JP3895223B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,無線通信用のアンテナ装置に関し,特に,準ミリ波帯〜ミリ波帯の超高周波帯でのモバイル高速無線無線通信用に好適なアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の無線通信では,例えば,携帯電話では800MHz,PHSでは1.9GHz,IEEE802.11b規格の無線LANでは2.4GHzの各周波数帯での通信が行われているが,FTTH(fiber to the home),DSL(digital subscriber line)等の固定通信回線と比べると通信速度の面で十分でない。今後,さらに無線通信の高速化を図るためには,より広い周波数帯域幅を確保しやすい準ミリ波帯(10GHz以上)〜ミリ波帯(30GHz以上)の超高周波帯での通信へ移行せざるを得ない。
従来,マイクロ波帯〜ミリ波帯の超高周波帯域での無線通信に用いられるアンテナ装置としては,アンテナ効率に優れ,低サイドロープ特性を容易に実現できるいわゆる開口面アンテナが固定通信局に広く用いられてきた。典型的な開口面アンテナとしてパラボラアンテナやホーンアンテナがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,開口面アンテナは,金属製の立体構造を有するので相当の重量及び容積があり,また,通信相手の方向に合わせてその指向性を制御する必要がある場合には,機械的な駆動装置によりアンテナ自体を通信相手に向ける追尾機構が必要となる。このため,携帯性及び指向性の制御が要求されるモバイル用途での無線通信には適していないという問題点があった。
一方,低周波帯域での無線通信に一般的に用いられるチップアンテナやロッドアンテナは小型軽量で携帯性に優れているが,無指向性であるため超高周波帯域での無線通信ではアンテナゲインの確保が困難であるという問題点があった。
このような中で,モバイル用途向けの超高周波帯域での無線通信用アンテナとしては,大きさ,消費電力,コスト等を総合的に考慮すれば,スロット型又はストリップ型の平面状のアレーアンテナが適していると考えられる。
前記アレーアンテナは,一般に無線信号の波長の4分の1程度の寸法のアンテナ素子が2次元の平面状に配列されたアレー構成を有する。具体的には,所定方向に伸びた2つの導体(導電体)とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイド(Non Radiative Dielectric wave Guide)における前記導体の一方に1次元状又は2次元状に配列された複数の開口部(スロット)が設けられた構成を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナ(スロット型のアレーアンテナの一例)や,プリント基板をエッチングして線状またはパッチ状のアンテナ素子を1次元状又は2次元状に複数に並べたマイクロストリップ型のアレーアンテナ(ストリップ型のアレーアンテナの一例)等がある。前記NRDガイド型スロットアレーアンテナの場合,前記開口部(スロット)それぞれがアンテナ素子に相当する部分を構成する。ここで,超高周波帯域での自由空間における無線信号の波長は3cm以下となるので,その4分の1程度の寸法となるアンテナ素子の大きさは,携帯電話等の携帯端末の大きさ(10cm程度)よりも十分小さく,かつ薄型に構成でき,さらに消費電力も小さく,比較的安価に製造できるのでモバイル用途に適しているといえる。
ここで,前記アレーアンテナをモバイル用途に用いるためには,アンテナゲインを確保するため,通信相手の存在する方向にその指向性を制御できることが望ましい。前記アレーアンテナの指向性を制御する手段としては,フェーズドアレー構成とすることが知られ,文献「図説アンテナ(後藤尚久,電子情報通信学会,pp.313〜314,1995.)」にその内容が示されている。前記フェーズドアレー構成は,前記アンテナ素子ごとに低雑音増幅器及び可変移相器が設けられた構成を有し,前記平面アンテナに給電される高周波数の電気信号の位相を前記アンテナ素子ごとに調節することによって前記アレーアンテナ全体の指向性を制御するものである。
しかしながら,前記フェーズドアレー構成で用いられる前記可変移相器は非常に高価であるとともにその大きさが大きい(>1cm)。ここで,前記フェーズドアレー構成を,例えば,ミリ波帯域(30GHz以上)での通信に用いると,前記アンテナ素子の数が数十個以上になるため非常に高価になるとともにその大きさも非常に大きくなり過ぎ,モバイル用途に用いることは現実的でなくなるという問題点があった。
一方,特開2002−84120号公報には,前記フェーズドアレー構成における前記可変移相器の代わりに比較的安価な遅延線による遅延回路(移相手段)とスイッチ回路とを用い,さらには複数の前記アンテナ素子をグループ化し,該アンテナ素子のグループを並列接続(クラスタ化)して前記遅延回路及び前記スイッチ回路を前記アンテナ素子のグループごとに設ければよいように構成されたアンテナ装置が示されている。これにより,前記フェーズドアレー構成よりも比較的安価な構成とできるが,やはり相当数の前記遅延回路及び前記スイッチ回路を設ける必要があり,省電力化及び小型化の面で十分でないという問題点があった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,前記可変移相器や前記遅延回路等のような移相手段を設けることなく,小型かつ省電力で指向性の制御が可能なアンテナ装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,それぞれ異なる方向の指向性を有する複数の指向性アンテナと,高周波数の定在波をなす電気信号を導波させる線路であり,前記指向性アンテナそれぞれと前記電気信号の位相が異なる位置に配置された結合部で結合され,該結合部から前記指向性アンテナに対し前記結合部それぞれにおける前記電気信号の位相に応じた大きさの給電がなされる給電線路と,前記給電線路内における前記電気信号のなす定在波の反射端位置を変化させることにより前記結合部それぞれにおける前記電気信号の位相を変化させること,又は前記反射端位置を変化させたときに生じる前記定在波と等価な前記定在波を生じさせること,のいずれかによっていずれの方向の指向性を有する前記指向性アンテナを動作させるかを選択する定在波位相変更手段と,を具備してなることを特徴とするアンテナ装置として構成されるものである。
このような構成とすれば,前記定在波位相変更手段によって前記電気信号の位相を変化させることにより,前記指向性アンテナのうちのいずれか1つにのみ給電する,或いは前記指向性アンテナのうちの一部(1又は複数)に主として給電するといった選択的給電が可能となり,給電された前記指向性アンテナのみを動作させることができる。これにより,従来のようにアンテナ全体の指向性を制御するための可変移相器や遅延回路等のような移相手段を一切設ける必要がなく,前記定在波位相変更手段により,いずれの方向の指向性を有する前記指向性アンテナを動作させるかを選択することによってアンテナの指向性を制御することが可能となる。
【0005】
また,前記指向性アンテナと前記給電線路とが導体と誘電体媒質からなる積層基板に形成されたものが考えられる。
これにより,非常に薄型でコンパクトなアンテナ装置を構成できる。
また,前記指向性アンテナそれぞれが,該指向性アンテナごとに前記給電線路における前記電気信号の位相が同じとなる位置で前記給電線路と結合されかつ前記指向性アンテナごとに同じ方向の指向性を有する複数の単位指向性アンテナから構成されたものも考えられる。
このように,前記指向性アンテナそれぞれを複数のアンテナ(前記単位指向性アンテナ)で構成すれば,前記指向性アンテナの感度を上げることができ,また前記単位指向性アンテナ間の相互作用により指向性をより高めることができる。
【0006】
また,前記給電線路としては,例えば,2つの導体とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイド(Non Radiative Dielectric wave Guide)や,2つの導体とその間の空間に設けられたストリップ導体と該2つの導体の間に挟まれる空間を満たす低誘電率の誘電体媒質とからなるトリプレート型ストリップ線路等により構成されたものが考えられる。ここで,前記NRDガイドの構成としては,2つの導体の間に所定幅の一定の誘電率を有する誘電体が挟まれた構成のものや,2つの導体の間に,その間の空間全体を充填するように誘電体が挟まれ,該誘電体内において,所定幅の領域の誘電率が高くその他の領域の誘電率が低くなるように誘電体内の誘電率に空間分布を持たせた構成のもの等が考えられる。以下,NRDガイドといえば,これらいずれの構成も考えられるものとする。
【0007】
また,前記定在波位相変更手段としては,例えば,前記定在波の反射端位置となる前記給電線路における電気的ショート部の位置をその長手方向に移動させるショート部移動手段の他,前記給電線路における終端位置付近長手方向の複数の位置それぞれに設けられた高周波ダイオードそれぞれに選択的に直流バイアス電圧を印加することにより前記電気信号の反射端位置を前記高周波ダイオードのいずれかの位置に切り替える反射端位置切替え手段,又は前記給電線路におけるその終端部から前記電気信号の伝播波長の4分の1の距離だけ上流側に設けられた高周波ダイオードに印加する直流バイアス電圧を調節して前記給電線路の終端部での反射波と前記高周波ダイオードの位置での反射波とを合成させることにより前記電気信号の反射端位置を前記終端部と前記高周波ダイオードが設けられた位置との間の位置に変化させたときに生じる前記定在波と等価な前記定在波を生じさせる等価的反射端位置変更手段等により構成されたものが考えられる。
前記給電線路内の前記定在波は,前記電気的ショート部で反射する定在波となるので,前記電気的ショート部移動手段により前記電気的ショート部を移動させることにより,前記定在波の反射端位置を変更でき,結果として前記定在波の位相を変更することができる。ここで,前記電気的ショート部は導体で構成すればよい。
また,前記反射端位置切替え手段や前記等価的反射端位置変更手段によれば,前記定在波の位相を電子的に変化させることができるので,可動部がなく,省スペース化,省電力化に有効である。
【0008】
また,前記指向性アンテナ又は前記単位指向性アンテナが,前記給電線路と略直交する方向に伸びたアレーアンテナであるものが考えられる。
このように,所定のアンテナ素子が一次元或いは二次元状(アレー状)に配列されて構成されるいわゆるアレーアンテナを用いれば,薄型でコンパクトなアンテナ装置を構成することが可能となる。
【0009】
また,前記アレーアンテナとしては,例えば,前記給電線路と略直交する方向に伸びた2つの導体とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイドの前記導体の一方に前記給電線路と略直交する方向に配列された複数の開口部を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナ,又は前記給電線路と略直交する方向に伸びた2つの導体とその間の空間に設けられ前記給電線路と略直交する方向に伸びたストリップ導体と前記2つの導体の間に挟まれる空間を満たす低誘電率の誘電体媒質とからなるトリプレート型ストリップ線路における前記導体の一方に前記給電線路と略直交する方向に配列された複数の開口部を有するトリプレート型スロットアレーアンテナ等により構成されたものが考えられる。
これにより,高周波数の電気信号(給電された電気信号)を効率よく導波させることができる。
【0010】
また,前記NRDガイド型スロットアレーアンテナ又は前記トリプレート型スロットアレーアンテナの有する前記開口部の中心間の配列間隔が,給電された電気信号の伝播波長の0.5倍よりも大きく1.5倍よりも小さい等間隔に設定すれば,後述するように,その指向性を約180°近い広角な範囲から選択して設定できる。
また,前記トリプレート型スロットアレーアンテナを構成する前記誘電体媒質の比誘電率が1より大きく2より小さいものであれば,電気信号の伝播効率(アンテナ効率)を実用的なレベルとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの構成及び動作原理を説明する図,図2は本発明の実施例に係るアンテナ装置の給電線路の構成を説明する図,図3は本発明の実施例に係るアンテナ装置における指向性アンテナがスロットアレーアンテナである場合の概略構成を表す図,図4は本発明の実施例に係るアンテナ装置の指向性アンテナ及び給電線路を構成する積層基板の構造を説明する図,図5は本発明の実施例に係るアンテナ装置におけるスロットアレーアンテナ及び給電線路の断面を模式的に表した図,図6は本発明の実施例に係るアンテナ装置におけるスロットアレーアンテナのスロット間隔と指向性との関係を表すグラフ,図7は指向性アンテナに用いられる誘電体媒質の比誘電率がアンテナ特性に及ぼす影響について説明するグラフである。
【0012】
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの概略構成および動作原理について説明する。
本アンテナ装置Xは,所定の高周波数の電気信号を発信する高周波発信源1(送信回路)と,該高周波発信源により発信された前記電気信号を導波させる給電線路2と,それぞれ所定方向の指向性を有する複数のアンテナ3(前記単位指向性アンテナの一例)と,前記給電線路2内において前記電気信号のなす定在波6の反射端位置となる電気的ショート部4の位置を前記給電線路2の長手方向に変化させるアクチュエータ5(前記ショート部移動手段の一例)とを具備している。前記アンテナ3のうち,図中Aで示されるアンテナはそれぞれ同じ方向の指向性を有し,同様に,Bで示されるアンテナ,Cで示されるアンテナもそれぞれ同じ方向の指向性を有するよう構成されている。また,Aの方向(Aで示されるアンテナ3の指向性の方向(図中網掛けエリア7で指向性が示されている),以下同様),Bの方向,及びCの方向はそれぞれ異なる方向に設定されている。以下,Aで示される複数のアンテナ3の組み合わせを指向性アンテナ3a,Bで示される複数のアンテナ3の組み合わせを指向性アンテナ3b,及びCで示される複数のアンテナ3の組み合わせを指向性アンテナ3cという。図1に示すように,前記各アンテナ3は,前記給電線路2に対してそれぞれ異なる位置の結合部21で結合されており,該結合部21を通じて前記給電線路2から前記アンテナ3それぞれに給電がなされ,該給電がなされた前記指向性アンテナ3a,3b,3cから電波が送信される。また,前記高周波発信源1の代わりに,又は前記高周波発信源1と並列的に高周波信号処理器(受信回路)を設ければ,前記指向性アンテナ3a,3b,3cで受信された電波が変換された電気信号が前記結合部21を通じて前記給電線路2内に伝播し,該給電線路2内で定在波6をなすので,該定在波6を前記高周波信号処理器で処理することにより受信が可能となる。
【0013】
また,前記給電線路2における前記結合部21の位置は,前記給電線路2内の前記電気信号のなす定在波6の位相が前記指向性アンテナ3a,3b,3cごとに異なる位置に配置されている。言い換えると,前記指向性アンテナ3a,3b,3cのうちのいずれか1組を構成する複数の前記アンテナ3は,前記定材波6の位相が同じとなる位置で結合されている。図1に示す例では,前記電気的ショート部4が所定の位置Paにあるときに生成される定在波6において(図1に実線で示す定在波),最大振動幅(振幅,いわゆる腹の位置)となる位置に前記指向性アンテナ3aの結合部21が,最小振動幅(振動幅=0,いわゆる節の位置)となる位置に前記指向性アンテナ3cの結合部21が,それらの間の所定の振動幅となる位置に前記指向性アンテナ3bの結合部21がそれぞれ配置されている。
従って,前記アクチュエータ5により導体からなる前記電気的ショート部4の位置(即ち,前記給電線路2内における前記電気信号のなす前記定在波6の反射端位置)を別の位置Pcに移動させることによって前記結合部21それぞれにおける前記定在波6の位相を変化させ,前記指向性アンテナ3cの結合部21で前記定在波6が最大振動幅(振幅)となるように設定した場合には,前記指向性アンテナ3aの結合部21で最小振動幅(振動幅=0)となり,前記指向性アンテナ3bの結合部21ではそれらの間の所定の振動幅となる。さらに,前記アクチュエータ5により前記電気的ショート部4の位置を,前記位置PaとPcの間の所定の位置(不図示)に移動させることによって前記定在波6の位相を変化させ,前記指向性アンテナ3bの結合部21で前記定在波6が最大振動幅(振幅)となるように設定した場合には,前記指向性アンテナ3a及び3cの結合部21では,前記最大振動幅よりも小さい所定の振動幅となる(不図示)。そして,前記アンテナ3それぞれには,前記電気信号のなす前記定在波6の前記結合部21それぞれにおける振動幅(位相)に応じた大きさ(振幅)の給電がなされる。従って,図1の例では,前記電気的ショート部4の位置が前記位置Paにあるときには,主として前記指向性アンテナ3aに給電がなされ,同じく前記位置Pcにあるときには,主として前記指向性アンテナ3cに給電がなされ,同じく前記位置PaとPcとの間の所定の位置にあるときには,主として前記指向性アンテナ3bに給電がなされることになり,前記電気的ショート部4の位置(即ち,前記定在波6の反射端の位置)を制御することによって前記指向性アンテナ3a,3b,3cのうちのいずれに主として給電するかを選択することができる。ここで図1は,前記給電線路2として導波管を用い,該導波管の終端部分付近の内部において導体からなる前記電気的ショート部4をピストン状に摺動させる構成とした場合の例を示しているが,前記電気的ショート部4を移動させる構成は,前記給電線路2として用いる導波手段に応じた構成とすればよい。
このように,前記指向性アンテナ3a,3b,3cと前記給電線路2との前記結合部21を適当な位置に配置しておけば,前記給電線路2内における前記電気信号のなす定在波の反射端位置を変化させることにより,それぞれ異なる方向の指向性を有する前記指向性アンテナ3a,3b,3cのうちいずれを使用する(動作させる)かを選択できるので,結果としてアンテナの指向性を多段階制御できることとなる。また,この構成によれば,前記アンテナ3ごと等に低雑音増幅器や可変移相器等の設置スペースとコストの増大につながる機器を設ける必要がなく,非常にシンプルな構成でアンテナの指向性制御を実現することが可能となる。
【0014】
【実施例】
前記アンテナ装置Xでは,前記給電線路2における前記電気信号のなす前記定在波6の位相を変更する手段として,前記電気的ショート部4を前記アクチュエータ5で移動させる構成としたが,かかる機械的な機構よりも電子的な手段で構成した方が省スペース化及び省電力化の上で望ましい。そこで,図2を用いて,前記定在波6の位相を電子的に変化させる手段について説明する。
比較対照のために,前記アンテナ装置Xにおける前記アクチュエータ5による構成を図2(a)に示し,電子的な構成の例を図2(b)及び(c)にそれぞれ示す。
図2(b)は,前記給電線路2における終端位置付近に,その長手方向の複数の位置それぞれに高周波ダイオード8を設け,スイッチ91の切り替えにより,前記高周波ダイオード8それぞれに選択的に直流電源9から直流バイアス電圧を印加できる構成を有する場合の例である(前記反射端位置切替え手段の一例)。前記高周波ダイオード8それぞれへの給電ラインには,高周波をカットするためのフィルタ回路10(インダクタ)が設けられている。この場合,前記高周波ダイオード8のいずれにも前記直流バイアス電圧を印加しない場合には,前記給電線路2の終端部2aを反射端位置とする前記定在波6が生成される。また,前記高周波ダイオード8の1又は複数に前記直流バイアス電圧が印加された場合は,該直流バイアス電圧が印加された最も前記給電線路2の上流側(図2の紙面に向かって左側)の前記高周波ダイオード8の位置を反射端位置とする前記定在波6が生成されることになる。これにより,主として給電を行いたい(使用したい)前記指向性アンテナ3a,3b,3cに対応する位置(定在波6の反射端位置)に設けられた前記高周波ダイオード8に前記直流バイアス電圧が印加される(或いは,いずれにも印加しない)よう前記スイッチ91を制御することにより,アンテナの指向性を電子的に制御することが可能となる。図2(b)には,前記高周波ダイオード8は2つ(前記指向性アンテナ3a,3b,3cの種類の数−1個)しか設けていないが,前記指向性アンテナ3a,3b,3cの種類の数だけ設け,常に少なくともいずれかの前記高周波ダイオード8に前記直流バイアス電圧が印加されるよう構成しても構わない。
【0015】
また,図2(c)は,前記給電線路2におけるその終端部から前記電気信号の伝播波長の4分の1の距離だけ上流側に設けられた高周波ダイオード8に印加する直流バイアス電圧を電圧可変直流電源92により調節可能とする構成を有する場合の例である(前記等価的反射端位置変更手段の一例)。前記高周波ダイオード8への給電ラインには,高周波をカットするためのフィルタ回路10(インダクタ)が設けられている。この場合,前記電圧可変直流電源9により,前記高周波ダイオード8を完全に動作させるだけの前記直流バイアス電圧を印加すれば,前述した図2(b)の場合と同様に,前記高周波ダイオード8の位置を反射端位置とする前記定在波6が生成される。また,前記バイアス電圧として,前記高周波ダイオード8が全く動作しない程度の微小電圧しか印加しない,或いは全く印加しなければ,前記給電線路2の終端部2aを反射端位置とする前記定在波6が生成されることになる。さらに,前記電圧可変直流電源92により,前記バイアス電圧として,前記高周波ダイオード8が完全には動作しないが全く動作しない状態でもない中間的な動作状態となる程度の中間的な電圧を印加した場合には,前記給電線路2の終端部2aで一部が反射した反射波と前記高周波ダイオード8の位置で残りの一部が反射した反射波とが合成され,前記電気信号の反射端位置を前記終端部2aと前記高周波ダイオードが設けられた位置との間に変化させたときに生じる前記定在波6と等価な前記定在波6を生じさせる(定在波6の位相を変化させる)ことが可能となる。これにより,主として給電を行いたい(使用したい)前記指向性アンテナ3a,3b,3cに対応する位相を有する前記定在波6が生じるように,前記高周波ダイオード8に印加する前記直流バイアス電圧を調節することにより,アンテナの指向性を電子的に制御することが可能となる。
以上図2(b)及び(c)に示す構成により,前記給電線路2における前記定在波6の位相(即ち,前記定在波6の反射端位置)を電子的に制御できるので,これを機械的に制御するよりも省スペース,省電力の構成とすることが可能となる。
【0016】
次に,図3〜図6を用いて,前記指向性アンテナ3a,3b,3c及び前記給電線路2の具体的な実施例について説明する。
図3に示すアンテナ装置は,前記アンテナ3としてトリプレート型スロットアレーアンテナ3'(前記単位指向性アンテナの一例)を用いた場合の構成例を模式的に表したものである。
前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'は,前記給電線路2と略直交する方向に伸びた導体膜16及び導体基板17とその間の空間に設けられ前記給電線路2と略直交する方向に伸びたストリップ導体15と前記導体膜16及び前記導体基板17の間に挟まれる空間を満たす低誘電率の誘電体媒質14とからなるいわゆるトリプレート型ストリップ線路を構成し,前導体膜16には前記給電線路2と略直交する方向に配列された複数のスロット12(開口部)が設けられている。該スロット12は,その中心間隔が所定の等間隔となるように配列されており,該間隔によって前記トリプレート型スロットアンテナ3'の指向性が設定される。これについては後述する。そして,このようなトリプレート型スロットアレーアンテナ3'が平面状に複数並べられ,平面状(2次元状)のアレーアンテナとして構成されている。図3では,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'それぞれが,1つの前記ストリップ導体15と該ストリップ導体15上に1列に配列された前記スロット12による一次元状のアンテナを構成しているが,これらを複数並べて複数の前記ストリップ導体1を相互に並列的に接続することにより,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'それぞれを2次元状のアンテナとして構成してもかまわない。これら前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'それぞれの前記給電線路2との結合部21の位置は,前述した前記アンテナ装置Xにおける前記アンテナ3それぞれの結合部21の位置と同様に配置されている。
【0017】
前記アレーアンテナ及び前記給電線路2は,例えば,図4に示すように導体17,16と誘電体媒質14からなる積層基板20として形成される(図4では,内部構造を示すために上下分離させて表しているが実際は一体構造である)。即ち,前記導体基板17の上に低誘電率の誘電体媒質14を膜状に塗布形成し,その上に,前記給電線路2用のストリップ導体13(以下,給電用導体という)及び前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'用のストリップ導体15(以下,アンテナ用導体という)をパターニングする。さらにその上に,低誘電率の前記誘電体媒質14を膜状に形成し,最後に,複数の前記スロット12が設けられた前記導体膜16をパターニングする。前記アンテナ用導体15は,前記給電用導体13と略垂直となるよう並べられる。この場合,前記スロット12が設けられた部分がそれぞれアンテナ素子の部分を構成し,前記スロット12の一列分が,1つの前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'(前記単位指向性アンテナの一例)を構成する。図4に示す例では,前記給電線路2も,トリプレート型スロットアレーアンテナ3'それぞれと略直交する方向に伸びた導体膜16及び導体基板17とその間の空間に設けられた前記ストリップ導体13と前記導体膜16及び前記導体基板17の間に挟まれる空間を満たす低誘電率の誘電体媒質14とからなるトリプレート型ストリップ線路を構成する。
【0018】
図5は,図4に示した積層基板20の断面を模式的に表したものである。図5中,左端部分が前記給電線路2の部分であり,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'の1つ(前記指向性アンテナ3a)が前記給電線路2との結合部21からその先端に向かって右方向に伸びている状態を表す。前記結合部21では,前記給電用導体13と前記アンテナ用導体15とが近接して配置されており,これにより,前記給電線路2と前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'とが高周波的に結合した状態となっている。
今,前記トリプレート型スロットアレーアンテナに給電された高周波数の電気信号の伝播波長をΛ,前記導体膜16に設けられる前記スロット12の中心間の間隔をPとすると,P/Λの値に応じて前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'の指向性が定まることが知られている。これは,前記スロット12それぞれから発信される電磁波が自由空間で合成されると,各電磁波の位相のずれによって所定方向への電磁波が特に強調されるためである。このことは,前記給電線路2と略直交する方向に伸びた2つの導体とその間に挟まれた誘電体とからなるいわゆるNRDガイドの前記導体の一方に前記給電線路2と略直交する方向に配列された複数のスロット(開口部)が設けられたNRDガイド型スロットアレーアンテナとして構成した場合でも同様である。ここで,前記伝播波長Λは,自由空間での波長をλ,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'を構成する前記誘電体媒質14の比誘電率をεrとすると,Λ=λ/(√εr)で表される。
【0019】
図6は,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'から発信される電磁波の強度が所定レベル以上であるエリアの境界線をグラフ化したものである。図6の横軸(右方向)は,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ上の所定の位置からその先端方向への距離,縦軸は,前記所定の位置からアンテナ面に垂直な方向への距離を表す。図6のグラフから,前記トリプレート型スロットアレーアンテナは,P/Λ=1とすると,アンテナ面に垂直な方向の指向性を有し,→0.9→0.8→0.7→0.6へとP/Λを小さくするにつれて,アンテナの根元方向(前記給電線路2の方向)へ指向性が変化し,逆にP/Aを1より大きくするとアンテナの先端方向へ指向性が変化することがわかる。従って,前記給電線路2における前記定在波6の位相が異なる位置に結合された前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'(前記単位指向性アンテナの一例)ごとにP/Aが異なるように前記スロット12を設けておけば,それぞれが異なる指向性を有するよう構成できる。また,図6のグラフより,0.5<P/Λ<1.5の範囲に設定すれば(即ち,前記スロット12の中心間の間隔Pを伝播波長Λの0.5倍よりも大きく1.5倍よりも小さい等間隔に設定すれば),約180°に近い広角度の範囲からアンテナの指向性を選択して設定することが可能であることがわかる。
【0020】
次に,図7を用いて,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'を構成する前記誘電体媒質14の比誘電率εrとアンテナ特性との関係について説明する。
図7に示すグラフの縦軸及び横軸も図6のグラフと同じであり,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'から発信される電磁波の強度が所定レベル以上であるエリアの境界線をグラフ化したものである。図6と異なるのは,変化させた条件が,前記誘電体媒質14の比誘電率εrである点である(P/Λ=0.6で固定)。図7からわかるように,前記誘電体媒質14の比誘電率εrが1に近いほど,所定レベル以上の電磁波がより遠くまで届き,比誘電率εrが大きくなるほど,所定レベル以上の電磁波が届く距離が短くなる。これは,前記誘電体媒質14の比誘電率εrが自由空間の比誘電率(εr=1)より大きくなるほど,自由空間とのインピーダンス差が大きくなり,信号の伝播損失が大きくなる(感度が悪くなる)からである。この傾向は,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'の長さが長くなるほど顕著になる。従って,前記誘電体媒質14の比誘電率εr=1とすることが望ましいが,比誘電率εr≦1の物質は存在しないので,比誘電率εrが1に近く,ある程度の感度を確保できるものとして,比誘電率εrが1より大きく2より小さい(1<εr<2)前記誘電体媒質14を用いることが実用的である。同様に,前記給電線路2も所定の長さが必要となるため,電気信号の伝播損失を抑えるためには前記給電線路2に用いられる前記誘電体媒質についても低誘電率(1<εr<2)のものを用いることが望ましい。前記誘電体媒質14としては,フッ素樹脂ガラスやアルミナセラミックス等も考えられるが,空孔率を高める(85〜99%)ことにより低誘電率を実現できるシリカエアロゲル等のエアロゲル膜(乾燥ゲル膜)を用いることが望ましい。また,該エアロゲル膜を用いれば,その誘電正接が10-4〜10-5オーダーとなり,誘電体基板を用いたアンテナにおいて,アンテナ内の電気信号の電力と発信又は受信する電波との間の変換効率を実用的なレベルとするために一般的に必要とされる10-3オーダー以下の誘電正接を十分満たすこととなるので前記変換効率が非常に高い(アンテナ特性が良い)アンテナとすることができる。前記エアロゲル膜の製法等については,特開2001−7100号公報等に詳しい。
【0021】
また,前記給電線路2は,前記トリプレート型ストリップ線路とする他に,2つの導体とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイドにより構成することも可能である。
同様に,前記アンテナ3は,前記給電線路2と略直交する方向に伸びた2つの導体とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイドの前記導体の一方に前記給電線路と略直交する方向に配列された複数のスロット(開口部)を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナにより構成することも可能である。もちろん,アンテナ素子としてストリップ電極を平面状に複数並べたストリップ型の平面アンテナを用いてもよい。
また,以上示した実施の形態及び実施例では,同じ方向の指向性を有する複数のアンテナ3(例えば,前記トリプレート型スロットアレーアンテナ3'やNRDガイド型スロットアレーアンテナ)を組み合わせて1組の前記指向性アンテナ3a,3b,3cを構成したが,アンテナ感度等が十分であれば,前記指向性アンテナ3a,3b,3cはそれぞれ1つの前記アンテナ3で構成してもかまわない。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,平面アンテナにおいて,可変移相器や遅延回路等のような移相手段を設けることなく非常に簡単な構成により,小型かつ省電力で指向性の多段階制御が可能なアンテナ装置を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの構成及び動作原理を説明する図。
【図2】本発明の実施例に係るアンテナ装置の給電線路の構成を説明する図。
【図3】本発明の実施例に係るアンテナ装置における指向性アンテナがスロットアレーアンテナである場合の概略構成を表す図。
【図4】本発明の実施例に係るアンテナ装置の指向性アンテナ及び給電線路を構成する積層基板の構造を説明する図。
【図5】本発明の実施例に係るアンテナ装置におけるスロットアレーアンテナ及び給電線路の断面を模式的に表した図。
【図6】本発明の実施例に係るアンテナ装置におけるスロットアレーアンテナのスロット間隔と指向性との関係を表すグラフ。
【図7】指向性アンテナに用いられる誘電体媒質の比誘電率がアンテナ特性に及ぼす影響について説明するグラフ。
【符号の説明】
1…高周波発信源(送信回路)
2…給電線路
2a…給電線路の終端部
21…結合部
3,3a,3b,3c…アンテナ(指向性アンテナ)
4…電気的ショート部
5…アクチュエータ
6…給電線路内の電気信号のなす定在波
7…アンテナの指向性を表す部分
8…高周波ダイオード
9…直流電源
91…スイッチ
92…電圧可変直流電源
10…フィルタ回路(インダクタ)
12…スロット(開口部)
13…給電線路のストリップ導体
14…誘電体媒質
15…トリプレート型スロットアレーアンテナのストリップ導体
16…導体膜
17…導体基板
20…積層基板
Claims (10)
- それぞれ異なる方向の指向性を有する複数の指向性アンテナと,
高周波数の定在波をなす電気信号を導波させる線路であり,前記指向性アンテナそれぞれと前記電気信号の位相が異なる位置に配置された結合部で結合され,該結合部から前記指向性アンテナに対し前記結合部それぞれにおける前記電気信号の位相に応じた大きさの給電がなされる給電線路と,
前記給電線路内における前記電気信号のなす定在波の反射端位置を変化させることにより前記結合部それぞれにおける前記電気信号の位相を変化させること,又は前記反射端位置を変化させたときに生じる前記定在波と等価な前記定在波を生じさせること,のいずれかによっていずれの方向の指向性を有する前記指向性アンテナを動作させるかを選択する定在波位相変更手段と,を具備してなることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記指向性アンテナと前記給電線路とが導体と誘電体媒質からなる積層基板に形成されてなる請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記指向性アンテナそれぞれが,該指向性アンテナごとに前記給電線路における前記電気信号の位相が同じとなる位置で前記給電線路と結合されかつ前記指向性アンテナごとに同じ方向の指向性を有する複数の単位指向性アンテナから構成されてなる請求項1又は2のいずれかに記載のアンテナ装置。
- 前記給電線路が,
2つの導体とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイド(Non Radiative Dielectric wave Guide),
又は2つの導体とその間の空間に設けられたストリップ導体と該2つの導体の間に挟まれる空間を満たす低誘電率の誘電体媒質とからなるトリプレート型ストリップ線路,
のいずれかにより構成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 前記定在波位相変更手段が,
前記給電線路における終端位置付近長手方向の複数の位置それぞれに設けられた高周波ダイオードそれぞれに選択的に直流バイアス電圧を印加することにより前記電気信号の反射端位置を前記高周波ダイオードのいずれかの位置に切り替える反射端位置切替え手段,
又は前記給電線路におけるその終端部から前記電気信号の伝播波長の4分の1の距離だけ上流側に設けられた高周波ダイオードに印加する直流バイアス電圧を調節して前記給電線路の終端部での反射波と前記高周波ダイオードの位置での反射波とを合成させることにより前記電気信号の反射端位置を前記終端部と前記高周波ダイオードが設けられた位置との間の位置に変化させたときに生じる前記定在波と等価な前記定在波を生じさせる等価的反射端位置変更手段,
のうちのいずれかにより構成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 前記定在波位相変更手段が,
前記定在波の反射端位置となる前記給電線路における電気的ショート部の位置をその長手方向に移動させるショート部移動手段により構成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 前記指向性アンテナ又は前記単位指向性アンテナが,前記給電線路と略直交する方向に伸びたアレーアンテナである請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナ装置。
- 前記アレーアンテナが,
前記給電線路と略直交する方向に伸びた2つの導体とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイドの前記導体の一方に前記給電線路と略直交する方向に配列された複数の開口部を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナ,
又は前記給電線路と略直交する方向に伸びた2つの導体とその間の空間に設けられ前記給電線路と略直交する方向に伸びたストリップ導体と前記2つの導体の間に挟まれる空間を満たす低誘電率の誘電体媒質とからなるトリプレート型ストリップ線路における前記導体の一方に前記給電線路と略直交する方向に配列された複数の開口部を有するトリプレート型スロットアレーアンテナ,
のいずれかにより構成されてなる請求項7に記載のアンテナ装置。 - 前記NRDガイド型スロットアレーアンテナ又は前記トリプレート型スロットアレーアンテナの有する前記開口部の中心間の配列間隔が,給電された電気信号の伝播波長の0.5倍よりも大きく1.5倍よりも小さい等間隔に設定されてなる請求項8に記載のアンテナ装置。
- 前記トリプレート型スロットアレーアンテナを構成する前記誘電体媒質の比誘電率が1より大きく2より小さいものである請求項8又は9のいずれかに記載のアンテナ装置。
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