JP3895937B2 - 差圧・圧力センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、差圧または圧力を検出する差圧・圧力センサに関し、さらに詳しくは静圧を検出し、その検出信号によって差圧または圧力信号を補正することにより、差圧または圧力をより高精度に検出し得るようにした複合機能型の差圧・圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、差圧または圧力を検出する差圧・圧力センサとしては、Siダイアフラムを使用したものが知られている。このSiダイアフラム型差圧・圧力センサは、半導体結晶からなる基板の表面に不純物を拡散させるかまたはイオン打ち込み技術によりピエゾ抵抗領域として作用するゲージ(拡散抵抗)を形成するとともに、Alの蒸着等によりリードを形成し、裏面の一部をエッチングによって除去することにより厚さ数μm〜数百μm程度の起歪部、すなわちダイアフラムを形成して構成したものである。測定に際しては、ダイアフラムの表裏面に測定圧力をそれぞれ加えると、その差圧に応じてダイアフラム内に生じる応力が変化するので、ゲージの比抵抗が変化し、この時の抵抗変化に伴う出力電圧を検出することにより差圧または圧力を測定することができる。
【0003】
このような差圧・圧力センサは従来から種々提案されているが、工業用においては静圧の高い状態で差圧・圧力を検出しなければならないことが多く、センサチップ上のゲージ配置によっては、静圧の影響が差圧・圧力に影響したり、反対に差圧・圧力が静圧に影響し、出力のゼロ点がシフトするという問題があった。このような影響をクロストークと呼んでいる。
【0004】
図5および図6に、クロストークの影響を抑え出力のゼロ点シフトを小さくし得るようにした差圧・圧力センサ(特開平9−304206号公報)の従来例を示す。この差圧・圧力センサ1は、結晶面方位が(100)面のp型単結晶Siからなる正方形のセンサチップ2を有している。センサチップ2は、表面中央部に形成された正方形のダイアフラム3と、センサチップ2の外周部を形成し前記ダイアフラム3を取り囲む厚肉部2aとからなり、裏面中央にはダイアフラム3の形成によって正方形の凹陥部5が形成され、厚肉部2aが台座4に接合されている。
【0005】
前記ダイアフラム3は、その対角線a,aがセンサチップ2の対角線b,bと直交するようにセンサチップ2に対して略45°傾いた状態で形成され、表面の周縁部付近にはピエゾ領域として作用し差圧または圧力を検出する4つの差圧または圧力検出用のゲージ6a〜6dがセンサチップ2の対角線b,b上に位置するように形成されている。また、これらのゲージ6a〜6dは、センサチップ2の結晶面方位(100)においてピエゾ抵抗係数が最大となる<110>の結晶軸方向に形成されている。このようなゲージ6a〜6dは、拡散またはイオン打ち込み法によって形成され、図示しないリードによってホイーストーンブリッジに結線されており、ダイアフラム3の表裏面に測定圧力P1,P2がそれぞれ印加されると、その変形に伴い各ゲージ6a〜6dの比抵抗が変化し、測定圧力P1 ,P2 の差圧信号を差動的に出力する。
【0006】
このときのゲージ6a〜6dの抵抗変化率は、次式によって表される。
ΔR/R=π44(σr−σθ)/2 ・・・・・(1)
ただし、π44はピエゾ抵抗係数、σrはダイアフラムの辺に垂直な応力、σθはダイアフラムの辺に平行な応力である。
【0007】
前記台座4は、センサチップ2と熱膨張係数が近似したパイレックスガラス、セラミックス等によって形成され、中央には前記センサチップ2の裏面側に形成した凹陥部5を介してダイアフラム3の裏面側に測定圧力P1 を導く貫通孔7が形成されている。
【0008】
ここで、ダイアフラム3の両面にかかる測定圧力P1 ,P2 の差が零であっても静圧や温度が変化した場合、材料の相違および形状により上記(1)式におけるσr−σθの差が零にならず出力を発生させるため、ゼロ点がシフトするという問題が生じる。この場合、センサチップ2が円形でかつ円形のダイアフラムを有する場合は、ダイアフラムがセンサチップの軸線に関して対称性を有するため何等問題ないが、正方形の場合は軸対称性が失われるため、静圧または温度変化によりσr≠σθとなり、ゲージ6a〜6dの抵抗値が変化する。すなわち、センサチップ2と台座4の接合面はダイアフラム3の変形に関係し、正方形のセンサチップ2に対し正方形のダイアフラム3を互いに対角線が45°の角度で交差するように略45°傾けて形成した場合、センサチップ2の接合面のうち対角線b方向の接合面の長さが長く、そのため厚肉部2aの裏面全体を接合した場合は、ダイアフラム3の辺に垂直な応力σrがダイアフラム3の辺に平行な応力σθより小さくなる。その結果として、ゼロ点シフトが発生し、差圧を高い精度で検出することができなくなる。
【0009】
そこで、この差圧・圧力センサ1は、応力を緩和しクロストークを少なくするためにセンサチップ2の厚肉部2aの裏面の一部のみを台座4に接合している。すなわち、厚肉部2aの裏面の一部に段差部10を形成し、この段差部10が形成されている部分を台座4から離間させることにより非接合部13とし、段差部10が形成されていない部分を台座4に接合することにより接合部13Aとしている。段差部10の形成箇所は、センサチップ2の裏面の各角部で、非接合部13が接合部13Aより外側に位置している。非接合部13の大きさは、ゲージ6a〜6dに生じるダイアフラム3の辺に垂直な方向の応力σrとダイアフラム3の辺に平行な方向の応力σθが等しくなるように形成されている。言い換えれば、非接合部13の長さAと接合部13Aの長さBとの比A/Bを最適化することにより、σr=σθとし、静圧や温度によるゼロ点シフトを最小になるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の差圧・圧力センサ1は、厚肉部2aの裏面の一部に非接合部13を形成し、この非接合部13の長さAと接合部13Aの長さBとの比A/Bを最適化することによりσr=σθとし、静圧や温度によるゼロ点シフトを最小になるようにしている。しかしながら、実際にはσrとσθを完全に等しくすることはきわめて難しいため、静圧検出用のゲージを同一チップ上に設け、その検出信号により差圧または圧力検出用ゲージの検出信号を補正することにより、差圧または圧力をより高精度に測定することが一般的に行われている。この静圧検出用ゲージの特性としては、▲1▼静圧に高い感度をもつ、▲2▼差圧に対して感度が低いことが要求される。ところが、この静圧検出用ゲージは通常ダイアフラム上に設けられているので静圧に対して感度が低く、また差圧等から受けるクロストークも大きく、差圧または圧力信号を高い精度で補正することができないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明者等は非接合部13の有無と、静圧検出用ゲージの位置との関係について種々検討し、試作品を製作して実験を行った結果、静圧に対する感度を上げる方法については、非接合部13の長さAと接合部13Aの長さBとの比A/Bを調整することで発生応力のピークが変化し、この現象を利用することで静圧検出用ゲージを高感度化することができることを見出した。
【0012】
一方、差圧に対する感度を低減する方法については、非接合部13を設けない場合と非接合部13を設けた場合における静圧による発生応力と、差圧による発生応力を測定した。図7はその発生応力を示す図で、曲線I は差圧による発生応力、曲線IIは非接合部13を設けない場合の静圧3による発生応力、曲線III は非接合部13を設けた場合の静圧Iによる発生応力をそれぞれ示す。この図から明らかなように、非接合部13を設けると、設けない場合に比べて発生応力III に高い区間Xが存在する。これは、すなわち区間X内にあれば非接合部13を設けない場合に比べて高い静圧感度をもつことを意味している。
【0013】
差圧による発生応力I は、ダイアフラム3の外縁21において急峻なピークとなる。2つの発生応力I ,III を比較すると、非接合部13を設けない場合における静圧3による応力IIの区間X内のピークに比較した応力低下と、差圧による影響の緩和の比は、区間X内で一致しておらず、差圧による応力I と静圧1による応力III の比が最小になるポイントを算出することができる。したがって、静圧検出用のゲージを、センサチップ2の厚肉部2aの発生応力III の区間X内で、かつ非接合部13上の表面に設けると、静圧の感度を差圧に比べて大きくとれ、上記要件▲1▼、▲2▼を満足することが判明した。特に、その位置の一部で静圧による発生応力III のピークをもつことが判っているので、ここに静圧センサを配置すればきわめてクロストークの少ない静圧を測定することが可能となる。
【0014】
本発明は上記した従来の問題および実験結果に基づいてなされたもので、その目的とするところは、静圧検出用のゲージを最適位置に設けることにより、感度が静圧に対して高く、差圧に対して低く、クロストークを低減し得、検出精度を向上させるようにした差圧・圧力センサを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために第1の発明は、センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムに差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたものである。
【0016】
第2の発明は、センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの周縁部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたものである。
【0017】
第3の発明は、センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの中心部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたものである。
【0018】
第4の発明は、センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの表面周縁部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたものである。
【0019】
第5の発明は、センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの表面中心部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたものである。
【0020】
このような発明において、センサチップの厚肉部と基台との間に非接合部を設けると、設けない場合に比べて静圧による発生応力に高い区間ができる。この区間の応力は接合部の外側縁付近をピークとして接合部からダイアフラムの中心および非接合部に向かうにしたがって徐々に減少する。差圧による発生応力は、ダイアフラムの縁部をピークとして急激に減少する。静圧による発生応力と差圧による発生応力の差が大きい位置は、前記高い区間と一致している。したがって、静圧検出用のゲージを前記区間内でかつ非接合部のセンサチップ表面に設けると、感度が静圧に対しては高く、差圧に対しては低くなり、クロストークを低減することができる。
【0021】
静圧による発生応力の高い区間は、接合部と非接合部にわたっているため、非接合部のセンサチップ表面に設けられる静圧検出用のゲージは、その一部が接合部のセンサチップ表面にまで延在するものであってもよい。ただし、ダイアフラムの縁部近づくにしたがって差圧による発生応力が大きくなり、反対に静圧による発生応力が小さくなるため、ダイヤフラムの縁部に近寄らないように接合部に延在する部分の長さを非接合部に設けられる部分の長さより短くすることが望ましい。
【0022】
多角形のダイアフラムを有する多角形のセンサチップにおいては、センサチップの軸線に関して軸対称性を示さないため、台座をセンサチップの裏面全体に接合した場合、差圧または圧力検出用のゲージを形成した位置における応力は、ダイアフラムの中心方向に向かう応力σrがこれと垂直な方向の応力σθより小さく、σr<σθとなる。台座とセンサチップとの接合部を少なくしていくと、逆にダイアフラムの中心方向に対して垂直な方向の応力σθが小さくなり、σr>σθとなる。そこで、センサチップと台座との間に非接合部を設け、非接合部の長さと接合部の長さとの比を最適化するとσrとσθを略等しくすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る差圧・圧力センサの一実施の形態を示す平面図、図2は図1のII−II線断面図である。なお、従来技術の欄で示した構成部材等と同一のものについては同一符号をもって示し、その説明を適宜省略する。これらの図において、全体を符号30で示す差圧・圧力センサは、結晶面方位が(100)面のp型単結晶Siからなる正方形のセンサチップ2を有している。
【0024】
前記センサチップ2は、表面中央部に形成された正方形のダイアフラム3と、センサチップ2の外周部を形成し前記ダイアフラム3を取り囲む厚肉部2aとからなり、裏面中央にはダイアフラム3の形成によって正方形の凹陥部5が形成され、厚肉部2aが台座4に陽極接合されている。台座4は、パイレックスガラス、セラミックス等によってセンサチップ2と略同一の大きさを有する角柱体に形成されている。
【0025】
前記ダイアフラム3は、その対角線a,aがセンサチップ2の対角線b,bと45°の角度で交差するようにセンサチップ2に対して略45°傾いた状態で形成され、表面の周縁部付近にはピエゾ領域として作用し差圧または圧力を検出する4つの差圧または圧力検出用のゲージ6a〜6dがセンサチップ2の対角線b,b上に位置するように形成されている。また、これらのゲージ6a〜6dは、センサチップ2の結晶面方位(100)においてピエゾ抵抗係数が最大となる<110>の結晶軸方向に形成されている。
【0026】
前記センサチップ2の厚肉部2aは、裏面の一部のみが台座4の表面に接合され、残りの部分が台座4に接合されないことにより、非接合部13と接合部13Aとからなり、非接合部13が接合部13Aより外側で厚肉部2aの各角部に位置し、接合部13Aが外形八角形の枠状でダイアフラム3を取り囲んでいる。
【0027】
この場合、本実施の形態においては、台座4の表面で前記各非接合部13に対応する角部に段差部14を形成することにより、厚肉部2aの各角部を台座4から離間させて非接合部13とした例を示しているが、これに限らず図5および図6に示した従来構造と同様に、厚肉部2aの裏面側に形成した段差部10によって非接合部13を設けてもよいことは勿論である。
【0028】
前記センサチップ2と台座4の接合面はダイアフラム3の変形に関係し、正方形のセンサチップ2に対し正方形のダイアフラム3を互いに対角線が45°の角度で交差するように45°傾けて形成した場合、センサチップ2の接合面のうち対角線方向の接合面の長さが長く、そのため厚肉部2aの裏面全体を接合するとダイアフラム3の辺に垂直な応力σrがダイアフラム3の辺に平行な応力σθより小さくなる。そこで、非接合部13を設け、その長さAと接合部13Aの長さBとの比A/Bを最適化することにより、応力σrと応力σθを略等しくすることができる。
【0029】
さらに、前記センサチップ2の表面で前記非接合部13に対応する厚肉部2aの表面には、静圧を検出しその検出信号によって前記差圧または圧力検出用ゲージ6a〜6dの検出信号を補正する4つの静圧検出用のゲージ15a〜15dが設けられている。これらの静圧検出用ゲージ15a〜15dは、センサチップ2の対角線b,b上で各角部に位置するように設けられている。また、センサチップ2の結晶面方位(100)においてピエゾ抵抗係数が最大となる<110>の結晶軸方向に長く形成されている。このような静圧検出用ゲージ6a〜6dは、差圧または圧力検出用ゲージ6a〜6dと同様に拡散またはイオン打ち込み法によって形成され、図示しないリードによってホイーストーンブリッジに結線されており、静圧による非接合部13の変形に伴い比抵抗が変化することにより静圧を検出し、その検出信号によって差圧または圧力検出用センサ6a〜6dの検出信号を補正する。
【0030】
図7はセンサチップ2に発生する応力を示す図である。曲線I は差圧による発生応力、曲線IIは非接合部13を設けない場合の静圧3による発生応力、曲線III は非接合部13を設けた場合の静圧Iによる発生応力をそれぞれ示す。静圧検出用のゲージ15a〜15dは、非接合部13の表面でダイアフラム3の中心からD1 離れた位置に設けられている。
【0031】
この図から明らかなように、非接合部13を設けると、設けない場合に比べて静圧による発生応力III に高い区間Xが生じる。この区間Xにおける応力は接合部13Aの外縁20付近をピークとして接合部13Aからダイアフラム3の中心および非接合部1方向に遠ざかるにしたがって減少する。差圧による発生応力III は、ダイアフラム3の外縁21をピークとして急激に減少する。静圧1による発生応力III と差圧による発生応力I の差が大きい位置は、前記高い区間Xと一致している。したがって、静圧検出用ゲージ15a〜15dを前記区間X内でかつ非接合部13のセンサチップ2表面に設けると、静圧に対しては感度が高く、差圧に対しては感度が低く、クロストークを低減することができ、差圧または圧力検出用ゲージ6a〜6dによる検出信号を高精度に補正することができる。
【0032】
静圧による発生応力III の高い区間Xは、図7に示すように接合部13Aと非接合部13の両部にまたがっているため、静圧検出用ゲージ15a〜15dを、その一部が接合部13Aのセンサチップ2表面にまで延在するものであってもよい。ただし、接合部13Aでは差圧による発生応力I がダイアフラム3の外縁21に向かうにしたがい大きくなり、反対に静圧による発生応力III が小さくなり、両発生応力I,III の差が小さくなるため、接合部13Aに延在する部分の長さは非接合部13に設けられる部分の長さより短いことがことが望ましい。
【0033】
図3は本発明の他の実施の形態を示す平面図、図4は図3のIV−IV線断面図である。この実施の形態は、結晶面方位が(100)面のp型単結晶Siからなる正方形のセンサチップ2の表面中央部に四角形のダイアフラム3を、その対角線がセンサチップ2の対角線と一致するように形成し、センサチップ2の厚肉部2aを台座4の上面に接合して差圧・圧力センサ40を構成した例を示す。
【0034】
前記台座4は、図において左右両側縁部に段差41がそれぞれ形成されており、これによりセンサチップ2の厚肉部2aの両側縁部を、台座2の表面に接合される接合部13Aと、台座4に接合されない非接合部13としている。
【0035】
前記ダイアフラム3の表面外周縁部で各辺の中央位置には、ピエゾ領域として作用し差圧または圧力を検出する4つの差圧または圧力検出用ゲージ6a〜6dが形成されている。これらのゲージ6a〜6dは、センサチップ2の結晶面方位(100)においてピエゾ抵抗係数が最大となる<110>の結晶軸方向に長く形成されている。前記厚肉部2aの表面には、4個の静圧検出用ゲージ15a〜15dが、ダイアフラム3を挟んでその両側に2つずつ位置するように形成されている。これらの静圧検出用ゲージ15a〜15dは、接合部13Aと非接合部13の境界線45上に位置するように形成されている。また、静圧検出用ゲージ15aと15b、および15cと15dは、それぞれ互いに直交するように90°向きを異ならせて形成されている。さらに、静圧検出用ゲージ15aと15c、および15bと15dは、それぞれ互いに直交するように90°向きを異ならせて形成されている。
【0036】
このような構造においても、非接合部13の長さAと接合部13Aの長さBとの比A/Bを最適化し、静圧検出用ゲージ15a〜15dを接合部13Aと非接合部13の境界線45上に位置するように厚肉部2aの表面に形成すると、上記した実施の形態と同様に静圧に対しては感度が高く、差圧に対しては感度が低く、クロストークを低減することができ、差圧または圧力を高精度に検出することができる。
【0037】
なお、本発明は上記した実施の形態に特定されるものではなく、本発明を逸脱しない限り種々の変更が可能であり、例えばダイアフラムの表面(裏面)中心部に差圧または圧力検出用のゲージを設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る差圧・圧力センサは、センサチップの厚肉部が台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたので、静圧に対しては感度が高く、差圧に対しては感度が低く、クロストークを低減することができる。したがって、ゼロ点シフトが生じず、差圧または圧力信号を補正することにより、差圧または圧力を高精度に検出することができ、センサの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る差圧・圧力センサの一実施の形態を示す平面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態を示す平面図である。
【図4】 図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 差圧・圧力センサの従来例を示す平面図である。
【図6】 図5のVI−VI線断面図である。
【図7】 発生応力を示す図である。
【符号の説明】
1…差圧・圧力センサ、2…センサチップ、3…ダイアフラム、4…基台、5…凹陥部、6,6a〜6d…差圧または圧力検出用のゲージ、10…段差部、13…非接合部、13A…接合部、15a〜15d…静圧検出用のゲージ。

Claims (5)

  1. センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムに差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、
    前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたことを特徴とする差圧・圧力センサ。
  2. センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの周縁部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、
    前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたことを特徴とする差圧・圧力センサ。
  3. センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの中心部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、
    前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたことを特徴とする差圧・圧力センサ。
  4. センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの表面周縁部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、
    前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたことを特徴とする差圧・圧力センサ。
  5. センサチップの中央部にダイアフラムを有し、このダイアフラムの表面中心部に差圧または圧力検出用のゲージを設け、前記ダイアフラムを取り囲む厚肉部の裏面側を台座に接合した差圧・圧力センサにおいて、
    前記センサチップの厚肉部は、前記台座に接合される接合部と、この接合部の外側に設けられる段差によって前記台座に接合されない非接合部とを有し、この非接合部に対応するセンサチップの表面側に静圧検出用のゲージを設けたことを特徴とする差圧・圧力センサ。
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