JP3896010B2 - ロースターにおける輻射加熱板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナーで加熱された輻射板で肉類を加熱調理するロースターにおける輻射加熱板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、網又はロストル上に載置した肉類の加熱方式として、ガスバーナーで加熱された輻射板の放射熱で肉類を加熱調理する輻射板加熱方式が実用化されている。
輻射加熱を行う輻射板に求められる機能は、本来の輻射機能の他、肉類から落下する肉汁がバーナーに付着しない様にすることと、バーナーで発生する燃焼ガスが内箱内に滞留せず上昇可能であること、更に、輻射板の全面を加熱できることが求められている。
そして、これらの機能を満足するために、輻射板の所要個所において、輻射板素材に対して適宜少面積で一部が連続する状態で周縁に切り込みを設け、形成された舌片を上方又は下方に折曲し、断面視でガス通気孔が形成されると共に、平面視でガス通気孔が見えない状態の切り起こしを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の切起舌片の切り起こしにより、輻射板は平板でなく、複雑に屈曲、凹凸隙間が発生し、肉汁の落下付着による掃除が大変であり、加工面においても、切り込みと折曲起こしの両加工が必要でコストアップとなり、切り起こし形状によっては、燃焼ガスの通過間隙が不充分となった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術に基づく、複雑形状の切り起こしの掃除、製造加工が大変な課題に鑑み、下部にバーナーを、中間部に輻射部を、上部に調理物載置具を夫々配置したロースターと成し、上下方向のガス通過孔を設けた平面視リング状の輻射板は断面山形状と成し、内側の第1輻射板は内方側を下方傾斜と成すと共に外側の第2輻射板は外方側を下方傾斜と成し、内側の第1輻射板の内端に内側円筒部を取付けると共に、外側の第2輻射板の外端に外側円筒部を取付け、バーナーはリング状と成すと共にバーナーの火口を外側円筒部の略直下位置又は外側と成すことによって、第1輻射板及び第2輻射板のガス通過孔は単なる切断で単純化して掃除、製造を容易と成し、内側円筒部と外側円筒部の間の流通空間で誘導された燃焼ガスが山形状の輻射板全体を加熱する様にして、上記課題を解決する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1、2に示す様に、無煙ロースターは、テーブル1の略中央位置に上部が調理部2に開口し下部が排気部3に開口した外箱4を嵌合支持し、該外箱4の内部に所定間隔の吸引流路5を外箱4との間に有する様にして内箱6を取付け、排気部3の近傍に浄化装置3aを設けている。
【0006】
外箱4及び内箱6の一側に夫々に貫通した状態で外箱4の内方及び内箱6の外方に突出させると共に重層(オーバーラップ)させた連結筒7、8により、外箱4の外方と内箱6の内方を連結開口した略四角筒状の連通連結部9を形成し、該連通連結部9は外箱4と内箱6の間の吸引流路5を部分横断状態で配置されている。
上記連結筒7、8は共に略四角筒状又は門型状であり、少なくとも外箱4側の連結筒7の上面壁を内方側に突出させると共に、内箱6側の連結筒8の上面壁を外方側に突出させている。
この構成により、外箱4の上面壁に内箱6の上面壁が着座状態と成し、外箱4から内箱6を着脱する時には、連通連結部9は外箱4の連結筒7と内箱6の連結筒8に分離される。
【0007】
図1、2に示す様に、内箱6の上方部は外側に屈曲して外箱4の支持具に載置される円形状の平坦部10を設け、該平坦部10を上部ドレンパン11上部周縁部の載置部と成し、該上部ドレンパン11の周縁部外側を上方に立ち上げる一方、吸引流路5を被冠するトッププレート12の内縁に周壁13を垂下させると共に、トッププレート12の外縁を外箱4で支持し、上部ドレンパン11の立上周縁部に接する周壁13の全周に吸引流路5に連通する所定数、形状の吸気孔14、14a …を貫設形成している。
更に、上部ドレンパン11の上部の周縁平坦部にロストル15(又は網)を載置すると共に、内箱6の下部を下部ドレンパン16と成し、該下部ドレンパン16の上部近傍に門型のバーナー受け17を設置している。
尚、下部ドレンパン16は内箱6の下方部と成したが、内箱6の下部に着脱自在な下部ドレンパン16を設置しても良い。
【0008】
連通連結部9内にリング状のバーナー18の基端の導入部19を挿通すると共に、バーナー18のリング部20の内周側に多数の内方横向きの火口21、21a …を設け、又リング部20の下部にバーナー受け17に嵌入する嵌合突起22を設けてバーナー18を内箱6内に収納している。
【0009】
上下2層のドレンパン中、上部ドレンパン11は、内箱6上端の平坦部10への載置部から内方下方側に平面視リング状、断面U字状で外周壁23、底壁23a 、内周壁23b から成る水槽部24を設けている。
そして、上部ドレンパン11の底壁23a の下部及び内周壁23b の内周側に所定間隙を有する様に、第2底壁25a 、第2内周壁25b を夫々設け、上方開放の所定間隙を断熱部26と成している。
【0010】
そして、図示のものでは、上部ドレンパン11における第2内周壁25b の上端に金属製でリング状の輻射部27を載置しており、即ち、下部にバーナー18を、中間部に加熱介在物である輻射部27を、上部に調理物載置具であるロストル15を夫々配置している。
尚、輻射部27の載置、係止、支持個所は水槽部24の内周壁23b 上端でも良く、即ち、上部ドレンパン11の内周上端であれば良い。
或いは、リング状の輻射部27の上部外周縁が上部ドレンパン11の水槽部24と平面視で重ならせているが、本発明で必ずしも上部ドレンパン11が必要でなく、上部ドレンパン11を設けない場合には適宜手段で内箱6等に支持させても良い。
【0011】
図1に示す様に、輻射部27は下方内外周で同心円状の内側円筒部28と外側円筒部29および上方の山形状で中央開口部を有する輻射板30から成り、外側円筒部29はバーナー18の火口21、21a …の略直上位置に配置されると共に、外側円筒部29の上端外側に設けた支持具31、31a …を上部ドレンパン11の内周上端(図示のものでは第2内周壁25b 上端)に載置している。
図3、4に示す様に、外側円筒部29の上端内側には支持板32を取付け、該支持板32は外側上方に上昇傾斜部33を有すると共に、該上昇傾斜部33の上端から外側下方に降下傾斜部34を連接している。
又、外側円筒部29の上端内周を基端連結部35とする支持板32の下端に内側下方に保護板36を傾斜連接し、図1に示す様に、輻射部27における外側円筒部29上方内部に突設した保護板36の先端位置はバーナー18の火口21、21a …より内周側としている。
【0012】
図3、4に示す様に、輻射部27における内外側円筒部28、29の上方には平面視リング状で断面山形状の輻射板30を配置しており、頂点より内方側では支持板32の上昇傾斜部33との間に流通空間37を有する様に、上昇傾斜部33の内側上方に上昇傾斜部33と略平行状態で内側から上方外側に傾斜した第1輻射板38を配置しており、該第1輻射板38の内周下端の基端連結部35a を内側円筒部28の上端に固定している。
他方、第1輻射板38の頂点から外側下方に、支持板32の降下傾斜部34と同角度の下方傾斜した第2輻射板39を連接し、該第2輻射板39の下方先端部40を支持板32上方先端の降下傾斜部34に載置している。
尚、外側円筒部29の支持板32に対して輻射板30は載置支持する状態と成したが、溶接等で連結固定としても良い。
【0013】
そして、山形状の輻射板30における内方側の第1輻射板38及び外方側の第2輻射板39には適宜形状で上下方向のガス通過孔41、41a …、42、42a …、43、43a …を夫々開口し、第1、2輻射板38、39の一部のガス通過孔は長円と成し、燃焼ガスの通過性を向上させている。
【0014】
中央円形通過孔44を有する内側円筒部28はリング状のバーナー18の中央に配置され、好ましくは、内側円筒部28の外周周囲にバーナー18のガス炎が到達し、通過孔44内に流入しない様に、内側円筒部28の下端位置をバーナー18の火口21、21a …より下側に設定し、更に、内側円筒部28の下端に下方拡径でラッパ状の誘導板45を取付けている。
又、内側円筒部28と外側円筒部29の間を広域の流通空間46と成し、内側円筒部28の外周面適宜位置に、半径方向に邪魔板47、47a …を突出させている。
【0015】
次に本発明に係るロースターの輻射加熱板の作用について説明する。
リング状のバーナー18の火口21、21a …から内方に噴射される炎を含む燃焼ガスは、誘導板45より上方で内側円筒部28の外周面に接近し、バーナー18の導入部19と火口21、21a …の位置関係でガス噴射圧が相違しても邪魔板47、47a …の存在で円周方向の流動が阻止されながら、徐々に上昇する。
そして、内側円筒部28と外側円筒部29の間の流通空間46を上昇し、輻射部27における支持板32の上昇傾斜部33と第1輻射板38の間の流通空間37を上昇し、第1輻射板38、第2輻射板39のガス通過孔41、41a …、42、42a …、43、43a …を通過し、上昇する。
この燃焼ガス上昇により、輻射板30の第1輻射板38、第2輻射板39を加熱し、加熱された輻射板30の第1輻射板38、第2輻射板39は輻射熱を発生し、ロストル15上の肉類を燃焼ガス、輻射熱で加熱調理する。
【0016】
輻射部27の輻射板30は特定形状を有することにより、ロストル15及びロストル15上の肉類を均一加熱する。
即ち、輻射板30における山形内方側の第1輻射板38の垂直線はロストル15の中央、その上部、それらの周囲を指向して、主にロストル15の中央部を加熱し、輻射板30における山形外方側の第2輻射板39の垂直線はロストル15の周囲等を指向して、主にロストル15の周囲部を加熱する。
尚、輻射熱、遠赤外線は基本的に上方全方向に放射されて均一加熱を行う作用を有し、燃焼ガスは上昇すると共に、トッププレート12の吸気孔14、14a …に吸引される。
【0017】
【発明の効果】
要するに本発明は、下部にバーナー18を、中間部に輻射部27を、上部に調理物載置具を夫々配置したロースターと成したので、バーナー18で輻射部27を加熱し、輻射部27から発生する輻射熱並びに燃焼ガスでロストル15上の肉類を加熱調理することが出来る。
又、上下方向のガス通過孔41、41a …、42、42a …、43、43a …を設けた平面視リング状の輻射板30により、燃焼ガスの通過で輻射部27を全体的に加熱することが出来たり、排気間隙を確保することが出来る。
又、平面リング状の輻射板30は断面山形状と成し、内側の第1輻射板38は内方側を下方傾斜と成すと共に外側の第2輻射板39は外方側を下方傾斜と成したので、山形状で燃焼ガスが中央振分されて第1輻射板38と第2輻射板39の両方の加熱を均等化することが出来たり、第2輻射板39の外周等の特定個所を低くしてロストル15への加熱集中を防止することが出来、内方側の第1輻射板38はロストル15の中央部を主に加熱し、外方側の第2輻射板39はロストル15の周辺部を主に加熱し、ロストル15を均等に加熱することが出来、又内側の第1輻射板38の内端に内側円筒部28を取付けると共に、外側の第2輻射板39の外端に外側円筒部29を取付け、バーナー18はリング状と成すと共にバーナー18の火口21、21a …を外側円筒部29の略直下位置又は外側と成したので、燃焼ガスは、内側円筒部28と外側円筒部29で形成される流通空間46を誘導されて上昇することにより、効率的に輻射板30を加熱することが出来、更に、火口21、21a …から噴射する燃焼ガスが外方に拡散することを外側円筒部29が阻止して、流通空間46に確実に誘導することが出来たり、上部ドレンパン11の水槽部24の加熱を防止することが出来、又バーナー18に肉汁が落下することを防止出来る。
【0018】
輻射部27の外側円筒部29の上方部の上昇傾斜部33を第1輻射板38と略平行状態と成し、両者間に流通空間37を形成したので、流通空間46を通過上昇した燃焼ガスが上部山形状の流通空間37に流入し、山形状の第1輻射板38、第2輻射板39の両者を加熱することが出来る
【0019】
内側円筒部28の下端をバーナー18の火口21、21a …より下方と成すと共に、内側円筒部28の下端に下方大径の誘導板45を設けたので、バーナー18から水平方向に噴出されるガス炎をガイドして確実に上昇させることが出来る。
【0020】
内側円筒部28より外側に邪魔板47、47a …を突設したので、バーナー18から不均等にガス炎が噴出されても、水平回転流を防止して流通空間46を確実に上昇させることが出来る。
【0021】
外側円筒部29の内方に保護板36を突設し、該保護板36の内方位置をバーナー18の火口21、21a …より内側としたので、落下肉汁がバーナー18に落下することを防止出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロースター主要部の断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の輻射部の平面図である。
【図4】図3の断面図である。
【符号の説明】
18 バーナー
21、21a … 火口
27 輻射部
28 内側円筒部
29 外側円筒部
30 輻射板
33 上昇傾斜部
36 保護板
37 流通空間
38 第1輻射板
39 第2輻射板
41、41a … ガス通過孔
42、42a … ガス通過孔
43、43a … ガス通過孔
45 誘導板
46 流通空間
47、47a … 邪魔板

Claims (5)

  1. 下部にバーナーを、中間部に輻射部を、上部に調理物載置具を夫々配置したロースターと成し、
    上下方向のガス通過孔を設けた平面視リング状の輻射板は断面山形状と成し、内側の第1輻射板は内方側を下方傾斜と成すと共に外側の第2輻射板は外方側を下方傾斜と成し、内側の第1輻射板の内端に内側円筒部を取付けると共に、外側の第2輻射板の外端に外側円筒部を取付け、
    バーナーはリング状と成すと共にバーナーの火口を外側円筒部の略直下位置又は外側と成したことを特徴とするロースターにおける輻射加熱板。
  2. 輻射部の外側円筒部の上方部の上昇傾斜部を第1輻射板と略平行状態と成し、両者間に流通空間を形成したことを特徴とする請求項1記載のロースターにおける輻射加熱板。
  3. 内側円筒部の下端をバーナーの火口より下方と成すと共に、内側円筒部の下端に下方大径の誘導板を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のロースターにおける輻射加熱板。
  4. 内側円筒部より外側に邪魔板を突設したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のロースターにおける輻射加熱板。
  5. 外側円筒部の内方に保護板を突設し、該保護板の内方位置をバーナーの火口より内側としたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のロースターにおける輻射加熱板。
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