JP3896575B2 - 室内空気の還流方法および室内空気の還流システムを備えた建物構造 - Google Patents

室内空気の還流方法および室内空気の還流システムを備えた建物構造 Download PDF

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本発明は室内空気の還流方法および室内空気の還流システムを備えた建物構造に関し、例えばコンピュータのサーバルーム、アイロンや蒸気発生源を備えた高温、多湿のクリーニング工場や縫製工場、レストランや食堂における厨房、レストラン、食堂等の客室における室内空気の還流を効率良く、迅速かつ確実に行おうとするものである。
従来、例えば暖房時に天井付近に上昇する温暖空気を還流させ、室内空気の均一化をはかる手段としては、例えば室内の空気を吸入する吸入口と、吸入した室内空気を送風するように前方に配した送風筒に設けた送風口と、本体内部に配設した整流羽根と、を有する小型の送風機を室内の天井面積に対応する一定面積の定点毎に、それぞれ垂直下向きに配置したものがある(例えば、特許文献1)。
そして、送風機を稼働し、整流羽根を回転することにより、暖房器により暖められ、比重が軽くなり、天井下面を這い拡がるように上昇し、滞留した温暖空気を各定点位置に設けられた各送風機毎に取り込み、送風筒の先端から直線的に下方に噴出させ、各定点位置毎に室内を上下に循環する還流を生じさせ、温暖空気の均一化をはかろうとするものである。
特許第3032886号公報
特許文献1に記載の上記従来の暖房空気の室内均一法は、室内の天井面積に対応する一定面積毎の定点に、それぞれ垂直下向きに配置した小型の送風機を稼働することにより、暖房機により暖められ、上昇し、滞流する温暖空気を各送風機毎に取り込み、送風筒の先端から直線的に下方に噴出させ、各定点位置毎に室内を上下に循環する還流を生じさせている。ところが、室内には、机、カウンター、椅子、載架棚、書棚、間仕切等の空気遮断疎外物が存在するので、これらの空気遮断疎外物に邪魔されることにより還流空気は床面まで到達しない。従って、空気還流疎外物の下方では、温暖空気の還流が行われず、依然として室内温度にむらを生じ、室内温度を完全に均一化するのは困難であった。しかも、暖房を行うめには、多大な消費電力を要し、経済的に不利であった。
また、特許文献1に記載の上記従来の暖房空気の室内還流法は、室内を暖房した時の室内空気の還流をはかるものであり、室内を冷房した時の冷却空気の還流については何ら意図してはいない。すなわち、空気調和機の冷房機により冷却される冷却空気は、比重が重く床面近く、例えば床面から40〜50cmの高さに層状に溜まって下肢の冷えや血行不良の原因になるが、最も活発に活動する範囲の高さである1〜1.8mの高さの行動領域、また執務上一定個所に長時間居る傾向の多い所在領域に分布する空気層との温度差がいわゆる冷房病の原因になるが、これらの配慮は何ら施こされてはいなかった。
従って、特許文献1に記載の上記従来の室内還流法は、夏期に暑く、冬期には寒いという温度差むらが解消されなかった。このため、例えばコンピュータのサーバルームにおいては、サーバが過熱により機能が低下したり、新たなものと交換するには多大の時間と労力がかかるとともに高額な設備費、工事費を必要としていた。更に、最悪の場合には、火災発生の原因ともなる危険性がある。
また、アイロンや蒸気発生手段等の熱源となる設備を備えるクリーニング工場、縫製工場等、また、何台もの加熱こんろやオーブンを備えるレストランや食堂における厨房、さらには、ステーキ、焼肉、焼魚、鍋もの等の卓上加熱型料理を扱う客室においても作業者や客は、同様に夏期に暑く、冬期には寒いため、快適な環境で飲食することができない、という問題があった。
さらに、暖房時の温暖空気や冷房時の冷却空気は、室内の上下方向の温度分布の均一化のみを考慮して還流を行うのでは足りず、空気調和機の吹出口に近い個所であるとか、また冷却空気の到達個所が吹出口から遠く離れて冷却空気が到達しにくい個所であるとか、直射日光が入り易い窓辺であるとか、或いは冷気が外部に出易い出入口に近い個所である等の場合には、平面的な相違に起因する温度むらの均一化をはかることを考慮して還流をはからなければならなかった。
本発明は上記従来の問題点を解消し、熱源となる設備を設ける室内の暖気および冷気の双方を室内温度にむらを生ずることなく、完全に均一化して迅速かつ充分な還流をなし、涼しく冷房が行え、かつ冬期には適切に暖房が行えるとともに多大な消費電力を要することなく、経済的に有利であり、以て室内温度を季節を問わずに適切に維持できる室内空気の還流方法および室内空気の還流システムを備えた建物構造を提供しようとすることを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、暖房用および/または冷房用の空気調和手段から吹き出される暖気または冷気が導入される室内空気を、空気吸入口および空気吹出口を有して天井面に設けられた送風機により還流して室内の所定部位の温度を所定値にする室内空気の還流方法において、
室内の床面もしくは該床面近くの所望位置に設けられた熱源となる設備と、
設備を備える部屋の壁面の上部に排気ファンを設け、室内空気を室外に排気する排気手段と、
前記設備が設置された直下の床面を除き、または、前記設備が設置された床面近くの所望位置に設けられ、前記空気調和手段の吹出口から床下に導入されるか、もしくは、外気が床下に導入されるかする床下空気を床下から床上へ送気可能となす多数の開口部を有する適宜形状の開口パネルと、
前記排気手段の排気ファンを駆動させ室内空気を室外に排気するとともに前記開口パネルの前記開口部を通じて前記床下空気を前記設備間の床面上の通路、または前記設備間の周囲の空気還流空間に送気可能となすことにより室内空気に前記通路、または前記空気還流空間を流れて床面から天井面に向かう換気誘導気流を生じさせる換気誘導発生手段とを備え
前記床下空気を前記換気誘導気流に協調して床下から床上へ送気可能にすることにより室内空気を還流させて内の天井付近と前記床面付近との温度差を小さくするとともに、前記設備から発生する熱を前記床下空気を冷気として冷却することを特徴としたという手段を採用した。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、熱源となる設備を備える部屋が、コンピュータのサーバルーム、クリーニング工場、縫製工場、レストランや食堂における厨房、またはレストラン、食堂等の客室であることを特徴とするという手段を採用した。
また、本発明の請求項3に記載の発明は、暖房用および/または冷房用の空気調和手段から吹き出される暖気または冷気が導入される室内空気を、空気吸入口および空気吹出口を有して天井面に設けられた送風機により還流して室内の所定部位の温度を所定値にする室内空気の還流システムを備えた建物構造において、室内の床面もしくは該床面近くの所望位置に設けられた熱源となる設備と、設備を備える部屋の壁面の上部に排気ファンを設け、室内空気を室外に排気する排気手段と、前記設備が設置された直下の床面を除き、または、前記設備が設置された床面近くの所望位置に設けられ、前記空気調和手段の吹出口から床下に導入されるか、もしくは、外気が床下に導入されるかする床下空気を、床下から床上へ送気可能となす多数の開口部を有する適宜形状の開口パネルと、前記排気手段の排気ファンを駆動させ室内空気を室外に排気するとともに前記開口パネルの前記開口部を通じて前記冷気を前記設備間の床面上の通路、または前記設備間の周囲の空気還流空間に送気可能となすことにより室内空気に前記通路、または前記空気還流空間を流れて換気誘導気流を生じさせる換気誘導発生手段とを備え前記床下空気を前記換気誘導気流に協調して床下から床上へ送気可能にすることにより室内空気を還流させて内の天井付近と前記床面付近との温度差を小さくするとともに、前記設備から発生する熱を前記床下空気を冷気として冷却することを特徴としたという手段を採用した。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項において、熱源となる設備を備える部屋が、コンピュータのサーバルーム、クリーニング工場、縫製工場、レストランや食堂における厨房、またはレストラン、食堂等の客室であることを特徴とするという手段を採用した。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項または請求項において、前記開口パネルは、金属板に多数の開口部を設けたもの、またはスリットを縦若しくは横に多数設けたもの、傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリットを有するもの、または合成樹脂板もしくは木材により形成されて多数の開口部を設けたもの、前記開口パネルの何れかに送風ファンを付加して形成されたものを含むことを特徴とするという手段を採用した。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項,または請求項,請求項5の何れか1の請求項において、前記冷気は、前記開口パネルに付加した送風ファンを駆動することにより前記開口パネルの開口部を通じて吹出されるか、または前記排気手段を駆動して室内空気圧を負圧に設定することにより前記開口パネルの開口部を通じて吸引されることを特徴としたという手段を採用した。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項,または請求項,請求項,請求項の何れか1の請求項において、前記開口パネルは、開口部に対して開口度を調整可能に蓋体を設けるとか、または開口部を開閉可能に蓋体が設けられたことを特徴としたという手段を採用した。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項,または請求項,請求項,請求項,請求項の何れか1の請求項において、空気調和手段から吹出される冷気または暖気は、天井の梁、部屋の間柱、小壁、鴨居等の部屋内に露出される構造材に沿って還流が行われることを特徴としたという手段を採用した。
本発明は、熱源となる設備を設ける室内の暖気および冷気の双方を室内温度にむらを生ずることなく、完全に室内空気を均一化して迅速かつ充分な還流が行え、そして夏期には涼しく冷房が行え、かつ冬期には適切に暖房が行え、以て室内温度を季節を問わずに適切に維持できるとともに、室内に置かれた熱源を効率良く冷却し、多大な消費電力を要することなく、経済的に有利であるという利点がある。
以下、図面に従い本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の室内空気の還流方法を実施するための室内空気の還流システムを備えた建物構造をコンピュータのサーバルームに適用した場合の実施形態1を示す断面図、図2は同じく斜視図、図3は本実施形態1を構成する開口部の開口度が25%の開口パネルを示す拡大平面図、図4は同じく開口部の開口度が50%の開口パネルを示す拡大平面図、図5は同じく斜スリットの開口部を有する開口パネルを示す拡大平面図、図6は横にスリットの開口部を設けた開口パネルを示す拡大平面図、図7は同じく送風ファンを付加した開口パネルを示す拡大平面図、図8は床下空気の1分あたりの床上への送気風量を測定したグラフである。
本実施形態1の発明は、暖房用および/または冷房用の空気調和手段としての空気調和機械11から吹き出される暖気Dまたは冷気Cが導入される室内空気A′を、空気吸入口13および空気吹出口14を有して天井面10に設けられた送風機12により還流して室内Nの所定部位の温度を所定値にする室内空気の還流方法において、室内Nの床面Yもしくは該床面Y近くの所望位置に設けられた熱源となる設備2と、該設備2を備える部屋1の壁面7の上部に排気ファン9を設け、室内空気A′を室外8に排気する排気手段と、前記設備2が設置された直下の床面Yを除き、または、前記設備2が設置された床面Y近くの所望位置に設けられ、前記空気調和手段の空気吹出口11bから床下3に導入されるか、もしくは、外気A″が床下3に導入されるかする床下空気Aを床下3から床上4へ送気可能となす多数の開口部5を有する適宜形状の開口パネル6と、前記排気手段の排気ファン9を駆動させて室内空気A′を室外8に排気するとともに前記開口パネル6の前記開口部5を通じて前記床下空気Aを前記設備2間の床面Y上の通路16、または前記設備2間の周囲の空気還流空間に送気可能となすことにより室内空気A′に前記通路16、または前記空気還流空間を流れて床面Yから天井面10に向かう換気誘導気流Kを生じさせる換気誘導発生手段とを備え、前記床下空気Aを前記換気誘導気流Kに協調して床下3から床上4へ送気可能にすることにより室内空気A′を還流させて内Nの天井付近と前記床面付近との温度差を小さくするとともに、前記設備2から発生する熱を前記床下空気Aを冷気として冷却することを特徴としている。
本実施形態1では部屋1がコンピュータのサーバルーム15であり、熱源となる設備2はこのサーバルーム15内に所望複数列に通路16を挟んで列設した載架棚17に設けられたサーバ18である。前記載架棚17は、図示する実施形態1では幅Wが約1m、高さHが約2m、奥行Iが0.7mの大きさのオープンラックが用いられるが、その形状、大きさ、形式の変更は容易である。Fはこの載架棚17内に設けられる補助排熱ファンであり、この補助排熱ファンFは全体形状は薄形に形成されることにより載架棚17内に籠もるサーバ18から発生される熱を載架棚17の外部に排出することによりサーバ18の熱破損を防止するようになっている。
また、前記床下3は、本実施形態1では例えば高さhが400mm程度の空間として形成されているが、この空間の形状、大きさ、長さ、経路等は任意に変更可能である。
前記開口パネル6は、床下空気Aを床下3からサーバルーム15の床上4に送気可能になすことにより載架棚17に設けられている熱源としてのサーバ18を冷却するとともに室内Nの換気を行うために、サーバルーム15の床下3と床上4とを連通可能な多数の開口部5を金属板に設けたものとか、傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリット19′を有する(図5に示す)ものとか、またはスリット19を縦若しくは横に平行に多数設ける(図6では横にスリット19が示されている)ものとかに形成される。このうち、開口パネル6に設けられる多数の前記開口部5は、パンチング等により容易に形成される。そして、前記開口部5の開口度は、例えば25%のもの(図3に示す)、また50%のもの(図4に示すもの)と2種類が用意され、それぞれ床下空気Aの流通量を異にする。
また、開口パネル6は、前述のように金属板により形成されるもののほか、合成樹脂板や木材により形成されることにより図2、図4に示すように多数の前記開口部5を設けたものとか、図6に示すようにスリット19を縦もしくは横に多数設けたものとか、図5に示すように傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリット19′のものでもよい。さらに、図7に示すように前記開口パネル6は、前述の何れかに送風ファン20を付加して形成されるものもある。
また、開口パネル6の大きさは、例えば横幅W1が300mm、長さL1が900mm、高さh1が約50mmに形成された大きさのものが使用されるが、その寸法、外形は変更が容易である。
そして、開口パネル6の設置位置は、コンピュータのサーバルーム15内に所望複数列に設けた載架棚17に配置しているサーバ18を冷却するのと、サーバルーム15内の室内空気A′の換流を効率良く行って空気調和機11により生成される冷気Cにより冷房を迅速かつ効率良く行うために載架棚17間に形成される前記通路16の床面Yに一致して着脱可能に嵌着されることにより、通路16の通行に邪魔にならないようにする。
21は開口パネル6の上面に摺動可能に設けられる蓋体であり、この蓋体21は使用時に開口パネル6の開口部5に対する開口度を調整可能に設けるとか、または不使用時に開口部5を完全に閉じるように開閉可能に設けられる。
前記空気調和機11は、本実施形態1では室内Nを冷房するための冷房機または/および暖房機が使用される。そして、この空気調和機11は、室内空気A′を吸込むための吸込口11aと冷気Cまたは暖気Dを吹出すための吹出口11bとが設けられている。本実施形態1では、吹出口11bからダクト23を使用して冷気Cを床下3へと導入することにより冷却された加圧度の高い床下空気Aを利用して熱源となる設備としてのサーバ18を冷却したり、室内Nの換気を行うために使用するようにしているが、例えば冬期には必ずしも空気調和機11からの冷気Cを床下3に導入することなく、ダクト23の通路を閉鎖する等して空気調和機11からの冷気Cの床下3への導入を遮断する代わりに室外8から床下3へと流入される外気A″を床下空気Aとして利用するようにしてもよい。
また、空気調和機11は、本実施形態1では図1に示されるように部屋1の床面Y上に設置される床置式が採用しているが、空気調和機11はこれに限ることなく、例えば天井面10の天井裏に本体部が埋込まれる天井埋込式や天井面10に吊下げられる天吊式であるとか、部屋1の壁面7に掛けられる壁掛式の何れかであってもよい。
前記送風機12は、室内Nの天井面10等の室内Nの上部の所望位置に設けられ、室内空気A′を吸入する前記空気吸入口13と、吸入した室内空気A′を送風する前記空気吹出口14と、内部には回転可能な整流羽根24とを有する。そして、この送風機12は、前記排気ファン9の駆動により室内空気A′を室外8に排気することにより生ずる換気誘導気流Kに協調して開口パネル6を通じて床下3から床上4へと送気される床下空気Aにより室内空気A′を室内Nにおいて還流し、室内Nの換気を適正に行うようにするものである。
本発明の室内空気の還流システムを備えた建物構造の実施形態1は以上の構成からなり、以下作用とともに室内空気の還流方法について工程順に説明する。
先ず、第1工程として、コンピュータのサーバルーム15のように熱源となる設備2としてのサーバ18を備える部屋lの壁面上部には排気手段としての排気ファン9が設けられ、この排気手段を駆動することにより室内空気A′を室外8に排気する。
この時、サーバ18は、通路16を挟んで所望複数列に列設したオープンラック形式の載架棚17に複数個がそれぞれ設けられている。
次いで、第2工程として、前記部屋1の床面Yの所望位置に設けられ、床下3と床上4とを連通可能な適宜形状の多数の開口部5を有する開口パネル6の前記開口部5を通じて床下空気Aを床下3から床上4へ送気可能になすことにより室内空気A′に換気誘導気流Kを生む。
すなわち、本実施形態1では、例えば夏期等において、室内空気A′は、空気調和機11の吸込口11aから吸入され、冷房機により冷却されて冷気Cとなって吹出口11bから室内Nへ吹出されるとともに一部はダクト23を通じて床下3へと導入される。この時、空気調和機11の駆動状況を測定すると、本実施形態1では、吸込口11a付近では29.2℃であり、吹出口11b付近では20.7℃であった。
そして、この事前に、前述のように排気手段としての排気ファン9を駆動することにより室内空気A′は一部が室外8に排気される結果、室内Nには室内空気A′に床下3と床上4とを連通可能な適宜形状の多数の開口部5を有する前記開口パネル6の前記開口部5を通じて床下空気Aを床下3から床上4へ送気されるので、換気誘導発生手段として床面Yから天井面10に方向性をもった換気誘導気流Kが生まれる。
しかも、部屋1は外部よりも負圧になっているので、空気調和機1から導入される床下空気Aは、オープンラック形式の載架棚17,17・・・間に設ける通路16の床面Yに一致して配置された開口パネル6の多数の開口部5を通じて床下3から床上4へと迅速且つ円滑に吸引される。
また、この開口パネル6は、例えば金属板にパンチング等により例えば図3に示すように開口度が25%の多数の開口部5が形成されたもの、また図4に示すように開口度が50%の多数の開口部5が形成されたものが使用されるほか、図5に示すように傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリット19′を有するもの、図6に示すようにスリット19を縦若しくは横に平行に多数設けるものとか、図7に示すように前述の何れかの形式の開口パネル6に送風ファン20を付加して形成されるものの何れかが使用されることにより床下空気Aを円滑に送気可能になす工夫が施されている。
その後、天井面10等の室内Nの上部の所望位置に設けられ、空気吸入口13および空気吹出口14を有する送風機12を駆動すると、室内空気A′はこの送風機12により前記換気誘導気流Kに協調して還流されることにより室内Nの換気が行われる。
従って、空気調和機11の空気吹出口11bから吹出されて床面Y近くに滞りがちの室内Nの冷気Cは、前記換気誘導気流Kに協調して送風機12により床面Y付近から天井面10付近へと上昇され、また天井面10付近から床面Y付近へと降下するという強制対流が生まれるので、室内Nの換気が隅々まで均一に温度むらがなく行われる。
この時、図示する実施形態1では、空気調和機11としての冷房機から吹出される冷気Cは、前述のようにダクト23を通じて床下3に導入されるので、床下空気Aは冷気Cが開口パネル6の前記開口部5を通じて床下3から床上4へ送気可能になり、開口パネル6の多数の開口部5、斜めスリット19′、スリット19を通じて床上4へ送気されることにより前記サーバ18を冷却するとともに室内Nの冷房が行われる。
今、熱発生設備2としてサーバルーム15の換気とサーバ18を冷却するという最適条件を探求するために、サーバルーム15において空気調和機11から離れた位地において、室内空気A′の還流に伴う温度変化を10個所について測定した。
この時の測定条件は、載架棚17,17・・・間に設けられる通路16の床面Yに敷設される開口パネル6は、横幅W1が300mm、長さL1が900mm、高さh1が50mmの大きさをなし、例えば金属板にパンチング等により例えば図3に示すように開口度が25%の多数の開口部5が形成されたもの、また図4に示すように開口度が50%の多数の開口部5が形成されたものが使用されるほか、図5に示すように傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリット19′を有するものとか、図6に示すようにスリット19を縦若しくは横に平行に多数設けるものとか、図7に示すように前述の何れかの形式の開口パネル6に送風ファン20を付加して形成されるものについてそれぞれの開口パネル6の直上にて床上4からそれぞれ500mm、1000mm、1500mmと測定高さshを違えた3点と、また、また中心から左右方向(水平方向)に500mm離れた位地での温度を知るためにそれぞれの開口パネル6について測定高さsh′がそれぞれ500mm、1000mm、1500mmの3点と、さらに中心から左右方向(水平方向)に1000mm離れた位地でのそれぞれの開口パネル6について測定高さsh″が床上4からそれぞれ500mm、1000mm、1500mmの3点と、さらにかかる測定時点における床下温度につき1点との、合計10点について温度を測定した。
この時の、例えば金属板にパンチング等により例えば図3に示すように開口度が25%の多数の開口部5に形成された開口パネル6の開口部5の開口面積は、650cm2であり、また床下3から床面4への床下空気Aの吹上流速は0.1〜1.6m/sであり、また床下空気Aの床下3から床上4への供給量は4〜60m3/minである。また図4に示すように開口度が50%の多数の開口部5が形成された床開口パネル6は、開口部5の開口面積が1,250cm2であり、また床下3から床上4への床下空気Aの吹上流速は0.1〜1.6m/sであり、さらに床下空気Aの床下3から床上4への供給量は4〜60m3/minである。
また、図5に示すように傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリット19′を有する開口パネル6は、開口部5の開口面積は2000cm2であり、また床下3から床上4への床下空気Aの吹上流速が0.1〜1.6m/sであり、床下空気Aの床下3から床上4への供給量は12〜192m3/minである。また、図6に示すようにスリット19を縦若しくは横に平行に多数設けた開口パネル6は、開口部5の開口面積が2,250cm2であり、床下3からの床下空気Aの吹上流速は0.1〜1.6m/sであり、さらに床下空気Aの床下3から床上4への供給量は14〜216m3/minである。
さらに、図7に示すように前述の何れかの形式の開口パネル6に送風ファン20を付加して形成される床開口パネル6は、開口部5の開口面積が227cm2であり、また床下3から床上4への床下空気Aの吹上流速は床下空気Aの加圧度に関係なく一律に8.4m/sであり、さらに床下空気Aの床下3から床上4への供給量は80m3/minである。
そして、代表的に例えば図4に示すように開口度が50%の多数の開口部5が形成された開口パネル6、また、図6に示すようにスリット19を縦若しくは横に平行に多数設け、開口度が90%の開口パネル6、また、図7に示すように送風ファン20を付加して形成される開口パネル6、さらに、比較例として開口パネル6の開口部5やスリット19に蓋体21を設けたものについて床上4から直上においてそれぞれ500mm、1000mm、1500mmと測定高さshを違えた3点の床下空気Aの加圧度が不充分な下での温度をそれぞれ測定した結果、[表1]を得た。
Figure 0003896575
同様に、代表的に例えば図4に示すように開口度が50%の多数の開口部5が形成された開口パネル6、また、図6に示すようにスリット19を縦若しくは横に平行に多数設けた開口パネル6、また、図7に示すように送風ファン20を付加して形成される開口パネル6、さらに、比較例として開口パネル6の開口部5に蓋体21を設けた開口パネル6について中心から左右方向(水平方向)に500mm離れた個所、および中心から左右方向(水平方向)に1000mm離れた個所での温度をそれぞれ知るために、それぞれの開口パネル6における測定高さsh′;sh″が、床上4からそれぞれ500mm、1000mm、1500mmの3点にて床下空気Aが不充分な下での温度をそれぞれ測定した結果、[表2]および[表3]を得た。
Figure 0003896575
Figure 0003896575
上記[表1] 、[表2]、 [表3]を総合してわかることは、床下空気Aの流が殆どなく、空気空調機11からの影響がない離れた通路16個所に設置された開口パネル6における開口部5、斜めスリット19′からの流速が、ほぼ0.0m/sの状態では、開口パネル6を設けたことによる床上温度の変化は殆どないことがわかった。また、送風ファン20を付加して形成される開口パネル6では、送風ファン20の回動により床下3から床上4に強制的に床下空気Aを吹出すことができるので、床下3と床上4との温度差が例えば±2.5℃程度の微量であっても送風ファン20により強制的に開口パネル6の多数の開口部5、または斜めスリット19′から床上4へと吹出される床下空気Aの冷気Cによりサーバ18は冷却されるとともに室内空気A′が前述のように還流されて冷房機能が発揮されることがわかった。
この時の空気調和機1の駆動状況は、本実施形態1では、吸入口11a付近では29.2℃であり、吹出口11b付近では20.7℃であり、床下温度は15℃〜20℃であり、冷却するために充分に使用できることがわかった。
次いで、例えば図3に示すように開口度が25%の多数の開口部5が形成された開口パネル6、また図4に示すように開口度が50%の多数の開口部5が形成された開口パネル6、また図5に示すように傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリット19′を有する開口パネル6、また、図6に示すようにスリット19を縦若しくは横に平行に多数設ける開口パネル6、また図7に示すように前述の何れかの形式の開口パネル6に送風ファン20を付加して形成される開口パネル6、さらに、比較例として開口パネル6の開口部5等に蓋体21を設けた開口パネル6に対して床上4からそれぞれ中心を基準に左右方向(水平方向)に500mm、1000mm、1500mmと測定高さsh′,sh″を違えた3点にて床下空気Aが高加圧度の下での温度をそれぞれ測定した結果、[表4]を得た。
Figure 0003896575
同様に、例えば図3に示すように開口度が25%の多数の開口部5に形成された開口パネル6、また図4に示すように開口度が50%の多数の開口部5が形成された開口パネル6、また図5に示すように傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリット19′を有する開口パネル6、また図6に示すようにスリット19を縦若しくは横に平行に多数設ける板パネル6、また図7に示すように前述の何れかの形式の開口パネル6に送風ファン20を付加して形成される開口パネル6、さらに、比較例として開口パネル6の開口部5に蓋体21を設けたものについて中心から左右方向(水平方向)に500mm、および中心から左右方向(水平方向)に1000mmに離れた個所での室内空気A′の温度をそれぞれ知るために、それぞれの開口パネル6における測定高さsh′;sh″が、床上4からそれぞれ500mm、1000mm、1500mmの3点にて床下空気Aが高加圧度の下での温度をそれぞれ測定した結果、[表5]および[表6]を得た。
Figure 0003896575
Figure 0003896575
上記[表4] 、[表5]、 [表6]を総合してわかることは、空気調和機11から冷気Cが吹出される等して床下空気Aは床下3において高加圧度になって充分に冷えて充分な流が生じている状態で、空気調和機11の吹出口11bの正面から約7mと、吹出口11bからの冷気Cによる直接冷却の影響が少ない離れた個所に、開口部5の開口度がそれぞれ25%、50%の図3、図4に示すような床開口パネル6,6、また斜めスリット19′を有する図5に示すような開口パネル6、また図6に示すような縦もしくは横にスリット19を有する開口パネル6の何れもが、それぞれ多数の開口部5を通じての床下空気Aの床下3から床上4への送気風量が常時1.3〜1.6m/sで吹出しており、送風ファン20を開口部5に付加した図7に示すような床開口パネル6よりも上回わることがわかった。
しかも、斜めスリット19′を有する図5に示すような床開口パネル6と、縦または横にスリット19を有する図6に示すような開口パネル6との双方が、熱源となる設備2としての載架棚17のサーバ18に対する冷却機能と、室内空気Aの冷房効果が大きいことがわかった。
すなわち、床下3での床下空気Aの加圧度を充分に確保することにより開口パネル6の開口部5から1m/sを越える充分な流速を確保できる床上4でのエリアでは、送風ファン20を付加した開口パネル6よりも床下3からの強制吹出風量が上回り、床下空気Aの床上4への送気を利用してサーバ18に対する冷却機能と、室内空気A′の冷房効果が有意義に行えることがわかった。
また、開口部5の開口度が25%、50%と異なる開口パネル6,6と、縦または横にスリット19を有する開口パネル6と、送風ファン20を付加した開口パネル6とのそれぞれの開口部5を通じての1分あたりの床上4への送気風量を測定した結果、[表7]および図8に示すグラフを得た。
Figure 0003896575
上記[表7]および図8のグラフにおいて黒地部分Bは、送風ファン20を付加した開口パネル6の方が送風パネル20を付加しない開口パネル6よりも床上4への大きな送気風量を確保できる領域である。そして、床下空気Aの送気風量が、0.4m/s以下と空気の流がなく、冷気Cが停滞し易い場合には、送風ファン20を付加した開口パネル6を使用して床下空気Aを送風ファン20の駆動力により強制的に床下3から床上4へと吹出させて送気する方がサーバ18に対する冷却と室内Nの冷房とが良く行えることがわかった。
この時、高さHが2.0mの載架棚17の上面での室内温度が何らの換気手段や冷却手段を施さない従来では、夏期において33.3℃もの高温に達するのに対して本実施形態1では28℃以下と測定され、冷却機能が良好に行われることがわかった。
また、空気調和機11の冷房機による室内Nの冷房が、設定温度以下になり、冷え過ぎる場合には、冷房状況に応じて、蓋体21を開口パネル6に対して摺動することにより開口部5の開口度を調整するか、または開口部5を閉じる等の操作を行ったり、または送風ファン20の運転を必要時に限り行う等して床下3から床上4への床下空気Aの送気量を容易に加減することができ、熱発生設備2としてのサーバ18を床下空気Aの冷気Cにより適切に冷却することができるとともに室内空気A′の換流が均一に温度むらがなく、適切に行うことができるため、冷え過ぎを防ぎ、冷房病を防止することができる。
また、冬期において空気調和機11の吹出口11bから吹出す暖気Dにより室内Nを暖房する場合には、空気調和機11の吹出口11bの前面に一端を臨ませ、他端が床下3に臨まれるダクト23の流通路を図には示さない閉止材により遮る等して空気調和機11から暖気Dが床下3へ送気されるのを遮断すると、床下空気Aは冷たい外気A″が床下3へと取入れられるので、冷房時と同様に開口パネル6の多数の開口部5や多数の斜めスリット19′、またはスリット19を通じて冷房機等の何らの機器や機器を動かすための電気エネルギー等の何らの動力を要することなく排気手段としての排気ファン9を駆動させて室内Nに換気誘導気流Kを生じさせ、冷やされている床下空気Aを床下3から床上4へと送気させるため、冬期に室内Nが暖房されている場合にも熱源となる設備2としてのサーバ18を床下空気Aの冷気Cにより冷却することができるとともに天井面10に設けた送風機12が駆動されることにより部屋1の室内空気A′の換流が万遍なく隅々まで均一行われ、温度むらがない適切な暖房を行うことができる。
また、蓋体21を開口パネル6に対して摺動することにより開口部5の開口度を調整するか、開口部5を閉じる等の操作を行ったり、送風ファン20の運転を必要時に限り行う等して床下3から床上4への床下空気Aの送気量を逐次加減するようにすれば、サーバ18を適切に冷却することができるとともにエネルギーロスがない適切な室内Nの暖房を行うことができる。
このように、夏期に室内Nを冷房を行う場合にはもとより冬期に室内Nを暖房する場合にも、熱発生設備2としてのサーバ18付近の温度を季節を問わずに28℃以下に冷却することにより過熱を防いで機能の低下を防止することができるとともに火災の発生を防止できる。従って、サーバ18は、機械的な寿命が伸び、しかも過熱による損壊により新たなものと交換する時間と労力を要しないので、高額な設備費、工事費がかからないで済む。
次いで、図9に示すものは本発明をクリーニング工場や縫製工場に適用した実施形態2を示す。
この実施形態2では、熱源となる設備2が、高温多湿を生むアイロン30や蒸気発生手段31である点がサーバルーム15に適用した前記実施形態1と異なる構成である。そして、熱源となる設備2の前記蒸気発生手段31から放出される蒸気を排気手段としての排気ファン9が駆動されることにより戸外へ排出することにより室内Nの除湿が行われるとともに室内空気A′を一部戸外へ排気することにより換気が行われる。従って、ただでさえ暑い夏期または高温多湿であり不快な梅雨期において、執務者は空気調和機11により局所的に過度に冷され過ぎて冷房病になったり、図には示さない扇風機の風圧によりほこりを立たせることなく、部屋1内を万遍なく、均一に温度むらなく換気を行って冷房が行われる雰囲気のなかで汗をかかずに爽快にアイロンがけ等の作業が行え、作業能率が向上されるようにしたほかは、前記実施形態1と同様な構成であり、同様の室内空気の還流システムを備えた建物構造、並びに室内空気の還流方法であり、同様な作用・効果を奏する。
さらに、図10乃至図12に示すものは本発明をレストランや食堂に適用した実施形態3を示す。
この実施形態3では、熱源となる設備2が、図10に示すような厨房40での加熱こんろ41やオーブン42であるとか、図11における客室43における各席の複数のテーブル44上にステーキ、焼肉、焼魚、鍋もの等の卓上にて加熱型料理を扱うための簡易加熱こんろ45である。また、厨房40においては、部屋1の壁面7の上部に設けた排気手段としての排気ファン9を駆動することにより厨房内の室内空気A′を一部排気し、また、厨房の壁面7′の床面Y近くに設けた換気誘導発生手段としての開口パネル6の多数の開口部5を通じて外気A″を冷気C′として厨房40内の床面Yに送気することにより厨房40内の室内空気A′に換気誘導気流Kを生むようにし、天井面10等の室内Nの上部の所望位置に設けられた送風機12を駆動することにより空気調和機11の吹出口11bから吹出される冷気Cまたは暖気Dを室内Nにて前記換気誘導気流Kに協調して還流するようにした。こうして、厨房40で働く調理人が冬期または夏期の季節を通して常時爽快に作業を行えるようにして作業能率の向上をはかるようにした。
また、客室43においては、図11に示すように室内空気Aの還流をはかる場合に、送風機12を駆動して例えば天井を支える複数本の梁46間に露見する天井面10や間柱47間に露見する内装壁面48、さらには部屋1に露出する小壁49、鴨居等の構造材に沿って室内空気A′の還流が速やかに効率良く行えるようにし、客は夏涼しく、冬暖かく、一年を通じて爽快に飲食を行えるようにしたほかは、前記実施形態1と同様な構成、しかも同様な作用・効果を奏する室内空気の還流システムを備えた建物構造、並びに室内空気の還流方法である。
なお、上記実施形態1、上記実施形態2、上記実施形態3では、熱源となる設備2が、それぞれコンピュータのサーバ18であるとか、クリーニング工場、縫製工場のアイロン30や蒸気発生手段31であるとか、レストラン、食堂における厨房での加熱こんろ41やオーブン42であるとか、また客室における簡易加熱こんろ等45であるとかにつき代表的に説明したが、これは例示であり、熱源となる設備2としては、例えばコンピュータに接続される銀行等の現金自動支払機の設置施設、券売機の設置施設、各種発電施設、炉処理を取扱う各種工場や処理工場等での室内空気の還流方法、および室内空気の環流システムを備えた建物についても本発明の適用範囲である。
また、上記実施形態1、実施形態2、実施形態3では、排気ファン9と、送風機10と、空気調和機11等を個別に始動、運転、停止することにより熱源となる設備2の過熱に対する冷却と室内空気A′の還流とを行うようにしているが、本発明はこれに限ることなく、例えば排気ファン9と、送風機10と、空気調和機11等をコンピュータを用いてプログラムする等して自動的に制御して運転することにより室内空気A′の還流を適正にはかることもできる。
本発明は、熱源となる設備を設ける室内の暖気および冷気の双方を室内温度にむらを生ずることなく、完全に均一化して迅速かつ充分な還流が行え、そして夏期には涼しく冷房が行え、しかも冬期には適切に暖房が行えるとともに多大な消費電力を要することなく、経済的に有利であり、以て室内温度を季節を問わずに適切に維持して例えばコンピュータのサーバ等の熱源となる設備が過熱により機能の低下を生ずることなく、新たなものと交換する時間と労力とがからず、さらには高額な設備費、工事費を必要とせずに済み、構造が簡単で製作および工事も容易に行える分野・用途に適する。
図1は本発明の室内空気の還流方法を実施するための室内空気の還流システムを備えた建物構造をコンピュータのサーバルームに適用した場合の実施形態1を示す断面図である。 図2は同じく斜視図である。 図3は本実施形態1を構成する開口部の開口度が25%の開口パネルを示す拡大平面図である。 図4は同じく開口部の開口度が50%の開口パネルを示す拡大平面図である。 図5は同じく斜スリットの開口部を有する開口パネルを示す拡大平面図である。 図6は横にスリットの開口部を設けた開口パネルを示す拡大平面図である。 図7は同じく送風ファンを付加した開口パネルを示す拡大平面図である。 図8は床下空気の1分あたりの床上への送気風量を測定したグラフである。 図9は本発明をクリーニング工場や縫製工場に適用した実施形態2を示す断面図である。 図10は本発明をレストランや食堂に適用した実施形態3の厨房施設を示す断面図である。 図11は同じく客室を示す斜視図である。 図12は同じく施工状態を示す平面図である。
符号の説明
1 部屋
2 熱源となる設備
3 床下
4 床上
5 開口部
6 開口パネル
7 壁面
9 排気ファン
10 天井面
11 空気調和機
12 送風機
13 空気吸入口
14 空気吹出口
15 サーバルーム
16 通路
17 載架棚
18 サーバ
30 アイロン
31 蒸気発生手段
40 厨房
41 加熱こんろ
42 オーブン
43 客室
45 簡易加熱こんろ
A 床下空気
A′ 室内空気
C 冷気
C′ 冷気
D 暖気
K 換気誘導気流
Y 床面











Claims (8)

  1. 暖房用および/または冷房用の空気調和手段から吹き出される暖気または冷気が導入される室内空気を、空気吸入口および空気吹出口を有して天井面に設けられた送風機により還流して室内の所定部位の温度を所定値にする室内空気の還流方法において、
    室内の床面もしくは該床面近くの所望位置に設けられた熱源となる設備と、
    設備を備える部屋の壁面の上部に排気ファンを設け、室内空気を室外に排気する排気手段と、
    前記設備が設置された直下の床面を除き、または、前記設備が設置された床面近くの所望位置に設けられ、前記空気調和手段の吹出口から床下に導入されるか、もしくは、外気が床下に導入されるかする床下空気を床下から床上へ送気可能となす多数の開口部を有する適宜形状の開口パネルと、
    前記排気手段の排気ファンを駆動させ室内空気を室外に排気するとともに前記開口パネルの前記開口部を通じて前記床下空気を前記設備間の床面上の通路、または前記設備間の周囲の空気還流空間に送気可能となすことにより室内空気に前記通路、または前記空気還流空間を流れて床面から天井面に向かう換気誘導気流を生じさせる換気誘導発生手段とを備え
    前記床下空気を前記換気誘導気流に協調して床下から床上へ送気可能にすることにより室内空気を還流させて内の天井付近と前記床面付近との温度差を小さくするとともに、前記設備から発生する熱を前記床下空気を冷気として冷却することを特徴とした室内空気の還流方法。
  2. 熱源となる設備を備える部屋が、コンピュータのサーバルーム、クリーニング工場、縫製工場、レストランや食堂における厨房、またはレストラン、食堂等の客室であることを特徴とする請求項1に記載の室内空気の還流方法。
  3. 暖房用および/または冷房用の空気調和手段から吹き出される暖気または冷気が導入される室内空気を、空気吸入口および空気吹出口を有して天井面に設けられた送風機により還流して室内の所定部位の温度を所定値にする室内空気の還流システムを備えた建物構造において、
    室内の床面もしくは該床面近くの所望位置に設けられた熱源となる設備と、
    設備を備える部屋の壁面の上部に排気ファンを設け、室内空気を室外に排気する排気手段と、
    前記設備が設置された直下の床面を除き、または、前記設備が設置された床面近くの所望位置に設けられ、前記空気調和手段の吹出口から床下に導入されるか、もしくは、外気が床下に導入されるかする床下空気を、床下から床上へ送気可能となす多数の開口部を有する適宜形状の開口パネルと、
    前記排気手段の排気ファンを駆動させ室内空気を室外に排気するとともに前記開口パネルの前記開口部を通じて前記冷気を前記設備間の床面上の通路、または前記設備間の周囲の空気還流空間に送気可能となすことにより室内空気に前記通路、または前記空気還流空間を流れて換気誘導気流を生じさせる換気誘導発生手段とを備え
    前記床下空気を前記換気誘導気流に協調して床下から床上へ送気可能にすることにより室内空気を還流させて内の天井付近と前記床面付近との温度差を小さくするとともに、前記設備から発生する熱を前記床下空気を冷気として冷却することを特徴とした室内空気の還流システムを備えた建物構造。
  4. 熱源となる設備を備える部屋が、コンピュータのサーバルーム、クリーニング工場、縫製工場、レストランや食堂における厨房、またはレストラン、食堂等の客室であることを特徴とする請求項3に記載の室内空気の還流システムを備えた建物構造。
  5. 前記開口パネルは、金属板に多数の開口部を設けたもの、またはスリットを縦若しくは横に多数設けたもの、傾斜したフィンを平行に多数設けた斜めスリットを有するもの、または合成樹脂板もしくは木材により形成されて多数の開口部を設けたもの、前記開口パネルの何れかに送風ファンを付加して形成されたものを含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の室内空気の還流システムを備えた建物構造。
  6. 前記冷気は、前記開口パネルに付加した送風ファンを駆動することにより前記開口パネルの開口部を通じて吹出されるか、または前記排気手段を駆動して室内空気圧を負圧に設定することにより前記開口パネルの開口部を通じて吸引されることを特徴とした請求項3,または請求項4,請求項5の何れか1の請求項に記載の室内空気の還流システムを備えた建物構造。
  7. 前記開口パネルは、開口部に対して開口度を調整可能に蓋体を設けるとか、または開口部を開閉可能に蓋体が設けられたことを特徴とした請求項3,または請求項4,請求項5,請求項6の何れか1の請求項に記載の室内空気の還流システムを備えた建物構造。
  8. 空気調和手段から吹出される冷気または暖気は、天井の梁、部屋の間柱、小壁、鴨居等の部屋内に露出される構造材に沿って還流が行われることを特徴とした請求項3,または請求項4,請求項5,請求項6,請求項7の何れか1の請求項に記載の室内空気の還流システムを備えた建物構造。
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