JP3894072B2 - 導波路型光モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度無依存型の光導波路素子を用いた導波路型光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
波長多重通信(Wavelength Division Multiplexer:WDM)分野において、光導波路は、光信号の合波や分波を行う合分波機能を有するデバイスとして重要不可欠なデバイスである。
【0003】
図5および図6は、従来の導波路型光合分波器100の側断面図である。
【0004】
この導波路型光合分波器100は、石英系光導波路素子1を収納した導波路型光合分波器であり、石英系光導波路素子1の下方に金属薄膜ヒータ2が接着され、金属薄膜ヒータ2の下方に断熱板3が接着される。断熱板3は、その4隅がスペーサ4を介して筐体5にネジ(不図示)で固定される。なお、この断熱板3には、熱の移動を遮断し易く加工が容易で安価なベークライトが使用される。また、石英系光導波路素子1の側方、上方および下方には、断熱材6が充填され、筐体5の内部温度をほぼ一定に保てるようになっている。
【0005】
さらに、石英系光導波路素子1には温度センサ7が取り付けられ、この導波路型光合分波器100の外部に温度コントローラ(不図示)が設置される。温度コントローラは、温度センサ7で検出された温度に基づいて金属薄膜ヒータ2を制御するものである。
【0006】
すなわち、石英系光導波路素子1は、温度やこの素子1に加わる応力によって光学特性が変化する性質がある。このため、温度コントローラによって石英系光導波路素子1の温度調節を行うことによって、この素子1のポートを通過する中心波長をITUグリッドに収めるようになっている。なお、この図において、符号8は石英系光導波路素子1に接続される光ファイバである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この種の導波路型光モジュールにおいて、石英系光導波路素子1などの温度依存型の光導波路素子を使用すると、上述したように、ヒータや温度コントローラが必要となる。その結果、導波路型光モジュールの構成部品が多くなり、小型化や低コスト化が難しくなる、といった問題があった。
【0008】
一方、光導波路素子には、光学特性が温度に依存しない温度無依存型のものがある。この温度無依存型の光導波路素子を用いれば、ヒータなどが必要なくなり、モジュールの構成部品が少なくなる。したがって、温度無依存型のモジュールは、小型化および低コスト化に有利である。
【0009】
しかしながら、光導波路素子は、温度依存型と温度無依存型のいずれにおいても、素子に加わる応力によって光学特性が変化する。このため、モジュールの筐体に歪みがあると、その応力が光導波路素子に加わり、光学特性を変化させてしまうという問題があった。この場合の光学特性の変化は、調整機構を何ら持たない温度無依存型のモジュールでは、補償することができなかった。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、筐体からの応力の影響を受けにくく、かつ、簡易な構成で小型化が可能な導波路型光モジュールを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述課題を解決するため、本発明は、導波路型光モジュールにおいて、温度無依存型の光導波路素子をプラスティック製の筐体内に収容し、前記筐体は、該筐体の内側側面を覆う金属製の内枠を有すると共に、前記内枠の内部に粘度が1[Pa・s]以下の樹脂が充填され、前記光導波路素子は、該光導波路素子の基板と熱膨張係数がほぼ等しい板状部材を介することによってのみ前記樹脂に固定されることを特徴とする。この構成によれば、筐体の歪みによる応力が光導波路素子に加わるのを、内枠と樹脂によって吸収することができる。これにより、光学特性の変化を低減することができる。
【0012】
上記構成において、光導波路素子の基板として石英ガラスを使用した場合、板状部材は、熱膨張係数が1×10−6[/K]以下の材料で形成すればよい。また、前記樹脂は、常温硬化型樹脂を使用することが好ましい。また、前記内枠は、ステンレスであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。以下に示す実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る導波路型光モジュール200の側面図である。また、図2は、この導波路型光モジュール200の上面図である。以下、導波路型光モジュール200をモジュール200と表記する。なお、符号30は、光導波路素子21に接続された光ファイバである。
【0015】
このモジュール200において、光導波路素子21は、板状部材22が取り付けられ、筐体23の内部に充填された樹脂24によって筐体23に固定される。ここで、この板状部材22は、光導波路素子21の基板と熱膨張係数がほぼ等しい材料で形成され、低ヤング率のシリコン熱硬化型樹脂によって光導波路素子と接着される。例えば、光導波路素子21の基板に石英ガラスを使用した場合は、熱膨張係数が1×10-6[/K]以下の材料(例えば、スーパーインバー(Super Inver))を使用すればよい。なお、インバー(Inver)とは、熱膨張や熱弾性係数が特殊な性質を持つ合金を言う。これによって、光導波路素子21を直接樹脂24に固定する場合に比して熱変形によって素子21に加わる応力を低減することができ、光学特性の変化を低減することができる。なお、このモジュール200の内部温度がほとんど変化しない使用環境の場合などは、板状部材23を用いず、光導波路素子21の基板を直接樹脂24に固定するようにしてもよい。
【0016】
また、筐体23の内部には、筐体12の内側側面を覆うように内枠25が配置される。この内枠25は、筐体23の内部歪みを吸収するために配置されるもので、金属材料、例えば、耐久性および加工性に優れたSUS(ステンレス)で製作される。なお、樹脂24は、この内枠25を筐体23にセットした後、この内枠25内に充填される。
【0017】
樹脂24は、筐体23の歪みを吸収するために柔らかく流動性に富んだ材料であって、常温硬化性および低吸水性を持った樹脂が使用される。本実施形態では、樹脂24として、粘度が1[Pa・s]以下のシリコン系常温硬化型樹脂であって、吸水率1%以下の樹脂を用いれば、筐体23の歪みを十分に吸収可能である。ここで、常温硬化性および低吸水性を要求するのは、高温時や吸水によって樹脂24の粘度や体積が変化してしまうと、光導波路素子21に応力が加わってしまい光学特性を変化させてしまう場合があるからである。
【0018】
このように、このモジュール200においては、筐体23の歪みを内枠25および樹脂24で吸収するので、筐体23の歪みによる応力が光導波路素子21に加わるのを低減でき、光学特性の変化を低減することができる。
【0019】
言い換えれば、このモジュール200は、筐体23の歪みを内枠25および樹脂24で吸収できるので、筐体23に歪みが生じても良く、筐体23の材料が限定されないという効果を有する。したがって、従来、筐体23の材料にプラスティックを採用すると、筐体23をネジ止めした際に大きな歪みが生じ、光導波路素子21の光学特性を大きく変化させる原因となってしまっていたが、このモジュール200では、プラスティックを採用してもかかる問題は生じない。これにより、このモジュール200は、加工性が良く低コストなプラスティックを筐体23に使用でき、モジュール200を低コストで製作することが可能となる。
【0020】
図3は、本実施形態のモジュール200(符号Aで示す)と、内枠25と板状部材22を取り除いたモジュールBのそれぞれについての中心波長の変動量(CW Shift)を示す図である。この図においては、実装前の中心波長を基準として、各実装工程での変動量を示している。ここで、温度サイクル(図3において、「T.C 6 cyc」)は、上限75℃、下限−40℃の範囲内で1サイクル4時間で周期的に温度を変化させる工程である。また、エージング(Aging)は、85℃の環境温度で持続させる工程である。
【0021】
この図に示すように、本実施形態のモジュール200(A)は、内枠と板状部材を取り除いたモジュール(B)に比して、中心波長の変動量が低減されることが判る。特に、本実施形態のモジュール200は、中心波長変動量を0.01[nm]以内に収めることができ、実用上、調整の必要がない精度を得ることができた。
【0022】
また、図4は、本実施形態のモジュール200の数を増やして、各実装工程での中心波長の変動量の状況を示すヒストグラムである。同図に示すように、モジュール200は、中心波長変動量が±0.01[nm]以下に収まるのが全体の80%を占め、残りの20%も±0.02[nm]以下に収まっていることが判る。
【0023】
以上のように、本実施形態のモジュール200は、筐体23からの応力の影響による光学特性の変化を低減することができる。また、モジュール200は、内枠25の内部に樹脂24を充填し、その樹脂24によって板状部材22に固定された光導波素子21を固定するという簡易な構成でよいため、従来のモジュール(図5および図6参照)に比して小型化、低コスト化を図ることができる。さらに、筐体23の材料も限定されないことによっても、モジュール200の低コスト化を図ることができる。
【0024】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、温度無依存型の光導波路素子を使用すると共に、筐体の歪みを内枠と樹脂とで吸収するので、光学特性の変化を十分に低減することができる。このため、光学特性の調整機構を設ける必要がなく、簡易な構成でよく、全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る導波路型光モジュールの側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る導波路型光モジュールの上面図である。
【図3】本実施形態のモジュールAと、内枠と板状部材の両方がないモジュールBのそれぞれについての中心波長の変動量(CW Shift)を示す図である。
【図4】本実施形態のモジュールの各実装工程での中心波長の変動量の状況を示すヒストグラムである。
【図5】従来の導波路型光合分波器の側断面図である。
【図6】従来の導波路型光合分波器の側断面図である。
【符号の説明】
100、200 導波路型光モジュール
1、21 光導波路素子
22 板状部材
5、23 筐体
24 樹脂
25 内枠
8、30 光ファイバ
Claims (4)
- 導波路型光モジュールにおいて、
温度無依存型の光導波路素子をプラスティック製の筐体内に収容し、
前記筐体は、該筐体の内側側面を覆う金属製の内枠を有すると共に、前記内枠の内部に粘度が1[Pa・s]以下の樹脂が充填され、
前記光導波路素子は、該光導波路素子の基板と熱膨張係数がほぼ等しい板状部材を介することによってのみ前記樹脂に固定されることを特徴とする導波路型光モジュール。 - 前記光導波路素子の基板が石英ガラスからなり、前記板状部材は、熱膨張係数が1×10−6[/K]以下の材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導波路型光モジュール。
- 前記樹脂は、常温硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導波路型光モジュール。
- 前記内枠は、ステンレスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導波路型光モジュール。
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