JP3894700B2 - 耐食性に優れた表面処理めっき鋼材及びその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた表面処理めっき鋼材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性に優れた表面処理めっき鋼材及びその製造方法に関するものである。さらに詳しく述べるならば、光の照射により光カソード防食効果が得られる耐食性に優れた表面処理めっき鋼材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チタン酸化物、チタン酸ストロンチウム若しくはチタン酸バリウムなどのn型半導体を鋼板などの金属の防食に適用する技術は、現在までほとんどなく、僅かに下記4件が知られている。第1の技術は、「材料と環境」(第44巻(1995年)p.539)に記載されており、この技術において、炭素鋼を500℃以上に加熱して特定酸化皮膜を形成させ、その上層にゾル−ゲル法を用いてチタン酸化物皮膜層を形成させるものであって、それによって光照射下において電気化学的なカソード防食効果により耐食性を向上させるものである。このような光を利用して金属を防食する方法を、以下、光カソード防食法と記す。
【0003】
第2の技術として、特開平6−10153号公報には、ステンレス鋼からなる基材の表面に、チタン含有量に換算して1mg/m2 以上のチタン酸化物含有皮膜層を形成させ、光照射下において耐食性を向上させることが開示されている。
また、第3の技術として特開平10−158860号公報には、亜鉛めっき鋼材に酸化処理又は電解処理を施して、亜鉛表面の一部又は全部を酸化させた後に、その上にチタン酸化物からなる皮膜層を形成させて、光照射下において耐食性を向上させることが開示されている。
【0004】
上記第1〜3の技術は、すべて光照射下においてその耐食性を向上させるものである。これは被覆されたチタン酸化物がn型半導体として、光電気化学的な特性を発現することを利用しているためである。これらに対し、第4の技術として、特開平11−71684号公報には、金属材料の表面に、下層としてFeなどの金属の酸化物を、チタン酸化物皮膜中に含有する第1の皮膜層を形成し、その上に、上層としてチタン酸化物からなる第2の皮膜層を形成させ、下層に添加された金属酸化物の酸化還元反応を利用して、光照射のない夜間も含めて、耐食性を向上させる技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、従来の第1〜3の技術においては、持続した防食効果を得るためには光照射が必要不可欠であり、自然環境下の夜間などにおいては防食効果が得られないという問題点を有していた。これに対し夜間でも防食効果を持続させ得る第4の技術も、腐食性の厳しい海岸地域や多湿な環境下では、ステンレス鋼などのように、素材の耐食性がもともと良好な場合を除き、腐食の進行を十分に抑えきれないという欠点を有していた。
【0006】
また、通常の塗装等が施されためっき鋼材は、腐食性の厳しい環境下において傷等が存在しても、亜鉛などが示す犠牲カソード防食効果によって、母材である傷部の鋼材は防食される。しかし、使用期間の経過とともに徐々にめっき金属が消費され、十分な量のめっき金属がなくなると、ついには腐食が進行してしまうという問題点を有していた。従って現状では、あらゆる環境において長期間にわたって優れた耐食性を維持するようなめっき鋼材は未だ得られていないのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の抱える上記問題点を解決し、めっき鋼材に対して優れた耐食性を有し、かつ、この耐食性をあらゆる環境下で長期間にわたって維持することが可能な表面処理めっき鋼材、及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するための手段について鋭意検討した結果、亜鉛めっき鋼材の表面に、第1層として結晶質亜鉛酸化物(ZnO)からなる皮膜層を被覆し、その上に、Fe酸化物を含有するチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )の第2の皮膜層を形成させ、さらにその上に非晶質チタン酸ストロンチウムを含有する第3の皮膜を重ねて被覆した3層構造の皮膜を有する亜鉛めっき鋼材が、優れた耐食性を有することを見出した。ここで、前述の亜鉛めっき鋼材は第1層、第3層により光を照射すると該鋼材の耐食性が飛躍的に向上(光カソード防食)するとともに、第2層によってその効果は光照射のない夜間にも維持(以下、記憶効果と呼ぶ)され、さらには腐食性の厳しい海岸地域及び多湿な環境下においてもめっきされた亜鉛による犠牲カソード防食との併用効果により、長期に渡り高い耐食性が維持されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の耐食性に優れた表面処理めっき鋼材は、亜鉛含有金属又はアルミニウム含有金属によりめっきされた鋼材からなる基材と、
(1)前記基材の少なくとも1表面上に、
(i)それぞれ結晶構造を有するチタン酸化物及び亜鉛酸化物から選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含み、0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第1皮膜層と、
(ii)それぞれFe、V及びCuから選ばれた少なくとも1種を含む金属酸化物と、チタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上とを含み、これらの合計量に対する前記金属酸化物の金属元素単体換算含有率が20〜50重量%であり、かつ、0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第2皮膜層と
が、任意の順序で重層形成されている、アンダー複合皮膜層、並びに、
(2)前記アンダー複合皮膜層上に形成され、かつ、それぞれ非晶質構造を有するチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含有し、かつ0.01〜10μmの厚さを有するアッパー皮膜層とを含む、ことを特徴とするものである。
本発明の表面処理めっき鋼材において、前記アンダー複合皮膜層が、前記鋼材基材上に形成された1層の第1皮膜層と、この第1皮膜層上に形成された1層の第2皮膜層とからなり、この第2皮膜層上に前記アッパー皮膜層が形成されていてもよい。
本発明の表面処理めっき鋼材において、前記アンダー複合皮膜層が、前記鋼材基材上に形成された1層の第2皮膜層と、この第2皮膜層上に形成された1層の第1皮膜層とからなり、この第1皮膜層上に、前記アッパー皮膜層が形成されていてもよい。
本発明の耐食性に優れた表面処理めっき鋼材の製造方法は、亜鉛含有金属又はアルミニウム含有金属によりめっきされた鋼材を基材とし、
(1)この基材の少なくとも1表面上に、
(i)それぞれ結晶構造を有するチタン酸化物及び亜鉛酸化物から選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含み、0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第1皮膜層と、
(ii)それぞれFe、V及びCuから選ばれた少なくとも1種を含む金属酸化物と、チタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上とを含み、これらの合計量に対する前記金属酸化物の金属元素単体換算含有率が20〜50重量%であり、かつ0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第2皮膜層と
を、任意の順序で重層形成して、アンダー複合皮膜層を形成し、
(2)前記アンダー複合皮膜層上に、それぞれ非晶質構造を有するチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含有し、かつ0.01〜10μmの厚さを有するアッパー皮膜層を形成することを含むことを特徴とするものである。
本発明の表面処理めっき鋼材の製造方法において、前記アンダー複合皮膜層の形成に当たり、前記鋼材基材の少なくとも1表面上に1層の第1皮膜層を形成し、この第1皮膜層上に1層の第2皮膜層を形成し、この第2皮膜層上に前記アッパー皮膜層を形成してもよい。
本発明の表面処理めっき鋼材の製造方法において、前記アンダー複合皮膜層の形成に当たり、前記鋼材基材の少なくとも1表面上に1層の第2皮膜層を形成し、この第2皮膜層上に1層の第1皮膜層を形成し、この第1皮膜層上に、前記アッパー皮膜層を形成してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるめっき鋼材としては、めっきした金属が犠牲アノードとして作用し、基材である鋼材をカソード防食することにより高い耐食性を示すめっき鋼材を用いる必要があり、めっき種としては亜鉛含有金属及びアルミニウム含有金属、例えば亜鉛、アルミニウム、亜鉛アルミニウム合金、亜鉛鉄合金、及び亜鉛ニッケル合金など、が用いられる。
【0011】
本発明の耐食性に優れた表面処理めっき鋼材は、亜鉛含有金属又はアルミニウム含有金属によりめっきされた鋼材からなる基材と、前記基材の少なくとも1表面上に、形成されたアンダー複合皮膜層と、このアンダー複合皮膜層上に形成されたアッパー皮膜層とを有するものである。アンダー複合皮膜層は、
(i)それぞれ結晶構造を有するチタン酸化物及び亜鉛酸化物から選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含み、0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第1皮膜層と、
(ii)それぞれFe、V及びCuから選ばれた少なくとも1種を含む金属酸化物と、チタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上とを含み、これらの合計量に対する前記金属酸化物の金属元素単体換算含有率が20〜50重量%であり、かつ0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第2皮膜層と、
が、任意の順序で重層形成されて形成されたものである。
また、アッパー皮膜層は、それぞれ非晶質構造を有するチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含有し、かつ0.01〜10μmの厚さを有するものである。
本発明の表面処理めっき鋼材の前記アンダー複合皮膜層において、前記鋼材基材上に1層の第1皮膜層が形成されており、この第1皮膜層上に1層の第2皮膜層が形成されており、この第2皮膜層上に前記アッパー皮膜層が形成されていてもよい。
また、本発明の表面処理めっき鋼材の前記アンダー複合皮膜層において、前記鋼材基材上に1層の第2皮膜層が形成されており、この第2皮膜層上に1層の第1皮膜層が形成されており、この第1皮膜層上に、前記アッパー皮膜層が形成されていてもよい。
【0012】
本発明の表面処理めっき鋼材において、第1皮膜層は、実質的に、それぞれ結晶構造を有するチタン酸化物及び/又は、亜鉛酸化物を含み、必要によりチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、鉄酸化物及び/又は鉄チタン系酸化物から選ばれた少なくとも1種を含むものである。上記鉄チタン系酸化物とは、Fex TiyZ で表されるFeとTiとの複合酸化物であって、例えば、FeTiO3 、Fe2 TiO4 、Fe2 TiO5 などのn型半導体を包含する。これらの金属酸化物の中ではチタン酸化物又は亜鉛酸化物を用いることが好ましい。第1皮膜層中に含まれるチタン酸化物及び/又は亜鉛酸化物の含有量は、第1皮膜層の皮膜又は塗膜中の固形分に対して15〜100重量%である。めっき鋼材の表面に形成されるチタン酸化物及び/又は亜鉛酸化物の含有量が15重量%未満であると防食性の向上効果が不十分になるので、チタン酸化物及び/又は亜鉛酸化物の含有量は15重量%以上である。また防食効果を一層向上させるためには、チタン酸化物及び/又は亜鉛酸化物の含有量が、100重量%であることが好ましい。
また第1皮膜層の厚さは、0.01〜10μmの範囲内に形成し、それによって、優れた防食性を得ることができる。
【0013】
上記第1皮膜層の形成方法については特に制限はなく、上記第1皮膜層形成用金属酸化物、例えば、酸化亜鉛を顔料として含有し、かつ有機樹脂あるいは無機バインダーを含む塗料を、基材のめっき層上に塗布して第1皮膜層を形成させても良い。特に基材のめっき種が亜鉛である場合には、基材上の亜鉛めっき層を電気化学的に陽極酸化することにより亜鉛酸化物を形成させることもできるし、大気中ないし酸素分圧等を制御された雰囲気中における亜鉛めっき層の高温酸化によって亜鉛酸化物を得ることも可能である。
【0014】
また、チタン酸化物を皮膜として形成させる方法にも制限はなく、例えばPVD法やCVD法、あるいはゾル−ゲル法などのいずれかの方法を用いてもよい。またチタン酸化物の粉末を含有する有機樹脂あるいは無機バインダー塗料を用いてもよく、或はチタン酸化物ゾルを塗布乾燥させてもよい。
【0015】
第1皮膜層において、結晶チタン酸化物及び/又は亜鉛酸化物に加えて、n型半導体の特性を示すチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、鉄酸化物及び/又は鉄チタン系酸化物も用いることができる。ただし、化学的に安定で、また太陽光によって十分励起される素材であるチタン酸化物が、第1皮膜層用金属酸化物として実用的に好ましい素材である。また、チタン酸化物に比べ化学的安定性において劣る亜鉛酸化物においても、その上に積層形成される第2皮膜層さらにアッパー皮膜層を重ねて被覆することにより、良好な化学的安定性を確保できるため実用上全く問題はない。
【0016】
第1層中の結晶質チタン酸化物又は亜鉛酸化物中に、Nb5+、Al3+、Cr3+若しくはCr6+などの元素含有物質を、金属重量換算量で、0.001〜5重量%添加することにより、n型半導体の光による量子効率を向上させ、光照射下における鋼材の耐食性を向上させることができる。
【0017】
なお、第1皮膜層中のチタン酸化物又は亜鉛酸化物の結晶構造は、結晶性である。この理由は、酸化物半導体は結晶化することにより、光励起による量子効率が高くなり、光照射による鋼材の耐食性が向上するためである。特にチタン酸化物の場合、アナターゼ結晶構造を有するものを用いることが好ましい。
【0018】
第1皮膜層に、前記特定金属酸化物の他に、有機樹脂、無機バインダー、及び/又は、Nb、Al、Crなどの添加金属を含有する物質が含まれる場合、第1皮膜層全重量に対し、前記特定金属酸化物の合計含有量は、20〜100重量%であることが好ましく、80〜100重量%であることがより好ましい。有機樹脂としてはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂又はそれらの変性物などを用いることができ、無機バインダーとしてはアルカリ珪酸塩、シリカコロイド、アルミナコロイド、シリカ等のアルコキシドなどを用いることができる。
【0019】
本発明の表面処理めっき鋼材において、アンダー複合皮膜層に含まれる第2皮膜層は、チタン酸化物、チタン酸ストロンチウム及びチタン酸バリウムから選ばれた少なくとも1種の中に、Fe、V及びCuから成る群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物を含み、これらの合計量に対する前記金属酸化物の金属元素単体換算含有率が20〜50重量%であり、かつ0.01〜10μmの厚さを有するものである。この第2皮膜層は、添加された金属酸化物成分であるFe、V又はCuの酸化還元反応により夜間等の光遮断後におけるカソード防食効果(記憶効果)を担うものであり、この詳細な原理については特開平11−71684号公報において開示されている。前記金属酸化物成分の添加量が多いほど、また第2皮膜層の厚さが増大するほど記憶効果は高まるが、得られる第2皮膜層の電気伝導性が低下し、光カソード防食能が低下する。そのため、前記金属酸化物の金属元素単体換算比率は20〜50重量%の範囲内にあり、好ましくは20〜30重量%であり、また、第2皮膜層の厚さは0.01〜10μmの範囲内にあり、好ましくは0.01〜0.1μmである。
【0020】
なお、第2皮膜層の皮膜層の形成方法については特に制限はない。例えば各成分を顔料として含有する有機樹脂あるいは無機バインダー塗料を用いて形成してもよいし、或は、PVD法やCVD法、またゾル−ゲル法などの方法によって形成してもよい。第2皮膜層が、有機樹脂又は無機バインダーを含む場合、第2皮膜層中の上記金属酸化物成分含有チタン化合物の含有量は、第2皮膜層の全重量に対し、10〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100重量%である。有機樹脂としてはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂又はこれらの変性物などを用いることができ、無機バインダーとしてはアルカリ珪酸塩、シリカコロイド、アルミナコロイド、シリカなどを用いることができる。
【0021】
本発明の表面処理めっき鋼材において、前第1皮膜層及び第2皮膜層を含むアンダー複合皮膜層上に、アッパー皮膜層(第3皮膜層)が形成される。アッパー皮膜層は、それぞれ非晶質構造を有するチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム及びチタン酸バリウムの1種以上を含むものである。このアッパー皮膜層中のチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム及び/又はチタン酸バリウムの含有量は、皮膜又は塗膜中の固形分に対して、15〜100重量%である。この含有量が15重量%未満であると防食性の向上効果が不十分になる。そのため、その含有量は15重量%以上であり、より効果的に防食効果を引き出すためには100重量%にすることが好ましい。
このアッパー皮膜層の厚さは0.01〜10μmの範囲内にあり、この場合には優れた防食性を発揮することができる。
【0022】
アッパー皮膜層中のチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム及び/又はチタン酸バリウムの結晶構造は、非晶質である。非晶質の皮膜は結晶性のものに比べより優れた記憶効果を有する。
【0023】
本発明におけるめっき層上のアンダー複合皮膜層中の、第1皮膜層と第2皮膜層の重層順序に制限はなく任意に設定することができる。例えば、下記重層構造を有することができる。基材/アンダー複合皮膜層(第1皮膜層/第2皮膜層)/アッパー皮膜層、基材/アンダー複合皮膜層(第2皮膜層/第1皮膜層)/アッパー皮膜層、基材/アンダー複合皮膜層(第1皮膜層/第2皮膜層/第1皮膜層)/アッパー皮膜層、基材/アンダー複合皮膜層(第2皮膜層/第1皮膜層/第2皮膜層)/アッパー皮膜層及び基材/アンダー複合皮膜層(第1皮膜層/第2皮膜層/第2皮膜層)/アッパー皮膜層など、アンダー複合皮膜層中に2層以上の第1皮膜層又は第2皮膜層が含まれる場合、これらは互に同一であってもよく、或は異っていてもよい。ただし、最外層となるアッパー皮膜層においては、必ず非晶質構造を有するチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム及び/又はチタン酸バリウムを含む皮膜層が形成されている。
【0024】
光照射されたときに、鋼材の電気化学的電位を卑化させてカソード防食(光カソード防食)に寄与するのは、第1皮膜層とアッパー皮膜層であるが、主として第1皮膜層がその役割を担う。このように第1皮膜層はそれに含まれる特定金属酸化物が、n型半導体としての光電気化学的挙動を効果的に発揮することが求められ、そのため特定金属酸化物の含有量は100重量%であって、結晶性のものが最も良好な特性を示す。この光照射の際に、第2皮膜層中に金属酸化物の形で添加されたFe、V、Cuの各金属元素は、主に第1皮膜層の働きにより還元される。光遮断後にこの還元された金属元素が、元の状態にゆっくりと酸化されていき、その間は鋼材の電気化学的電位が卑に保たれるのでカソード防食(記憶効果)が維持される。この酸化されていく速度が遅いほど、第2皮膜層は、高い記憶効果を示す。添加金属元素の酸化反応の相手反応は、最外層部であるアッパー皮膜層の表面で生ずる溶存酸素の還元反応である。よって、この溶存酸素の還元反応を抑制すれば、第2皮膜層は高い記憶効果を発揮できる。そのためには、アッパー皮膜層の皮膜構造を非晶質とする。
【0025】
本発明における3種の皮膜層の重層構造を有する皮膜により被覆されためっき鋼材は、腐食性が比較的穏やかな環境下では、傷等の欠陥部を有していても光カソード防食と記憶効果により、夜間をも含めた非犠牲カソード防食が発揮され腐食が抑制される。この場合、めっき鋼材の母材である鋼材はもちろんのこと、犠牲アノード材であるめっき金属までも防食されるため、めっき金属の消費はほとんど生じない。
【0026】
腐食性の厳しい海岸地域や多湿な環境下では、傷等の欠陥部において、3種皮膜層の重層構造皮膜による非犠牲カソード防食が十分行われない場合がある。しかしながら、その場合には、めっきされた金属による犠牲カソード防食が発揮されるため、母材である鋼材は十分に防食される。
このように、光カソード防食、記憶効果そしてめっきによる犠牲カソード防食の3者を組み合わせることにより、あらゆる環境に対応して、極めて長期間にわたり、鋼材に対する防食効果が発揮されるのである。
【0027】
【実施例】
本発明を下記実施例によりさらに説明する。
【0028】
実施例1
縦150mm、横70mm、厚さ0.8mmのサイズを有し、めっき量50g/m2 の両面溶融亜鉛めっき鋼板(GI)を基材として使用した。
基材の片面側のZnめっき層に対し、0.1モルのNaOH溶液中でアノード酸化を施して、皮膜厚さ約0.3μmのZnOを含む、アンダー複合皮膜層の下層用第1皮膜層を形成させた。次に、0.05モルのSr、0.07モルのCH3 OCH2 CH2 OH、0.05モルのTi(OCH(CH324 、0.05モルのHN(CH2 CH2 OH)2 、0.15モルのH2 O、0.2モルのC25 OH、及び0.005モルのC1521FeO6 、を含むゾル−ゲル溶液を調製し、これを第1皮膜層上に、スピンコーター法により塗布し、乾燥し、これを大気雰囲気中、250℃で10分間焼成して、Fe酸化物含有SrTiO3 皮膜からなるアンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層を形成した。Ti(OCH(CH324 としては和光純薬工業(株)製のものを用い、C1521FeO6 としては(株)同仁化学研究所製の試薬を用いた。添加したFe酸化物の量は、SrTiO3 に対しFe単体での比率で3重量%となるようにし、また第2皮膜層の厚さは約0.1μmとした。この第2皮膜層上に、ゾル−ゲル法により約0.1μmのSrTiO3 皮膜からなるアッパー皮膜層を、250℃で10分間の焼成により形成した。
【0029】
3層構造皮膜は基材の片面にのみを被覆し、基材の裏面及び端側面部には市販テープによる被覆処理を施しておいた。3層構造皮膜を被覆した試験面側に、カッターにより鋼材の素地に達するようにクロスカット傷を付与した。
この試験片に対し、24時間の屋外暴露を施した後に、JISZ2371の塩水噴霧試験を24時間施すという試験操作を1サイクルとして、これを210サイクル繰り返した。暴露は神奈川県平塚市の工業地帯において行った。こうして210サイクル、計10080時間後に、試験片の腐食外観を観察した。試験結果を表1に示す。また、光照射、消灯における時間経過と、表面処理めっき鋼材の電位との関係を図1に示す。
試験片を、0.1モルのNa2 4 7 水溶液(pH=9.2)中に浸漬して、これに、500Wの高圧水銀ランプを使用しての60分間の光照射後、消灯し、試験片の電位の経時変化をポテンショスタットを用い、飽和甘コウ電極(SCE)を参照電極とし測定した。
【0030】
実施例2
実施例1と同様にして、表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、アンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層中に添加したFe酸化物の量をSrTiO3 に対しFe単体での比率で20重量%とした。試験結果を表1に示す。
【0031】
実施例3
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、アンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層中に添加したFe酸化物の量をSrTiO3 に対しFe単体での比率で50重量%とした。試験結果を、表1に示す。
【0032】
実施例4
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、Ti(OCH(CH324 の代りにアンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層の形成に用いられたゾル−ゲル溶液において、日本パーカライジング(株)製の酸化チタンゾル(商標:パルチタン5603)を用いた。またアンダー複合皮膜層の下層用第1皮膜層とアッパー皮膜層をチタン酸化物により形成した。第1皮膜層の焼成温度を400℃とし、アッパー皮膜層の焼成温度を150℃とし、ともに皮膜厚さを0.5μmとした。試験結果を表1に示す。
【0033】
実施例5
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、アンダー複合皮膜層の下層用第2皮膜層の形成に際し、0.05モルのSr、0.07モルのCH3 OCH2 CH2 OH、0.05モルのTi(OCH(CH324 、0.05モルのHN(CH2 CH2 OH)2 、0.15モルのH2 O、0.2モルのC25 OH、及び0.083モルのC1521FeO6 、から成るゾル−ゲル溶液を用いて、スピンコーター法により第2皮膜層を形成し、これを250℃で10分間焼成して、50重量%Fe含有SrTiO3 皮膜を、約0.1μmの皮膜厚さに形成した。また、アンダー複合皮膜層の上層用第1皮膜層、及びアッパー皮膜層は、日本パーカライジング(株)製の酸化チタンゾル(商標:パルチタン5010)を用いてチタン酸化物により形成した。アンダー複合皮膜層の上層用第1皮膜層の焼成温度は400℃であり、アッパー皮膜層の焼成温度は150℃であり、ともに皮膜厚さを0.5μmとした。
試験結果を表1に示す。
【0034】
実施例6
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、アンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層の形成に際し、Vの酸化物をV単体での比率で40重量%添加したチタン酸ストロンチウムを用い、またアッパー皮膜層をチタン酸バリウム皮膜により形成した。前記第2皮膜層におけるV酸化物の添加に際しては、実施例1のFe化合物の添加と同様に、酸化バナジウムアセチルアセトナートを用い、ゾル−ゲル法によって行われた。アッパー皮膜層のチタン酸バリウムの皮膜は、実施例1とほぼ同様の組成のゾル−ゲル溶液を作製し、ゾル−ゲル法によって形成された。試験結果を表1に示す。
【0035】
実施例7
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、アンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層を、Cu酸化物が、Cu単体での比率で50重量%添加されたチタン酸バリウムから形成し、アンダー複合皮膜層の下層用第1皮膜層をチタン酸化物により形成し、そしてアッパー皮膜層をチタン酸ストロンチウムにより形成した。アンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層におけるCu酸化物の添加には、銅アセチルアセトナートを用い、実施例1と同様にして、ゾル−ゲル法によって行った。アンダー複合皮膜層の下層用第1皮膜層のチタン酸化物は、日本パーカライジング(株)製の酸化チタンゾル(商標:パルチタン5010)を用い、400℃で焼成して形成した。また、アッパー皮膜層の形成において、チタン酸ストロンチウム層を、実施例1のゾル−ゲル溶液を用いて形成し、250℃で焼成した。
【0036】
実施例8
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、基材として、縦150mm、横70mm、厚さ0.8mmサイズの、めっき量50g/m2 の、両面溶融アルミニウムめっき鋼板(95%Al/Si)を使用した。試験結果を表1に示す。
【0037】
実施例9
実施例1と同様にして、表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、アンダー複合皮膜層の上層用第2皮膜層の形成に際し、Fe酸化物の添加量をFe単体での比率で40重量%に変更し、この第2皮膜層と、アッパー皮膜層との間に、実施例5のアンダー複合皮膜層の上層用第1皮膜層と同じ皮膜層を形成して、アンダー複合皮膜層を3層構造とした。試験結果を表1に示す。
【0038】
比較例1
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、第2皮膜層中のFe酸化物の添加を省略した。その試験結果を表1に示す。また、比較例1の光照射、消灯時間経過と電位の変化との関係を実施例1に対比して図1に示す。
【0039】
比較例2
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、第1皮膜を形成せず、第2皮膜層およびアッパー皮膜層のみからなる2層構造の皮膜を形成した。試験結果を表1に示す。
【0040】
比較例3
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、第2皮膜層を形成せず第1皮膜層とアッパー皮膜層のみからなる2層構造の皮膜を形成した。試験結果を表1に示す。
【0041】
比較例4
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、アッパー皮膜層を形成せず、第1及び第2皮膜層のみからなる2層構造の皮膜を形成した。試験結果を表1に示す。
【0042】
比較例5
実施例1と同様にして表面処理めっき鋼材を作製し、試験を行った。但し、基材として、縦150mm、横70mm、厚さ0.8mmサイズの、めっき量50g/m2 の両面溶融アルミニウムめっき鋼板(95%Al/Si)を使用し、第2皮膜層中のFe酸化物の添加を省略した。試験結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003894700
【0044】
表1から明らかなように、本発明に係る実施例1〜9の表面処理めっき鋼板の耐食性はきわめて良好であった。しかし、本発明の範囲外である比較例1〜5の表面処理めっき鋼材においては、その腐食面積が大きいことが認められた。また図1は、本発明(実施例1)の表面処理めっき鋼材は、光照射後の消灯期間中も、光照射による電位をほゞ維持し、耐食性を保持できるが、比較例1の場合は消灯により電位はほゞ光照射前の値に戻り、耐食性を維持できないことを示している。
【0045】
【発明の効果】
従来、重防食用塗料を厚く塗装していた鋼材などに対して、本発明を適用することにより、塗料の使用量を大幅に削減し、無公害で長期にわたる防食を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1の試験片の光照射・消灯条件下の時間経過と、試験片の電気化学的電位との関係を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 亜鉛含有金属又はアルミニウム含有金属によりめっきされた鋼材からなる基材と、
    (1)前記基材の少なくとも1表面上に、
    (i)それぞれ結晶構造を有するチタン酸化物及び亜鉛酸化物から選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含み、0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第1皮膜層と、
    (ii)それぞれFe、V及びCuから選ばれた少なくとも1種を含む金属酸化物と、チタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上とを含み、これらの合計量に対する前記金属酸化物の金属元素単体換算含有率が20〜50重量%であり、かつ、0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第2皮膜層と
    が、任意の順序で重層形成されている、アンダー複合皮膜層、並びに、
    (2)前記アンダー複合皮膜層上に形成され、かつ、それぞれ非晶質構造を有するチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含有し、かつ0.01〜10μmの厚さを有するアッパー皮膜層と
    を含む、ことを特徴とする耐食性に優れた表面処理めっき鋼材。
  2. 前記アンダー複合皮膜層が、前記鋼材基材上に形成された1層の第1皮膜層と、この第1皮膜層上に形成された1層の第2皮膜層とからなり、この第2皮膜層上に前記アッパー皮膜層が形成されている、請求項1に記載の表面処理めっき鋼材。
  3. 前記アンダー複合皮膜層が、前記鋼材基材上に形成された1層の第2皮膜層と、この第2皮膜層上に形成された1層の第1皮膜層とからなり、この第1皮膜層上に、前記アッパー皮膜層が形成されている、請求項1に記載の表面処理めっき鋼材。
  4. 亜鉛含有金属又はアルミニウム含有金属によりめっきされた鋼材を基材とし、
    (1)この基材の少なくとも1表面上に、
    (i)それぞれ結晶構造を有するチタン酸化物及び亜鉛酸化物から選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含み、0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第1皮膜層と、
    ii )それぞれFe、V及びCuから選ばれた少なくとも1種を含む金属酸化物と、チタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上とを含み、これらの合計量に対する前記金属酸化物の金属元素単体換算含有率が20〜50重量%であり、かつ0.01〜10μmの厚さを有する少なくとも1層の第2皮膜層と
    を、任意の順序で重層形成して、アンダー複合皮膜層を形成し、
    (2)前記アンダー複合皮膜層上に、それぞれ非晶質構造を有するチタン酸化物、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムから選ばれた1種以上を15〜100重量%の含有率で含有し、かつ0.01〜10μmの厚さを有するアッパー皮膜層を形成することを含むことを特徴とする耐食性に優れた表面処理めっき鋼材の製造方法。
  5. 前記アンダー複合皮膜層の形成に当たり、前記鋼材基材の少なくとも1表面上に1層の第1皮膜層を形成し、この第1皮膜層上に1層の第2皮膜層を形成し、この第2皮膜層上に前記アッパー皮膜層を形成する、請求項4に記載の表面処理めっき鋼材の製造方法。
  6. 前記アンダー複合皮膜層の形成に当たり、前記鋼材基材の少なくとも1表面上に1層の第2皮膜層を形成し、この第2皮膜層上に1層の第1皮膜層を形成し、この第1皮膜層上に、前記アッパー皮膜層を形成する、請求項4に記載の表面処理めっき鋼材の製造方法。
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