JP3895807B2 - マルチスライスct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線源を対象物に対して相対的に周回させながら周回軸に平行に直線的に移動させ、X線源から円錐状に放射されたX線を対象物に照射し、この対象物を透過したX線を、X線検出素子を2次元的に配列したX線検出器により検出し、このX線検出器から得られた検出データに基づいて対象物の断層画像を再構成するマルチスライスCT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シングルスライスCT(computed tomography) 装置は、図13( a )に示すように、X線源101から扇状にX線ビームを被写体へ照射し、X線源101に対向配置され、X線検出素子を扇状にNチャンネル( N個 )、例えば1000チャンネル、を1列に並べて構成された1次元X線検出器102により、被写体を透過したX線を検出する。
そして、X線源101及び1次元X線検出器102は、被写体を介する対向した位置関係を維持しながら、被写体の周囲を回転しながら1回転でKビュー、例えば1000ビュー( 1000回 )、のデータ収集を行い、1次元X線検出器102から得られたX線データに基づいて画像( X線投影画像 )を再構成するものである。
【0003】
マルチスライスCT装置装置は、図13( b )又は図14に示すように、X線源103から円錐状にX線ビームを被写体へ照射し、シングルスライスCT装置用の1次元X線検出器102をスライス面に垂直な方向( Z軸方向 )にM列積層した( Nチャンネル×Mセグメント )ように、X線検出素子を円筒内面上に配置した2次元X線検出器104,105により、被写体を透過したX線を検出する。なお、図13( b )に示す2次元X線検出器104は4セグメントの例である。
【0004】
そして、シングルスライスCT装置と同様に、X線源103及び2次元X線検出器104は、被写体を介した対向した位置関係を維持しながら、被写体の周囲を回転しながら1回転でKビューのデータ収集を行い、2次元X線検出器104から得られたX線データに基づいて画像( X線投影画像 )を再構成するものである。
【0005】
図15( a )に示すように、シングルスライスCT装置及びマルチスライスCT装置装置では、X線源101( 103 )と1次元( 2次元 )X線検出器102( 104 )とが被写体の周囲の同一の円軌道を周回するスタティックスキャン( シングルスキャン又はコンベンショナルスキャン )方式と、図15( b )に示すように、シングルスライスCT装置では、X線源101と1次元X線検出器102とが被写体の周囲をらせん状に連続的に周回する。すなわち、X線源101と1次元X線検出器102とが被写体の周囲の同一の円軌道を周回すると共にその回転と同期して被写体を載置した天板( 寝台 )が体軸( スライス面に垂直な軸 )に沿って移動するヘリカルスキャン方式とが行われる。
【0006】
ファンビーム再構成法及びコーンビーム再構成法の例は、特願平8−1015号、特願平8−1213号及び特願平8−10218号の従来の技術及び実施の形態において記載されている。
また、Feldkamp-Helical再構成法は、2次元X線検出器を使用して被写体周囲をらせん状にヘリカルスキャンし、Feldkamp再構成法を応用した3次元再構成法でX線ビームパス上にデータを逆投影して再構成する方法であり、下記参考文献に記載されている。
【0007】
記
1、”円すいビームを投影を用いた3次元ヘリカルスキャンCT”( 東北大学工藤博幸、筑波大学齊藤恒夫 )電子情報通信学会論文誌DIIVol.J74-D-II,pp.1108-1114,1991年 8月
2、特願平7−169963号”コーンビームCT”
図16は、ヘリカルスキャンを示した模式図である。縦軸が回転位相を示し、横軸がZ軸( 体軸 )位置を示す。従って、上横線が回転位相0°であり下横線が360°であるので、この上横線と下横線とは同じ位相を表しており、ヘリカルスキャンを示すビーム( ファンビーム )の移動線( 斜めの線 )は下横線から上横線へと繋がっている。このビームの移動線は平行に通っており、同位相における1回転差の間隔( 1回転当たりの寝台( 天板 )の送り量 )であるヘリカルピッチP0 は、通常ビームの回転中心( FOV=有効視野の中心 )におけるスライス厚と同様としている。
【0008】
画像再構成を行うためにはスライス位置における360°の投影データ( X線検出データ )が必要となるが、上述した図16に示すようなシングルスライスCTでのヘリカルスキャンにおいては、再構成する画像のスライス位置における投影データは、1ビュー( 1つの位相 )だけとなる。従って、他の位相については、前後の回転における同位相のビューのデータを( スライス方向に )補間して、再構成する画像のスライス位置における投影データを算出するのである。これを必要なビューについて行い、このようにして画像再構成を行うためのスライス位置における360°の投影データとする。この補間方法には、360°補間法と対向ビーム補間法とがある。
【0009】
図17は、360°補間法で使用されるスライス位置の前後の回転における同位相の1組のビーム( ビュー )B1 ,B2 を示したものである。Sは、再構成する画像のスライス位置を示す。図18にも示すように、360°補間法では、補間する前後の回転における1組のビームB1 ,B2 の位置の距離は、ヘリカルピッチP0 =スライス厚と等しくなっている。補間は、この同位相のビームB1 ,B2 のスライス位置から距離の逆比で線形補間してスライス位置のその位相のビームとするものである。
【0010】
図19は、対向ビーム補間法で使用される基準となるビーム( ビュー )B3 とその対向ビーム( ビュー )B4 〜B5 とを示す図である。この対向ビーム補間法では、図20に示すように、基準となるビームB3 のファン角度の範囲に対向する位置( 位相 )のビームのそれぞれの所定のチャンネルのデータを集めて対向ビームB6 が構成される、基準となるビームB3 とその対向ビームの中央チャンネルのビームB4-5 との間の距離は、図21に示すように、ヘリカルピッチP0 の1/2である。しかし、図19及び図20に示すように、対向ビームB6 は、各ビームB4 〜B5 における所定チャンネルのデータの寄せ集めであるため、各ビューに対応するビーム毎に基準となるビームB3 との間の距離は一定ではなく、ファン角度の範囲だけ広がりを持つ。
【0011】
このようにして求められた対向ビームB6 と基準となるビームB3 とで線形補間を行う。
ところで、スライス方向( 体軸、Z軸方向 )におけるシステムのレスポンス( スライスプロファイル )は、正確に矩形ではなく、図22に示すように、やや崩れた台形あるいは単峰形になる。このようなスライスプロファイルにおいて半値幅が実効スライス厚となる。この実効スライス厚は画質を決定する一つの要因であり、薄いほど良い。
【0012】
ヘリカルスキャンでの補間における実効スライス厚は、補間する2つのビームの距離が近いほど薄くなる。2つのビームの距離がヘリカルピッチP0 である360°補間法において、実効スライス厚は約1.4P0 であり、2つのビームの距離が約P0 /2である対向ビーム補間法において、実効スライス厚は約1.1P0 である。
【0013】
マルチスライスCT装置におけるヘリカルスキャンのヘリカルピッチPは、前述のシングルスライスCTにおけるヘリカルピッチP0 の概念を拡張して以下の式で定義する。
P=Σ( P0 ) =トータルのスライス厚
図23は、2列のマルチスライスCT装置( Nseg =2 )で360°補間法を発展させた隣接補間法で補間した場合を示すものである。 Seg1は第1列目の検出器列( X線検出素子列 )への第1のビーム( ファンビーム )の移動線を示し、 Seg2は第2列目の検出器列への第2のビーム( ファンビーム )の移動線を示している。従って、 Seg1と Seg2との間の距離をP0 とすると、ヘリカルピッチPは2P0 となる。Sが求めるスライス位置である。
【0014】
スライス位置Sの位相E1のデータを求めるためには、 Seg1のビームB7と Seg2のビームB8とを補間し、位相E2のデータを求めるためには、 Seg1のビームB9と Seg2のビームB10とを補間する。この補間はスライス位置を挟む同位相の2つのビームのスライス位置からの距離の逆比で線形補間してスライス位置のその位相のビームとするものである。
【0015】
この隣接補間法では、図24( a )及び図24( b )に示すように、補間に使用する2つのビームの距離がスライス厚P0 となるので、実効スライス厚は360°補間法と同程度の1.4P0 となる。
実効スライス厚を薄くする方法として、マルチスライスCT装置において対向ビームを使用した補間方法を考える。
【0016】
図25は、Nseg =2のマルチスライスCT装置で使用される Seg2の基準となるビームB11とその対向ビームB12〜B13を示したものである。この Seg1上の対向ビームB12〜B13により構成される、基準となるビームB11と同位相の対向ビームはほとんど基準となるビームB11と重なる。すなわち、シングルスライスと同様に考えれば、基準となるビームB11の対向ビームは、対向ビームB12〜B13と同位相にある Seg2にあり、それらのビームB12〜B13から構成される、基準となるビームB11と同位相の対向ビームは Seg2にある。しかし、スライス位置Sに対してその対向ビームより近い同位相の対向ビームを構成するビームが Seg1上に存在する。すなわち対向ビームB12〜B13である。そして、この対向ビームB12〜B13により構成される、基準となるビームB11と同位相の対向ビームは、ほとんどこの基準となるビームB11と重なっている。すなわち、図26に示すように、その対向ビームB12〜B13の中央のチャンネルに該当するビームB14のスライス位置と基準となるビームB11のスライス位置とがほとんど一致する。
【0017】
また、図27は、Nseg =4のマルチスライスCT装置の各ビームの移動線を示す図である。なお、Sはスライス位置を示す。
この場合においても、 Seg1の基準となるビームB15に対して対向ビームB16〜B17は1回転前の Seg3にあり、これらのビームB16〜B17により構成される、基準となるビームB15と同位相の対向ビームは、その基準となるビームB15に重なっている。
【0018】
上述したようにNseg =偶数でヘリカルピッチがN・P0 ( P0 は1列の厚さ )の場合には、基準となるビームの位置とその対向ビームの位置がほとんど同一となり、実質的にサンプリング密度を上げる効果が得られない。
さらに、基準となるビームとその対向ビームとの線形補間( 外挿補間 )を行うと、下に示す補間式から、分母がほとんど0となって発散する可能性があり、補間による誤差が極端に大きくなる。
【0019】
データ=[−b・D1+a・D2]/( a+b )
ここで、aはスライス位置から基準となるビームの位置までのベクトル量、bは対向ビームからスライス位置までのベクトル量、D1は基準となるビームのデータ、D2は対向ビームのデータである。
【0020】
そのような極端に大きい誤差は、図28に示すように中央チャンネル付近で強いストリーク状のノイズを発生させるので、必要なビュー数で画像を形成すると、図29に示すように画像全体にストリーク状のノイズが発生してしまう。
このようなノイズの発生を防止するには、従来、特願平6−211046号に記載されているように、ヘリカルスピッチPを
P=[( Nseg /2 )−0.5]・P0
として、1回転で移動する距離を1/2にすると共にさらに0.5P0 分だけずらして、前後の回転でビーム位置が重ならないようにしたものである。
【0021】
従って、この方法によれば、補間に使用するデータの間隔を狭くすることにより、実効スライス厚を薄くすることができる。
別な方法としては、図30に示すように、ヘリカルピッチPを
P=[( Nseg /2 )+0.5]・P0
として、さらにフィルタ補間法を使用することにより、目的のスライス範囲に多くのデータが存在し、その全データを使用してデータを補間するので、より高画質な画像を得ることができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のマルチスライスCT装置では、ヘリカルピッチPを小さくしているので、ヘリカルスキャンの時間が長くなり、撮影対象が患者の場合に患者にかかる負担が大きいという問題があった。
【0023】
そこでこの発明は、ヘリカルピッチを小さくすることなく、実効スライス厚を薄くして画像の品質の向上を図ることができるマルチスライスCT装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1対応の発明は、X線源を対象物に対して相対的に周回させながら周回軸に平行に直線的に移動させ、前記X線源から円錐状に放射されたX線を前記対象物に照射し、この対象物を透過したX線を、X線検出素子を2次元的に配列したX線検出器により検出し、このX線検出器から得られた検出データに基づいて前記対象物の断層画像を再構成するマルチスライスCT装置において、前記周回軸の方向に関する前記X線検出器のX線検出素子の配列ピッチは、前記周回軸の方向に関する前記各X線検出素子列に前記X線源の前記周回及び前記移動に伴って入射するX線の移動線が、隣り合うX線検出素子列に入射するX線の移動線と重なり合わないように、不均等であること、を特徴とするマルチスライスCT装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。
図1は、この発明を適用したマルチスライスCT装置の概略の構成を示すブロック図である。
投影データ測定系としてのガントリ( 架台 )1は、扇形状のファンビームのX線束を発生するX線源3と、2次元アレイ型の2次元X線検出器5とを収容する。前記X線源3と前記2次元X線検出器5とは、寝台6のスライド天板に載置された被検体を挟んで対向した状態で回転リング2に装備される。
【0029】
前記2次元X線検出器5としては、複数個( 1000チャンネル )の検出素子を1次元的に1列に配列して構成したものを6列( 6セグメント )に積層したもので、前記回転リング2に実装される。ここで、1つの検出素子は1チャンネルに相当するものと定義する。
前記X線源3からのX線はX線フィルタ4を介して被検体に曝射される。被検体を通過したX線は前記2次元X線検出器5で電気信号として検出される。
【0030】
X線制御器8は高圧発生器7にトリガ信号を供給する。この高圧発生器7はトリガ信号を受けたタイミングで前記X線源3に高電圧を印加する。これによりX線源3からはX線が曝射される。
架台寝台制御器9は、前記ガントリ1の前記回転リング2の回転と、前記寝台6のスライド天板のスライドとを同期して制御する。システム全体の制御中枢としてのシステム制御器10は、被検体から見て前記X線源3が螺旋軌道を移動するいわゆる連続回転( 例えばヘリカルスキャン )を実行するように、前記X線制御器8と前記架台寝台制御器9を制御する。
【0031】
具体的には、前記回転リング2が一定の角速度で連続回転し、前記寝台6のスライド天板が一定の速度で移動し、前記X線源3から連続的又は一定角度毎に間欠的にX線が曝射される。
前記2次元X線検出器5からの出力信号は、チャンネル毎にデータ収集部11で増幅され、ディジタル信号に変換される。このデータ収集部11から出力される投影データは、再構成処理部12に取り込まれる。
【0032】
この再構成処理部12は、投影データに基づいてボクセル毎にX線吸収率を反映した逆投影データを求める。
ファンビームを使用した連続回転方式のX線CT装置において、有効視野( FOV、撮影領域 )は、連続回転の回転中心軸を中心として円筒形状となり、再構成処理部12は、この有効視野に複数個のボクセル( 3次元的に配置された画素 )を規定し、2次元X線検出器5からの投影データから各ボクセルの逆投影データを求める。この逆投影データに基づいて作成された3次元画像データ又は断層像データは表示装置14に送られ3次元画像又は断層像としてビジュアルに表示される。
【0033】
図2に示すように、このX線CT装置のジオメトリは、
検出器列数 M=6セグメント、
( X線検出素子列 )
チャンネル数 N=1000チャンネル、
各列のZ軸方向の高さ D=2,1,1,1,1,2mm、
( 回転中心でのスライス厚 )
トータルの厚み 8mm、
焦点−回転中心間距離 FCD(Focus-center-Distance )=600mm、
焦点−検出器間距離 FDD(Focus-Detector-Distance )=1200mm、
有効視野直径 FOV(Field of View )=500mm、
有効視野角(ファン角)θ=50°
となっている。
すなわち、このX線CT装置の2次元X線検出器5は、図3に示すように、コーンビームのアキシャル面に近い上下2列は1mmの狭い厚さの検出素子が配列されており、最も遠い上下両端の2列は2mmである。
【0034】
このような構成のこの第1の実施の形態においては、図4に示すように、各検出器列( 各X線検出素子列 )のビームの移動線が形成され、例えば、基準となるビームB21に対してスライス位置Sの近傍に対向ビームB22〜B23を求めることができる。これらの対向ビームB22〜B23により基準となるビームB21と同位相のビームB24が構成される。この同位相のビームB24を通る斜めの点線は、基準となるビームB21を通るビームの移動線に対する同位相のビームの移動線である。
【0035】
このように対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線は、隣接するセグメント( 検出器列 )のビームの移動線( 前の回転のセグメント6( 6列目 )のビームの移動線と次の回転のセグメント1( 1列目 )のビームの移動線とは隣接している )の間に重ならずに位置する。
なお、図示しないが、他の基準となるビームについても、同様に、セグメントのビームの移動線に重ならない、対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線が存在し、さらに他のスライス位置においても、同様に、セグメントのビームの移動線に重ならない、対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線が存在する。
従って、セグメントのビームの移動線に加えて同数の対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線が存在して、サンプリング密度が確実に高くなっている。
【0036】
このようにこの第1の実施の形態によれば、アキシャル面近傍のセグメント( 列 )の厚さを小さく( 1mm )し、アキシャル面から遠ざかるほどセグメントの厚さを大きく( 2mm )して、セグメントの厚さを不均等にしたことにより、対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線を、セグメントのビームの移動線と重ならせずにすることができ、サンプリング密度を確実に高くし、実効スライス厚を薄くすることができる。さらに、フィルタ補間法を使用するとさらに高画質な画像が得られる。
【0037】
この発明の第2の実施の形態を図5を参照して説明する。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは2次元X線検出器( 1000チャンネル×6セグメント )の厚さの異なるセグメントの配列が異なる点に特徴があり、その他の構成については第1の実施の形態と同一なので、その説明は省略する。
【0038】
すなわち、ジオメトリとして、
検出器列数 M=6セグメント、
各列のZ軸方向の高さ D=1,1,2,2,1,1mm、
( 回転中心でのスライス厚 )
トータルの厚み 8mm、
となっており、図5に示すように、アキシャル面を挟む上下の各セグメントは2mmで、アキシャル面から離れた上下各2個ずつのセグメントはそれぞれ1mmである。
【0039】
このような構成のこの第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、セグメントのビームの移動線に間に、対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線が重なることなく存在するので、サンプリング密度が確実に高くなっている。
【0040】
このようにこの第2の実施の形態によれば、アキシャル面近傍のセグメント( 列 )の厚さを大きく( 2mm )し、アキシャル面から遠ざかるほどセグメントの厚さを小さく( 1mm )して、セグメントの厚さを不均等にしたことにより、前述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
なお、この発明は上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態に限定されるものではなく、セグメントの厚さを、すなわち、セグメント間のピッチを不均等にして、対向ビームが基準となるビームとZ軸上の位置と重ならないようにすることが要旨であるため、上述した不均等6列の2次元X線検出器以外に各種列数や各種配置状態を有する各種不均等配列の2次元X線検出器が考えられる。
【0041】
この発明の第3の実施の形態を図6及び図7を参照して説明する。なお、この第3の実施の形態は、任意のスライス厚を得ることができるマルチスライスCT装置を実現するために、2次元X線検出器5( 1000チャンネル×12セグメント )の検出器列( セグメント )の配列に特徴があり、その他の構成は第1の実施の形態と同様なので、ここではその説明は省略する。
【0042】
ジオメトリとして、
検出器列数 M=12セグメント、
各列のZ軸方向の高さ D=8,4,2,1,0.5 ,0.5 ,0.5 ,0.5 ,1,( 回転中心でのスライス厚 ) 2,4,8mm、
トータルの厚み 32mm、
となっており、図6に示すように、アキシャル面を挟む上下2個ずつの各セグメントの厚さはそれぞれ0.5 mmであり、その上下1個ずつの各セグメントの厚さはそれぞれ1mm、その上下1個ずつの各セグメントの厚さはそれぞれ2mm、その上下1個ずつの各セグメントの厚さはそれぞれ4mm、さらに上下端の1個ずつの各セグメントの厚さはそれぞれ8mmである。
【0043】
このような構成のこの第3の実施の形態においては、図7( a )に示すように、2次元X線検出器5の各検出器列( 各セグメント )に対して、 Seg1〜 Seg12と番号を付す。
まず、スライス厚1mmの断面画像のデータ収集を考察する。
X線源3からのX線ビームをスライス方向にコリメートし、 Seg4から Seg9までの6列にX線ビームを照射する。このとき、2次元X線検出器5から得られる6列分のデータを収集しながら、ヘリカルピッチ=4mmでヘリカルスキャンを行う。
図7( b )は、データ収集に使用する Seg4から Seg9を示す図であり、 Seg4から Seg9の配列パターンは第1の実施の形態の配列パターンと同じである。これらの Seg4から Seg9までの6列から得られたデータにより対向ビーム補間法を使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚1mmの断面画像の投影データが得られる。
【0044】
次に、スライス厚2mmの断面画像のデータ収集を考察する。
X線源3からのX線ビームをスライス方向にコリメートし、 Seg3から Seg10までの8列にX線ビームを照射する。このとき、2次元X線検出器5から得れる8列分のデータを収集しながら、ヘリカルピッチP=8mmでヘリカルスキャンを行う。
図7( c )は、データ収集に使用する Seg3から Seg10を示す図である。これらの Seg3から Seg10までの8列から得られたデータについて、 Seg5と Seg6とを束ね処理し、 Seg7と Seg8とを束ね処理して合計6列分のデータを作成する。この束ね処理により、 Seg3から Seg10までの配列パターンは第1の実施の形態の配列パターンと同じとなる。この6列分のデータにより対向ビーム補間法を使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚2mmの断面画像の投影データが得られる。
【0045】
次に、スライス厚4mmの断面画像のデータ収集を考察する。
X線源3からのX線ビームをスライス方向にコリメートし、 Seg2から Seg11までの10列にX線ビームを照射する。このとき、2次元X線検出器5から得られる10列分のデータを収集しながら、ヘリカルピッチP=16mmでヘリカルスキャンを行う。
図7( d )は、データ収集に使用する Seg2から Seg11を示す図である。これらの Seg2から Seg11までの10列から得られたデータについて、 Seg4から Seg6までを束ね処理( 加算又は平均処理等 )し、 Seg7から Seg9までを束ね処理して合計6列分のデータを作成する。この束ね処理により、 Seg2から Seg11までの配列パターンは第1の実施の形態の配列パターンと同じになる。この6列分のデータにより対向ビーム補間法を使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚4mmの断面画像の投影データが得られる。
【0046】
次に、スライス厚8mmの断面画像のデータ収集を考察する。
X線源3からのX線ビームをスライス方向にコリメートし、 Seg1から Seg12までの12列にX線ビームを照射する。このとき、2次元X線検出器5から得れる12列分のデータを収集しながら、ヘリカルピッチP=32mmでヘリカルスキャンを行う。
図7( e )は、データ収集に使用する Seg1から Seg12を示す図である。これらの Seg1から Seg12までの12列から得られたデータについて、 Seg3から Seg6までを束ね処理し、 Seg7から Seg10までを束ね処理して合計6列分のデータを作成する。この束ね処理により、 Seg1から Seg12までの配列パターンは第1の実施の形態の配列パターンと同じになる。この6列分のデータにより対向ビーム補間法を使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚8mmの断面画像の投影データが得られる。
【0047】
なお、スライス厚0.5mmの断面画像のデータ収集も可能であるが、第1の実施の形態の配列パターンを実現することはできない。すなわち、X線源3からのX線ビームをスライス方向にコリメートし、 Seg5から Seg8までの4列にX線ビームを照射する。このとき、2次元X線検出器5から得れる4列分のデータを収集しながら、ヘリカルピッチP=2mmでヘリカルスキャンを行う。各種補間法を使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚0.5mmの断面画像の投影データが得られる。
また、スライス厚1mmのときの Seg1〜 Seg3及び Seg10〜 Seg12のように、データ収集を行わないセグメント( 列 )を散乱線量の測定に使用しても良い。
【0048】
このようにこの第3の実施の形態によれば、均等4列の検出器列において順次アキシャル面側の列を1/2にしていくように配列したことにより、使用する列を選択し束ね処理を行うことにより、第1の実施の形態で示した不均等6列の各種サイズの配列パターンを実現することができ、第1の実施の形態の効果を得ることができると共に、所望のスライス厚の投影データを得ることができる。
【0049】
この発明の第4の実施の形態を図8及び図9を参照して説明する。この第4の実施の形態は、前述の第3の実施の形態においてソフトウエア処理で行っていた束ね処理をハードウエアで処理するものである。
図8に示すように、2次元X線検出器5とデータ収集部11との間に、データの収集場所を切換える複数のスイッチから構成されたスイッチ部21が設けられている。
【0050】
図9は、このスイッチ部21の半分の構成を示す回路図である。ここでは、 Seg7〜 Seg12までの構成のみを示し、 Seg6〜 Seg1の構成は Seg7〜 Seg12までの構成と対称的に同一構成となっているので省略する。
前記データ収集部11は第1DAS〜第6DASを備え、それぞれ各DASは、一定期間内に入力された全てのデータの累積加算又は平均算出を行うようになっている。
Seg7のデータ出力は、直接第4DASへ接続している。
Seg8のデータ出力は、第1スイッチ22を介して第4DASへ接続し、第2スイッチ23を介して第5DASへ接続している。第1スイッチ22と第2スイッチ23とは択一的にONする。
【0051】
Seg9のデータ出力は、第3スイッチ24を介して第4DASへ接続し、第4スイッチ25を介して第5DASへ接続し、第5スイッチ26を介して第6DASへ接続している。第3スイッチ24と第4スイッチ25と第5スイッチ26とは択一的にONする。
Seg10のデータ出力は、第6スイッチ27を介して第4DASへ接続し、第7スイッチ28を介して第5DASへ接続し、第8スイッチ29を介して第6DASへ接続し、第9スイッチ30を介してグラウンド(Ground)に接続している。第6スイッチ27と第7スイッチ28と第8スイッチ29と第9スイッチ30とは択一的にONする。
【0052】
Seg11のデータ出力は、第10スイッチ31を介して第5DASへ接続し、第11スイッチ32を介して第6DASへ接続し、第12のスイッチ33を介してグラウンドに接続している。第10スイッチ31と第11スイッチ32と第12スイッチ33とは択一的にONする。
Seg12のデータ出力は、第13スイッチ34を介して第6DASへ接続し、第14スイッチ35を介してグラウンドに接続している。第13スイッチ34と第14スイッチ35とは択一的にONする。
【0053】
このような構成のこの第4の実施の形態においては、スライス厚1mmの場合には、第2スイッチ23、第5スイッチ26、第9スイッチ30、第12スイッチ33、第14スイッチ35をONにする。図示しない Seg1〜 Seg6側についても同様にスイッチ制御する。
すると、 Seg1〜 Seg3及び Seg10〜 Seg12のデータ出力はグラウンドに接続し、 Seg4のデータ出力は第1DASへ接続し、 Seg5のデータ出力は第2DASへ接続し、 Seg6のデータ出力は第3DASへ接続し、 Seg7のデータ出力は第4DASへ接続し、 Seg8のデータ出力は第5DASへ接続し、 Seg9のデータ出力は第6DASへ接続する。
これは、前述の第3の実施の形態のスライス厚1mmの断面画像のデータ収集の場合と同じとなる。
【0054】
スライス厚2mmの場合には、第1スイッチ22、第4スイッチ25、第8スイッチ29、第12スイッチ33、第14スイッチ35をONにする。図示しない Seg1〜 Seg6側についても同様にスイッチ制御する。
すると、 Seg1、 Seg2、 Seg11、 Seg12のデータ出力はグラウンドに接続し、 Seg3のデータ出力は第1DASへ接続し、 Seg4のデータ出力は第2DASへ接続し、 Seg5及び Seg6のデータ出力は第3DASへ接続し、 Seg7及び Seg8のデータ出力は第4DASへ接続し、 Seg9のデータ出力は第5DASへ接続し、 Seg10のデータ出力は第6DASへ接続する。
これは、前述の第3の実施の形態のスライス厚2mmの断面画像のデータ収集の場合と同じになる。
【0055】
スライス厚4mm、8mmにおいてもスイッチ制御により、前述の第3の実施の形態を実現することができる。
このようにこの第4の実施の形態によれば、ハードウエアにより前述の第3の実施の形態を実現することができ、第3の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0056】
この発明の第5の実施の形態を図10を参照して説明する。この第5の実施の形態では、2次元X線検出器5( 1000チャンネル×8セグメントと1000チャンネル×16セグメント )の各セグメント( 列 )が均等に配列されたものにおいて対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線が重ならないようにしたもので、その他の構成については第1の実施の形態と同一なので、その説明は省略する。
【0057】
第1の例のジオメトリとして、
検出器列数 M=8セグメント、
各列のZ軸方向の高さ D=全て1mm、
( 回転中心でのスライス厚 )
トータルの厚み 8mm、
となっており、図10( a )に示すように均等配列になって、 Seg1〜 Seg8と番号を付す。
【0058】
第2の例のジオメトリとして、
検出器列数 M=16セグメント、
各列のZ軸方向の高さ D=全て1mm、
( 回転中心でのスライス厚 )
トータルの厚み 16mm、
となっており、図10( c )に示すように均等配列になっており、 Seg1〜 Seg16と番号を付す。
【0059】
このような構成のこの第5の実施の形態においては、第1のジオメトリでは、データ収集された Seg1〜 Seg8の8列分のデータについて、図10( b )に示すように、 Seg1と Seg2とを束ね処理し、 Seg7と Seg8とを束ね処理して合計6列分のデータを作成する。この束ね処理により Seg1から Seg8までの配列パターンは第1の実施の形態の配列パターンと同じとなる。この6列分のデータにより対向ビーム補間法を使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚2mmの断面画像の投影データが得られる。
【0060】
第2のジオメトリでは、データ収集された Seg1〜 Seg16の16列分のデータのうち、図10( d )に示すように、 Seg6〜 Seg12の6列分のデータを使用し、 Seg6と Seg7とを束ね処理し、 Seg11と Seg12とを束ね処理して合計6列分のデータを作成する。この束ね処理により、 Seg6〜 Seg12までの配列パターンは第1の実施の形態の配列パターンと同じとなる。この6列分のデータにより対向ビームを使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚2mmの断面画像の投影データが得られる。
【0061】
また、データ収集された Seg1〜 Seg16の16列分のデータについて、図10( e )に示すように、 Seg1〜 Seg4を束ね処理し、 Seg5と Seg6とを束ね処理し、 Seg7と Seg8とを束ね処理し、 Seg9と Seg10とを束ね処理し、 Seg11〜 Seg16を束ね処理して合計6列分のデータを作成する。この束ね処理により Seg1から Seg16までの配列パターンは第1の実施の形態の配列パターンと同じとなる。この6列分のデータにより対向ビーム補間法を使用すれば、所望のスライス位置のスライス厚4mmの断面画像の投影データが得られる。
このようにこの第5の実施の形態によれば、均等に配列された2次元X線検出器においても束ね処理を使用することにより、データ上、不均等に配列された2次元X線検出器とすることができ、前述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0062】
この発明の第6の実施の形態を図11及び図12を参照して説明する。この第6の実施の形態では、2次元X線検出器5( 1000チャンネル×4セグメントと、1000チャンネル×6セグメント )の各セグメント( 列 )が均等に配列されたものにおいて対向ビームにより構成される同位相のビームの移動線が重ならないようにしたもので、その他の構成については第1の実施の形態と同一なので、その説明は省略する。
【0063】
第1の例のジオメトリとして、
検出器列数 M=4セグメント、
各列のZ軸方向の高さ D=全て2mm、
( 回転中心でのスライス厚 )
トータルの厚み 8mm、
となっており、図11( a )に示すように、均等配列になっており、 Seg1〜 Seg4と番号を付す。
【0064】
第2の例のジオメトリとして、
検出器例数 M=6、
各列のZ軸方向の高さ D=全て1.33mm、
( 回転中心でのスライス厚 )
トータルの厚み 8mm、
となっており、図12( a )に示すように、均等配列になっており、 Seg1〜 Seg6と番号を付す。
【0065】
このような構成のこの第6の実施の形態においては、第1の例のジオメトリでは、以下に示すようにデータ補間することにより、データ上で不均等6列を作成する。なお( 第1列データ )は Seg1のデータであり、( 第2列データ )は Seg2のデー タ、( 第3列データ )は Seg3のデータ、( 第4列データ )は Seg4のデータである。
【0066】
( 第1列データ )を第1のデータD1とし、
( 第2列データ )×( 3/4 )+( 第1列データ )×( 1/4 )を第2のデータD2とし、
( 第2列データ )×( 3/4 )+( 第3列データ )×( 1/4 )を第3のデータD3とし、
( 第3列データ )×( 3/4 )+( 第2列データ )×( 1/4 )を第4のデータD4とし、
( 第3列データ )×( 3/4 )+( 第4列データ )×( 3/4 )を第5のデータD5とし、
( 第4列データ )を第6のデータD6とする。
このようにデータD2〜D5を補間処理により作成すると、図11( b )に示すように、データD1〜D6は、データ上、第1の実施の形態と同じ不均等6列の2次元X線検出器のデータとなる。
【0067】
第2のジオメトリでは、以下に示すようにデータ補間することにより、データ上で不均等6列を作成する。なお、( 第1列データ )は Seg1のデータであり、( 第2列データ )は Seg2のデータ、( 第3列データ )は Seg3のデータ、( 第4列データ )は Seg4のデータ、( 第5列データ )は Seg5のデータ、( 第6列データ )は Seg6のデータである。
【0068】
( 第1列データ )×( 3/4 )+( 第2列データ )×( 1/4 )を第1のデータD1とし、
( 第2列データ )×( 5/8 )+( 第3列データ )×( 3/8 )を第2のデータD2とし、
( 第3列データ )×( 7/8 )+( 第4列データ )×( 1/8 )を第3のデータD3とし、
( 第4列データ )×( 7/8 )+( 第3列データ )×( 1/8 )を第4のデータD4とし、
( 第5列データ )×( 5/8 )+( 第4列データ )×( 3/8 )を第5のデータD5とし、
( 第6列データ )×( 3/4 )+( 第5列データ )×( 1/4 )を第6のデータD6とする。
このようにデータD1〜D6を補間処理により作成すると、図12( b )に示すように、データD1〜D6は、データ上、第1の実施の形態と同じ不均等6列の2次元X線検出器のデータとなる。
【0069】
このようにこの第6の実施の形態によれば、均等に配列された2次元X線検出器においても、データ補間処理を使用することにより、データ上、不均等に配列された2次元X線検出器とすることができ、前述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
なお、この第6の実施の形態においては、補間処理として2データの線形補間で説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、3以上のデータを補間しても良いものであり、他の線形の補間及び非線形の補間でも良いものである。 また、複数回転により得られたデータを使用して補間により不均等配列のデータを作成しても良いし、また、対向ビームデータを使用して補間により不均等配列のデータを作成しても良いものである。
【0070】
なお、上述した第5の実施の形態及び第6の実施の形態においては、説明が簡単であるため、第5の実施の形態においてはセグメント数16、第6の実施の形態においてはセグメント数4で説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、任意のセグメント数について適用できるものである。
ただし、第5の実施の形態においては、8以上の2の累乗の数のセグメント数について最も効果が高く、第6の実施の形態においては、6以下のセグメント数についても同様な効果を得ることができる。
また、第5の実施の形態と第6の実施の形態とを組合わせて、不均等配列のデータを作成しても良いものである。
【0071】
なお、上述した各実施の形態において、ヘリカルスキャンの画像再構成処理においてはフィルタ補間法等で説明したが、この発明はこの画像再構成処理については限定されるものではなく、例えば、フィルタ補間法ではなく、スライス位置を挟む2つ( 1組 )のビームにより得られた2データを線形補間して逆投影するためのデータを求めても良いものであり、その他にも各種補間方法がある。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、ヘリカルピッチを小さくすることなく、実効スライス厚を薄くして画像の品質の向上を図ることができるマルチスライスCT装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のマルチスライスCT装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態のマルチスライスCT装置のジオメトリを示す図。
【図3】同実施の形態のマルチスライスCT装置の2次元X線検出器を示す図。
【図4】同実施の形態のマルチスライスCT装置の各セグメントに照射されるビームの回転位相及びZ軸上の位置を示す模式図。
【図5】この発明の第2の実施の形態のマルチスライスCT装置の2次元X線検出器を示す図。
【図6】この発明の第3の実施の形態のマルチスライスCT装置の2次元X線検出器を示す図。
【図7】同実施の形態のマルチスライスCT装置の2次元X線検出器の各検出器列の各種スライス厚に対する駆動方法を説明するための図。
【図8】この発明の第4の実施の形態のマルチスライスCT装置の概略の構成を示すブロック図。
【図9】同実施の形態のマルチスライスCT装置のスイッチ部の半分の構成を示す回路図。
【図10】この発明の第5の実施の形態のマルチスライスCT装置の2次元X線検出器の2つの例の概略の構成及び束ね処理を示す図。
【図11】この発明の第6の実施の形態のマルチスライスCT装置の2次元X線検出器の4セグメントの第1の例の概略の構成及び補間処理を示す図。
【図12】同実施の形態のマルチスライスCT装置の2次元X線検出器の6セグメントの第2の例の概略の概略の構成及び補間処理を示す図。
【図13】X線CT装置の1次元X線検出器及び2次元X線検出器を示す図。
【図14】X線CT装置の2次元X線検出器の列方向及びチャンネル方向を示す図。
【図15】X線CT装置のスタティックスキャン方式及びヘリカルスキャン方式を説明するための図。
【図16】X線CT装置のヘリカルスキャンにおけるビームの回転位相及びZ軸上の位置を示す模式図。
【図17】X線CT装置のヘリカルスキャンにおける360°補間法で使用されるスライス位置の前後の回転における同位相の1組のビームを示す図。
【図18】X線CT装置のヘリカルスキャンにおける360°補間法で使用されるスライス位置の前後の回転における同位相の1組のビームのZ軸方向の位置関係を示す図。
【図19】X線CT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法で使用される基準となるビームとその対向ビームとを示す図。
【図20】X線CT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法で使用される基準となるビームとその対向ビームとのスライス面における位置関係を示す図。
【図21】X線CT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法で使用される基準となるビームとその対向ビームの中央ビームとのZ軸方向の位置関係を示す図。
【図22】X線CT装置のヘリカルスキャンにおけるスライスプロファイルを示す図。
【図23】2列のマルチスライスCT装置のヘリカルスキャンにおける360°補間法で使用されるスライス位置の前後の回転における同位相の2組のビームを示す図。
【図24】図23で図示された2組のビームのZ軸方向の各位置関係を示す図。
【図25】従来例の2列のマルチスライスCT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法で使用される基準となるビームとその対向ビームとを示す図。
【図26】同従来例の2列のマルチスライスCT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法で使用される基準となるビームとその対向ビームとのZ軸方向の位置関係を示す図。
【図27】従来例の4列のマルチスライスCT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法で使用される基準となるビームとその対向ビームとを示す図。
【図28】同従来例のマルチスライスCT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法のときに1ビューで発生するストリーク状のノイズを示す図。
【図29】同従来例のマルチスライスCT装置のヘリカルスキャンにおける対向ビーム補間法のときに必要なビューで発生するストリーク状のノイズを示す図。
【図30】同従来例の4列のマルチスライスCT装置の対向ビーム補間法のときに発生するストリーク状のノイズを防ぐため変更したヘリカルピッチによるヘリカルスキャンを示す図。
【符号の説明】
3…X線源、
5…2次元X線検出器、
11…データ収集部、
12…再構成処理部、
21…スイッチ部、
22〜35…スイッチ。
Claims (4)
- X線源を対象物に対して相対的に周回させながら周回軸に平行に直線的に移動させ、前記X線源から円錐状に放射されたX線を前記対象物に照射し、この対象物を透過したX線を、X線検出素子を2次元的に配列したX線検出器により検出し、このX線検出器から得られた検出データに基づいて前記対象物の断層画像を再構成するマルチスライスCT装置において、
前記周回軸の方向に関する前記X線検出器のX線検出素子の配列ピッチは、不均等であり、かつ、前の回転の検出器列のX線ビームの移動線と、隣接する次の回転の検出器列のX線ビームの移動線と、その間に位置する対向ビームの移動線が、重なり合わないように構成されたことを特徴とするマルチスライスCT装置。 - 前記X線検出素子列の前記周回軸の方向のピッチの比が1対1.5を含むことを特徴とする請求項1記載のマルチスライスCT装置。
- 中央の4列のX線検出素子列間のピッチを基本ピッチとして、この中央4列のX線検出素子の外側に配列された各X線検出素子列の内側と外側に配列されたX線検出素子列との前記周回軸の方向のピッチの比を1対1.5とすることを特徴とする請求項2記載のマルチスライスCT装置。
- 前記X線検出素子列の前記周回軸の方向のピッチの比が1.5、1、1、1、1.5となるように不均等6列を形成することを特徴とする請求項3記載のマルチスライスCT装置。
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