JP3896924B2 - 生体試料の観察装置および観察方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に収容された生体試料を撮像により観察する生体試料の観察装置および観察方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製薬業界等で行われる創薬スクリーニング作業においては、動植物の細胞や微生物などの生体試料を種々の条件下で培養し、時間経過に伴う変化や成長の度合いを顕微画像によって観察することが行われる。このとき、生体試料中の特定種類の細胞のみを抽出して観察対象とする場合に用いられる観察方法として、蛍光撮影を用いる方法が知られている。この方法では、予め観察対象となる特定種類の細胞を対象としてDNA操作を行い、蛍光を発するタンパク質を生成する性質を付与する前処理を行う。そして観察時には、蛍光を発生させるための励起光を生体試料に対して照射する。これにより観察対象の細胞のみが発光し、この光をカメラで受光することにより特定の細胞のみを抽出した所望の画像が取得される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記蛍光撮影による生体試料の観察に、焦点を自動的に合わせるオートフォーカス機能を適用しようとする場合には、以下のような問題点があった。一般に蛍光撮影の場合には観察対象から発光される光量は小さいため、撮影に際し通常の明光撮影と比較して長い露光時間が必要となる。このため、オートフォーカス動作において撮影を反復する過程では、生体試料には励起光が長時間照射される。
【0004】
そして過度の励起光の照射は生体試料の変質や退色を招きやすいため、オートフォーカス動作が終了して実際に焦点が合った状態で得られた画像は、本来の取得目的の画像と異なる不正確なものとなり易い。このように、従来の生体試料の観察装置においては、蛍光撮影を用いる際のオートフォーカス動作に要する時間が長く、観察目的に合致した品質の画像が得られないという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、蛍光撮影を用いる際のオートフォーカス動作において、観察目的に合致した画像品質を確保することができる生体試料の観察装置および観察方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の生体試料の観察装置は、容器に収容された生体試料を撮像により観察する生体試料の観察装置であって、容器内の生体試料を撮像する撮像手段と、前記生体試料に明光撮影のための照明光を照射する明光照明手段と、前記生体試料に蛍光撮影のための照明光を照射する蛍光照明手段と、前記明光照明手段と蛍光照明手段とを切り換える照明切り換え手段と、この撮像手段の焦点位置を前記容器に対して相対的に移動させる焦点移動手段と、前記撮像手段によって取得された画像の合焦度を判定する合焦度判定手段と、合焦度判定結果に基づいて前記焦点移動手段を制御することにより撮像手段の焦点位置を前記容器の生体試料に合わせる焦点合わせ手段とを備え、前記合焦度判定手段は、前記明光照明手段により生体試料に照明光を照射し、明光スキャン範囲内で明光スキャンを行って最良の合焦度を与える撮影位置を検出してこの撮影位置を前記蛍光照明手段による蛍光撮影のための仮焦点位置として求めるとともに、前記仮焦点位置を含む蛍光スキャン範囲内で蛍光スキャンを行って蛍光撮影のための最良の合焦度を与える撮影位置である本焦点位置を求める。
【0007】
請求項2記載の生体試料の観察方法は、容器に収容された生体試料を撮像手段によって撮像して観察する生体試料の観察方法であって、前記生体試料に明光撮影のための照明光を照射した状態で前記撮像手段によって生体試料の画像を明光スキャン範囲内の複数の撮影位置で取得する明光スキャン工程と、明光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出しこの撮影位置を仮焦点位置として設定する仮焦点位置検出工程と、前記生体試料に蛍光撮影のための照明光を照射した状態で前記撮像手段によって生体試料の画像を前記仮焦点位置を含む蛍光スキャン範囲内の複数の撮影位置で取得する蛍光スキャン工程と、蛍光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出しこの撮影位置を本焦点位置として設定する本焦点位置検出工程とを含む。
【0008】
請求項3記載の生体試料の観察方法は、請求項2記載の生体試料の観察方法であって、前記蛍光スキャン範囲は明光スキャン範囲よりも狭く、かつ蛍光スキャン範囲におけるスキャンピッチは、明光スキャン範囲におけるスキャンピッチよりも狭く設定される。
【0009】
請求項4記載の生体試料の観察方法は、請求項2記載の生体試料の観察方法であって、第1の明光スキャン範囲内の複数の撮影位置で前記画像を取得する第1の明光スキャン工程と、第1の明光スキャン工程で取得された複数の画像の合焦度に基づいて第1の仮焦点位置を設定する第1の仮焦点位置検出工程と、第1の仮焦点位置を含む第2の明光スキャン範囲内の複数の撮影位置で前記画像を取得する第2の明光スキャン工程と、第2の明光スキャン工程で取得された複数の画像の合焦度に基づいて第2の仮焦点位置を設定する第2の仮焦点位置検出工程とを含む。
【0010】
請求項5記載の生体試料の観察方法は、請求項4記載の生体試料の観察方法であって、前記第2の明光スキャン範囲は第1の明光スキャン範囲よりも狭く、かつ第2の明光スキャン範囲におけるスキャンピッチは、第1の明光スキャン範囲におけるスキャンピッチよりも狭く設定される。
【0011】
本発明によれば、蛍光スキャン工程に先立って行われる明光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出し仮焦点位置として設定し、仮焦点位置を含む蛍光スキャン範囲内の複数の撮影位置で取得する蛍光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出し本焦点位置として設定することにより、蛍光撮影を用いる際のオートフォーカス動作における蛍光照明下の撮影回数を減少させて、変質や退色のない観察目的に合致した画像品質を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の断面図、図2,図3は本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の部分断面図、図4は本発明の一実施の形態の蛍光撮影における焦点位置検出操作のフロー図、図5は本発明の一実施の形態の蛍光撮影における焦点位置検出操作の工程説明図、図6,図7,図8は本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の顕微画像を示す図である。
【0013】
まず図1を参照して、生体試料の観察装置の構造を説明する。この生体試料の観察装置は、容器に収容された生体試料を対象として顕微鏡観察や顕微鏡画像の撮影を行うものであり、創薬スクリーニングにおいて試薬投与後の生体試料の形態変化などを観察するために用いられる。図1において、生体試料の観察装置1は基部1a上にフレーム1bを立設した構造となっており、フレーム1bの中間高さ位置には、観察対象の生体試料が載置される試料載置テーブル2が設けられている。生体試料は容器であるマイクロタイタープレート4のウェル4a内に収容された状態で載置される。
【0014】
試料載置テーブル2の下方には、垂直な光軸aを有する光学系5が配置されており、光軸aは基部1a内の下方に配置されたミラー6を介して、撮像手段であるカメラ7に水平方向から入射する配置となっている。カメラ7の撮像動作は、制御部16によって制御される。後述する明光照明手段および蛍光照明手段の2種類のいずれかによってウェル4a内の生体試料を照明した状態で、カメラ7によって撮像することにより、生体試料の画像を取得することができる。取得された画像は制御部16に送られ、ここで画像処理することにより、取得画像の合焦度の判定を含む各種の処理が行われる。すなわち制御部16は、画像の合焦度を判定する合焦度判定手段となっている。
【0015】
試料載置テーブル2は、XYZテーブル3によって水平方向および垂直方向に位置調整可能となっており、カメラ7による撮像において、制御部16によってXYZテーブル3を制御して試料載置テーブル2の水平位置を調整することにより、任意のウェル4aをカメラ7の撮像範囲に位置させることができる。また試料載置テーブル2の垂直位置を調整することにより、カメラ7の焦点位置に対してマイクロタイタープレート4を相対的に移動させることができる。XYZテーブル3は、カメラ7の焦点位置をマイクロタイタープレート4に収容された生体試料に対して相対的に移動させる焦点移動手段となっている。
【0016】
そして前述の合焦度判定結果に基づいて 制御部16がXYZテーブルを制御することにより 、カメラ7の焦点位置をウェル4a内の生体試料に合わせる焦点合わせ動作を自動的に行えるようになっている。すなわち、制御部16は、合焦度判定結果に基づいて焦点移動手段を制御することにより、撮像手段の焦点位置を容器の生体試料に合わせる焦点合わせ手段となっている。
【0017】
次に、照明手段について説明する。まず明光照明手段について説明する。フレーム1bの上部には明光照明用の照射部8が照射面を下方に向けて配設されている。照射部8はファイバケーブル9を介して明光光源部10と接続されており、明光光源部10はハロゲン光などの明光照明光を発生する。明光光源部10はシャッタ10aを備えており、制御部16によってシャッタ10aの開閉を制御することにより、容器4に対して任意のタイミングで明光照明光を照射する。照射部8,ファイバケーブル9および明光光源部10は、明光照明手段を構成する。
【0018】
次に蛍光照明手段について説明する。光学系5とミラー6の間には、蛍光フィルタブロック11が、ブロック駆動部12によって水平方向に移動可能に配設されている。蛍光フィルタブロック11は横長中空構造のブロックであり、左半部は蛍光撮影位置11a、右半部は明光撮影位置11bとなっており、ブロック駆動部12を駆動することにより、蛍光撮影位置11a、明光撮影位置11bのいずれかを光学系5の光軸aに位置合わせできるようになっている。蛍光フィルタブロック11およびブロック駆動部12は、以下に説明するように、明光照明手段と蛍光照明手段とを切り換える照明切り換え手段となっている。
【0019】
蛍光撮影位置11a、明光撮影位置11bにはそれぞれ上下両面に開口部が設けられており、蛍光撮影位置11aの上面側の開口部には蛍光撮影のための蛍光フィルタ13が装着され、さらに蛍光フィルタ13の下方にはハーフミラー17が配置されている。蛍光フィルタブロック11の側面にはファイバケーブル14を介して蛍光光源部15と接続されており、蛍光光源部15は紫外光などの蛍光照明光を発生する。この蛍光照明光は後述するように、生体試料に含まれる蛍光物質を発光させるための励起光である。蛍光光源部15はシャッタ15aを備えており、制御部16によってシャッタ15aの開閉を制御することにより、蛍光フィルタブロック11内のハーフミラー17に対して任意のタイミングで蛍光照明光を照射する。蛍光フィルタブロック11,ファイバケーブル14および蛍光光源部15は、蛍光照明手段を構成する。
【0020】
明光撮影においては、図2に示すように、明光撮影位置11bを光学系5の下方に位置合わせした状態で、上方の照射部8から試料載置テーブル2上に載置されたマイクロタイタープレート4のウェル4aに対し明光照明光を照射する。そしてウェル4aを透過した撮像光は光学系5に入光し、明光撮影位置11bの開口部を透過して下方のミラー6によって反射された後にカメラ7に入光する。これにより、明光照明による生体試料の撮影が行われる。
【0021】
蛍光撮影においては、図3に示すように、蛍光撮影位置11aを光学系5の下方に位置合わせした状態で、蛍光光源部15から蛍光照明光をハーフミラー17に照射すると、この蛍光照明光は蛍光フィルタ13を透過し、光学系5を介してマイクロタイタープレート4のウェル4aを下方から照射する。ウェル4a内の生体試料のうち特定種類の細胞には蛍光撮影のための前処理がなされており、蛍光照明光を照射されることにより、前処理がなされた特定種類の細胞のみが蛍光を発生する。そしてこの蛍光は光学系5および蛍光フィルタ13,ハーフミラー17を透過して同様のカメラ7に入射する。これにより、蛍光照明による生体試料の撮影が行われる。
【0022】
この生体試料の観察装置は上記のように構成されており、次に蛍光撮影による生体試料の観察における焦点合わせをオートフォーカス機構によって行う場合の焦点位置検出操作について説明する。蛍光撮影による観察は、予め蛍光を発生する前処理が行われ蛍光物質が蓄積された生体試料に励起光としての蛍光照明光を照射した状態で観察を行うものであり、多種類の細胞の中から予め前処理が行われた特定種類の細胞のみを抽出した画像を取得できるという利点がある。
【0023】
この蛍光撮影では撮影に明光撮影と比較して撮影に長い露光時間が必要となることから、焦点位置合わせのためのオートフォーカス動作において撮影を反復する過程では、過度の励起光の照射によって生体試料の変質や退色を招きやすく、適正な画像品質の確保が難しいという問題点がある。本実施の形態ではこの課題を解決するため、オートフォーカス動作を、明光照明下で仮焦点位置を検出する仮焦点位置検出と、検出された仮焦点位置を中心として設定されるより狭い範囲で、蛍光照明下での焦点位置を検出する本焦点位置検出に分けて実行する方法を採用している。
【0024】
図4はこの焦点位置検出操作のフローを示しており、図5は焦点移動手段によって焦点位置を移動させながら複数の画像を取得するスキャン動作におけるスキャン範囲とスキャンピッチの関係を示している。ここでは、明光スキャンを2段階(第1の明光スキャンおよび第2の明光スキャン)で行った後に、蛍光スキャンを行う例を示している。各スキャン工程においては、予め個別に定められたスキャン範囲内において、スキャン動作毎に設定されるスキャンピッチだけ、焦点方向(上下方向)の撮影位置を順次移動させながら、カメラ7によって複数の画像を取得する。図6,図7,図8は、これらのスキャン工程において取得される画像を示している。
【0025】
図4において、まず生体試料に明光撮影のための照明光を照射する(ST1)。すなわち、蛍光フィルタブロック11の明光撮影位置11bを光学系5に位置合わせし、明光光源部10から明光照明光を照射する。そしてこの状態で、図5に示すように第1の明光スキャン範囲W1内の複数の撮影位置で、カメラ7によって生体試料の画像を取得する(ST2)(第1の明光スキャン工程)。ここでは、試料載置テーブル2を第1のスキャンピッチD1で順次ずらしながらカメラ7による撮影を行う。
【0026】
これにより、図6に示すように、生体試料21,22,23の映像を含む画像が、各撮像位置に応じて複数枚取得される。生体試料21,22,23は、それぞれ内部に観察目的として特定される対象部21b、22b、23bと、それらの周囲を取り囲む非対象部21a、22a、23aより構成され、対象部21b、22b、23bには、予め蛍光撮影において蛍光を発光する蛍光物資を生成する性質を与えるためのDNA操作が行われている。
【0027】
そして第1の明光スキャン工程で取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置P1を検出し、撮影位置P1を第1の仮焦点位置として設定する(ST3)(第1の仮焦点位置検出工程)。図6(a)は、画像において生体試料21,22,23の各部の映像がピンぼけ状態の非合焦画像の例を示しており、図6(b)は、合焦状態が他と比較して良好な最良の合焦度を与える画像の例を示している。
【0028】
この後第1の仮焦点位置(撮影位置P1)を含む第2の明光スキャン範囲W2内の複数の撮影位置で生体試料の画像を取得する(ST4)(第2の明光スキャン工程)。ここでは、第2の明光スキャン範囲W2は、撮影位置P1を中心として第1の明光スキャン範囲W1よりも狭い範囲で設定され、試料載置テーブル2を第1のスキャンピッチD1よりも狭い第2のスキャンピッチD2で順次ずらしながらカメラ7による撮影を行う。
【0029】
そして第2の明光スキャン工程で取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置P2を検出し、撮影位置P2を第2の仮焦点位置として設定する(ST5)(第2の仮焦点位置検出工程)。図7(a)は、図6(b)とほぼ同レベルの合焦度の画像を示しており、図7(b)は、合焦状態が他の画像と比較して良好な最良の合焦度を与える画像の例を示している。
【0030】
この後、照明光を蛍光撮影のための照明に切り換える(ST6)。すなわち、蛍光フィルタブロック11の蛍光撮影位置11aを光学系5に位置合わせし、蛍光光源部15から蛍光照明光を照射する。そしてこの状態で、第2の仮焦点位置(撮影位置P2)を含む蛍光スキャン範囲W3内の複数の撮影位置で生体試料の画像を取得する(蛍光スキャン工程)(ST7)。ここでは、蛍光スキャン範囲W3は、撮影位置P2を中心として第2の明光スキャン範囲W2よりも狭い範囲で設定され、試料載置テーブル2を第2の明光スキャンピッチD2よりも狭い蛍光スキャンピッチD3で順次ずらしながらカメラ7による撮影を行う。これにより、図8に示すように、生体試料21,22,23の構成部分のうち、蛍光物質が含まれている対象部21b、22b、23bのみが撮影された画像が取得される。
【0031】
そして蛍光スキャン工程で取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置P3を検出し、この撮影位置P3を本焦点位置として設定する(ST8)(本焦点位置検出工程)。図8(a)、(b)は、蛍光スキャンにおいて取得された画像のうち、非合焦画像、合焦画像をそれぞれ示している。そして、これ以降実行される生体試料の観察においては、カメラ7の焦点位置を本焦点位置としての撮影位置P3に固定した状態で行われる。
【0032】
上記説明した様に、本実施の形態に示す蛍光撮影を用いる生体試料の観察方法においては、蛍光撮影のための焦点合わせをオートフォーカス機能を用いて行うに際し、まず最初に明光撮像によって仮焦点位置を検出し、この仮焦点位置を中心として設定された狭いスキャン範囲内で、蛍光撮影での本焦点位置を検出するようにしたものである。これにより、オートフォーカス動作における蛍光照明下での撮影反復回数を大幅に減少させることができ、生体試料に励起光が長時間照射されることによる生体試料の変質や退色を防止して、観察目的に合致した画像を取得することができる。
【0033】
なお上記実施の形態では、明光撮影で仮焦点位置を検出するための明光スキャン工程を2段階に分けて実行する例を示したが、明光スキャンを1回だけ実行した後に、蛍光スキャン工程を実行するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、蛍光スキャン工程に先立って行われる明光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出し仮焦点位置として設定し、仮焦点位置を含む蛍光スキャン範囲内の複数の撮影位置で取得する蛍光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出し本焦点位置として設定するようしたので、蛍光撮影を用いる際のオートフォーカス動作における蛍光照明下での撮像回数を減少させて、変質や退色のない観察目的に合致した画像品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の断面図
【図2】本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の部分断面図
【図3】本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の部分断面図
【図4】本発明の一実施の形態の蛍光撮影における焦点位置検出操作のフロー図
【図5】本発明の一実施の形態の蛍光撮影における焦点位置検出操作の工程説明図
【図6】本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の顕微画像を示す図
【図7】本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の顕微画像を示す図
【図8】本発明の一実施の形態の生体試料の観察装置の顕微画像を示す図
【符号の説明】
1 生体試料の観察装置
2 試料載置テーブル
3 XYZテーブル
4 マイクロタイタープレート
4a ウェル
5 光学系
7 カメラ
10 明光光源部
11 蛍光フィルタブロック
15 蛍光光源部
16 制御部
21、22、23 生体試料
Claims (5)
- 容器に収容された生体試料を撮像により観察する生体試料の観察装置であって、容器内の生体試料を撮像する撮像手段と、前記生体試料に明光撮影のための照明光を照射する明光照明手段と、前記生体試料に蛍光撮影のための照明光を照射する蛍光照明手段と、前記明光照明手段と蛍光照明手段とを切り換える照明切り換え手段と、この撮像手段の焦点位置を前記容器に対して相対的に移動させる焦点移動手段と、前記撮像手段によって取得された画像の合焦度を判定する合焦度判定手段と、合焦度判定結果に基づいて前記焦点移動手段を制御することにより撮像手段の焦点位置を前記容器の生体試料に合わせる焦点合わせ手段とを備え、前記合焦度判定手段は、前記明光照明手段により生体試料に照明光を照射し、明光スキャン範囲内で明光スキャンを行って最良の合焦度を与える撮影位置を検出してこの撮影位置を前記蛍光照明手段による蛍光撮影のための仮焦点位置として求めるとともに、前記仮焦点位置を含む蛍光スキャン範囲内で蛍光スキャンを行って蛍光撮影のための最良の合焦度を与える撮影位置である本焦点位置を求めることを特徴とする生体試料の観察装置。
- 容器に収容された生体試料を撮像手段によって撮像して観察する生体試料の観察方法であって、前記生体試料に明光撮影のための照明光を照射した状態で前記撮像手段によって生体試料の画像を明光スキャン範囲内の複数の撮影位置で取得する明光スキャン工程と、明光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出しこの撮影位置を仮焦点位置として設定する仮焦点位置検出工程と、前記生体試料に蛍光撮影のための照明光を照射した状態で前記撮像手段によって生体試料の画像を前記仮焦点位置を含む蛍光スキャン範囲内の複数の撮影位置で取得する蛍光スキャン工程と、蛍光スキャン工程において取得された複数の画像の合焦度を判定して最良の合焦度を与える撮影位置を検出しこの撮影位置を本焦点位置として設定する本焦点位置検出工程とを含むことを特徴とする生体試料の観察方法。
- 前記蛍光スキャン範囲は明光スキャン範囲よりも狭く、かつ蛍光スキャン範囲におけるスキャンピッチは、明光スキャン範囲におけるスキャンピッチよりも狭く設定されることを特徴とする請求項2記載の生体試料の観察方法。
- 第1の明光スキャン範囲内の複数の撮影位置で前記画像を取得する第1の明光スキャン工程と、第1の明光スキャン工程で取得された複数の画像の合焦度に基づいて第1の仮焦点位置を設定する第1の仮焦点位置検出工程と、第1の仮焦点位置を含む第2の明光スキャン範囲内の複数の撮影位置で前記画像を取得する第2の明光スキャン工程
と、第2の明光スキャン工程で取得された複数の画像の合焦度に基づいて第2の仮焦点位置を設定する第2の仮焦点位置検出工程とを含むことを特徴とする請求項2記載の生体試料の観察方法。 - 前記第2の明光スキャン範囲は第1の明光スキャン範囲よりも狭く、かつ第2の明光スキャン範囲におけるスキャンピッチは、第1の明光スキャン範囲におけるスキャンピッチよりも狭く設定されることを特徴とする請求項4記載の生体試料の観察方法。
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