JP3895109B2 - 蛋白非添加製剤 - Google Patents
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Description
本発明は顆粒球コロニー刺激因子含有製剤に関し、特に容器壁上への吸着又は会合、重合、酸化等による活性成分の損失、不活性化を防止し、安定化させた顆粒球コロニー刺激因子含有製剤に関する。
背景技術
顆粒球コロニー刺激因子(以下において、G−CSFということもある)は、好中球の前駆細胞に作用し、その増殖ならびに分化成熟を促進する分子量約2万の糖タンパク質である。
本出願人によって、口腔底癌患者の腫瘍細胞から採取した細胞株を培養することにより高純度のヒトG−CSFが精製されて以来、これを契機に、ヒトG−CSF遺伝子のクローニングに成功し、現在では遺伝子工学的方法によって動物細胞で組換えヒトG−CSFを大量に生産することが可能になった。また、本願出願人はこの精製したG−CSFの製剤化に成功し、これを感染防御剤として市場に製品を供給している(特許第2116515号)。
G−CSFは極めて微量で使用され、通常成人一人当たり、0.1〜1000μg(好ましくは5〜500μg)のG−CSFを含有する製剤を1〜7回/週の割合で投与する。しかしながら、このG−CSFは例えば注射用アンプル、注射器等の器壁に対し吸着性を示す。また、G−CSFは不安定で、外的因子の影響を受けやすく、温度、湿度、酸素、紫外線等に起因して会合、重合あるいは酸化等の物理的、化学的変化を生じ、結果として大きな活性の低下を招く。
そこで安定なG−CSF製剤を市場に供給するために種々の処方設計がなされている。例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、リン酸及びその塩又はアルギニン及びその塩から選ばれる緩衝剤を含む製剤(特表平8−505610号)等が提案されている。また、安定化剤としてG−CSF1重量部に対して1重量部〜10,000重量部の界面活性剤を含むG−CSF製剤がある(特開昭63−146826号)。この公開公報には、G−CSF含有溶液製剤において、G−CSFの損失を防止し、安定化を達成するためには界面活性剤の添加量、特にその下限が臨界的であることが記載されている。
本発明の目的は、製造工程の煩雑さを少なくし、かつ長期の保存にもより安定なG−CSFの製剤を提供することである。
発明の開示
上記目的を達成するために鋭意研究した結果、本発明者らは安定化剤として極めて少量の界面活性剤を添加した場合であっても、安定なG−CSF溶液製剤となしうることを見いだし本発明を完成した。
すなわち、本発明は、顆粒球コロニー刺激因子と、顆粒球コロニー刺激因子1重量部に対して0.0001〜1重量部の少なくとも1種の製薬上許容される界面活性剤を含み、pH7以下である、安定な顆粒球コロニー刺激因子含有製剤を提供する。
本明細書中で安定化とは、G−CSF含有溶液製剤を25℃の保存条件下で6ヶ月保存した後のG−CSF残存率が95%以上、あるいは40℃の保存条件下で2週間保存した後のG−CSF残存率が75%以上保たれることを意味する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の溶液製剤に使用するG−CSFは高純度に精製されたヒトG−CSFであれば全て使用できる。具体的には、哺乳動物、特にヒトのG−CSFと実質的に同じ生物学的活性を有するものであり、天然由来のもの、および遺伝子組換え法によって得られたものを含む。遺伝子組換え法によって得られるG−CSFには天然のG−CSFとアミノ酸配列が同じであるもの、あるいは該アミノ酸配列の1または複数を欠失、置換、付加したもので前記生物学的活性を有するものを含む。本発明におけるG−CSFは、いかなる方法で製造されたものでもよく、ヒト腫瘍細胞の細胞株を培養し、これから種々の方法で抽出し分離精製したもの、あるいは遺伝子工学的手法により大腸菌、イースト菌、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、C127細胞などに産生せしめ、種々の方法で抽出し分離精製したものが用いられる。最も好ましくはCHO細胞によって遺伝子組換え法を用いて生産されたものである。
本発明の安定なG−CSF含有製剤を得るのに使用する界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、例えばソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート等のソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノミリテート、グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;デカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルモノリノレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビットテトラステアレート、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリルモノステアレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチエレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン水素ヒマシ油)等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンミツロウ誘導体;ポリオキシエチレンラノリン等のポリオキシエチレンラノリン誘導体;ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレン脂肪酸アミド等のHLB6〜18を有するもの;陰イオン界面活性剤、例えばセチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム等の炭素原子数10〜18のアルキル基を有するアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等の、エチレンオキシドの平均付加モル数が2〜4でアルキル基の炭素原子数が10〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリルスルホコハク酸エステルナトリウム等の、アルキル基の炭素原子数が8〜18のアルキルスルホコハク酸エステル塩;天然系の界面活性剤、例えばレシチン、グリセロリン脂質;スフィンゴミエリン等のフィンゴリン脂質;炭素原子数12〜18の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステル等を典型的例として挙げることができる。本発明の溶液製剤には、これらの界面活性剤の1種または2種以上を組み合わせて添加することができる。
好ましい界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり、特に好ましいのはポリソルベート20、21、40、60、65、80、81、85であり、最も好ましいのはポリソルベート20及び80である。
本発明のG−CSF含有製剤に添加する界面活性剤の添加量は、一般にはG−CSF1重量部に対して0.0001〜1重量部であり、好ましくはG−CSF1重量部に対して0.01〜1重量部であり、さらに好ましくはG−CSF1重量部に対して0.2〜1重量部であり、さらに好ましくはG−CSF1重量部に対して0.2〜0.8重量部であり、最も好ましいのは、G−CSF1重量部に対して0.4重量部〜0.8重量部である。特に、製剤量1mL当たりのG−CSF含有量が125μgあるいは250μgの場合、界面活性剤の添加量は100μgが好ましい。従って、G−CSF1重量部当たり、0.4重量部又は0.8重量部の界面活性剤の添加量が特に好ましい。アルブミン等のタンパク質を安定化剤として添加しない場合には、界面活性剤の添加量がG−CSF1重量部に対して1重量部を越えると、長期保存後のG−CSF残存率が低下する傾向が見られた。また、界面活性剤の添加量がG−CSF1重量部に対して1重量部以下の場合であっても、G−CSFの容器への吸着を十分に抑制することができる。
本発明の好ましいG−CSF含有製剤には安定化剤として実質的にタンパク質を含まない。現在市場に供給されている製品には、G−CSFの化学的、物理的変化を抑制するために安定化剤としてヒト血清アルブミンあるいは精製ゼラチンなどのタンパク質が添加されているものがある。しかしながら、タンパク質を安定化剤として添加することに関しては、ウイルスのコンタミを除去するために非常に煩雑な工程を必要とすることになるなどの問題がある。
本発明のG−CSF含有製剤のpHは7以下であり、好ましくはpHが5〜7であり、さらに好ましくはpHが6〜6.8であり、最も好ましくはpHが6.2〜6.8である。後述するように、40℃−2週間加速試験を行った後のG−CSF残存率はpHが7以下で安定である。この観点からはpHが約7.0以下であることが好ましい。また、40℃−2週間加速試験後にG−CSFの糖鎖分解体の生成比を測定したところ、pHが4以下になると糖鎖分解体の含量が急速に増加することが観察された。従って、この観点からはpHが約5以上であることが好ましい。さらに、注射剤として投与するには人体への刺激が少ない中性に近い方が好ましく、これらを総合すると、pHを6.2〜6.8とすることが最も好ましい。
本発明のG−CSF含有製剤には、希釈剤、溶解補助剤、等張化剤、賦形剤、pH調整剤、無痛化剤、緩衝剤、含硫還元剤、酸化防止剤等を含有してもよい。例えば、等張化剤としては、ポリエチレングリコール;デキストラン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、グルコース、フラクトース、ラクトース、キシロース、マンノース、マルトース、シュークロース、ラフィノースなどの糖類を用いることができる。含硫還元剤としては、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオン、並びに炭素原子数1〜7のチオアルカン酸等のスルフヒドリル基を有するもの等が挙げられる。また、酸化防止剤としては、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、L−アスコルビン酸及びその塩、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピルあるいはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤が挙げられる。賦形剤としてグリシン、システイン、スレオニン、シスチン、トリプトファン、メチオニン、リジン、ヒドロキシリジン、ヒスチジン、アルギニン等のアミノ酸を添加してもよい。さらには、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの有機塩などの溶液製剤に通常添加される成分を含んでいてよい。
本発明の溶液製剤中に含まれるG−CSFの量は、治療すべき疾患の種類、疾患の重症度、患者の年齢などに応じて決定できるが、一般には1〜1000μg/mL、好ましくは10〜800μg/mL、さらに好ましくは50〜500μg/mLである。
本発明の溶液製剤はこれらの成分をリン酸及び/又はクエン酸緩衝液などの溶液製剤の分野で公知の水性緩衝液に溶解することによって調製できる。リン酸緩衝液は、リン酸一水素ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム系が好ましく、クエン酸緩衝液としてはクエン酸ナトリウムの緩衝液が好ましい。
本発明の安定化されたG−CSF含有製剤は通常非経口投与経路で、例えば注射剤(皮下注、静注又は筋注)、経皮、経粘膜、経鼻、経肺などで投与されるが、経口投与も可能である。
本発明のG−CSF含有製剤は、通常密封、滅菌されたプラスチックまたはガラス容器中に収納されている。容器はアンプル、バイアルまたはディスポーザブル注射器のような規定用量の形状で供給することができ、あるいは注射用バックまたは瓶のような大用量の形状で供給することもできる。好ましくは、バイアル、注射器用アンプル又はプレフィルドシリンジに充填された形態のG−CSF含有製剤として供給する。
本発明のG−CSF含有製剤は後述の実施例に示すように、40℃−2週間の加速試験あるいは25℃−6ヶ月間の保存を行った後にも、極めて良好なG−CSF残存率を示す。また、G−CSFは糖鎖末端に1ないし2個のシアル酸をもつが、長期保存中にシアル酸が分解された分解体を生じることがある。本発明のG−CSF含有製剤は、40℃−2週間の加速試験を行った後にも、分解体の生成比を低く保つことが示された。さらに、本発明のG−CSF含有製剤は容器への吸着を十分に抑制することができ、またバイアル充填製剤、シリンジ充填製剤等の容器の形状にかかわらず、40℃−2週間の加速試験後、及び25℃−6ヶ月の保存後に極めて良好なG−CSF残存率を示す。
本発明を以下の実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
実施例
試験方法
250mgのG−CSF、0.1gのポリソルベート20、30gのD−マンニトールを秤量し、リン酸ナトリウム緩衝液にて、下記の第1表に示す各種pHとなるように調整した後、全量を1Lとした。
【表1】
各調剤液は無菌的に調製を行い、濾過を行った後、無菌的にバイアルに1mLずつ充填、密封し、G−CSF溶液製剤を製造した。
このようにして無菌的に調製したG−CSF250μg/mL含有製剤を、40℃の恒温槽内に2週間静置した。
バイアル中のG−CSF含有量を下記の方法1に基づき測定した。また、バイアル中のG−CSF糖鎖分解体含量を下記の方法2に基づき測定した。
方法1
C4逆相カラム(4.6mmx250mm、300オングストローム)を用い、純水、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸を移動相に用いた。逆相系高速液体クロマトグラフィー法によりG−CSF含量を測定した。G−CSFとして5μg相当量を注入し、アセトニトリルのグラジエントによりG−CSFを溶出させ、215nmの波長で分光学的に検出した。
本方法で測定したG−CSF含量を用い、下記の式に基づき、40℃−2週間加速後の残存率(%)を算出した。
方法2
陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー法により、G−CSF糖鎖分解体(糖鎖末端に存在するシアル酸が全て分解されたもの)、及びG−CSF(未変化体)を検出した。即ち、陰イオン交換カラム(TSKgel DEAE)を用い、20mMトリス−HCl緩衝液(pH7.4)を移動相とし、NaClグラジエント(0−500mM)により溶出させ、215nmの波長で分光学的に検出した。
本方法で測定したG−CSF糖鎖分解体とG−CSF未変化体の測定値を用い、下記の式に基づき、40℃−2週間加速後のG−CSF糖鎖分解体生成比(%)を算出した。
実施例1:各種pHのG−CSF残存率に及ぼす効果
第1表に記載の各種pHで調製した溶液製剤を、40℃−2週間加速試験を行った後のG−CSF残存率を方法1に記載の式により算出した。得られた結果を図1に示す。
pHが7以下においてG−CSF残存率は75%以上であった。
実施例2:各種pHのG−CSF糖鎖分解体生成に及ぼす効果
第1表に記載の各種pHで調製した溶液製剤を、40℃−2週間加速試験を行った後のG−CSF糖鎖分解体生成比をを方法2に記載の式により算出した。得られた結果を図2に示す。
pHが約5〜7の範囲では、G−CSF糖鎖分解体の生成比がきわめて低かった。
実施例3:界面活性剤濃度の容器へのG−CSF吸着に及ぼす効果
250mgのG−CSF,5.844gの塩化ナトリウムを添加した後,さらに下記の表2に示す各ポリソルベート20濃度となるように添加し,リン酸ナトリウム緩衝液にてpHを6.5に調整し,全量を1Lとした。
【表2】
無菌的に調整・濾過を行い製造した、表2記載のG−CSF各調剤液は,バイアル(村瀬硝子株式会社製無処理白色ガラスバイアル(5mL))に対して1mLずつ充填し,充填直後,および,充填後24時間経過後に方法1記載の逆相系高速液体クロマトグラフィー法によりG−CSF含量を測定した。
本方法で測定したG−CSF含量を用い、下記の式に基づき,充填後24時間経過後の吸着抑制率(%)を算出した。
得られた結果を表3及び図3に示す。
【表3】
G−CSF1重量部に対するポリソルベート濃度が1重量部以下の場合にも吸着抑制率は十分であった。
実施例4:バイアル又はシリンジ充填製剤の安定性
250mgのG−CSF、0.1gのポリソルベート20、7gの塩化ナトリウムを秤量し、リン酸ナトリウム緩衝液にてpHを6.5に調整した全量1Lの調剤液を無菌的に調製し、濾過を行った後、無菌的にバイアル(同上)又はシリンジ(日本ベクトン・ディッキンソン社製ハイパックSFC、1mLロング)に1mLずつ充填、密封し、表4に示すG−CSF溶液製剤を製造した。
【表4】
このようにして無菌的に調製したG−CSF250μg/mL含有製剤を、40℃の恒温槽内に2週間静置、又は25℃の恒温槽内に6ヶ月静置した。
バイアル中、又はシリンジ中のG−CSF含有量を方法1に基づき測定し、40℃−2週間加速後のG−CSF残存率、及び25℃−6ヶ月保存後のG−CSF残存率を方法1記載の式により算出した。
得られた結果を表5に示す。
【表5】
本発明のG−CSF製剤は、バイアル充填製剤、シリンジ充填製剤のいずれにおいても、40℃−2週加速後の残存率は75%以上であり、25℃−6ヶ月保存後の残存率は95%以上であり、優れた安定性を示した。
産業上の利用可能性
本発明のG−SCF含有製剤は、G−CSF1重量部に対して1重量部以下という極めて少量の界面活性剤を含むことにより、製剤中に微量で存在するG−CSFの温度、湿度、酸素、紫外線等の外的因子に基づく会合、重合、あるいは酸化もしくは容器壁への吸着の結果として生じる、有効成分の損失、活性の低下等に関する問題点を効果的に解決することができる。従って、本発明は製造工程における煩雑さ、コストを少なくし、また長期保存にも安定な溶液製剤を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、40℃−2週間加速試験を行った後の、pHとG−CSF残存率の関係を示すグラフである。
図2は、40℃−2週間加速試験を行った後の、pHとG−CSF糖鎖分解体生成比との関係を示すグラフである。
図3は、充填後24時間経過後の、G−CSF1重量部に対するポリソルベート20の重量部と吸着抑制率との関係を示すグラフである。
Claims (10)
- 糖鎖を有する顆粒球コロニー刺激因子と、顆粒球コロニー刺激因子1重量部に対して1重量部以下の少なくとも1種の製薬上許容される非イオン界面活性剤を含み、安定化剤として他のタンパク質を含まず、pH6−6.8である、安定な顆粒球コロニー刺激因子含有溶液製剤。
- 界面活性剤を顆粒球コロニー刺激因子1重量部に対して0.2〜1重量部の範囲内の量で含む請求項1記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- 界面活性剤を顆粒球コロニー刺激因子1重量部に対して0.2〜0.8重量部の範囲内の量で含む請求項2記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- 界面活性剤を顆粒球コロニー刺激因子1重量部に対して0.4〜0.8重量部の範囲内の量で含む請求項2記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- 界面活性剤を顆粒球コロニー刺激因子1重量部に対して0.4又は0.8重量部含む請求項2記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- 非イオン界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンラノリン誘導体及びポリオキシエチレン脂肪酸アミドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがポリソルベート20又はポリソルベート80である請求項6記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- pHが6.2〜6.8である請求項1記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- pHが6.5である請求項1記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
- バイアル、注射器用アンプル又はプレフィルドシリンジに充填された請求項1記載の顆粒球コロニー刺激因子含有製剤。
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