JP3899530B2 - 液晶性化合物および液晶組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な液晶性化合物およびこれを含むTFT用に好適な液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネマチック液晶組成物は種々の表示用途、例えば時計、電卓、ワープロ、コンピュータ端末、テレビなどのディスプレイ用の材料として広く用いられている。ネマチック液晶組成物を用いた液晶表示素子の駆動方式には、主にツイステッドネマチック(以下、TNと略す)、スーパーツイステッドネマチック(以下、STNと略す)、薄膜トランジスタ(以下、TFTと略す)の3種類の方式がある。中でもTFT方式は表示能力が優れており、テレビや大型カラーディスプレイに用いられ、最も用途の拡大が見込まれている。
【0003】
TFT用液晶性化合物に要求される特性として、1)広い温度範囲においてネマチック液晶相を呈すること、2)大きな誘電率異方性値(以下、Δεと略す)を有すること、3)大きな複屈折率(以下、Δnと略す)を有すること、4)低い粘性を有すること、5)化学的に安定であり、高い電圧保持率を持つこと、が挙げられる。これら諸特性を満たすために種々の化合物が提案されている。
【0004】
高い電圧保持率を持つ化合物としてフッ素原子を含む化合物が優れており、従来よりかかる液晶性化合物の探索が盛んに行なわれている。例えば分子末端に3,4−ジフルオロベンゼン骨格を有する化合物(DE3042391)、さらに大きなΔεを目指した3,4,5−トリフルオロベンゼン骨格を有する化合物(USP5032313)が知られているが、これらは透明点がきわめて低く不適当である。
【0005】
また分子末端にトリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基を導入した化合物(DE4027840)も知られているが、やはり透明点が低い上Δnが小さいという欠点があった。
また近年、分子末端に1,1,2,2−テトラフルオロエチルオキシ基を持つ化合物(DE4142519)や2,2,2−トリフルオロエチルオキシ基を持つ化合物(WO93/3113)が報告されているが、これらの化合物はいずれも透明点が低い上充分大きなΔεとΔnを有さないという欠点があり特性上不十分である。
【0006】
より大きなΔεの発現を目指してより大きな双極子モーメントを持つシアノ基を導入した例も報告されているが(特開昭62−103057、63−216858)、この場合には、粘性が大きくなる上に電圧保持率が低下するため、TFT用液晶性化合物として使用することが不可能であった。
これらの先行技術に記載の化合物は、いずれも環成分としてベンゼン環および/またはシクロヘキサン環のみを含むものであり、シクロヘキセン環を含むものはほとんど例がない。その理由は、シクロヘキセン環を持つ化合物が種々の環境因子(水分、熱、空気、光、電気等)により重合、分解等を起こしやすく、不安定なためと考えられる(例えば、USP4405488)。
【0007】
唯一安定なシクロヘキセン環を持つ化合物として、特願平2−90190(USP5064565)に記載の化合物があるが、充分大きなΔεを示さずTFT用液晶化合物としては不適であった。
また、EP334911はシクロヘキセン環を含む一般式で示される化合物を請求しているが、その具体的化合物についてはこれを支持する実施例や特性を示唆する記述を一切示していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、広い温度範囲においてネマチック液晶相を呈するとともに、大きなΔεとΔnおよび低い粘度を有し、かつ高い電圧保持率を持つことが可能な液晶性化合物ならびにこれを含むTFT用に好適な液晶組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。(1)一般式(1)
【0010】
【化8】
Figure 0003899530
【0011】
(式中、R1 は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、1〜11個の炭素原子を有するアルコキシ基、または2〜11個の炭素原子を有するアルケニル基であり、X、Zは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、Yは炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキルオキシ基を示し、この基中における1つまたは2つのフッ素原子は水素原子に置換されてもよく、A、B、Cはそれらの1つがシクロヘキセン環であり、他はシクロヘキサン環およびベンゼン環からなる群から選ばれ、これらの環はフッ素原子で置換されていてもよく、l、m、nはそれぞれ独立に0または1であるが、m=0のときl=0であり、m=1、n=0のときAまたはBがシクロヘキセン環であり、m=0、n=1のときAまたはCがシクロヘキセン環であり、そしてm=0、n=0のときAがシクロヘキセン環であるが、Cは
【化2】
Figure 0003899530
であることはない。)で示される液晶性化合物。
(2)Yがトリフルオロメチル基である(1)記載の液晶性化合物。
(3)Yがトリフルオロメチルオキシ基である(1)記載の液晶性化合物。
(4)Yがジフルオロメチルオキシ基である(1)記載の液晶性化合物。
(5)Yが1,1,2,2−テトラフルオロエチルオキシ基である(1)記載の液晶性化合物。
(6)Yが1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ基である(1)記載の液晶性化合物。
(7)Yがペンタフルオロエチルオキシ基である(1)記載の液晶性化合物。
(8)(1)から(7)のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1成分以上含む2成分以上からなる液晶組成物。
(9)第一成分として、(1)から(7)のいずれかに記載の化合物を少なくとも1種含有し、第二成分として、下記の一般式(2)、(3)および(4)
【0012】
【化9】
Figure 0003899530
【0013】
(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Z’はFまたはClを示し、Q1 およびQ2 は各々独立してHまたはFを示し、rは1または2を示し、Z1 およびZ2 は各々独立して−CH2 CH2 −または共有結合を示す。)からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
10)第一成分として、(1)から()のいずれかに記載の化合物を少なくとも1種含有し、第二成分として、下記の一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)
【0014】
【化10】
Figure 0003899530
【0015】
(式中、R3 は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を示し、該各基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素原子に置換されることはない。Z3 は−CH2 CH2 −、−COO−または共有結合を示し、Q3 はHまたはFを示し、Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環または1,3−ジオキサン環を示し、sは0または1を示す。)
【0016】
【化11】
Figure 0003899530
【0017】
(式中、R4 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、該基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Q4 はHまたはFを示し、kは0または1を示す。)
【0018】
【化12】
Figure 0003899530
【0019】
(式中、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、該基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Eはシクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、Q5 はHまたはFを示し、Z4 は−COO−または共有結合を示し、hは0または1を示す。)
【0020】
【化13】
Figure 0003899530
【0021】
(式中、R6 およびR7 は各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基またはアルキルオキシメチル基を示し、該各基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Lはシクロヘキサン環、ピリミジン環またはベンゼン環を示し、Gはシクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、Z5 は−C≡C−、−COO−、−CH2 CH2 −または共有結合を示す。)
【0022】
【化14】
Figure 0003899530
【0023】
(式中、R8 は炭素数1〜10のアルキル基またはアルキルオキシ基を示し、R9 は炭素1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基またはアルキルオキシメチル基を示し、該各基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Mはシクロヘキサン環またはピリミジン環を示し、JおよびKは各々独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、Z6 は−COO−、−CH2 CH2 −または共有結合を示し、Z7 は−C≡C−、−COO−または共有結合を示し、Q6 はHまたはFを示す。)からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
11)(1)から()のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1成分以上含む2成分以上からなる液晶組成物を使用して構成した液晶表示素子。
12(8)から(10)のいずれかに記載の液晶組成物を用いて構成した液晶表示素子。
【0024】
本発明の一般式(1)で示される液晶性化合物はいずれも優れた液晶特性を持つが、このうち特に優れた特性、すなわち広い温度範囲においてネマチック液晶相を呈し、大きなΔεとΔnおよび低い粘度を有し、かつ高い電圧保持率をもつ液晶性化合物は、次に挙げる(1−1)〜(1−25)である。
【0025】
【化15】
Figure 0003899530
【0026】
【化16】
Figure 0003899530
【0027】
【化17】
Figure 0003899530
【0028】
(式中、R1 、X、Y、Zは前記と同一の意味を示し、T1 、T2 、T3 、T4 はそれぞれ独立にフッ素原子または塩素原子を示す。)
これらのなかでも、置換基Yが下記から選ばれるものが特に好ましい特性を発現する。
−CF3 −OCF3
−CF2 H −OCF2
−CF2 CF2 H −OCF2 CF2
−CF2 CF3 −OCF2 CF3
−CF2 CFHCF3 −OCF2 CFHCF3
本発明の一般式(1)で示される化合物はいずれも優れた特性を持つ液晶組成物の構成成分となりうるが、特に高い透明点を持つ組成物を必要とする場合には3環系化合物や4環系化合物を、逆に低めの透明点を持つ組成物を必要とするときには2環系化合物を選択して用いることが好ましい。(1)式に示す本発明の化合物はいずれも大きなΔεを示すが、特に大きなΔεが必要な場合には、該式中のX、Z、T1 、T2 、T3 およびT4 のうちの少なくとも1つ以上をフッ素原子あるいは塩素原子とすることが好ましい。また、大きなΔnが必要な場合にはベンゼン環を多く含む化合物とすることが好ましい。本発明の化合物は粘性を上げる置換基例のシアノ基等を有していないのでいずれも低粘性であるが、さらに低い粘性を必要とする場合にはシクロヘキサン環を多く含む化合物とすることが好ましい。このように、本発明によれば(1)式中のX、Z、T1 、T2 、T3 およびT4 ならびに環骨格を適当に選択することによって、必要な物性値を持つ化合物を任意に得ることができる。
【0029】
本発明の一般式(1)で示される化合物は、シクロヘキサノン誘導体に種々のグリニヤル試薬を作用させて得られるアルコール体を脱水反応に付すことによって製造される。
【0030】
【化18】
Figure 0003899530
【0031】
(上記において、Halは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示し、R1 、l、n、X、Y、Z、A、Cは前記と同一の意味を示す。)
すなわち(1)式においてBがシクロヘキセン環である化合物(1a)は、シクロヘキサノン誘導体(10)に2−置換エチルハライド(11)より調製されるグリニヤル試薬を作用させてアルコール体(12)とし、次いで脱水することによりこれを製造することができる。なお、上記(12)の製造において、グリニヤル試薬の代わりに2−置換エチルリチウムを使用してもよい。上記の脱水反応は酸性触媒の存在下で容易に進行する。用いる酸性触媒としては、硫酸、塩酸等の鉱酸、パラートルエンスルホン酸等のスルホン酸類やその塩、アンバーリスト等の酸性イオン交換樹脂が広く適する。また、化合物(1a)は(12)の3級水酸基を一旦メシル基、トシル基、ハロゲン等の脱離基に変換したのち、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、DBU等の塩基で処理することにより、あるいは(10)に(11)から調製されたグリニヤル試薬を作用させたのち反応系内を酸性条件にすることにより、(12)を単離することなく製造することもできる。
【0032】
出発原料の(10)は、化合物(13)を市販の1,4−シクロヘキサンジオン モノエチレンケタール(14)に作用させて(15)としたのち、脱水、還元、脱保護することによって得ることができる。該脱水反応は前記と同様にして行なえばよい。また還元反応は水素雰囲気下、パラジウム炭素、白金炭素、ラネーニッケル等の触媒の存在下に行ない得る。さらに脱保護反応は酸性条件下、好ましくはギ酸中で(17)を加熱することにより容易に行ない得る。グリニヤル試薬の調製に用いられる(11)は、化合物(18)を増炭反応に付すことにより得られるアルコール体(19)を、種々のハロゲン化剤でハロゲン化することによって製造される。該ハロゲン化剤としては、臭化水素、臭化水素酸、三臭化リン、塩化チオニル等を好適に示すことができる。増炭反応はこれが可能な既知の手法に従えばよいが、エチレンオキシドを用いる方法が最も簡便であり好ましい。
【0033】
次に、(1)式においてCがシクロヘキセン環である化合物(1b)は、シクロヘキサンノン誘導体(21)に2−置換エチルハライド(20)から調製されるグリニヤル試薬を作用させてアルコール体(22)とし、次いで脱水することによりこれを製造することができる。
【0034】
【化19】
Figure 0003899530
【0035】
(上記において、R1 、l、m、X、Y、Z、A、B、Halは前記と同一の意味を示す。)
なお、上記(22)の製造において、グリニヤル試薬の代わりに2−置換エチルリチウムを使用してもよい。上記の脱水反応は前記と同様にして行なえばよい。出発原料の(21)は、フェニルマグネシウムハライド(23)に市販の1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(14)を作用させて(24)としたのち、前記(10)の製造の場合と同様にして脱水、還元および脱保護反応を行なうことにより得ることができる。
【0036】
なお、前記のいずれの製造方法においても、式中のYが水素原子を含む場合には、この水素の反応性は高いのでこれらの製造方法を適用することができない。この場合には以下の方法が適する。
【0037】
【化20】
Figure 0003899530
【0038】
(上記において、Bnはベンジル基を示し、pは0〜2の整数を示し、R1 、l、m、n、X、Z、A、B、C、Sは前記と同一の意味を示す。)
すなわち、Yがベンジルエーテルである化合物(27)をあらかじめ得、これを脱ベンジルエーテル化して水酸基を有する化合物(28)としたのち、このフェノール性の水酸基にフルオロアルキル基を導入することによって(1c)式の化合物を製造することができる。この場合、保護基としてベンジルエーテル以外の保護基、例えばトリメチルシリルエーテル等のシリルエーテル類やメトキシメチルエーテル等のアセタール類などを用いても構わない。(28)へのフルオロアルキル基の導入は、塩基性条件下に種々の含フッ素化合物を作用させることによって行なえる。
【0039】
このようにして得られる本発明の化合物(1)はいずれも大きなΔεとΔnを示し、シクロヘキセン環を含むにもかかわらず化学的に安定であるため高い電圧保持率を持つ上、種々の液晶化合物と容易に混合するのでネマチック液晶組成物、特に電気光学素子に適したネマチック液晶組成物の構成成分として極めて優れている。
【0040】
本発明により提供される液晶組成物は、一般式(1)で示される化合物を少なくとも一つ以上含む成分(A)のみでもよいが、これに加え、第二成分として既述した一般式(2)、(3)および(4)からなる群から選ばれる1種および/またはそれ以上の化合物または一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)からなる群から選ばれる1種またはそれ以上の化合物を混合したものが好ましく、さらに目的に応じてΔε≧5である化合物群(B)、|Δε|<5である化合物群(C)、特に80℃以上の透明点を持つ化合物群(D)、それ以外の化合物群(E)から任意に選択された化合物を混合することもできる。
【0041】
上記第二成分のうち、一般式(2)に含まれる化合物の好適例として、次の(2−1)〜(2−12)を挙げることができる。
【0042】
【化21】
Figure 0003899530
【0043】
【化22】
Figure 0003899530
【0044】
(R2 は前記と同一の意味を示す。)
第二成分のうち、一般式(3)に含まれる化合物の好適例として、次の(3−1)〜(3−18)を挙げることができる。
【0045】
【化23】
Figure 0003899530
【0046】
【化24】
Figure 0003899530
【0047】
【化25】
Figure 0003899530
【0048】
(R2 は前記と同一の意味を示す。)
第二成分のうち、一般式(4)に含まれる化合物の好適例として、次の(4−1)〜(4−18)を挙げることができる。
【0049】
【化26】
Figure 0003899530
【0050】
【化27】
Figure 0003899530
【0051】
【化28】
Figure 0003899530
【0052】
(R2 は前記と同一の意味を示す。)
これらの一般式(2)〜(4)で表わされる化合物は誘電率異方性が正の化合物であり、熱的安定性や化学的安定性が非常に優れている。従って、特に高信頼性下に高い電圧保持率や大きな比抵抗値が要求されるTFT(AM−LCD)用の液晶組成物を調整する場合に、不可欠な化合物である。
【0053】
該化合物の使用量は、TFT用の液晶組成物を調整する場合、液晶組成物の全重量に対して1〜99重量%の範囲が適するが、好ましくは10〜97重量%、より好ましくは40〜95重量%である。また、その際には、一般式(5)〜(9)で表わされる化合物を一部含有してもよい。なお、STN表示方式または通常のTN表示方式用の液晶組成物を調整する場合にも、一般式(2)〜(4)で表わされる化合物を使用することができる。
【0054】
次に、前記第二成分のうち、一般式(5)に含まれる化合物の好適例として、次の(5−1)〜(5−17)を挙げることができる。
【0055】
【化29】
Figure 0003899530
【0056】
【化30】
Figure 0003899530
【0057】
【化31】
Figure 0003899530
【0058】
(R3 は前記と同一の意味を示す。)
第二成分のうち、一般式(6)に含まれる化合物の好適例として、次の(6−1)〜(6−3)を挙げることができる。
【0059】
【化32】
Figure 0003899530
【0060】
(R4 は前記と同一の意味を示す。)
第二成分のうち、一般式(7)に含まれる化合物の好適例として、次の(7−1)〜(7−9)を挙げることができる。
【0061】
【化33】
Figure 0003899530
【0062】
【化34】
Figure 0003899530
【0063】
(R5 は前記と同一の意味を示す。)
これらの一般式(5)〜(7)で表わされる化合物は、誘電率異方性が正かつその値が大きいので、特に液晶組成物のしきい値電圧を小さくする目的で使用し得る。また、粘度調整やΔn調整の他、透明点を高くする等のネマチックレンジを広げる目的、さらには急峻性を改良する目的で使用することもできる。
【0064】
第二成分のうち、一般式(8)に含まれる化合物の好適例として、次の(8−1)〜(8−6)を挙げることができる。
【0065】
【化35】
Figure 0003899530
【0066】
(R6 、R7 はそれぞれ前記と同一の意味を示す。)
さらに、第二成分のうち、一般式(9)に含まれる化合物の好適例として、次の(9−1)〜(9−10)を挙げることができる。
【0067】
【化36】
Figure 0003899530
【0068】
【化37】
Figure 0003899530
【0069】
(R8 、R9 はそれぞれ前記と同一意味を示す。)
これらの一般式(8)および(9)で表わされる化合物は、誘電率異方性が負または弱い正の化合物である。そのうち、一般式(8)の化合物は、主として液晶組成物の粘度低下および/またはΔn調整の目的で使用し得る。また、一般式(9)の化合物は、透明点を高くする等のネマティックレンジを広げる目的および/またはΔn調整の目的で使用し得る。
【0070】
第二成分のうち、前記一般式(5)〜(9)で表わされる化合物は、特にSTN表示方式や通常のTN表示方式用の液晶組成物を調整する場合に、不可欠な化合物である。
該化合物の使用量は、通常のTN表示方式やSTN表示方式用の液晶組成物を調整する場合には、液晶組成物の全重量に対して1〜99重量%の範囲が適するが、好ましくは10〜97重量%、より好ましくは40〜95重量%である。また、その際には、一般式(2)〜(4)で表わされる化合物を一部使用してもよい。
【0071】
次に、(B)、(C)、(D)および/または(E)は目的に応じて液晶組成物に加えられるが、それらに含まれる化合物例を示すと次のとおりである。
まず、(B)に含まれる化合物の好適例としては次の(B1)〜(B13)を挙げることができる。
【0072】
【化38】
Figure 0003899530
【0073】
(上記において、Raは炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基を示すが、それらの中の1つないし隣接しない2つ以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられてもよい。)
また、(C)に含まれる化合物の好適例としては次の(C1)〜(C34)を挙げることができる。
【0074】
【化39】
Figure 0003899530
【0075】
【化40】
Figure 0003899530
【0076】
【化41】
Figure 0003899530
【0077】
(上記において、Ra、Ra’はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基を示すが、それらの中の1つないし隣接しない2つ以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられてもよい。)
また、(D)に含まれる化合物の好適例としては次の(D1)〜(D57)を挙げることができる。
【0078】
【化42】
Figure 0003899530
【0079】
【化43】
Figure 0003899530
【0080】
【化44】
Figure 0003899530
【0081】
【化45】
Figure 0003899530
【0082】
【化46】
Figure 0003899530
【0083】
【化47】
Figure 0003899530
【0084】
(上記において、Ra、Ra’は前記と同一の意味を示す。)
また、(E)に含まれる化合物の好適例としては次の(E1)〜(E18)を挙げることができる。
【0085】
【化48】
Figure 0003899530
【0086】
【化49】
Figure 0003899530
【0087】
(上記において、Raは前記と同一の意味を示す。)
本発明に係る液晶組成物は一般式(1)で示される化合物の1種以上を0.1〜99重量%の割合で含有することが、優良な特性を発現せしめるために好ましい。
該液晶組成物をTFT液晶表示素子に用いることによって、急峻性や視野角を改善できる。また(1)式の化合物は低粘性化合物であるので、これを用いた液晶表示素子の応答速度は改善される。
【0088】
本発明に係る液晶組成物は、それ自体公知の方法、例えば種々の成分を高温度下に混合し、互いに溶解させる方法等により一般に調製される。また、必要により適当な添加物を加えることによって意図する用途に応じた改良がなされ、最適化される。このような添加物は当業者によく知られており、文献等に詳細に記載されている。通常、液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を調整し、逆ねじれ(reverse twist)を防ぐといった効果を有するキラルドープ材(chiral dopant)などが添加される。
【0089】
本発明の化合物を含有する液晶組成物例として以下のものを示すことができる。なお、化合物No. は後述の実施例中に示されるそれと同一である。
【0090】
組成例1
【化50】
Figure 0003899530
【0091】
組成例2
【化51】
Figure 0003899530
【0092】
組成例3
【化52】
Figure 0003899530
【0093】
組成例4
【化53】
Figure 0003899530
【0094】
組成例5
【化54】
Figure 0003899530
【0095】
組成例6
【化55】
Figure 0003899530
【0096】
組成例7
【化56】
Figure 0003899530
【0097】
組成例8
【化57】
Figure 0003899530
【0098】
組成例9
【化58】
Figure 0003899530
【0099】
組成例10
【化59】
Figure 0003899530
【0100】
組成例11
【化60】
Figure 0003899530
【0101】
組成例12
【化61】
Figure 0003899530
【0102】
組成例13
【化62】
Figure 0003899530
【0103】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。実施例中、シクロヘキサン環と二重結合は全てトランス体を示す。またCrは結晶、Sはスメクチック相、Nはネマチック相、Isoは等方性液体を示し、相転移点の単位は全て℃である。
【0104】
実施例1
1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキセン(R1 =C5 11−、A=シクロヘキサン環、l=0、m、n=1、B=シクロヘキセン環、C=ベンゼン環、X、Z=水素原子、Y=CF3 、化合物No. 3)の製造
(第一段)
乾燥マグネシウム5.4g(0.222mol)、ジエチルエーテル10mlの混合物に4−トリフルオロメチルブロモベンゼン50g(0.222mol)のジエチルエーテル250ml溶液を滴下し、室温で2時間攪拌して茶褐色の均一溶液を得た。この溶液に、エチレンオキシド29.3g(0.67mol)を一度に加えて(自然に発熱し還流した)一時間攪拌した。反応物を200mlの6N塩酸に投入したのち200mlの酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで食塩水で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別したのち減圧下に溶媒を留去して得た赤色油状物を減圧蒸留に付し、無色油状の2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアルコール19.0gを得た。B.p:86〜91℃(4mmHg)。収率45%。
【0105】
(第二段)
第一段で得た2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアルコール19.0g、47%臭化水素酸60ml、キシレン70mlの混合物を、水を除去しながら11時間加熱還流した。得られた液を100mlの飽和炭酸水素ナトリウムに投入して有機層を水洗し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを除去したのち減圧下に溶媒を留去し、得られた残査を減圧蒸留に付して無色油状の2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルブロミド8.43gを得た。B.p:66.5〜70℃(2mmHg)。収率33%。
【0106】
(第三段)
乾燥マグネシウム0.77g(0.032mol)、第二段で得た2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルブロミド8.0g(0.032mol)、ジエチルエーテル40mlの混合物を封管反応器中、60℃で1時間加熱して灰色均一溶液を得た。この溶液を4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノン7.9g(0.032mol)のジエチルエーテル30ml溶液に加え、室温で3時間攪拌した。反応物を50mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入したのち酢酸エチル50mlで2回抽出した。得られた有機層を食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを除去したのち減圧下で溶媒を留去し、淡黄色油状の1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール11.4gを得た。このものにトルエン50ml、アンバーリスト0.7gを加え、反応により生成した水を除去しながら1時間加熱還流した。放冷後100mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入し、分離有機層を2回水洗したのち、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘプタン)に付したのち、20mlのエタノールより2回再結晶して4.1gの1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキセンを得た。収率32%。
Cr−S点70.7℃、S−N点81.5℃、N−Iso点88.5℃。
1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm):7.38(dd、4H)、5.40(brs、1H)、2.67(t、2H)、2.31−0.81(m、30H)MS:406(M+
【0107】
実施例2
1−(2−(4−トリフルオロメチルオキシフェニル)エチル)−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキセン(R1 =C5 11−、A=シクロヘキサン環、l=0、m、n=1、B=シクロヘキセン環、C=ベンゼン環、X、Z=水素原子、Y=−OCF3 、化合物No. 9の製造
4−トリフルオロメチルブロモベンゼンの代わりに4−トリフルオロメチルオキシブロモベンゼンを用いる以外は実施例1と同様にして製造した2−(4−トリフルオロメチルオキシフェニル)エチルブロミド10.0g(0.037mol)、THF50mlの混合物を封管反応器中90℃で40分間加熱し、黄色均一溶液を得た。この溶液を4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノン9.27g(0.037mol)のTHF40ml溶液に加え、室温で2時間攪拌した。反応物を50mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入し、次いで酢酸エチル50mlで2回抽出した。得られた有機層を食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを除去したのち減圧下に溶媒を留去し、淡黄色油状の1−(2−(4−トリフルオロメチルオキシフェニル)エチル)−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール19.7gを得た。このものにトルエン50ml、アンバーリスト0.9gを加え、生成した水を除去しながら1時間加熱還流した。放冷後100mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入し、分離有機層を2回水洗したのち、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、減圧下に溶媒を留去した。残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘプタン)に付したのち、10mlのエタノールと1mlのベンゼンの混合溶媒より2回再結晶し、1.0gの1−(2−(4−トリフルオロメチルオキシフェニル)エチル)−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキセンを得た。収率6%。
Cr−S点41.0℃、S−N点61.4℃、N−Iso95.8℃。
1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm):7.14(s、4H)、5.39(brs、1H)、2.70(t、2H)、2.28−0.81(m、30H)
MS:422(M+
【0108】
実施例3
1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン(R1 =C3 7 −、A=シクロヘキサン環、l、m=0、n=1、Cシクロヘキセン環、X、Z=水素原子、Y=−OCF3 、化合物No. 43)の製造。
(第一段)
乾燥マグネシウム11.1g(0.46mol)、THF50mlの混合物に4−トリフルオロメトキシブロモベンゼン100g(0.41mol)のTHF500ml溶液を滴下したのち室温で2時間攪拌し、赤色均一溶液を得た。この溶液に、0℃以下で1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール78g(0.5mol)のTHF300ml溶液を加え、室温で一晩攪拌した。得られた液を400mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入し、次いで500mlのトルエンで抽出した。得られた有機層を2回水洗し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、減圧下に溶媒を留去し、赤色油状の(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサノール−4−オン エチレンケタール138gを得た。このものにトルエン500ml、アンバーリスト7gを加え、生成した水を除去しながら3時間加熱還流した。放冷後500mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入し、分離有機層を2回水洗し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、減圧下に溶媒を留去した。残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン)に付したのち30mlのエタノールより再結晶し、43.3gの(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン−4−オン エチレンケタールを得た。融点53.9〜55.5℃。
【0109】
(第二段)
第一段で得た(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン−4−オン エチレンケタール43.3g(0.144mol)、エタノール200ml、酢酸エチル50ml、パラジウム炭素2gの混合物を水素雰囲気下、室温で10時間攪拌した。その際、3.59Lの水素が消費された。反応液から触媒を濾別し、次いで減圧下に溶媒を留去して4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサノン エチレンケタール43.5gを得た。融点41.2℃。これにギ酸250mlを加え、次いで2.5時間加熱還流した。反応物を水に投入し、次いでトルエン400mlと酢酸エチル100mlの混合溶媒で抽出した。得られた有機層を2回水洗し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、次いで減圧下に溶媒を留去した。残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン)に付し、4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサノン20.7gを得た。収率47%。
【0110】
(第三段)
乾燥マグネシウム0.52g(0.021mol)、THF1mlの混合物に2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチルブロミド5.0g(0.021mol)のTHF25ml溶液を滴下したのち室温で1時間攪拌し、灰色均一溶液を得た。この溶液に、0℃以下で第二段で得た4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサノン4.54g(0.0175mol)のTHF25ml溶液を加え、室温で3時間攪拌した。反応物を50mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入し、次いでトルエン100mlと酢酸エチル50mlの混合溶媒で抽出した。得られた有機層を2回水洗し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを除去したのち減圧下に溶媒を留去し、7.9gの油状の1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサノールを得た。このものにトルエン40ml、アンバーリスト3gを加え、生成した水を除去しながら4時間加熱還流した。放冷後100mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に投入し、分離有機層を2回水洗し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別したのち減圧下に溶媒を留去した。残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘプタン)に付したのち4mlのエタノールより2回再結晶し、1.26gの1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセンを得た。収率18%。
Cr−N点51.3℃、N−Iso点62.2℃。
1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm):7.30−7.06(m、4H)、5.48(brs、1H)、2.73(m、1H)、2.25−0.79(m、27H)
MS:394(M+
実施例1から3および発明の詳細な説明の欄における記述を基に次の化合物を製造することができる。なお、各化合物中には、実施例1、2および3で得られた化合物No. 3、化合物No. 9および化合物No. 43についても合わせ示した。また、各化合物はパラメータにより表示した。
【0111】
【化63】
Figure 0003899530
【0112】
【化64】
Figure 0003899530
【0113】
【化65】
Figure 0003899530
【0114】
【化66】
Figure 0003899530
【0115】
【化67】
Figure 0003899530
【0116】
実施例4(使用例1)
次の組成からなる液晶組成物A1 を母液晶として調製した。
【0117】
【化68】
Figure 0003899530
【0118】
この組成物A1 の物性値は次の通りであった。
透明点:100.2℃、Δn:0.093、Δε:5.1、20℃での粘度η:24.5mPas、セル厚8.8μm下でのしきい値電圧:2.15V。
次に、この組成物A1 80%に1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン(実施例3で得られた化合物No. 43)20%を添加して組成物B1 を調製し、その物性値を求めたところ次の通りであった。なお、カッコ内の値は算出した外挿値であり、このことは後記の実施例においても同じである。
【0119】
透明点:92.4(61.2)℃、Δn:0.092(0.088)、Δε:4.9(4.1)、20℃での粘度η:23.9(18.3)cP、セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:2.27V。
【0120】
実施例5(使用例2)
次の組成からなる液晶組成物A2 を母液晶として調製した。
【0121】
【化69】
Figure 0003899530
【0122】
この組成物A2 の物性値は次の通りであった。
透明点:72.4℃、Δn:0.137、Δε:11.0、20℃での粘度η:27.0mPas、セル厚9.0μm下でのしきい値電圧1.78V。
次に、この組成物A2 85%に1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキセン(実施例1で得られた化合物No. 3)15%を添加して組成物B2 を調製し、その物性値を求めたところ次のとおりであった。
【0123】
透明点:72.1(70.4)℃、Δn:0.130(0.090)、Δε:10.6(8.3)、20℃での粘度η:26.5(23.7)mPas、セル厚8.8μm下でのしきい値電圧:1.75V。
【0124】
実施例6(使用例3)
実施例5で用いられた組成物A2 85%に1−(2−(4−トリフルオロメチルオキシフェニル)エチル)−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキセン(実施例2で得られた化合物No. 9)15%を添加して組成物B3 を調製し、その物性値を求めたところ次のとおりであった。
【0125】
透明点:71.3(65.1)℃、Δn:0.123(0.044)、Δε:10.0(4.3)、20℃での粘度η:38.3(102.3)mPas、セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:1.68V。
【0126】
実施例7(使用例4)
前記組成物A2 85%に1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン(化合物No. 43)15%を添加して組成物B4 を調製し、その物性値を求めたところ次のとおりであった。
【0127】
透明点:69.2(51.1)℃、Δn:0.128(0.077)、Δε:10.2(5.7)、20℃での粘度η:24.7(11.7)mPas、セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:1.76V。
【0128】
実施例8(使用例5)
前記組成物A2 85%に1−(2−(4−メチルオキシフェニル)エチル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン(化合物No. 56)15%を添加して組成物B5 を調製し、その物性値を求めたところ次のとおりであった。
【0129】
透明点:68.0(43.1)℃、Δn:0.135(0.124、Δε:10.9(10.3)、20℃での粘度η:29.2(41.7)mPas、セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:1.62V。
【0130】
実施例9(使用例6)
前記組成物A2 85%に1−(2−(4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)エチル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン(化合物No. 61)15%を添加して組成物B6 を調製し、その物性値を求めたところ次のとおりであった。
【0131】
透明点:69.0(163.6)℃、Δn:0.119(0.119)、Δε:10.3(8.0)、セル厚8.9μm下でのしきい値電圧:1.74V。
【0132】
実施例10(使用例7)
実施例4で用いられた組成物A1 80%に1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセン(化合物No. 43)を20%混合して組成物B7 を調製した。この組成物B7 の各温度における電圧保持率を測定したところ下表のとおりであった。
【0133】
【化70】
Figure 0003899530
【0134】
なお、同表には比較例1として化合物No. 43に代え、1,2,3−トリフルオロ−5−(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)ベンゼンを混合した場合についても合わせ示した。
比較例2〜4
化合物No. 3の化合物に代え、下記表の比較例2、比較例3または比較例4に示す化合物をそれぞれ添加する以外は実施例5と同様にして組成物を調製し、同様にして物性値(外挿値)を求めた。
【0135】
結果を実施例5の結果とともに下表に示す。
【0136】
【化71】
Figure 0003899530
【0137】
実施例5と比較例2の比較から、両者はN−I点については同じであるが、粘度については前者が低く、Δn、Δεおよびしきい値電圧V10については後者の方が低くなっていること、換言すれば前者はTFT用の特性を好ましく保ちながら粘性の上昇を抑制し得ることを示している。
このことは、ベンゼン環に実施例5に使用の化合物と同一のCF3 基を有する比較例3に示す公知の化合物と比較例2と同一の2つのフッ素原子を有する比較例4に示す公知の化合物についての比較から教えられる事実、すなわち、粘度についてはCF3 基を有する比較例3の化合物の方が高く、一方、Δn、Δεおよびしきい値電圧については2つのフッ素原子を有する比較例4の化合物の方が高いという事実とは逆の関係にあり、全く予期しえぬ結果となっている。
【0138】
本発明において、このような結果が得られるのは、本発明の化合物が分子中にシクロヘキセン環を有しており、これと種々の置換基との相互作用が好適に達成されるためと考えられる。
【0139】
実施例11(使用例8)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)5%
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメトキシフェニルエチル)シクロヘキセン(化合物No.9)3%
4−(4’−エチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
6%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
6%
4−(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(4−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(2−(4’−プロピルビシクロヘキシル)エチル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(2−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)エチル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 9%
4’−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル 8%
4’−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル 8%
からなる液晶組成物B8を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:75.4℃
Δn:0.0809
Δε:6.9
20℃での粘度η:23.4mPaS
セル厚8.9μm下でのしきい値電圧:1.65V
【0140】
実施例12(使用例9)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)5%
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.40)5%
4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 5%
4−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)−1,2−ジフルオロベンゼン 10%
4−(4−(2−(4−エチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%
4−(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 6%
4−(4−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 5%
4−(4−ヘプチルチルシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 5%
4−(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−2−フルオロ−1−クロロベンゼン 5%
4−(4−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−2−フルオロ−1−クロロベンゼン 5%
4−(4’−プロピルシクロヘキシル)−1−フルオロベンゼン 5%
4’−(4−プロピルシクロヘキシル)−4−フルオロビフェニル 5%
4’−(4−プロピルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル
7%
4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル
8%
からなる液晶組成物B9を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:62.1℃
Δn:0.0847
Δε:4.8
20℃での粘度η:20.1mPaS
セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:1.92V
【0141】
実施例13(使用例10)
4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−1−(2−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.61)5%
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)5%
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.40)15%
4−(4’−エチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 7%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 7%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 7%
4’−(4−エチルシクロヘキシル)−3,4−ジフルオロビフェニル 5%
4’−(4−プロピルシクロヘキシル)−3,4−ジフルオロビフェニル 5%
4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−3,4−ジフルオロビフェニル 10%
4’−(4−プロピルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル
5%
4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル
4%
4’−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル 5%
4’−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル 5%
4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 5%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 5%
からなる液晶組成物B10を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:90.5℃
Δn:0.1085
Δε:6.4
20℃での粘度η:25.9mPaS
セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:2.21V
【0142】
実施例14(使用例11)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)5%
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.40)10%
4−(4’−エチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 7%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 7%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 7%
4−(4−(2−(4−エチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 10%
4−(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 5%
4−(4−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 10%
4−フルオロフェニル=4−ペンチルシクロヘキサンカルボキシラ−ト 5%
4−フルオロフェニル=4−ヘプチルシクロヘキサンカルボキシラ−ト 4%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
5%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
5%
4’−(4−プロピルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル
5%
4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル
5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−メチルベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−プロピルベンゼン 5%
からなる液晶組成物B11を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:88.2℃
Δn:0.0833
Δε:5.3
20℃での粘度η:24.3mPaS
セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:2.20V
【0143】
実施例15(使用例12)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメトキシフェニルエチル)シクロヘキセン(化合物No.9)8%
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.40)12%
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)5%
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 5%
4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 5%
4−(4’−エチルビシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 8%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 8%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1−クロロベンゼン 8%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
5%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
5%
4’−(4−プロピルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロフェニルベンゼン 5%
4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロフェニルベンゼン 5%
4−(4−(2−(4−エチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−2−フルオロ−1−クロロベンゼン 7%
4−(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−2−フルオロ−1−クロロベンゼン 7%
4−(4−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−2−フルオロ−1−クロロベンゼン 7%
からなる液晶組成物B12を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:97.7℃
Δn:0.0991
Δε:5.6
20℃での粘度η:32.2mPaS
セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:2.44V
【0144】
実施例16(使用例13)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)5%
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.40)10%
4−(4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロベンゾニトリル 5%
4−(4−エチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 10%
4−(4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 10%
4−(2−(2−フルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)エチニル)−1−エチルベンゼン 5%
4−(2−(2−フルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)エチニル)−1−プロピルベンゼン 5%
4−(4’−エチルビシクロヘキシル)ベンゾニトリル 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)ベンゾニトリル 5%
4−フルオロフェニル=4’−プロピルビシクロヘキサンカルボキシラ−ト 5%
4−フルオロフェニル=4’−ペンチルビシクロヘキサンカルボキシラ−ト 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−メトキシベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−メチルベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−プロピルベンゼン 5%
4−(4’−エチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 5%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 5%
からなる液晶組成物B13を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:111.6℃
Δn:0.1196
Δε:7.7
20℃での粘度η:27.8mPaS
セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:2.08V
【0145】
実施例17(使用例14)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)7%
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.40)8%
4−(4−(3−ブテニル)シクロヘキシル)ベンゾニトリル 10%
4−(4−(3−ペンテニル)シクロヘキシル)ベンゾニトリル 10%
4−(4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 9%
4−(4−メトキシメチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 3%
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−5−プロピルピリミジン 3%
4’−メトキシメチル−4−プロピルビシクロヘキサン 7%
4’−プロピル−4−ブチルビシクロヘキサン 8%
4−(2−(4−エチルフェニル)エチニル)−1−メトキシベンゼン 3%
4−(2−(4−プロピルフェニル)エチニル)−1−メトキシベンゼン 3%
4−(2−(4−ブチルフェニル)エチニル)−1−メトキシベンゼン 3%
4−(2−(4−ブチルフェニル)エチニル)−1−エトキシベンゼン 3%
4−(2−(4−ペンチルフェニル)エチニル)−1−メトキシベンゼン 3%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−メトキシベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−フルオロベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−メチルベンゼン 5%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1−プロピルベンゼン 5%
からなる液晶組成物B14を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:71.3℃
Δn:0.1256
Δε:6.4
20℃での粘度η:16.8mPaS
セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:1.98V
【0146】
実施例18(使用例15)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.3)3%
4−(4−(2−フルオロエチル)シクロヘキシル)−1−(2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル)シクロヘキセン(化合物No.8)5%
4−(4’−エチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン 12%
4−(4’−プロピルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
6%
4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン
6%
4−(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(4−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(2−(4’−プロピルビシクロヘキシル)エチル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(2−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)エチル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 5%
4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−1,2,6−トリフルオロベンゼン 9%
4’−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル 8%
4’−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル 8%
からなる液晶組成物B15を調製し、その物性値を測定したところ次の通りであった。
透明点:73.2℃
Δn:0.0811
Δε:6.0
20℃での粘度η:20.0mPaS
セル厚8.7μm下でのしきい値電圧:1.99V
【0147】
【発明の効果】
本発明の化合物は、
1)大きなΔnを持つ、
2)粘性が低い、
3)化学的に極めて安定で高い電圧保持率を有する、
4)高い透明点を保ちながら他の液晶性化合物との相溶性が極めて高いため、液晶組成物とした場合にネマチック液晶相の低下を引き起こさない。また、高い割合で組成物に混合し使用することができる、
5)Δεが極めて高いといった特性を有する。
【0148】
そのため、本発明の化合物を使用することによって、大きなΔnを持ち、粘性が低く(電界の変化に対する応答速度の改善に有効)、高い電圧保持率を有し、かつ広い温度範囲でネマチック液晶相を示す液晶組成物を得ることができる。また、本発明の化合物はΔεが極めて高いので駆動電圧を低下せしめることができ、これを使用することによって特にTFT用に好適な液晶組成物を提供することができる。

Claims (12)

  1. 一般式
    Figure 0003899530
    (式中、R1 は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、1〜11個の炭素原子を有するアルコキシ基、または2〜11個の炭素原子を有するアルケニル基であり、X、Zは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、Yは炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキルオキシ基を示し、この基中における1つまたは2つのフッ素原子は水素原子に置換されてもよく、A、B、Cはそれらの1つがシクロヘキセン環であり、他はシクロヘキサン環およびベンゼン環からなる群から選ばれ、これらの環はフッ素原子で置換されていてもよく、l、m、nはそれぞれ独立に0または1であるが、m=0のときl=0であり、m=1、n=0のときAまたはBがシクロヘキセン環であり、m=0、n=1のときAまたはCがシクロヘキセン環であり、そしてm=0、n=0のときAがシクロヘキセン環であるが、Cは
    Figure 0003899530
    であることはない。)で示される液晶性化合物。
  2. Yがトリフルオロメチル基である請求項1に記載の液晶性化合物。
  3. Yがトリフルオロメチルオキシ基である請求項1に記載の液晶性化合物。
  4. Yがジフルオロメチルオキシ基である請求項1に記載の液晶性化合物。
  5. Yが1,1,2,2−テトラフルオロエチルオキシ基である請求項1に記載の液晶性化合物。
  6. Yが1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ基である請求項1に記載の液晶性化合物。
  7. Yがペンタフルオロエチルオキシ基である請求項1に記載の液晶性化合物。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1成分以上含む2成分以上からなる液晶組成物。
  9. 第一成分として、請求項1からのいずれかに記載の化合物を少なくとも1種含有し、第二成分として、下記の一般式(2)、(3)および(4)
    Figure 0003899530
    (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Z’はFまたはC1を示し、Q1 およびQ2 は各々独立してHまたはFを示し、rは1または2を示し、Z1 およびZ2 は各々独立して−CH2 CH2 −または共有結合を示す。)からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  10. 第一成分として、請求項1からのいずれかに記載の化合物を少なくとも1種含有し、第二成分として、下記の一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)
    Figure 0003899530
    (式中、R3 は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を示し、該各基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素原子に置換されることはない。Z3 は−CH2 CH2 −、−COO−または共有結合を示し、Q3 はHまたはFを示し、Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環または1,3−ジオキサン環を示し、sは0または1を示す。)
    Figure 0003899530
    (式中、R4 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、該基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Q4 はHまたはFを示し、kは0または1を示す。)
    Figure 0003899530
    (式中、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、該基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Eはシクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、Q5 はHまたはFを示し、Z4 は−COO−または共有結合を示し、hは0または1を示す。)
    Figure 0003899530
    (式中、R6 およびR7 は各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基またはアルキルオキシメチル基を示し、該各基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Lはシクロヘキサン環、ピリミジン環またはベンゼン環を示し、Gはシクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、Z5 は−C≡C−、−COO−、−CH2 CH2 −または共有結合を示す。)
    Figure 0003899530
    (式中、R8 は炭素数1〜10のアルキル基またはアルキルオキシ基を示し、R9 は炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基またはアルキルオキシメチル基を示し、該各基中の末端を除く任意のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)によって置換されてもよいが、2つ以上のメチレン基が連続して酸素によって置換されることはない。Mはシクロヘキサン環またはピリミジン環を示し、JおよびKは各々独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、Z6は−COO−、−CH2 CH2 −または共有結合を示し、Z7 は−C≡C−、−COO−または共有結合を示し、Q6 はHまたはFを示す。)からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  11. 請求項1からのいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1成分以上含む2成分以上からなる液晶組成物を使用して構成した液晶表示素子。
  12. 請求項8から10のいずれかに記載の液晶組成物を用いて構成した液晶表示素子。
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