JP3900492B2 - 紙葉類分離部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類分離部材に関し、特に、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどの各種プリンタ複写機、ファクシミリなどの各種OA機器の給紙装置に用いられる紙葉類分離部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電子写真プロセスでは、電子写真感光体に対して、少なくとも帯電、露光、現像、転写およびクリーニングの各プロセスが実行される。かかる電子写真プロセスでは、トナー像が形成され且つその後当該トナー像を転写材に転写するトナー像担持体上のトナーを除去するクリーニング部材、現像部に用いられる現像部材及び感光体を帯電させる帯電部材などにポリウレタンが使用される。
【0003】
ポリウレタンは、耐摩耗性が良好で、補強剤などを添加しなくても十分な機械的強度を有し、非汚染性であるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリウレタンの物性には温度依存性があることが知られている。温度依存性は特に反発弾性に現れ、ポリウレタンでクリーニングブレードとした場合のクリーニング上の問題となっている。すなわち、低温で反発弾性が低下するとクリーニング不良となり、高温で反発弾性が増加すると、エッジの欠けや鳴きの問題が発生する。
【0005】
一方、低温低湿ではブレード先端が感光体等を押圧する線圧が増大して感光体が摩耗しやすくなる一方、高温高湿環境下では線圧低下からくるクリーニング不良が発生するという、相反する問題が発生する場合もある。
【0006】
ところで、最近の電子写真技術における高画質化により、トナーの小粒径化が図られ、さらに高機能なブレードが望まれている。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑み、環境が変化しても十分に安定した性能を有する高機能な紙葉類分離部材を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、数平均分子量1500〜3800で且つ下記式に定義したエステル濃度が6.85±0.25mmol/gの範囲にあるポリエステルポリオールを長鎖ポリオールと、ポリイソシアネートと、分子量500未満の短鎖ポリオールとから構成され、前記短鎖ポリオールとして、1,3−プロパンジオール及びトリメチロールプロパンの組み合わせ、又は1,4−ブタンジオール及びトリメチロールエタンの組み合わせを主成分として用いたポリウレタンからなるゴム弾性体であり、300%モジュラスが140kg/cm以上であり、0℃での反発弾性RbT (%)が10%以上、50℃での反発弾性RbT50(%)が75%以下であることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0009】
【数2】
エステル濃度(mmol/g)
=(エステル基のモル数)/(ポリエステルポリオールの重量)
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の紙葉類分離部材において、前記ポリエステルポリオールが、ジオール成分と二塩基酸との脱水縮合により得られたものであることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0011】
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載の紙葉類分離部材において、前記ポリエステルポリオールが、ジオール成分と二塩基酸とを脱水縮合する際にラクトン類を共重合したもの又は脱水縮合したものにラクトン類を重付加したものであることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0012】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様に記載の紙葉類分離部材において、前記ポリウレタン中の前記長鎖ポリオールが60〜80重量%であることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0013】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様に記載の紙葉類分離部材において、50℃での反発弾性RbT50(%)と0℃での反発弾性RbT (%)との差であるΔRb(%)が、60%以下であることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0014】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様に記載の紙葉類分離部材において、ガラス転位温度が−5℃以下にあることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0015】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様に記載の紙葉類分離部材において、前記ゴム弾性体の硬度が、JIS Aで60〜80°であることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0016】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様に記載の紙葉類分離部材において、25℃での100%永久伸びが2.4%以下であることを特徴とする紙葉類分離部材にある。
【0017】
本発明では、数平均分子量1500〜3800で且つ下記式に定義したエステル濃度が6.85±0.25mmol/gの範囲にあるポリエステルポリオールを長鎖ポリオールと、ポリイソシアネートと、分子量500未満の短鎖ポリオールとから構成されるポリウレタンをゴム弾性体の材料とする。
【0018】
すなわち、本発明は、エステル濃度が6.85±0.25mmol/gと、従来用いられていたポリオールより低いエステル濃度のポリエステルポリオールを用い且つ特定の鎖長延長剤を組み合わせて用いたポリウレタンとすると、反発弾性の温度依存性が低下し且つ機械的特性が向上するという知見に基づくものである。
【0019】
すなわち、本発明の紙葉類分離部材は、短鎖ポリオールとして、1,3−プロパンジオール及びトリメチロールプロパンの組み合わせ、又は1,4−ブタンジオール及びトリメチロールエタンの組み合わせを主成分として用いるので、300%モジュラスが140kg/cm以上であり、0℃での反発弾性RbT (%)が10%以上、50℃での反発弾性RbT50(%)が75%以下となり、また、ゴム硬度の温度依存性も低下し、反発弾性の温度依存性が小さいので、低温環境下においても安定した紙葉類分離特性を有する。
【0020】
本発明では、このように短鎖ポリオールとして、特定のジオールと、特定のトリオールとを組み合わせて用いることにより、300%モジュラス、反発弾性をバランスよく向上させることができる。なお、ジオールの配合割合を多くするとモジュラスが向上するが、100%永久伸びが低下するので、ジオールの割合が60〜90%程度が好ましい。
【0021】
また、本発明の紙葉類分離部材は、50℃での反発弾性RbT50(%)と0℃での反発弾性RbT0(%)との差であるΔRb(%)が、60以下であるのが好ましい。反発弾性の温度依存性が低いので、低温域での反発弾性がある程度確保されると共に高温域での反発弾性の上昇を抑えることができるからである。
【0022】
さらに、本発明の紙葉類分離材は、25℃での100%永久伸びが2.4%以下であるのが好ましい。
【0023】
なお、本発明の紙葉類分離部材は、ガラス転位温度が−5℃以下にあるのが好ましい。低温環境下においても優れたゴム弾性を示し、安定した紙葉類分離特性を示すためである。
【0024】
本発明の紙葉類分離部材において、所定のエステル濃度を有するポリオールは、従来標準的に用いられていたカプロラクトン系ジオールよりも、ジオール成分と二塩基酸との脱水縮合により得られるポリエステルポリオールを用いる方がよいことを知見した。但し、ジオール成分と二塩基酸との脱水縮合により得られるポリエステルポリオール以外のポリオールを用いても、エステル濃度が上述した所定の範囲に入れば、上述した特性を得ることができる。
【0025】
本発明で用いられる所定のポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどのジオールと、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの二塩基酸との組み合わせで上述した条件を満足するエステル濃度を有するものを挙げることができる。具体的には、ノナンジオールアジペート、2−メチル−1,8−オクタンジオールアジペート、デカンジオールアジペート、ヘキサンジオールアゼレート、ノナンジオールアゼレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールアゼレート、デカンジオールアゼレート、ブタンジオールセバケート、ヘキサンジオールセバケート、ノナンジオールセバケート、2−メチル−1,8−オクタンジオールセバケート、デカンジオールセバケート、各種グリコールのダイマー酸エステル及び水添ダイマー酸エステルなどを挙げることができる。数種類のジオールおよび二塩基酸を組み合わせることも差し支えない。
【0026】
また、上述した条件の範囲内でε−カプロラクトンやδ−バレロラクトンなどのラクトン類を、重付加もしくは共重合することもできる。すなわち、ジオール成分と二塩基酸とを脱水縮合する際にラクトン類を共重合してランダム共重合体とするか、または、脱水縮合したものにラクトン類を重付加するかなどにより得たポリオールを用いることもできる。このようにラクトン類を用いることにより、低温時の反発弾性をさらに向上させることができる。
【0027】
特に、性能およびコスト面で好適なものは1,9−ノナンジオールおよびメチル−1,8−オクタンジオールなどのジオールと、アジピン酸とを脱水縮合してなるポリエステルポリオールであるが、1,9−ノナンジオール単独では結晶性が強すぎて好ましくない。従って、メチル−1,8−オクタンジオールのみ、又はこれに1,9−ノナンジオールを添加して用いるのが好ましい。勿論、これらを主成分とし、一部の成分を他のグリコールや二塩基酸で置換したものも好適に用いることができる。ここで、メチル−1,8−オクタンジオールとは、1又は8以外の位置にメチル基を有するオクタンジオールであり、代表的なものは2−メチル−1,8−オクタンジオールであるが、これに限定されるものではない。
【0028】
また、ポリエステルポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などを挙げることができる。特に、性能およびコスト面で好適なものはMDIである。
【0029】
上述したポリエステルポリオールを用いてポリウレタンを製造するには、ポリエステルポリオール及び鎖長延長剤としての短鎖ポリオールに、ポリイソシアネートを配合し、反応させる。反応はプレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法を用いることができる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性にすぐれるポリウレタンが得られるため本発明には好適であるが、製法により制限されるものではない。
【0030】
ここで、短鎖ポリオールは、数平均分子量が500未満のものであり、上述した通りであるが、本発明の趣旨の範囲内で、他の短鎖ポリオールを併用してもよい。例えば、エチレングリコールなどの主鎖の炭素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの炭素数12以下の側鎖を有するジオール類;3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールなどの炭素数12以下の不飽和基を有するジオール類;および、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、パラキシレングリコールなどの芳香族環を含む炭素数20以下のジオール類、シクロへキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類、グリセリンなどのトリオール類およびペンタエリスリトールやソルビトールなどの4官能以上のポリオールを挙げることができる。これらのポリオールは、勿論、二種以上混合して用いてもよい。
【0031】
本発明で用いられるポリウレタンでは、ポリウレタン中の長鎖ポリオールが60〜80重量%であるのが好ましい。
【0032】
また、本発明では、上述した所定のポリエステルポリオールの他、本発明の効果を損なわない範囲で他のポリオールを併用することができるが、ポリエステルポリオールの含有量は、長鎖ポリオール中、90〜30重量%であるのが好ましい。
【0033】
本発明のポリウレタンを用いると、紙葉類分離部材として要求される機械的特性を維持した上で、反発弾性の温度依存性が著しく小さいものとなる
【0034】
本発明の紙葉類分離部材の成形方法は、特に限定されず、注型法のほか、ミラブルタイプのポリウレタンを用いてインジェクション、メカフロス成形等を用いてもよい。
【0035】
なお、紙葉類分離部材の形状はパッド形状、ロール形状など、形状は特に限定されず、ゴム硬度は、ソリッドのロール形状とした場合には、JIS Aで40〜80°、ソリッドのパッド形状とした場合、JIS Aで70〜90°、発泡体のロール形状とした場合、Asker Cで50〜90°、発泡体のパッド形状とした場合、Asker Cで70〜90°が好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0037】
参考例1)
1,9−ノナンジオール/2−メチル−1,8−オクタンジオール(モル比65/35)とアジピン酸とから数平均分子量2000のポリエステルポリオールを得た。ポリエステルポリオール中のエステル濃度は、6.8mmol/gである。
【0038】
このポリエステルポリオールと、MDIおよび鎖長延長剤としての1,3−プロパンジオール/トリメチロールプロパン(82/18)の混合液とを用いて熱硬化型ポリウレタンとし、テストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
【0039】
参考例2)
参考例1と同様なポリエステルポリオールと、MDIおよび鎖長延長剤としての1,4−ブタンジオール/トリメチロールエタン(82/18)の混合液とを用いて熱硬化型ポリウレタンとし、テストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
【0040】
参考例3)
参考例1と同様なポリエステルポリオールと、MDIおよび鎖長延長剤としての1,4−ブタンジオール/トリメチロールプロパン(78/22)の混合液とを用いて熱硬化型ポリウレタンとし、テストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
【0041】
参考例4)
数平均分子量1500のポリエステルポリオールを用いた以外は、参考例1と同様にしてテストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリエステルポリオール中のエステル濃度は、6.6mmol/gであった。
【0042】
参考例5)
数平均分子量3800のポリエステルポリオールを用いた以外は、参考例1と同様にしてテストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリエステルポリオール中のエステル濃度は、7.1mmol/gであった。
【0043】
(比較参考例1)
エチレングリコールを開始剤とし、これにε−カプロラクトンを付加させて得た、数平均分子量2000のポリエステルジオール(カプロラクトンA:エステル濃度8.5mmol/g)を用いた以外は参考例2と同様にしてテストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
【0044】
(比較参考例2)
エチレングリコールを開始剤とし、これにε−カプロラクトンを付加させて得た、数平均分子量2000のポリエステルジオール(カプロラクトンA:エステル濃度8.5mmol/g)を用い、1,3−プロパンジオール/トリメチロールエタンの割合を(66/34)とした以外は参考例2と同様にしてテストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
【0045】
(比較参考例3)
エチレングリコールを開始剤とし、これにε−カプロラクトンを付加させて得た、数平均分子量2000のポリエステルジオール(カプロラクトンA:エステル濃度8.5mmol/g)を用い、1,3−プロパンジオール/トリメチロールエタンの割合を(78/22)とした以外は参考例2と同様にしてテストサンプル及びクリーニングブレードを製造した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
【0046】
参考試験例1)
参考例及び比較参考例のテストサンプルについて、0℃〜50℃の反発弾性を測定してその温度依存性を評価した。この結果は、表1に示す。反発弾性(Rb)はJIS K6255に準拠したリュプケ式反発弾性試験装置により求めた。また、ゴム硬度(Hs)をJIS K6253に準拠して0℃〜50℃で測定し温度依存性を評価した。さらに、ガラス転位温度(Tg)を示差走査熱量分析(DSC)により求め、300%伸張時の引張強さ(300%モジュラス:M300)をJIS K6251に準じて、ヤング率(E)をJIS K6254で25%伸長により、100%永久伸び(100%PS)をJIS K6262に準じて測定した。
【0047】
この結果より、参考例1〜5のテストサンプルは、比較参考例1のものと比較して、300%モジュラスが大きく140kg/cm以上であり、反発弾性やゴム硬度の温度依存性も小さいことがわかった。
【0048】
【表1】
Figure 0003900492
【0049】
参考試験例2)
参考例及び比較参考例のクリーニングブレードを用いて、クリーニング特性をLL(10℃15%RH)、NN(23℃50%RH)、HH(35℃85%RH)の各条件で評価し、画像評価を行った。詳細には、各ブレードをレーザープリンタにセットし、24時間放置後、A4縦枠のみの印刷を1000枚単位で実施し、その後の画像を評価した。最大3000枚まで行い、クリーニング不良が発見された時点で試験を終了した。評価は、◎:3000枚クリア、○:2000枚クリア、△:1000枚クリア、×:1000枚クリアせずとした。なお、クリーニング特性は、平均粒径6μmの球状重合のトナーを用いて行った。また、HH環境で10k通紙した後の摩耗幅を観察した。この結果は表2に示す。
【0050】
この結果より、参考例1〜5のクリーニングブレードは温度変化に対して安定したクリーニング特性を示し、低温時のクリーニング特性が良好で、高温使用時におけるエッジの耐久性が良好であることがわかった。また、HH10k通紙後の摩耗幅も小さかった。一方、比較参考例1は1k通紙で欠けが生じ、比較参考例2及び3はクリーニング性はよいが、HH10k通紙後の摩耗が大きく、ランニングを続ければクリーニング不良が生じることがわかった。
【0051】
また、粒径が比較的大きく、粉砕型の形状の従来のトナーではクリーニング特性が良好であった、ポリカプロラクトン等を原料としたポリエステル系ウレタンでは、小粒径、真球度の高いトナーに対しては十分なクリーニング特性が得られず、このような小粒径、真球度の高いトナーに対しては本発明の条件を満足するポリウレタンを用いた方がより優れた特性が得られることがわかった。
【0052】
【表2】
Figure 0003900492
【0053】
(実施例
参考例1〜2及び4〜5のそれぞれと同様な熱硬化型ポリウレタンを用いて、テストサンプル及びロール形状の紙葉類分離部材を製造した。
【0054】
(比較例
ポリエステルポリオールの代わりにカプロラクトンAを用いる以外は実施例1及び2と同様にしてテストサンプル及びロール形状の紙葉類分離部材を製造した。
【0055】
(試験例
各実施例、比較例1及び2で得たテストサンプルにて、0℃〜50℃における反発弾性(Rb)を測定し、ΔRbを算出した。測定はJIS K6255に準拠したリュプケ式反発弾性試験装置により求めた。さらに、ガラス転位温度(Tg)を示差走査熱量分析(DSC)により求め、ゴム硬度をJIS K6301により測定した。結果を表3に示す。
【0056】
この結果、実施例は、比較例1及び2と比較して反発弾性の温度依存性が小さく、ガラス転移点も十分に小さいことがわかった。
【0057】
【表3】
Figure 0003900492
【0058】
(試験例
各実施例、比較例1及び2で得たロール部材を実機の原稿自動送り装置(ADF)部に紙葉類分離ロールとして組み込み、LL(10℃×30%RH)、NN(23℃×55%RH)、HH(30℃×80%RH)環境下での通紙試験を行い、給紙トラブルを観察した。紙種には普通紙(64g/m)、及び給紙トラブルが発生し易い薄紙(トレーシングペーパー)を使用し、各試験条件毎に1000枚通紙を行って鳴きや重送(D/F)を観察した。結果を表4に示す。
【0059】
この結果、実施例はあらゆる環境下で、安定した給紙性能を有し、これは反発弾性の温度依存性が小さく、Tgが−10℃以下にあって、ゴム弾性がより低温まで保たれることによると推測される。
【0060】
【表4】
Figure 0003900492
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、環境が変化しても十分に安定した反発弾性を有する紙葉類分離部材を提供することができる。

Claims (8)

  1. 数平均分子量1500〜3800で且つ下記式に定義したエステル濃度が6.85±0.25mmol/gの範囲にあるポリエステルポリオールを長鎖ポリオールと、ポリイソシアネートと、分子量500未満の短鎖ポリオールとから構成され、前記短鎖ポリオールとして、1,3−プロパンジオール及びトリメチロールプロパンの組み合わせ、又は1,4−ブタンジオール及びトリメチロールエタンの組み合わせを主成分として用いたポリウレタンからなるゴム弾性体であり、300%モジュラスが140kg/cm以上であり、0℃での反発弾性RbT (%)が10%以上、50℃での反発弾性RbT50(%)が75%以下であることを特徴とする紙葉類分離部材。
    Figure 0003900492
  2. 請求項1に記載の紙葉類分離部材において、前記ポリエステルポリオールが、ジオール成分と二塩基酸との脱水縮合により得られたものであることを特徴とする紙葉類分離部材。
  3. 請求項1に記載の紙葉類分離部材において、前記ポリエステルポリオールが、ジオール成分と二塩基酸とを脱水縮合する際にラクトン類を共重合したもの又は脱水縮合したものにラクトン類を重付加したものであることを特徴とする紙葉類分離部材。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の紙葉類分離部材において、前記ポリウレタン中の前記長鎖ポリオールが60〜80重量%であることを特徴とする紙葉類分離部材。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の紙葉類分離部材において、50℃での反発弾性RbT50(%)と0℃での反発弾性RbT (%)との差であるΔRb(%)が、60以下であることを特徴とする紙葉類分離部材。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の紙葉類分離部材において、ガラス転位温度が−5℃以下にあることを特徴とする紙葉類分離部材。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の紙葉類分離部材において、前記ゴム弾性体の硬度が、JIS Aで60〜80°であることを特徴とする紙葉類分離部材。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の紙葉類分離部材において、25℃での100%永久伸びが2.4%以下であることを特徴とする紙葉類分離部材。
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