をマイクロメータで測定し、肉厚ひずみε(肉厚の変化量)を求めた。その結果を、図2に示す。比較例として、モーメント負荷ロール18を用いずに、偏心量c=2mm、外径d=15.6mmとした同じ浮動拡管プラグ8により加工した場合を示す。図2に示すように、モーメント負荷ロール18を用いた方が、浮動拡管プラグ8のみによる場合よりも、偏肉への影響が大きいことが分かる。
【0018】
このようにして製造した偏肉円管を曲げ加工すると、小さい曲げ半径の厳しい曲げ加工が可能となり、曲げ外側の肉厚の薄肉化を防止できる。浮動拡管プラグを用いた曲げ加工にこの偏肉円管を用いると、偏肉や偏平のない厳しい曲げ加工ができる。従って、肉厚の厚い円管を曲げ加工する場合よりも、重量を低減できる。
【0019】
また、この偏肉円管をバルジ加工により、偏肉させて肉厚を厚くした箇所を膨出させて、T字管状に加工することができ、その場合でも、肉厚の厚い円管をバルジ加工する場合よりも、重量を低減できる。更に、例えば、円管1をその軸方向中心の廻りに回転させながら加工することにより、外周面は平坦で内周面はスパイラル状の溝が付いた円管を製造することもできる。
【0020】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の偏肉管製造方法によると、円管の肉厚を容易に制御することができ、浮動拡管プラグの偏芯とモーメント負荷ロールによるモーメントとの両方によって偏肉を生じさせるので、良好な偏肉加工を行うことができるという効果を奏する。また、こうして製造した偏肉管を曲げ加工に用いることにより、曲げ加工限界の大幅な向上や加工後の偏肉の低減が可能である。バルジ加工等に用いた場合も同様であり、重量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての偏肉管製造方法を示す説明図である。
【図2】本実施形態の偏肉管製造方法の実験例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…円管 2…ガイド孔
4…案内部材 6…芯金
8…浮動拡管プラグ 10…軸部
12…球状部 14…球孔
16…プラグ移動ロール
18…モーメント負荷ロール
Claims (3)
- 先端に円管の内径よりも大きい外径の拡管プラグを有する芯金を、前記拡管プラグが前記円管の軸方向中心から偏芯した状態で前記円管内に挿入し、前記円管を軸方向に押し出しながら、前記円管を前記偏芯方向と逆方向に押圧して前記円管を直管状に矯正して偏肉管を製造することを特徴とする偏肉管製造方法。
- 前記拡管プラグは、前記芯金の先端に径方向に移動可能に支持された浮動拡管プラグで、該浮動拡管プラグを前記円管の外側から前記偏芯方向に押圧して偏芯させることを特徴とする請求項1記載の偏肉管製造方法。
- 前記拡管プラグの偏芯を調整して、前記円管の偏肉を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の偏肉管製造方法。
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