本出願は、2018年6月26日に日本国に特許出願された特願2018-121395の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
本開示は、改善された、アンテナ素子、アレイアンテナ、通信ユニット、移動体、および基地局を提供することを目的とする。
本開示によれば、改善された、アンテナ素子、アレイアンテナ、通信ユニット、移動体、および基地局が提供されうる。
本開示の複数の実施形態を以下に説明する。共振構造は、共振器を含んで構成されうる。共振構造は、共振器と他の部材とを含んで構成され、複合的に実現されうる。図1から図62に示す共振器10は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50を含んで構成される。基体20は、対導体30、第3導体40、および第4導体50と接する。共振器10は、対導体30、第3導体40、および第4導体50が共振器として機能する。共振器10は、複数の共振周波数で共振するように動作可能である。共振器10の共振周波数のうち、1つの共振周波数を第1の周波数f1とする。第1の周波数f1の波長は、λ1である。共振器10は、少なくとも1つの共振周波数のうちの少なくとも1つを動作周波数としうる。共振器10は、第1の周波数f1を動作周波数としている。
基体20は、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含んで構成されうる。セラミック材料は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ガラス母材中に結晶成分を析出させた結晶化ガラス、および雲母もしくはチタン酸アルミニウム等の微結晶焼結体を含む。樹脂材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、および液晶ポリマー等の未硬化物を硬化させたものを含む。
対導体30、第3導体40、および第4導体50は、金属材料、金属材料の合金、金属ペーストの硬化物、および導電性高分子のいずれかを組成として含んで構成されうる。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、全てが同じ材料であってよい。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、全てが異なる材料であってよい。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、いずれかの組合せが同じ材料であってよい。金属材料は、銅、銀、パラジウム、金、白金、アルミニウム、クロム、ニッケル、カドミウム鉛、セレン、マンガン、錫、バナジウム、リチウム、コバルト、およびチタン等を含む。合金は、複数の金属材料を含む。金属ペースト剤は、金属材料の粉末を有機溶剤、およびバインダとともに混練したものを含む。バインダは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂を含む。導電性ポリマーは、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリピロール系ポリマー等を含む。
共振器10は、2つの対導体30を有する。対導体30は、複数の導電体を含んで構成される。対導体30は、第1導体31および第2導体32を含んで構成される。対導体30は、3以上の導電体を含んで構成されうる。対導体30の各導体は、他の導体と第1方向において離れている。対導体30の各導体において、1つの導体は、他の導体と対となりうる。対導体30の各導体は、対となる導体の間にある共振器から電気壁として観えうる。第1導体31は、第2導体32と第1方向において離れて位置する。各導体31,32は、第1方向と交わる第2平面に沿って広がっている。
本開示では、第1方向(first axis)をx方向として示す。本開示では、第3方向(third axis)をy方向として示す。本開示では、第2方向(second axis)をz方向として示す。本開示では、第1平面(first plane)を、xy面として示す。本開示では、第2平面(second plane)を、yz面として示す。本開示では、第3平面(third plane)を、zx面として示す。これら平面は、座標空間(coordinate space)における平面(plane)であって、特定の面(plate)および特定の面(surface)を示すものではない。本開示では、xy平面における面積(surface integral)を第1面積という場合がある。本開示では、yz平面における面積を第2面積という場合がある。本開示では、zx平面における面積を第3面積という場合がある。面積(surface integral)は、平方メートル(square meter)などの単位で数えられる。本開示では、x方向における長さを単に“長さ”という場合がある。本開示では、y方向における長さを単に“幅”という場合がある。本開示では、z方向における長さを単に“高さ”という場合がある。
一例において、各導体31,32は、x方向において、基体20の両端部に位置する。各導体31,32は、一部が基体20の外に面しうる。各導体31,32は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。各導体31,32は、基体20の中に位置しうる。
第3導体40は、共振器として機能する。第3導体40は、ライン型、パッチ型、およびスロット型の共振器の少なくとも1つの型を含んで構成されうる。一例において、第3導体40は、基体20の上に位置する。一例において、第3導体40は、z方向において、基体20の端に位置する。一例において、第3導体40は、基体20の中に位置しうる。第3導体40は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。第3導体40は、一部の面が基体20の外に面しうる。
第3導体40は、少なくとも1つの導電体を含んで構成される。第3導体40は、複数の導電体を含んで構成されうる。第3導体40が複数の導電体を含んで構成される場合、第3導体40は、第3導体群と呼びうる。第3導体40は、少なくとも1つの導体層を含んで構成される。第3導体40は、1つの導体層に少なくとも1つの導電体を含んで構成される。第3導体40は、複数の導体層を含んで構成されうる。例えば、第3導体40は、3層以上の導体層を含んで構成されうる。第3導体40は、複数の導体層の各々に、少なくとも1つの導電体を含んで構成される。第3導体40は、xy平面に広がる。xy平面はx方向を含む。第3導体40の各導体層は、xy平面に沿って広がる。
複数の実施形態の一例において、第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を含んで構成される。第1導体層41は、xy平面に沿って広がる。第1導体層41は、基体20の上に位置しうる。第2導体層42は、xy平面に沿って広がる。第2導体層42は、第1導体層41と容量的に結合しうる。第2導体層42は、第1導体層41と電気的に接続されうる。容量結合する2つの導体層は、y方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、x方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、第1平面内において対向しうる。第1平面において対向する2つの導体層は、1つの導体層に2つの導電体があると言い換えうる。第2導体層42は、少なくとも一部が第1導体層41とz方向に重なって位置しうる。第2導体層42は、基体20の中に位置しうる。
第4導体50は、第3導体40と離れて位置する。第4導体50は、対導体30の各導体31,32に電気的に接続される。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に電気的に接続される。第4導体50は、第3導体40に沿って広がる。第4導体50は、第1平面に沿って広がっている。第4導体50は、第1導体31から第2導体32に渡っている。第4導体50は、基体20の上に位置する。第4導体50は、基体20の中に位置しうる。第4導体50は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。第4導体50は、一部の面が基体20の外に面しうる。
複数の実施形態の一例において、第4導体50は、共振器10におけるグラウンド導体として機能しうる。第4導体50は、共振器10の電位基準となりうる。第4導体50は、共振器10を備える機器のグラウンドに接続されうる。
複数の実施形態の一例において、共振器10は、第4導体50と、基準電位層51とを備えうる。基準電位層51は、z方向において、第4導体50と離れて位置する。基準電位層51は、第4導体50と電気的に絶縁される。基準電位層51は、共振器10の電位基準となりうる。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されうる。第4導体50は、共振器10を備える機器のグラウンドと電気的に離れうる。基準電位層51は、第3導体40または第4導体50のいずれかとz方向において対向する。
複数の実施形態の一例において、基準電位層51は、第4導体50を介して第3導体40と対向する。第4導体50は、第3導体40と基準電位層51との間に位置する。基準電位層51と第4導体50との間隔は、第3導体40と第4導体50との間隔に比べて狭い。
基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は、1または複数の導電体を含んで構成されうる。基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は1または複数の導電体を含んで構成され、且つ第3導体40は対導体30に接続される1つの導電体としうる。基準電位層51を備える共振器10において、第3導体40および第4導体50のそれぞれは、少なくとも1つの共振器を備えうる。
基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は、複数の導体層を含んで構成されうる。例えば、第4導体50は、第3導体層52および第4導体層53を含んで構成されうる。第3導体層52は、第4導体層53と容量的に結合しうる。第3導体層52は、第1導体層41と電気的に接続されうる。容量結合する2つの導体層は、y方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、x方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、xy平面内において対向しうる。
z方向において対向して容量結合する2つの導体層の距離は、当該導体群と基準電位層51との距離に比べて短い。例えば、第1導体層41と第2導体層42との距離は、第3導体40と基準電位層51との距離に比べて短い。例えば、第3導体層52と第4導体層53との距離は、第4導体50と基準電位層51との距離に比べて短い。
第1導体31および第2導体32の各々は、1または複数の導電体を含んで構成されうる。第1導体31および第2導体32の各々は、1つの導電体としうる。第1導体31および第2導体32の各々は、複数の導電体を含んで構成されうる。第1導体31および第2導体32の各々は、少なくとも1つの第5導体層301と、複数の第5導体302とを含んで構成されうる。対導体30は、少なくとも1つの第5導体層301と、複数の第5導体302とを含んで構成される。
第5導体層301は、y方向に広がっている。第5導体層301は、xy平面に沿って広がる。第5導体層301は、層状の導電体である。第5導体層301は、基体20の上に位置しうる。第5導体層301は、基体20の中に位置しうる。複数の第5導体層301は、z方向において互いに離れている。複数の第5導体層301は、z方向に並んでいる。複数の第5導体層301は、z方向において一部が重なっている。第5導体層301は、複数の第5導体302を電気的に接続する。第5導体層301は、複数の第5導体302を接続する接続導体となる。第5導体層301は、第3導体40のいずれかの導体層と電気的に接続しうる。一実施形態において、第5導体層301は、第2導体層42と電気的に接続する。第5導体層301は、第2導体層42と一体化しうる。一実施形態において、第5導体層301は、第4導体50と電気的に接続しうる。第5導体層301は、第4導体50と一体化しうる。
各第5導体302は、z方向に広がっている。複数の第5導体302は、y方向において互いに離れている。第5導体302の間の距離は、λ1の1/2波長以下である。電気的に接続された第5導体302の間の距離がλ1/2以下であると、第1導体31および第2導体32の各々は、第5導体302の間から共振周波数帯の電磁波が漏れるのを低減できる。対導体30は、共振周波数帯の電磁波の漏れが小さいので、単位構造体から電気壁として観える。複数の第5導体302の少なくとも一部は、第4導体50に電気的に接続されている。一実施形態において、複数の第5導体302の一部は、第4導体50と第5導体層301とを電気的に接続しうる。一実施形態において、複数の第5導体302は、第5導体層301を介して第4導体50に電気的に接続しうる。複数の第5導体302の一部は、1つの第5導体層301と他の第5導体層301とを電気的に接続しうる。第5導体302は、ビア導体、およびスルーホール導体を採用しうる。
共振器10は、共振器として機能する第3導体40を含んで構成される。第3導体40は、人工磁気壁(AMC;Artificial Magnetic Conductor)として機能しうる。人工磁気壁は、反応性インピーダンス面(RIS;Reactive Impedance Surface)とも言いうる。
共振器10は、x方向において対向する2つの対導体30の間に、共振器として機能する第3導体40を含んで構成される。2つの対導体30は、第3導体40からyz平面に広がる電気壁(Electric Conductor)と観える。共振器10は、y方向の端が電気的に解放されている。共振器10は、y方向の両端のzx平面が高インピーダンスとなる。共振器10のy方向の両端のzx平面は、第3導体40から磁気壁(Magnetic Conductor)と観える。共振器10は、2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、第3導体40の共振器がz方向に人工磁気壁特性(Artificial Magnetic Conductor Character)を有する。2つの電気壁および2つの高インピーダンス面で囲まれることで、第3導体40の共振器は、有限の数で人工磁気壁特性を有する。
「人工磁気壁特性」は、動作周波数における入射波と反射波との位相差が0度となる。共振器10では、第1の周波数f1における入射波と反射波との位相差が0度となる。「人工磁気壁特性」では、動作周波数帯において、入射波と反射波との位相差が-90度~+90度となる。動作周波数帯とは、第2の周波数f2および第3の周波数f3の間の周波数帯である。第2の周波数f2とは、入射波と反射波との間の位相差が+90度である周波数である。第3の周波数f3とは、入射波と反射波との間の位相差が-90度である周波数である。第2および第3の周波数に基づいて決定される動作周波数帯の幅は、例えば、動作周波数が約2.5GHzである場合に、100MHz以上であってよい。動作周波数帯の幅は、例えば、動作周波数が約400MHzである場合に、5MHz以上であってよい。
共振器10の動作周波数は、第3導体40の各々の共振器の共振周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50の長さ、大きさ、形状、材料などで変化しうる。
複数の実施形態の一例において、第3導体40は、少なくとも1つの単位共振器40Xを含んで構成されうる。第3導体40は、1つの単位共振器40Xを含んで構成されうる。第3導体40は、複数の単位共振器40Xを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、第4導体50とz方向に重なって位置する。単位共振器40Xは、第4導体50と対向している。単位共振器40Xは、周波数選択表面(FSS;Frequency Selective Surface)として機能しうる。複数の単位共振器40Xは、xy平面に沿って並ぶ。複数の単位共振器40Xは、xy平面で規則的に並びうる。単位共振器40Xは、正方格子(square grid)、斜交格子(oblique grid)、長方格子(rectangular grid)、および六方格子(hexagonal grid)で並びうる。
第3導体40は、z方向に並ぶ、複数の導体層を含んで構成されうる。第3導体40の複数の導体層は、各々が少なくとも1つ分の単位共振器を含んで構成される。例えば、第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を含んで構成される。
第1導体層41は、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xを含んで構成される。第1導体層41は、1つの第1単位共振器41Xを含んで構成されうる。第1導体層41は、1つの第1単位共振器41Xが複数に分かれた第1部分共振器41Yを複数含んで構成されうる。複数の第1部分共振器41Yは、隣接する単位構造体10Xによって、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xとなりうる。複数の第1部分共振器41Yは、第1導体層41の端部に位置する。第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yは、第3導体と呼びうる。
第2導体層42は、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xを含んで構成される。第2導体層42は、1つの第2単位共振器42Xを含んで構成されうる。第2導体層42は、1つの第2単位共振器42Xが複数に分かれた第2部分共振器42Yを複数含んで構成されうる。複数の第2部分共振器42Yは、隣接する単位構造体10Xによって、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xとなりうる。複数の第2部分共振器42Yは、第2導体層42の端部に位置する。第2単位共振器42Xおよび第2部分共振器42Yは、第3導体と呼びうる。
第2単位共振器42Xおよび第2部分共振器42Yの少なくとも一部は、第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41YとZ方向に重なって位置する。第3導体40は、各層の単位共振器および部分共振器の少なくとも一部がZ方向に重なって1つの単位共振器40Xとなっている。単位共振器40Xは、各層において、少なくとも1つ分の単位共振器を含んで構成される。
第1単位共振器41Xがライン型またはパッチ型の共振器を含んで構成される場合、第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位導体411を有する。第1単位導体411は、第1単位共振器41Xまたは第1部分共振器41Yとして機能しうる。第1導体層41は、xy方向においてn行m列で並ぶ複数の第1単位導体411を有する。nおよびmは、互いに独立した1以上の自然数である。図1~9等に示す一例において、第1導体層41は、2行3列の格子状に並ぶ6つの第1単位導体411を有する。第1単位導体411は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第1部分共振器41Yに相当する第1単位導体411は、第1導体層41のxy平面における端部に位置する。
第1単位共振器41Xがスロット型の共振器である場合、第1導体層41は、少なくとも1つの導体層がxy方向に広がる。第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位スロット412を有する。第1単位スロット412は、第1単位共振器41Xまたは第1部分共振器41Yとして機能しうる。第1導体層41は、xy方向においてn行m列で並ぶ複数の第1単位スロット412を含んで構成されうる。nおよびmは、互いに独立した1以上の自然数である。図6~9等に示す一例において、第1導体層41は、2行3列の格子状に並ぶ6つの第1単位スロット412を有する。第1単位スロット412は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第1部分共振器41Yに相当する第1単位スロット412は、第1導体層41のxy平面における端部に位置する。
第2単位共振器42Xがライン型またはパッチ型の共振器である場合、第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位導体421を含んで構成される。第2導体層42は、xy方向において並ぶ複数の第2単位導体421を含んで構成されうる。第2単位導体421は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第2単位導体421は、第2単位共振器42Xまたは第2部分共振器42Yとして機能しうる。第2部分共振器42Yに相当する第2単位導体421は、第2導体層42のxy平面における端部に位置する。
第2単位導体421は、z方向において、少なくとも一部が第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの少なくとも一方と重なっている。第2単位導体421は、複数の第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位導体421は、複数の第1部分共振器41Yと重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第1部分共振器41Yとに重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位共振器41Xのみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位導体421の重心は、複数の第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位共振器41Xの間に位置しうる。
第2単位導体421は、少なくとも一部が2つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位導体411のみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、2つの第1単位導体411の間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位導体421は、少なくとも一部が第1単位スロット412と重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位スロット412のみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位スロット412の間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位スロット412に重なりうる。
第2単位共振器42Xがスロット型の共振器である場合、第2導体層42は、少なくとも1つの導体層がxy平面に沿って広がる。第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位スロット422を有する。第2単位スロット422は、第2単位共振器42Xまたは第2部分共振器42Yとして機能しうる。第2導体層42は、xy平面において並ぶ複数の第2単位スロット422を含んで構成されうる。第2単位スロット422は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第2部分共振器42Yに相当する第2単位スロット422は、第2導体層42のxy平面における端部に位置する。
第2単位スロット422は、y方向において、少なくとも一部が第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの少なくとも一方と重なっている。第2単位スロット422は、複数の第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位スロット422は、複数の第1部分共振器41Yと重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第1部分共振器41Yとに重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位共振器41Xのみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、1つの第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、複数の第1単位共振器41Xの間に位置しうる。第2単位スロット422の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの間に位置しうる。
第2単位スロット422は、少なくとも一部が2つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位導体411のみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、2つの第1単位導体411の間に位置しうる。第2単位スロット422の重心は、1つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位スロット422は、少なくとも一部が第1単位スロット412と重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位スロット412のみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位スロット412の間に位置しうる。第2単位スロット422の中心は、1つの第1単位スロット412に重なりうる。
単位共振器40Xは、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xと、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xとを含んで構成される。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、複数の第1単位共振器41Xを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、1つの第1部分共振器41Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、複数の第1部分共振器41Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、第1単位共振器41Xのうちの一部を含んで構成されうる。単位共振器40Xは、部分的な第1単位共振器41Xを1または複数含んで構成されうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第1単位共振器41X、および1または複数の第1部分共振器41Yから複数の部分的な共振器を含んで構成される。単位共振器40Xが含む複数の部分的な共振器は、少なくとも1つ分に相当する第1単位共振器41Xに合わさる。単位共振器40Xは、第1単位共振器41Xを含まず、複数の第1部分共振器41Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、例えば、4つの第1部分共振器41Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、部分的な第1単位共振器41Xのみを複数含んで構成されうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第1単位共振器41X、および1または複数の第1部分共振器41Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、例えば、2つの部分的な第1単位共振器41X、および2の第1部分共振器41Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、x方向における両端のそれぞれにおける、含まれる第1導体層41の鏡像が略同一となりうる。単位共振器40Xは、z方向に伸びる中心線に対して、含まれる第1導体層41が略対象になりうる。
単位共振器40Xは、1つの第2単位共振器42Xを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、複数の第2単位共振器42Xを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、1つの第2部分共振器42Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、複数の第2部分共振器42Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、第2単位共振器42Xのうちの一部を含んで構成されうる。単位共振器40Xは、部分的な第2単位共振器42Xを1または複数含んで構成されうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第2単位共振器42X、および1または複数の第2部分共振器42Yから複数の部分的な共振器を含んで構成される。単位共振器40Xが含む複数の部分的な共振器は、少なくとも1つ分に相当する第2単位共振器42Xに合わさる。単位共振器40Xは、第2単位共振器42Xを含まず、複数の第2部分共振器42Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、例えば、4つの第2部分共振器42Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、部分的な第2単位共振器42Xのみを複数含んで構成されうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第2単位共振器42X、および1または複数の第2部分共振器42Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、例えば、2つの部分的な第2単位共振器42X、および2の第2部分共振器42Yを含んで構成されうる。単位共振器40Xは、x方向における両端のそれぞれにおける、含まれる第2導体層42の鏡像が略同一となりうる。単位共振器40Xは、y方向に伸びる中心線に対して、含まれる第2導体層42が略対象になりうる。
複数の実施形態の一例において、単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、複数の部分的な第2単位共振器42Xとを含んで構成される。例えば、単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2単位共振器42Xの半分とを含んで構成される。当該単位共振器40Xは、1つ分の第1単位共振器41Xと、2つ分の第2単位共振器42Xとを含んで構成される。単位共振器40Xが含む構成は、この例に限られない。
共振器10は、少なくとも1つの単位構造体10Xを含んで構成されうる。共振器10は、複数の単位構造体10Xを含んで構成されうる。複数の単位構造体10Xは、xy平面に並びうる。複数の単位構造体10Xは、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。単位構造体10Xは、正方格子(square grid)、斜交格子(oblique grid)、長方格子(rectangular grid)、および六方格子(hexagonal grid)のいずれかの繰り返し単位を含んで構成される。単位構造体10Xは、xy平面に沿って無限に並ぶことで、人工磁気壁(AMC)として機能しうる。
単位構造体10Xは、基体20の少なくとも一部と、第3導体40の少なくとも一部と、第4導体50の少なくとも一部とを含んで構成されうる。単位構造体10Xが含む基体20、第3導体40、第4導体50の部位は、z方向において重なる。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、当該単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部と、当該単位共振器40Xとz方向に重なる第4導体50とを含んで構成される。共振器10は、例えば、2行3列で並ぶ6つの単位構造体10Xを含んで構成されうる。
共振器10は、x方向において対向する2つの対導体30の間に、少なくとも1つの単位構造体10Xを有しうる。2つの対導体30は、単位構造体10Xからyz平面に広がる電気壁と観える。単位構造体10Xは、y方向の端が解放されている。単位構造体10Xは、y方向の両端のzx平面が高インピーダンスとなる。単位構造体10Xは、y方向の両端のzx平面が磁気壁と観える。単位構造体10Xは、繰り返して並ぶ際に、z方向に対して線対称としうる。単位構造体10Xは、2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、z方向に人工磁気壁特性を有する。2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、単位構造体10Xは、有限の数で人工磁気壁特性を有する。
共振器10の動作周波数は、第1単位共振器41Xの動作周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、第2単位共振器42Xの動作周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、単位共振器40Xを構成する第1単位共振器41Xおよび第2単位共振器42Xの結合などによって変化しうる。
第3導体40は、第1導体層41と第2導体層42とを含んで構成されうる。第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位導体411を含んで構成される。第1単位導体411は、第1接続導体413と、第1浮遊導体414とを含んで構成される。第1接続導体413は、対導体30のいずれかと接続している。第1浮遊導体414は、対導体30と接続していない。第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位導体421を含んで構成される。第2単位導体421は、第2接続導体423と、第2浮遊導体424とを含んで構成される。第2接続導体423は、対導体30のいずれかと接続している。第2浮遊導体424は、対導体30と接続していない。第3導体40は、第1単位導体411および第2単位導体421を含んで構成されうる。
第1接続導体413は、第1浮遊導体414よりx方向に沿った長さを長くしうる。第1接続導体413は、第1浮遊導体414よりx方向に沿った長さを短くしうる。第1接続導体413は、第1浮遊導体414に比べてx方向に沿った長さを半分としうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424よりx方向に沿った長さを長くしうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424よりx方向に沿った長さを短くしうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424に比べてx方向に沿った長さを半分としうる。
第3導体40は、共振器10が共振する際に、第1導体31と第2導体32との間の電流路となる電流路40Iを含んで構成されうる。電流路40Iは、第1導体31と、第2導体32とに接続されうる。電流路40Iは、第1導体31と第2導体32との間に、静電容量を有する。電流路40Iの静電容量は、第1導体31と第2導体32との間に、電気的に直列に接続される。電流路40Iは、第1導体31と第2導体32との間で導電体が離隔している。電流路40Iは、第1導体31に接続される導電体と、第2導体32に接続される導電体とを含んで構成されうる。
複数の実施形態において、電流路40Iにおいて、第1単位導体411と第2単位導体421とは、z方向において一部が対向している。電流路40Iにおいて、第1単位導体411と第2単位導体421とは、容量結合している。第1単位導体411は、x方向における端部に容量成分を有する。第1単位導体411は、z方向において第2単位導体421と対向するy方向における端部において容量成分を有しうる。第1単位導体411は、z方向において第2単位導体421と対向するx方向における端部、且つy方向における端部において容量成分を有しうる。第2単位導体421は、x方向における端部に容量成分を有する。第2単位導体421は、z方向において第1単位導体411と対向するy方向における端部において容量成分を有しうる。第2単位導体421は、z方向において第1単位導体411と対向するx方向における端部、且つy方向における端部において容量成分を有しうる。
共振器10は、電流路40Iにおける容量結合を大きくすることで共振周波数を低くすることができる。所望の動作周波数を実現する際に、共振器10は、電流路40Iの静電容量結合を大きくすることで、x方向に沿った長さを短くすることができる。第3導体40は、第1単位導体411と第2単位導体421とが基体20の積層方向に対向して容量結合している。第3導体40は、第1単位導体411と第2単位導体421との間の静電容量を対向する面積によって調整できる。
複数の実施形態において、第1単位導体411のy方向に沿った長さは、第2単位導体421のy方向に沿った長さと異なる。共振器10は、第1単位導体411と第2単位導体421との相対的な位置が理想的な位置からxy平面に沿ってずれた場合に、第3方向に沿った長さが第1単位導体411と第2単位導体421とで異なることで、静電容量の大きさの変化を小さくすることができる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1導体31および第2導体32と空間的に離れ、第1導体31および第2導体32と容量的に結合している、1つの導電体からなる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1導体層41と、第2導体層42とを含んで構成される。当該電流路40Iは、少なくとも1つの第1単位導体411と、少なくとも1つの第2単位導体421とを含んで構成される。当該電流路40Iは、2つの第1接続導体413、2つの第2接続導体423、ならびに1つの第1接続導体413および1つの第2接続導体423のいずれかを含んで構成される。当該電流路40Iは、第1単位導体411と、第2単位導体421とが第1方向に沿って交互に並びうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1接続導体413と、第2接続導体423とを含んで構成される。当該電流路40Iは、少なくとも1つの第1接続導体413と、少なくとも1つの第2接続導体423とを含んで構成される。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、第1接続導体413と第2接続導体423との間に静電容量を有する。実施形態の一例において、第1接続導体413は、第2接続導体423と対向し、静電容量を有しうる。実施形態の一例において、第1接続導体413は、第2接続導体423と他の導電体を介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1接続導体413と、第2浮遊導体424とを含んで構成される。当該電流路40Iは、2つの第1接続導体413を含んで構成される。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、2つの第1接続導体413の間に静電容量を有する。実施形態の一例において、2つの第1接続導体413は、少なくとも1つの第2浮遊導体424を介して容量的に接続されうる。実施形態の一例において、2つの第1接続導体413は、少なくとも1つの第1浮遊導体414と、複数の第2浮遊導体424とを介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1浮遊導体414と、第2接続導体423とを含んで構成される。当該電流路40Iは、2つの第2接続導体423を含んで構成される。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、2つの第2接続導体423の間に静電容量を有する。実施形態の一例において、2つの第2接続導体423は、少なくとも1つの第1浮遊導体414を介して容量的に接続されうる。実施形態の一例において、2つの第2接続導体423は、複数の第1浮遊導体414と、少なくとも1つの第2浮遊導体424と、を介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、共振周波数における波長λの4分の1の長さとしうる。第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、それぞれが波長λの2分の1の長さの共振器として機能しうる。第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、それぞれの共振器が容量結合することで奇モードと偶モードとで発振するように動作可能である。共振器10は、容量結合後の偶モードにおける共振周波数を動作周波数としうる。
電流路40Iは、第1導体31に複数箇所で接続されうる。電流路40Iは、第2導体32に複数箇所で接続されうる。電流路40Iは、第1導体31から第2導体32までを独立して電導する複数の電導路を含んで構成されうる。
第1接続導体413と容量結合する第2浮遊導体424において、当該容量結合している側の第2浮遊導体424の端は、対導体30との距離に比べて第1接続導体413との距離が短い。第2接続導体423と容量結合する第1浮遊導体414において、当該容量結合している側の第1浮遊導体414の端は、対導体30との距離に比べて第2接続導体423との距離が短い。
複数の実施形態の共振器10において、第3導体40の導体層は、y方向における長さが各々で異なりうる。第3導体40の導体層は、z方向において他の導体層と容量的に結合する。共振器10は、導体層のy方向における長さが異なると、導体層がy方向にずれても静電容量の変化が小さくなる。共振器10は、導体層のy方向における長さが異なることで、導体層のy方向に対するズレの許容範囲を広げることができる。
複数の実施形態の共振器10において、第3導体40は、導体層間の容量的な結合による静電容量を有する。当該静電容量を有する容量部位は、y方向に複数並びうる。y方向に複数並ぶ容量部位は、電磁気的に並列の関係となりうる。共振器10は、電気的に並列に並ぶ複数の容量部位を有することで、個々の容量誤差を相互に補完することができる。
共振器10が共振状態にあるとき、対導体30、第3導体40、第4導体50に流れる電流は、ループする。共振器10が共振状態にあるとき、共振器10には、交流電流が流れている。共振器10において、第3導体40を流れる電流を第1電流とし、第4導体50を流れる電流を第2電流とする。共振器10が共振状態にあるとき、第1電流は、x方向において第2電流と異なる方向に流れる。例えば、第1電流が+x方向に流れるとき、第2電流は-x方向に流れる。また、例えば、第1電流が-x方向に流れるとき、第2電流は+x方向に流れる。つまり、共振器10が共振状態にあるとき、ループ電流は、+x方向および-x方向に交互に流れる。共振器10は、磁界を作るループ電流が反転を繰り返すことで、電磁波を放射する。
複数の実施形態において、第3導体40は、第1導体層41と、第2導体層42とを含んで構成される。第3導体40は、第1導体層41と第2導体層42とが容量的に結合しているため、共振状態で大域的に電流が1つの方向に流れているように観える。複数の実施形態において、各導体を流れる電流は、y方向の端部において密度が大きい。
共振器10は、対導体30を介して第1電流および第2電流がループする。共振器10は、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50が共振回路となる。共振器10の共振周波数は、単位共振器の共振周波数となる。共振器10が1つの単位共振器を含んで構成される場合、または、共振器10が単位共振器の一部を含んで構成される場合、共振器10の共振周波数は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50、並びに共振器10の周囲との電磁的な結合によって変わる。例えば、共振器10は、第3導体40の周期性が乏しい場合、全体が1つの単位共振器、または全体が1つの単位共振器の一部となる。例えば、共振器10の共振周波数は、第1導体31および第2導体32のz方向の長さ、第3導体40および第4導体50のx方向の長さ、第3導体40および第4導体50の静電容量によって変わる。例えば、第1単位導体411と第2単位導体421の間の容量が大きい共振器10は、第1導体31および第2導体32のz方向の長さ、ならびに第3導体40および第4導体50のx方向の長さを短くしつつ、共振周波数の低周波数化が可能となる。
複数の実施形態において、共振器10は、z方向において第1導体層41が電磁波の実効的な放射面となる。複数の実施形態において、共振器10は、第1導体層41の第1面積が他の導体層の第1面積より大きい。当該共振器10は、第1導体層41の第1面積を大きくすることで、電磁波の放射を大きくすることができる。
複数の実施形態において、共振器10は、1または複数のインピーダンス素子45を含んで構成されうる。インピーダンス素子45は、複数の端子間にインピーダンス値を有する。インピーダンス素子45は、共振器10の共振周波数を変化させる。インピーダンス素子45は、抵抗器(Register)、キャパシタ(Capacitor)、およびインダクタ(Inductor)を含んで構成されうる。インピーダンス素子45は、インピーダンス値を変更可能な可変素子を含んで構成されうる。可変素子は、電気信号によってインピーダンス値を変更しうる。可変素子は、物理機構によってインピーダンス値を変更しうる。
インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第3導体40の2つの単位導体に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、2つの第1単位導体411に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第1接続導体413と第1浮遊導体414とに接続されうる。インピーダンス素子45は、第1導体31と、第1浮遊導体414とに接続されうる。インピーダンス素子45は、y方向における中央部において、第3導体40の単位導体に接続される。インピーダンス素子45は、2つの第1単位導体411のy方向における中央部に接続される。
インピーダンス素子45は、xy平面内でx方向に並ぶ2つの導電体の間に、電気的に直列に接続される。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、2つの第1単位導体411の間に電気的に直列に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第1接続導体413と第1浮遊導体414との間に電気的に直列に接続されうる。インピーダンス素子45は、第1導体31と、第1浮遊導体414との間に電気的に直列に接続されうる。
インピーダンス素子45は、z方向に重なって静電容量を持つ、2つの第1単位導体411および第2単位導体421に対して、電気的に並列に接続されうる。インピーダンス素子45は、z方向に重なって静電容量を持つ、第2接続導体423および第1浮遊導体414に対して、電気的に並列に接続されうる。
共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタを追加することで、共振周波数を低くできる。共振器10は、インピーダンス素子45としてインダクタを追加することで共振周波数を高くできる。共振器10は、異なるインピーダンス値のインピーダンス素子45を含んで構成されうる。共振器10は、インピーダンス素子45として異なる電気容量のキャパシタを含んで構成されうる。共振器10は、インピーダンス素子45として異なるインダクタンスのインダクタを含んで構成されうる。共振器10は、異なるインピーダンス値のインピーダンス素子45を追加することで、共振周波数の調整範囲が大きくなる。共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタおよびインダクタを同時に含んで構成されうる。共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタおよびインダクタを同時に追加することで、共振周波数の調整範囲が大きくなる。共振器10は、インピーダンス素子45を備えることによって、全体が1つの単位共振器、または全体が1つの単位共振器の一部となりうる。
図1~5は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図1は、共振器10の概略図である。図2は、z方向からxy平面を平面視した図である。図3Aは、図2に示したIIIa-IIIa線に沿った断面図である。図3Bは、図2に示したIIIb-IIIb線に沿った断面図である。図4は、図3Aおよび図3Bに示したIV-IV線に沿った断面図である。図5は、複数の実施形態の一例である単位構造体10Xを示す概念図である。
図1~5に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器を含んで構成される。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器を含んで構成される。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含んで構成される。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含んで構成される。
図6~9は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図6は、共振器10の概略図である。図7は、z方向からxy平面を平面視した図である。図8Aは、図7に示したVIIIa-VIIIa線に沿った断面図である。図8Bは、図7に示したVIIIb-VIIIb線に沿った断面図である。図9は、図8Aおよび図8Bに示したIX-IX線に沿った断面図である。
図6~9に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてスロット型の共振器を含んで構成される。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてスロット型の共振器を含んで構成される。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含んで構成される。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含んで構成される。
図10~13は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図10は、共振器10の概略図である。図11は、z方向からxy平面を平面視した図である。図12Aは、図11に示したXIIa-XIIa線に沿った断面図である。図12Bは、図11に示したXIIb-XIIb線に沿った断面図である。図13は、図12Aおよび図12Bに示したXIII-XIII線に沿った断面図である。
図10~13に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器を含んで構成される。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてスロット型の共振器を含んで構成される。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含んで構成される。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含んで構成される。
図14~17は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図14は、共振器10の概略図である。図15は、z方向からxy平面を平面視した図である。図16Aは、図15に示したXVIa-XVIa線に沿った断面図である。図16Bは、図15に示したXVIb-XVIb線に沿った断面図である。図17は、図16Aおよび図16Bに示したXVII-XVII線に沿った断面図である。
図14~17に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてスロット型の共振器を含んで構成される。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器を含んで構成される。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含んで構成される。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含んで構成される。
図1~17に示した共振器10は一例である。共振器10の構成は、図1~17に示した構造に限定されない。図18は、他の構成の対導体30を含んで構成される共振器10を示す図である。図19Aは、図18に示したXIXa-XIXa線に沿った断面図である。図19Bは、図18に示したXIXb-XIXb線に沿った断面図である。
図1~19に示した基体20は一例である。基体20の構成は、図1~19に示した構成に限定されない。基体20は、図20に示したように、内部に空洞20aを含んで構成されうる。z方向において、空洞20aは、第3導体40と第4導体50との間に位置する。空洞20aの誘電率は、基体20の誘電率に比べて低い。基体20は、空洞20aを有することで、第3導体40と第4導体50との電磁気的な距離を短くできる。
基体20は、図21に示したように、複数の部材を含んで構成されうる。基体20は、第1基体21、第2基体22、および接続体23を含んで構成されうる。第1基体21および第2基体22は、接続体23を介して機械的に接続されうる。接続体23は、内部に第6導体303を含んで構成されうる。第6導体303は、第4導体301または第5導体302と電気的に接続される。第6導体303は、第4導体301および第5導体302と合わせて第1導体31または第2導体32となる。
図1~21に示した対導体30は一例である。対導体30の構成は、図1~21に示した構成に限定されない。図22~28は、他の構成の対導体30を含んで構成される共振器10を示す図である。図22は、図19Aに相当する断面図である。図22Aに示すように、第5導体層301の数は、適宜変更しうる。図22Bに示すように、第5導体層301は、基体20の上に位置しなくてよい。図22Bに示すように、第5導体層301は、基体20の中に位置しなくてよい。
図23は、図18に相当する平面図である。図23に示すように、共振器10は、第5導体302を単位共振器40Xの境界から離しうる。図24は、図18に相当する平面図である。図24に示すように、2つの対導体30は、対となる他の対導体30側に出る凸部を有しうる。このような共振器10は、例えば、凹部を有する基体20に金属ペーストを塗布して硬化することで形成しうる。
図25は、図18に相当する平面図である。図25に示すように、基体20は、凹部を有しうる。図25に示すように、対導体30は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。図25に示すように、対導体30は、基体20の表面に沿って広がっている。このような共振器10は、例えば、凹部を有する基体20に微細な金属材料を吹き付けることで形成しうる。
図26は、図18に相当する平面図である。図26に示すように、基体20は、凹部を有しうる。図25に示すように、対導体30は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。図26に示すように、対導体30は、基体20の凹部に沿って広がっている。このような共振器10は、例えば、スルーホール導体の並びに沿ってマザー基板を分割することで製造しうる。かかる対導体30は、端面スルーホールなどと称しうる。
図27は、図18に相当する平面図である。図27に示すように、基体20は、凹部を有しうる。図27に示すように、対導体30は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。このような共振器10は、例えば、スルーホール導体の並びに沿ってマザー基板を分割することで製造しうる。かかる対導体30は、端面スルーホールなどと称しうる。
図28は、図18に相当する平面図である。図28に示すように、対導体30は、x方向における長さが、基体20に比べて短くてよい。対導体30の構成はこれらに限られない。2つの対導体30は、互いに異なる構成と成りうる。例えば、一方の対導体30は、第5導体層301および第5導体302を含んで構成され、他方の対導体30は、端面スルーホールであってよい。
図1~28に示した第3導体40は一例である。第3導体40の構成は、図1~28に示した構成に限定されない。単位共振器40X、第1単位共振器41X、および第2単位共振器42Xは、方形に限られない。単位共振器40X、第1単位共振器41X、および第2単位共振器42Xは、単位共振器40X等と称しうる。例えば、単位共振器40X等は、図29Aに示すように、三角形であってよく、図29Bに示すように六角形であってよい。単位共振器40X等の各辺は、図30に示すように、x方向およびy方向と異なる方向に伸びうる。第3導体40は、第2導体層42が基体20の上に位置し、第1導体層41が基体20の中に位置しうる。第3導体40は、第2導体層42が第1導体層41より第4導体50から遠くに位置しうる。
図1~30に示した第3導体40は一例である。第3導体40の構成は、図1~30に示した構成に限定されない。第3導体40を含んで構成される共振器は、ライン型の共振器401であってよい。図31Aに示したのは、ミアンダライン型の共振器401である。図31Bに示したのは、スパイラル型の共振器401である。第3導体40の含む共振器は、スロット型の共振器402であってよい。スロット型の共振器402は、1つまたは複数の第7導体403を開口内に有しうる。開口内の第7導体403は、一端が解放され、他端が開口を規定する導体に電気的に接続される。図31Cに示した単位スロットは、5つの第7導体403が開口内に位置する。単位スロットは、第7導体403によってミアンダラインに相当する形となる。図31Dに示した単位スロットは、1つの第7導体403が開口内に位置する。単位スロットは、第7導体403によってスパイラルに相当する形となる。
図1~31に示した共振器10の構成は一例である。共振器10の構成は、図1~31に示した構成に限定されない。例えば、共振器10の対導体30は、3以上含んで構成されうる。例えば、1つの対導体30は、2つの対導体30とx方向において対向しうる。当該2つの対導体30は、当該対導体30との距離が異なる。例えば、共振器10は、二対の対導体30を含んで構成されうる。二対の対導体30は、各対の距離、および各対の長さが異なりうる。共振器10は、5以上の第1導体を含んで構成されうる。共振器10の単位構造体10Xは、y方向において、他の単位構造体10Xと並びうる。共振器10の単位構造体10Xは、x方向において、対導体30を介さずに他の単位構造体10Xと並びうる。図32~34は、共振器10の例を示す図である。図32~34に示す共振器10では、単位構造体10Xの単位共振器40Xを正方形で示すが、これに限られない。
図1~34に示した共振器10の構成は一例である。共振器10の構成は、図1~34に示した構成に限定されない。図35は、z方向からxy平面を平面視した図である。図36Aは、図35に示したXXXVIa-XXXVIa線に沿った断面図である。図36Bは、図35に示したXXXVIb-XXXVIb線に沿った断面図である。
図35,36に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器の半分を含んで構成される。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器の半分を含んで構成される。単位共振器40Xは、1つの第1部分共振器41Yと、1つの第2部分共振器42Yとを含んで構成される。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40XとZ方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含んで構成される。図35に示した共振器10は、3つの単位共振器40Xがx方向に並んでいる。3つの単位共振器40Xに含まれる第1単位導体411および第2単位導体421は、1つの電流路40Iとなっている。
図37は、図35に示した共振器10の他の例を示す。図37に示した共振器10は、図35に示した共振器10と比較してx方向に長い。共振器10の寸法は、図37に示した共振器10に限定されず、適宜変更しうる。図37の共振器10において、第1接続導体413は、x方向の長さが第1浮遊導体414と異なる。図37の共振器10において、第1接続導体413は、x方向の長さが第1浮遊導体414より短い。図38は、図35に示した共振器10の他の例を示す。図38に示した共振器10は、第3導体40のx方向の長さが異なる。図38の共振器10において、第1接続導体413は、x方向の長さが第1浮遊導体414より長い。
図39は、共振器10の他の例を示す。図39は、図37に示した共振器10の他の例を示す。複数の実施形態において、共振器10は、x方向に並ぶ複数の第1単位導体411および第2単位導体421が容量的に結合する。共振器10は、一方から他方に電流が流れない、2つの電流路40Iがy方向に並びうる。
図40は、共振器10の他の例を示す。図40は、図39に示した共振器10の他の例を示す。複数の実施形態において、共振器10は、第1導体31に接続される導電体の数と、第2導体32に接続される導電体の数とが異なりうる。図40の共振器10において、1つの第1接続導体413は、2つの第2浮遊導体424と容量的に結合している。図40の共振器10において、2つの第2接続導体423は、1つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。複数の実施形態において、第1単位導体411の数は、当該第1単位導体411に容量結合する第2単位導体421の数と異なりうる。
図41は、図39に示した共振器10の他の例を示す。複数の実施形態において、第1単位導体411は、x方向における第1端部において容量結合する第2単位導体421の数と、x方向における第2端部において容量結合する第2単位導体421の数が異なりうる。図41の共振器10において、1つの第2浮遊導体424は、x方向における第1端部に2つの第1接続導体413が容量結合し、第2端部に3つの第2浮遊導体424が容量結合している。複数の実施形態において、y方向に並ぶ複数の導電体は、y方向における長さが異なりうる。図41の共振器10において、y方向に並ぶ3つの第1浮遊導体414は、y方向における長さが異なる。
図42は、共振器10の他の例を示す。図43は、図42に示したXLIII-XLIII線に沿った断面図である。図42,43に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器の半分を含んで構成される。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器の半分を含んで構成される。単位共振器40Xは、1つの第1部分共振器41Yと、1つの第2部分共振器42Yとを含んで構成される。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含んで構成される。図42に示した共振器10は、1つの単位共振器40Xがx方向に延びている。
図44は、共振器10の他の例を示す。図45は、図44に示したXLV-XLV線に沿った断面図である。図44,45に示した共振器10において、第3導体40は、第1接続導体413のみを含んで構成される。第1接続導体413は、xy平面において第1導体31と対向する。第1接続導体413は、第1導体31と容量的に結合する。
図46は、共振器10の他の例を示す。図47は、図46に示したXLVII-XLVII線に沿った断面図である。図46,47に示した共振器10において、第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を有する。第1導体層41は、1つの第1浮遊導体414を有する。第2導体層42は、2つの第2接続導体423を有する。当該第1導体層41は、xy平面において対導体30と対向する。2つの第2接続導体423は、1つの第1浮遊導体414とz方向に重なっている。1つの第1浮遊導体414は、2つの第2接続導体423と容量的に結合している。
図48は、共振器10の他の例を示す。図49は、図48に示したXLIX-XLIX線に沿った断面図である。図48,49に示した共振器10において、第3導体40は、第1浮遊導体414のみを含んで構成される。第1浮遊導体414は、xy平面において対導体30と対向する。第1接続導体413は、対導体30と容量的に結合する。
図50は、共振器10の他の例を示す。図51は、図50に示したLI-LI線に沿った断面図である。図50,51に示した共振器10は、図42,43に示した共振器10と第4導体50の構成が異なる。図50,51に示した共振器10は、第4導体50と、基準電位層51とを備える。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続される。基準電位層51は、第4導体50を介して第3導体40と対向している。第4導体50は、第3導体40と基準電位層51との間に位置する。基準電位層51と第4導体50との間隔は、第3導体40と第4導体50との間隔に比べて狭い。
図52は、共振器10の他の例を示す。図53は、図52に示したLIII-LIII線に沿った断面図である。共振器10は、第4導体50と、基準電位層51とを備える。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続される。第4導体50は、共振器を備える。第4導体50は、第3導体層52および第4導体層53を含んで構成される。第3導体層52および第4導体層53は、容量結合する。第3導体層52および第4導体層53は、z方向に対向する。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体層53と基準電位層51との距離に比べて短い。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体50と基準電位層51との距離に比べて短い。第3導体40は、1つの導体層となっている。
図54は、図53に示した共振器10の他の例を示す。共振器10は、第3導体40と、第4導体50と、基準電位層51とを備える。第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を含んで構成される。第1導体層41は、第1接続導体413を含んで構成される。第2導体層42は、第2接続導体423を含んで構成される。第1接続導体413は、第2接続導体423と容量的に結合される。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続される。第4導体50は、第3導体層52および第4導体層53を含んで構成される。第3導体層52および第4導体層53は、容量結合する。第3導体層52および第4導体層53は、z方向に対向する。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体層53と基準電位層51との距離に比べて短い。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体50と基準電位層51との距離に比べて短い。
図55は、共振器10の他の例を示す。図56Aは、図55に示したLVIa-LVIa線に沿った断面図である。図56Bは、図55に示したLVIb-LVIb線に沿った断面図である。図55に示した共振器10において、第1導体層41は、4つの第1浮遊導体414を有する。図55に示した第1導体層41は、第1接続導体413を有していない。図55に示した共振器10において、第2導体層42は、6つの第2接続導体423と、3つの第2浮遊導体424とを有する。2つの第2接続導体423の各々は、2つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。1つの第2浮遊導体424は、4つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。2つの第2浮遊導体424は、2つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。
図57は、図55に示した共振器の他の例を示す図である。図57の共振器10は、第2導体層42の大きさが図55に示した共振器10と異なる。図57に示した共振器10は、第2浮遊導体424のx方向に沿った長さが第2接続導体423のx方向に沿った長さより短い。
図58は、図55に示した共振器の他の例を示す図である。図58の共振器10は、第2導体層42の大きさが図55に示した共振器10と異なる。図58に示した共振器10において、複数の第2単位導体421の各々は、第1面積が異なる。図58に示した共振器10において、複数の第2単位導体421の各々は、x方向における長さが異なる。図58に示した共振器10において、複数の第2単位導体421の各々は、y方向における長さが異なる。図58において、複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2単位導体421の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体423は、第1面積が互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体423は、x方向における長さが互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体423は、y方向における長さが互いに異なる。図58において、複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2接続導体423の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体424は、第1面積が互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体424は、x方向における長さが互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体424は、y方向における長さが互いに異なる。図58において、複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2浮遊導体424の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図59は、図57に示した共振器10の他の例を示す図である。図59の共振器10は、y方向における第1単位導体411の間隔が図57に示した共振器10と異なる。図59の共振器10は、x方向における第1単位導体411の間隔に比べて、y方向における第1単位導体411の間隔が小さい。共振器10は、対導体30が電気壁として機能しうるため、電流がx方向に流れる。当該共振器10において、第3導体40をy方向に流れる電流は、無視しうる。第1単位導体411のy方向の間隔は、第1単位導体411のx方向における間隔に比べて短くしうる。第1単位導体411のy方向の間隔を短くすることで、第1単位導体411の面積を大きくしうる。
図60~62は、共振器10の他の例を示す図である。これらの共振器10は、インピーダンス素子45を有する。インピーダンス素子45が接続する単位導体は、図60~62に示した例に限られない。図60~62に示したインピーダンス素子45は、一部を省略しうる。インピーダンス素子45は、キャパシタンス特性を取りうる。インピーダンス素子45は、インダクタンス特性を取りうる。インピーダンス素子45は、機械的または電気的な可変素子でありうる。インピーダンス素子45は、1つの層にある異なる2つの導体を接続しうる。
アンテナは、電磁波の放射する機能、および電磁波を受信する機能の少なくとも一方を有する。本開示のアンテナは、第1アンテナ60および第2アンテナ70を含むが、これらに限られない。
第1アンテナ60は、基体20、対導体30、第3導体40、第4導体50、第1給電線61を備える。一例において、第1アンテナ60は、基体20の上に第3基体24を有する。第3基体24は、基体20と異なる組成としうる。第3基体24は、第3導体40の上に位置しうる。図63~76は、複数の実施形態の一例である第1アンテナ60を示す図である。
第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器の少なくとも1つに給電する。複数の共振器に給電する場合、第1アンテナ60は、複数の第1給電線を有しうる。第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器から電気壁として観える一対の導体のいずれかに電磁気的に接続されうる。
第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、および第3導体40の少なくとも1つに給電する。第1導体31、第2導体32、および第3導体40の複数の部分に給電する場合、第1アンテナ60は、複数の第1給電線を有しうる。第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、および第3導体40のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1アンテナ60が第4導体50の他に基準電位層51を備える場合、第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、対導体30のうち、第5導体層301および第5導体302のいずれかに電気的に接続される。第1給電線61の一部は、第5導体層301と一体としうる。
第1給電線61は、第3導体40に電磁気的に接続されうる。例えば、第1給電線61は、第1単位共振器41Xの1つに電磁気的に接続される。例えば、第1給電線61は、第2単位共振器42Xの1つに電磁気的に接続される。第1給電線61は、第3導体40の単位導体に対して、x方向における中央と異なる点で電磁気的に接続される。第1給電線61は、一実施形態において、第3導体40に含まれる少なくとも1つの共振器に電力を供給する。第1給電線61は、一実施形態において、第3導体40に含まれる少なくとも1つの共振器からの電力を外部に給電する。第1給電線61は、少なくとも一部が基体20の中に位置しうる。第1給電線61は、基体20の2つのzx面、2つのyz面、および2つのxy面のいずれかから外部に臨みうる。
第1給電線61は、z方向の順方向および逆方向から第3導体40に対して接しうる。第4導体50は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、第4導体50の開口を通じて、第3導体40に電磁気的に接続しうる。第1導体層41は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、第1導体層41の開口を通じて、第2導体層42に接続しうる。第1給電線61は、xy平面に沿って第3導体40に対して接しうる。対導体30は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、対導体30の開口を通じて、第3導体40に接続しうる。第1給電線61は、第3導体40の単位導体に対して、当該単位導体の中心部から離れて接続される。
図63は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図64は、図63に示したLXIV-LXIV線に沿った断面図である。図63,64に示した第1アンテナ60は、第3導体40の上に第3基体24を有する。第3基体24は、第1導体層41の上に開口を有する。第1給電線61は、第3基体24の開口を介して第1導体層41に電気的に接続される。
図65は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図66は、図65に示したLXVI-LXVI線に沿った断面図である。図65,66に示した第1アンテナ60において、第1給電線61の一部は、基体20の上に位置する。第1給電線61は、xy平面内にて第3導体40と接続しうる。第1給電線61は、xy平面内にて第1導体層41と接続しうる。一実施形態において、第1給電線61は、第2導体層42とxy平面に接続しうる。
図67は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図68は、図67に示したLXVIII-LXVIII線に沿った断面図である。図67,68に示した第1アンテナ60において、第1給電線61は、基体20の中に位置する。第1給電線61は、z方向における逆方向から第3導体40に接続しうる。第4導体50は、開口を有しうる。第4導体50は、第3導体40とz方向において重なる位置に開口を有しうる。第1給電線61は、開口を介して基体20の外部に臨みうる。
図69は、第1アンテナ60をx方向からyz面を見た断面図である。対導体30は、開口を有しうる。第1給電線61は、開口を介して基体20の外部に臨みうる。
第1アンテナ60が放射する電磁波は、第1平面において、y方向の偏波成分よりx方向の偏波成分が大きい。x方向の偏波成分は、z方向から金属板が第4導体50に近づいた際に、水平偏波成分より減衰が小さい。第1アンテナ60は、外部から金属板が近づいた際の放射効率を維持しうる。
図70は、第1アンテナ60の他の例を示す。図71は、図70に示したLXXI-LXXI線に沿った断面図である。図72は、第1アンテナ60の他の例を示す。図73は、図72に示したLXXIII-LXXIII線に沿った断面図である。図74は、第1アンテナ60の他の例を示す。図75Aは、図74に示したLXXVa-LXXVa線に沿った断面図である。図75Bは、図74に示したLXXVb-LXXVb線に沿った断面図である。図76は、第1アンテナ60の他の例を示す。図76に示した第1アンテナ60は、インピーダンス素子45を有している。
第1アンテナ60は、インピーダンス素子45によって、動作周波数を変更することができる。第1アンテナ60は、第1給電線61に接続される第1給電導体415と、第1給電線61に接続されない第1単位導体411とを含んで構成される。インピーダンス整合は、第1給電導体415と他の導電体とにインピーダンス素子45が接続されると変化する。第1アンテナ60は、インピーダンス素子45によって第1給電導体415と他の導電体とを接続することで、インピーダンスの整合を調整できる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、インピーダンス整合を調整するために、第1給電導体415と他の導電体との間に挿入されうる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、動作周波数を調整するために、第1給電線61に接続されない2つの第1単位導体411の間に挿入されうる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、動作周波数を調整するために、第1給電線61に接続されない第1単位導体411と、対導体30の何れかとの間に挿入されうる。
第2アンテナ70は、基体20、対導体30、第3導体40、第4導体50、第2給電層71、および第2給電線72を備える。一例において、第3導体40は、基体20の中に位置する。一例において、第2アンテナ70は、基体20の上に第3基体24を有する。第3基体24は、基体20と異なる組成としうる。第3基体24は、第3導体40の上に位置しうる。第3基体24は、第2給電層71の上に位置しうる。
第2給電層71は、第3導体40の上方に間を空けて位置する。第2給電層71と第3導体40との間に、基体20、または第3基体24が位置しうる。第2給電層71は、ライン型、パッチ型、およびスロット型の共振器を含んで構成される。第2給電層71は、アンテナ素子と言いうる。一例において、第2給電層71は、第3導体40と電磁気的に結合しうる。第2給電層71の共振周波数は、第3導体40との電磁気的な結合によって、単独の共振周波数から変化する。一例において、第2給電層71は、第2給電線72からの電力の伝送を受けて、第3導体40と共に共振する。一例において、第2給電層71は、第2給電線72からの電力の伝送を受けて、第3導体40および第3導体と共に共振する。
第2給電線72は、第2給電層71に電気的に接続される。一実施形態において、第2給電線72は、第2給電層71に電力を伝送する。一実施形態において、第2給電線72は、第2給電層71からの電力を外部に伝送する。
図77は、第2アンテナ70をz方向からxy平面を平面視した図である。図78は、図77に示したLXXVIII-LXXVIII線に沿った断面図である。図77,78に示した第2アンテナ70において、第3導体40は、基体20の中に位置する。第2給電層71は、基体20の上に位置する。第2給電層71は、単位構造体10Xとz方向に重なって位置する。第2給電線72は、基体20の上に位置する。第2給電線72は、xy平面において第2給電層71に電磁気的に接続される。
本開示の無線通信モジュールは、複数の実施形態の一例として無線通信モジュール80を含む。図79は、無線通信モジュール80のブロック構造図である。図80は、無線通信モジュール80の概略構成図である。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60、回路基板81、RFモジュール82を備える。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60に代えて第2アンテナ70を備えうる。
第1アンテナ60は、回路基板81の上に位置する。第1アンテナ60の第1給電線61は、回路基板81を介してRFモジュール82に電磁気的に接続される。第1アンテナ60の第4導体50は、回路基板81のグラウンド導体811に電磁気的に接続される。
グラウンド導体811は、xy平面に広がりうる。グラウンド導体811は、xy平面において第4導体50より面積が広い。グラウンド導体811は、y方向において第4導体50より長い。グラウンド導体811は、x方向において第4導体50より長い。第1アンテナ60は、y方向において、グラウンド導体811の中心よりも端側に位置しうる。第1アンテナ60の中心は、xy平面においてグラウンド導体811の中心と異なりうる。第1アンテナ60の中心は、第1導体層41および第2導体層42の中心と異なりうる。第1給電線61が第3導体40に接続される点は、xy平面におけるグラウンド導体811の中心と異なりうる。
第1アンテナ60は、対導体30を介して第1電流および第2電流がループする。第1アンテナ60は、グラウンド導体811の中心よりy方向における端側に位置することで、グラウンド導体811を流れる第2電流が非対象になる。グラウンド導体811を流れる第2電流が非対象になると、第1アンテナ60およびグラウンド導体811を含んで構成されるアンテナ構造体は、放射波のx方向の偏波成分が大きくなる。放射波のx方向の偏波成分が大きくすることで、放射波は、総合放射効率が向上しうる。
RFモジュール82は、第1アンテナ60に供給する電力を制御するように動作可能である。RFモジュール82は、ベースバンド信号を変調し、第1アンテナ60に供給する。RFモジュール82は、第1アンテナ60で受信された電気信号をベースバンド信号に変調するように動作可能である。
第1アンテナ60は、回路基板81側の導体によって共振周波数の変化が小さい。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60を有することで、外部環境から受ける影響を低減しうる。
第1アンテナ60は、回路基板81と一体構成としうる。第1アンテナ60と回路基板81とが一体構成の場合、第4導体50とグラウンド導体811とが一体構成となる。
本開示の無線通信機器は、複数の実施形態の一例として無線通信機器90を含む。図81は、無線通信機器90のブロック構造図である。図82は、無線通信機器90の平面視図である。図82に示した無線通信機器90は、構成の一部を省略している。図83は、無線通信機器90の断面図である。図83に示した無線通信機器90は、構成の一部を省略している。無線通信機器90は、無線通信モジュール80、電池91、センサ92、メモリ93、コントローラ94、第1筐体95、および第2筐体96を備える。無線通信機器90の無線通信モジュール80は、第1アンテナ60を有しているが、第2アンテナ70を有しうる。図84は、無線通信機器90の他の実施形態の1つである。無線通信機器90の有する第1アンテナ60は、基準電位層51を有しうる。
電池91は、無線通信モジュール80に電力を供給する。電池91は、センサ92、メモリ93、およびコントローラ94の少なくとも1つに電力を供給するように動作可能である。電池91は、1次電池および二次電池の少なくとも一方を含んで構成されうる。電池91のマイナス極は、回路基板81のグラウンド端子に電気的に接続される。電池91のマイナス極は、第1アンテナ60の第4導体50に電気的に接続される。
センサ92は、例えば、速度センサ、振動センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、回転角センサ、角速度センサ、地磁気センサ、マグネットセンサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、光センサ、照度センサ、UVセンサ、ガスセンサ、ガス濃度センサ、雰囲気センサ、レベルセンサ、匂いセンサ、圧力センサ、空気圧センサ、接点センサ、風力センサ、赤外線センサ、人感センサ、変位量センサ、画像センサ、重量センサ、煙センサ、漏液センサ、バイタルセンサ、バッテリ残量センサ、超音波センサまたはGPS(Global Positioning System)信号の受信装置等を含んで構成されてよい。
メモリ93は、例えば半導体メモリ等を含んで構成されうる。メモリ93は、コントローラ94のワークメモリとして機能しうる。メモリ93は、コントローラ94に含まれうる。メモリ93は、無線通信機器90の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム、および無線通信機器90における処理に用いられる情報等を記憶する。
コントローラ94は、例えばプロセッサを含んで構成されうる。コントローラ94は、1以上のプロセッサを含んで構成されてよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)ともいう。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ94は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ94は、メモリ93に、各種情報、または無線通信機器90の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
コントローラ94は、無線通信機器90から送信する送信信号を生成するように動作可能である。コントローラ94は、例えば、センサ92から測定データを取得してよい。コントローラ94は、測定データに応じた送信信号を生成してよい。コントローラ94は、無線通信モジュール80のRFモジュール82にベースバンド信号を送信するように動作可能である。
第1筐体95および第2筐体96は、無線通信機器90の他のデバイスを保護する。第1筐体95は、xy平面に広がりうる。第1筐体95は、他のデバイスを支える。第1筐体95は、無線通信モジュール80を支持しうる。無線通信モジュール80は、第1筐体95の上面95Aの上に位置する。第1筐体95は、電池91を支持しうる。電池91は、第1筐体95の上面95Aの上に位置する。複数の実施形態の一例において、第1筐体95の上面95Aの上には、無線通信モジュール80と、電池91とがx方向に沿って並んでいる。電池91は、第3導体40との間に第1導体31が位置する。電池91は、第3導体40から観て対導体30の向こう側に位置する。
第2筐体96は、他のデバイスを覆いうる。第2筐体96は、第1アンテナ60のz方向側に位置する下面96Aを含んで構成される。下面96Aは、xy平面に沿って広がる。下面96Aは、平坦に限られず、凹凸を含んで構成されうる。第2筐体96は、第8導体961を有しうる。第8導体961は、第2筐体96の内部、外側および内側の少なくとも一方に位置する。第8導体961は、第2筐体96の上面および側面の少なくとも一方に位置する。
第8導体961は、第1アンテナ60と対向する。第8導体961の第1部位9611は、z方向において、第1アンテナ60と対向する。第8導体961は、第1部位9611の他に、x方向において第1アンテナ60と対向する第2部位、およびy方向において第1アンテナと対向する第3部位の少なくとも一方を含んで構成されうる。第8導体961は、一部が電池91と対向している。
第8導体961は、x方向において第1導体31より外側に延びる第1延部9612を含んで構成されうる。第8導体961は、x方向において第2導体32より外側に延びる第2延部9613を含んで構成されうる。第1延部9612は、第1部位9611と電気的に接続しうる。第2延部9613は、第1部位9611と電気的に接続しうる。第8導体961の第1延部9612は、z方向において、電池91と対向している。第8導体961は、電池91と容量的に結合しうる。第8導体961は、電池91との間がキャパシタンスとなりうる。
第8導体961は、第1アンテナ60の第3導体40と離隔する。第8導体961は、第1アンテナ60の各導体と電気的に接続されていない。第8導体961は、第1アンテナ60と離隔しうる。第8導体961は、第1アンテナ60のいずれかの導体と電磁気的に結合しうる。第8導体961の第1部位9611は、第1アンテナ60と電磁気的に結合しうる。第1部位9611は、z方向から平面視したときに、第3導体40と重なりうる。第1部位9611は、第3導体40と重なることで、電磁気的な結合による伝播が大きくなりうる。第8導体961は、第3導体40との電磁気的な結合が相互インダクタンスとなりうる。
第8導体961は、x方向に沿って広がっている。第8導体961は、xy平面に沿って広がっている。第8導体961の長さは、第1アンテナ60のx方向に沿った長さより長い。第8導体961のx方向に沿った長さは、第1アンテナ60のx方向に沿った長さより長い。第8導体961の長さは、無線通信機器90の動作波長λの1/2より長くしうる。第8導体961は、y方向に沿って延びる部位を含んで構成されうる。第8導体961は、xy平面内で曲がりうる。第8導体961は、z方向に沿って延びる部位を含んで構成されうる。第8導体961は、xy平面からyz平面またはzx平面に曲がりうる。
第8導体961を備える無線通信機器90は、第1アンテナ60および第8導体961が電磁的に結合して第3アンテナ97として機能しうる。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第1アンテナ60単独の共振周波数と異なってよい。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第8導体961単独の共振周波数より第1アンテナ60の共振周波数に近くてよい。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第1アンテナ60の共振周波数帯内にありうる。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第8導体961単独の共振周波数帯外にありうる。図85は、第3アンテナ97の他の実施形態である。第8導体961は、第1アンテナ60と一体的に構成されうる。図85は、無線通信機器90の一部の構成を省略している。図85の例において、第2筐体96は第8導体961を備えなくてよい。
無線通信機器90において、第8導体961は、第3導体40に対して容量的に結合する。第8導体961は、第4導体50に対して電磁気的に結合する。第3アンテナ97は、空中において、第8導体の第1延部9612および第2延部9613を含んで構成されることにより、第1アンテナ60に比べて利得が向上する。
無線通信機器90は、種々の物体の上に位置しうる。無線通信機器90は、電導体99の上に位置しうる。図86は、無線通信機器90の一実施形態を示す平面視図である。電導体99は、電気を伝える導体である。電導体99の材料は、金属、ハイドープの半導体、電導プラスチック、イオンを含む液体を含み。電導体99は、表面上に電気を伝えない不導体層を含んで構成されうる。電気を伝える部位と不導体層とは、共通の元素を含みうる。例えば、アルミニウムを含んで構成される電導体99は、表面にアルミ酸化物の不導体層を含んで構成されうる。電気を伝える部位と不導体層とは、異なる元素を含みうる。
電導体99の形状は、平板に限られず、箱形などの立体形状を含みうる。電導体99がなす立体形状は、直方体、円柱を含む。当該立体形状は、一部が窪んだ形状、一部が貫通した形状、一部が突出した形状を含みうる。例えば、電導体99は、円環(トーラス)型としうる。
電導体99は、無線通信機器90を載せうる上面99Aを含んで構成される。上面99Aは、電導体99の全面に亘って広がりうる。上面99Aは、電導体99の一部としうる。上面99Aは、無線通信機器90より面積を広くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に置かれうる。上面99Aは、無線通信機器90より面積を狭くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に一部が置かれうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に種々の向きで置かれうる。無線通信機器90の向きは、任意としうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に固定具によって適宜固定されうる。固定具は、両面テープおよび接着剤などのように面で固定するものを含む。固定具は、ネジおよび釘などのように点で固定するものを含む。
電導体99の上面99Aは、j方向に沿って延びる部位を含んで構成されうる。j方向に沿って延びる部位は、k方向に沿った長さに比べてj方向に沿った長さが長い。j方向とk方向とは、直交している。j方向は、電導体99が長く伸びる方向である。k方向は、電導体99がj方向に比べて長さが短い方向である。無線通信機器90は、x方向がj方向に沿うように、上面99A上に置かれうる。第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に置かれうる。無線通信機器90が電導体99の上に位置するときに、第1アンテナ60は、電導体99と電磁気的に結合しうる。第1アンテナ60の第4導体50は、x方向に沿って第2電流が流れる。第1アンテナ60と電磁気的に結合する電導体99は、第2電流によって電流が誘導される。第1アンテナ60のx方向と電導体99のj方向とが揃うと、電導体99は、j方向に沿って電流が流れる電流が大きくなる。第1アンテナ60のx方向と電導体99のj方向とが揃うと、電導体99は、誘導電流による放射が大きくなる。j方向に対するx方向の角度は、45度以下としうる。
無線通信機器90のグラウンド導体811は、電導体99と離れている。グラウンド導体811は、電導体99と離れている。無線通信機器90は、上面99Aの長辺に沿った方向が、第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、上面99A上に置かれうる。上面99Aは、方形状の面の他に、菱形、円形を含みうる。電導体99は、菱形状の面を含んで構成されうる。この菱形状の面は、無線通信機器90を載せる上面99Aとしうる。無線通信機器90は、上面99Aの長対角線に沿った方向が、第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、上面99A上に置かれうる。上面99Aは、平坦に限られない。上面99Aは、凹凸を含んで構成されうる。上面99Aは、曲面を含んで構成されうる。曲面は、線織面(ruled surface)を含む。曲面は、柱面を含む。
電導体99は、xy平面に広がる。電導体99は、y方向に沿った長さに比べてx方向に沿った長さを長くしうる。電導体99は、y方向に沿った長さを第3アンテナ97の動作周波数fcにおける波長λcの2分の1より短くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上に位置しうる。電導体99は、z方向において第4導体50と離れて位置する。電導体99は、x方向に沿った長さが第4導体50に比べて長い。電導体99は、xy平面における面積が第4導体50より広い。電導体99は、z方向においてグラウンド導体811と離れて位置する。電導体99は、x方向に沿った長さがグラウンド導体811に比べて長い。電導体99は、xy平面における面積がグラウンド導体811より広い。
無線通信機器90は、電導体99が長く延びる方向に、第1導体31および第2導体32が並ぶxが揃う向きで、電導体99の上に置かれうる。言い換えると、無線通信機器90は、xy平面において第1アンテナ60の電流が流れる方向と、電導体99が長く延びる方向とが揃う向きで、電導体99の上に置かれうる。
第1アンテナ60は、回路基板81側の導体によって共振周波数の変化が小さい。無線通信機器90は、第1アンテナ60を有することで、外部環境から受ける影響を低減しうる。
無線通信機器90において、グラウンド導体811は、電導体99と容量的に結合する。無線通信機器90は、電導体99のうち第3アンテナ97より外に拡がる部位を含んで構成されることにより、第1アンテナ60に比べて利得が向上する。
無線通信機器90は、空中での共振回路と、電導体99上での共振回路とが異なりうる。図87は、空中でなす共振構造の概略回路である。図88は、電導体99上でなす共振構造の概略回路である。L3は共振器10のインダクタンスであり、L8は第8導体961のインダクタンスであり、L9は電導体99のインダクタンスであり、MはL3とL8の相互インダクタンスである。C3は第3導体40のキャパシタンスであり、C4は第4導体50のキャパシタンスであり、C8は第8導体961のキャパシタンスであり、C8Bは第8導体961と電池91とのキャパシタンスであり、C9は電導体99とグラウンド導体811とキャパシタンスである。R3は共振器10の放射抵抗であり、R8は、第8導体961の放射抵抗である。共振器10の動作周波数は、第8導体の共振周波数より低い。無線通信機器90は、空中において、グラウンド導体811がシャーシグラウンドとして機能する。無線通信機器90は、第4導体50が電導体99と容量的に結合する。電導体99上において無線通信機器90は、電導体99が実質的なシャーシグラウンドとして機能する。
複数の実施形態において、無線通信機器90は、第8導体961を有する。この第8導体961は、第1アンテナ60と電磁気的に結合し、かつ第4導体50と容量的に結合している。無線通信機器90は、容量的な結合によるキャパシタンスC8Bを大きくすることで、空中から電導体99上へ置かれたときに動作周波数を高くすることができる。無線通信機器90は、電磁気的な結合による相互インダクタンスMを大きくすることで、空中から電導体99上へ置かれたときに動作周波数を低くすることができる。無線通信機器90は、キャパシタンスC8Bと相互インダクタンスMのバランスを変えることで、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を調整できる。無線通信機器90は、キャパシタンスC8Bと相互インダクタンスMのバランスを変えることで、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を小さくできる。
無線通信機器90は、第3導体40と電磁気的に結合し、第4導体50と容量的に結合する第8導体961を有する。かかる第8導体961を有することで、無線通信機器90は、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を調整できる。かかる第8導体961を有することで、無線通信機器90は、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を小さくできる。
第8導体961を含まない無線通信機器90も同様に、空中においては、グラウンド導体811がシャーシグラウンドとして機能する。第8導体961を含まない無線通信機器90も同様に、電導体99上においては、電導体99が実質的なシャーシグラウンドとして機能する。共振器10を含んで構成される共振構造は、シャーシグランドが変わっても発振可能である。基準電位層51を備える共振器10および基準電位層51を備えない共振器10が発振可能であることと対応する。
図89は、アレイアンテナ1の一実施形態を示す斜視図である。図90は、図89に示したL1-L1線に沿ったアンテナ素子100およびアンテナ基板200の断面図である。
本開示において、第4方向(forth axis)をX方向として示す。本開示では、第5方向(fifth axis)をY方向として示す。本開示では、第8方向(eighth axis)をZ方向として示す。図89等に示すXYZ座標系は、図1等に示すxyz軸座標系とは、独立してよい。または、図89等に示すXYZ座標系は、図1等に示すxyz軸座標系に対応してよい。この場合、第4方向すなわちX方向は、第1方向であるx方向または第3方向であるy方向に、沿った方向であってよい。
図89に示すアレイアンテナ1は、回路基板2上に位置してよい。アレイアンテナ1は、回路基板2を介して集積回路3に接続されうる。集積回路3は、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)であってよい。アレイアンテナ1は、回路基板2を介さずに、集積回路3に直接接続されてよい。換言すると、アレイアンテナ1は、回路基板2上に位置しなくてよい。アレイアンテナ1は、複数のアンテナ素子100と、アンテナ基板200とを有する。
複数のアンテナ素子100は、アレイアンテナ1において、格子状に並ぶ。複数のアンテナ素子100は、正方格子、斜交格子、長方格子、三角格子、および六方格子で並びうる。正方格子の場合、複数のアンテナ素子100は、図89に示すように、X方向およびY方向に沿って格子状に並びうる。複数のアンテナ素子100は、直線状に並んでよい。この場合、複数のアンテナ素子100は、X方向(またはY方向)に沿って並びうる。
複数のアンテナ素子100は、図90に示すように、アンテナ基板200と一体化されてよい。アンテナ素子100は、図90に示すように、第4アンテナ110と、フィルタ120とを含んで構成される。第4アンテナ110によって受信された電磁波は、フィルタ120を介して図89に示す集積回路3に電気信号として供給される。図89に示す集積回路3が出力する電気信号は、図90に示すフィルタ120を介して、第4アンテナ110によって電磁波として放射される。
第4アンテナ110は、図90に示すように、第1導体31および第2導体32と、第3導体40と、第4導体50と、第3導体40に電気的に接続される第3給電線111とを含んで構成される。
フィルタ120は、図90に示すように、第4アンテナ110の第3給電線111に電気的に接続される。フィルタ120は、図90に示すように、Z方向において、第4導体50に重ねられて位置する。フィルタ120は、アンテナ基板200内に形成されてよい。フィルタ120には、アレイアンテナ1によって送受信される電磁波の周波数帯等に応じて、任意の構造が採用されてよい。例えば、フィルタ120は、積層導波管型フィルタであってよい。フィルタ120は、図90に示すように、導体121と、配線122と、導体123,124,125と、導体126,127とを含んで構成されうる。フィルタ120は、任意の数の積層導波管型フィルタを含んで構成されてよい。
導体121は、第4導体50と同様の材料で構成されてよい。導体121と第4導体50とは、共有化されてよい。つまり、導体121と第4導体50とは、一体化されてよい。導体121は、第4導体50とは独立した別個の部材であってよい。導体121は、第4導体50とは独立した別個の部材である場合、第4導体50に重ねられうる。
配線122は、任意の金属材料で形成されてよい。配線122は、マイクロストリップラインとして形成されてよい。配線122は、図89に示す回路基板2に電気的に接続されてよい。配線122は、図89に示す回路基板2を介して、集積回路3に電気的に接続されうる。図89に示すアレイアンテナ1が集積回路3に直接接続される場合、配線122は、集積回路3に電気的に直接接続されうる。
導体123~125は、積層導波管の一部として機能する。導体123~125は、任意の金属材料で形成されてよい。導体123~125は、開口部を含んで構成される。導体123~125は、Z方向において開口部が対向するように配置される。電気信号は、開口部を介した電磁結合によって授受される。
導体126は、フィルタ120の一方の端部付近において、Z方向に沿って延在する。y方向に並ぶ複数の導体126は、y方向に延びる導体125を介して電気的に接続される。導体127は、フィルタ120の他方の端部付近において、Z方向に沿って延在する。y方向に並ぶ複数の導体126は、y方向に延びる導体125を介して電気的に接続される。
図90に示すアンテナ基板200は、誘電体基板でありうる。アンテナ基板200は、図1に示す基体20と同様に、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含んで構成されうる。アンテナ基板200の上には、アンテナ素子100が位置する。
図91は、アレイアンテナ1Aの一実施形態を示す斜視図である。図92は、図91に示したL2-L2線に沿ったアンテナ素子101およびアンテナ基板210の断面図である。
図91に示すアレイアンテナ1Aは、回路基板2を介して、集積回路3と電気的に接続されうる。アレイアンテナ1Aは、複数のアンテナ素子101と、アンテナ基板210とを有する。
アンテナ素子101は、図92に示すように、第4アンテナ110と、フィルタ130とを有する。
フィルタ130は、図92に示すように、第4アンテナ110の第3給電線111に電気的に接続される。フィルタ130は、図92に示すように、Z方向において、第4導体50に重ねられて位置する。フィルタ130は、アンテナ基板210の基板部211内に形成されてよい。フィルタ130には、アレイアンテナ1Aによって送受信される電磁波の周波数帯等に応じて、任意の構造が採用されてよい。例えば、フィルタ130は、誘電体フィルタであってよい。フィルタ130は、図92に示すように、導体131と、配線132と、配線132と、誘電体ブロック133と、導体134A,134Bと、導体135A,135Bと、導体136A,136Bと、導体137と、導体138,139とを含んで構成されうる。フィルタ130は、任意の数の誘電体フィルタ等を含んで構成されてよい。
導体131は、第4導体50と同様の材料で構成されてよい。導体131と第4導体50とは、共通化されてよい。つまり、導体131と第4導体50とは、一体化されてよい。導体131は、第4導体50とは独立した別個の部材であってよい。導体131は、第4導体50とは独立した別個の部材である場合、第4導体50に重ねられうる。
配線132は、任意の金属材料で形成されてよい。配線132は、マイクロストリップラインとして形成されてよい。配線132は、図91に示す回路基板2に電気的に接続されてよい。配線132は、図91に示す回路基板2を介して、集積回路3に電気的に接続されうる。図91に示すアレイアンテナ1Aが集積回路3に直接接続される場合、配線132は、集積回路3に電気的に直接接続されうる。
誘電体ブロック133は、図1等に示す基体20と同様に、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含んで構成されうる。誘電体ブロック133の誘電率は、アレイアンテナ1Aによって送受信される電磁波の周波数帯等に応じて、適宜選択されてよい。
導体134A,134B、導体135A,135B、導体136A,136B、および導体137は、任意の金属材料で形成されてよい。導体134A,134B、導体135A,135B、導体136A,136B、および導体137は、開口部を含んで構成される。導体134A,134B、導体135A,135B、導体136A,136B、および導体137は、Z方向において開口部が対向するように配置される。電気信号は、開口部を介した電磁結合によって授受される。
導体134A,134Bは、一体として形成されてよいし、別個の部材として形成されてよい。導体135A,135Bは、一体として形成されてよいし、別個の部材として形成されてよい。導体136A,136Bは、一体として形成されてよいし、別個の部材として形成されてよい。
導体138は、誘電体ブロック133に含まれるZY平面に略平行な2つの面のうち、一方の面側に位置する。導体139は、誘電体ブロック133に含まれるZY平面に略平行な2つの面のうち、他方の面側に位置する。導体138および導体139は、それぞれ、YZ平面に沿って広がる。
図91に示すアンテナ基板210は、図90に示すアンテナ基板200と同様に、誘電体基板でありうる。アンテナ基板210は、図1に示す基体20と同様に、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含んで構成されうる。
アンテナ基板210は、図91に示すように、複数の基板部211を含んで構成される。基板部211には、図91および図92に示すように、少なくとも1つのアンテナ素子101が配置される。
基板部211は、アレイアンテナ1Aにおけるアンテナ素子101の配列に応じて、適宜配置されてよい。例えばアンテナ素子101をX方向およびY方向に沿って正方格子状に並べる場合、複数の基板部211は、X方向およびY方向に沿って格子状に並びうる。例えばアンテナ素子101をX方向(またはY方向)に沿って直線状に並べる場合、複数の基板部211は、X方向(またはY方向)に沿って並びうる。
図93は、アレイアンテナ1Bの一実施形態を示す斜視図である。図94は、図93に示したL3-L3線に沿ったアンテナ素子102およびアンテナ基板220の断面図である。
図93に示すアレイアンテナ1Bは、回路基板2を介して、集積回路3と電気的に接続されうる。アレイアンテナ1Bは、図93に示すように、複数のアンテナ素子102と、アンテナ基板220とを有する。
複数のアンテナ素子102は、図89に示す複数のアンテナ素子100と同様に、アレイアンテナ1Bにおいて格子状に並ぶ。アンテナ素子102は、図94に示すように、第4アンテナ110と、フィルタ140とを含んで構成される。
フィルタ140は、図94に示すように、第4アンテナ110の第3給電線111に電気的に接続される。フィルタ140は、図94に示すように、Z方向において、第4導体50に重ねられて位置する。フィルタ140は、アンテナ基板220の下側に位置してよい。フィルタ140には、アレイアンテナ1Bによって送受信される電磁波の周波数帯等に応じて、任意の構造が採用されてよい。フィルタ140は、誘電体フィルタであってよい。フィルタ140は、図94に示すように、導体141と、配線142と、誘電体ブロック143と、導体144,145,146,147と、導体148,149とを含んで構成されうる。フィルタ140は、任意の数の誘電体フィルタが一体的に形成されうる。
導体141は、第4アンテナ110の第3給電線111に電気的に接続されうる。導体141は、任意の金属材料で形成されてよい。導体141は、マイクロストリップラインとして形成されてよい。導体141は、分岐することにより、二以上の異なる第4アンテナ110の第3給電線111に電気的に接続されてよい。
配線142は、任意の金属材料で形成されてよい。配線142は、マイクロストリップラインとして形成されてよい。図94に示す配線142は、図93に示す回路基板2に電気的に接続されてよい。図94に示す配線142は、図93に示す回路基板2を介して、集積回路3に電気的に接続されうる。図93に示すアレイアンテナ1Bが集積回路3に直接接続される場合、図94に示す配線142は、集積回路3に電気的に直接接続されうる。
誘電体ブロック143は、図1等に示す基体20と同様に、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含んで構成されうる。誘電体ブロック143の誘電率は、アレイアンテナ1Bによって送受信される電磁波の周波数帯等に応じて、適宜選択されてよい。
導体144~147は、任意の金属材料で形成されてよい。導体144~147は、マイクロストリップラインとして形成されてよい。導体144~147は、開口部を含んで構成される。導体144~147は、Z方向において開口部が対向するように位置する。電気信号は、開口部を介した電磁結合によって授受される。
導体148は、誘電体ブロック143に含まれるZY平面に略平行な2つの面のうち、一方の面側に位置する。導体149は、誘電体ブロック143に含まれるZY平面に略平行な2つの面のうち、他方の面側に位置する。導体148および導体149は、それぞれ、YZ平面に沿って広がる。
図93に示すアンテナ基板220は、図90に示すアンテナ基板200と同様に、誘電体基板でありうる。アンテナ基板220は、図1に示す基体20と同様に、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含んで構成されうる。
アンテナ基板220は、図93に示すように、複数の基板部221を含んで構成される。基板部221には、図93に示すように、4つのアンテナ素子101が位置する。基板部221において、4つのアンテナ素子101は、X方向およびY方向に沿って格子状に並ぶ。ただし、基板部221に位置するアンテナ素子101の数は、4つに限定されない。基板部221には、少なくとも1つのアンテナ素子101が位置すればよい。
基板部221は、アレイアンテナ1Bにおけるアンテナ素子101の配列に応じて、適宜配置されてよい。例えばアンテナ素子101をX方向およびY方向に沿って正方格子状に並べる場合、複数の基板部221は、X方向およびY方向に沿って格子状に並びうる。
図95は、通信ユニット4の一実施形態を示すブロック図である。図96は、通信ユニット4の一実施形態を示す断面図である。
通信ユニット4は、図95に示すように、機能ブロックとして、アレイアンテナ1と、RFモジュール5、メモリ6A、およびコントローラ6Bを有する集積回路3とを備える。通信ユニット4は、図96に示すように、筐体4A内に、アレイアンテナ1および集積回路3が搭載される回路基板2と、ヒートシンク7とを備える。
図95および図96に示すに示す通信ユニット4は、図89に示すアレイアンテナ1を備える。ただし、通信ユニット4は、図91に示すアレイアンテナ1Aまたは図93に示すアレイアンテナ1Bを備えてよい。また、図95に示す通信ユニット4は、集積回路3の内部に、メモリ6Aおよびコントローラ6Bを備える。ただし、通信ユニット4は、集積回路3の外部に、メモリ6Aおよびコントローラ6Bを備えてよい。また、通信ユニット4が備える構成要素は、図95および図96に示す構成要素に限定されない。例えば、通信ユニット4は、図81に示す電池91およびセンサ92等を備えてよい。
RFモジュールは、変調回路および復調回路を含んで構成されてよい。RFモジュール5は、コントローラ6Bの制御に基づいて、アレイアンテナ1に供給する電力を制御するよう動作可能である。RFモジュール5は、コントローラ6Bの制御に基づいて、ベースバンド信号を変調し、アレイアンテナ1に供給する。RFモジュール5は、コントローラ6Bの制御に基づいて、アレイアンテナ1により受信された電気信号をベースバンド信号に変調するように動作可能である。
図95に示すメモリ6Aは、例えば半導体メモリ等を含んで構成されうる。メモリ6Aは、コントローラ6Bのワークメモリとして機能しうる。メモリ6Aは、コントローラ6Bに含まれうる。メモリ6Aは、通信ユニット4の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム、および通信ユニット4における処理に用いられる情報等を記憶する。
図95に示すコントローラ6Bは、例えばプロセッサを含んで構成されうる。コントローラ6Bは、1以上のプロセッサを含んで構成されてよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。特定用途向けICは、ASICともいう。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLDともいう。PLDは、FPGAを含んでよい。コントローラ6Bは、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPのいずれかであってよい。コントローラ6Bは、メモリ6Aに、各種情報、または通信ユニット4の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
図95に示すコントローラ6Bは、RFモジュール5を介して、アンテナ素子100のフィルタ120に接続される。コントローラ6Bは、電気信号としての送信信号を、RFモジュール5を制御して、アレイアンテナ1によって電磁波として放射する。コントローラ6Bは、RFモジュール5を制御して、アレイアンテナ1によって電磁波としての受信信号を電気信号として取得する。
例えば、コントローラ6Bは、通信ユニット4から送信する送信信号を生成する。コントローラ6Bは、例えば通信ユニット4が図81に示すセンサ92を備える場合、センサ92から測定データを取得してよい。コントローラ6Bは、測定データに応じた送信信号を生成してよい。
図96に示すヒートシンク7は、任意の熱伝導部材で構成されてよい。ヒートシンク7は、集積回路3に接触するように、配置されてよい。ヒートシンク7は、集積回路3等から発生した熱を、通信ユニット4の外部に放出する。
図97は、移動体8の一実施形態を示すブロック図である。
本開示における「移動体」は、例えば車両、船舶、および航空機等を含んでよい。車両は、例えば自動車、産業車両、鉄道車両、生活車両、および滑走路を走行する固定翼機等を含んでよい。自動車は、例えば乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含んでよい。産業車両は、例えば農業および建設向けの産業車両等を含んでよい。産業車両は、例えばフォークリフトおよびゴルフカート等を含んでよい。農業向けの産業車両は、例えばトラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機等を含んでよい。建設向けの産業車両は、例えばブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラ等を含んでよい。車両は、人力で走行するものを含んでよい。車両の分類は、上述した例に限られない。例えば、自動車は、道路を走行可能な産業車両を含んでよい。複数の分類に同じ車両が含まれてよい。船舶は、例えばマリンジェット、ボート、およびタンカー等を含んでよい。航空機は、例えば固定翼機および回転翼機等を含んでよい。
移動体8は、図97に示すように、通信ユニット4を備える。移動体8は、通信ユニット4の他、例えば移動体8の所望の機能を発揮するために、任意の構成要素を備えてよい。例えば移動体8が自動車である場合、移動体8は、エンジン、ブレーキおよびステアリング等を備えてよい。
図98は、基地局9の一実施形態を示すブロック図である。
本開示における「基地局」は、移動体8と無線通信可能な固定された基地等を示す。本開示における「基地局」は、電気通信事業者または無線従事者等が管理する無線設備を含んでよい。
基地局9は、図98に示すように、通信ユニット4を備える。基地局9は、通信ユニット4の他、例えば基地局9の所望の機能を発揮するために、任意の構成要素を備えてよい。
以上のように、一実施形態にアンテナ素子は、例えば図90に示すように、第4アンテナ110と、第4アンテナ110の第4導体50に重ねられて位置するフィルタ120とを備える。フィルタ120が第4アンテナ110の第4導体50に重ねられることで、アンテナ素子100は、小型化されうる。従って、改善された、アンテナ素子100が提供されうる。
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、図89に示すアンテナ素子100は、アレイアンテナ1において三角格子状に並んでよい。図99に、アンテナ素子100を三角格子状に配置する例を示す。図99に示す位置P1は、アンテナ素子100の位置を示す。図99に示す第6方向は、第4方向となす角度が90度未満となる方向である。第7方向は、第4方向および第6方向と交差する方向である。同様に、図91に示すアンテナ素子100は、アレイアンテナ1Aにおいて三角格子状に並んでよい。
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
本開示において「第1」、「第2」、「第3」等の記載は、当該構成を区別するための識別子の一例である。本開示における「第1」および「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の周波数は、第2の周波数と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。例えば、第1導体31は、導体31としうる。本開示における「第1」および「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠、および大きい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。本開示には、第2導体層42が第2単位スロット422を有するが、第1導体層41が第1単位スロットを有さない構成が含まれる。