JP3898614B2 - 走査形電子顕微鏡 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は電子線装置に係り、特に試料を傾斜した状態で高分解能像を得ることのできる走査電子顕微鏡及びその類似装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走査電子顕微鏡において高分解能像を得るための方法として、対物レンズ磁極の間に試料を配置する、いわゆるインレンズ方式にする方法、あるいは対物レンズの内側の磁極の外径を外側の磁極の内径よりも小さくし、かつ内側の磁極の下面を外側の磁極の下面と同程度かそれよりも試料側に突出させて試料側にレンズ磁界を発生させる方法が知られている。また、米国特許第4,713,543号明細書に記載されているように、電子銃から対物レンズ部までの電子線通路に軸対称な電極を配置して正の高電圧を印加し、対物レンズを通過するときの一次電子線のエネルギーを試料に到達するときのエネルギー(最終加速電圧)よりも高くして、対物レンズの収差を低減する方法も知られている。
【0003】
上記の方法では、いずれも試料から発生する二次電子が対物レンズの磁界に巻き上げられるか、あるいは対物レンズの電子線通路に配置した電極の印加電圧で加速されて、対物レンズの上部(電子源側)に進行するため、二次電子を対物レンズの上部で検出する必要がある。特に、試料側にレンズ磁界を発生させる対物レンズでは、対物レンズの上部に進行した二次電子はその後、対物レンズの磁界が消滅すると発散してしまうので、対物レンズの磁界が消滅した後の二次電子の発散を抑えて二次電子を効率よく検出するために、対物レンズの磁極の一次電子線通路部に二次電子を加速する電極(加速電極)を配置して正の電圧を印加していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、二次電子を加速する電極(加速電極)に印加している正の電圧、あるいは収差を低減する目的で一次電子線を加速する電極(加速電極)に印加している正の電圧により、試料と加速電極との間に電界が発生する。
【0005】
試料を傾斜しないときには、加速電極と試料との間の電界は軸対称となるため、この電界の作用と対物レンズの磁界の作用で、試料から発生する二次電子が効率よく対物レンズ上部の二次電子検出器に導かれる。しかし、試料を傾斜すると、試料の傾斜方向で加速電極と試料の間の距離が変化して電界の強いところと弱いところが発生するため、二次電子は光軸と直交する方向に偏向される。その結果、試料から発生した二次電子は対物レンズを通過する途中で壁に衝突し、対物レンズの上部に配置した二次電子検出器に到達しなくなる欠点があった。その上、この非対象な電界は収差発生の原因ともなる。
【0006】
また、対物レンズ磁極の電子線通路に電極を配置するために、対物レンズ下面(平坦部)の直径が大きくなり、試料を高角度に傾斜した場合に対物レンズ下面と試料との距離(ワーキングディスタンス)が長くなって、分解能が低下するという問題があった。
一方、対物レンズの下部に電極を配置して負の電圧を印加する方法が、例えば特公昭60−9543号公報に開示されている。しかし、この方法は、二次電子のエネルギー弁別を目的とするものであるため、エネルギー弁別を行わない通常の二次電子像観察では電極の電圧を0Vにする必要があり、対物レンズの磁界消滅後の二次電子の発散を抑えることができない。
【0007】
本発明の目的は、試料から発生した二次電子を比較的長い距離輸送して対物レンズの上部で検出するタイプの走査電子顕微鏡において、前記従来技術の欠点をなくし、試料傾斜時に二次電子検出効率を低下させないで高分解能観察を行うとともに、試料を傾斜した場合にも短いワーキングディスタンスを実現することのできる走査電子顕微鏡を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、二次電子の加速電極の外側、あるいは試料側に電界補正電極を配置し、対物レンズから試料表面までの光軸上の電位を0又は正の電位に維持できる範囲で電界補正電極に負の適切な電圧を印加する。電界補正電極は軸対象な形状とするのが好ましい。この電界補正電極の設置により、試料の傾斜角度によらず常に最高の二次電子検出効率を維持できる。なお、試料を傾斜したときに生じる二次電子の偏向作用は加速電極の印加電圧に依存するため、電界補正電極の印加電圧は加速電極の印加電圧に連動して変化させる。
【0009】
また、試料を傾斜したときのワーキングディスタンスを短くするために、加速電極を磁性体で構成して対物レンズ磁極の一部として機能させる。逆の言い方をすると、対物レンズの磁極を光軸方向に2分割し、その一方に電圧を印加して加速電極として作用させる。
正の電圧を印加された加速電極と負の電圧を印加された電界補正電極は、一次電子線の照射点における試料の表面付近を少なくとも0又は正の電位に維持した状態で、試料を傾斜したときに、ビーム照射点及びその周辺の電位分布の軸対称性が崩れることを防止する。
【0010】
【作用】
試料を傾斜したときに、正電圧を印加された加速電極と試料の間に発生する電界による二次電子の偏向を、加速電極と同軸上に配置して負電圧を印加された電界補正電極と試料の間に発生される電界の偏向作用で相殺する。そのため、電極と試料との間で二次電子が偏向されることは無くなり、二次電子は偏向されずに加速電極に進入できる。加速電極の内部の電位は軸対称であるため、加速電極に進入した二次電子は光軸と直交方向に偏向されることなく加速される。したがって、試料を傾斜しないときと同じ状態で二次電子を検出できる。
【0011】
図2は、このことを走査電子顕微鏡の撮像視野の変化によって説明したものである。図2(a)は、加速電極を備えるが、本発明の電界補正電極を備えない従来の走査電子顕微鏡において、試料の傾斜がゼロのときの撮像視野80を表し、明るい領域81が視野中心にある。この状態で試料を傾斜すると、図2(b)に矢印で示すように明るい領域81は視野80の中心から逃げる。これは、試料を傾斜したことによって加速電極と試料の間の電界が軸非対称になり、試料から発生した二次電子がその非対象な電界によって偏向されたためである。ところが、加速電極と共に電界補正電極を設置し、その電界補正電極に負の電圧を印加すると、図2(c)に矢印で示すように、視野の隅の方に逃げていた明るい領域81は視野中心方向に向かって移動する。そして、負の電圧を適切な値とすると明るい領域81は再び視野中心に戻り、図2(a)と同様の条件で試料を観察することができるようになる。
【0012】
また、電界補正電極を設けると試料を傾斜しても試料のビーム照射点付近の電位分布があまり軸非対称にならないので、一次電子線に対しても非点収差の増大を抑える効果がある。
試料傾斜時に加速電極と試料の間に形成された電界によって生じる二次電子の偏向作用は、試料に最も接近した加速電極の印加電圧に依存するため、電界補正電極の負の印加電圧を試料に最も接近した加速電極の印加電圧と連動させて、予め定めた関係(二次電子の偏向作用が相殺される印加電圧の関係)が成立するように制御することで、例えば、加速電圧やワーキングディスタンスに応じて加速電極の印加電圧を変えた場合においても、試料傾斜時の二次電子偏向作用をなくして高効率な二次電子検出が可能になる。
【0013】
加速電極のうち、試料に最も接近している電極を磁性体で構成して対物レンズ磁極として機能させると、対物レンズ下面の直径を小さくすることができ、試料傾斜時のワーキングディスタンスが短くなって高分解能が得られる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による走査電子顕微鏡の一実施例の概略構成図である。陰極1と第一陽極2の間には、マイクロプロセッサ(CPU)50で制御される高圧制御電源40により電圧V1が印加され、所定のエミッション電流が陰極から引き出される。陰極1と第二陽極3の間にはCPU50で制御される高圧制御電源41により加速電圧Vaccが印加されるため、陰極1から放出された一次電子線4はVaccの電圧に加速されて後段のレンズ系に進行する。一次電子線4は、レンズ制御電源16で制御された集束レンズ5と対物レンズ6により試料7に微小スポットとして集束され、偏向コイル8で試料上を二次元的に走査される。偏向コイル8の走査信号は、観察倍率に応じて偏向制御回路15により制御される。一次電子線の集束角(ビーム開き角)は対物レンズ絞り14で決められる。試料7を載置した試料ステージ70は、試料を水平方向に移動する機能及び試料を傾斜させる機能を備えている。
【0015】
対物レンズ6の電子線通路部には軸対称な加速電極10a及び10bが配置され、電圧制御電源31a及び31bにより、それぞれ正の電圧Va1及びVa2が印加される。一次電子線4は、加速電極10a及び10bに印加された電圧Va1及びVa2によって加速電圧Vaccよりもさらに加速された後、対物レンズ磁極と試料7との間で元のエネルギー(Vacc)に減速して試料7に照射される。対物レンズ6の磁極はレンズ磁界100を試料側に発生できるように、外側磁極の孔径が内側磁極の孔径よりも大きく、かつ、内側磁極の先端が外側磁極の先端よりも試料側に位置している。加速電極10a及び10bにそれぞれ正の電圧Va1及びVa2を印加すると、一次電子線4は対物レンズ磁界100の中をVaccよりも高いエネルギーで通過するため、レンズ収差が低減される。
【0016】
電子線4の照射によって試料7から発生した二次電子9は、対物レンズ6の磁界にトラップされて対物レンズ上方へ進行しながら加速電極10bの電圧Va2で加速された後に、電圧Va1を印加された加速電極10aと電圧Va2を印加された加速電極10bのギャップ部に形成される静電レンズの作用を受けて集束され、対物レンズ6の磁界が消滅しても発散することなく対物レンズ6の上部に進行して二次電子検出器20で検出される。電圧Va1とVa2は、いずれが大きくても、あるいは両電圧が等しくてもその境界領域に静電レンズを形成することができ、その値は加速電圧Vaccの大きさやワーキングディスタンスに応じて適宜設定される。二次電子検出器20の信号は、像信号増幅器17を通して画像メモリ51に取り込まれ、像表示装置18に試料の拡大像として表示される。電子光学系の構成要素を制御する各制御回路及び制御電源は、それぞれCPU50で集中制御される。
【0017】
対物レンズ6に設けられた加速電極10bの外側には、軸対称な電界補正電極11が配置されており、電圧制御電源32により負の電圧Vbが印加される。電界補正電極11の電圧Vbは、試料7を傾斜したときに、Vbに起因する二次電子9の偏向作用が加速電極10bの電圧Va2に起因する偏向作用を相殺する値に設定される。この二次電子の偏向作用が相殺されるVbとVa2の関係は予め実験やシミュレーションで求めておき、その関係を満たすように制御CPU50で設定することができる。
【0018】
次に、電界補正電極の作用を図3、図4及び図5により説明する。図3は、左側に対物レンズ断面を、右側に光軸上の電位分布を示したものである。試料位置の電位は0であり、試料付近の光軸上の電位は電界補正電極11に印加する電圧Vbの大きさに応じて変化する。電位勾配が存在する領域は静電レンズとして働き、試料から発生した二次電子を集束する作用をする。図中の曲線aは電界補正電極11が無いときの電位分布を示し、電界補正電極11に印加する負の電圧Vbの絶対値を大きくして行くに従って光軸上の電位分布は曲線b,cのように変化してゆく。曲線bはVbの値が適切なときの電位分布を示し、曲線cはVbの絶対値が大きすぎるときの電位分布を示す。電位分布cでは、光軸上に電位が負になる領域が形成されるため、試料から発生した二次電子を対物レンズ内に引き上げることができず、二次電子を検出することができない。
【0019】
図4は電界補正電極が無いときの、試料傾斜時の等電位線を示している。電界補正電極が無い場合には、図4に示すように、試料傾斜時に等電位線101が試料7の傾斜方向に非対称にはみ出すため、試料7から発生した二次電子9は光軸の方向に加速されるだけでなく、光軸と直交する方向(試料傾斜方向)にも偏向作用を受ける。その結果、大部分の二次電子は加速電極10a,10bの内壁に衝突して二次電子検出器20に到達しない。
【0020】
図5は、加速電極10bの外側に電界補正電極11を配置して負の電圧Vbを印加したときの、試料傾斜時の等電位線101を示している。電界補正電極11には負の電圧Vbを印加するため、試料傾斜時に二次電子が負電圧Vbによって偏向される方向と、加速電極10bの正電圧Va2によって偏向される方向とは逆向きになる。したがって、Vbによる二次電子の偏向作用とVa2による二次電子の偏向作用とが相殺されるように電圧Vbの値を選ぶことにより、図5に示すように両電極による試料近傍の電位分布の軸対称性が改善され、二次電子9が光軸と直交する方向に偏向されずに対物レンズ6の上部へ進行して二次電子検出器20で検出される。
【0021】
図6は、各電極への印加電圧の一例を示す図である。図6は縦軸が印加電圧、横軸が試料傾斜角度であり、加速電圧Vaccが1kVのときの各電極10a,10b,11への印加電圧Va1,Va2,Vbと試料傾斜角度の関係、及び加速電圧Vaccが10kVのときの各電極10a,10b,11への印加電圧V'a1,V'a2,V'bと試料傾斜角度の関係を示している。電圧Vb,V'bは負電圧であるが、図6では簡単のため絶対値で示してある。加速電圧Vaccが1kVのときには、一次電子線のフォーカスに必要な対物レンズ磁界強度が加速電圧10kVのときに比較して小さいため、試料から発生した二次電子を対物レンズ部の二次電子加速電極まで導く磁界強度も弱い。そのため、試料に最も近接した二次電子加速電極10bの1kVにおける印加電圧Va2は、対物レンズの磁界の弱さを補うために、加速電圧10kVのときの値V'a2よりも高い値に設定する必要がある。これに伴い、電界補正電極11の電圧Vbも加速電圧Vaccが1kVのときには高く、加速電圧Vaccが10kVのときには低い値V'bに設定される。
【0022】
試料に最も近接した二次電子加速電極10bの印加電圧Va2の最適値は、試料7と加速電極10bまでの距離、及びその間の磁界の強さに依存するため、加速電圧Vaccやワーキングディスタンス毎にその最適条件を見出すことになる。一方、電界補正電極11の印加電圧Vbは、試料7に最も近接した加速電極10bの印加電圧Va2に依存するため、加速電極10bへの印加電圧Va2を決めた後に試料傾斜による二次電子の損失が無いようにその最適値を決定する。試料に近接していない他の加速電極10aへの印加電圧Va1は加速電圧Vaccやワーキングディスタンスに対して変化しないため、それらの条件に対しては一定値とすることができる。これは二次電子9のエネルギーが加速電圧Vaccやワーキングディスタンスに依存しないためである。
【0023】
試料傾斜角度が0゜から約45゜の範囲では、電界補正電極11への印加電圧Vbを一定にしても、試料から発生した二次電子を効率よく二次電子検出器20に導き、高分解能像を得ることができる。しかし、試料傾斜角度をさらに大きくする場合には、図6に示すように、電界補正電極11への印加電圧Vbを試料傾斜角度に応じて制御することが、二次電子の高効率検出に有効である。
【0024】
上に述べたような(1) 種々の加速電圧Vaccやワーキングディスタンスに対して最適なVa2の値、(2) 試料傾斜時に二次電子の偏向作用を相殺するためのVa2とVbの関係、及び(3) 大きな試料傾斜角度に対して最適な印加電圧Vb等の関係は、いずれも実験あるいは数値シミュレーションで求めて関係式又はテーブルの形で記憶しておくことができる。CPU50は、それらの関係式あるいはテーブルを参照して電源31b,32を最適制御する。
【0025】
次に、対物レンズの電子線通路部に配置する加速電極、及び電界補正電極の他の実施例について説明する。
図7は、加速電極10aと10bを一部オーバーラップさせて配置した実施例である。この場合、2つの加速電極10a,10bの境界部分に静電レンズを形成するためには、加速電極10aへの印加電圧Va1と加速電極10bへの印加電圧Va2を異ならせる必要がある。
【0026】
図8は、対物レンズ6の電子線通路に1個の加速電極10を配置する例である。電界補正電極11は、対物レンズ6の内側磁極の下方に位置する。本実施例の場合、二次電子の発散を抑制する機能に限界があり、対応できるVaccの範囲やワーキングディスタンスの範囲が限られる等、加速電極を2個以上配置する場合に比べて調節の自由度は制限されるものの、他の実施例と同様に試料を傾斜させた状態で高分解能観察を行うことができる。
【0027】
図9は、対物レンズの電子線通路部に配置する加速電極のうち試料に最も接近して配置される加速電極10bを磁性体で構成した例である。磁性体電極10bは対物レンズ6の内側磁路6aに対して磁気的に接続して配置され、対物レンズ6の内側磁極として機能する。電界補正電極11は磁性体電極10bの外側に試料の傾斜を邪魔しないように配置される。本実施例によると、加速電極10bの下面が対物レンズ下面となり、試料を傾斜しても短いワーキングディスタンスで高分解能観察ができる。磁性体磁極10bは、対物レンズ6の内側磁路6aに対する組立位置精度を向上するために、図10に示すように、上部部分を内側磁路6aに被せるような構造とすることもできる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、試料を高角度に傾斜しても短いワーキングディスタンスが実現できるためレンズ収差が小さくできるとともに、高い二次電子検出効率が得られるため、試料を高角度に傾斜して高分解能観察ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略断面図。
【図2】加速電極及び電界補正電極が撮像視野に与える影響の説明図。
【図3】光軸上の電位分布の説明図。
【図4】電界補正電極がないときの等電位線分布と二次電子の軌道の説明図。
【図5】電界補正電極に負の電圧を印加したときの等電位線分布と二次電子軌道の説明図。
【図6】試料傾斜角度と各電極への印加電圧の関係を示す説明図。
【図7】加速電極及び電界補正電極の他の実施例の説明図。
【図8】加速電極及び電界補正電極の他の実施例の説明図。
【図9】加速電極を磁性体で構成した実施例の説明図。
【図10】加速電極を磁性体で構成した他の実施例の説明図。
【符号の説明】
1:陰極、2:第一陽極、3:第二陽極、4:一次電子線、5:集束レンズ、6:対物レンズ、7:試料、8:偏向コイル、9:二次電子、10a,10b:加速電極、11:電界補正電極、14:対物レンズ絞り、15:偏向制御回路、16:レンズ系制御回路、17:像信号増幅器、18:像表示装置、20:二次電子検出器、31a:加速電極電源、31b:加速電極電源、32:電界補正電極電源、50:制御CPU、51:画像メモリ、70:試料ステージ、80:撮像視野、81:明るい領域、100:対物レンズの軸上磁界分布、102:等電位線
Claims (5)
- 一次電子線を細く絞って試料に照射するための集束レンズ系と、該一次電子線を試料上で二次元的に走査するための電子線偏向手段と、対物レンズと、載置した試料を少なくとも水平及び傾斜方向に移動させる機構を有する試料ステージとを含む走査形電子顕微鏡において、
前記対物レンズの磁極は試料側に磁場を発生させる形状を有し、該対物レンズの電子線通路部の軸方向に1個以上配置された一次電子線が通過できる軸対称な加速電極と、
該加速電極に正の電圧を印加する手段と、
前記加速電極のうち試料に最も接近している電極よりも外側、又は試料側に配置された一次電子線が通過できる電界補正電極と、
該電界補正電極に、前記試料ステージの傾斜角が所定の大きさ以上のとき、前記傾斜角の大きさに応じて絶対値が大きくなる負の電圧を印加する手段とを備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。 - 一次電子線を細く絞って試料に照射するための集束レンズ系と、該一次電子線を試料上で二次元的に走査するための電子線偏向手段と、対物レンズと、載置した試料を少なくとも水平及び傾斜方向に移動させる機構を有する試料ステージとを含む走査形電子顕微鏡において、
前記対物レンズの磁極は試料側に磁場を発生させる形状を有し、該対物レンズの電子線通路部の軸方向に1個以上配置された一次電子線が通過できる軸対称な加速電極と、
該加速電極に正の電圧を印加する手段と、
前記加速電極のうち試料に最も接近している電極よりも外側、又は試料側に配置された一次電子線が通過できる電界補正電極と、
該電界補正電極に負の電圧を印加する手段とを備え、
前記加速電極に正の電圧を印加する手段は、前記加速電極のうち試料に最も接近している電極に対して前記一次電子線の加速電圧が小さいときには大きな正の電圧を印加し、前記一次電子線の加速電圧が大きいときには小さな正の電圧を印加し、
前記電界補正電極に負の電圧を印加する手段は、前記一次電子線の加速電圧が小さいときには大きな負の電圧を印加し、前記一次電子線の加速電圧が大きいときには小さな負の電圧を印加するように、
前記一次電子線の加速電圧に応じて前記加速電極のうち試料に最も接近している電極及び前記電界補正電極それぞれの印加電圧を設定することを特徴とする走査電子顕微鏡。 - 一次電子線を細く絞って試料に照射するための集束レンズ系と、該一次電子線を試料上で二次元的に走査するための電子線偏向手段と、対物レンズと、載置した試料を少なくとも水平及び傾斜方向に移動させる機構を有する試料ステージとを含む走査形電子顕微鏡において、
前記対物レンズの磁極は試料側に磁場を発生させる形状を有し、該対物レンズの電子線通路の軸方向に配置された一次電子線が通過できる軸対称な1個の加速電極と、
該加速電極に正の電圧を印加する手段と、
前記加速電極よりも外側、又は試料側に配置された一次電子線が通過できる電界補正電極と、
該電界補正電極に、前記試料ステージが傾斜したときに発生する横方向の電界を相殺するような電界を発生するための負の電圧を印加する手段とを備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。 - 一次電子線を細く絞って試料に照射するための集束レンズ系と、該一次電子線を試料上で二次元的に走査するための電子線偏向手段と、対物レンズと、載置した試料を少なくとも水平及び傾斜方向に移動させる機構を有する試料ステージとを含む走査形電子顕微鏡において、
前記対物レンズの磁極は試料側に磁場を発生させる形状を有し、該対物レンズの内側磁路に磁気的に接続して配置され、対物レンズの内側磁極として機能する磁性体と、
該磁性体に正の電圧を印加する手段と、
前記磁性体よりも外側、又は試料側に配置された一次電子線が通過できる電界補正電極と、
該電界補正電極に、前記磁性体に印加される正電圧より絶対値が大なる負の電圧を印加する手段とを備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。 - 一次電子線を細く絞って試料に照射するための集束レンズ系と、該一次電子線を試料上で二次元的に走査するための電子線偏向手段と、対物レンズと、載置した試料を少なくとも水平及び傾斜方向に移動させる機構を有する試料ステージとを含む走査形電子顕微鏡において、
前記対物レンズの磁極は試料側に磁場を発生させる形状を有し、該対物レンズの内側磁路に磁気的に接続して配置され、対物レンズの内側磁極として機能する磁性体と、
該磁性体に正の電圧を印加する手段と、
前記磁性体よりも外側、又は試料側に配置された一次電子線が通過できる電界補正電極と、
該電界補正電極に、前記試料ステージが傾斜したときに発生する横方向の電界を相殺するような電界を発生するための負の電圧を印加する手段とを備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。
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