JP3899985B2 - 微小反応炉構成体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は微小反応炉構成体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学反応の技術分野では、流体化された混合物質を流路内に設けられた触媒による化学反応(触媒反応)により、所望の流体物質を生成する化学反応装置が知られている。従来のこのような化学反応装置には、半導体集積回路などの半導体製造技術で蓄積された微細加工技術を用いて、シリコン基板上にミクロンオーダーあるいはミリメートルオーダーの流路を形成したものがある。
【0003】
図8は従来のこのような小型化学反応装置(微小反応炉構成体)の一例の透過平面図を示し、図9はその一部の断面図を示したものである。この小型化学反応装置は小型のシリコン基板1を備えている。シリコン基板1の一面には、半導体製造技術で蓄積された微細加工技術を用いて、蛇行した微小な流路2が形成されている。
【0004】
流路2の内壁面にはアルミニウム膜3が設けられている。アルミニウム膜3の表面には担体となる多孔質の陽極酸化膜4が形成され、この多孔質の陽極酸化膜4には化学反応を行うための触媒(図示せず)が担持されている。この場合、陽極酸化膜4を多孔質とするのは、触媒を担持させるための表面積を大きくするためである。
【0005】
シリコン基板1の一面にはガラス基板5が接合されている。ガラス基板5の流路2の両端部に対応する所定の2箇所には流入口6および流出口7が形成されている。シリコン基板1の他面には、流路2に対応して蛇行した薄膜ヒータ8が設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の小型化学反応装置では、アルミニウム膜3をスパッタリング法によりシリコン基板1上に成膜しているので、アルミニウム膜3の厚さとして0.5μm程度が限界である。すなわち、スパッタリング法で成膜されたアルミニウム膜3は緻密であるため、厚くしすぎると、薄膜ヒータ8の発熱や製造プロセスで発生する熱により、シリコン基板1との間の熱膨張係数差に起因して生じる応力が大きくなり、割れや剥がれなどが生じやすくなる。
【0007】
このため、スパッタリング法で成膜されたアルミニウム膜3の厚さは0.5μm程度が限界であり、このアルミニウム膜3の表面に形成される多孔質の陽極酸化膜4の表面積にも限界があり、したがって多孔質の陽極酸化膜4に付着させる触媒の量に限界があり、ひいては触媒の量に大きく依存する流路2内での反応速度をある程度以上に速くすることができないという問題があった。
【0008】
そこで、この発明は、多孔質の陽極酸化膜の表面積をより一層大きくすることができ、且つ、多孔質の陽極酸化膜を位置精度良く形成することができる微小反応炉構成体およびその製造方法を提供することを利点とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る微小反応炉構成体の製造方法は、陽極酸化可能な基板の一面に微小な反応炉を形成するためのフォトレジストパターンを残存させた状態で該反応炉内に陽極酸化処理を行い、多孔質の陽極酸化膜を形成し、前記フォトレジストパターンを除去した前記一面を他の基板と陽極接合することを特徴とするものである。
そして、この発明によれば、陽極酸化可能な基板の厚さは適宜に設定することができるため、この基板の一面に形成された微小な反応炉内に直接形成された多孔質の陽極酸化膜の表面積をより一層大きくすることができる。また、陽極酸化可能な基板の一面に形成された微小な反応炉内に多孔質の陽極酸化膜を直接形成しているので、形成すべき多孔質の陽極酸化膜の反応炉に対する位置精度を全く考慮する必要がなく、したがって多孔質の陽極酸化膜を位置精度良く形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態としての微小反応炉構成体の透過平面図を示し、図2はそのA−A線に沿う断面図を示したものである。この微小反応炉構成体は陽極酸化可能な小型の基板、例えば、アルミニウム基板21を備えている。アルミニウム基板21の寸法は、一例として、長さ25mm程度、幅17mm程度、厚さ0.6〜1.0mm程度である。
【0011】
アルミニウム基板21の一面には、半導体製造技術で蓄積された微細加工技術を用いて、蛇行した微小な反応炉の一部となる流路22が形成されている。流路22の寸法は、一例として、幅0.2〜0.8mm程度、深さ0.2〜0.6mm程度であり、全長は30〜1000mm程度である。
【0012】
流路22の内壁面には担体となる多孔質の陽極酸化膜23が直接形成され、この陽極酸化膜23には触媒(図示せず)が担持されている。この場合も、陽極酸化膜23を多孔質とするのは、触媒を担持させるための表面積を大きくするためである。また、この場合の陽極酸化膜23は、後述の如く、比較的厚く形成されている。
【0013】
アルミニウム基板21の一面には厚さ0.7mm程度のガラス基板24が接合されている。ガラス基板24の流路22の両端部に対応する所定の2箇所には流入口25および流出口26が形成されている。
【0014】
アルミニウム基板21の他面には酸化シリコンや窒化シリコンなどからなる絶縁膜27が設けられている。絶縁膜27の表面にはTaSiOxやTaSiOxNなどの抵抗体薄膜からなる蛇行した薄膜ヒータ28が設けられている。薄膜ヒータ28は、この微小反応炉構成体における化学反応(触媒反応)が所定の熱条件による吸熱反応を伴うとき、化学反応時に流路22内の触媒に所定の熱エネルギを供給するためのものである。この場合、蛇行した薄膜ヒータ28は、蛇行した流路22と平面的に一致させているが、一致しないようにしてもよい。また、薄膜ヒータ28は流路22全面を覆うようなべた状としてもよい。薄膜ヒータ28は、上下をTi−W層に挟まれたAu層からなる三層構造の配線33に接続され、この配線に電圧が印加されることにより加熱する抵抗体である。
【0015】
絶縁膜27の表面には、一面の中央部に座ぐり加工により凹部30が形成された厚さ0.7mm程度のガラス基板29の周辺部が接合されている。ガラス基板29は、薄膜ヒータ28を保護するほかに、薄膜ヒータ28の熱拡散を防止し、熱効率を良くするためのものである。また、凹部30内は、断熱性能を高めるため、ほぼ真空としてもよい。
【0016】
次に、この微小反応炉構成体の製造方法の一例について説明する。まず、図3に示すように、小型のアルミニウム基板21の他面に酸化シリコンや窒化シリコンなどからなる絶縁膜27が形成されたものを用意する。そして、アルミニウム基板21の一面にフォトレジスト31をパターン形成する。この場合、フォトレジスト31の流路形成領域に対応する部分には開口部32が形成されている。次に、フォトレジスト31をマスクとしてアルミニウム基板21の一面側をハーフエッチングすると、図4に示すように、アルミニウム基板21の一面の開口部32に対応する部分に蛇行した微小な流路22が形成される。このときのエッチングはウェットエッチでもドライエッチでもよい。
【0017】
次に、図5に示すように、フォトレジスト31を残存させた状態で、すなわち、流路22を形成するためのフォトレジスト31をそのまま陽極酸化用マスクとして電解液に浸して陽極酸化処理を行うと、フォトレジスト31から露出した流路22の内壁面に多孔質の陽極酸化膜23が形成される。すなわち、アルミニウム基板21の陽極酸化では、硫酸、しゅう酸、りん酸溶液などの2塩基酸を含む酸性電解水溶液を用いると、厚いポーラス形の陽極酸化膜23が形成される。このように流路22以外にもアルミニウム基板21の他の露出された面を陽極酸化してもよいが、流路22が形成される面のうちガラス基板24と接合する部分はガラス基板24と接合しやすいようにフォトレジスト31で覆うことで平滑な状態を維持できる。
【0018】
この場合、アルミニウム基板21の厚さは、上述の如く、一例として、0.6〜1.0mm程度と適宜に設定することができる上、かなり厚くすることができるので、多孔質の陽極酸化膜23の厚さをかなり厚くすることができる。また、アルミニウム基板21の一面に形成された流路22内に多孔質の陽極酸化膜23を直接形成しているので、形成すべき多孔質の陽極酸化膜23の流路22に対する位置精度を全く考慮する必要がなく、したがって多孔質の陽極酸化膜23を位置精度良く形成することができる。
【0019】
なお、アルミニウム基板21の他面には絶縁膜27が設けられているので、アルミニウム基板21の他面には陽極酸化膜は形成されない。そして、流路22を形成するためのフォトレジスト31をそのまま陽極酸化用マスクとして用い、且つ、導電性を有するアルミニウム基板21と薄膜ヒータ28との間を絶縁するための絶縁膜27も陽極酸化用マスクとして用いているため、製造工程数を少なくすることができる。
【0020】
次に、図示していないが、フォトレジスト31を残存させた状態で、多孔質の陽極酸化膜23に触媒となる活性金属種を吸着させる。この活性金属種を吸着させる方法としては、陽極酸化膜23を含むアルミニウム基板21を金属塩水溶液に浸漬させることにより、あるいは他の金属粒子や金属酸化物粒子をスラリー状にしたコーティング液に浸漬させることにより、1種類または複数種類の活性金属種を吸着させる方法がある。次に、熱処理を行い、多孔質の陽極酸化膜23に触媒を焼成して固定させる。
【0021】
この場合、多孔質の陽極酸化膜23の厚さがかなり厚く、その表面積もかなり大きいので、多孔質の陽極酸化膜23に担持させる触媒の量、触媒の表面積をかなり増大することができる。この結果、触媒の表面積に大きく依存する流路22内での反応速度をより一層速くすることができる。
【0022】
次に、フォトレジスト31を剥離する。次に、図1および図2に示すように、絶縁膜27の表面にTaSiOxやTaSiOxNなどの抵抗体薄膜からなる蛇行した薄膜ヒータ28を形成する。次に、アルミニウム基板21の一面に、サンドブラスト法などにより流入口25および流出口26が形成されたガラス基板24を陽極接合法などにより接合する。アルミニウム基板21における剥離された面は陽極酸化膜23が形成されていないために平滑なのでガラス基板24と密着しやすく良好に接合することができる。また、絶縁膜27の表面周辺部に、座ぐり加工により凹部30が形成されたガラス基板29の一面周辺部を陽極接合法などにより接合する。
【0023】
次に、この発明に係る微小反応炉構成体を燃料改質型の燃料電池を用いた燃料電池システムに適用した場合について説明する。図6は燃料電池システム40の一例の要部のブロック図を示したものである。この燃料電池システム40は、燃料部41、燃料気化部42、改質部43、一酸化炭素除去部44、発電部45、充電部46などを備えている。
【0024】
燃料部41は、発電用燃料(例えばメタノール水溶液)が封入された燃料パックなどからなり、発電用燃料を燃料気化部42に供給する。
【0025】
燃料気化部42は、図1および図2に示すような構造となっている。ただし、この場合、多孔質の陽極酸化膜23には触媒は担持されていない。そして、燃料気化部42は、燃料部41からの発電用燃料が流入口25を介して流路22内に供給されると、流路22内において、薄膜ヒータ27の加熱(120℃程度)により、発電用燃料を気化させ、この気化された発電用燃料ガス(例えば発電用燃料がメタノール水溶液の場合、CH3OH+H2O)を流出口26から流出させる。
【0026】
この場合、陽極酸化膜23は多孔質で比較的厚いので、薄膜ヒータ28の発熱により加熱された陽極酸化膜23の比較的大きな表面積に流路22内を流れるメタノール水溶液が接触し、速やかに気化されるため、伝熱効率を増大することができる。また、シリコン基板ではなく、熱伝導率の高いアルミニウム基板21を用いているので、伝熱効率をより一層増大することができる。
【0027】
燃料気化部42で気化された発電用燃料ガス(CH3OH+H2O)は改質部43に供給される。この場合、改質部43も、図1および図2に示すような構造となっている。ただし、この場合、多孔質の陽極酸化膜23には、例えば、Cu、ZnO、Al2O3などからなる改質触媒が担持されている。そして、改質部43は、燃料気化部42からの発電用燃料ガス(CH3OH+H2O)が流入口25を介して流路22内に供給されると、流路22内において、薄膜ヒータ27の加熱(280℃程度)により、次の式(1)に示すような吸熱反応を引き起こし、水素と副生成物の二酸化炭素とを生成する。
CH3OH+H2O→3H2+CO2……(1)
【0028】
この場合、陽極酸化膜23は多孔質で比較的厚いので、薄膜ヒータ28の発熱により加熱された陽極酸化膜23の比較的大きな表面積に担持された比較的多い量の改質触媒に流路22内を流れる混合ガス(CH3OH+H2O)が接触し、速やかに上記式(1)に示すような吸熱反応を引き起こすため、反応速度を比較的速くすることができる。
【0029】
また、上記式(1)の左辺における水(H2O)は、反応の初期では、燃料部41の燃料に含まれているものでよいが、後述する発電部45の発電に伴い生成される水を回収して改質部43に供給するようにしてもよい。また、発電部45の発電中の上記式(1)の左辺のおける水(H2O)の供給源は、発電部45のみでもよく、発電部45および燃料部41でも、また燃料部41のみでもよい。なお、このとき微量ではあるが、一酸化炭素が改質部43内で生成されることがある。
【0030】
そして、上記式(1)の右辺の生成物(水素、二酸化炭素)および微量の一酸化炭素は改質部43の流出口26から流出される。改質部43の流出口26から流出された生成物のうち、気化状態の水素および一酸化炭素は一酸化炭素除去部44に供給され、二酸化炭素は分離されて大気中に放出される。
【0031】
次に、一酸化炭素除去部44も、図1および図2に示すような構造となっている。ただし、この場合、陽極酸化膜23には、例えば、Pt、Al2O3などからなる選択酸化触媒が担持されている。そして、一酸化炭素除去部44は、改質部43からの気化状態の水素および一酸化炭素が流入口25を介して流路22内に供給されると、薄膜ヒータ27の加熱(180℃程度)により、流路22内に供給された水素、一酸化炭素、水のうち、一酸化炭素と水とが反応し、次の式(2)に示すように、水素と副生成物の二酸化炭素とが生成される。
CO+H2O→H2+CO2……(2)
【0032】
この場合、陽極酸化膜24は多孔質で比較的厚いので、薄膜ヒータ28の発熱により加熱された陽極酸化膜24の比較的大きな表面積に担持された比較的多い量の選択酸化触媒に流路22内を流れる一酸化炭素および水が接触し、速やかに上記式(2)に示すような吸熱反応を引き起こすため、反応速度を比較的速くすることができる。
【0033】
また、上記式(2)の左辺における水(H2O)は反応の初期では、燃料部41の燃料に含まれているものでよいが、発電部45の発電に伴い生成される水を回収して一酸化炭素除去部44に供給することが可能である。また、一酸化炭素除去部44における反応式(2)の左辺のおける水の供給源は、発電部45のみでもよく、発電部45および燃料部41でも、また燃料部41のみでもよい。
【0034】
そして、最終的に一酸化炭素除去部44の流出口26に到達する流体はそのほとんどが水素、二酸化炭素となる。なお、一酸化炭素除去部44の流出口26に到達する流体に極微量の一酸化炭素が含まれている場合、残存する一酸化炭素を大気中から逆止弁を介して取り込まれた酸素に接触させることで、次の式(3)に示すように、二酸化炭素が生成され、これにより一酸化炭素が確実に除去される。
CO+(1/2)O2→CO2……(3)
【0035】
上記一連の反応後の生成物は水素および二酸化炭素(場合によって微量の水を含む)で構成されるが、これらの生成物のうち、二酸化炭素は水素から分離されて大気中に放出される。したがって、一酸化炭素除去部44から発電部45には水素のみが供給される。なお、一酸化炭素除去部44は、燃料気化部42と改質部43との間に設けてもよい。
【0036】
次に、発電部45は、図6に示すように、周知の固体高分子型の燃料電池からなっている。すなわち、発電部45は、Pt、Cなどの触媒が担持された炭素電極からなるカソード51と、Pt、Ru、Cなどの触媒が担持された炭素電極からなるアノード52と、カソード51とアノード52との間に介在されたフィルム状のイオン導電膜53と、を有して構成され、カソード51とアノード52との間に設けられた2次電池やコンデンサなどからなる充電部46に電力を供給するものである。
【0037】
この場合、カソード51の外側には空間部54が設けられている。この空間部54内には一酸化炭素除去部44からの水素が供給され、カソード51に水素が供給される。また、アノード52の外側には空間部55が設けられている。この空間部55内には大気中から逆止弁を介して取り込まれた酸素が供給され、アノード52酸素が供給される。
【0038】
そして、カソード51側では、次の式(4)に示すように、水素から電子(e-)が分離した水素イオン(プロトン;H+)が発生し、イオン導電膜53を介してアノード52側に通過するとともに、カソード51により電子(e-)が取り出されて充電部46に供給される。
3H2→6H++6e-……(4)
【0039】
一方、アノード52側では、次の式(5)に示すように、充電部46を経由して供給された電子(e-)とイオン導電膜53を通過した水素イオン(H+)と酸素とが反応して副生成物の水が生成される。
6H++(3/2)O2+6e-→3H2O……(5)
【0040】
以上のような一連の電気化学反応(式(4)および式(5))は概ね室温〜80℃程度の比較的低温の環境下で進行し、電力以外の副生成物は、基本的に水のみとなる。発電部45で生成された電力は充電部46に供給され、これにより充電部46が充電される。
【0041】
発電部45で生成された副生成物としての水は回収される。この場合、上述の如く、発電部45で生成された水の少なくとも一部を改質部43や一酸化炭素除去部44に供給するようにすると、燃料部41内に当初封入される水の量を減らすことができ、また回収される水の量を減らすことができる。
【0042】
ところで、現在、研究開発が行われている燃料改質方式の燃料電池に適用されている燃料としては、少なくとも、水素元素を含む液体燃料または液化燃料または気体燃料であって、発電部45により、比較的高いエネルギー変換効率で電気エネルギーを生成することができる燃料であればよく、上記のメタノールの他、例えば、エタノール、ブタノールなどのアルコール系の液体燃料や、ジメチルエーテル、イソブタン、天然ガス(CNG)などの液化ガスなどの常温常圧で気化される炭化水素からなる液体燃料、あるいは、水素ガスなどの気体燃料などの流体物質を良好に適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、陽極酸化可能な基板の厚さは適宜に設定することができるため、この基板の一面に形成された微小な反応炉内に直接形成された多孔質の陽極酸化膜の表面積をより一層大きくすることができる。また、陽極酸化可能な基板の一面に形成された微小な反応炉内に多孔質の陽極酸化膜を直接形成しているので、形成すべき多孔質の陽極酸化膜の反応炉に対する位置精度を全く考慮する必要がなく、したがって多孔質の陽極酸化膜を位置精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態としての微小反応炉構成体の透過平面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1および図2に示す微小反応炉構成体の製造に際し、当初の工程の断面図。
【図4】図3に続く工程の断面図。
【図5】図4に続く工程の断面図。
【図6】この発明に係る微小反応炉構成体を備えた燃料電池システムの一例の要部のブロック図。
【図7】図6に示す燃料電池システムの発電部および充電部の概略構成図。
【図8】従来の小型化学反応装置の一例の透過平面図。
【図9】図8に示す小型化学反応装置の一部の断面図。
【符号の説明】
21 アルミニウム基板
22 流路
23 陽極酸化膜
24 ガラス基板
25 流入口
26 流出口
27 絶縁膜
28 薄膜ヒータ
29 ガラス基板
30 凹部
Claims (4)
- 陽極酸化可能な基板の一面に微小な反応炉を形成するためのフォトレジストパターンを残存させた状態で該反応炉内に陽極酸化処理を行い、多孔質の陽極酸化膜を形成し、前記フォトレジストパターンを除去した前記一面を他の基板と陽極接合することを特徴とする微小反応炉構成体の製造方法。
- 請求項1に記載の発明において、前記多孔質の陽極酸化膜に触媒を担持させることを特徴とする微小反応炉構成体の製造方法。
- 請求項1または2に記載の発明において、前記基板はアルミニウム基板であることを特徴とする微小反応炉構成体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の微小反応炉構成体の製造方法によって、製造されることを特徴とする微小反応炉構成体。
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