JP3899513B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素ガス等のガスの濃度を検知可能なガス検知手段を具備した燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給湯器や暖房装置等の熱源として、ガスや液体燃料を燃焼する燃焼装置が多用されている。一般的に用いられている燃焼装置には、燃焼駆動により発生する燃焼ガス中に含まれる一酸化炭素等による事故防止や、燃焼駆動の安定性を向上すべく、熱交換器よりも下流側に燃焼ガス中に含まれる特定のガスの濃度を検出するガス検出手段が設けられつつある。
【0003】
一方、省エネルギーや環境保護の観点から、従来の燃焼装置よりもさらにエネルギー効率の高い燃焼装置が切望されている。そこで、かかる要望を解決すべく複数の熱交換器を備えた燃焼装置や、燃焼ガスの顕熱に加えて潜熱も回収可能な潜熱回収型燃焼装置と称する燃焼装置が提供されている。潜熱回収型燃焼装置は、主として燃焼ガスの顕熱を回収する熱交換器と、主として潜熱を回収する熱交換器とを備えたものであり、従来の燃焼装置に比べて熱効率が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した複数の熱交換器を備えた燃焼装置や潜熱回収型燃焼装置においても、事故防止や燃焼駆動の安定性を向上すべく、燃焼ガス中に含まれる特定のガスの濃度を検出可能なガス検出手段を設けることが望ましい。しかし、複数の熱交換器を設けた燃焼装置は、下流に向かうに従い燃焼ガスの温度が低下し、凝結水が発生することがあり、この凝結水によりガス検知手段の検知精度が低下してしまう場合がある。また、潜熱回収型燃焼装置についても、熱交換器において燃焼ガスから潜熱を回収する際に凝結水が発生するため、ガス検知手段が、この凝結水により結露してしまい、十分な性能を発揮できないという問題を有する。
【0005】
複数の熱交換器を備えた燃焼装置や潜熱回収型燃焼装置において発生する凝結水は、燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)等と反応し、酸性となることが多い。そのため、上記した燃焼装置においては、ガス検知手段が酸性の凝結水によって腐食され、故障してしまう場合があるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記した問題を解決すべく、複数の熱交換器を備えた熱交換器においても燃焼ガス中に含まれる特定のガスの濃度を検知可能な燃焼装置を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、燃料を燃焼する燃焼手段と、当該燃焼手段において発生した燃焼ガスと熱交換を行う第1熱交換器と、第1熱交換器よりも燃焼ガスの下流側に配置され第1熱交換器を通過した燃焼ガスと熱交換を行う第2熱交換器とを有する燃焼装置において、前記第1熱交換器と第2熱交換器との間を流れるガスの濃度を検知可能なガス検知手段が設けられており、ガス検知手段と第1熱交換器との間には、燃焼ガスの攪拌を行うガス攪拌部が設けられており、ガス攪拌部には、ガス下流側に向かうに従いガス流路の断面積が縮小する流路狭小部が設けられていることを特徴とする燃焼装置である。
【0008】
本発明の燃焼装置において、燃焼手段において発生した燃焼ガスは、第1熱交換器において熱交換を行い低温となっている。一方、第1熱交換器を通過した燃焼ガスは、第2熱交換器において熱交換を行いさらに低温となる。そのため、燃焼ガスが、第2熱交換器を通過すると凝結水が発生することがある。本発明の燃焼装置は、第1熱交換器と第2熱交換器との間を流れるガスの濃度を検知するガス検知手段が設けられている。そのため、当該ガス検知手段は、比較的低温で凝結水を含まない乾燥した燃焼ガスに晒されている。従って、上記した構成によれば、ガス検知手段の結露が起こらず、所定のガスの濃度を精度良く検出することができる。さらに、ガス検知手段がサンプリングする燃焼ガスは、第1熱交換器において熱交換を行い温度が低下しているため、ガス検知手段は、熱履歴等による故障がほとんど起こらず、安定した検知精度を発揮できる。
【0009】
請求項1に記載の燃焼装置は、ガス検知手段と第1熱交換器との間に、燃焼ガスの攪拌を行うガス攪拌部が設けられている。
【0010】
かかる構成によれば、燃焼ガスがガス検知手段に至る前に、燃焼ガスが十分混合される。そのため、本発明の燃焼装置は、ガス検知手段により燃焼ガス中に含まれる特定のガスの濃度を精度良く検知することができる。
【0011】
請求項1に記載の燃焼装置は、ガス攪拌部に、ガス下流側に向かうに従いガス流路の断面積が縮小する流路狭小部が設けられている。
【0012】
かかる構成によれば、流路狭小部においてガス攪拌部に流入した燃焼ガスの攪拌を促進することができる。本発明の燃焼装置は、ガス検知手段により燃焼ガス中に含まれる特定のガスの濃度を精度良く検知することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、第1熱交換器が、主として燃焼ガスの顕熱を回収する熱交換器であり、第2熱交換器が、主として燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置である。
【0014】
本発明の燃焼装置は、第2熱交換器が主として燃焼ガスの潜熱を回収するものであるため、第2熱交換器よりも下流側には低温の燃焼ガスが排出される共に、凝結水が発生する。一方、本発明の燃焼装置が備える第1熱交換器は、主として燃焼ガスの顕熱を回収するものであるため、第1熱交換器と第2熱交換器との間には凝結水がほとんど発生しない。即ち、本発明の燃焼装置において、第1熱交換器と第2熱交換器との間の領域は、比較的低温で凝結水を含まない乾燥した雰囲気となっている。従って、上記した構成によれば、ガス検知手段の結露が起こらず、所定のガスの濃度を精度良く検出することができる。さらに、ガス検知手段は、比較的低温の雰囲気下に設置されているため、熱履歴等による故障がほとんど起こらず、検知精度が安定している。
【0015】
請求項3に記載の発明は、第2熱交換器に供給される熱媒体は、第1熱交換器に供給される熱媒体よりも低温であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置である。
【0016】
本発明の燃焼装置は、第2熱交換器に供給される熱媒体が、第1熱交換器に供給される熱媒体よりも低温であるため、第2熱交換器は、第1熱交換器において熱エネルギーが奪われた低温の燃焼ガスから確実に熱エネルギーを回収することができる。
【0017】
本発明の燃焼装置は、第1熱交換器において熱交換を行い低温となった燃焼ガスから、ガス検知手段よりも下流側に位置する第2熱交換器において熱エネルギーを回収するものである。ガス検知手段は、比較的低温で凝結水を含まない乾燥した雰囲気下に配置されている。そのため、ガス検知手段は、凝結水による結露が起こらず、所定のガスの濃度を精度良く検出することができる。また、ガス検知手段は、第1熱交換器よりも下流側に設けられているため、熱履歴等による故障がほとんど起こらず、安定した検知精度を発揮できる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、第2熱交換器は、第1熱交換器よりも防錆特性が高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0019】
本発明の燃焼装置は、第1熱交換器で熱交換され比較的低温となった燃焼ガスから第2熱交換器においてさらに熱エネルギーを回収するものであるため、第2熱交換器の下流側には凝結水が発生することが多い。また、多くの場合、当該凝結水は、燃焼ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)により酸性となっており、腐食性が高い。本発明の燃焼装置は、第2熱交換器は、第1熱交換器よりも防錆特性が高いため、例え第2熱交換器において酸性の凝結水が発生しても、第2熱交換器の腐食や錆びが発生しない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である燃焼装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の燃焼装置の構造を示す模式図である。図1において、1は本実施形態の燃焼装置である。燃焼装置1は、大別して加熱部2と、加熱部2において発生した燃焼ガスによる熱交換が行われる熱交換部3と、燃焼ガス中における特定のガスの濃度を検知するガス検知センサー5(ガス検知手段)と、熱交換部3を通過した燃焼ガスおよび凝結水を燃焼装置1の外部に排出する排出部6とから構成されている。
【0021】
加熱部2は、ガスや灯油等の液体燃料を燃焼する燃焼部7(燃焼手段)と燃焼空間部8とから構成されている。燃焼部7において発生した高温の燃焼ガスは、燃焼空間部8を通過し、図1中に矢印で示すように熱交換部3へと流入する。
【0022】
熱交換部3は、燃焼空間部7を通過した燃焼ガスと熱交換を行う一次熱交換器10(第1熱交換器)と、二次熱交換器11(第2熱交換器)とが燃焼ガスの通風に対して直列に配置されたものであり、これらの中間にガス攪拌部12が設けられたものである。一次熱交換器10は、主要部分が銅製であり、主として前記燃焼ガスの顕熱を回収するものである。一次熱交換器10は、内部に湯水や不凍液などの熱媒体が流れるフィン付きの水管を屈曲させ形成されている。一次熱交換器10は、燃焼空間部8に連続した位置に設けられており、燃焼空間部7から熱交換部3内に流入した高温の燃焼ガスと熱交換を行う。
【0023】
一次熱交換器10と二次熱交換器11との間には、ガス攪拌部12が設けられている。ガス攪拌部12は、一次熱交換器10と二次熱交換器11とを連結する部分であり、一次熱交換器10において熱交換され温度が低下した燃焼ガスが流れ込む。ガス攪拌部12は、上流側(一次熱交換器10側)の端部に流路狭小部13が設けられている。流路狭小部13は、燃焼ガスの下流側に向かうに従い燃焼ガスの流路断面積が縮小する部分である。一次熱交換器10を通過した燃焼ガスは、流路狭小部12を通過する間に十分攪拌される。従って、流路狭小部12を通過した燃焼ガスは、流路狭小部12よりも下流側のいかなる場所においてもほぼ均一な組成となる。
【0024】
一次熱交換器10と二次熱交換器11との間で、流路狭小部13よりも下流側には、ガス検知センサー5が設けられている。ガス検知センサー5は、燃焼ガス中の一酸化炭素(CO)ガスの濃度を検知するものである。ガス検知センサー5の検知信号は、燃焼装置1の駆動を制御する制御手段(図示せず)に伝達される。燃焼装置1の制御手段は、ガス検知センサー5の検知信号に基づき燃焼部7における燃焼駆動を制御する。
【0025】
ガス攪拌部12の下流側には、二次熱交換器11が設置されている。二次熱交換器11は、図2に示すように、フィン15と湯水や熱媒体が流れるチューブ16とを交互に積層したコア部17が、入水口18及び出水口20を備えたヘッダ部21に接続された、いわゆる積層型熱交換器である。二次熱交換器11を構成する各部材は、ステンレスにより製されている。チューブ16内には、板材をプレス成形するなどして断面形状が波形となるように成形したインナフィン(図示せず)がろう付けされている。二次熱交換器11は、チューブ16内にインナフィンを設けたものであるため、熱交換に供する表面積が大きく、熱交換効率が高い。
【0026】
図3に示すように、二次熱交換器11の入水口18には、図示しない給水手段が接続されており、燃焼装置1の外部から湯水が供給される。また、二次熱交換器11の出水口20は、上記した一次熱交換器10の入水側10aに接続されている。即ち、熱交換器10,11は、熱媒体である湯水の流水に対しても直列に接続されている。図3に矢印で示すように、二次熱交換器11において加熱された湯水は、一次熱交換器10へと流れ込み加熱された後、出水側10bから流出する。よって、二次熱交換器11の入水口18に供給される湯水や熱媒体は、一次熱交換器10に供給される湯水や熱媒体よりも低温である。そのため、二次熱交換器11は、一次熱交換器10において熱エネルギーが奪われた燃焼ガスから確実に熱エネルギーを回収することができる。
【0027】
二次熱交換器11は、熱交換器10において熱交換を行い、ガス攪拌部12を通過した燃焼ガスと熱交換を行うものである。二次熱交換器11は、主として燃焼ガスの持つ潜熱を回収するものであり、一次熱交換器10において回収されなかった燃焼ガスの熱エネルギーの大部分を回収するものである。従って、燃焼ガスは、一次熱交換器10を通過する際に熱エネルギーの大部分が回収され、二次熱交換器11の下流側において60℃以下程度の低温の排出ガスとなり、凝結水が発生する。この凝結水は、排出ガス中の窒素酸化物(NOx)等と反応し、酸性となる。本実施形態において採用されている一次熱交換器10は、上記したように主要部分がステンレス製であり、銅製の一次熱交換器10に比べて防錆特性に優れている。そのため、二次熱交換器11は、燃焼ガスから潜熱を回収する際に発生する酸性の凝結水に晒されてもほとんど腐食されず、長期安定性に優れている。
【0028】
二次熱交換器11において熱エネルギーが回収された燃焼ガス及び二次熱交換器11において発生した凝結水は、排出部6内に流れ込む。排出部6は、上部側に排気口22を有し、下部側に排水口23を有する。排出部6内に流れ込んだ燃焼ガスは、排気口22から外部に排出され、凝結水は排水口23から図示しない中和装置に流入し中和処理された後排出される。本実施形態の燃焼装置1において、排出部6内に流れ込む凝結水は、燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)等と反応し酸性となっている。そのため、排出部6はステンレス等の防錆特性の高い材質で形成されている。
【0029】
本実施形態の燃焼装置1において、ガス検知センサー5は、一次熱交換器10と二次熱交換器11との間に配置されており、凝結水を含まない乾燥した燃焼ガスに晒されている。そのため、ガス検知センサー5は、結露が起こらず、燃焼ガス中の一酸化炭素の濃度を精度良く検出することができる。
【0030】
また、ガス検知センサー5は、一次熱交換器10の下流側に配置されているため、ガス検知センサー5がサンプリングする燃焼ガスは比較的低温となっている。そのため、ガス検知センサー5は、熱履歴等による故障がほとんど起こらず、常に安定した検知精度を発揮できる。
【0031】
本実施形態の燃焼装置1において、一次熱交換器10を通過した燃焼ガスは、流路狭小部13において混合が促進されるため、流路狭小部13よりも下流側においては特定のガス成分が偏在しない。そのため、流路狭小部13より下流側の燃焼ガスは、いかなる場所でサンプリングされてもほぼ同一の組成を有する。従って、ガス検知センサ5は、流路狭小部13よりも下流側のいかなる場所に配置されても、ほぼ一定の検知精度が得られる。
【0032】
また、主として潜熱を回収する二次熱交換器11に供給される熱媒体である湯水は、主として顕熱を回収する一次熱交換器10に供給される湯水よりも低温であるため、二次熱交換器11は、一次熱交換器10を通過し温度が低下した燃焼ガスから確実に熱エネルギーを回収することができる。
【0033】
本実施形態において、第2熱交換器はステンレス製であるため、第2熱交換器において酸性の凝結水が発生しても、第2熱交換器が錆びたり腐食しない。
【0034】
続いて、本発明の第2実施形態の燃焼装置について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態の燃焼装置の構造を示す模式図である。図4において、30は本実施形態の燃焼装置である。燃焼装置30は、上記第1実施形態の燃焼装置1とほぼ同様の構成を有するため、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、詳細の説明は省略する。
【0035】
燃焼装置30は、燃焼装置1と同様に加熱部2と、熱交換部3と、ガス検知センサー5(ガス検知手段)と、排出部6とから構成されている。加熱部2は、加熱部2は、燃料を燃焼する燃焼部7と燃焼空間部8とから構成されている。燃焼部7において発生した高温の燃焼ガスは、燃焼空間部8を通過し、図4中に矢印で示すように熱交換部3へと流入する。
【0036】
熱交換部3は、上記した燃焼装置1と同様の、一次熱交換器10(第1熱交換器)と、二次熱交換器11(第2熱交換器)とが燃焼ガスの通風に対して直列に配置されたものであり、これらの中間にガス攪拌部31が設けられたものである。
【0037】
一次熱交換器10と二次熱交換器11との間に設けられている、ガス攪拌部31は、ラビリンス部32と流路狭小部33とにより構成されている。ラビリンス部32は、ガス攪拌部31の上流側で一次熱交換器10に連続する位置に設けられている。ガス攪拌部31内に導入される燃焼ガスは、一次熱交換器10において熱エネルギーが奪われ、温度が低下しているものの、凝結水を含まず乾燥している。
【0038】
ラビリンス部32は、内部に燃焼ガスの流れ方向を偏向させる流路偏向部材35が複数設けられたものであり、ラビリンス構造を有する。従って、燃焼ガスのガス流路の長さは、ラビリンス部32の上流側の端部と下流側の端部との間の距離よりも長い。即ち、燃焼ガスのガス流路の長さは、流路偏向部材35により構成されるラビリンス構造によって延長されている。そのため、一次熱交換器10を通過した燃焼ガスは、ラビリンス部32において攪拌が促進される。
【0039】
ラビリンス部32の下流側には、ガス攪拌部32の流路断面積よりも小さな開口を有する板材である流路縮小部材37が設けられており、これにより流路狭小部33が形成されている。ラビリンス部32を通過した燃焼ガスは、流路断面積の小さな流路狭小部33を通過する際にさらに混合され、燃焼ガス中における特定のガス成分の偏在が解消される。即ち、一次熱交換器10を通過した燃焼ガスは、ラビリンス部32及び流路狭小部33を通過する間に十分混合され組成分布がほぼ一定となる。
【0040】
流路狭小部33の下流側には、一酸化炭素(CO)ガスの濃度を検知可能なガス検知センサー5が設けられている。ガス検知センサー5の検知信号は、燃焼装置1の駆動を制御する制御手段(図示せず)に伝達される。燃焼装置1の制御手段は、ガス検知センサー5の検知信号に基づき燃焼部7における燃焼駆動を制御する。
【0041】
本実施形態の燃焼装置30において、ガス検知センサー5は、一次熱交換器10と二次熱交換器11との間に配置されており、凝結水を含まない乾燥した燃焼ガスに晒されている。そのため、ガス検知センサー5は、結露が起こらず、燃焼ガス中の一酸化炭素の濃度を精度良く検出することができる。
【0042】
また、ガス検知センサー5は、一次熱交換器10において熱エネルギーを放出し、比較的低温となった燃焼ガスをサンプリングするものである。そのため、ガス検知センサー5は、熱履歴等による故障がほとんど起こらず、常に安定した検知性能を発揮できる。
【0043】
本実施形態の燃焼装置30は、一次熱交換器10を出た燃焼ガスを流路偏向部材35により構成されるラビリンス部32において攪拌した後、流路縮小部材37により構成される流路狭小部33においてさらに攪拌するものであるため、流路狭小部33よりも下流側における燃焼ガスの組成分布は略一定である。そのため、ガス検知センサー5は、燃焼ガス中に占める一酸化炭素(CO)ガスの濃度を精度良く検出できる。
【0044】
上記した第1,2実施形態において、ガス検知センサー5は、一酸化炭素を検知するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、ガス検知センサー5は、一酸化炭素に限らず二酸化炭素(CO2 )、窒素酸化物(NOx )、ハイドロカーボン(HC)、メタン(CH4 )、アルデヒド等いかなるガスの濃度を検知するものであっても良い。
【0045】
また、上記第1,2実施形態において、ガス検知センサー5は、一次熱交換器10と二次熱交換器11との間の部位に設けられ、当該部位内のガスを検知するものであるが、本発明の燃焼装置はこれに限定されるものではなく、ガスセンサー5により一次熱交換器10と二次熱交換器11との間を流れるガスの濃度を検知できればいかなる構造であってもよい。さらに具体的には、燃焼装置1,30は、一次熱交換器10と二次熱交換器11との間を流れるガスを採取する採取部を設け、ガス検知センサー5を当該採取部において採取されたガスを検知するものしてもよい。さらに詳細には、燃焼装置1,30は、一次熱交換器10と二次熱交換器11との間の部位に連通した配管を設け、当該配管内を流れるガスの濃度をガス検知センサー5により検知するものしてもよい。
【0046】
上記第1,2実施形態において、燃焼ガスの攪拌を行うガス攪拌部31として流路狭小部材13,33を備えた構成や、流路偏向部材37により構成されるラビリンス部32を備えた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなくいかなる構成を有するものであっても良い。
【0047】
また、ガス検知センサー5は、図5に示すような検知箱40に収納されていてもよい。検知箱40は、上面41、後端側側面43、下面45、及び左右側面46,47で囲まれた箱である。検知箱40の上面41には燃焼ガス取り入れ口48を有し、下面45には燃焼ガス流出口50が設けられている。燃焼ガスは、燃焼ガス取り入れ口48から検知箱40内に流入し、燃焼ガス流出口50から流出する。ガス検知センサー5に至る燃焼ガスの流路断面積は、燃焼ガス取り入れ口48によって大幅に縮小される。そのため、検知箱40はガス攪拌部として機能し、燃焼ガス取り入れ口48は、流路狭小部として機能する。従って、検知箱40内に流入する燃焼ガスは、組成分布が略一定であり、ガス検知センサー5は、燃焼ガス中に占める一酸化炭素(CO)ガスの濃度を精度良く検出できる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の燃焼装置によれば、ガス検知手段の結露が起こらず、所定のガスの濃度を精度良く検出することができる。
【0049】
請求項1に記載の発明によれば、燃焼ガスがガス検知手段に至る前に、燃焼ガスを十分混合することができ、ガス検知手段により燃焼ガス中に含まれる特定のガスの濃度を精度良く検知することができる。
【0050】
請求項1に記載の発明によれば、流路狭小部においてガス攪拌部に流入した燃焼ガスの攪拌を促進し、ガス検知手段において燃焼ガス中に含まれる特定のガスの濃度を精度良く検知することができる。
【0051】
また、請求項2に記載の燃焼装置は、ガス検知手段が、比較的低温で凝結水を含まない乾燥した雰囲気下に配置されているため、ガス検知手段の結露が起こらず、所定のガスの濃度を精度良く検出することができる。
【0052】
請求項3に記載の発明によれば、第1熱交換器において熱エネルギーが奪われた低温の燃焼ガスから確実に熱エネルギーを回収しつつ、ガス検知手段において所定のガスの濃度を精度良く検出することができる。
【0053】
請求項4に記載の発明によれば、酸性の凝結水が発生しても、第2熱交換器の腐食や錆び付きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態である燃焼装置の構造を示す模式図である。
【図2】 図1に示す燃焼装置が備える二次熱交換器の正面図である。
【図3】 図1に示す燃焼装置の流水回路を示す模式図である。
【図4】 本発明の第2実施形態である燃焼装置の構造を示す模式図である。
【図5】 図1及び図4に示す燃焼装置が備えるガス検知センサーの変形実施例である。
【符号の説明】
1,30 燃焼装置
5 ガス検知センサー(ガス検知手段)
7 燃焼部(燃焼手段)
10 一次熱交換器(第1熱交換器)
11 二次熱交換器(第2熱交換器)
12,31 ガス攪拌部
13,33 流路狭小部
Claims (4)
- 燃料を燃焼する燃焼手段と、当該燃焼手段において発生した燃焼ガスと熱交換を行う第1熱交換器と、第1熱交換器よりも燃焼ガスの下流側に配置され第1熱交換器を通過した燃焼ガスと熱交換を行う第2熱交換器とを有する燃焼装置において、前記第1熱交換器と第2熱交換器との間を流れるガスの濃度を検知可能なガス検知手段が設けられており、ガス検知手段と第1熱交換器との間には、燃焼ガスの攪拌を行うガス攪拌部が設けられており、ガス攪拌部には、ガス下流側に向かうに従いガス流路の断面積が縮小する流路狭小部が設けられていることを特徴とする燃焼装置。
- 第1熱交換器は、主として燃焼ガスの顕熱を回収する熱交換器であり、第2熱交換器は、主として燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 第2熱交換器に供給される熱媒体は、第1熱交換器に供給される熱媒体よりも低温であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
- 第2熱交換器は、第1熱交換器よりも防錆特性が高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
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