JP2004104383A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電体基板に形成された平面状のアレーアンテナのように対応周波数帯域の狭いアンテナを用いながら簡単な構成によって広い周波数帯域での使用に対応可能とする。
【解決手段】それぞれ複数のパッチアンテナ3a,3bから構成されそれぞれ異なる共振周波数帯域を有する複数のサブアンテナ2a,2bそれぞれと,サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応する高周波信号を出力及び入力する送受信機4とをサーキュレータ5によって相互に接続し,サブアンテナ間における高周波信号の相互干渉を抑止する。
【選択図】図1
【解決手段】それぞれ複数のパッチアンテナ3a,3bから構成されそれぞれ異なる共振周波数帯域を有する複数のサブアンテナ2a,2bそれぞれと,サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応する高周波信号を出力及び入力する送受信機4とをサーキュレータ5によって相互に接続し,サブアンテナ間における高周波信号の相互干渉を抑止する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,無線通信用のアンテナ装置に関し,特に,準ミリ波帯〜ミリ波帯の超高周波帯でのモバイル高速無線通信用に好適なアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の無線通信では,例えば,携帯電話では800MHz,PHSでは1.9GHz,IEEE802.11b規格の無線LANでは2.4GHzの各周波数帯での通信が行われているが,FTTH(fiber to the home),DSL(digital subscriber line)等の固定通信回線と比べると通信速度の面で十分でない。今後,さらに無線通信の高速化を図るためには,より広い周波数帯域幅を確保しやすい準ミリ波帯(10GHz以上)〜ミリ波帯(30GHz以上)の超高周波帯での通信へ移行せざるを得ない。
従来,マイクロ波帯〜ミリ波帯の超高周波帯域での無線通信に用いられるアンテナ装置としては,アンテナ効率に優れ,低サイドロープ特性を容易に実現できるいわゆる開口面アンテナが固定通信局に広く用いられてきた。典型的な開口面アンテナとしてパラボラアンテナやホーンアンテナがある。
しかしながら,開口面アンテナは,金属製の立体構造を有するので相当の重量及び容積があるため,携帯性が要求されるモバイル用途での無線通信には適していないという問題点があった。
一方,低周波帯域での無線通信に一般的に用いられるチップアンテナやロッドアンテナは小型軽量で携帯性に優れているが,超高周波帯域での無線通信ではアンテナゲインの確保が困難であるという問題点があった。
このような中で,モバイル用途向けの超高周波帯域での無線通信用アンテナとしては,大きさ,消費電力,コスト等を総合的に考慮すれば,基板に形成されたパッチアンテナやスロットアンテナ等,ストリップライン構成を基本にした平面状のアレーアンテナが適していると考えられる。
前記アレーアンテナは,一般に無線信号の波長の4分の1程度の寸法のアンテナ素子が2次元の平面状に配列されたアレー構成を有する。具体的には,2つの導体(導電体)とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイド(Non Radiative Dielectric wave Guide)における前記導体の一方に1次元状又は2次元状に配列された複数の開口部(スロット)が設けられた構成を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナ(スロット型のアレーアンテナ)や,プリント基板をエッチングして線状またはパッチ状のアンテナ素子(パッチアンテナ)を1次元状又は2次元状に複数に並べたマイクロストリップ型のアレーアンテナ(ストリップ型のアレーアンテナ)等がある。前記NRDガイド型スロットアレーアンテナの場合,前記開口部(スロット)それぞれがアンテナ素子に相当する部分を構成する。このようなアレーアンテナでは,前記アンテナ素子それぞれが高周波信号に共振することで超高周波帯域の信号の送受信を行うことができ,前記アンテナ素子を複数設けることによってアンテナゲインを確保することが可能となる。また,超高周波帯域での自由空間における無線信号の波長は3cm以下となるので,その4分の1程度の寸法となるアンテナ素子の大きさは,携帯電話等の携帯端末の大きさ(10cm程度)よりも十分小さく,かつ薄型に構成でき,さらに消費電力も小さく,比較的安価に製造できるのでモバイル用途に適しているといえる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−341027号公報
【非特許文献1】
「最新平面アンテナ技術」(総合技術センター,pp385〜386,1993)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記アレーアンテナは,その共振周波数帯域が狭いため,これをモバイル用途に用いる場合には以下のような問題点が生じる。
超高周波帯での無線通信に用いられる周波数帯域は,25GHz帯準ミリ波帯高域移動アクセスシステム用として24.75〜25.25GHzと27.00〜27.50GHzの周波数帯域が,60GHz帯ミリ波帯無線システムとして55〜65GHzの周波数帯域が予定されている。
これに対し,前記アレーアンテナの共振周波数帯域は,その中心周波数のせいぜい5%程度の範囲に限られる。即ち,例えば25GHz帯では約1.25GHzの帯域幅,60GHz帯では約3GHzの帯域幅の範囲でしか使用できず,1つの前記アレーアンテナで超高周波帯での無線通信に対応することができないという問題点がある。
また,前記パッチアンテナ(アレーアンテナの一例)を広帯域化する手法として,非特許文献1に前記パッチアンテナが形成される基板の厚みを厚くしたり,該基板の裏にバックキャビティを形成する等により実効的な基板厚を給電線部より厚くする等の手法が示されている。さらに,特許文献1には,前記パッチアンテナと地導体との間に液晶層を設け,該液晶層に印加する直流電界を変化させることによって共振周波数帯域を調節し,広い周波数帯域に対応させる手法が示されている。
しかし,非特許文献1及び特許文献1に示される技術では,給電線での信号損失が増大したり,構成が極めて複雑になる等の理由から,モバイル用途に適用するには現実的でない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,誘電体基板に形成された平面状のアレーアンテナのように対応周波数帯域の狭いアンテナを用いながら簡単な構成によって広い周波数帯域での使用に対応可能なアンテナ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,それぞれ異なる共振周波数帯域を有する複数のサブアンテナと,前記サブアンテナそれぞれと該サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応する高周波信号を出力及び/又は入力する信号処理部とを相互に接続し,前記サブアンテナ間における前記高周波信号の相互干渉を抑止するよう構成された接続回路と,を具備してなることを特徴とするアンテナ装置として構成されるものである。
これにより,送受信される高周波信号の周波数帯域の幅が広く,それに比べて前記サブアンテナ個々の共振周波数帯域の幅が狭い場合であっても,送受信されるその時々の高周波信号の周波数帯域に対応した前記サブアンテナが選択的に動作(共振)するので,結果として広い帯域の高周波信号に対応したアンテナ装置を構成できる。ここで,後述するように,前記サブアンテナそれぞれと前記信号処理部とを単に直接接続した場合には,前記サブアンテナ間における高周波信号の相互干渉が生じて(あるサブアンテナに直接伝送された高周波信号に対し他のサブアンテナで反射された高周波信号(位相がずれた高周波信号)が干渉して)正常な信号送受信を行えないという問題が生じるが,本発明に係るアンテナ装置の構成によれば,高周波信号の相互干渉が抑止されるので,そのような問題が生じない。
ここで,前記高周波信号の相互干渉を抑止する前記接続回路としては,例えば,サーキュレータからなる接続回路や,Wilkinson型分配器からなる接続回路等が考えられる。
【0006】
また,前記接続回路と前記サブアンテナそれぞれとの間に,前記サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応した帯域フィルタを設けることも考えられる。一般に,アンテナ(前記サブアンテナ)の帯域通過特性よりも帯域フィルタの帯域通過特性の方が急峻であり,高周波信号を通過させるときの通過率及び反射させるときの反射率が大きいため,上記構成によってより効率的な信号伝送を行うことが可能となる。
【0007】
また,前記サブアンテナが誘電体基板に形成された複数のアンテナ素子により構成されたいわゆるアレーアンテナであれば,モバイル用途に好適な小型(省スペース)で低消費電力かつ低コストのアンテナ装置とすることができる。
さらに,前記誘電体基板が複数層をなす積層基板であり,各層ごとに前記サブアンテナが形成されたものでれば,より高集積(省スペース)なアンテナ装置を構成できる。
この場合,各層間の反射の影響を抑えるため,前記誘電体基板を構成する誘電体材料について,比誘電率が1.5以下であることや,誘電正接が0.0001以下であることが望ましい。このような誘電体材料としては,空孔率90%以上の多孔質材料からなるものが考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの構成を表すブロック図,図2はサーキュレータの動作を説明する図,図3は本発明の実施例に係るアンテナ装置Yの構成を表すブロック図,図4は本発明の実施例に係るアンテナ装置X1の構成を表すブロック図,図5は本発明の実施例に係るアンテナ装置X2(3つのサブアレーアンテナ具備)の構成を表すブロック図,図6は本発明に係るアンテナ装置を構成するサブアレーアンテナを積層基板に形成した例を表す図,図7はサブアレーアンテナと送受信機とを直接接続した構成を表す図である。
【0009】
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの概略構成および動作原理について説明する。
本アンテナ装置Xは,1つの誘電体基板10に並べて形成された2つのサブアレーアンテナ2a,2b(前記サブアンテナの一例)と該サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれに接続されたサーキュレータ5(前記接続回路の一例)とから構成されている。ここで,前記誘電体基板10は,誘電体の上下に導体層が形成された基板である。そして,前記サーキュレータ5は,準ミリ波帯移動アクセスシステム用の24.75〜25.25GHz及び27.00〜27.50GHzの周波数帯域の信号の出力及び入力を行う送受信機4(前記信号処理部の一例)に接続される。ここでは,前記サブアレーアンテナ2a,2bは前記サーキュレータ5の有する3つの端子のうちの端子2,3に,前記送受信機4は残りの端子1に接続されるものとする。
また,前記サブアレーアンテナ2a,2bは,それぞれ誘電体基板の上部導体層をエッチングすることによりパッチ状のアンテナ素子(パッチアンテナ)が2次元状に複数に並べて形成されたマイクロストリップ型のアレーアンテナであり,前記サブアレーアンテナ2a,2bごとに共振周波数帯域(例えば,VSWR≦2.0となる帯域)が異なるよう設定されている。前記サブアレーアンテナ2a,2bとしては,2つの導体(導電体)とその間に挟まれた誘電体とからなるいわゆるNRDガイド(Non Radiative Dielectric wave Guide)における前記導体の一方に配列された複数の開口部(スロット)が設けられた構成を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナ等,他の平面状のアレーアンテナも考えられる。
ここでは,前記サブアレーアンテナ2a(サブアレーアンテナA)は24.5〜25.5GHzの帯域,前記サブアレーアンテナ2b(サブアレーアンテナB)は26.5〜27.5GHzの帯域がそれぞれの共振周波数帯域となるよう構成されている。所望の共振周波数帯域(使用周波数帯域)を設定するためのパッチアンテナ(放射素子)の構成方法等については周知であるのでここでは説明を省略する。
前記サーキュレータ5は,非可逆多端子受動回路素子の一例であり,図2に示すように複数の端子1,2,3間を循環的に所定の一方向(図1では反時計回り:端子1→2→3→1の方向)にのみ高周波信号を伝送する接続回路として構成されている。これは,フェライトコアが所定周波数以上の高周波信号に対して高い抵抗値を持ち大きなファラデー回転の特性を有することを応用したもの(ファラデー回転形サーキュレータ)で周知である。
【0010】
ここで,前記誘電体基板10を構成する誘電体材料は,その比誘電率εrが1に近いほど,前記サブアレーアンテナ2a,2bから効率良く電磁波を放射でき,比誘電率εrが大きくなるほど放射効率が悪くなる。これは,前記誘電体材料の比誘電率εrが自由空間の比誘電率(εr=1)より大きくなるほど,自由空間とのインピーダンス差が大きくなり界面での電力損失が大きくなるとともに,伝送ラインでの信号の伝播損失が大きくなるからである。従って,前記誘電体材料の比誘電率εr=1とすることが望ましいが,比誘電率εr≦1の物質は存在しないので,比誘電率εrが1に近く,ある程度の感度を確保できるものとして,比誘電率εrが1より大きく2より小さい(1<εr<2)前記誘電体材料を用いることが実用的である。
前記誘電体材料としては,フッ素樹脂ガラスやアルミナセラミックス等も考えられるが,空孔率を高める(85〜99%)ことにより低誘電率を実現できるシリカエアロゲル等のエアロゲル膜(乾燥ゲル膜)を用いることが望ましい。また,該エアロゲル膜を用いれば,その誘電正接が10−4〜10−5オーダーとなり,誘電体基板を用いたアンテナにおいて,伝送ラインでの伝送損失を実用的なレベルとするために一般的に必要とされる10−3オーダー以下の誘電正接を十分満たすこととなるので前記変換効率が非常に高い(アンテナ特性が良い)アンテナとすることができる。前記エアロゲル膜の製法等については,特開2001−7100号公報等に詳しい。
【0011】
続いて,本アンテナ装置Xについて説明する前に,図7に示すように,前記サブアレーアンテナ2a,2bと前記送受信機4とを単に相互に直接接続した場合の問題点について説明する。以下,準ミリ波帯移動アクセスシステム用の高周波信号のうち24.75〜25.25GHzの周波数帯域の信号を「信号A」といい,26.5〜27.5GHzの周波数帯域の信号を「信号B」という。
図7に示すように相互に直接接続した場合,例えば,前記送受信機4により,前記信号Aが出力されると,該信号Aは前記サブアレーアンテナ2a,2bの両方に直接伝送される。ここで,前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振する無反射終端となる(反射係数が小さい)ため,前記サブアレーアンテナ2aに伝送された前記信号Aはそのまま無線信号として放射される。一方,前記サブアレーアンテナ2bは前記信号Aに対して共振しない反射終端となる(反射係数が大きい)ため,前記サブアレーアンテナ2bに伝送された前記信号Aは反射して前記サブアレーアンテナ2aへ伝送されてしまう。このように前記サブアレーアンテナ2bで反射して前記サブアレーアンテナ2aに伝送される信号は,前記サブアレーアンテナ2aに直接伝送される信号とはその伝送経路長の違いから位相が異なり,これらが相互干渉して本来送信したい信号(前記サブアレーアンテナ2aから送信したい信号)が送信されない(送出波が乱れる)という問題が生じる。この問題は,前記送受信機4により,前記信号Bが出力された場合も同様に,前記サブアレーアンテナ2aで反射した信号が前記サブアレーアンテナ2bに直接伝送された信号と相互干渉してしまう。
このように,共振周波数帯域がそれぞれ異なる複数の前記サブアレーアンテナ2a,2bを用いて通信を行う場合,それらを相互に直接接続するだけでは前記サブアレーアンテナ2a,2b間における高周波信号の相互干渉が生じるため,これを抑止する構成とする必要がある。しかし,図1に示した本アンテナ装置Xの構成によれば,このような前記サブアレーアンテナ2a,2b間における高周波信号の相互干渉を抑止できる。
【0012】
次に,図2を用いて,本アンテナ装置Xにおける高周波信号の送信時及び受信時の信号伝送について説明する。
(送信時)
まず,前記サーキュレータ5の端子1に接続された前記送受信機4により,前記信号Aが出力された(端子1に入力された)場合,端子1に入力された前記信号Aは,前記サーキュレータ5の一方向伝送性により端子2の方向へのみ伝送される。ここで,端子2に接続された前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振する無反射終端となる(反射係数が小さい)ため,図2(a)に示すように前記信号Aは端子2にのみ伝送され,他の端子3,1へは伝送されない。また,前記送受信機4により前記信号Bが出力された(端子1に入力された)場合,端子1に入力された前記信号Bは,前記サーキュレータ5の一方向伝送性により端子2の方向へのみ伝送される。ここで,端子2に接続された前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振しない(反射する)反射終端となる(反射係数が大きい)ため,前記信号Bは図2(b)に示すように端子2の接続先(前記信号Bは前記サブアレーアンテナ2b)で反射し,端子2に戻った後端子3へ伝送される。そして,端子3に接続された前記サブアンテナBは前記信号Bに対して無反射終端となるため,前記信号Bは端子3にのみ伝送され,他の端子2,1へは伝送されない。
(受信時)
一方,前記サブアンテナ2aによって24.5〜25.5GHzの無線信号が受信され,前記サーキュレータ5の端子2に前記信号Aが入力された場合,図2(c)に示すように,端子2に入力した前記信号Aは端子3で反射して無反射終端である前記送受信機4が接続された端子1のみに伝送される。
また,前記サブアンテナBによって26.5〜27.5GHzの無線信号が受信され,端子3に前記信号Bが入力された場合,図2(d)に示すように,端子3に入力した前記信号Bは前記送受信機4が接続された端子1のみに伝送される。
このように,本アンテナ装置Aの構成によれば,前記サブアレーアンテナ2a,2b間における高周波信号の相互干渉がなく,送受信される信号の周波数に応じて適切な前記サブアレーアンテナ2a,2bが動作することになる。これにより,前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれの共振周波数帯域(使用周波数帯域)は狭いが,アンテナ装置全体としては広周波数帯域に対応可能となる。
ここで,図1に示した接続構成は一例であり,前記サブアレーアンテナ2a,2b及び前記送受信機4を前記サーキュレータ5に接続する順序(端子)に特に制限はない。
【0013】
【実施例】
前記アンテナ装置Xでは,前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれと前記送受信機4とを相互接続する接続回路として,前記サーキュレータ5を用いたが,これに限るもので無く,例えば,図5に示すようにWilkinson型分配器7を接続回路に用いたアンテナ装置Yも考えられる。
前記Wilkinson型分配器7は,図5に示すように,例えば,特性インピーダンスが√2Z0(=70.7Ω)の1/4波長伝送線路が2本(71,72)と、特性インピーダンスが2Zo(=100Ω)の抵抗73が1個で構成され,前記送受信機4が接続されるポート1(端子1)とインピーダンスマッチングをとりながら,残りのポート2,3(端子2,3)それぞれに接続される前記サブアレーアンテナ2a,2bがアイソレーションされるように構成される周知の接続回路である。
(送信時)
本アンテナ装置Yにおいて,前記送受信機4により,前記信号Aが出力(ポート1に入力)された場合,該信号Aは前記1/4波長伝送線路71,72それぞれに並行(分岐)して伝送されてポート1,2それぞれに出力される。ここで,ポート2に接続された前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振する無反射終端となるためそのまま前記サブアレーアンテナ2aから放出される。一方,前記サブアレーアンテナ2bは前記信号Aに対して共振しない(反射する)反射終端となるため,ポート3から出力された信号は反射してポート3に戻り,前記1/4波長伝送線路72を経て回路の分岐点74に伝送されるが,前述したようにポート2,3の間はアイソレーションされているため,ポート2に回り込んで前記サブアレーアンテナ2aに直接伝送された信号と干渉することがない。このことは,前記送受信機4により前記信号Bが出力された場合も同様(反射信号の方向は逆向き)である。
(受信時)
また,前記サブアレーアンテナ2aによって24.5〜25.5GHzの無線信号が受信され,前記Wilkinson型分配器7のポート2に前記信号Aが入力された場合も,該信号Aは,ポート1に接続された前記送受信機4には伝送されるが,アイソレーションがとられているポート3へは伝送されない。同様に,前記サブアレーアンテナ2bによてt27.00〜27.50GHzの無線信号が受信され,ポート3に前記信号Bが入力された場合も,該信号Bは,ポート1に接続された前記送受信機4には伝送されるが,アイソレーションがとられているポート2へは伝送されない。
本アンテナ装置Yでは,信号送信の際に,前記送受信機4から出力された信号が分岐されるので,前記アンテナ装置Xよりは信号の利用効率が劣るが,このような構成も本発明の実施例の一つである。
【0014】
また,前記アンテナ装置Xや前記アンテナ装置Yにおける接続回路(前記サーキュレータ5や前記Wilkinson型分配器7)と前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれとの間に,前記サブアンテナ2a,2bそれぞれの共振周波数帯域に対応した(その共振周波数帯域のみを通過させる)帯域フィルタを設けた構成とすることも考えられる。
図4に,前記アンテナ装置Xに,前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれに対応した帯域通過特性を有する前記帯域フィルタ6a,6b(各帯域通過特性は,25.00GHz±0.50GHz,27.25GHz±0.50GHz)を設けた例(アンテナ装置X1)を示す。
一般に,前記サブアレーアンテナ2a,2bの帯域通過特性よりも前記帯域フィルタの帯域通過特性の方が急峻であり,高周波信号を通過させるときの通過率及び反射させるときの反射率が大きいため,より効率的な信号伝送を行うことが可能となる。同様の構成は,前記アンテナ装置Yに適用してもよい。
【0015】
また,本発明は前述したように2つのサブアレーアンテナを用いるものに限らず,3つ以上のサブアレーアンテナからなるアンテナを用いた構成とすることもできる。
図5に,前記アンテナ装置Xを拡張したものであり,誘電体基盤10’上に並べて形成され共振周波数帯域が異なる3つのサブアレーアンテナ2a,2b,2c(サブアレーアンテナA,B,C)それぞれと前記送受信機4とをサーキュレータからなる接続回路で接続するとともに,前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cそれぞれに対応する帯域フィルタ6a,6b,6c及び前記サブアレーアンテナ2aと2bの両周波数帯域に対応する(両周波数帯域を通過させる)帯域フィルタ6dを設けたものである。
図5に示すアンテナ装置X2の構成は,図4に示した前記アンテナ装置X1の前記サーキュレータ5による接続構成を階層的(2階層)にしたものであり,前記アンテナ装置X1における前記サーキュレータ5と前記送受信機4との間に,もう一つのサーキュレータ5’を設け,2つのサーキュレータ5,5’の間(サーキュレータ5の端子1とサーキュレータ5’の端子2との間)に前記帯域フィルタ6dを,前記サーキュレータ5’の端子1に前記送受信機4を,残りの端子3に前記帯域フィルタ6cを介して前記サブアレーアンテナ6cをそれぞれ接続している。
このアンテナ装置X2では,前記アンテナ装置Xで説明したのと同様に,前記送受信機4から出力された高周波信号は,該高周波信号に対して共振する前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cのいずれかにのみ伝送され,信号の相互干渉は生じない。
同様に,前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cのいずれかで受信された信号は,他のサブアレーアンテナに回り込むことなく前記送受信機4にのみ伝送される。
【0016】
また,前記アンテナ装置X,X1,X2,Yにおける前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cは,誘電体基板1,1’上に並べて配置されたものであったが,これに限るものでなく,例えば図6に示すように,複数層をなす積層基板10’’の各層ごとに前記サブアレーアンテナが形成されたものを用いることも考えられる。図6では,便宜上,各層を分離して示しているが,実際は各層が重なり合った一体の基板である。ここで,前記積層基板10’’の最下層には金属基板(導体基板)が形成されている。このように積層構造として集積度を高めることにより,非常に省スペースで複数の前記サブアレーアンテナを構成することができ,モバイル用途に好適となる。
この場合,各層間の反射の影響を抑えるため,前記積層基板10’’を構成する誘電体材料は,比誘電率εr≦1.5,誘電正接tanδ<0.0001であることが望ましい。これにより,一般的な誘電体材料テフロン(登録商標)(εr=2.2)を用いる場合よりも比誘電率を十分小さく抑えることができ,各層間の反射の影響を抑制できる。このような材料としては,空孔率90%以上に高めたシリカエアロゲル等のエアロゲル膜(乾燥ゲル膜)が考えられる。即ち,空気の比誘電率εr=1,SiO2のεr=4であるので,空孔率を90%としたSiO2はεr=1.3〜1.5程度に相当する。また,SiO2はtanδ=10−3程度であるので,空孔率90%としたSiO2ではtanδ=10−4程度となる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,共振周波数帯域がそれぞれ異なる複数のサブアンテナを,各サブアンテナにおける高周波信号が相互干渉しないよう構成された回路で接続することにより,サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域を合わせた広帯域のアンテナ装置を構成することができる。
これにより,例えばサブアンテナとして誘電体基板に形成された平面状のアレーアンテナのように対応周波数帯域の幅は狭いが小型かつ省電力で高感度のアンテナを用いれば,非常に簡単な構成によって,小型かつ省電力で高感度でありながら,広い周波数帯域での使用に対応できるアンテナ装置を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの構成を表すブロック図。
【図2】サーキュレータの動作を説明する図。
【図3】本発明の実施例に係るアンテナ装置Yの構成を表すブロック図。
【図4】本発明の実施例に係るアンテナ装置X1の構成を表すブロック図。
【図5】本発明の実施例に係るアンテナ装置X2(3つのサブアレーアンテナ具備)の構成を表すブロック図。
【図6】本発明に係るアンテナ装置を構成するサブアレーアンテナを積層基板に形成した例を表す図。
【図7】サブアレーアンテナと送受信機とを直接接続した構成を表す図。
【符号の説明】
1,2,3…端子(ポート)
2a,2b,2c…サブアレーアンテナ(サブアンテナ)
3a,3b,3c…パッチアンテナ
4…送受信機(信号処理部)
5…サーキュレータ(接続回路)
6a,6b,6c,6d…帯域フィルタ
7…Wilkinson型分配器(接続回路)
71,72…1/4波長伝送線路
73…抵抗
74…分岐点
10,10’…誘電体基板
10’’…積層基板(誘電体基板)
【発明の属する技術分野】
本発明は,無線通信用のアンテナ装置に関し,特に,準ミリ波帯〜ミリ波帯の超高周波帯でのモバイル高速無線通信用に好適なアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の無線通信では,例えば,携帯電話では800MHz,PHSでは1.9GHz,IEEE802.11b規格の無線LANでは2.4GHzの各周波数帯での通信が行われているが,FTTH(fiber to the home),DSL(digital subscriber line)等の固定通信回線と比べると通信速度の面で十分でない。今後,さらに無線通信の高速化を図るためには,より広い周波数帯域幅を確保しやすい準ミリ波帯(10GHz以上)〜ミリ波帯(30GHz以上)の超高周波帯での通信へ移行せざるを得ない。
従来,マイクロ波帯〜ミリ波帯の超高周波帯域での無線通信に用いられるアンテナ装置としては,アンテナ効率に優れ,低サイドロープ特性を容易に実現できるいわゆる開口面アンテナが固定通信局に広く用いられてきた。典型的な開口面アンテナとしてパラボラアンテナやホーンアンテナがある。
しかしながら,開口面アンテナは,金属製の立体構造を有するので相当の重量及び容積があるため,携帯性が要求されるモバイル用途での無線通信には適していないという問題点があった。
一方,低周波帯域での無線通信に一般的に用いられるチップアンテナやロッドアンテナは小型軽量で携帯性に優れているが,超高周波帯域での無線通信ではアンテナゲインの確保が困難であるという問題点があった。
このような中で,モバイル用途向けの超高周波帯域での無線通信用アンテナとしては,大きさ,消費電力,コスト等を総合的に考慮すれば,基板に形成されたパッチアンテナやスロットアンテナ等,ストリップライン構成を基本にした平面状のアレーアンテナが適していると考えられる。
前記アレーアンテナは,一般に無線信号の波長の4分の1程度の寸法のアンテナ素子が2次元の平面状に配列されたアレー構成を有する。具体的には,2つの導体(導電体)とその間に挟まれた誘電体とからなるNRDガイド(Non Radiative Dielectric wave Guide)における前記導体の一方に1次元状又は2次元状に配列された複数の開口部(スロット)が設けられた構成を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナ(スロット型のアレーアンテナ)や,プリント基板をエッチングして線状またはパッチ状のアンテナ素子(パッチアンテナ)を1次元状又は2次元状に複数に並べたマイクロストリップ型のアレーアンテナ(ストリップ型のアレーアンテナ)等がある。前記NRDガイド型スロットアレーアンテナの場合,前記開口部(スロット)それぞれがアンテナ素子に相当する部分を構成する。このようなアレーアンテナでは,前記アンテナ素子それぞれが高周波信号に共振することで超高周波帯域の信号の送受信を行うことができ,前記アンテナ素子を複数設けることによってアンテナゲインを確保することが可能となる。また,超高周波帯域での自由空間における無線信号の波長は3cm以下となるので,その4分の1程度の寸法となるアンテナ素子の大きさは,携帯電話等の携帯端末の大きさ(10cm程度)よりも十分小さく,かつ薄型に構成でき,さらに消費電力も小さく,比較的安価に製造できるのでモバイル用途に適しているといえる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−341027号公報
【非特許文献1】
「最新平面アンテナ技術」(総合技術センター,pp385〜386,1993)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記アレーアンテナは,その共振周波数帯域が狭いため,これをモバイル用途に用いる場合には以下のような問題点が生じる。
超高周波帯での無線通信に用いられる周波数帯域は,25GHz帯準ミリ波帯高域移動アクセスシステム用として24.75〜25.25GHzと27.00〜27.50GHzの周波数帯域が,60GHz帯ミリ波帯無線システムとして55〜65GHzの周波数帯域が予定されている。
これに対し,前記アレーアンテナの共振周波数帯域は,その中心周波数のせいぜい5%程度の範囲に限られる。即ち,例えば25GHz帯では約1.25GHzの帯域幅,60GHz帯では約3GHzの帯域幅の範囲でしか使用できず,1つの前記アレーアンテナで超高周波帯での無線通信に対応することができないという問題点がある。
また,前記パッチアンテナ(アレーアンテナの一例)を広帯域化する手法として,非特許文献1に前記パッチアンテナが形成される基板の厚みを厚くしたり,該基板の裏にバックキャビティを形成する等により実効的な基板厚を給電線部より厚くする等の手法が示されている。さらに,特許文献1には,前記パッチアンテナと地導体との間に液晶層を設け,該液晶層に印加する直流電界を変化させることによって共振周波数帯域を調節し,広い周波数帯域に対応させる手法が示されている。
しかし,非特許文献1及び特許文献1に示される技術では,給電線での信号損失が増大したり,構成が極めて複雑になる等の理由から,モバイル用途に適用するには現実的でない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,誘電体基板に形成された平面状のアレーアンテナのように対応周波数帯域の狭いアンテナを用いながら簡単な構成によって広い周波数帯域での使用に対応可能なアンテナ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,それぞれ異なる共振周波数帯域を有する複数のサブアンテナと,前記サブアンテナそれぞれと該サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応する高周波信号を出力及び/又は入力する信号処理部とを相互に接続し,前記サブアンテナ間における前記高周波信号の相互干渉を抑止するよう構成された接続回路と,を具備してなることを特徴とするアンテナ装置として構成されるものである。
これにより,送受信される高周波信号の周波数帯域の幅が広く,それに比べて前記サブアンテナ個々の共振周波数帯域の幅が狭い場合であっても,送受信されるその時々の高周波信号の周波数帯域に対応した前記サブアンテナが選択的に動作(共振)するので,結果として広い帯域の高周波信号に対応したアンテナ装置を構成できる。ここで,後述するように,前記サブアンテナそれぞれと前記信号処理部とを単に直接接続した場合には,前記サブアンテナ間における高周波信号の相互干渉が生じて(あるサブアンテナに直接伝送された高周波信号に対し他のサブアンテナで反射された高周波信号(位相がずれた高周波信号)が干渉して)正常な信号送受信を行えないという問題が生じるが,本発明に係るアンテナ装置の構成によれば,高周波信号の相互干渉が抑止されるので,そのような問題が生じない。
ここで,前記高周波信号の相互干渉を抑止する前記接続回路としては,例えば,サーキュレータからなる接続回路や,Wilkinson型分配器からなる接続回路等が考えられる。
【0006】
また,前記接続回路と前記サブアンテナそれぞれとの間に,前記サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応した帯域フィルタを設けることも考えられる。一般に,アンテナ(前記サブアンテナ)の帯域通過特性よりも帯域フィルタの帯域通過特性の方が急峻であり,高周波信号を通過させるときの通過率及び反射させるときの反射率が大きいため,上記構成によってより効率的な信号伝送を行うことが可能となる。
【0007】
また,前記サブアンテナが誘電体基板に形成された複数のアンテナ素子により構成されたいわゆるアレーアンテナであれば,モバイル用途に好適な小型(省スペース)で低消費電力かつ低コストのアンテナ装置とすることができる。
さらに,前記誘電体基板が複数層をなす積層基板であり,各層ごとに前記サブアンテナが形成されたものでれば,より高集積(省スペース)なアンテナ装置を構成できる。
この場合,各層間の反射の影響を抑えるため,前記誘電体基板を構成する誘電体材料について,比誘電率が1.5以下であることや,誘電正接が0.0001以下であることが望ましい。このような誘電体材料としては,空孔率90%以上の多孔質材料からなるものが考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの構成を表すブロック図,図2はサーキュレータの動作を説明する図,図3は本発明の実施例に係るアンテナ装置Yの構成を表すブロック図,図4は本発明の実施例に係るアンテナ装置X1の構成を表すブロック図,図5は本発明の実施例に係るアンテナ装置X2(3つのサブアレーアンテナ具備)の構成を表すブロック図,図6は本発明に係るアンテナ装置を構成するサブアレーアンテナを積層基板に形成した例を表す図,図7はサブアレーアンテナと送受信機とを直接接続した構成を表す図である。
【0009】
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの概略構成および動作原理について説明する。
本アンテナ装置Xは,1つの誘電体基板10に並べて形成された2つのサブアレーアンテナ2a,2b(前記サブアンテナの一例)と該サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれに接続されたサーキュレータ5(前記接続回路の一例)とから構成されている。ここで,前記誘電体基板10は,誘電体の上下に導体層が形成された基板である。そして,前記サーキュレータ5は,準ミリ波帯移動アクセスシステム用の24.75〜25.25GHz及び27.00〜27.50GHzの周波数帯域の信号の出力及び入力を行う送受信機4(前記信号処理部の一例)に接続される。ここでは,前記サブアレーアンテナ2a,2bは前記サーキュレータ5の有する3つの端子のうちの端子2,3に,前記送受信機4は残りの端子1に接続されるものとする。
また,前記サブアレーアンテナ2a,2bは,それぞれ誘電体基板の上部導体層をエッチングすることによりパッチ状のアンテナ素子(パッチアンテナ)が2次元状に複数に並べて形成されたマイクロストリップ型のアレーアンテナであり,前記サブアレーアンテナ2a,2bごとに共振周波数帯域(例えば,VSWR≦2.0となる帯域)が異なるよう設定されている。前記サブアレーアンテナ2a,2bとしては,2つの導体(導電体)とその間に挟まれた誘電体とからなるいわゆるNRDガイド(Non Radiative Dielectric wave Guide)における前記導体の一方に配列された複数の開口部(スロット)が設けられた構成を有するNRDガイド型スロットアレーアンテナ等,他の平面状のアレーアンテナも考えられる。
ここでは,前記サブアレーアンテナ2a(サブアレーアンテナA)は24.5〜25.5GHzの帯域,前記サブアレーアンテナ2b(サブアレーアンテナB)は26.5〜27.5GHzの帯域がそれぞれの共振周波数帯域となるよう構成されている。所望の共振周波数帯域(使用周波数帯域)を設定するためのパッチアンテナ(放射素子)の構成方法等については周知であるのでここでは説明を省略する。
前記サーキュレータ5は,非可逆多端子受動回路素子の一例であり,図2に示すように複数の端子1,2,3間を循環的に所定の一方向(図1では反時計回り:端子1→2→3→1の方向)にのみ高周波信号を伝送する接続回路として構成されている。これは,フェライトコアが所定周波数以上の高周波信号に対して高い抵抗値を持ち大きなファラデー回転の特性を有することを応用したもの(ファラデー回転形サーキュレータ)で周知である。
【0010】
ここで,前記誘電体基板10を構成する誘電体材料は,その比誘電率εrが1に近いほど,前記サブアレーアンテナ2a,2bから効率良く電磁波を放射でき,比誘電率εrが大きくなるほど放射効率が悪くなる。これは,前記誘電体材料の比誘電率εrが自由空間の比誘電率(εr=1)より大きくなるほど,自由空間とのインピーダンス差が大きくなり界面での電力損失が大きくなるとともに,伝送ラインでの信号の伝播損失が大きくなるからである。従って,前記誘電体材料の比誘電率εr=1とすることが望ましいが,比誘電率εr≦1の物質は存在しないので,比誘電率εrが1に近く,ある程度の感度を確保できるものとして,比誘電率εrが1より大きく2より小さい(1<εr<2)前記誘電体材料を用いることが実用的である。
前記誘電体材料としては,フッ素樹脂ガラスやアルミナセラミックス等も考えられるが,空孔率を高める(85〜99%)ことにより低誘電率を実現できるシリカエアロゲル等のエアロゲル膜(乾燥ゲル膜)を用いることが望ましい。また,該エアロゲル膜を用いれば,その誘電正接が10−4〜10−5オーダーとなり,誘電体基板を用いたアンテナにおいて,伝送ラインでの伝送損失を実用的なレベルとするために一般的に必要とされる10−3オーダー以下の誘電正接を十分満たすこととなるので前記変換効率が非常に高い(アンテナ特性が良い)アンテナとすることができる。前記エアロゲル膜の製法等については,特開2001−7100号公報等に詳しい。
【0011】
続いて,本アンテナ装置Xについて説明する前に,図7に示すように,前記サブアレーアンテナ2a,2bと前記送受信機4とを単に相互に直接接続した場合の問題点について説明する。以下,準ミリ波帯移動アクセスシステム用の高周波信号のうち24.75〜25.25GHzの周波数帯域の信号を「信号A」といい,26.5〜27.5GHzの周波数帯域の信号を「信号B」という。
図7に示すように相互に直接接続した場合,例えば,前記送受信機4により,前記信号Aが出力されると,該信号Aは前記サブアレーアンテナ2a,2bの両方に直接伝送される。ここで,前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振する無反射終端となる(反射係数が小さい)ため,前記サブアレーアンテナ2aに伝送された前記信号Aはそのまま無線信号として放射される。一方,前記サブアレーアンテナ2bは前記信号Aに対して共振しない反射終端となる(反射係数が大きい)ため,前記サブアレーアンテナ2bに伝送された前記信号Aは反射して前記サブアレーアンテナ2aへ伝送されてしまう。このように前記サブアレーアンテナ2bで反射して前記サブアレーアンテナ2aに伝送される信号は,前記サブアレーアンテナ2aに直接伝送される信号とはその伝送経路長の違いから位相が異なり,これらが相互干渉して本来送信したい信号(前記サブアレーアンテナ2aから送信したい信号)が送信されない(送出波が乱れる)という問題が生じる。この問題は,前記送受信機4により,前記信号Bが出力された場合も同様に,前記サブアレーアンテナ2aで反射した信号が前記サブアレーアンテナ2bに直接伝送された信号と相互干渉してしまう。
このように,共振周波数帯域がそれぞれ異なる複数の前記サブアレーアンテナ2a,2bを用いて通信を行う場合,それらを相互に直接接続するだけでは前記サブアレーアンテナ2a,2b間における高周波信号の相互干渉が生じるため,これを抑止する構成とする必要がある。しかし,図1に示した本アンテナ装置Xの構成によれば,このような前記サブアレーアンテナ2a,2b間における高周波信号の相互干渉を抑止できる。
【0012】
次に,図2を用いて,本アンテナ装置Xにおける高周波信号の送信時及び受信時の信号伝送について説明する。
(送信時)
まず,前記サーキュレータ5の端子1に接続された前記送受信機4により,前記信号Aが出力された(端子1に入力された)場合,端子1に入力された前記信号Aは,前記サーキュレータ5の一方向伝送性により端子2の方向へのみ伝送される。ここで,端子2に接続された前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振する無反射終端となる(反射係数が小さい)ため,図2(a)に示すように前記信号Aは端子2にのみ伝送され,他の端子3,1へは伝送されない。また,前記送受信機4により前記信号Bが出力された(端子1に入力された)場合,端子1に入力された前記信号Bは,前記サーキュレータ5の一方向伝送性により端子2の方向へのみ伝送される。ここで,端子2に接続された前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振しない(反射する)反射終端となる(反射係数が大きい)ため,前記信号Bは図2(b)に示すように端子2の接続先(前記信号Bは前記サブアレーアンテナ2b)で反射し,端子2に戻った後端子3へ伝送される。そして,端子3に接続された前記サブアンテナBは前記信号Bに対して無反射終端となるため,前記信号Bは端子3にのみ伝送され,他の端子2,1へは伝送されない。
(受信時)
一方,前記サブアンテナ2aによって24.5〜25.5GHzの無線信号が受信され,前記サーキュレータ5の端子2に前記信号Aが入力された場合,図2(c)に示すように,端子2に入力した前記信号Aは端子3で反射して無反射終端である前記送受信機4が接続された端子1のみに伝送される。
また,前記サブアンテナBによって26.5〜27.5GHzの無線信号が受信され,端子3に前記信号Bが入力された場合,図2(d)に示すように,端子3に入力した前記信号Bは前記送受信機4が接続された端子1のみに伝送される。
このように,本アンテナ装置Aの構成によれば,前記サブアレーアンテナ2a,2b間における高周波信号の相互干渉がなく,送受信される信号の周波数に応じて適切な前記サブアレーアンテナ2a,2bが動作することになる。これにより,前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれの共振周波数帯域(使用周波数帯域)は狭いが,アンテナ装置全体としては広周波数帯域に対応可能となる。
ここで,図1に示した接続構成は一例であり,前記サブアレーアンテナ2a,2b及び前記送受信機4を前記サーキュレータ5に接続する順序(端子)に特に制限はない。
【0013】
【実施例】
前記アンテナ装置Xでは,前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれと前記送受信機4とを相互接続する接続回路として,前記サーキュレータ5を用いたが,これに限るもので無く,例えば,図5に示すようにWilkinson型分配器7を接続回路に用いたアンテナ装置Yも考えられる。
前記Wilkinson型分配器7は,図5に示すように,例えば,特性インピーダンスが√2Z0(=70.7Ω)の1/4波長伝送線路が2本(71,72)と、特性インピーダンスが2Zo(=100Ω)の抵抗73が1個で構成され,前記送受信機4が接続されるポート1(端子1)とインピーダンスマッチングをとりながら,残りのポート2,3(端子2,3)それぞれに接続される前記サブアレーアンテナ2a,2bがアイソレーションされるように構成される周知の接続回路である。
(送信時)
本アンテナ装置Yにおいて,前記送受信機4により,前記信号Aが出力(ポート1に入力)された場合,該信号Aは前記1/4波長伝送線路71,72それぞれに並行(分岐)して伝送されてポート1,2それぞれに出力される。ここで,ポート2に接続された前記サブアレーアンテナ2aは前記信号Aに対して共振する無反射終端となるためそのまま前記サブアレーアンテナ2aから放出される。一方,前記サブアレーアンテナ2bは前記信号Aに対して共振しない(反射する)反射終端となるため,ポート3から出力された信号は反射してポート3に戻り,前記1/4波長伝送線路72を経て回路の分岐点74に伝送されるが,前述したようにポート2,3の間はアイソレーションされているため,ポート2に回り込んで前記サブアレーアンテナ2aに直接伝送された信号と干渉することがない。このことは,前記送受信機4により前記信号Bが出力された場合も同様(反射信号の方向は逆向き)である。
(受信時)
また,前記サブアレーアンテナ2aによって24.5〜25.5GHzの無線信号が受信され,前記Wilkinson型分配器7のポート2に前記信号Aが入力された場合も,該信号Aは,ポート1に接続された前記送受信機4には伝送されるが,アイソレーションがとられているポート3へは伝送されない。同様に,前記サブアレーアンテナ2bによてt27.00〜27.50GHzの無線信号が受信され,ポート3に前記信号Bが入力された場合も,該信号Bは,ポート1に接続された前記送受信機4には伝送されるが,アイソレーションがとられているポート2へは伝送されない。
本アンテナ装置Yでは,信号送信の際に,前記送受信機4から出力された信号が分岐されるので,前記アンテナ装置Xよりは信号の利用効率が劣るが,このような構成も本発明の実施例の一つである。
【0014】
また,前記アンテナ装置Xや前記アンテナ装置Yにおける接続回路(前記サーキュレータ5や前記Wilkinson型分配器7)と前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれとの間に,前記サブアンテナ2a,2bそれぞれの共振周波数帯域に対応した(その共振周波数帯域のみを通過させる)帯域フィルタを設けた構成とすることも考えられる。
図4に,前記アンテナ装置Xに,前記サブアレーアンテナ2a,2bそれぞれに対応した帯域通過特性を有する前記帯域フィルタ6a,6b(各帯域通過特性は,25.00GHz±0.50GHz,27.25GHz±0.50GHz)を設けた例(アンテナ装置X1)を示す。
一般に,前記サブアレーアンテナ2a,2bの帯域通過特性よりも前記帯域フィルタの帯域通過特性の方が急峻であり,高周波信号を通過させるときの通過率及び反射させるときの反射率が大きいため,より効率的な信号伝送を行うことが可能となる。同様の構成は,前記アンテナ装置Yに適用してもよい。
【0015】
また,本発明は前述したように2つのサブアレーアンテナを用いるものに限らず,3つ以上のサブアレーアンテナからなるアンテナを用いた構成とすることもできる。
図5に,前記アンテナ装置Xを拡張したものであり,誘電体基盤10’上に並べて形成され共振周波数帯域が異なる3つのサブアレーアンテナ2a,2b,2c(サブアレーアンテナA,B,C)それぞれと前記送受信機4とをサーキュレータからなる接続回路で接続するとともに,前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cそれぞれに対応する帯域フィルタ6a,6b,6c及び前記サブアレーアンテナ2aと2bの両周波数帯域に対応する(両周波数帯域を通過させる)帯域フィルタ6dを設けたものである。
図5に示すアンテナ装置X2の構成は,図4に示した前記アンテナ装置X1の前記サーキュレータ5による接続構成を階層的(2階層)にしたものであり,前記アンテナ装置X1における前記サーキュレータ5と前記送受信機4との間に,もう一つのサーキュレータ5’を設け,2つのサーキュレータ5,5’の間(サーキュレータ5の端子1とサーキュレータ5’の端子2との間)に前記帯域フィルタ6dを,前記サーキュレータ5’の端子1に前記送受信機4を,残りの端子3に前記帯域フィルタ6cを介して前記サブアレーアンテナ6cをそれぞれ接続している。
このアンテナ装置X2では,前記アンテナ装置Xで説明したのと同様に,前記送受信機4から出力された高周波信号は,該高周波信号に対して共振する前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cのいずれかにのみ伝送され,信号の相互干渉は生じない。
同様に,前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cのいずれかで受信された信号は,他のサブアレーアンテナに回り込むことなく前記送受信機4にのみ伝送される。
【0016】
また,前記アンテナ装置X,X1,X2,Yにおける前記サブアレーアンテナ2a,2b,2cは,誘電体基板1,1’上に並べて配置されたものであったが,これに限るものでなく,例えば図6に示すように,複数層をなす積層基板10’’の各層ごとに前記サブアレーアンテナが形成されたものを用いることも考えられる。図6では,便宜上,各層を分離して示しているが,実際は各層が重なり合った一体の基板である。ここで,前記積層基板10’’の最下層には金属基板(導体基板)が形成されている。このように積層構造として集積度を高めることにより,非常に省スペースで複数の前記サブアレーアンテナを構成することができ,モバイル用途に好適となる。
この場合,各層間の反射の影響を抑えるため,前記積層基板10’’を構成する誘電体材料は,比誘電率εr≦1.5,誘電正接tanδ<0.0001であることが望ましい。これにより,一般的な誘電体材料テフロン(登録商標)(εr=2.2)を用いる場合よりも比誘電率を十分小さく抑えることができ,各層間の反射の影響を抑制できる。このような材料としては,空孔率90%以上に高めたシリカエアロゲル等のエアロゲル膜(乾燥ゲル膜)が考えられる。即ち,空気の比誘電率εr=1,SiO2のεr=4であるので,空孔率を90%としたSiO2はεr=1.3〜1.5程度に相当する。また,SiO2はtanδ=10−3程度であるので,空孔率90%としたSiO2ではtanδ=10−4程度となる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,共振周波数帯域がそれぞれ異なる複数のサブアンテナを,各サブアンテナにおける高周波信号が相互干渉しないよう構成された回路で接続することにより,サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域を合わせた広帯域のアンテナ装置を構成することができる。
これにより,例えばサブアンテナとして誘電体基板に形成された平面状のアレーアンテナのように対応周波数帯域の幅は狭いが小型かつ省電力で高感度のアンテナを用いれば,非常に簡単な構成によって,小型かつ省電力で高感度でありながら,広い周波数帯域での使用に対応できるアンテナ装置を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアンテナ装置Xの構成を表すブロック図。
【図2】サーキュレータの動作を説明する図。
【図3】本発明の実施例に係るアンテナ装置Yの構成を表すブロック図。
【図4】本発明の実施例に係るアンテナ装置X1の構成を表すブロック図。
【図5】本発明の実施例に係るアンテナ装置X2(3つのサブアレーアンテナ具備)の構成を表すブロック図。
【図6】本発明に係るアンテナ装置を構成するサブアレーアンテナを積層基板に形成した例を表す図。
【図7】サブアレーアンテナと送受信機とを直接接続した構成を表す図。
【符号の説明】
1,2,3…端子(ポート)
2a,2b,2c…サブアレーアンテナ(サブアンテナ)
3a,3b,3c…パッチアンテナ
4…送受信機(信号処理部)
5…サーキュレータ(接続回路)
6a,6b,6c,6d…帯域フィルタ
7…Wilkinson型分配器(接続回路)
71,72…1/4波長伝送線路
73…抵抗
74…分岐点
10,10’…誘電体基板
10’’…積層基板(誘電体基板)
Claims (9)
- それぞれ異なる共振周波数帯域を有する複数のサブアンテナと,
前記サブアンテナそれぞれと該サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応する高周波信号を出力及び/又は入力する信号処理部とを相互に接続し,前記サブアンテナ間における前記高周波信号の相互干渉を抑止するよう構成された接続回路と,を具備してなることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記接続回路が,サーキュレータからなる請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記接続回路が,Wilkinson型分配器からなる請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記接続回路と前記サブアンテナそれぞれとの間に,前記サブアンテナそれぞれの共振周波数帯域に対応した帯域フィルタを設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置。
- 前記サブアンテナが誘電体基板に形成された複数のアンテナ素子により構成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ装置。
- 前記誘電体基板が複数層をなす積層基板であり,各層ごとに前記サブアンテナが形成されてなる請求項5に記載のアンテナ装置。
- 前記誘電体基板を構成する誘電体材料の比誘電率が1.5以下である請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナ装置。
- 前記誘電体基板を構成する誘電体材料の誘電正接が0.0001以下である請求項1〜7のいずれかに記載のアンテナ装置。
- 前記誘電体基板を構成する誘電体材料が空孔率90%以上の多孔質材料からなる請求項1〜8のいずれかに記載のアンテナ装置。
Priority Applications (1)
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