JP3896200B2 - 有限直動形ガイドウェイ及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニット - Google Patents

有限直動形ガイドウェイ及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,長手方向側壁面に軌道溝が形成された一対の軌道部材の間に転動体を介在させて前記各軌道部材を互いに相対運動させる有限直動形ガイドウェイ及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,有限直動形ガイドウェイは,図20で示されるように,互いに平行に対向して相対移動できるように設定されている一対の軌道部材3,4,軌道部材3と軌道部材4との間に配設された保持器23,及び該保持器23に支持され且つ軌道部材3の軌道溝13と軌道部材4の軌道溝18との間に介在された複数の円筒ころ22から構成されている。軌道部材3の長手方向側壁面12には,上側軌道面14,下側軌道面15及び逃げ溝16が形成された略V字状の軌道溝13が形成されている。また,軌道部材4の長手方向側壁面17には,上側軌道面19,下側軌道面20及び逃げ溝21が形成された略V字状の軌道溝18が形成されている。また,軌道部材3,4の両端面50にはねじ穴51が形成され,保持器23の脱落を防止するためにストッパとしての端部ねじ10が螺着されている。
【0003】
上記有限直動形ガイドウェイでは,保持器23は通常金属材料で作製され且つ保持孔27が等間隔に形成されている。保持器23によって円筒ころ22を保持するには,保持器23に形成した保持孔27の縁部の上下部分に形成した係止爪29によって円筒ころ22を係止している。また,円筒ころ22は,隣合う同士が回転軸を交差する状態に配設されている。
【0004】
上記の有限直動形ガイドウェイにおいて,本出願人は,軌道部材のストローク頻度が高く,且つ使用状態で振動や不等分布荷重等を受けることがあっても,保持器が軌道部材に対して適正な位置からずれるのを防止すると共に,保持器が軌道部材から外れたりする恐れがなく,軌道部材の相対移動を常に確実にスムースにすることができる有限直動形ガイドウェイを提供している(特開平7−91445号公報参照)。
【0005】
上記公報に開示された有限直動形ガイドウェイは,長手方向側壁面に軌道溝を形成した一対の軌道部材,各軌道部材の軌道溝間の軌道路に配設された円筒ころ,及び軌道部材間に配設された円筒ころを保持する板状の保持器を有する有限直動形ガイドウェイにおいて,軌道溝に形成された逃げ溝に配設されたラック,及び該ラックに噛合し且つ保持器に形成された貫通孔に回転自在に装着されたピニオンを有している。一対の軌道部材が相対移動すると,軌道部材と保持器とも相対移動することになるが,この時,ピニオンはラックと噛み合いながら移動する。そのため,軌道部材は,保持器とスリップすることがないため移動を確実にコントロールすることができ,円筒ころを嵌装した前記保持器は軌道部材の端部からはずれることがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような,逃げ溝に配設されたラックと保持器に回転自在に装着されたピニオンとを噛合した有限直動形ガイドウェイにおいては,大きな負荷を支持するのに使用する場合でも,逃げ溝の大きさや構造を変えることなく,ラックとピニオンとを確実に噛合させて保持器の軌道部材とのずれを防止すると共に広い軌道面を維持することができる有限直動形ガイドウェイ,及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニットが求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,ラックの歯と転動体との干渉を防止することにより,逃げ溝の大きさや構造を変えることなく,ラックの歯に大きなモジュールの歯を用いてラックとピニオンとの歯の剛性を増加し,ラックとピニオンとを確実に噛合させて保持器が軌道部材に対して適正な位置からのずれを生じるのを防止すると共に,広い軌道面を維持して支持可能な負荷の低減を防止することができる有限直動形ガイドウェイ及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニットを提供することである。
【0008】
この発明は,長手方向側壁面に軌道溝を形成した一対の軌道部材,前記各軌道部材の前記軌道溝間の軌道路に配設された複数の円筒ころ,前記軌道部材間に配設された前記円筒ころを保持する板状の保持器,前記軌道溝に形成された逃げ溝に配設されたラック,及び該ラックに噛合し且つ前記保持器に形成された装着孔に回転自在に装着されたピニオンを具備し,前記軌道路を転動する前記円筒ころが前記ラックの歯に干渉するのを回避するため前記ラックの前記歯には凹部がそれぞれ形成されていることから成る有限直動形ガイドウェイに関する。
【0009】
この発明による有限直動形ガイドウェイは,以上のように構成されているので,一対の軌道部材が相対移動するときに,円筒ころが軌道溝間の軌道路を転動して,保持器と共に一対の軌道部材に対して相対移動しても,円筒ころの先端は,ラックの歯にそれぞれ形成した凹部を通過するのみで,ラックの歯と干渉することがない。したがって,ラックとピニオンには大きなモジュールの歯を用いることができ,ラックとピニオンとの噛合い強度が高くなる。その結果,円筒ころが滑るような大きな力が作用しても保持器が軌道部材に対して適正な位置からずれることがなく,一対の軌道部材の相対移動を正確に制御することができる。
【0010】
また,この有限直動形ガイドウェイにおいて,前記ラックの凹部の深さは,深くともラックの歯の基準ピッチ線までの深さである。凹部は歯を大きく抉ることがないので,歯に対する強度への影響を最小限に抑えられる。
【0011】
また,この有限直動形ガイドウェイにおいて,前記円筒ころは保持器の板面に対して回転軸を傾斜した状態で保持されていると共に,前記軌道部材の軌道溝は円筒ころの回転軸と平行な軌道面を有しており,ラックの凹部は転動する円筒ころが通過するように,略V字状に形成されている。円筒ころは,その回転軸が傾斜した状態で転動するので,円筒ころの一方の端面と周面との境界となる角部が最もラックに接近するので,かかる角部がラックのそれぞれの歯と干渉するのを回避するように,ラックの各歯に形成される凹部は,略V字状とされる。
【0012】
また,この有限直動形ガイドウェイにおいて,前記ラックは,軌道部材の両端面にそれぞれ螺着される端部ねじの頭部間で締め付けられることにより軌道部材に取り付けられている。ラックは,軌道部材の両端面に対してねじ込まれる端部ねじの両頭部間に挟み付けられることによって軌道部材に取り付けられるので,ラックを軌道部材に取り付けるのに接着剤等で貼り付けることもなく,ラックの軌道部材への取付け作業が簡単になる。
【0013】
また,この有限直動形ガイドウェイにおいて,前記ピニオンは,歯を有するピニオン本体とピニオン本体の両側にピニオン本体と一体に突出形成された軸部から成ると共に保持器に係止された一対のギヤホルダ部から成るギヤホルダを介して保持器に装着されており,ピニオンの軸部はギヤホルダ部に形成された穴部に回転自在に嵌入されている。ピニオンを,歯を有するピニオン本体と軸部とを一体とした構造とすることにより,ピニオンの回転が安定化し部品点数の削減が図られる。
【0014】
更に,上記の有限直動形ガイドウェイを組み込むことによって有限直動案内ユニットが構成される。即ち,有限直動案内ユニットは互いに相対移動する一対の移動部材を備え,一対の移動部材の間には,上記の有限直動形ガイドウェイが,一方の軌道部材を一方の移動部材に取り付けると共に他方の軌道部材を他方の移動部材に取り付けた状態で組み込まれている。
【0015】
また,上記の有限直動案内ユニットにおいて,前記一方の移動部材はベッドであり,前記一方の軌道部材はベッド上に取り付けられると共に長手方向両側壁面にそれぞれ軌道溝が形成された中間軌道部材であり,前記他方の移動部材はベッド上において中間軌道部材を跨ぐ可動体であり,可動体には中間軌道部材の軌道溝に対向する軌道溝がそれぞれ長手方向側壁面に形成された一対の前記他方の軌道部材が取り付けられている。このような有限直動案内ユニットであれば,他方の移動部材である可動体は,一方の移動部材であるベッドに対して,中間軌道部材の両側において組み込まれた上記の有限直動形ガイドウェイを介して,広い軌道面上を円筒ころが滑ることなく転動することによって,安定して移動する。
【0016】
【実施例】
以下,図面を参照して,この発明による有限直動案内ユニットの実施例を説明する。図1はこの発明による有限直動案内ユニットの一実施例を示す端面図,図2は図1に示した有限直動案内ユニットに組み込まれた一方の有限直動形ガイドウェイを含む一部を断面で示す平面図,図3は図2に示した有限直動案内ユニットの矢視A−Aで見た部分断面図,図4は図3に示した有限直動案内ユニットの一部Cを拡大して示す断面図,図5は図2に示した有限直動案内ユニットの矢視B−Bで見た部分断面図である。この実施例において,図20に示した有限直動形ガイドウェイに用いられている構成要素と同じ機能を有するものには同じ符号を用いている。
【0017】
まず,図1及び図2を参照してこの発明による有限直動案内ユニットの概要を説明する。この有限直動案内ユニットは,下側に位置するベッド1,及びベッド1上を案内されるテーブル等の可動体2を備えている。ベッド1と可動体2とは,互いに相対移動可能な移動部材を構成している。ベッド1の上部中央には軌道部材3が載置され,軌道部材3は,ベッド1に形成されたボルト孔に挿通される取付けボルト5によってベッド1に固定されており,両側の長手方向側壁面12に軌道溝13(後述する)が形成されている中間軌道部材である。可動体2の下側には空所7が形成されており,可動体2は軌道部材3を跨ぐ全体として門型の形状を有している。可動体2の空所7にはベッド1に取り付けられた軌道部材3が収容されると共に,可動体2の両側には,軌道部材3を両側から挟むように一対の軌道部材4,4が配設されている。各軌道部材4は,可動体2に形成されたボルト孔に挿通される取付けボルト6によって可動体2に固定されている。ベッド1は,ベッド1に形成されたボルト孔8に挿通される取付けボルト(図示せず)によって機台や他の移動体(図示せず)に取り付けられる。また,可動体2には,可動体2に形成されたねじ孔9に挿通される取付けボルト(図示せず)によって,ワークや他の移動体(図示せず)が取り付けられる。軌道部材3の各端面の両側及び各軌道部材4の各端面には,保持器23の脱落を防止するための端部ねじ10が螺着されている。軌道部材3と一対の軌道部材4,4との間には,複数の転動体である円筒ころ22とそれらの円筒ころ22を保持する保持器23を有する有限直動形ガイドウェイ11が設けられている。
【0018】
次に,図3〜図5を参照して,軌道部材3と一対の軌道部材4,4との間に設けられる各有限直動形ガイドウェイ11を説明する。図3及び図5に示すように,軌道部材3の長手方向側壁面12には,略V字状の軌道溝13が形成されており,軌道部材4の長手方向側壁面17には,略V字状の軌道溝18が形成されている。軌道溝13と軌道溝18とは,互いに対向するように対称配置されている。軌道溝13は互いに直交する上側軌道面14及び下側軌道面15と,両軌道面14,15の間に形成された逃げ溝16とを有し,軌道溝18は互いに直交する上側軌道面19及び下側軌道面20と,両軌道面19,20の間に形成された逃げ溝21を有している。各軌道部材3,4の軌道溝13,18との間に形成される転動路には,転動体としての複数の円筒ころ22が配設されている。また,各円筒ころ22は,板状の保持器23によって保持されている。この有限直動案内ユニットにおいては,軌道溝13,18に形成された逃げ溝16,21にはラック24が配設されており,保持器23に形成された装着孔31(図7参照)に回転自在に装着されたピニオン26がラック24と噛み合っている。なお,図4については,後で詳述する。
【0019】
次に,保持器23,保持器23に保持される転動体としての円筒ころ22,及びピニオン26を支持するギヤホルダ33の相互の関連について図6〜図9を参照して説明する。図6は有限直動形ガイドウェイ11の平面図である。図7は図6に示した有限直動形ガイドウェイ11の側面図,図8は有限直動形ガイドウェイ11に用いられる保持器23の断面図,図9はピニオン26の保持器23への回転支持構造を示す図である。保持器23は金属薄板素材で作製されているが,プラスチック等の弾性を有する薄板素材で作製してもよい。保持器23には円筒ころ22を嵌装するための保持孔27が一定間隔で形成されている。一連の円筒ころ22の回転軸G−G(図8参照)は,交互に反対方向に傾斜するようにいわゆる交差して保持孔27に保持されている。一方に傾斜した一群の円筒ころ22は軌道部材3の下側軌道面15と軌道部材4の上側軌道面19とに対して転がり接触し,他方に傾斜した他方の群の円筒ころ22は軌道部材3の上側軌道面14と軌道部材4の下側軌道面20とに対して転がり接触している。各保持孔27には2組の溝28,28が形成され,各組の溝28,28間に係止爪29が各保持孔27に突出するように形成されている。一対の係止爪29は,互いに対向した位置にあり,円筒ころ22の端面30に当接している。したがって,保持孔27に嵌装された円筒ころ22は,それらの端面30が保持孔27の上端と下端とに形成された係止爪29によって当接状態になって回転自在に保持されている。
【0020】
また,保持器23には,ピニオン26を回転自在に支持するギヤホルダ33を装着するために,装着孔31が形成されている。装着孔31は,ピニオン26が回転可能となるように,ピニオン26の周部が通過する通過窓32を有する他は,保持孔27と共通した形状を有している。装着孔31における一対の係止爪29を保持器23と一体に形成してもよいが,一方の係止爪29を別体として形成しておき,ギヤホルダ33を他方の係止爪29で係止し装着孔31に装着した後,この別体として形成した一方の係止爪29を保持器23の側面にギヤホルダ33を装着するように接合等で固着する構成にしてもよい。通過窓32では,ピニオン26が保持器23に対して自由に回転できるようにピニオン26の断面形状よりも大きく形成されている。
【0021】
保持器23に保持されたギヤホルダ33にピニオン26が回転自在に支持されている様子が図9に示されている。ピニオン26を保持するギヤホルダ33は,保持器23に形成された装着孔31に係合し且つピニオン26の両側面にそれぞれ位置した第1ギヤホルダ部即ち上部ギヤホルダ34と第2ギヤホルダ部即ち下部ギヤホルダ35から構成されている。即ち,ピニオン26は,保持器23に係止されたギヤホルダ33を介して保持器23に装着されている。
【0022】
ギヤホルダ33は,ピニオン26を挟み込む空間を残して分割した構造を有している。即ち,ピニオン26の回転軸線が保持器23に対して傾斜しているため,図10〜図12に示すように,円筒ころ22をピニオン26の厚さよりも若干広い幅を置いて斜めに分割した形状を有している。図10は,分割された構造のギヤホルダ33の一方の第1ギヤホルダ34の図であり,図11は図10の矢視D−Dで見た断面図であり,図12は図10において矢視Eの方向から見た図である。第1ギヤホルダ34は,ピニオン26の軸部41(図13参照)を回転自在に受け入れる支持穴36を有している。支持穴36は,ピニオン26の側面に並行な面である斜面37に直角に形成されている。第1ギヤホルダ34の端面38と周面38aとの境界はエッジ39となっている。第1ギヤホルダ34の端面38には,装着孔31の係止爪29が当接する。第2ギヤホルダ35は,第1ギヤホルダ34と点対称形の構造であって同様の機能を有するので,重複する説明を省略する。
【0023】
次に,ピニオン26の構造について説明する。図13には,ピニオン26の軸部を通る平面で切断した断面図が示されている。ピニオン26は,周囲に歯42を備えたピニオン本体40と,ピニオン本体40と一体に形成され且つ保持器23に嵌装した第1ギヤホルダ34及び第2ギヤホルダ35にそれぞれ回転自在に支持される軸部41とを有している。ピニオン26の歯42は,軌道部材3,4に形成された逃げ溝16,21内に固着したラック24と噛合する。ピニオン26及びラック24は,金属製でも差し支えないが,プラスチック等で作製することもできる。
【0024】
この有限直動案内ユニットでは,ピニオン26を金属製の保持器23に装着するには,次のように行う。まず,ピニオン26の軸部41を遊嵌したギヤホルダ33を,一方のエッジ39を保持器23に形成した装着孔31の一方に嵌め,次に,他方のエッジ39a(図示せず)を他方の係止爪29を変形させて装着孔31に嵌装する。その後,係止爪29を元に戻すことにより,ピニオン26の保持器23への組付けが完了する。
【0025】
次に,ラック24について,図14〜図16を参照して説明する。図14は,ラックの平面図,図15は図14に示したラックの側面図,そして図16は図14及び図15に示したラックの端面図である。ラック24は,歯が形成された歯部45と該歯部45の両側に延びる端部49から構成されている。歯部45の各歯46(代表して1箇所のみを示す)にはV字状の凹部47が形成されている。凹部47の最深部48は,深くとも,基準ピッチ線(F−F)の位置までの深さである。保持器23に保持された円筒ころ22の回転軸がどちらに傾斜していても,円筒ころ22の最下部となるエッジ39は逃げ溝16,21の中央に位置しているので,V字状の凹部47は,その最深部48がラック24の歯幅方向中央位置になるように,それぞれの歯46に形成されている。
【0026】
このように,ピニオン26とラック24の噛み合い剛性を大きくするため,ピニオン26の歯42とラック24の歯46を単純に大きくしただけでは,保持器23に保持されている円筒ころ22とラック24の歯46とが干渉するので,ピニオン26とラック24の噛み合い剛性が高い有限直動形ガイドウェイ11及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニットを構成できない。この発明によれば,ラック24のそれぞれの歯46に円筒ころ22との干渉を回避する凹部47を形成したので,歯42,46のモジュールを大きくしても,円筒ころ22と干渉することがない。したがって,ピニオン26とラック24との噛み合い剛性が向上し,ピニオン26とラック24とを確実に噛合させて保持器23が軌道部材3,4に対してずれを生じるのを防止することができる。また,逃げ溝16,21の大きさや構造を変えてはいないので,軌道部材3,4の軌道面14,15,19,20が狭くなることもないので,大きな負荷を支持することもできる。
【0027】
次に,図17〜図19を参照して,別の構造を有するラック25を用いた有限直動形ガイドウェイ及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニットの実施例について説明する。図17は図14〜図16に示したラック25の軌道部材3(或いは4)への取付け構造を示す平面図,図18は図17に示したラック25の軌道部材3への取付け構造の側面図,図19は図17及び図18に示したラック25の軌道部材3への取付け構造の端面図である。図17〜図19では,図14〜図16に示したラック24の各要素と同様の要素には同じ符号を付し,再度の説明を省略する。また,ラック25の周囲の軌道部材3等については,想像線で示してある。この実施例では,ラック25は,合成樹脂製であり,その両端部49には取付け用の鍔53が一体的に形成されている。鍔53には,軌道部材3,4に螺合される端部ねじ(図1の符号10を参照)を挿通させるための挿通孔51(図19)が形成されている。製作時にはラック25の歯部45や端部49の延長上に延びるように形成された鍔53は,ラック25の軌道部材3,4への取付け時には,逃げ溝16,21に装着したラック25の本体から軌道部材3,4の両側に突出することになるが,両鍔53をラック本体に対して直角に折り曲げ,頭部52付きの端部ねじ10を挿通孔51に通して軌道部材3,4に螺着することにより,ラック25が軌道部材3,4に取り付けられる。
【0028】
【発明の効果】
この発明による有限直動形ガイドウェイ及びそれを組み込んだ有限直動案内ユニットは,以上のように構成されているので,有限直動形ガイドウェイとしては,一対の軌道部材が相対移動するときに,円筒ころが軌道溝間の軌道路を転動して保持器と共に一対の軌道部材に対して相対移動しても,円筒ころの先端は,ラックの歯にそれぞれ形成した凹部を通過するのみで,ラックの歯と干渉することがない。したがって,ラックとピニオンには,大きなモジュールの歯を用いることができる。ラックの歯には凹部が形成してあるが,ラックとピニオンとの噛合い強度は,凹部が形成されていることを考慮してもなお向上している。その結果,転動する円筒ころと軌道面との間に滑りが生じようとしても,強度が向上したラックとピニオンとの噛合いによって,保持器は軌道部材に対してずれを生じることがない。また,かかる有限直動形ガイドウェイを組み込んで有限直動案内ユニットとした場合には,有限直動形ガイドウェイをユニット内に組み込むだけで,ずれを生じることがない有限直動案内ユニットを簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による有限直動案内ユニットの一実施例を示す端面図である。
【図2】図1に示した有限直動案内ユニットに組み込まれた一方の有限直動形ガイドウェイを含む一部を断面で示す平面図である。
【図3】図2に示した有限直動案内ユニットの矢視A−Aで見た部分断面図である。
【図4】図3の一部Cを拡大して示す断面図である。
【図5】図2に示した有限直動案内ユニットの矢視B−Bで見た断面図である。
【図6】この発明による有限直動形ガイドウェイの平面図である。
【図7】図6に示した有限直動形ガイドウェイの側面図である。
【図8】図6及び図7に示した有限直動形ガイドウェイに用いられる保持器の断面図である。
【図9】図6及び図7に示した有限直動形ガイドウェイにおけるピニオンの保持器への回転支持構造を示す図である。
【図10】図6及び図7に示した有限直動形ガイドウェイにおける分割構造を有するギヤホルダの一方の第1ギヤホルダを示す図である。
【図11】図10の矢視D−Dで見た断面図である。
【図12】図10において矢視Eの方向に見た図である。
【図13】図6及び図7に示した有限直動形ガイドウェイに用いられるピニオンの軸部を通る平面で切断した断面図である。
【図14】図6及び図7に示した有限直動形ガイドウェイに用いられるラックの平面図である。
【図15】図14に示したラックの側面図である。
【図16】図14及び図15に示したラックの端面図である。
【図17】図14〜図16に示したラックの軌道部材への取付け状態を示す平面図である。
【図18】図17に示したラックの軌道部材への取付け状態の側面図である。
【図19】図17及び図18に示したラックの軌道部材への取付け状態を示す端面図である。
【図20】従来の有限直動形ガイドウェイを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ベッド
2 可動体
3,4 軌道部材
10 端部ねじ
11 有限直動形ガイドウェイ
12,17 長手方向側壁面
13,18 軌道溝
14,15 軌道面
16,21 逃げ溝
19,20 軌道面
22 円筒ころ
23 保持器
24,25 ラック
26 ピニオン
27 保持孔
29 係止爪
33 ギヤホルダ
41 軸部
42 ピニオンの歯
46 ラックの歯
47 凹部
F−F 基準ピッチ線
G−G 回転軸

Claims (7)

  1. 長手方向側壁面に軌道溝を形成した一対の軌道部材,前記各軌道部材の前記軌道溝間の軌道路に配設された複数の円筒ころ,前記軌道部材間に配設された前記円筒ころを保持する板状の保持器,前記軌道溝に形成された逃げ溝に配設されたラック,及び該ラックに噛合し且つ前記保持器に形成された装着孔に回転自在に装着されたピニオンを具備し,前記軌道路を転動する前記円筒ころが前記ラックの歯に干渉するのを回避するため前記ラックの前記歯には凹部がそれぞれ形成されていることから成る有限直動形ガイドウェイ。
  2. 前記ラックの前記凹部の深さは,深くとも前記ラックの歯の基準ピッチ線までの深さであることから成る請求項1に記載の有限直動形ガイドウェイ。
  3. 前記円筒ころは前記保持器の板面に対して回転軸を傾斜した状態で保持されていると共に,前記軌道部材の前記軌道溝は前記円筒ころの前記回転軸と平行な軌道面を有しており,前記ラックの前記凹部は転動する前記円筒ころが通過するように,略V字状に形成されていることから成る請求項1又は2に記載の有限直動形ガイドウェイ。
  4. 前記ラックは,前記軌道部材の両端面にそれぞれ螺着される端部ねじの頭部間で締め付けられることにより前記軌道部材に取り付けられることから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の有限直動形ガイドウェイ。
  5. 前記ピニオンは,前記ピニオン本体と前記ピニオン本体の両側に前記ピニオン本体と一体に突出形成された軸部から成ると共に前記保持器に係止された一対のギヤホルダ部から成るギヤホルダを介して前記保持器に装着されており,前記ピニオンの前記軸部は前記ギヤホルダ部に形成された穴部に回転自在に嵌入されていることから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の有限直動形ガイドウェイ。
  6. 互いに相対移動する一対の移動部材を備え,前記一対の移動部材の間には,請求項1〜5のいずれか1項に記載の有限直動形ガイドウェイが,一方の前記軌道部材を一方の前記移動部材に取り付けると共に他方の前記軌道部材を他方の前記移動部材に取り付けた状態で組み込まれていることから成る有限直動案内ユニット。
  7. 前記一方の移動部材はベッドであり,前記一方の軌道部材は前記ベッド上に取り付けられると共に前記長手方向両側壁面にそれぞれ前記軌道溝が形成された中間軌道部材であり,前記他方の移動部材は前記ベッド上において前記中間軌道部材を跨ぐ可動体であり,前記可動体には前記中間軌道部材の前記軌道溝に対向する前記軌道溝がそれぞれ前記長手方向側壁面に形成された一対の前記他方の軌道部材が取り付けられていることから成る請求項6に記載の有限直動案内ユニット。
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