JP3894330B2 - 鳥害防止装置及び鳥害防止構造 - Google Patents

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本発明は、電線、通信線等のケーブルとこれを支持する支持線とを一体的にしてなる架線ケーブルを鳥害から防止する鳥害防止装置及び鳥害防止機構に関する。
近年、都市部やその近郊では、鳩、ムクドリ、カラス等の数が増加しており、これらの鳥によってもたらされる被害も多岐に亘っている。特に、電線や通信線等のケーブルに止まる鳥は、近隣住民に糞害や騒音といった被害を及ぼし、生活上に大きな支障を来す虞が生じている。そこで、従来より、ケーブルに鳥類が止まるのを防止する各種の鳥害防止装置が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の鳥害防止装置は、上下方向に延びる柱状体の下部に設けられて電線を挟持可能な連結部と、柱状体の上部に設けられて鳥が掴むことができない径を有した細線(文献では線状体3)を電線の上方に離隔して架設する保持手段とを有して構成されている。
連結部は一対の把持部材(文献では顎体24)によって形成され、一対の把持部材のうちの一方の把持部材は柱状体の下部に形成されて方形状をなす。他方の把持部材は、一方の把持部材と同様に方形状をなし、一方の把持部材に対向するように配置され、その上部が柱状体に回動自在に取り付けられている。つまり、他方の把持部材は回動支点を揺動中心として一方の把持部材に対して接近及び離反する方向に揺動可能である。一方の把持部材の下部とこの部分と対向する他方の把持部材の下部には、電線を収納する半円状の溝が幅方向に延びて設けられている。保持手段は、柱状体の側面に設けたスリットに細線の一部を収納し、この収納された細線を柱状体に着脱自在に固定する当板で押さえ付けるように構成されている。
特許第3212907号公報
この従来の鳥害防止装置は、断面が円形状の電線を把持対象としており、電柱間に張架された支持線の下方位置に通信用又は電力供給用の電線を一体的に取り付けて断面が三角状の架空ケーブル(以下、「自己支持型の架空ケーブル」と記す。)を把持対象としていない。また、支持線は、一般的に小さな外径の限られた範囲内(例えば、φ6〜φ12mm)で形成されて、電線の上方位置に配置されるので、架空ケーブルの断面形状をより非円形状にしている。このため、この従来の鳥害防止装置によって自己支持型の架空ケーブルの全体を把持しようとすると、一対の把持部材と架空ケーブルとの間に隙間が形成されて、架空ケーブルへの取り付けが困難である。また、現実に、自己支持型の架空ケーブルに鳥害が発生しており、この架空ケーブルに取り付け可能な鳥害防止装置が望まれている。
そこで、架空ケーブル全体を把持可能な鳥害防止装置を設計すればよいが、支持線で支持される電線には通信線や電力線が含まれ、通信線や電力線は使用目的に応じて多くの種類が存在し、支持線は前述したように径の異なるものが存在する。従って、ある架空ケーブルを把持可能な鳥害防止装置を準備しても、この鳥害防止装置は他の架空ケーブルを把持できないという事態が発生して、使用可能範囲が限られるという問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、断面形状が三角状の自己支持型の架空ケーブルの電線や支持線の径が異なった場合でも、これらの架空ケーブルに取り付け可能な鳥害防止装置及び鳥害防止構造を提供することを目的とする。
このような課題を解決するため、本発明は、電柱間に張架された支持線(例えば、実施形態におけるメッセンジャーワイヤーW)に、通信用又は電力供給用の電線を一体的に取り付けた架空ケーブルから鳥害を防止する鳥害防止装置であって、支持線を把持する把持手段(例えば、実施形態における把持部10)と、防鳥用の細線を架空ケーブルの上方に離隔して架設する細線架設手段(例えば、実施形態における細線架設部40)とを備え、把持手段を一対の把持部材によって形成し、一対の把持部材のうちの一方の把持部材(例えば、実施形態における把持部材21)に、径の異なる支持線に対応する曲率半径を有した押圧面部(例えば、実施形態における第2押圧面部22,第3押圧面部23)を複数設け、取り付けようとする支持線の径に合わせて押圧面部を選択できるように、前記一方の把持部材を他方の把持部材(例えば、実施形態における把持部材11)に対して回動可能に設け、前記他方の把持部材に、前記一方の把持部材の選択された押圧面部に対向して前記取り付けようとする支持線を把持可能な対向押圧面部(例えば、実施形態における第1押圧面部12)を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、把持手段は、電線と支持線とを一体的に取り付けた架空ケーブルの支持線を把持し、一方の把持部材に径の異なる支持線に対応する曲率半径を有した押圧面部を複数設け、取り付けようとする支持線の径に合わせて押圧面部を選択できるように、一方の把持部材を他方の把持部材に対して回動可能に設け、他方の把持部材に、一方の把持部材の選択された押圧面部に対向して取り付けようとする支持線を把持可能な対向押圧面部を設けることにより、把持手段、架空ケーブルの電線の径の大きさに拘らずに、支持線を把持することができる。このため、架空ケーブルに鳥害防止装置を装着することができ、架空ケーブルから鳥害を防止することができる。
また本発明は、一方の把持部材及び他方の把持部材に、これらの把持部材を締結する締結手段(例えば、実施形態における締結部50)を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、締結手段によって一対の把持部材を締結することで、一対の把持部材によって支持線を強固に把持して、鳥害防止装置を支持線に固定することができる。
また本発明は、締結手段が、一方の把持部材及び他方の把持部材に設けられた貫通孔(例えば、実施形態における第2貫通孔24、第1貫通孔14)を挿通するボルトと該ボルトに螺合するナットとを有し、一方の把持部材及び他方の把持部材に設けられた貫通孔の少なくともいずれかに、ボルトに設けられたストッパ部と係合してボルトの回動を規制するストッパ面を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、締結手段はボルトとナットとを有してなり、ボルトが挿通する把持部材の貫通孔にボルトのストッパ部と係合するストッパ面を設けることで、ボルトにナットを螺合する際にボルトの回動を規制した状態でナットの締め付け作業を行うことができ、鳥害防止装置を支持線に装着する装着作業の作業性を向上させることができる。
さらに本発明は、細線架設手段を、他方の把持部材に設けたことを特徴とする。
この発明によれば、細線架設手段を他方の把持部材に設けることにより、支持線の種類に拘らずに、細線架設手段を架設ケーブルより上方の所定位置に配置することができる。
また本発明は、細線架設手段に、異なる高さ位置に設けられて細線を巻き付ける複数の固定溝と、風を通すための風孔を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、細線架設手段に複数の固定溝と風孔を設けることにより、架空ケーブルに対して細線の架設位置を鳥の種類に応じて変えることができ、また風が風孔を通過することで、風圧の軽減を図ることができ、その結果として架空ケーブルや周辺機材への風圧荷重の軽減や、架空ケーブルの揺れ等を抑制することができる。
また本発明は、細線架設手段の先端部を凸状に形成したことを特徴とする。
この発明によれば、細線架設手段の先端部を凸状にすることで、鳥が細線架設手段の先端部に止まり難くして、鳥害の発生をより抑制することができる。
また本発明は、把持手段及び細線架設手段の少なくともいずれかに、支持線又は架空ケーブルに掛け回されたひも部材を通して繋ぐための落下防止用孔(例えば、実施形態における第1落下防止用孔15、第2落下防止用孔25)を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、把持手段及び細線架設手段の少なくともいずれかに落下防止用孔を設けることで、この孔にひも部材を通して支持線又は架空ケーブルに掛け回して繋ぐと、鳥害防止装置を架空ケーブルに装着したり脱着したりする際に、鳥害防止装置が架空ケーブルから落下する事態を未然に防止することができる。
さらに本発明は、通信用又は電力供給用の電線を支持する支持線が電線の周面に沿って螺旋状に延びて該支持線と電線とが一体的に取り付けられて電柱間に掛け渡された架空ケーブルから鳥害を防止するための鳥害防止構造であって、防鳥用の細線を架空ケーブルの上方に離隔して架設する請求項1から7のいずれかに記載の鳥害防止装置を、支持線のうちの架空ケーブルの頂部に延びる支持線に取り付け、架空ケーブルの延びる方向に離隔して取り付けられた2つの鳥害防止装置間に延びる支持線のうち、電線の側部又は底部に延びる支持線が接する電線部分の頂部に、2つの鳥害防止装置間に掛け渡された細線を支持する中間支持手段を取り付けたことを特徴とする。
この発明によれば、架空ケーブルの頂部に延びる支持線に請求項1から7のいずれかに記載の鳥害防止装置を取り付け、電線の側部又は底部に延びる支持線が接する電線部分の頂部に中間支持手段を取り付けることにより、架空ケーブルの頂部に延びる支持線に取り付けた2つの鳥害防止装置の間に掛け渡される細線の長さが長い場合であっても、中間支持手段を掛け渡された細線の中間部分に取り付けることができる。このため、掛け渡された細線の撓みを防止することができ、鳥害防止装置を取り付ける架空ケーブルの対象範囲が拡大して、鳥害防止装置の使用可能範囲を広げることができる。
本発明に係わる鳥害防止装置によれば、一対の把持部材を有してなる把持手段と細線架設手段とを備え、一方の把持部材に、径の異なる支持線に対応する曲率半径を有した押圧面部を複数設け、取り付けようとする支持線の径に合わせて押圧面部を選択できるように、一方の把持部材を他方の把持部材に対して回動可能に設け、他方の把持部材に、選択された押圧面部に対向して取り付けようとする支持線を把持可能な対向押圧面部を設けることにより、把持手段が、架空ケーブルの電線の径の大きさに拘らずに、支持線を把持することができる。このため、架空ケーブルの電線の径が異なる複数の架空ケーブルのそれぞれに鳥害防止装置を装着することができ、架空ケーブルから鳥害を防止することができる。また、請求項1から7のいずれかに記載の2つの鳥害防止装置間の架空ケーブルに中間支持手段を取り付けることにより、2つの鳥害防止装置間に掛け渡された細線の撓みを防止することができ、鳥害防止装置を取り付ける架空ケーブルの対象範囲が拡大して、鳥害防止装置の使用可能範囲を広げることができる。
以下、本発明に係わる鳥害防止装置の好ましい実施の形態を図1から図11に基づいて説明する。本実施の形態は、自己支持型の架空ケーブルのうち電力ケーブルと支持線とが一体化された架空ケーブルに取り付けられる鳥害防止装置を例にして説明する。先ず、架空ケーブルの概略について説明する。架空ケーブルKは、図1(側面図)に示すように、図示しない電柱間に張架されたメッセンジャーワイヤーW(以下、「ワイヤーW」と記す。)と、ワイヤーWの下方位置にワイヤーWに沿って延びる電力ケーブルDと、ワイヤーW及び電力ケーブルDを一体に緊縛するバインド線Bとを有してなる。電力ケーブルDは、図2(断面図)に示すように、縦断面視において三角状に配置された3本の電線Dsからなり、各電線Dsの外径はワイヤーWのそれよりも大径である。バインド線Bは、ワイヤーWとこの下方に配置された電力ケーブルDを緊縛してワイヤーW及び電力ケーブルDを一体化している。なお、電力ケーブルDは、1本、2本、又は4本以上の電線Dsから構成されてもよい。
このように構成された架空ケーブルKに取り付けられる鳥害防止装置1は、図1に示すように、ワイヤーWに取り付けられて使用される。鳥害防止装置1は、図3(側面図)及び4(斜視図)に示すように、ワイヤーWを把持する把持部10と、防鳥用の細線Sを架空ケーブルKの上方に離隔して架設する細線架設部40と、把持部10を締結する締結部50とを有してなる。
把持部10は一対の把持部材11、21によって構成される。把持部材11、21は板状であり、他方の把持部材11の基端部には厚さ方向の一方側に面してワイヤーWを把持するための第1押圧面部12が形成されている。第1押圧面部12は、図5(b)(側面図)に示すように、所定の曲率半径を有して円弧状に湾曲する。第1押圧面部12上には複数の突起部13が突出して設けられている。図5(a)(側面図)に示すように、把持部材11の中央部であって第1押圧面部12より上方に所定距離Aを有した位置には、円形状に開口する第1貫通孔14が形成されている。第1貫通孔14は、後述するボルトの軸部が挿通可能であれば、円形に限るものではなく、多角形状、矩形状等でもよい。把持部材11の幅方向の一方側の端部には、第1落下防止用孔15が形成されている。また把持部材11の両側部には把持部材11の厚さ方向一方側に突出して他方の把持部材21と係合する係合突出部16が形成されている。なお、第1落下防止用孔15は、把持部材11の幅方向の一方側端部の他に、他方側端部に形成されてもよい。
一方の把持部材21は、図6(b)(正面図)に示すように、基端側端部に前述した第1押圧面部12と対向配置されてワイヤーWを把持するための第2押圧面部22が形成されている。第2押圧面部22は第1押圧面部12と略同一の曲率半径を有して円弧状に湾曲し、第2押圧面部22上には複数の突起部13が形成されている。第1押圧面部12及び第2押圧面部22の曲率半径は、径の大きなワイヤーWを挟持可能な大きさを有している。このため、図5(a)に示す第1押圧面部12及び第2押圧面部22によって径の大きなワイヤーWが挟み込まれると、これらの面部がワイヤーWの両側面に密着してワイヤーWを確実に挟持することができる。また、複数の突起部13がワイヤーWの表面に噛み込んで、ワイヤーWに対する一対の把持部材11、21の滑りを防止している。
一方の把持部材21の先端側には、第2押圧面部22と同一方向に延びるとともに第2押圧面部22と同一方向に面する第3押圧面部23が形成されている。第3押圧面部23は、第1押圧面部12と対向配置されて第2押圧面部22の曲率半径よりも小さなそれを有して円弧状に湾曲する。第3押圧面部23の曲率半径は、径の小さなワイヤーWを挟持可能な大きさを有している。つまり、図5(a)に示す第1押圧面部12に対して第3押圧面部23を対向配置すると、径の小さなワイヤーWを挟持することができる。なお、第3押圧面部23上には、第2押圧面部22と同様に複数の突起部13が形成されている。
このため、一方の把持部材21は、第2押圧面部22及び第3押圧面部23を図5(a)に示す第1押圧面部12に対向配置可能にするため、他方の把持部材11に対して回動可能に構成されている。即ち、図8(b)(斜視図)に示すように、一方の把持部材21は、この中央部に第2貫通孔24が形成され、この第2貫通孔24に挿通されたボルト51の軸部53を回動支点として回動可能である。そして、第2押圧面部22及び第3押圧面部23は、図6(b)に示す第2貫通孔24から所定距離Aを有した位置に配置されている。このため、図5(a)に示す第1貫通孔14及び第2貫通孔24にボルト51の軸部53を挿通した状態で他方の把持部材21を回動させると、図8(a)(斜視図)に示すように、第2押圧面部22を第1押圧面部12に対向配置して径の大きなワイヤーWbを把持することができ、また図8(c)(斜視図)に示すように、第3押圧面部23を第1押圧面部12に対向配置して径の小さなワイヤーWsを把持することができる。なお、一方の把持部材21に形成された押圧面部は2つに限るものではなく、3個以上の押圧面部を第2貫通孔24に対して放射状に配置して形成してもよい。
第2貫通孔24は、図4(斜視図)に示すように、矩形状に形成され、ボルト51に設けられた角柱状のストッパ部52と係合してボルト51の回動を規制するように構成されている。即ち、第2貫通孔24は方形状に配置された4つのストッパ面24aを有して形成され、第2貫通孔24にストッパ部52を挿着してボルト51を回動すると、ストッパ部52が4つのストッパ面24aの少なくとも何れかに当接してボルト51の回動を規制する。このため、一対の把持部材11、21をボルト51及びこれに螺合するナット55で締結する際に、ボルト51を一方の把持部材21に固定した状態でナット55を回すことができ、締結操作を容易にすることができる。なお、第2貫通孔24は多角形状でもよい。
再び図6(b)に示すように、一方の把持部材21の幅方向の両側には、第2落下防止用孔25が形成されている。これらの第2落下防止用孔25は、第2押圧面部22又は第3押圧面部23を図5(a)に示す第1押圧面部12に対向配置すると、前述した第1落下防止用孔15と連通するように配置されている。従って、図3に示す架空ケーブルKに掛け回されたひも部材60を連通した第2落下防止用孔25及び第1落下防止用孔15に通して繋ぐことで、鳥害防止装置1が架空ケーブルKから落下する事態を未然に防止することができる。なお、ひも部材60は、折り曲げ自在な材料、例えば、金属、プラスチック、ガラス繊維等の材料で形成される。
このように構成された一対の把持部材11、21を締結するためのボルト51は、図7(a)(側面図)及び(b)(正面図)に示すように、雄ねじ部53aを形成した軸部53と軸部53の基端側に形成された前述したストッパ部52と、ストッパ部52の基端側に形成された頭部54とを有して形成される。頭部54は直方体状に形成され、作業者によるボルト51の把持を容易にしている。
さて、一対の把持部材11、21のうち他方の把持部材11の先端部には、図5(a)(正面図)に示すように、防鳥用の細線を架空ケーブルの上方に離隔して架設する細線架設部40が形成されている。細線架設部40は把持部材11の先端部から延び、その幅方向の両端部には、異なる高さ位置に設けられて細線を巻き付けるための複数の固定溝41が形成されている。また細線架設部40の中央部には風を通すための風孔42が設けられている。さらに細線架設部40の先端部は、高さ方向に突出して円弧状に形成されるとともに、図5(b)(側面図)に示すように、先端側に進むに従って漸次厚さが薄くなるように形成されている。このため、鳥が細線架設部40の先端部に止まり難くしている。
次に、前述した鳥害防止装置1の装着方法について説明する。先ず、図4に示すように、一対の把持部材11、21を対向配置し、ボルト51の先端部を第2貫通孔24から挿入して、ボルト51を第2貫通孔24及び第1貫通孔14に挿通する。そして、一対の把持部材11、21がボルト51の軸方向に移動できるように第1貫通孔14から突出したボルト51の軸部53にナット55を螺合する。そして、この未締結状態の鳥害防止装置1を必要な数、用意する。そして、架空ケーブルのワイヤーの径に応じて第2押圧面部22又は第3押圧面部23を選択し、この選択した押圧面部が第1押圧面部12に対向配置されるように一方の把持部材21をボルト51に対して回動させる。そして、ボルト51のストッパ部52を一方の把持部材21の第2貫通孔24に係合させてボルト51の回動を規制し、一対の把持部材11、21を互いに接近移動させて第1押圧面部12と選択した押圧面部間に図1に示すワイヤーWを挟み込み、ナット55を回して一対の把持部材11、21を締結して鳥害防止装置1をワイヤーWに仮止めする。なお、ナット55を回す際に、ボルト51は一方の把持部材21に固定されて回動が規制されているので、ボルト51がナット55とともに共回りすることはない。
このようにして、図1に示すように、ワイヤーWに対して、所定間隔を有して鳥害防止装置1を順次仮止めしていく。そして、仮止めされた鳥害防止装置1のうち最端部に配置されている鳥害防止装置1の細線架設部40の固定溝41に細線Sを巻き付けて固定し、細線Sを固定した鳥害防止装置1に隣接する他の鳥害防止装置1'の複数の固定溝41のうち鳥の種類に応じて選択した固定溝41に細線Sを順次巻き付けながら張設し、この状態で細線Sに張力を与えながら仮止め状態の鳥害防止装置1、1'を本止めする。その結果、鳥害防止装置1、1'が自己支持型の架設ケーブルKに装着されるとともに、細線Sが架設ケーブルKの上方位置に架設される。このため、鳥が細線Sの存在によって架設ケーブルKとまることができなくなり、鳥害を防止することができる。
なお、前述した実施の形態では、3本の電線Dsを束ねた架設ケーブルKを例にしたが、架設ケーブルKは、図9(a)に示すように、ワイヤーWの回りを1本の電線Dsが捻転しながら延びて架設されたものや、図9(b)に示すように、ワイヤーWの下方位置にワイヤーWに沿って電線Dsを配置し、ワイヤーWと電線Dsを被覆材70(例えば、合成樹脂材料製の被覆膜)で覆って繋いだものでもよい。
このように、鳥害防止装置1は、一対の把持部材11、21を有してなる把持部10と細線架設部40とを備え、一方の把持部材21が他方の把持部材11に対して回動可能であり、一方の把持部材21にワイヤーWの径に応じて選択可能な2つ押圧面部22、23を設けることにより、断面形状が三角状の自己支持型の架空ケーブルKにおいて、鳥害防止装置1を、電線Dsの外径に拘らずに架空ケーブルKに装着することができる。
次に、本発明に係わる鳥害防止構造について説明する。なお、鳥害防止構造については、前述した鳥害防止装置1と同一態様部分については同一符号を附してその説明を省略する。
鳥害防止構造は、図10(側面図)に示すように、電線DsとワイヤーWとが一体的に取り付けられて捩られた自己支持型の架設ケーブルK'に前述した鳥害防止装置1と中間支持具80とを取り付けたものである。この架設ケーブルK'のワイヤーWは、電線Dsの頂部のみならず電線Dsの側部や底部に延びた状態で配置されている。従って、電線Dsの頂部に延びるワイヤーWに前述した鳥害防止装置1を取り付けることはできるが、電線Dsの側部や底部に延びるワイヤーWに前述した鳥害防止装置1を取り付けると、細線Sを架設ケーブルKの上方位置に架設することができなくなる。そこで、架設ケーブルKの延びる方向に離隔して配置されて電線Dsの頂部に延びるワイヤーWに2つの鳥害防止装置1、1'を取り付け、これらの2つの鳥害防止装置1,1'間に延びるワイヤーWのうち電線Dsの底部(側部でもよい)に延びるワイヤーWに接触する部分の電線Dsの頂部に中間支持具80を取り付ける。
中間支持具80は、図11(a)(正面図)及び(b)(側面図)に示すように、電線に取り付けられる基部81と、基部81の中央上部から上方へ突出する細線架設部82とを有してなる。基部81の底側は凹状に形成されて電線との密着性を良くしている。基部は粘着テープやひも部材等を介して架設ケーブルに取り付けられる。
このように鳥害防止構造を構成することで、図10に示すように、架空ケーブルKの頂部に延びるワイヤーWに取り付けられた2つの鳥害防止装置1、1'間に掛け渡された細線Sの長さが長い場合であっても、中間支持具80をこの細線Sの中間部に取り付けると、掛け渡された細線Sの撓みを防止することができる。その結果、鳥害防止装置1を取り付け可能な架空ケーブルの対象範囲が拡大して、鳥害防止装置1の使用可能範囲を広げることができる。なお、自己支持型の架空ケーブルは、図10に示したものに限るものではなく、ワイヤーWと電線Dsを同一の被覆部材で覆ってなるケーブルを捻転したものや、電線Dsの周面にワイヤーWを螺旋状に巻き付けながら電線Dsに沿って延ばしてワイヤーWと電線Dsとを一体的に取り付けてなるケーブルでもよい。
自己支持型の架空ケーブルに装着された本発明に係わる鳥害防止装置の側面図を示す。 図1のI−I矢視に相当する部分の自己支持型の架空ケーブルの断面図を示す。 自己支持型の架空ケーブルに装着された本発明に係わる鳥害防止装置の拡大側面図を示す。 未締結状態の鳥害防止装置の斜視図を示す。 鳥害防止装置の他方側の把持部材を示し、同図(a)は把持部材の正面図であり、同図(b)は把持部材の側面図である。 鳥害防止装置の一方側の把持部材を示し、同図(a)は把持部材の側面図であり、同図(b)は把持部材の正面図である。 締結部の一部であるボルトを示し、同図(a)はボルトの側面図であり、同図(b)はボルトの正面図である。 鳥害防止装置をワイヤーに取り付ける動作を説明するための鳥害防止装置の斜視図を示す。 自己支持型の架空ケーブルの他の構成を示した側面図である。 本発明に係わる鳥害防止構造の側面図を示す。 鳥害防止構造の一部である中間支持具を示し、同図(a)は中間支持具の正面図であり、同図(b)は中間支持具の側面図である。
符号の説明
1 鳥害防止装置
10 把持部(把持手段)
11、21 把持部材
12 第1押圧面部(対向押圧面部)
14 第1貫通孔(貫通孔)
15 第1落下防止用孔(落下防止用孔)
22 第2押圧面部(押圧面部)
23 第3押圧面部(押圧面部)
24 第2貫通孔(貫通孔)
25 第2落下防止用孔(落下防止用孔)
40 細線架設部(細線架設手段)
41 固定溝
42 風孔
50 締結部(締結手段)
51 ボルト
52 ストッパ部
55 ナット
60 ひも部材
80 中間支持具(中間支持手段)
Ds 電線
K 架空ケーブル
S 細線
W メッセンジャーワイヤー(支持線)

Claims (8)

  1. 電柱間に張架された支持線に、通信用又は電力供給用の電線を一体的に取り付けた架空ケーブルから鳥害を防止する鳥害防止装置であって、
    前記支持線を把持する把持手段と、
    防鳥用の細線を前記架空ケーブルの上方に離隔して架設する細線架設手段とを備え、
    前記把持手段を一対の把持部材によって形成し、
    前記一対の把持部材のうちの一方の把持部材に、径の異なる支持線に対応する曲率半径を有した押圧面部を複数設け、
    取り付けようとする支持線の径に合わせて押圧面部を選択できるように、前記一方の把持部材を他方の把持部材に対して回動可能に設け、
    前記他方の把持部材に、前記一方の把持部材の選択された押圧面部に対向して前記取り付けようとする支持線を把持可能な対向押圧面部を設けたことを特徴とする鳥害防止装置。
  2. 前記一方の把持部材及び前記他方の把持部材に、これらの把持部材を締結する締結手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鳥害防止装置。
  3. 前記締結手段は、前記一方の把持部材及び前記他方の把持部材に設けられた貫通孔を挿通するボルトと該ボルトに螺合するナットとを有し、
    前記一方の把持部材及び前記他方の把持部材に設けられた貫通孔の少なくともいずれかに、前記ボルトに設けられたストッパ部と係合して前記ボルトの回動を規制するストッパ面を設けたことを特徴とする請求項2に記載の鳥害防止装置。
  4. 前記細線架設手段を、前記他方の把持部材に設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鳥害防止装置。
  5. 前記細線架設手段に、異なる高さ位置に設けられて前記細線を巻き付ける複数の固定溝と、風を通すための風孔を設けたことを特徴とする請求項4に記載の鳥害防止装置。
  6. 前記細線架設手段の先端部を凸状に形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の鳥害防止装置。
  7. 前記把持手段及び前記細線架設手段の少なくともいずれかに、前記支持線又は前記架空ケーブルに掛け回されたひも部材を通して繋ぐための落下防止用孔を設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鳥害防止装置。
  8. 通信用又は電力供給用の電線を支持する支持線が前記電線の周面に沿って螺旋状に延びて該支持線と前記電線とが一体的に取り付けられて電柱間に掛け渡された架空ケーブルから鳥害を防止するための鳥害防止構造であって、
    防鳥用の細線を前記架空ケーブルの上方に離隔して架設する請求項1から7のいずれかに記載の鳥害防止装置を、前記支持線のうちの前記架空ケーブルの頂部に延びる支持線に取り付け、
    前記架空ケーブルの延びる方向に離隔して取り付けられた2つの前記鳥害防止装置間に延びる支持線のうち、前記電線の側部又は底部に延びる支持線が接する電線部分の頂部に、前記2つの鳥害防止装置間に掛け渡された細線を支持する中間支持手段を取り付けたことを特徴とする鳥害防止構造。
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