JP3894832B2 - エアコンプレッサのピストン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面にオイルリングを収容する凹溝が形成されたエアコンプレッサのピストンに関する。更に詳しくは、このオイルリングにてかき落されたシリンダ内周面の余分のオイルをクランクケース内に戻すためのオイル戻し孔を有するエアコンプレッサのピストンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピストン本体の外周面に対向するシリンダ内周面に凹溝が形成され、この凹溝内側にオイル掻きリングが半径方向に出没自在に設けられ、上記凹溝の奥面と上記シリンダの上端内側とが圧力導入路により連通されたエアコンプレッサが開示されている(実開平6−67873号)。このように構成されたエアコンプレッサでは、ピストン本体の上昇時にオイル掻きリングが凹溝から突出して、ピストン本体外周面に付着したオイルを掻き落とし、ピストン本体の下降時にオイル掻きリングが凹溝内に没入して、オイルの掻き上げを防止できる。なお、ピストン本体の上昇時に、上記オイル掻きリングによって掻き落とされたオイルは、ピストン本体のロア凹溝に収容されたオイルリングによってロア凹溝内に取り入れられ、このロア凹溝とピストン本体内周面とを連通する水平なオイル戻し孔を通ってクランクケース内に回収されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の実開平6−67873号公報に示されたエアコンプレッサでは、図3に示すように、ピストン本体2が上死点から所定の位置まで下降するとき、ピストン本体2に下向きの加速度が作用する、即ちピストン本体2の下降速度が次第に増大する。しかし、ピストン本体2の下降開始直後は、ピストン本体2の頂面とシリンダヘッド7との間のエア圧縮室4内に圧力の大きな圧縮エアが残留しているため、オイルリング3はロア凹溝2c下面に当接しながら下降する。ピストン本体2が更に下降すると、オイルリング3の掻き落とした余分のオイルがオイルリング3下面に溜ってその圧力が上昇するため、このオイルの圧力によりオイルリング3が押上げられ、図3の二点鎖線矢印で示すように、上記余分のオイルがロア凹溝2c下面とオイルリング3下面との間の隙間からロア凹溝2c内に流入した後に、小径のオイル戻し孔1には入らずに、オイルリング3上面とロア凹溝2c上面との間の隙間から上方に逆流する場合があった。この結果、この逆流したオイルがエア圧縮室4内のエアに混入してしまい、オイル消費量が増大する不具合があった。
本発明の目的は、オイルリング下面に溜った余分のオイルをスムーズにコンロッド収容凹部に排出することにより、オイルの消費量を低減できる、エアコンプレッサのピストンを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図2に示すように、外周面に複数のリング状の凹溝12a,12b,12cが形成され頂面の反対側の下面にコンロッド収容凹部12dが形成されたピストン本体12と、複数の凹溝12a,12b,12cのうちピストン本体12の頂面から最も離れた位置に形成されたロア凹溝12cに収容され外周面がシリンダ16内周面に当接するオイルリング13とを備えたエアコンプレッサの改良である。
その特徴ある構成は、ピストン本体12にロア凹溝12c内とコンロッド収容凹部12dとを連通する第1オイル戻し孔31が設けられ、ピストン本体12にロア凹溝12cより下方のピストン本体12外周面とコンロッド収容凹部12dとを連通する第2オイル戻し孔32が設けられ、ピストン本体12外周面に第2オイル戻し孔32の入口32aに連通しかつ円周方向に延びるリング溝12eが形成され、コンロッド収容凹部12dに第2オイル戻し孔32の出口側に連通する短絡凹部72fが形成されたところにある。
【0005】
この請求項1に記載されたエアコンプレッサのピストンでは、エアコンプレッサの吸気行程においてピストン本体12がシリンダ16に対して下降するとき、先ずピストン本体12の下降開始直後はピストン本体12に下向きの加速度が作用するけれども、ピストン本体12頂面に圧力の大きな圧縮エアが残留しているため、オイルリング13はロア凹溝12cの下面に当接した状態で下降する。オイルリング13の下方の余分のオイルはオイルリング13下面に溜るけれども、オイルリング13下面はロア凹溝12c下面に密着しているので、ロア凹溝12c内を通って上方に逆流せずに、第2オイル戻し孔32を通って速やかにコンロッド収容凹部12dに排出される。
【0006】
ピストン本体12が次第に下降すると、ピストン本体12の頂面に作用する圧力は急激に小さくなるとともに、ピストン本体12に下向きの加速度が作用し続けるので、オイルリング13はその慣性力によりロア凹溝12cの上面に当接する。オイルリング13がロア凹溝12cの下面に密着した状態からロア凹溝12cの上面に密着した状態に移行するとき、オイルリング13によりかき削られてオイルリング13下面に溜った余分のオイルは第2オイル戻し孔32からコンロッド収容凹部12dに排出されているため、その圧力は低い。このためオイルリング13下面に溜った余分のオイルがロア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入しても、オイルリング13の上方に逆流することなく、第1オイル戻し孔31を通ってコンロッド収容凹部12dに排出される。
【0007】
ピストン本体12が更に下降すると、ピストン本体12に作用する加速度が上向きに変わるので、オイルリング13はその慣性力によりロア凹溝12cの下面に当接する。オイルリング13がロア凹溝12cの上面に密着した状態からロア凹溝12cの下面に密着した状態に移行するとき、オイルリング13によりかき削られてオイルリング13下面に溜った余分のオイルは、第2オイル戻し孔32からコンロッド収容凹部12dに排出されるとともに、ロア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入し第1オイル戻し孔31を通ってコンロッド収容凹部12dに排出されているため、その圧力は低い。このためオイルリング13下面に溜った余分のオイルがロア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入しても、オイルリング13の上方に逆流することはない。
【0008】
また第2オイル戻し孔32の長さが短くなるので、オイルが第2オイル戻し孔32を通るときの摩擦損失を低減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を参考の形態とともに図面に基づいて説明する。
図1に示すように、参考の形態のエアコンプレッサのピストン11は外周面に複数のリング状の凹溝12a,12b,12cが形成されたピストン本体12と、これらの凹溝12a,12b,12cのうちピストン本体12の頂面から最も離れた位置に形成されたロア凹溝12cに収容されたオイルリング13とを備える。ピストン本体12の頂面とシリンダヘッド17との間にはエア圧縮室14が形成され、上記頂面の反対側の下面にはコンロッド収容凹部12dが形成される。コンロッド収容凹部12dには図示しないがコンロッドの上端が挿入され、このコンロッドの上端は図示しないピストンピンを介してピストン本体12に枢着される。
【0010】
なお、シリンダヘッド17には、図示しないがエア圧縮室14を大気に連通する吸入ポートと、エア圧縮室14をエアタンクに連通する排出ポートとが形成される。吸入ポートにはピストン本体12の下降時にこのポートを開きかつピストン本体12の上昇時にこのポートを閉じる吸入弁(図示せず)が設けられる。また排出ポートにはピストン本体12の上昇時にこのポートを開きかつピストン本体12の下降時にこのポートを閉じる排出弁が設けられる。
【0011】
上記複数の凹溝12a,12b,12cはこの実施の形態では3本であり、上記ロア凹溝12cの他に、ピストン本体12の頂面に最も近い位置に形成されたアッパ凹溝12aと、このアッパ凹溝12aとロア凹溝12cとの間に形成されたミドル凹溝12bとからなる。アッパ凹溝12a及びミドル凹溝12bには第1及び第2コンプレッションリング21,22がそれぞれ収容され、これらのコンプレッションリング21,22はエアコンプレッサの吸気行程(図1)や排気行程(図示せず)におけるエア圧縮室14内のエアに対する気密性を保つ機能を有する。
【0012】
オイルリング13の外周面にはシリンダ16内周面に当接する2本のリップ部13a,13aが設けられ、これらのリップ部13a,13aの間にはオイルリング13の半径方向の外端及び内端がそれぞれ開口しかつ所定の長さだけ円周方向に延びる複数の長孔13bが形成される。オイルリング13はこのリングの弾性力によりシリンダ16内周面に密着するように構成される。このオイルリング13は、シリンダ16内周面に付着したオイルがエア圧縮室12dに入って、圧縮されるエアに混入されるのを防止するとともに、シリンダ16内周面に必要最小限の潤滑油膜を形成する機能を有する。
【0013】
またピストン本体12にはロア凹溝12c内とコンロッド収容凹部12dとを連通する第1オイル戻し孔31と、ロア凹溝12cより下方のピストン本体12外周面とコンロッド収容凹部12dとを連通する第2オイル戻し孔32とが設けられる。またピストン本体12の外周面のうちロア凹溝12cの直下には、第2オイル戻し孔32の入口32aに連通しかつ円周方向に延びるリング溝12eが形成される。このリング溝12eの断面形状は略台形状に形成され、その上縁はロア凹溝12cに連通するように形成される。
【0014】
第1及び第2オイル戻し孔31,32はピストン本体12に円周方向に所定の間隔をあけて4個ずつ水平にそれぞれ形成される。即ち、第1オイル戻し孔31はロア凹溝12cの奥面からコンロッド収容凹部12dに向ってピストン本体12の頂面と平行にそれぞれ形成され、第2オイル戻し孔32はリング溝12eからコンロッド収容凹部12dに向ってピストン本体12の頂面と平行にそれぞれ形成される。なお、上記リング溝12eはオイルリング13下面に溜ったオイルを第2オイル戻し孔32にスムーズに導くために形成される。
【0015】
このように構成されたエアコンプレッサの動作を説明する。
エアコンプレッサの吸気行程の初期、即ちピストン本体12の下降開始直後は、ピストン本体12に下向きの加速度が作用するけれども、エア圧縮室14に圧力の大きな圧縮エアが残留しているため、この圧力により第1コンプレッションリング21がアッパ凹溝12aの下面に当接し、第2コンプレッションリング22がミドル凹溝12bの下面に当接し、更にオイルリング13がロア凹溝12cの下面に当接した状態で、ピストン本体12が下降する(図1(a))。オイルリング13の下方の余分のオイルはオイルリング13によりかき削られてオイルリング13下面に溜るけれども、オイルリング13はロア凹溝12c下面に密着しているので、上記余分のオイルはロア凹溝12c内を通って上方に逆流せずに、二点鎖線矢印で示すように第2オイル戻し孔32を通って速やかにコンロッド収容凹部12dに排出され、クランクケースに落下する。またオイルリング13の上方に漏れた余分のオイルは、破線矢印で示すように第1オイル戻し孔31を通って速やかにコンロッド収容凹部12dに排出され、クランクケースに落下する。更にオイルリング13の2本のリップ部13a,13aの間に侵入したオイルは、一点鎖線矢印で示すように長孔13c及び第1オイル戻し孔31を通って速やかにコンロッド収容凹部12dに排出され、クランクケースに落下する。
【0016】
ピストン本体12が更に下降すると、エア圧縮室14内の圧力が急激に低下してピストン本体12の頂面に作用する圧力が急激に小さくなるとともに、ピストン本体12に下向きの加速度が作用し続けてピストン本体12の下降速度は次第に増大する。このため第1コンプレッションリング21はその慣性力によりアッパ凹溝12aの上面に当接し、第2コンプレッションリング22はその慣性力によりミドル凹溝12bの上面に当接し、オイルリング13はその慣性力によりロア凹溝12cの上面に当接する(図1(b))。オイルリング13がロア凹溝12cの下面に密着した状態からロア凹溝12cの上面に密着した状態に移行するとき、オイルリング13によりかき削られてオイルリング13下面に溜った余分のオイルは第2オイル戻し孔32からコンロッド収容凹部12dに排出されているため、その圧力は低い。このためオイルリング13下面に溜った余分のオイルがロア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入しても、オイルリング13の上方に逆流することなく、第1オイル戻し孔31を通ってコンロッド収容凹部12dに排出され。クランクケースに落下する。
【0017】
オイルリング13がロア凹溝12cの上面に密着した状態でピストン本体12が下降すると、このオイルリング13がシリンダ16の内周面に付着した余分のオイルをかき削ることにより、シリンダ16の内周面に必要最小限の厚さの潤滑油膜が形成される。オイルリング13下面に溜った余分のオイルは、図1(b)の破線矢印で示すようにオイルリング13下面とロア凹溝12c下面との間の隙間及び第1オイル戻し孔31を通って、或は二点鎖線矢印で示すように第2オイル戻し孔32を通って、クランクケース(図示せず)に落下する。またオイルリング13の2本のリップ部13a,13aの間に侵入したオイルは、一点鎖線矢印で示すように長孔13b及び第1オイル戻し孔31を通ってクランクケースに落下する。
【0018】
ピストン本体12が更に下降すると、ピストン本体12に作用する加速度が上向きに変って、ピストン本体12の下降速度は次第に減少する。このとき第1コンプレッションリング21はその慣性力によりアッパ凹溝12aの下面に当接し、第2コンプレッションリング22はその慣性力によりミドル凹溝12bの下面に当接し、更にオイルリング13はその慣性力によりロア凹溝12cの下面に当接する(図1(a))。オイルリング13がロア凹溝12cの上面に密着した状態からロア凹溝12cの下面に密着した状態に移行するとき、オイルリング13によりかき削られてオイルリング13下面に溜った余分のオイルは、第2オイル戻し孔32からコンロッド収容凹部12dに排出されるとともに、ロア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入し第1オイル戻し孔31を通ってコンロッド収容凹部12dに排出されているため、その圧力は低い。このためオイルリング13下面に溜った余分のオイルがロア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入しても、オイルリング13の上方に逆流することはない。
【0019】
オイルリング13がロア凹溝12cの下面に密着した状態でピストン本体12が下降すると、オイルリング13はシリンダ16の内周面に付着した余分のオイルをかき削りながら下降し、シリンダ16の内周面に必要最小限の厚さの潤滑油膜が形成される。オイルリング13下面に溜った余分のオイルは、図1(a)の二点鎖線矢印で示すように第2オイル戻し孔32を通ってクランクケースに落下する。またオイルリング13の上方に漏れた余分のオイルは、その慣性力により破線で示すように第1オイル戻し孔31を通ってクランクケースに落下する。更にオイルリング13の2本のリップ部13a,13aの間に侵入したオイルは、一点鎖線矢印で示すように長孔13c及び第1オイル戻し孔31を通ってクランクケースに落下する。この結果、エア圧縮室内のエアに混入する余分なオイルは極めて少ないので、オイル消費量を低減できる。次に排気行程(図示せず)に移行すると、ピストン本体12がシリンダ16に対して上昇するけれども、このときシリンダ16内周面には必要最小限の厚さの潤滑油膜しか形成されていないので、オイルリング13でかき削られる余分のオイルは僅かである。
【0020】
図2は本発明の実施の形態を示す。図2において図1と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、コンロッド収容凹部12dに第2オイル戻し孔32の出口側に連通する短絡凹部72fが形成される。またピストン本体12の外周面うちロア凹溝12cの直下に形成されたリング溝62eの断面形状が略半円状に形成され、その上縁はロア凹溝12cの下縁から所定の距離だけ離れた下方に形成される。上記以外は参考の形態と同一に構成される。
【0021】
このように構成されたエアコンプレッサでは、第2オイル戻し孔32の長さが短くなるので、オイルが第2オイル戻し孔32を通るときの摩擦損失を低減できる。この結果、オイルリング13下面に溜ったオイルは第2オイル戻し孔32内をスムーズに流れるので、オイルリング13の下面に溜ったオイルは参考の形態より速やかにコンロッド収容凹部12dに排出されて、クランクケースに戻る。
またピストン本体12に側圧が作用したり、ピストン本体12に上向きの加速度が作用すると、リング溝62eより下方のピストン本体12外周面に付着していたオイルがオイルリング13に向って上昇するけれども、このオイルはオイルリング13に達する前に、リング溝62eの上部内面によりリング溝62eの中に導かれるので、上記リング溝62eの上部内面はオイルをリング溝62eに導く絞り面の役割を果たす。この結果、ピストン本体12に側圧が作用したり、ピストン本体12に上向きの加速度が作用しても、オイルリング13に達するオイルは殆どないので、オイルがロア凹溝12cの背後の回り込むことはない。従って、オイルリング13の上方へのオイルの逆流を、参考の形態より更に確実に防止できる。
【0022】
なお、上記実施の形態では、ピストン本体の外周面に凹溝を3本形成したが、2本又は4本以上でもよい。
また、上記実施の形態では、第1及び第2オイル戻し孔をピストン本体に円周方向に所定の間隔をあけて4個ずつそれぞれ形成したが、これらのオイル戻し孔をピストン本体に2個ずつ、3個ずつ又は5個ずつ以上設けてもよい。
更に、上記実施の形態では、第1オイル戻し孔の入口をロア凹溝の奥面のみに形成したが、第1オイル戻し孔の入口をロア凹溝の奥面からロア凹溝の下面にかけかつロア凹溝の下縁コーナ部(ピストン本体外周面とロア凹溝下面との交線を含むコーナ部)に達しない位置に形成してもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ピストン本体にロア凹溝内とコンロッド収容凹部とを連通する第1オイル戻し孔を設け、ピストン本体にロア凹溝より下方のピストン本体外周面とコンロッド収容凹部とを連通する第2オイル戻し孔を設け、更にピストン本体外周面に第2オイル戻し孔の入口に連通しかつ円周方向に延びるリング溝を形成したので、ピストン本体の下降開始直後にオイルリングがロア凹溝の下面に密着し、その後オイルリングがロア凹溝の上面に密着するように、オイルリングがピストン本体に対して相対的に移動しても、オイルリング下面に溜ったオイルは第2オイル戻し孔を通ってコンロッド収容凹部に排出されており、その圧力は低い状態に保たれる。
【0024】
またピストン本体に作用する加速度の向きの変化により、オイルリングがロア凹溝の上面に密着した状態からロア凹溝の下面に密着する状態に移行するときも、オイルリング下面に溜った余分のオイルは、第2オイル戻し孔からコンロッド収容凹部に排出されるとともに、ロア凹溝下面とオイルリング下面との間の隙間からロア凹溝内に流入し第1オイル戻し孔を通ってコンロッド収容凹部に排出されているため、その圧力は低い状態に保たれる。この結果、オイルリング下面に溜った余分のオイルがロア凹溝下面とオイルリング下面との間の隙間からロア凹溝内に流入しても、オイルリングの上方に逆流せず、オイルリング下面のシール機能を確保できるので、オイルがエア圧縮室の圧縮エアと混合せず、オイル消費量を低減できる。
【0025】
更にコンロッド収容凹部に第2オイル戻し孔の出口側に連通する短絡凹部を形成すれば、第2オイル戻し孔の長さが短くなるので、オイルが第2オイル戻し孔を通るときの摩擦損失を低減できる。この結果、オイルリング下面に溜ったオイルは第2オイル戻し孔をスムーズに流れるので、オイルリングの下面に溜ったオイルは更に速やかにコンロッド収容凹部に排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考の形態のピストンを含むエアコンプレッサの要部縦断面図。
【図2】 本発明の実施形態を示す図1に対応する断面図。
【図】 従来例を示す図1に対応する断面図。
【符号の説明】
11 ピストン
12 ピストン本体
12a アッパ凹溝
12b ミドル凹溝
12c ロア凹溝
12d コンロッド収容凹部
2e リング溝
13 オイルリング
16 シリンダ
第1オイル戻し孔
第2オイル戻し孔
32第2オイル戻し孔の入口
72f 短絡凹部

Claims (1)

  1. 外周面に複数のリング状の凹溝(12a,12b,12c)が形成され頂面の反対側の下面にコンロッド収容凹部(12d)が形成されたピストン本体(12)と、前記複数の凹溝(12a,12b,12c)のうち前記ピストン本体(12)の頂面から最も離れた位置に形成されたロア凹溝(12c)に収容され外周面がシリンダ(16)内周面に当接するオイルリング(13)とを備えたエアコンプレッサにおいて、
    前記ピストン本体(12)に前記ロア凹溝(12c)内と前記コンロッド収容凹部(12d)とを連通する第1オイル戻し孔(31)が設けられ、
    前記ピストン本体(12)に前記ロア凹溝(12c)より下方の前記ピストン本体(12)外周面と前記コンロッド収容凹部(12d)とを連通する第2オイル戻し孔(32)が設けられ、
    前記ピストン本体(12)外周面に第2オイル戻し孔(32)の入口(32a)に連通しかつ円周方向に延びるリング溝(12e)が形成され
    前記コンロッド収容凹部 (12d) に第2オイル戻し孔 (32) の出口側に連通する短絡凹部 (72f) が形成され
    ことを特徴とするエアコンプレッサのピストン。
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