JP3894787B2 - 受信回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロコンピュータの受信回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイクロコンピュータのリモコンの受信回路においては、外部割込みによるソフトウェア処理でリモコン受信を行うか、ハードウェアとソフトウェア処理でリモコン受信を行っている。
【0003】
図20に示す受信回路は、外部割込みによるソフトウェア処理でリモコン受信するものである。エッジ検出部300によって受信入力信号1の立ち上がりを検出すると、割込制御部301が割込要求信号302を出力し、CPU311を動作開始させる。動作開始したCPU311は、受信入力信号1を入力し、ソフトウェアで処理する。
【0004】
図21に示す受信回路は、ハードウェアとソフトウェア処理でリモコン受信するものである。上記と同様に、エッジ検出部300によって受信入力信号1の立ち上がりを検出すると、割込制御部301が割込要求信号302を出力し、CPU311を動作開始させる。一方、エッジ検出によりカウント制御部303がクロック信号304のカウント動作を開始し、カウントデータ313を出力する。クロック信号304はハードウェアにより常時動作している。カウンタ305でカウントデータ313の“H”か“L”のデータ長さをカウントしていき、カウンタ値308を一致検出部306に出力するとともに、内部バス310を介してCPU311に出力する。あらかじめ比較データ設定部307に設定されたデータ長さの値である比較データ値312も一致検出部306に出力されるとともに、内部バス310を介してCPU311に出力される。一致検出部306はカウンタ値308と比較データ値312を比較し、比較結果309を内部バス310を介してCPU311に出力する。
【0005】
割込制御部301からの割込要求信号302で動作開始したCPU311は、内部バス310を介して入力したカウンタ値308、比較データ値312、比較結果309を処理し、その結果に基づいて受信入力信号1の受信処理を開始する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来の受信回路では、以下の問題を抱えている。
【0007】
(1) 受信入力信号1の内容に関わらず、CPU311は外部割込みによる動作開始をする必要があり、データの認識をCPUで行うため、CPUの負荷が重くなり、マイクロコンピュータの性能低下を招くという問題がある。
【0008】
(2) 受信入力信号1の内容の受信誤差が発生した場合、誤受信する可能性が高くなる。また、その不都合を回避しようとすると、ソフトウェア処理が必要になるため、前記(1)と同様に、CPU311の負荷が重くなるという問題がある。
【0009】
(3) カウント制御部303がカウントを行うクロック信号304はハードウェア内で常時動作しているものであり、受信入力信号1の内容に関わらずクロック信号304が常に必要になるため、CPU311の停止状態での受信ができないという問題がある。
【0010】
(4) ノイズもしくはエラー受信時であっても、都度、CPU311の処理を必要とするため、CPUの無駄な動作が発生し、電力ロスを発生してしまう問題がある。
【0011】
(5) 受信入力信号1の内容の正誤判定が不十分なため、ノイズ等をパルス認識してしまった場合などには正しい受信入力信号1の内容と認識せず、誤受信するという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、上記課題を解決することにより、CPUの処理を軽減し、消費電力を少なくし、スタンバイモードにおいても受信可能にし、かつ、ノイズ耐量の向上を図ることができる受信回路を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のような手段を講じることにより、上記の課題を解決する。すなわち、受信入力信号からエッジを検出する検波回路と、前記検波回路による検波出力により制御されるクロック発生回路と、前記クロック発生回路で生成されたクロック信号をサンプリングクロックとし前記受信入力信号のデータを判定およびデータ処理した上で判定正常時には割込要求信号および受信データを、判定異常時にはエラー出力をそれぞれPUに送出する受信データ比較部とを備え、前記検波回路による検波出力によって前記クロック発生回路を起動し、前記割込要求信号、又は前記エラー出力により前記クロック発生回路を停止する受信回路であって、前記検波回路は、前記受信入力信号からエッジを検出するエッジ検出回路と、前記受信入力信号をサンプリングするデータサンプリング回路と、前記データサンプリング回路の出力値が、一旦ハイレベルになった後、所定の期間内において半数以上ハイレベルである場合は前記受信入力信号が受信開始信号であると判定する受信開始信号判定回路とを備え、前記エッジ検出回路により受信入力信号を検出するとクロック発生の検波出力を前記クロック発生回路に出力し、前記受信開始信号判定回路により前記受信入力信号が受信開始信号と判定すると前記検波出力を継続出力し、受信開始信号でないと判定すると前記検波出力を停止することを特徴とする。
【0014】
これによれば、受信開始から受信完了まですべてハードウェアで行うため、CPUにおけるソフトウェア処理を少なくでき、CPUの性能の低下を招くことなく、受信入力信号の受信ができる。
【0022】
これによれば、受信入力信号がノイズである場合には、直ちにクロックを停止することができ、低消費電力化を実現する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかわる受信回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の受信回路を備えたマイクロコンピュータの内部の概略構成図である。
【0029】
図1において、1は受信入力信号、2は検波回路、3は検波出力、4はクロック信号、5はクロック発生回路、61〜6nはクロック信号、7は受信データ比較部、8は割込要求信号、9は受信データ、10はエラー出力、11は内部バス、12はCPU、13はマイクロコンピュータ、15はクロック停止論理回路、16はクロック停止信号である。
【0030】
受信入力信号1が入力されると、検波回路2は検波出力3を立ち上げる。クロック発生回路5において、検波出力3の立ち上がりに基づいてクロック信号起動(図2の900参照)が立ち上がる。RSラッチ等で実現されたロジックにおいて、クロック信号起動の入力によりクロック信号4が起動される。クロック発生回路5は、クロック信号4の起動により、クロック信号61〜6nを生成し、検波回路2へクロック信号4とクロック信号61〜6nを出力する。同じくクロック発生回路5は、受信データ比較部7にもクロック信号4を出力する。
【0031】
受信データ比較部7は、受信入力信号1とクロック信号4により受信データを比較判別し、正しければ、割込要求信号8をクロック停止論理回路15に出力するとともに、内部バス11を介してCPU12へ出力し、さらに、受信データ9を内部バス11を介してCPU12へ出力する。間違っていれば、エラー出力10をクロック停止論理回路15に出力するとともに、内部バス11を介してCPU12へも出力する。
【0032】
クロック停止論理回路15は、割込要求信号8とエラー出力10の論理をクロック停止信号16としてクロック発生回路5に出力する。クロック発生回路5はクロック停止信号16を入力すると、内部のクロック信号起動900を立ち下げ、クロックの生成を停止する。
【0033】
以下、具体的な動作について説明する。
【0034】
マイクロコンピュータ13において、リモコンの受信入力信号1が入力されると、検波回路2によって検波出力3が出力される。これについては、図2のタイミングT200を参照することができる。ただし、図2は受信データ間違いの場合のタイミングチャートである。検波出力3の立ち上がりによって、クロック発生回路5のクロック信号起動900が立ち上がり、クロック信号4が生成される。そのクロック信号4は、検波回路2と受信データ比較部7に出力される。
【0035】
受信データ比較部7は、受信入力信号1とクロック信号4とを入力し、両者の比較で受信データを比較判別し、正しければ割込要求信号8をクロック停止論理回路15へ出力する。そのときのクロック停止論理回路15の出力は、“”であり、クロック発生回路5のクロック信号起動900は立下りを生成するため、クロック信号4の生成は停止する。同時に割込要求信号8と受信データ9を内部バス11を介してCPU12へ出力する。その時点でCPU12が動作開始する。
【0036】
次に、受信データの比較判別の結果が間違いであった場合の動作を図2によって説明する。間違いのときは、受信データ比較部7はエラー出力10をクロック停止論理回路15へ出力する(図2のタイミングT201参照)。その時までに、クロック停止論理回路15の1入力である割込要求信号8は“”になっているので、エラー出力10が立ち上がると、クロック停止論理回路15は“H”のクロック停止信号16を出力する。その結果、クロック発生回路5は、クロック信号起動900の立ち下がりを生成し、クロック信号4の生成を停止させる。CPU12は、割込要求信号8を入力してもエラー出力10を入力するため、動作開始はしない。マイクロコンピュータ13は、再度、受信入力信号1の入力待ち状態となる。
【0037】
このように構成したため、受信入力信号1の入力を検波回路2で検出し、検波出力3で内蔵のクロック発生回路5を起動してクロック信号4を発生させ、受信データ比較部7での受信データの判別において、正常な受信入力信号1を受信した場合にのみ、クロック信号4を継続して発生させ、異常を検出した場合には、エラー出力10によってクロック停止論理回路15からのクロック停止信号16をクロック発生回路5に与えることにより、クロック信号4を停止させる。したがって、ノイズ等で受信入力信号1に不定データが入力された場合には、クロック信号4により受信データ比較部7が動作継続することによる定常動作電力ロスと、CPU12が動作開始することによる定常動作電力ロスの削減を実現することができる。
【0038】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図3を基に説明する。図3は受信データ比較部7の具体的構成を示すブロック図である。
【0039】
受信入力信号1の立ち上がりをエッジ検出回路200で検出し、エッジ検出出力201を生成する。エッジ検出出力201が“H”になることをトリガとし、基本パターンA生成回路204、基本パターンB生成回路205を起動させる。基本パターンの周波数、デューティは基本パターンA設定レジスタ202および基本パターンB設定レジスタ203に格納されている。基本パターンA生成回路204は、クロック信号4と基本パターンA設定レジスタ202に格納されたデータに基づき、基本パターンA出力206を生成する。基本パターンB生成回路205は、クロック信号4と基本パターンB設定レジスタ203に格納されたデータに基づき、基本パターンB出力207を生成する。
【0040】
比較器A208には受信入力信号1と基本パターンA出力206が入力され、排他的論理和により比較され、比較器A出力210が生成される。比較器B209には受信入力信号1と基本パターンB出力207が入力され、排他的論理和により比較され、比較器B出力211が生成される。
【0041】
また、受信入力信号1と生成された基本パターンのわずかな誤差を無視するために、ノイズフィルタ212に比較器A出力210と比較器B出力211が入力され、ノイズフィルタA出力213、ノイズフィルタB出力214を生成する。
【0042】
データ判定回路215はノイズフィルタA出力213と、ノイズフィルタB出力214から受信したデータが正しいデータか否かを判別し、正しいデータであれば受信レジスタ217に受信データとして格納し、また、正しくないデータで有れば、エラー出力10を“H”にする。
【0043】
受信完了検知回路219はエッジ検出出力201をカウントする機能を有し、受信ビット数設定レジスタ218にあらかじめ格納された正規のビット数と前記カウンタによりカウントされたビット数とを比較し、一致した場合は次のカウントエッジで割込要求信号8を“H”にする。
【0044】
また、1ビットデータの区切りをエッジ検出出力201で検知し、基本パターンA生成回路204および基本パターンB生成回路205に入力することにより、基本パターンA生成回路204および基本パターンB生成回路205はリセットされ、再度連続的に受信される受信入力信号1と比較される基本パターン生成を開始する。
【0045】
次に、上記構成の受信回路の動作を図4、図5、図6のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0046】
図4は正常動作を示すタイミングチャートである。図4において、タイミングT300からタイミングT301までの期間、タイミングT301からタイミングT302までの期間、タイミングT302からタイミングT303までの期間、タイミングT303からタイミングT304までの期間はそれぞれ単位期間であり、タイミングT304からタイミングT305までは単位期間の2倍である。
【0047】
基本パターンは、基本パターンAと基本パターンBの二通りである。基本パターンAは、1単位期間の“H”区間とそれに引き続く3単位期間の“L”区間とからなる4単位期間を1周期とするパターンである。また、基本パターンBは、1単位期間の“H”区間とそれに引き続く1単位期間の“L”区間とからなる2単位期間を1周期とするパターンである。基本パターンAのデータを“1”とし、基本パターンBのデータを“0”とする。
【0048】
受信入力信号1が“L”から“H”に変化すると、データ受信が開始され、エッジ検出出力201が“L”から“H”になる。
【0049】
エッジ検出出力201が“H”になったことにより、基本パターンA生成回路204および基本パターンB生成回路205が動作を開始し、基本パターンA生成回路204は、タイミングT300からタイミングT301までの区間が“H”、タイミングT301からタイミングT302までの区間が“L”である信号を生成する。また、基本パターンB生成回路205は、同様に、タイミングT300からタイミングT301までの区間が“H”、タイミングT301からタイミングT302までの区間が“L”である信号を生成する。ここで両者ともタイミングT300〜T302で考察するのは、タイミングT302で再度のエッジ検出出力201によりリセットされるからである。
【0050】
まず、受信入力信号1はタイミングT300のタイミングで立ち上がり、受信が開始される。タイミングT302のタイミングで再度、受信入力信号1が立ち上がることにより、データ1個分の受信が完了したと見なされ、ノイズフィルタA出力213とノイズフィルタB出力214が共に“L”であることから、データ判定回路215は受信入力信号1が“0”で有ることを判定し、受信レジスタ217に格納すべきデータが“0”で有ることが確定され、その結果に従ってデータ出力216として“L”を受信レジスタ217に出力し、受信データの“0”が正しく格納される。受信完了検知回路219における受信ビットカウンタは、“00”からインクリメントされ、“01”となる。そして、エッジ検出出力201の立ち上がりによって、基本パターンA生成回路204および基本パターンB生成回路205はリセットされ、最初から基本パターンの生成を始める。
【0051】
次に、受信入力信号1はタイミングT302からタイミングT305までの区間を1個のデータであるとし、基本パターンB生成回路205は、短い周期の基本パターンB出力207を生成することから、タイミングT304のタイミングで受信入力信号1との不一致を生じさせ、ノイズフィルタB出力214は“H”を出力する。一方、基本パターンA生成回路204が生成する基本パターンAは、タイミングT305まで受信入力信号1と一致するため、ノイズフィルタA出力213は“L”を維持する。
【0052】
タイミングT305で受信入力信号1が立ち上がることからデータが確定し、ノイズフィルタB出力214が“H”、ノイズフィルタA出力213が“L”であるため、すなわち、両者がともには“H”になってはいないので、データ判定回路215は受信入力信号1は正常であると判定した上で、データ出力216に“H”を出力し、データ“1”を受信レジスタ217に格納する。受信完了検知回路219における受信ビットカウンタは、“01”からインクリメントされ、“02”となる。
【0053】
次に、ノイズ等により受信入力信号1の波形が乱れた場合の処理を図5を用いて説明する。
【0054】
タイミングT306からタイミングT309までの区間は本来では“1”のデータが入力された場合であるが、タイミングT307からタイミングT308の区間にノイズが重畳されている。タイミングT307で受信入力信号1が立ち上がることにより、データ区間が完了したと見なし、基本パターンA生成回路204と基本パターンB生成回路205はリセットされ、再度、基本パターンの生成を開始する。
【0055】
しかし、前記受信入力信号1の立ち上がりはノイズであるため、タイミングT308ですぐさま立ち下がり、基本パターンA出力206と、基本パターンB出力207の両方に対して不一致を生じさせる。そのため、ノイズフィルタA出力213とノイズフィルタB出力214の両信号が“H”になることにより、データ判定回路215はエラーを検知し、エラー出力10を“H”にし、受信したデータがエラーであることを知らせる。この場合は、データ判定回路215からクロック停止論理回路15にエラー出力10が出力され、クロック停止信号16がクロック発生回路5に入力されるため、クロック発生回路5はクロック信号起動900を立ち下げ、クロック信号4およびクロック信号60〜6nの発生を停止する。
【0056】
次に、受信終了時の動作について図6を用いて説明する。
【0057】
タイミングT312で受信入力信号1から受信データの最後のビットが受信されたとする。このとき、受信完了検知回路219の受信ビットカウンタのカウント数は“n−1”から“n”にインクリメントされる。この“n”は、あらかじめ受信ビット数設定レジスタ218に設定されていた値である。すなわち、タイミングT312で受信完了検知回路219の受信ビットカウンタのカウント数と受信ビット数設定レジスタ218の値が一致する。このときの受信入力信号1は、タイミングT315で入力完了となる信号である。したがって、タイミングT315で受信完了検知回路219は割込要求信号8を“H”にし、内部バス11を介してCPU12に受信が完了したことを知らせる。CPU12は割込要求信号8を受けて動作開始する。
【0058】
(実施の形態3)
次に、発明の実施の形態3について図7を基に説明する。図7は受信データ比較部の構成を示すブロック図である。
【0059】
上記の実施の形態2におけるノイズフィルタ212を削除し、代わりに、受信誤差設定レジスタ220と誤差検出器221とを設けている。すなわち、受信入力信号1にノイズが含まれている場合、および、受信入力信号1の周期、デュティーに誤差が含まれている場合に、正常データと見なされる許容誤差を格納した受信誤差設定レジスタ220と、比較器A出力210、比較器B出力211を受信誤差設定レジスタ220の値と比較し、許容範囲を超えているかを検出する誤差検出器221を備えている。
【0060】
次に、図8、図9を用いて、誤差検出の詳細について説明する。
【0061】
図8は受信データが基本パターンと比較して、両者の誤差が許容誤差内にある場合のタイミングチャートである。
【0062】
基本パターンは基本パターンA出力206のようにタイミングT320からタイミングT323までが“H”区間、タイミングT323からタイミングT325までが“L”区間である波形とする。また、あらかじめ許容される誤差範囲をタイミングT321からタイミングT324までの区間とする。
【0063】
今、受信入力信号1がタイミングT322で立ち下がったとすると、タイミングT322からタイミングT323までは基本パターンA出力206と不一致であるので、比較器A出力210として不一致検知を示す“H”が生成される。しかし、この場合、タイミングT321からタイミングT324までの期間の誤差はあらかじめ許容されているので、比較器A出力210は許容誤差として認識され、誤差検出A出力223として“L”が出力される。
【0064】
図示していないが、比較器B出力211についても、誤差検出器221により、前記誤差検出A出力223と同様の生成方法により、誤差検出B出力224が生成される。この場合、比較器B出力211は許容誤差として認識され、誤差検出B出力224として“L”が出力される。誤差検出A出力223も誤差検出B出力224も“L”であるので、データ判定回路215は、データが正常に受信できたと判定し、受信データを受信レジスタ217に格納する。
【0065】
図9は受信データが基本パターンと比較して、許容誤差以上に誤差がある場合のタイミングチャートである。誤差がタイミングT332からタイミングT334までの期間に発生しているが、タイミングT331からタイミングT333までの期間は許容誤差範囲として認識されるので、誤差検出A出力223は“L”レベルを生成する。しかし、タイミングT333からタイミングT334までの期間では許容誤差以上の不一致が比較器A出力210から出力されているため、誤差検出A出力223として“H”を出力し、データに異常があったこと、すなわちエラーであることを示す。もし、比較器A出力210で許容範囲に収まっていても、比較器B出力211について許容誤差以上の不一致があれば、誤差検出B出力224として“H”が出力される。
【0066】
誤差検出A出力223と誤差検出B出力224の少なくともいずれか一方が“H”であれば、データ判定回路215は、エラー出力10を行う。これにより、クロック発生回路5は停止される。
【0067】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4を説明する。これは、受信回路における検波回路に工夫を与えたものである。
【0068】
図10は検波回路2の構成を示すブロック図である。図10において、2は検波回路、100はデータサンプリング回路、101は受信開始信号判定回路、102はデータレジスタ、103は論理積回路、104はエッジ検出回路である。論理積回路103からは検波回路2の外部へ検波出力3が出力され、検波回路2の外部にある図1のクロック発生回路5へ入力される。クロック発生回路5からは、クロック信号4がデータサンプリング回路100へ入力され、クロック信号61がデータレジスタ102へ入力される。
【0069】
図11は本発明の実施の形態4における検波回路2の構成を実現する1実施例を示すものである。図11において、100はデータサンプリング回路であり、105,106,107の3つのFF回路によって構成されている。FF回路105には図1の受信入力信号1が入力される。101は受信開始信号判定回路であり、108,109,110の3つのExNOR回路と、セレクタ111により構成されている。102はデータレジスタ回路であり、FF回路112で構成されている。検波回路2を構成するそれぞれの回路は図11に示す接続がなされている。
【0070】
図12は受信入力信号1が正常の場合の検波回路2の動作を示すタイミングチャートである。図13は検波回路2が受信入力信号1のノイズを除去し、動作する場合のタイミングチャートである。図14は検波回路2が受信入力信号1の異常波形を検知して動作する場合のタイミングチャートである。
【0071】
以上のように構成された本実施例の検波回路2について、以下、まず正常時の動作を図12のタイミングチャートを用いて説明する。
【0072】
検波回路2に受信入力信号1が図12に示すタイミングで入力される。この時の受信入力信号1のリーダーである“H”状態がFF回路105のD入力端子と、エッジ検出回路104に入力される。エッジ検出回路104は受信入力信号1の“H”の立ち上がりエッジを検出し、論理積回路103に“H”を伝える。ここで、データレジスタ102内のFF回路112はシステム初期化により初期値“H”をQ出力端子から出力しているため、論理積回路103の検波出力3はリーダーの“H”エッジに同期して“H”を出力する。検波出力3の“H”がクロック発生回路5に入力されると、クロック発生回路5からは、クロック信号4およびクロック信号61が図12のタイミングで出力される。クロック信号4がFF回路105,106,107のクロック入力端子CKに入力されると、それぞれのFF回路105,106,107からは図12に示すタイミングでQ出力端子よりFF105出力、FF106出力、FF107出力が順次出力する。これら出力がExNOR回路108,109,110に入力されると、ExNOR回路108,109,110からは図12に示すタイミングでそれぞれ順次出力する。これらの出力がセレクタ111に入力される。ここで、セレクタ111はデコード回路になっている。そのデコード内容を表1に示す。セレクタ111の出力は、ExNOR回路108,109,110からの出力の組み合わせで、表1に示すセレクトを行う。
【0073】
【表1】
Figure 0003894787
セレクタ111の出力は図12のタイミングで出力し、データレジスタ102のFF回路112のD入力端子に入力される。FF回路112にはクロック信号61が図12のタイミングで入力されることにより、FF112の出力および検波出力3が図12のタイミングで出力される。
【0074】
図12のタイミングチャートでは受信入力信号1が正常なリーダーであり、検波回路2からは正常なリモコン受信が開始したことを判定し、検波出力3を“H”に固定している。検波出力3が“H”の場合、図1のクロック発生回路5はクロック発生を継続し、リモコン受信を継続することができる。
【0075】
次に、受信入力信号1のリーダーの一部にノイズが重畳された場合の動作を図13に基づいて説明する。
【0076】
受信入力信号1のリーダーの一部にノイズが重畳され、リーダーが一瞬“L”になった場合、FF105出力は“L”をラッチし、FF105出力、FF106出力にノイズである“L”が伝搬する。しかし、本実施の形態の回路構成によって、セレクタ111の出力に“L”が伝搬することはなく、検波出力3は図13に示す“H”が得られ、結果としてクロック発生回路5はノイズに影響されることなく、正常動作を維持することができる。
【0077】
次に、受信入力信号1のリーダー部が異常信号であった場合の動作を図14に基づいて説明する。
【0078】
受信入力信号1のリーダー部の立ち上がりエッジを検出して検波出力3からは“H”を出力し、クロック発生回路5が動作開始する。しかし、受信入力信号1が図14に示すような短い、異常なリーダーであった場合、クロック信号61のタイミングで検波出力3からは直ちに“L”を出力することで、クロック発生回路5が動作停止する。これにより、リモコン受信はリーダー部の異常を検知し、直ちに停止することができる。
【0079】
従来、検波回路がエッジ検出のみであるため、受信入力信号にノイズが乗るだけでクロック発生回路が動作し、誤ったリモコン受信を継続動作し、ソフトウエアによる誤り訂正が必要であった。
【0080】
これに対して、本実施の形態によれば、3ビットのサンプリングを実施し、その内2ビット分で一致したデータを有効にする本構成の多数決方式を用いることで、リーダーがノイズかデータかを判定し、ノイズの場合は直ちにクロックを停止することができ、低消費電力化を実現すると共に、ノイズに影響されることなく正しいリーダー信号を受信することができる。
【0081】
(実施の形態5)
図15は本発明の実施の形態5における検波回路の構成を実現する別の実施例を示すものである。図15において、114はデータレジスタ102を構成する論理積回路であり、セレクタ111の出力と受信入力信号1を入力し、FF回路112へ出力するように接続される。その他の構成は、図11と同様の構成を用いる。
【0082】
以上のように構成された本実施例の検波回路について、以下、その動作を図16のタイミングチャートを用いて説明する。
【0083】
受信入力信号1に図16に示すようなサンプリングクロックに同期したノイズが重畳された場合、最初のノイズのHエッジで検波出力3がH出力する。続いて、ノイズがクロック信号4に同期して入力された場合、FF出力105,FF出力106,FF出力107にHが伝搬する。さらに、ノイズがクロック信号61に同期して入力された場合、セレクタ111の出力にも“H”が伝搬する。しかしながら、前記論理積回路114を接続した構成のため、検波出力3が直ちに“L”出力され、クロック発生回路5は動作を停止することができる。
【0084】
図16では受信入力信号1にクロック信号4、クロック信号61に同期したノイズが重畳された特殊な場合を示してあるが、前記例で使用した図12の正常な受信入力信号1が入力された場合には、図12の検波出力3に示す正常な動作を行うことができるのは、言うまでもない。
【0085】
以上のように本実施形態によれば、図11の検波回路のデータレジスタ102内に論理積回路114を設けることで、従来のデジタルノイズフィルタを用いたノイズ除去器でも除去しきれなかった、サンプリングクロックに同期するノイズに対してもノイズ除去を実現でき、受信回路の耐ノイズ性を向上することができる。
【0086】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6における検波回路2をシリアルデータ受信回路に応用した1実施例を示す。
【0087】
図17は概略構成図、図18は回路構成図である。図17に示すように、本実施の形態は受信入力信号1を受信する検波回路2と検波回路2にn本のクロック61〜6nを供給するクロック発生回路5で構成される。
【0088】
図18の102はデータレジスタであり、n個のFF回路1121〜112nにより構成されている。n個のFF回路1121〜112nのD入力端子は、セレクタ111の出力端子がそれぞれに入力され、それぞれのQ出力はn本のバス構成で受信データを出力できる。また、それぞれのクロック入力端子CKにはクロック発生回路5からn本のクロック信号61〜6nが入力される。データサンプリング回路100、受信開始信号判定回路101は図11と同様の構成であるが、受信開始信号判定回路101内のセレクタ111は表2に示すデコードを行う。
【0089】
【表2】
Figure 0003894787
以上のように構成された本実施の形態のシリアルデータ受信回路について、以下、その動作を図19のタイミングチャートを用いて説明する。
【0090】
受信入力信号1に図19に示すノイズが重畳された場合、FF回路105,106,107にノイズの“L”が伝搬する。ノイズの“L”が伝搬したFF105出力、FF106出力、FF107出力がExNOR回路108,109,110に入力され、ExNOR回路108,109,110の各出力は図19に示す波形となる。しかしながら、セレクタ信号111が表2に示すデコードを実施することで図19に示すセレクタ111出力となる。ここでは既に、ノイズの伝搬が遮断されている。
【0091】
次に、クロック発生回路5からクロック信号61〜6nが図19に示すタイミングで出力される。その結果、データレジスタ回路102からは、図19に示すFF1121からFF112nまでの出力の組み合わせが受信データとして出力される。これにより、受信入力信号1に図19に示すようなノイズが重畳された場合でも、多数決による簡易的なデータ補正を行うことで、より正確に受信入力データを受信することができる。
【0092】
以上のように本実施形態によれば、従来の単一クロックでデータを格納していくだけのシリアルデータ受信方式に比べ、図18に示す構成を用いることで、受信入力信号にノイズが乗った場合でも正常受信できる確率が高くなり、結果として受信回路の耐ノイズ性を飛躍的に向上させることができる。
【0093】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は受信開始から受信完了まですべてハードウェアで行うため、ソフトウェア処理を少なくでき、CPUの性能の低下を招くことなく受信入力信号の受信を行うことができる。
【0094】
また、受信入力信号の周波数、デューティーに誤差がある場合でも、プログラム設定により許容される誤差範囲を設定できるので、受信入力信号の特性のばらつきがあっても、誤りなく正確に、かつハードウェア処理のみで受信することができる。
【0095】
また、受信入力信号をサンプリングするクロックを内部で生成し、かつ、非同期に入力される受信信号により発振を制御できるため、CPUが発振クロックを要しないスタンバイモードにおいても、受信入力信号を受信することできる。
【0096】
また、受信入力信号の受信完了を待ってから、CPUに割込処理をかけるため、外来ノイズや、受信エラーが発生した際も不用意にCPUを動作させることなく、とりわけ、スタンバイモード時の無駄な復帰動作が発生しなくなるため、低消費電力化を図るシステム構成にすることができる。
【0097】
また、受信入力信号に対して複数ビットのサンプリングを実施し、前記サンプリングデータを多数決したデータを有効にすることで、ノイズかデータかを判定し、ノイズに影響されることなく正しい受信入力信号を認識することができ、ノイズ耐量を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の受信回路を備えたマイクロコンピュータの構成を示すブロック図
【図2】 本発明の実施の形態1の受信回路の動作を示すタイミングチャート
【図3】 本発明の実施の形態2の受信回路における受信データ比較部の構成を示すブロック図
【図4】 本発明の実施の形態2の受信回路における正常動作時のタイミングチャート
【図5】 本発明の実施の形態2の受信回路におけるエラー受信時のタイミングチャート
【図6】 本発明の実施の形態2の受信回路における受信完了時のタイミングチャート
【図7】 本発明の実施の形態3の受信回路における受信データ比較部の構成を示すブロック図
【図8】 本発明の実施の形態3の受信回路における正常受信時のタイミングチャート
【図9】 本発明の実施の形態3の受信回路における誤差受信時のタイミングチャート
【図10】 本発明の実施の形態4の受信回路における検波回路の構成を示すブロック図
【図11】 本発明の実施の形態4の受信回路における検波回路の詳細な構成を示すブロック図
【図12】 本発明の実施の形態4の受信回路における正常動作時のタイミングチャート
【図13】 本発明の実施の形態4の受信回路におけるノイズが重畳するが正常動作する時のタイミングチャート
【図14】 本発明の実施の形態4の受信回路における異常波形検知時のタイミングチャート
【図15】 本発明の実施の形態5の受信回路における検波回路の詳細な構成を示すブロック図
【図16】 本発明の実施の形態5の受信回路における異常波形検知時のタイミングチャート
【図17】 本発明の実施の形態6のシリアルデータ受信回路の概略構成を示すブロック図
【図18】 本発明の実施の形態6のシリアルデータ受信回路における検波回路の詳細な構成を示すブロック図
【図19】 本発明の実施の形態6のシリアルデータ受信回路におけるノイズが重畳するが正常に動作する時のタイミングチャート
【図20】 ソフトウェア処理のみを行う従来技術の構成を示すブロック図
【図21】 ソフトウェアとハードウェア処理を行う従来技術の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 受信入力信号
2 検波回路
3 検波出力
4 クロック信号
5 クロック発生回路
61〜6n nビットのクロック信号
7 受信データ比較部
8 割込要求信号
9 受信データ
10 エラー出力
11 内部バス
12 CPU
13 マイクロコンピュータ
100 データサンプリング回路
101 受信開始信号判定回路
102 データレジスタ
103 論理積回路
104 エッジ検出回路
105,106,107 FF回路
108,109,110 ExNOR回路
111 セレクタ回路
1121〜112n FF回路
113 エッジ検出回路出力
200 エッジ検出回路
201 エッジ検出出力
202 基本パターンA設定レジスタ
203 基本パターンB設定レジスタ
204 基本パターンA生成回路
205 基本パターンB生成回路
206 基本パターンA出力
207 基本パターンB出力
208 比較器A
209 比較器B
210 比較器A出力
211 比較器B出力
212 ノイズフィルタ
213 ノイズフィルタA出力
214 ノイズフィルタB出力
215 データ判定回路
216 データ出力
217 受信レジスタ
218 受信ビット数設定レジスタ
219 受信完了検知回路
220 受信誤差設定レジスタ
221 誤差検出器

Claims (1)

  1. 受信入力信号からエッジを検出する検波回路と、前記検波回路による検波出力により制御されるクロック発生回路と、前記クロック発生回路で生成されたクロック信号をサンプリングクロックとし前記受信入力信号のデータを判定およびデータ処理した上で判定正常時には割込要求信号および受信データを、判定異常時にはエラー出力をそれぞれCPUに送出する受信データ比較部とを備え、前記検波回路による検波出力によって前記クロック発生回路を起動し、前記割込要求信号、又は前記エラー出力により前記クロック発生回路を停止する受信回路であって、
    前記検波回路は、前記受信入力信号からエッジを検出するエッジ検出回路と、前記受信入力信号をサンプリングするデータサンプリング回路と、前記データサンプリング回路の出力値が、一旦ハイレベルになった後、所定の期間内において半数以上ハイレベルである場合は前記受信入力信号が受信開始信号であると判定する受信開始信号判定回路とを備え、前記エッジ検出回路により受信入力信号を検出するとクロック発生の検波出力を前記クロック発生回路に出力し、前記受信開始信号判定回路により前記受信入力信号が受信開始信号と判定すると前記検波出力を継続出力し、受信開始信号でないと判定すると前記検波出力を停止することを特徴とする受信回路。
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