JP3738381B2 - 直線運動案内装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転動体として外周に環状凸部を備えたローラを用いた直線運動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の直線運動案内装置としては、たとえば特開平5−340425号公報に記載されるようなものが知られている。すなわち、長手方向に延びるローラ転走面を備えた軌道レールと、この軌道レールのローラ転走面と対向するローラ転走面を備えた移動ブロックと、軌道レールと移動ブロックとの対応するローラ転走面間に転動自在に介装されると共に移動ブロックに設けられた無限循環路に保持される多数のローラと、を備え、ローラの外周には複数の環状凸部が形成され、前記軌道レールと移動ブロックのローラ転走面には前記ローラの環状凸部が係合する一対の傾斜面を備えた複数の係合溝が設けられていた。
この係合溝にローラの環状凸部が係合することにより、軌道レール側面にローラを1条列ずつ配置するだけで、横方向荷重だけでなく、上下方向の荷重も支持することができる構造となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
直線運動案内装置は摺動抵抗をなるべく小さくして軽快に案内することを目的とするものであるが、近年の工作機械においては高速化が進んだ結果、摺動抵抗が小さいと切削時の振動等が大きくなって加工精度に悪影響を与えるという問題を生じている。
上記従来の直線運動案内装置の場合に、摩擦抵抗を増大させるためには、たとえば予圧を付与して接触面圧を予め大きく設定しておくことが考えられるが、従来は断面三角形状の環状凸部と係合溝を単純に噛み合わせる構成で、環状凸部と係合溝の各傾斜面は全面接触となっていたので、接触面圧を高めるにも限界があった。また、予圧を大きくすると、軽荷重作用時においても摩擦抵抗が大きいために高速に案内できなくなってしまうという問題があった。
【0004】
また、移動ブロックとテーブル等との取り付け面と軌道レールが固定されるベッドとの取り付け面間の平行度の誤差や、外力の作用によって移動ブロックが変形して対応するローラ転走面間の平行度が狂った場合、断面三角形状の環状凸部と係合溝の傾斜面との当接状態が不均一となり、特にローラの端部付近における環状凸部と係合溝との間に極集中荷重が作用し、ローラの環状凸部や係合溝の偏摩耗による耐久性劣化、甚だしい場合には損傷するおそれがある。
【0005】
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、負荷荷重に応じて摩擦抵抗を調整可能とし、さらに耐久性向上を図り得る直線運動案内装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本請求項1に記載の発明は、長手方向に延びるローラ転走面を備えた軌道レールと、該軌道レールのローラ転走面と対向するローラ転走面を備えた移動ブロックと、前記軌道レールと移動ブロックとの対応するローラ転走面間に転動自在に介装されると共に移動ブロックに設けられた無限循環路に保持される多数のローラと、を備え、前記ローラの外周には環状凸部が形成され、前記軌道レールと移動ブロックのローラ転走面には前記ローラの環状凸部が係合する一対の傾斜面を備えた係合溝が設けられ、前記移動ブロックは、軌道レールの上面と対向する水平部と、該水平部の左右両端部から下方に突出して軌道レールの側面と対向する一対の垂下部と、を備えた構成の直線運動案内装置において、環状凸部が形成されたローラは、軌道レールの左右両側面と移動ブロックの左右垂下部の対向面間にそれぞれ少なくとも1条列ずつ介装されると共に、軌道レール上面と移動ブロックの水平部下面との対向面間にも少なくとも1条列介装され、前記ローラの環状凸部に前記軌道レール側と移動ブロック側の各係合溝の一対の傾斜面に対してそれぞれ部分的に接触して摩擦抵抗を負荷荷重に応じて自動調整する摩擦抵抗調整当接部を設け、該摩擦抵抗調整当接部は断面円弧形状で、ローラ転走面の係合溝の傾斜面は摩擦抵抗調整当接部の断面形状よりも曲率の小さい断面円弧形状とし、摩擦抵抗調整当接部は負荷荷重が小さい場合には係合溝の傾斜面間に浅く接触して摩擦抵抗を小さく維持し、負荷荷重が増大すると係合溝の傾斜面間に深く食い込んで摩擦抵抗を増大させることを特徴とする。
【0007】
負荷荷重に対して所定の摩擦抵抗を得るように傾斜面間の角度を設定することを特徴とする。
傾斜面間の角度を小さくすれば、より食い込みやすく、くさび効果が高まるので、摩擦抵抗が大きくなる。しかし、あまり小さくすると、環状凸部の根元の幅が小さくなるので、環状凸部のせん断強度が弱くなるし、また環状凸部が傾斜面間に食いついてしまうおそれもあるので、これらのせん断強度や食い付き等も考慮して最適の傾斜面間角度が設定される。好ましくは、30°〜90°程度に設定することが好ましい。
【0008】
環状凸部はローラの中心軸方向に沿って複数設けられ、ローラ転走面の係合溝も前記環状凸部に対応して複数設けられていることを特徴とする。
【0009】
軌道レール上面と移動ブロックの水平部下面との対向面間には、環状凸部が形成されたローラに代えて外周が直線状の円筒ローラを配置したことを特徴とする。
移動ブロックに保持される無限循環路内のローラはローラ連結体によって互いに転動自在に連結保持されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る直線運動案内装置を示す図2乃至図5において、1は直線運動案内装置全体を示すもので、概略、長手方向に延びるローラ転走面5を備えた軌道レール2と、軌道レール2のローラ転走面5と対向するローラ転走面6を備えた移動ブロック3と、前記軌道レール2と移動ブロック3との対応するローラ転走面5,6間に転動自在に介装されると共に移動ブロック3に設けられた無限循環路7に保持される多数のローラ4と、を備えている。
無限循環路7は、図2,図3に示すように、ローラ転走面5,6間の負荷ローラ転走路71と、この負荷ローラ転走路71と所定間隔隔てて平行に設けられる無負荷域の戻し通路72と、負荷ローラ転走路71の両端と戻し通路72の両端を接続するU字状の方向転換路73とから構成される。負荷ローラ転走路71は、ローラ転走面6と、このローラ転走面6を転動移行するローラ4の軸方向両端を案内する案内壁71a,71aとから構成されている。この実施の形態では、ローラ4はローラ連結体10によって一連に連結されているので、案内壁71aはローラ4の端面に直接接触せず、ローラ連結10を介して案内される。
【0011】
移動ブロック3は、ブロック本体部30と、このブロック本体部30の軸方向両端面にボルト17によって固定される側蓋33と、を備えている。ブロック本体部30は、軌道レール2の上面と対向する水平部31と、水平部31の左右両端部から下方に突出して軌道レール2の側面と対向する一対の垂下部32,32と、を備え、ローラ4は、軌道レール2の左右両側面と移動ブロック3の左右垂下部32の対向面間にそれぞれ1条列ずつ、水平部31の下面と軌道レール2の上面に中心部を隔てて左右にそれぞれ1条列ずつ、合計4条列配列されている。軌道レール2の上面側のローラ4は、その中心軸線に対して直交する線が垂直方向に向けられ、軌道レール2の側面側のローラ4は、その中心軸線に対して直交する線が水平方向に向けられている。
ブロック本体部30の水平部31上面にはテーブル取り付け用のボルト穴16が、幅方向中央と幅方向両端付近の3カ所に設けられている。また、軌道レール2の上面には、2条のボール転走面5,5の間にボルト締結用の穴18が開口している。
側蓋33には、方向転換路73の外周側半部73Bが設けられ(図3,図8,図9参照)、方向転換路73の内周側半部部73Bはブロック本体部30の軸方向端面に一体的に設けられている(図3,図6,図7参照)。
【0012】
上記ローラ4の外周には、図1に示すように、環状凸部41が形成され、軌道レール2と移動ブロック3のローラ転走面5,6には前記ローラ4の環状凸部41が係合する一対の傾斜面81,81を備えた係合溝8が設けられている。
ローラ4の環状凸部41には、前記係合溝8の一対の傾斜面81,81に対してそれぞれ部分的に2点で接触して摩擦抵抗を負荷荷重に応じて自動調整する摩擦抵抗調整当接部42,42が設けられ、この摩擦抵抗調整当接部42,42は負荷荷重が小さい場合には係合溝8の傾斜面81,81間に浅く接触して摩擦抵抗を小さく維持し、負荷荷重が増大すると溝の傾斜面81,81間に深く食い込んで摩擦抵抗を増大させるようになっている。環状凸部41はローラ4の中心軸方向に沿って複数設けられ、ローラ転走面5,6の係合溝8も環状凸部41に対応して複数設けられている。このように環状凸部41を複数設けることにより、減衰効果を高めることができる。
環状凸部41の断面形状は、頂部を隔てた両傾斜面を円弧形状に膨らませた山形状で、凸状円弧の傾斜面によって摩擦抵抗調整当接部42,42を構成している。ローラ転走面5,6の係合溝8の傾斜面81,81は、摩擦抵抗調整当接部41の断面形状よりも曲率の小さい断面円弧形状の凹面となっている。
このように係合溝8の傾斜面81,81を凹状円弧形状とすれば、摩擦抵抗調整当接部41,41との接触幅が増大するので、負荷し得る荷重を大きくすることができ、また、摩擦抵抗も増大させることができる。
【0013】
係合溝8の傾斜面81,81間の傾斜角度θは、負荷荷重に対して所定の摩擦抵抗を得るように設定されるもので、傾斜角度θによって摩擦抵抗を調整することが可能である。傾斜面81,81は凹状円弧なので、傾斜角θは、たとえば各傾斜面81,81の山側端と谷側端とを結ぶ線のなす角とする。
【0014】
傾斜面81,81間の角度θを小さくすれば、より食い込みやすく、くさび効果が高まるので摩擦抵抗が大きくなる。しかし、あまり小さくすると、環状凸部41の根元の幅が小さくなるので、環状凸部41のせん断強度が弱くなるし、また環状凸部41が傾斜面81,81間に食いついてしまうおそれもあるので、これらのせん断強度や食い付き等も考慮して最適の傾斜角度θが設定される。好ましくは、30°〜90°程度に設定することが好ましい。特に、90度付近を中心に設定すれば、荷重をバランスよく支持することができる。
なお、上記無限循環路7の無負荷域の戻し通路72および方向転換路73にも、上記ローラ転走面6に形成された係合溝8に連続する案内溝74が全周にわたって連続的に設けられている。この戻し通路72および方向転換路73は樹脂によって成形されているので、金属製のローラ4の環状凸部41は案内溝74に案内されてスムースに移動する。
【0015】
本発明の直線運動案内装置1によれば、上方からのラジアル荷重は軌道レール2上面側の2列のローラ4と、側面側の2列のローラ4とによって支持される。上面側のローラ4については、環状凸部41は各ローラ転走面5,6の係合溝8の両傾斜面81,81に当接し、荷重は係合溝8の両傾斜面81,81で分散して受けられる。側面側のローラ4の環状凸部41は、移動ブロック3側のローラ転走面6の係合溝8にはその上側の傾斜面81に当接し、軌道レール2側のローラ転走面5の係合溝8にはその下側の傾斜面81に当接して荷重を受けることになる。
また、下方からの浮き上がり荷重は、側面側の2列のローラ4によって支持される。この場合、ローラ4の環状凸部41は、移動ブロック3側のローラ転走面6の係合溝8にはその下側の傾斜面81に当接し、軌道レール2側のローラ転走面5の係合溝8にはその上側の傾斜面81に当接して荷重を受ける。
一方、横方向荷重は、側面側の2列のローラ2と上面側の2列のローラによって支持される。
すなわち、側面側のローラ4については、環状凸部41は各ローラ転走面5,6の係合溝8の両傾斜面81,81に当接し、荷重は係合溝8の両傾斜面81,81で分散して受けられる。上面側のローラ4の環状凸部41は、移動ブロック3側のローラ転走面6の係合溝8にはその荷重作用側の傾斜面81に当接し、軌道レール2側のローラ転走面5の係合溝8には反対側の傾斜面81に当接して荷重を受けることになる。
【0016】
この環状凸部41付きのローラ4を用いれば、基本的には、ローラ4を軌道レール2の側面側にのみ配列するだけで、左右横方向荷重のみならず、上下方向の荷重についても支持することができるが、この実施の形態のように、軌道レール2上面側にもローラ4を配列すれば、上方からの大きい荷重を支持することができる。また、側面のローラ4の環状凸部41に作用する上下方向のせん断力を軽減することができ、長寿命化を図ることができる。
【0017】
本発明の場合には、負荷される荷重が軽荷重の場合には、摩擦抵抗調整当接部41,41が係合溝8の傾斜面81,81に対して浅く当接するので、摩擦抵抗は小さく移動ブロック3は軽快に移動する。一方、負荷される荷重が重荷重の場合には、摩擦抵抗調整当接部41,41が係合溝8の傾斜面81,81に対して深く食い込み、そのくさび作用によって深く食い込み接触面圧が増大して摩擦抵抗が増大する。また、接触面圧増大によって摩擦抵抗調整当接部41,41が変形して接触幅が増大するので、接触領域各部の半径差が大きくなって差動すべりも大きくなるので摩擦抵抗増大を助長し、移動ブロック3の減衰性を一層高めることができる。
【0018】
また、移動ブロック3とテーブル等との取り付け面と軌道レール2が固定されるベッドとの取り付け面間の平行度の誤差や、外力の作用によって移動ブロック3が変形して対応するローラ転走面5,6間の平行度が狂っても、摩擦抵抗調整当接部41,41は係合溝8の傾斜面81,81に対して部分的に接触しているだけなので、当接部がずれるだけで、従来のように係合溝の傾斜面全面に接触している場合のように、環状凸部41と係合溝8の各傾斜面81,81との間に過大荷重が集中するのを防止することができ、耐久性向上を図ることができる。
たとえば、移動ブロック3を軌道レール2から浮き上がらせる方向の外力が作用した場合には、移動ブロック3の左右の垂下部32,32が開く方向に変形し、移動ブロック3に横方向荷重が作用した場合には、荷重作用側の垂下部32が開く方向に変形する。このような垂下部32の変形によってローラ転走面6が正規の位置から変位した場合でも、この変位に応じて係合凸部41の摩擦抵抗調整当接部41,41の傾斜面81,81との当接部がすべり、過大荷重が集中するのを防止できる。ただし、このような移動ブロック3の変形が過大なものとならないように、本実施の形態では移動ブロック3の水平部31の左右両端付近だけでなく中央部にもボルト穴16を設け、移動ブロック3の変形を抑制している。
【0019】
上記した移動ブロック3に保持される無限循環路7内のローラ4はローラ連結体10によって互いに転動自在に連結保持されている。
ローラ連結体10を用いることにより、ローラ4の中心軸を移動ブロックの進行方向に対して直交する方向に保持することができ、ローラ4の中心軸が移動ブロック3の進行方向に対して直交する方向から傾くいわゆるスキュー発生を防止することができ、ローラ4の環状凸部41を係合溝8に対して円滑に転動移行させることができる。
ローラ連結体10は、図10に示すように、ローラ4の軸方向両端面に形成された円錐状のセンタ穴4aに回転摺動自在に係合する係合凸部11aを備えた端面保持板11と、この端面保持板11を連続的に連結して各ローラ4を所定間隔を隔てて保持する可撓性のベルト部12,12と、このベルト部12,12間を梯子状に適宜連結する連結片部13と、を備えている。連結片部13は、ベルト部12の端部およびローラ4とローラ4間において、ベルト部12間に掛け渡される。
【0020】
図11はローラ連結体の変形例を示している。
この変形例は、ローラ4の軸方向両端面にはセンタ穴4aが設けられていない場合で、ローラ4の軸方向両端面を保持する端面保持板14には係合凸部は設けられていない。この場合、各ローラ4とローラ4の間に介在する左右のベルト12,12の連結片部13に隣合うローラ4,4の円筒状の外周の一部を抱持する円弧状の外周保持片14,14が設けられ、この外周保持片14,14と、端面保持板11によって各ローラ4を回転摺動自在に保持するようになっている。外周保持片14には前記ローラ4の各環状凸部41に対応した溝15が形成されている。
【0021】
なお、上記した実施の形態では、軌道レール2上面と移動ブロック3の水平部31下面との対向面間にも環状凸部41が形成されたローラ4を配置したが、この環状凸部41が形成されたローラ4に代えて外周が直線状の一般的な円筒ローラを配置してもよい。減衰作用は軌道レール2の側面側の環状凸部41を備えたローラ4によって行い、軌道レール2上面の円筒ローラはラジアル荷重を支持し、側面のローラ4の環状凸部41に作用するせん断力を軽減する。また、円筒ローラとしておけば、移動ブロック3が左右方向に変位することを妨げないので、側面側のローラの環状凸部をの減衰効果をより効果的に発揮させることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、本請求項1に記載の発明は、ローラの環状凸部に係合溝の一対の傾斜面に対してそれぞれ部分的に接触して摩擦抵抗を負荷荷重に応じて自動調整する摩擦抵抗調整当接部を設けたので、負荷される荷重が軽荷重の場合には、摩擦抵抗調整当接部が係合溝の傾斜面に対して浅く当接し、摩擦抵抗は小さく移動ブロックを軽快に移動させることができる。一方、負荷される荷重が重荷重の場合には、摩擦抵抗調整当接部が係合溝の傾斜面に対して深く食い込み、そのくさび作用によって深く食い込み接触面圧が増大して摩擦抵抗が増大する。また、接触面圧増大によって摩擦抵抗調整当接部が変形して接触幅が増大するので、接触領域各部の半径差が大きくなって差動すべりも大きくなるので摩擦抵抗増大を助長し、移動ブロックの減衰性を一層高めることができる。
また、移動ブロックとテーブル等との取り付け面と軌道レールが固定されるベッドとの取り付け面間の平行度の誤差や、外力の作用によって移動ブロックが変形して対応するローラ転走面間の平行度が狂っても、摩擦抵抗調整当接部は係合溝の傾斜面に対して部分的に接触しているだけなので、当接部がずれるだけで、従来のように係合溝の傾斜面全面に接触している場合のように、環状凸部と係合溝傾斜面との間に過大荷重が集中するのを防止することができ、耐久性向上を図ることができる。
【0023】
特に、摩擦抵抗調整当接部は断面円弧形状で、ローラ転走面の係合溝の傾斜面は摩擦抵抗調整当接部の断面形状よりも曲率の小さい断面円弧形状としたので、摩擦抵抗調整当接部との接触幅が増大するので、負荷し得る荷重を大きくすることができ、また、摩擦抵抗も増大させることができる。
さらに、移動ブロックは、軌道レールの上面と対向する水平部と、該水平部の左右両端部から下方に突出して軌道レールの側面と対向する一対の垂下部と、を備え、環状凸部が形成されたローラは、軌道レールの左右両側面と移動ブロッ左右垂下部の対向面間にそれぞれ少なくとも1条列ずつ介装される構成とすることにより、左右横方向荷重のみならず、上下方向の荷重についても支持することができる。
また、環状凸部が形成されたローラは、軌道レール上面と移動ブロックの水平部下面との対向面間にも少なくとも1条列介装される構成とすることにより、上方からの大荷重を支持することができる。また、側面の環状凸部に作用する上下方向のせん断力を軽減することができ、長寿命化を図ることができる。
【0024】
請求項2に係る発明は、負荷荷重に対して所定の摩擦抵抗を得るように傾斜面間の角度を設定したもので、傾斜面間の角度を小さくすれば、より食い込みやすく、くさび効果が高まるので、摩擦抵抗を大きくできる。
【0025】
請求項3に係る発明は、環状凸部を複数設けることにより、減衰効果を高めることができる。
【0026】
請求項4に係る発明は、軌道レール上面と移動ブロックの水平部下面との対向面間に、環状凸部が形成されたローラに代えて外周が直線状の円筒ローラを配置することにより、ラジアル荷重を支持して側面のローラの環状凸部に作用するせん断力を軽減することができる。また、このようにすれば、軌道レール側面のローラの環状凸部の食い込み効果を高めることができる。
請求項5に係る発明は、ローラをローラ連結体を用いて保持することにより、ローラの中心軸を移動ブロックの進行方向に対して直交する方向に保持することができ、ローラの中心軸が移動ブロックの進行方向に対して直交する方向から傾くいわゆるスキュー発生を防止することができ、ローラの環状凸部を係合溝に対して円滑に転動移行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る直線運動案内装置の環状凸部を備えたローラと係合溝を備えたローラ転走面の当接状態を示す拡大図である。
【図2】図2は図1のローラを用いた直線運動案内装置の縦断面図である。
【図3】図3(A)は図2の装置の軌道レール上面側のローラの無限循環路の構成を示す断面図、図3(B)は図2の装置の軌道レール側面側のローラの無限循環路の構成を示す断面図である。
【図4】図4は図2の装置の平面図である。
【図5】図5は図2の装置の正面図である。
【図6】図6は図2の装置の移動ブロックの側蓋を外した状態の正面図である。
【図7】図7は図6の装置の一部破断側面図である。
【図8】図8は図2の装置の側蓋の裏面図である。
【図9】図9(A)は図8の側蓋の一部破断側面図、図9(B)は図8のB−B線断面図である。
【図10】図10は図2の装置のローラ連結体の一例を示すもので、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は側面図である。
【図11】図11は図2の装置のローラ連結体の変形例を示すもので、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図である。
【符号の説明】
1 直線運動案内装置
2 軌道レール
3 移動ブロック
30 ブロック本体部
31 水平部
32 垂下部
4 ローラ
41 環状凸部
42 摩擦抵抗調整当接部
4a センタ穴
5 ローラ転走面(軌道レール側)
6 ローラ転走面(移動ブロック)
7 無限循環路
71 負荷ローラ通路
72 戻し通路
73 方向転換路
74 案内溝
8 係合溝
81 傾斜面
10 ローラ連結体
11 端面保持板
11a 係合凸部
12 ベルト部
13 連結片部
14 外周保持片
15 溝

Claims (5)

  1. 長手方向に延びるローラ転走面を備えた軌道レールと、該軌道レールのローラ転走面と対向するローラ転走面を備えた移動ブロックと、前記軌道レールと移動ブロックとの対応するローラ転走面間に転動自在に介装されると共に移動ブロックに設けられた無限循環路に保持される多数のローラと、を備え、
    前記ローラの外周には環状凸部が形成され、前記軌道レールと移動ブロックのローラ転走面には前記ローラの環状凸部が係合する一対の傾斜面を備えた係合溝が設けられ、
    前記移動ブロックは、軌道レールの上面と対向する水平部と、該水平部の左右両端部から下方に突出して軌道レールの側面と対向する一対の垂下部と、を備えた構成の直線運動案内装置において、
    環状凸部が形成されたローラは、軌道レールの左右両側面と移動ブロックの左右垂下部の対向面間にそれぞれ少なくとも1条列ずつ介装されると共に、軌道レール上面と移動ブロックの水平部下面との対向面間にも少なくとも1条列介装され、
    前記ローラの環状凸部に前記軌道レール側と移動ブロック側の各係合溝の一対の傾斜面に対してそれぞれ部分的に接触して摩擦抵抗を負荷荷重に応じて自動調整する摩擦抵抗調整当接部を設け、
    該摩擦抵抗調整当接部は断面円弧形状で、ローラ転走面の係合溝の傾斜面は摩擦抵抗調整当接部の断面形状よりも曲率の小さい断面円弧形状とし、
    摩擦抵抗調整当接部は負荷荷重が小さい場合には係合溝の傾斜面間に浅く接触して摩擦抵抗を小さく維持し、負荷荷重が増大すると係合溝の傾斜面間に深く食い込んで摩擦抵抗を増大させることを特徴とする直線運動案内装置。
  2. 負荷荷重に対して所定の摩擦抵抗を得るように傾斜面間の角度を設定することを特徴とする請求項1に記載の直線運動案内装置。
  3. 環状凸部はローラの中心軸方向に沿って複数設けられ、ローラ転走面の係合溝も前記環状凸部に対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の直線運動案内装置。
  4. 軌道レール上面と移動ブロックの水平部下面との対向面間には、環状凸部が形成されたローラに代えて外周が直線状の円筒ローラを配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの5項に記載の直線運動案内装置。
  5. 移動ブロックに保持される無限循環路内のローラはローラ連結体によって互いに転動自在に連結保持されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかの項に記載の直線運動案内装置。
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