JPH1075947A - 画像再構成処理装置におけるアーチファクト低減方法 - Google Patents

画像再構成処理装置におけるアーチファクト低減方法

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JPH1075947A
JPH1075947A JP8234265A JP23426596A JPH1075947A JP H1075947 A JPH1075947 A JP H1075947A JP 8234265 A JP8234265 A JP 8234265A JP 23426596 A JP23426596 A JP 23426596A JP H1075947 A JPH1075947 A JP H1075947A
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voxel
data
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Katsuyuki Taguchi
克行 田口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】3次元再構成法において適切にアーチファクト
を補正する。 【解決手段】アーチファクトを含むボクセルデータをし
きい値処理してアーチファクトを含まないX線吸収率の
高い骨等を示すボクセルデータ( 骨ボクセル )とX線吸
収率の比較的低い水等を示すと共にアーチファクトを含
むボクセルデータとに分離し、骨ボクセルに対して仮想
的に再投影処理し、さらに線質硬化補正量を計算して補
正のための補正用投影データを求め、この補正用投影デ
ータを逆投影処理して骨ボクセルの画像を再構成し、こ
の再構成された画像のボクセルデータから骨ボクセルを
引いたものを元のアーチファクトを含むボクセルデータ
から引くものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線源から放射
されたX線を対象物に照射し、この対象物を透過したX
線をX線検出器により検出し、このX線検出器から得ら
れた検出データに基づいて、対象物の断層立体画像を再
構成する画像再構成処理装置におけるアーチファクト低
減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シングルスライスCT(computed tomogr
aphy) 装置は、図7( a )に示すように、X線源101
から扇状にX線ビームを被写体へ照射し、X線源101
に対向配置され、X線検出素子を扇状にNチャンネル(
N個 )、例えば1000チャンネル、を1列に並べて構
成された1次元X線検出器102により、被写体を透過
したX線を検出する。そして、X線源101及び1次元
X線検出器102は、被写体を介する対向した位置関係
を維持しながら、被写体の周囲を回転しながら1回転で
Kビュー、例えば1000ビュー( 1000回 )、のデ
ータ収集を行い、1次元X線検出器102から得られた
X線データに基づいて画像( X線投影画像 )を再構成す
るものである。
【0003】マルチスライスCT装置は、図7( b )又
は図8に示すように、X線源103から円錐状にX線ビ
ームを被写体へ照射し、シングルスライスCT装置用の
1次元X線検出器102をスライス面に垂直な方向( Z
軸方向 )にM列積層した( Nチャンネル×Mセグメント
)ように、X線検出素子を円筒内面上に配置した2次元
X線検出器104,105により、被写体を透過したX
線を検出する。なお、図7( b )に示す2次元X線検出
器104は4セグメントの例である。そして、シングル
スライスCT装置と同様に、X線源103及び2次元X
線検出器104は、被写体を介した対向した位置関係を
維持しながら、被写体の周囲を回転しながら1回転でK
ビューのデータ収集を行い、2次元X線検出器104か
ら得られたX線データに基づいて画像( X線投影画像 )
を再構成するものである。
【0004】図9( a )に示すように、シングルスライ
スCT装置及びマルチスライスCT装置では、X線源1
01( 103 )と1次元( 2次元 )X線検出器102(
104 )とが被写体の周囲の同一の円軌道を周回するス
タティックスキャン( シングルスキャン又はコンベンシ
ョナルスキャン )方式と、図9( b )に示すように、シ
ングルスライスCT装置では、X線源101と1次元X
線検出器102とが被写体の周囲をらせん状に連続的に
周回する、すなわち、X線源101と1次元X線検出器
102とが被写体の周囲の同一の円軌道を周回すると共
にその回転と同期して被写体を載置した天板( 寝台 )が
体軸( スライス面に垂直な軸 )に沿って移動するヘリカ
ルスキャン方式とが行われる。
【0005】ファンビーム再構成法及びコーンビーム再
構成法の例は、特願平8−1015号、特願平8−12
13号及び特願平8−10218号の従来の技術及び実
施の形態において記載されている。また、Feldkamp-Hel
ical再構成法は、2次元X線検出器を使用して被写体周
囲をらせん状にヘリカルスキャンし、Feldkamp再構成法
を応用した3次元再構成法でX線ビームパス上にデータ
を逆投影して再構成する方法であり、下記参考文献に記
載されている。
【0006】記 1、”円すいビームを投影を用いた3次元ヘリカルスキ
ャンCT”( 東北大学工藤博幸、筑波大学齊藤恒夫 )電
子情報通信学会論文誌DIIVol.J74-D-II,pp.1108-111
4,1991年 8月 2、特願平7−169963号”コーンビームCT” ところで、従来のX線CTでは、得られた断層画像に骨
等のX線の給集計数の高い物質を通過したX線の線質が
硬化することに起因するビームハードニング(線質硬化
)によるアーチファクトが発生することが知られてい
る。
【0007】例えば、頭蓋骨の内側ではCT値が高くな
り、骨が溶け出したように白っぽく見えるカッピングア
ーチファクトが発生することがある。また、脳底部や
肩、骨盤など骨がならんでいる場合、骨と骨との間に黒
い帯状のブリッジアーチファクトが発生することがあ
る。このようなアーチファクトは画像の一部を不鮮明に
するという問題があった。ただし、この線質硬化は骨等
の高吸収体の通過パス長と対応関係があり、隣接するチ
ャンネル間、ビュー間でパス長には大きな差がないた
め、ほとんど方向性がなく、ファンビーム収集してファ
ンビーム再構成したときに発生するアーチファクトを、
パラレルビーム再投影データで補正して除去することが
可能である。
【0008】その補正方法として2パスBHC(Beam Ha
rdening Correction=線質硬化による画質劣化を補正す
る方法の総称 )がある。この2パスBHCの概要は次の
通りである。 1.画像を再構成する。 2.この画像を使用して、X線ビームが高吸収体( 骨等
)を横切るパス長を測定する。 2-1.このX線ビームが高吸収体を横切るパス長を測定
する方法としては、1で得られたオリジナル画像をしき
い値処理して骨画像と水画像とに分離する。 2-2.骨画像を2次元FFTする。すなわち周波数成分
毎に分解する。 2-3.周波数空間内である角度φのデータ2D-FFT-Dat
a(φ) を切り出す。 2-4.データ2D-FFT-Data(φ) を1次元逆FFTして
角度φからパラレルビームを照射したときの投影データ
PP( φ )を得る。 2-5.投影データPP( φ )の値からパス長を求める。 3.測定したパス長に基づいて補正量を算出する。 4.収集したX線データを補正量で補正する。 5.この補正したX線データで画像の再構成を行う。
【0009】このようにこの2パスBHCは、発生する
現象が骨の周囲に等方的であるために、ファンビーム収
集からファンビーム再構成して発生したアーチファクト
を、仮想的にパラレルビーム収集からパラレルビーム再
構成した画像で補正することができることを示してい
る。また、Feldkamp再構成法、Feldkamp-Helical再構成
法においても、補間の切換に起因してアーチファクトが
発生することが知られている。
【0010】2次元X線検出器でシングルスキャン又は
ヘリカルスキャンしてデータ収集し、Feldkamp再構成法
又はFeldkamp-Helical再構成法で3次元逆投影する場
合、焦点と有効視野( FOV )に設定されたボクセルと
を結ぶ直線の2次元X線検出器の検出面への到達点近傍
のX線検出素子から得られたデータを補間してボクセル
への逆投影データを作成するが、2次元X線検出器のX
線検出素子のピッチが大きいと、図10( b )に示すよ
うに、図10( a )に示すピッチが小さいものに比べて
補間したデータの幅が広がる。
【0011】例えば、図11に示すように、あるボクセ
ルA(Xi,Yi,Zi)及びボクセルB(Xi+1,Yi,Zi)の2次元X
線検出器の検出面への到達点が、kビューでは図12(
a )に示すように点A1 、点B1 であり、k+1ビュー
では図12( b )に示すように点A2 、点B2 である場
合を考える。まず、隣接する点A1 と点B2 とで、逆投
影するデータを算出するための、補間する元の( オリジ
ナルの )X線( 検出 )データが重複することなくそれぞ
れ全く異なるため、点A1 からボクセルA(Xi,Yi,Zi)へ
の逆投影と点B1 からボクセルB(Xi+1,Yi,Zi)への逆投
影との間でギャップが生じ、このギャップが起因してア
ーチファクトが発生する。
【0012】さらに、ボクセルA(Xi,Yi,Zi)に注目する
と、隣接するビュー( kビューとk+1ビューとの )間
でも、逆投影するデータを算出するための、補間する元
のX線データが重複することなくそれぞれ全く異なるた
め、点A1 からボクセルA(Xi,Yi,Zi)への逆投影と点A
2 からボクセルA(Xi,Yi,Zi)への逆投影との間でギャッ
プが生じ、このギャップが起因してアーチファクトが発
生する。
【0013】これらのギャップがアーチファクトを発生
させる起因になる点について説明する。例えば図13(
a )に示すように、球をスキャンするする場合を考え
る。kビューで図13( b )及び図13( c )に示す2
つのデータが収集されたとして、この2つのデータを補
間すると、図13( d )に示すデータが得られる。
【0014】また、図14( a )に示すように、この球
のスキャンにおいてk+1ビューでは、図14( b )及
び図14( c )に示す2つのデータが収集されたとし
て、この2つのデータを補間すると、図14( d )に示
すデータが得られる。なお、図13( d )及び図14(
d )中の点線で示したデータは理想的な逆投影のための
データである。
【0015】ビューの切換わりで図13( d )の補間デ
ータと図14( d )の補間データとのように大きく異な
ることは、コーンビームCT( 特にヘリカルスキャン )
においては頻繁に起こることである。このような大きく
異なる補間データを逆投影すれば、そのデータに沿って
強いアーチファクトが生じる。特に、Feldkamp-Helical
再構成法では、焦点とあるボクセルと結ぶ直線のX線検
出器の検出面における到達点が、ヘリカルスキャンの1
回転の間に検出器列の最上端列から最下端列へ移動する
ことがあり、このギャップが1回転で列数分だけ発生す
ることは避けられない。このアーチファクトは、補間に
使う検出器チャンネル又は検出器列と焦点とを結ぶX線
パスに沿って発生するため、そのパスに沿った補正を行
う必要がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】Feldkamp再構成法及び
Feldkamp-Helical再構成法において説明したように、3
次元再構成においては、アーチファクトを生じる原因、
すなわち、補間の切換え、線質硬化等は3次元的に影響
するため、アキシャル面内における影響の範囲は限定さ
れる。従って、アキシャル面内にほぼ等方的に影響が及
ぶという仮定に基づいている2次元再構成法におけるB
HCの方法では画質改善できない。
【0017】そこでこの発明は、3次元再構成法におい
て適切にアーチファクトを補正することができる画像再
構成処理装置におけるアーチファクト低減方法を提供す
ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1対応の発明は、
X線源から放射されたX線を対象物に照射し、この対象
物を透過したX線をX線検出器により検出し、このX線
検出器から得られた検出データに基づいて、対象物の断
層立体画像を再構成する画像再構成処理装置において、
所定の画像の再構成法により再構成された断層立体画像
をしきい値処理してX線の吸収率が高い骨類成分に対応
するボクセルの画像を抽出し、この抽出した骨ボクセル
画像を仮想的にX線検出器へ投影し、この投影処理によ
り得た投影データをボクセルへ再投影して、仮想的な骨
ボクセル画像を再構成し、この仮想的な骨ボクセル画像
を元の骨ボクセル画像から引いたものを、最初に再構成
された断層立体画像から引いて、この断層立体画像から
アーファクト成分を除去するものである。
【0019】請求項2対応の発明は、X線源から放射さ
れたX線を対象物に照射し、この対象物を透過したX線
をX線検出器により検出し、このX線検出器から得られ
た検出データに基づいて、対象物の断層立体画像を再構
成する画像再構成処理装置において、所定の画像の再構
成法により再構成された断層立体画像をしきい値処理し
てX線の吸収率が高い骨類成分に対応するボクセルの画
像を抽出し、この抽出した骨ボクセル画像を仮想的にX
線検出器へ投影し、この投影処理により得た投影データ
に対して線質硬化補正を行い、この線質硬化補正された
投影データをボクセルへ再投影して、仮想的な骨ボクセ
ル画像を再構成し、この仮想的な骨ボクセル画像を元の
骨ボクセル画像から引いたものを、最初に再構成された
断層立体画像から引いて、この断層立体画像からアーフ
ァクト成分を除去するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1は、この発明を適用したア
ーチファクト低減方法を使用した画像再構成処理装置を
搭載したX線CT装置の構成図である。投影データ測定
系としてのガントリ( 架台 )1は、扇形状のファンビー
ムのX線束を発生するX線源3と、2次元アレイ型の2
次元X線検出器5とを収容する。前記X線源3と前記2
次元X線検出器5とは、寝台6のスライド天板に載置さ
れた被検体を挟んで対向した状態で回転リング2に装備
される。
【0021】前記2次元X線検出器5としては、複数個
( 1000チャンネル )の検出素子を1列に配列して構
成したものを2次元的に20列( 20セグメント )に積
層したもので、前記回転リング2に実装される。ここ
で、1つの検出素子は1チャンネルに相当するものと定
義する。前記X線源3からのX線はX線フィルタ4を介
して被検体に曝射される。被検体を通過したX線は前記
2次元X線検出器5で電気信号として検出される。X線
制御器8は高圧発生器7にトリガ信号を供給する。この
高圧発生器7はトリガ信号を受けたタイミングで前記X
線源3に高電圧を印加する。これによりX線源3からは
X線が曝射される。
【0022】架台寝台制御器9は、前記ガントリ1の前
記回転リング2の回転と、前記寝台6のスライド天板の
スライドとを同期して制御する。システム全体の制御中
枢としてのシステム制御器10は、被検体から見て前記
X線源3が螺旋軌道を移動するいわゆる連続回転( 例え
ばヘリカルスキャン )を実行するように、前記X線制御
器8と前記架台寝台制御器9を制御する。具体的には、
前記回転リング2が一定の角速度で連続回転し、前記寝
台6のスライド天板が一定の速度で移動し、前記X線源
3から連続的又は一定角度毎に間欠的にX線が曝射され
る。
【0023】前記2次元X線検出器5からの出力信号
は、チャンネル毎にデータ収集部11で増幅され、ディ
ジタル信号に変換される。このデータ収集部11から出
力される投影データは、再構成処理部12に取り込まれ
る。この再構成処理部12は、投影データに基づいてボ
クセル毎にX線吸収率を反映した逆投影データを求め
る。ファンビームを使用した連続回転方式のX線CT装
置において、有効視野( FOV、撮影領域 )は、連続回
転の回転中心軸を中心として円筒形状となり、再構成処
理部12は、この有効視野に複数個のボクセル( 3次元
的に配置された画素)を規定し、2次元X線検出器5か
らの投影データから各ボクセルの逆投影データを求め
る。この逆投影データに基づいて作成された3次元画像
データ又は断層像データは表示装置14に送られ3次元
画像又は断層像としてビジュアルに表示される。
【0024】図2に示すように、このX線CT装置のジ
オメトリは、 検出器列数 M=20セグメント、 チャンネル数 N=1000チャンネル、 各列のZ軸方向の高さ D=2mm、 検出器の厚み M×D=40mm、 焦点−回転中心間距離 FCD(Focus-center-Distance
)=600mm、 焦点−検出器間距離 FDD(Focus-Detector-Distan
ce )=1200mm、 有効視野直径 FOV(Field of View )=50
0mm、 有効視野角(ファン角)θ=50° となっている。
【0025】このような構成の実施の形態においては、
X線CT装置は、図3に示す画像再構成処理にしたがっ
て画像を再構成して表示装置14に表示する。まず、ス
テップ1( ST1 )の処理として、システム制御部10
等を制御してヘリカルスキャン撮影を行い、データ収集
部11により、2次元X線検出器5から出力された検出
データをX線データとして収集する。次に、ステップ2
( ST2 )の処理として、この収集されたX線データ
は、このデータ収集部11においてさらに、X線強度補
正及び感度補正等の所定の補正を行う。
【0026】ステップ3( ST3 )の処理として、その
補正されたデータに対して、cos 項、Z座標に依存した
所定の重みを乗算する。 ステップ4( ST4 )の処理として、その重みを乗算し
たデータを使用して、Feldkamp再構成法により1個の立
体画像を構成するボクセルデータ( 補正前ボクセルデー
タ )を算出する。この補正前ボクセルデータは、補間の
切換え、線質硬化等に起因して生じるアーチファクトを
含んでいるものである。この補正前ボクセルデータによ
り再構成された画像は、例えば図4に示すように、X線
源3から2次元X線検出器5へのX線ビームの光路に沿
ってアーチファクト( 線状ノイズ )が発生している。
【0027】ステップ5( ST5 )の処理として、補正
前ボクセルデータをしきい値処理して2つのボクセル群
に分離する。しきい値を越えたボクセル群は、X線吸収
率の高い物質( 骨 )を示すボクセルデータ( 骨ボクセル
)を示し、残りのボクセル群は、アーチファクトを示す
ボクセルデータと水等のX線吸収率の比較的低い物質を
示すボクセルデータを示している。例えば、骨ボクセル
により再構成された画像は、図5( a )に示すように、
水を主成分とする内臓組織を囲む骨組織の断面画像とな
り、残りのボクセル群により再構成された画像は、図5
( b )に示すように、図5( a )に示す骨組織により囲
まれた内臓組織の断面画像にアーチファクトが付加され
た画像となる。
【0028】ステップ6( ST6 )の処理として、骨ボ
クセルに対して仮想的にヘリカルスキャンを行って収集
される必要な範囲( ビュー、チャンネル、列 )の投影デ
ータ( 骨投影データ )を算出する。 ステップ7( ST7 )の処理として、骨投影データから
線質硬化補正量を計算して、補正のための投影データ(
補正用投影データ )を算出する。
【0029】ステップ8( ST8 )の処理として、補正
用投影データに対してcos 項、Z座標に依存した所定の
重みを乗算し、ステップ9( ST9 )の処理として、こ
の重み乗算した補正用投影データに対してコンボリュー
ション関数を乗算するコンボリューション処理を行って
コンボリューションデータ( 補正用コンボリューション
データ )を算出する。次に、ステップ10( ST10 )
の処理として、この補正用コンボリューションデータを
補間処理し、さらに逆投影処理して、ボクセルデータ(
補正用ボクセルデータ )を得る。
【0030】この補正用ボクセルデータは、元の骨ボク
セルに加えて、補間の切換え、線質硬化等に起因して生
じるアーチファクトを示すボクセルデータを再現してい
るものである。従って、このボクセルデータにより再構
成される画像は、図6( a )に示すように、骨組織の断
面画像に図5( b )の内臓組織の断面画像に付加されて
いたのと同じアーチファクトが付加された画像となる。
【0031】ステップ11( ST11 )の処理として、
前述のステップ4の処理で得られた補正前ボクセルデー
タから前述のステップ9の処理で得られた補正用ボクセ
ルデータを減算し、前述のステップ5の処理で得られた
骨ボクセルを加算すれば、補正前ボクセルデータからア
ーチファクトを示すボクセルデータを除去することがで
きる。すなわち、上述したステップ11の処理における
計算順序とは異なるが、補正用ボクセルデータから骨ボ
クセルを減算したボクセルデータにより再構成される画
像は、図6( b )に示すように、アーチファクトのみの
画像となり、この画像のボクセルデータをステップ4の
処理で得られたオリジナルの補正前ボクセルデータから
減算すれば、図6( c )に示すように、アーチファクト
のみが除去された骨組織と水組織の断面画像が得られ
る。
【0032】このようにこの実施の形態によれば、アー
チファクトを含むボクセルデータをしきい値処理してア
ーチファクトを含まないX線吸収率の高い骨等を示すボ
クセルデータ( 骨ボクセル )とX線吸収率の比較的低い
水等を示すと共にアーチファクトを含むボクセルデータ
とに分離し、骨ボクセルに対して仮想的に再投影処理
し、さらに線質硬化補正量を計算して補正のための補正
用投影データを求め、この補正用投影データを逆投影処
理して骨ボクセルの画像を再構成し、この再構成された
画像のボクセルデータから骨ボクセルを引いたものを元
のアーチファクトを含むボクセルデータから引くことに
より、元のアーチファクトを含むボクセルデータからア
ーチファクトだけを除去することができる。従って、3
次元再構成法において適切にアーチファクトを補正する
ことができる。
【0033】なお、この発明の要点は、元のアーチファ
クトを含むボクセルデータを骨ボクセルとアーチファク
トを含む水のボクセルデータとに分離し、その骨ボクセ
ルに対して、元のアーチファクトを含むボクセルデータ
を得たのと全く同じ過程により再投影( ヘリカルスキャ
ンならばヘリカルスキャン )及び逆投影して、骨ボクセ
ルと共に補間の切換え及び線質硬化等に起因して生じる
アーチファクトを再現することである。
【0034】しかし、必ずしも全てのボクセルデータを
同時に処理する必要はなく、その一部( 例えばアキシャ
ル断面 )を処理して、他の断面のボクセルに適用すれ
ば、アーチファクトを近似的に高い精度で除去すること
ができる。また、アーチファクトの原因が、ヘリカルス
キャン収集とは全く関係がない場合には、コーンビーム
照射のコーン角を無視したアキシャル面内のファンビー
ム照射による再投影で近似しても良いものである。
【0035】すなわち、ファンビーム再投影を行いファ
ンビーム再構成( 逆投影 )を行えば、骨ボクセルとアー
チファクトを近似的に再現することができ、アーチファ
クトの除去を行うことができる。なお、このときには、
ボクセルはピクセルと見なして上述したように、アキシ
ャル断面における2次元画像のみを考慮すれば良い。
【0036】また、アーチファクトの原因や発生状況か
ら、FOVに応じてチャンネル数、焦点とスライス面の
関係で列数、画質改善度に応じてビュー数、目的の画像
に無関係な部分の再投影データ等を減らして計算を行う
ことにより、アーチファクトを除去する処理時間を短縮
することができる。
【0037】また、Feldkamp再構成法あるいはFeldkamp
-Helical再構成法などの3次元逆投影によるアーチファ
クト補正とBHCとの両方を行う必要はなく、アーチフ
ァクトの主となる原因に応じてどちらか一方のみを行っ
ても良いものである。BHCの場合には、等方的である
ので中央断面定理を利用した2パスBHCなどの方法で
も補正可能である。また、この実施の形態では、アーチ
ファクトの原因を骨に限定して説明したが、この発明は
これに限定されるものではなく、例えば金属等のCT値
の高いものも考慮できるものである。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
3次元再構成法において適切にアーチファクトを補正す
ることができる画像再構成処理装置におけるアーチファ
クト低減方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態のアーチファクト低減方
法を使用するX線CT装置の概略の構成を示す図。
【図2】同実施の形態のX線CT装置のジオメトリを示
す図。
【図3】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部で
行われる画像再構成処理の流れを示す図。
【図4】同実施の形態のX線CT装置のアーチファクト
が発生したときの焦点位置及びそのアーチファクトが発
生した再構成画像を示す図。
【図5】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部で
処理された骨ボクセル及びアーチファクト+水のボクセ
ルの再構成画像を示す図。
【図6】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部で
処理された骨ボクセルを再投影した画像と、この画像か
ら元の骨ボクセルの画像を引いたアーチファクトの画像
と、アーチファクトが発生した再構成画像からアーチフ
ァクトの画像を引いた画像とを示す図。
【図7】X線CT装置の1次元X線検出器及び2次元X
線検出器を示す図。
【図8】X線CT装置の2次元X線検出器の列方向及び
チャンネル方向を示す図。
【図9】X線CT装置のスタティックスキャン方式及び
ヘリカルスキャン方式を説明するための図。
【図10】X線検出素子のピッチの大きさと補間したデ
ータの幅との関係を説明するための図。
【図11】あるビューにおけるX線源と、所定の2つの
ボクセルと、X線源と各ボクセルとを結ぶ線がX線検出
器上に到達する点とを示す図。
【図12】kビューとk+1ビューにおけるX宣言と同
じ2つのボクセルとを結ぶ線がX線検出器上に到達する
点とこの点のデータを求めるための補間の対象となるX
線検出素子とを示す図。
【図13】補間によるアーチファクトを説明するための
球のスキャンによる補間の第1の例を示す図。
【図14】補間によるアーチファクトを説明するための
球のスキャンにおる補間の第2の例を示す図。
【符号の説明】
3…X線源、 5…X線検出器、 11…データ収集部、 12…再構成処理部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源から放射されたX線を対象物に照
    射し、この対象物を透過したX線をX線検出器により検
    出し、このX線検出器から得られた検出データに基づい
    て、前記対象物の断層立体画像を再構成する画像再構成
    処理装置において、 所定の画像の再構成法により再構成された断層立体画像
    をしきい値処理してX線の吸収率が高い骨類成分に対応
    するボクセルの画像を抽出し、 この抽出した骨ボクセル画像を仮想的にX線検出器へ投
    影し、 この投影処理により得た投影データをボクセルへ再投影
    して、仮想的な骨ボクセル画像を再構成し、 この仮想的な骨ボクセル画像を元の前記骨ボクセル画像
    から引いたものを、最初に再構成された断層立体画像か
    ら引いて、この断層立体画像からアーファクト成分を除
    去することを特徴とする再構成処理装置におけるアーチ
    ファクト低減方法。
  2. 【請求項2】 X線源から放射されたX線を対象物に照
    射し、この対象物を透過したX線をX線検出器により検
    出し、このX線検出器から得られた検出データに基づい
    て、前記対象物の断層立体画像を再構成する画像再構成
    処理装置において、 所定の画像の再構成法により再構成された断層立体画像
    をしきい値処理してX線の吸収率が高い骨類成分に対応
    するボクセルの画像を抽出し、 この抽出した骨ボクセル画像を仮想的にX線検出器へ投
    影し、 この投影処理により得た投影データに対して線質硬化補
    正を行い、 この線質硬化補正された投影データをボクセルへ再投影
    して、仮想的な骨ボクセル画像を再構成し、 この仮想的な骨ボクセル画像を元の前記骨ボクセル画像
    から引いたものを、最初に再構成された断層立体画像か
    ら引いて、この断層立体画像からアーファクト成分を除
    去することを特徴とする再構成処理装置におけるアーチ
    ファクト低減方法。
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