JP3900417B2 - 摺動接点 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1対の部材のそれぞれに固定した電極同士を、それら部材間の相対的な回転に伴って摺動させて、各電極に接続された電路間を導通する摺動接点に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許第3019068号の特許公報には、図18に示すように、溶接ロボットR1の前方にポジショナー1を備えた溶接システムが開示されている。このポジショナー1は、図19に示すようにベース部2の上面に回転盤3を備え、その回転盤3からベース部2内に垂下した回転軸4をベース部2内に設けたモータ5にて回転させて、回転盤3上に固定されたワークの姿勢を変える構成になっている。そして、従来の摺動接点は、このポジショナー1の内部に設けられ、前記回転軸4に取り付けた環状電極6と、ベース部2の底壁2Aに取り付けたカーボン電極7とを摺動可能に接合した構成をなし、これにより、カーボン電極7に接続した溶接電源9と、環状電極6に接続したワークとの間の導通を図っている。また、カーボン電極7の摺動面には、そのカーボン電極7自体の摩耗粉を排除するための溝8が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の摺動接点に備えた溝8は、カーボン電極7自体の摩耗粉を排除するためのものであって、カーボン電極7自体に設けられているから、以下のような問題が生じる。即ち、カーボン電極7が環状電極6の一部に押し当てられて摺動する場合に、環状電極6に付着した粉塵がカーボン電極7の端部に溜まる。そして、その粉塵にカーボン電極7が一度乗り上がると、カーボン電極7を摺動させても粉塵は容易に排除されず、やがて両電極6,7の間に粉塵が蓄積して導通不良を起こす虞がある。従って、粉塵・スパッタ等が発生し得る空間で摺動接点を使用する場合には、環状電極に付着した粉塵・スパッタ等を容易に排除可能な摺動接点を開発する必要がある。また、従来の摺動接点では、ポジショナー1を分解しなければ、回転軸4から環状電極6を取り外すことができないから、メンテナンス作業が非常に困難であった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、粉塵やスパッタが発生する環境でも安定した導通を図ることができると共に、メンテナンス性に優れた摺動接点の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る摺動接点は、回転可能に連結された1対の部材のうち一方の部材の外側を囲みかつ何れかの部材に固定された環状電極と、環状電極と反対側の部材に固定されて、環状電極の一部に押し付けられたブロック電極とを備えてなり、1対の部材間の相対的な回転に伴い環状電極とブロック電極とが摺動して、それら環状電極とブロック電極とにそれぞれ接続した電路間を導通させる摺動接点において、環状電極は、その周方向で複数の弧状電極を合体してなり、それら弧状電極同士の間に設けた隙間により、環状電極における固定ブロックの摺動経路を横切る清掃溝を構成すると共に、複数の弧状電極と清掃溝とを合わせた全体が円形になるように構成し、隣り合った弧状電極のそれぞれに両端部が固定されてそれら弧状電極同士を面一状態に連結する連結板を、環状電極におけるブロック電極の摺動経路の側方に配置して設けたところに特徴を有する。
【0010】
請求項の発明は、請求項1に記載の摺動接点において、環状電極におけるブロック電極の摺動経路を覆う環状カバーを敷設し、その環状カバーをブロック電極に係止したところに特徴を有する。
【0011】
請求項の発明は、請求項記載の摺動接点において、環状カバーは、環状の樹脂板の一部を切断してなり、その切断部分を樹脂板の変形により拡げて環状カバーの内側に部材を受け入れ可能としたところに特徴を有する。
【0013】
【発明の作用及び効果】
【0014】
<請求項の発明>
請求項の摺動接点によれば、回転可能に連結された1対の部材の側方から複数の弧状電極を宛って互いに合体させ、環状電極にすることで、各部材を分解せずに環状電極を部材に着脱することができる。これにより、従来のものに比べてメンテナンス性が向上する。また、環状電極側に清掃溝を配置したから、環状電極に付着した粉塵やスパッタが、ブロック電極との間に挟まったとしても、ブロック電極が清掃溝を横切って通過するときに、それら粉塵やスパッタが清掃溝に掻き取られて排除される。これにより、ブロック電極と環状電極との間に粉塵・スパッタが蓄積することが防がれ、安定した通電を図ることができる。しかも、清掃溝を、弧状電極同士の間の隙間にて構成したから、前記隙間とは別に清掃溝を設けた場合に比べて、コスト低減が図られる。
【0015】
また、複数の弧状電極と清掃溝とを合わせた全体で円形をなすから環状電極を製造するに際し、円形の部材を切断し、その切断代を清掃溝に兼用することができ、設計及び加工の簡素化が図られる。
【0016】
さらに、清掃溝を挟んで連結板にて連結された両弧状電極は、その連結板を配置した側の面の方がその反対の面よりより正確に面一状態になる。そして、より正確に面一にされた面上をブロック電極が摺動するから、ブロック電極が清掃溝をスムーズに通過することができる。
なお、本発明における1対の部材は、ロボットのうち回転関節で連結された1対のリンクであってもよい。
【0018】
<請求項の発明>
請求項の構成によれば、環状カバーにより環状電極におけるブロック電極の摺動経路が覆われ、摺動経路に粉塵やスパッタが付着することを規制することができる。また、環状カバーは、ブロック電極に係止してブロック電極と共に環状電極上を相対的に移動するから、環状電極とブロック電極との導通の邪魔になることもない。
【0019】
<請求項の発明>
請求項の構成によれば、環状カバーは、環状の樹脂板の一部を切断してなり、その切断部分を樹脂板の変形により拡げて環状カバーの内側に部材を受け入れ可能としたから、1対の部材の側方から環状カバーを容易に着脱することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。図1には、溶接ロボットR1とワーク保持用ロボットR2とを協調制御してアーク溶接を行う溶接システムが示されている。溶接ロボットR1は、支柱10の前面10Fのうち上端部に固定され、先端に溶接トーチ11を備える。そして、溶接トーチ11から延びた図示しない溶接用電力ケーブルが、溶接ロボットR1の上方に取り廻されて、図示しない溶接電源の正極に接続されている。
【0022】
一方、ワーク保持用ロボットR2は、支柱10の前面10Fのうち上下方向の中間部分に固定され、先端にワーク固定用の治具13を備える。そして、ワーク保持用ロボットR2の各回転関節21,22,23に本発明に係る摺動接点(図1には示されていない。図2参照)が設けられ、それら摺動接点にて導通された電路により、治具13が溶接電源の負極に接続されている。
【0023】
図2に示すように、ワーク保持用ロボットR2(以下、適宜、単に「ロボットR2」という)の第1回転関節21は、支柱10に固定されたベース部24と第1アーム25の基端部とを回転可能に連結してなり、第2回転関節22は、第1アーム25の先端部と第2アーム26の基端部とを回転可能に連結してなり、第3回転関節23は、第2アーム26の先端部とフランジ27とを回転可能に連結してなる。本実施形態では、これらベース部24、第1及び第2の両アーム25,26、フランジ27が、本発明に係る「部材」に相当する。
【0024】
なお、図2には、これら第1〜第3の回転関節21,22,23(以下、単に「第1〜第3の関節21,22,23」という)の回転角度を0°にしたロボットR2のいわゆる原点姿勢が示されている。
【0025】
第1アーム25は、両端部の間が例えば45°の角度で屈曲した構造をなしている。そして、図2に示すように、第1アーム25の基端部における第1関節21の回転軸J1は、支柱10の前面10Fに直交した水平方向を向き、その回転軸J1に対して、第1アーム25の先端部における第2関節22の回転軸J2が45°の角度で交差している。
【0026】
第2アーム26も両端部の間が例えば45°の角度で屈曲した構造をなしている。そして、ロボットR2の原点姿勢においては、第3関節23の回転軸J3は、第1関節21の回転軸J1と一致し、これら3つの回転軸J1,J2,J3は、ロボットR2の姿勢に関わらず常に同じ点(図2の点P1)で交差する。
【0027】
各関節21,22,23に備えた摺動接点は、図2に示すように共に環状電極30とブロック電極40とを備えてなり、基本構造が共通している。まずは、第3関節23について詳説する。
【0028】
第3関節23は、図3及び図4に拡大して示されている。同図に示すように、第2アーム26の先端部からは円柱部26Aが突出しており、その円柱部26Aに内蔵された減速機ユニット(図示せず)の出力軸に回転盤28が直結され、その回転盤28にフランジ27が固定されている。そして、図示しないモータにより減速機ユニットが駆動されて、第2アーム26に対して回転盤28と共にフランジ27が相対的に回転する。そして、このフランジ27に環状電極30が固定されている。
【0029】
さて、環状電極30は、図5に示すように1対の弧状電極33,33の両端部同士を連結板35で連結してなり、全体として円形(図5参照)をなす。そして、環状電極30は、図4に示すように前記円柱部26A及び回転盤28の外側に遊嵌されている。ここで、弧状電極33,33の製造方法を説明すると、まずは、図6(A)に示すように外周面及び内周面とが同心円をなした円環状の円板33Aに、例えば複数の挿通孔33B及びねじ孔33Cを予め加工しておく。そして、図6(B)に示すように、円板33Aを180°間隔を開けた2箇所で切断することで、1対の弧状電極33,33が製造される。従って、弧状電極33,33の両端部を切断代の幅Tと同じ隙間をあけて突き合わせれば、全体が円板33Aとほぼ同じ円形になる。
【0030】
弧状電極33,33の組み付けに関しては以下のようである。即ち、両弧状電極33,33を、図7に示すように円柱部26A及び回転盤28の両側方から宛い、図8に示すように両弧状電極33,33の両端部を前記切断代の幅Tと同じ隙間をあけて突き合わせる。そして、それら弧状電極33,33の端部同士が、連結板35,35にて連結されて環状電極30になる。また、弧状電極33,33の間の隙間により本発明に係る清掃溝34が構成されている。つまり、本実施形態では、弧状電極33,33を製造したときの切断代が清掃溝34に兼用され、これにより、弧状電極33,33と清掃溝34,34とを合わせた環状電極30全体が、円板33Aと同様の円形になるから、設計及び加工の簡素化が図られる。なお、清掃幅34の幅は、切断代の幅Tと同じでなくとも、スパッタ等を蓄えることができ、かつ、ブロック電極との接触が保てる幅であればよい。
【0031】
連結板35,35について詳説すると以下のようである。連結板35は、図7に示すように平板の両端部に1対のねじ孔35N,35Nを貫通形成してなり、図8に示すように環状電極30の内縁側において弧状電極33,33の両端部間に差し渡され、図3に示すように連結板35と反対側から環状電極30を貫通したボルトをねじ孔35Nに螺合することで、連結板35の両端が各弧状電極33に固定されている。これにより、環状電極30の一方の面では、弧状電極33,33が共に連結板35の端面に押し付けられて面一状態になっている。
【0032】
図3に示すように、環状電極30は、弧状電極33,33同士が面一になった面(即ち、連結板35が敷設された面)を第2アーム26側向けられてフランジ27に複数のブラケット32(図3には1つのブラケット32のみが示されている。図5参照)を介して固定されている。また、環状電極30は、図3に示すようにケーブル50を介して治具13に導通接続されている。なお、環状電極30は、ブラケット32を介してフランジ27にも導通している。
【0033】
一方、ブロック電極40は、図4に示すように電極ユニット41の一部として設けられている。電極ユニット41は、絶縁樹脂ケース47に形成した凹所43内にブロック電極40を収容して備える。詳細には、図9に示すようにブロック電極40の後端面から延びた1対のコイルバネ44,44の端部を凹所43の奥壁に固定することで、ブロック電極40が、絶縁樹脂ケース47の内壁から浮いた状態になっており、常には、ブロック電極40の後端部が凹所43内に収容されかつ前端部が凹所43の開口から突出している。また、電極ユニット41の後端縁からは側方に向かって突片46が張り出しており、その突片46と、凹所43の開口縁から内側に張り出した規制壁45とにより、ブロック電極40が凹所43から離脱することを規制している。さらに、ブロック電極40の後端面には、ケーブル51の一端が接続されており、そのケーブル51が凹所43の奥壁に設けた貫通孔47Cに挿通されて、絶縁樹脂ケース47の後方に延びている。なお、ケーブル51は、端末部以外が絶縁被覆にて覆われている。
【0034】
上述の如く構成された電極ユニット41は、図4に示すように環状電極30のうち180°間隔をあけた2箇所に配置され、それら電極ユニット41,41のうち絶縁樹脂ケース47,47がブラケット42,42を介して第2アーム26に固定されている。これにより、ブロック電極40が第2アーム26に対して絶縁状態になっている。
【0035】
また、図5に示すように、ブロック電極40は、環状電極30の径方向においては、連結板35より外側に配置されている。従って、ブロック電極40は環状電極30が回転しても連結板35と干渉しない。
【0036】
さらに、ブロック電極40は、環状電極30に押し付けられてコイルバネ44が圧縮変形された状態になっている。ここで、ブロック電極40は、絶縁樹脂ケース47の内壁から浮いているから、ブロック電極40の一端面が環状電極30に押し付けられることで、ブロック電極40が環状電極30に合わせて傾く。これにより、フランジ27の回転軸に対する環状電極30の角度にばらつきがあっても、ブロック電極40と環状電極30とが密着されている。
【0037】
その上、本実施形態では、環状電極30のうち連結板35が敷設されて、弧状電極33,33同士が面一になった面にブロック電極40が接合されているから、第3関節の回転に伴ってブロック電極40が環状電極30上を摺動して清掃溝34を通過するとき、その清掃溝34(即ち、弧状電極33,33間)をスムーズに通過することができる。
【0038】
図3に示すように、一方の電極ユニット41の近傍には、端子台52が第2アーム26に固定されている。この端子台52は、図10に示すように細長い金属ブロックで構成され、一端に1対の貫通孔53,53を備える。それら貫通孔53,53の両開口には、絶縁ワッシャ54が敷設されている。また、端子台52の上面側における各貫通孔53,53の開口縁にはザグリ孔54Zが形成され、一方の絶縁ワッシャ54がザグリ孔54Zに嵌合されて貫通孔53に対して芯だしされている。そして、その絶縁ワッシャ54に通されたボルトが貫通孔53の中心に芯だしされ、端子台52に接触しない状態で第2アーム26にねじ止めされている。また、貫通孔53の下面側の絶縁ワッシャ54の下方には、嵩上げ用の絶縁ワッシャ55が重ねて敷設され、端子台52全体を第2アーム26から浮かせた状態にしてある。これらにより、端子台52は、第2アーム26から絶縁された状態で固定されている。
【0039】
そして、図2に示すように、両ブロック電極40,40から延びたケーブル51,51の先端の端子51T,51Tが重ねて端子台52に共締めされている。これにより、両方のブロック電極40,40が導通接続されている。
【0040】
また、端子台52には、前記ケーブル51より太い中継ケーブル56(図2参照)の一端の端子56Tがボルト止めされており、この中継ケーブル56の他方の端子が、第2関節22に備えた環状電極30に固定され、第2アーム26における本発明に係る電路が構成されている。
【0041】
第3関節23の摺動接点に関しては以上であり、次に、第2関節22の摺動接点に関して前記第3関節23の摺動接点と異なる構成のみを説明する。なお、第3関節23の摺動接点と共通した構成に関しては、同一符合を付して重複説明を省略する。
【0042】
図11には、第2関節22が拡大して示されている。同図に示すように第2関節22における環状電極30は、第2アーム26の基端部に固定されている。ここで、前記第3関節23における環状電極30は、ブラケット32を介してフランジ27に導通していたが、第2関節22では、環状電極30を第2アーム26に固定したブラケット32Cにより、環状電極30と第2アーム26とが絶縁されている。詳細には、図12には、第2関節22の環状電極30を固定したブラケット32Cの1つが拡大して示されている。このブラケット32Cは、金属ブロックで構成され、1対の貫通孔60,60を備える。それら貫通孔60,60に両開口には、絶縁ワッシャ61,61が敷設されている。そして、ボルト頭側の絶縁ワッシャ61は、貫通孔60の開口縁に形成されたザグリ孔61Zによって貫通孔60に対して芯だしされている。これにより、絶縁ワッシャ61に通されたボルトが貫通孔60の中心に芯だしされ、ブラケット32Cに接触しない状態に保持されている。また、貫通孔60の側に備えた絶縁ワッシャ61により、ブラケット32C全体が第2アーム26から浮かせた状態になっている。これにより、ブラケット32Cは、第2アーム26から絶縁された状態で固定されている。また、他のブラケット32Cに関しても同様に絶縁ワッシャ61を用いた絶縁処理が施されている。これにより、第2関節22における環状電極30は、絶縁状態で第2アーム26に固定されている。
【0043】
また、第2関節22においては、図2に示すように、第1アーム25に固定されたブロック電極40,40のケーブル51と共に、太めの中継ケーブル57の一端の端子57Tが端子台52の固定されており、その中継ケーブル57の他端の端子57Tが、第1関節21における環状電極30に固定されている(図13参照)。
【0044】
第2関節22の摺動接点に関しては以上であり、以下、第1関節21の摺動接点に関して、第2及び第3の関節22,23の摺動接点と異なる構成のみを説明する。なお、第2及び第3の関節22,23の摺動接点と共通した構成に関しては、同一符合を付して重複説明を省略する。
【0045】
図13には、第1関節21により連結された第1アーム25の基端部が拡大して示されており、この第1アーム25の基端部に第1関節21の摺動接点に備えた環状電極30が固定されている。ここで、前記第2関節22における環状電極30は、前記第2関節22の場合と同様に、絶縁状態にして第1アーム25の基端部に固定されている。
【0046】
また、第1関節21においては、図2及び図14に示すように、ベース部24に固定されたブロック電極40,40のケーブル51と共に、溶接電源の負極から延びたケーブル58の一端の端子が接続されている。以上により、ワーク保持用ロボットR2に設けた電路としての各ケーブル50,51,56,57,58が、各関節21,22,23に設けた摺動接点にて接続されて、溶接電源の負極と治具13との間の導通が図れている。
【0047】
次に、上記構成からなる本実施形態の溶接システムの動作を説明する。
溶接を行う前に、溶接ロボットR1及びワーク保持用ロボットR2を所定の待機姿勢にして、ワーク保持用ロボットR2にワーク(図示せず)を保持させ、溶接電源をオンする。このとき、溶接電源の負極と治具13との間は導通しているが、溶接電源の正極に接続された溶接トーチ11とワークとが隔絶されているから、溶接電源と治具13との間には電流は流れない。
【0048】
溶接システムの起動させると、各ロボットR1,R2が各関節を動かして姿勢を変える。ここで、どのような姿勢になっても、ワーク保持用ロボットR2の各関節21,22,23においては、ブロック電極40が環状電極30に摺動して導通状態が保持される。そして、各ロボットR1,R2が所定の姿勢になって、溶接トーチ11の先端(詳細には、溶接トーチ11から導出された溶接ワイヤの先端)がワークに接近すると、溶接トーチ11の先端とワークとの間にアークが発生して溶接電源の正極と負極とを繋ぐ電路が閉じ、その電路の一部を構成するワーク保持用ロボットR2に固定の各ケーブル50,51,56,57,58及び摺動接点(ブロック電極40,環状電極30)に電流が流れる。
【0049】
なお、溶接部の品質確保のため、トーチ11は常にその先端が真下を向くように保持される。このため、ワークの側面等を溶接する際の姿勢変化は専らワーク保持用ロボットR2により行われ、ワーク保持用ロボットR2の各回転関節は溶接ロボットR1の各回転関節よりも複雑かつ大きな動きが要求される。従って、ワーク保持用ロボットR2では、溶接ロボットR1のようにケーブルの取り回しによって電路を確保することができない。
【0050】
ここで、ワーク保持用ロボットR2の第3関節23では、図3に示すように、摺動接点の環状電極30がフランジ27に導通しているが、このフランジ27と環状電極30との導通部分以外の部位でロボットR2と溶接電源とを導通する電路がないから、ロボットR2本体に漏電することはなく、ケーブル50,51,56,57,58と各摺動接点とを通って、治具13から溶接電源に電流が流れる。
【0051】
さて、溶接が開始されるとスパッタが発生して各摺動接点に降りかかり、そのスパッタが環状電極30に付着することが考えられる。そして、ワーク保持用ロボットR2が回転したときに、環状電極30の端部にスパッタが溜まり、場合によっては環状電極30とブロック電極40との間にスパッタが挟まれる。
【0052】
しかしながら、ロボットR2の姿勢変化に伴い、ブロック電極40が環状電極30の清掃溝34を通過する度に、環状電極30の端部に溜まったスパッタと、ブロック電極40と環状電極30との間の挟まったスパッタとが清掃溝34によって掻き取られる。これにより、ブロック電極40と環状電極30との間にスパッタが蓄積することが防がれる。しかも、清掃溝34を、弧状電極33,33同士の間の隙間にて構成したから、前記隙間とは別に清掃溝を形成した場合に比べて、コスト低減が図られる。また、清掃溝34は環状電極30を厚さ方向で貫通しているから、掻き取ったスパッタ或いは粉塵によって清掃溝34が埋まる可能性も低い。さらに、各摺動接点には、ブロック電極40が対をなして設けられ、環状電極30の2箇所に押し当てられているから、仮に一方のブロック電極40の通電状態が一時的に低下しても、他方のブロック電極40と環状電極30とにより安定した通電が図られる。
【0053】
溶接が終了すると、各ロボットR1,R2が待機姿勢に戻され、新しいワークに交換されて、再び上記と同様にワークが溶接される。なお、ロボットR2は逐一待機姿勢に戻されるときに、ブロック電極40が清掃溝34を確実に通過するようにプログラミングしておけば、より確実に環状電極30とブロック電極40との間のスパッタを排除することができる。
【0054】
ところで、ロボットR2をメンテナンスするにあたり、例えば、摺動接点の交換が求められる場合がある。この場合、環状電極30から連結板35を外して、2つの弧状電極33,33に分解すればよい。これにより、ロボットR2を分解せずに、環状電極30をロボットR2の側方に離脱することができる。また、新たな環状電極30をロボットR2に取り付けるには、ワーク保持用ロボットR2の側方から1対の弧状電極33,33を宛って連結板35により互いに合体させればよい。さらに、ブロック電極40及び電路に係るその他の部品は、ボルトの係脱にて容易に交換することができる。
【0055】
上述したように、本実施形態の摺動接点及び摺動接点付きロボット(ロボットR2)よれば、ブロック電極40と環状電極30との間に粉塵・スパッタが蓄積することが防がれ、安定した通電を図ることができると共に、メンテナンスを容易に行うことができる。しかも、清掃溝34を、弧状電極33,33同士の間の隙間にて構成したから、前記隙間とは別に清掃溝を形成した場合に比べて、コスト低減が図られる。
【0056】
<第2実施形態>
本実施形態は、図15〜図17に示されており、前記第1実施形態のロボットR2における各関節21,22,23の各摺動接点に、環状カバー70を追加して備えた構成になっている。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、共通した構成に関しては第1実施形態と同一の符合を付して重複説明を省略する。
【0057】
環状カバー70は、図15に全体が示されており、円環状をなした樹脂板の一部にスリット72を形成して切断すると共に、180°間隔を開けた2箇所に矩形孔71,71を形成してなる。そして、図16に示すように、環状カバー70は、環状電極30のうちブロック電極40の摺動面に敷設されている。
【0058】
環状カバー70の組み付け作業は以下のようにして行われる。即ち、環状カバー70を捻って切断部(スリット72)を拡げ、その拡開部分をロボットR2における各アーム(25,26)の側方から宛い、環状カバー70内側にアーム(25,26)を収容する。このとき、ブロック電極40,40は、絶縁樹脂ケース47の凹所43の奥部に押し込んでおき、ブロック電極40と環状電極30との間に環状カバー70を差し込む。そして、図17に示すように、環状カバー70における矩形孔71,71と各ブロック電極40,40とを対面させ、各矩形孔71を通して各ブロック電極40を環状電極30に接触させた状態にする。これにより、環状カバー70が環状電極30上に敷設されて、環状電極30におけるブロック電極40の摺動経路を覆うと共に、ブロック電極40に矩形孔71が係止した状態になる。
【0059】
なお、図16及び図17には第3関節23に取り付けられた環状カバー70のみが示されているが、第1及び第2の関節21,22にも同様に環状カバー70が組み付けられる。
【0060】
このように、本実施形態によれば、環状カバー70により環状電極30におけるブロック電極40の摺動経路が覆われ、摺動経路に粉塵やスパッタが付着することが規制される。また、環状カバー70は、ブロック電極40に係止してブロック電極40と共に環状電極30上を相対的に移動するから、環状電極30とブロック電極40との導通の邪魔になることもない。さらに、環状カバー70は、ロボットR2の側方から着脱可能であるから、メンテナンス性にも優れる。
【0061】
<他の実施形態>
本発明は、実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1及び第2実施形態では、ロボットに取り付けられた摺動接点を例示したが、本発明に係る摺動接点は、回転可能に連結された1対の部材であれば、ロボット以外のものに取り付けてもよい。従って、本発明に係る摺動接点は、ポジショナーの内部の回転機構部に取り付けて用いてもよい。
【0062】
(2)前記第1及び第2実施形態では、環状電極30は、2つの弧状電極33,33を合体した構成であったが、環状電極は、3つの以上の弧状電極を合体した構成にしてもよい。
【0063】
(3)前記第1及び第2実施形態では、清掃溝34は環状電極30の径方向に延びていたが、本発明に係る清掃溝は、環状電極におけるブロック電極の摺動領域を横切る方向であれば、どのような方向を向いていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る溶接システムの斜視図
【図2】ワーク保持用ロボット(摺動接点付きロボット)の側面図
【図3】そのロボットの第3関節の側面図
【図4】そのロボットの第3関節の平面図
【図5】ロボットのフランジの正面図
【図6】(A)弧状電極の元になる円板の平面図
(B)円板を切断して製造された弧状電極の平面図
【図7】環状電極が第3関節に装着される前の状態の斜視図
【図8】環状電極が第3関節に装着された状態の斜視図
【図9】電極ユニットの側断面図
【図10】端子台の部分側断面図
【図11】ロボットの第2関節の正面図
【図12】環状電極を取り付けるためのブラケットの断面図
【図13】ロボットの第1関節の正面図
【図14】ベース部の正面図
【図15】第2実施形態における環状カバーの平面図
【図16】環状カバーが取り付けられたロボットの第3関節の平面図
【図17】環状カバーが取り付けられたロボットのフランジの正面図
【図18】従来の溶接システムの側面図
【図19】従来の摺動接点を備えたポジショナーの側断面図
【符号の説明】
21…第1回転関節
22…第2回転関節
23…第3回転関節
24…ベース部(リンク)
25…第1アーム(リンク)
26…第2アーム(リンク)
27…フランジ(リンク)
30…環状電極
33…弧状電極
34…清掃溝
35…連結板
40…ブロック電極
44…コイルバネ
50,51,56,57,58…ケーブル(電路)
70…環状カバー
R2…ワーク保持用ロボット(摺動接点付きロボット)

Claims (3)

  1. 回転可能に連結された1対の部材のうち一方の前記部材の外側を囲みかつ何れかの前記部材に固定された環状電極と、前記環状電極と反対側の部材に固定されて、前記環状電極の一部に押し付けられたブロック電極とを備えてなり、前記1対の部材間の相対的な回転に伴い前記環状電極と前記ブロック電極とが摺動して、それら環状電極とブロック電極とにそれぞれ接続した電路間を導通させる摺動接点において、
    前記環状電極は、その周方向で複数の弧状電極を合体してなり、
    それら弧状電極同士の間に設けた隙間により、前記環状電極における前記固定ブロックの摺動経路を横切る清掃溝を構成すると共に、前記複数の弧状電極と前記清掃溝とを合わせた全体が円形になるように構成し、
    前記隣り合った弧状電極のそれぞれに両端部が固定されてそれら弧状電極同士を面一状態に連結する連結板を、前記環状電極における前記ブロック電極の摺動経路の側方に配置して設けたことを特徴とする摺動接点。
  2. 前記環状電極における前記ブロック電極の摺動経路を覆う環状カバーを敷設し、その環状カバーを前記ブロック電極に係止したことを特徴とする請求項1に記載の摺動接点。
  3. 前記環状カバーは、環状の樹脂板の一部を切断してなり、その切断部分を前記樹脂板の変形により拡げて前記環状カバーの内側に前記部材を受け入れ可能としたことを特徴とする請求項2記載の摺動接点。
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