JP3894060B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コモンレール内に蓄圧した高圧燃料を燃料噴射弁を介して内燃機関の気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置に関するもので、特にコモンレールと別体で成形した配管継手および高圧配管のコモンレールへの組み付け構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディーゼルエンジン用の燃料噴射システムとして知られる蓄圧式燃料噴射システムでは、燃料供給ポンプによって燃料を加圧圧送し、燃料供給ポンプより吐出された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、コモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、コモンレールより分岐する高圧配管の下流端に接続された複数の電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)に分配供給し、各気筒のインジェクタからエンジンの各気筒内へ高圧燃料を噴射供給するように構成されている。
【0003】
ここで、従来の蓄圧式燃料噴射システムに使用されているコモンレール100は、図12および図13に示したように、高圧燃料を蓄圧するための蓄圧室101と、この蓄圧室101の軸方向に対して略直交する半径方向の図示下端側に形成された燃料通路孔102と、蓄圧室101の軸方向に対して略直交する半径方向の図示上端側に形成された複数の燃料通路孔103とを備えている。そして、コモンレール100の蓄圧容器本体104には、燃料供給ポンプに接続する高圧パイプとコモンレール100とを接続するための配管継手部105、および各気筒のインジェクタに接続する高圧パイプとコモンレール100とを接続するための複数の配管継手部106が一体的に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の蓄圧式燃料噴射システムに使用されているコモンレール100は、例えば低炭素鋼等の低硬度材料を、所定の形状を型彫りした上下一体のダイスよりなる鍛造成形型内に入れて加圧することによって、断面形状が真円形状の真円管、複数の配管継手部を一体的に設けた鍛造成形品を製作し、その後にドリル等の切削工具を用い、回転切削運動とその回転の中心線の方向への直線送り運動との組み合わせにより、真円形状の蓄圧容器本体104に断面形状が真円形状の蓄圧室101を形成する。
【0005】
そして、配管継手部105、106も、ドリル等の切削工具を用い、回転切削運動とその回転の中心線の方向への直線送り運動との組み合わせにより、配管継手部105、106に断面形状が真円形状の燃料通路孔102、103を形成する。また、燃料通路孔102、103の先端部を、外部に向けて内径が徐々に大きくなるように切削することで、高圧パイプの先端部に設けられた鍔状の接続頭部が密着する受圧座面121、122を配管継手部105、106の先端部に形成する。
【0006】
次に、配管継手部105、106の先端部の外周面に螺子切りバイトを用いて切削加工を施すことによって、締結部107、108を形成する。このように鍛造成形品を所定の形状に削り出して、図12および図13に示したように、断面形状が真円形状の蓄圧容器本体104と断面形状が真円管形状の配管継手部105、106とを形成していたが、上述したように切削加工の難しさから高コストとなるという問題がある。
【0007】
そこで、図14および図15に示したように、配管継手として蓄圧容器(コモンレール)100と別体の円筒状のスリーブニップル109を使用し、このスリーブニップル109をコモンレール100の外周面に溶接して構成したコモンレール構造(特開平10−169527号公報や特開平10−246168号公報等)がある。なお、スリーブニップル109の内周面には、高圧パイプ110の先端部を保持した円筒形状のナット111の締結部が締結される被締結部が形成されており、高圧パイプ110の先端部には、接続頭部112が形成されており、高圧パイプ110の内部には、燃料流路113が形成されている。
【0008】
このコモンレール100は、蓄圧室101に連通する燃料通路孔114の先端に形成された逆円錐筒形状の受圧座面115と高圧パイプ110の接続頭部112に形成された円錐筒形状の密着面とにナット111により所定の締結軸力を加えることでシール性を確保するようにしている。しかるに、スリーブニップル109をコモンレール100に溶接する場合には、所定の耐圧強度を確保するために、コモンレール100の溶接面とスリーブニップル109の溶接面とを精度良く仕上げる必要があり、また、材料と溶接の相性を考慮する必要があり、高コストとなるという問題がある。
【0009】
また、所定の接合強度を確保するために、コモンレール100とスリーブニップル109との溶接箇所を大きくとる必要があり、スリーブニップル109の体格が大型化するという問題がある。また、スリーブニップル109とコモンレール100との間で溶接不良が生じると、スリーブニップル109とコモンレール100との間の溶接箇所の、充分なシール性を確保することができない等の問題がある。
【0010】
【発明の目的】
本発明の目的は、コモンレールと配管継手とを別体で形成し、溶接等の接合手段を用いずに、締結作業のみで確実に、且つ簡単に配管継手または高圧配管をコモンレールに組み付けることのできる蓄圧式燃料噴射装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1および請求項3に記載の発明によれば、コモンレールと配管継手とを別体で形成し、溶接等の接合手段を用いずに、コモンレールを略直径方向に貫通するようにコモンレールに組み付けられたボルトに配管継手を締め付け固定するという締結作業のみで、確実に、且つ簡単に配管継手をコモンレールに組み付けることができる。これにより、組立作業を簡略化できるので、低コストとなる。また、溶接等の接合手段を用いていないので、コモンレールと配管継手との間のシール性を充分に確保することができる。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、コモンレールの受圧座面とボルトの密着面とを所定の締結軸力で密着させる配管継手を設けたことにより、コモンレールの受圧座面とボルトの密着面との間に所望のシール性を確保することができる。また、コモンレールの受圧座面と配管継手自身の密着面とを所定の締結軸力で密着させる配管継手を設けたことにより、コモンレールの受圧座面と配管継手自身の密着面との間に所望のシール性を確保することができる。
【0014】
請求項2および請求項3に記載の発明によれば、先端に配管継手に接続する鍔状の接続頭部を有する高圧配管と、配管継手に締め付け固定されると共に、高圧配管の接続頭部と配管継手とを所定の締結軸力で密着させるナットとを設けたことにより、コモンレールと配管継手とを別体で形成し、溶接等の接合手段を用いずに、コモンレールを略直径方向に貫通するようにコモンレールに組み付けられたボルトに配管継手を締め付け固定し、次に、配管継手にナットを締め付け固定するという締結作業のみで確実に、且つ簡単に配管継手および高圧配管の接続頭部をコモンレールに組み付けることができるので、コストを低減することができる。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、配管継手の受圧座面と高圧配管の接続頭部の密着面とを所定の締結軸力で密着させるナットを設けたことにより、配管継手の受圧座面と接続頭部の密着面との間に所望のシール性を確保することができる
【0016】
請求項に記載の発明によれば、ボルトの一端部または両端部に配管継手が締め付け固定されていても、ボルトの外周と貫通孔の内周との間に、燃料流路溝を形成したことにより、高圧配管から配管継手内の燃料流路を経て高圧室内へ燃料を容易に流入させることができる。あるいは高圧室内から配管継手内の燃料流路を経て高圧配管へ燃料を容易に流出させることができる。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、ボルトの一端部または両端部に配管継手が締め付け固定されていても、ボルトの内部に、燃料流路孔を形成したことにより、高圧配管から配管継手内の燃料流路を経て高圧室内へ燃料を容易に流入させることができる。あるいは高圧室内から配管継手内の燃料流路を経て高圧配管へ燃料を容易に流出させることができる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、高圧室を、貫通孔に対して略直交する軸方向に設けられた燃料通路孔とすることにより、コモンレールの断面形状を略円筒形状に成形することができる。これにより、高圧室を形成するために、鍛造成形品の軸心部を内径切削加工することなく、最初から略円筒形状の鍛造成形品を製作することができるので、コストを低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
[第1実施例の構成]
図1ないし図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1ないし図3はコモンレール式燃料噴射システムに使用されるコモンレールを示した図で、図4(a)、(b)は片軸ボルト形状の締結ボルトを示した図で、図5(a)、(b)はコモンレールとは別体で成形された配管継手を示した図である。
【0020】
本実施例のコモンレール式燃料噴射システムは、図示しない燃料供給ポンプ(サプライポンプ)によって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール1内に蓄圧すると共に、例えば自動車等の車両に搭載された4気筒のディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)の各気筒毎に搭載されたインジェクタ(例えば電磁式燃料噴射弁:図示せず)に分配供給し、各気筒のインジェクタからエンジンの各気筒内へ高圧燃料を所定の噴射タイミングで噴射供給する内燃機関用燃料噴射システムである。
【0021】
コモンレール1には、連続的に燃料の噴射圧力に相当する高い圧力が蓄圧される必要があり、そのために、コモンレール1内に蓄圧される高圧燃料は、高圧パイプ11を介してサプライポンプから供給されている。また、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料を、各気筒のインジェクタに分配供給するために、コモンレール1内に蓄圧される高圧燃料は、複数の高圧パイプ12を介して各気筒のインジェクタへ分配供給されている。
【0022】
そして、コモンレール1の図示左端部には、コモンレール1内の燃料圧力、所謂コモンレール圧力に対応した圧力信号を出力する燃料圧力センサ(図示せず)が液密的に締め付け固定されている。また、コモンレール1の図示右端部には、コモンレール1内の燃料圧力が限界設定圧力を超えることがないように、コモンレール1内の燃料圧力を逃がすためのプレッシャリミッタ(図示せず)が液密的に締め付け固定されている。なお、プレッシャリミッタの代わりに、コモンレール圧力を高圧から低圧へ降圧させるための減圧調整弁を組み付けるようにしても良い。
【0023】
高圧パイプ11は、一端部がコモンレール1とは別体に成形された配管継手4に接続され、また、他端部がサプライポンプの配管継手部に接続されており、内部にサプライポンプからコモンレール1内へ燃料を流入させるための燃料流路(図示せず)が設けられている。なお、高圧パイプ11の一端(先端)には、その他の部分よりも外径の大きい鍔状の接続頭部11aが形成されている。その接続頭部11aの略円錐筒形状のシール面(本発明の密着面に相当する)は、配管継手4の受圧座面14にメタルシールされるように構成されている。
【0024】
複数の高圧パイプ12は、一端部がコモンレール1とは別体に成形された複数の配管継手5に接続され、また、他端部が各気筒のインジェクタの配管継手部に接続されており、内部にコモンレール1からインジェクタ内、例えばインジェクタ内に形成される燃料通路、油溜まり、圧力制御室内へ燃料を流入させるための燃料流路(図示せず)が設けられている。なお、複数の高圧パイプ12の一端(先端)には、その他の部分よりも外径の大きい鍔状の接続頭部12aが形成されている。その接続頭部12aの略円錐筒形状のシール面(本発明の密着面に相当する)は、配管継手5の受圧座面15にメタルシールされるように構成されている。
【0025】
本実施例のコモンレール1は、例えば低炭素鋼等の低硬度材料よりなる鍛造成形品またはプレス成形品によって外周面が真円形状に形成された周壁部21、この周壁部21を長手方向と平行な軸方向に貫通するように形成されて、高圧燃料を一時的に蓄圧するための蓄圧室(本発明の高圧室に相当する)22、および軸方向の周壁部21に所定の間隙を保持して複数の貫通孔24、25を形成した複数の配管継手部23を有している。
【0026】
本実施例の蓄圧室22は、ドリル等の切削工具を用い、回転切削運動とその回転の中心線の方向への直線送り運動との組み合わせにより、例えば真円形状の鍛造成形品の軸心付近に、その鍛造成形品の軸方向に孔開け加工を施すことによって形成される。また、複数の貫通孔24、25は、ドリル等の切削工具を用い、回転切削運動とその回転の中心線の方向への直線送り運動との組み合わせにより、例えば真円形状の鍛造成形品の半径方向に所定の間隙を保持しながら孔開け加工を施すことによって形成される。
【0027】
ここで、図示左端側の配管継手部23の貫通孔24の図示上端側は、サプライポンプ側の高圧パイプ11から蓄圧室22内に燃料を流入させるための入口側燃料孔(燃料供給路)を構成する。また、残りの4つの配管継手部23の貫通孔25の図示上端側は、蓄圧室22内から各インジェクタ側の高圧パイプ12へ燃料を流出させるための出口側燃料孔(燃料分配路)を構成する。そして、複数の貫通孔24、25内には、サプライポンプ側の高圧パイプ11またはインジェクタ側の高圧パイプ12を接続するための配管継手4、5を締め付け固定するための片軸ボルト形状の締結ボルト2、3が、コモンレール1および蓄圧室22を略直径方向に貫通するように挿入されている。
【0028】
なお、複数の貫通孔24、25の図示上端側、つまり複数の配管継手部23の図示上端部には、図2および図3に示したように、外部(図示上方)に向けて内径が徐々に大きくなるように切削加工を施すことで、配管継手4、5に設けられた密着面が密着する略円錐形状の受圧座面17、18がそれぞれ形成されている。また、複数の貫通孔24、25の図示下端側には、図2および図3に示したように、外部(図示下方)に向けて内径が徐々に大きくなるように切削加工および研削加工を施すことで、締結ボルト2、3に設けられた密着面が密着する略円錐形状の受圧座面19、20がそれぞれ形成されている。
【0029】
そして、コモンレール1の蓄圧室22の図示左端部には、燃料圧力センサのセンサハウジング(図示せず)の外周に形成された雄ねじ形状の被締結部を締結するための雌ねじ形状の締結部26が設けられている。また、コモンレール1の蓄圧室22の図示右端部には、プレッシャリミッタのハウジング(図示せず)の外周に形成された雄ねじ形状の被締結部を締結するための雌ねじ形状の締結部27が設けられている。
【0030】
締結ボルト2、3は、図2ないし図4に示したように、片軸ボルト形状に形成されており、図示下端部に設けられたボルト頭部31、およびこのボルト頭部31より軸方向の図示上方に延長されて、先端部(図示上端部)がコモンレール1の外周面よりも突出するように設けられたボルト軸部32を有している。そして、ボルト頭部31の図示下端面の中心部には、組付工具が係合する係合孔33が形成されている。
【0031】
また、ボルト頭部31のボルト軸部32側端面には、上記のコモンレール1の受圧座面19、20に対応した形状、例えばボルト頭部31の略中心部を中心とした曲率(図4において図示二点鎖線参照)の密着面が研削加工を施すことで形成されている。また、ボルト軸部32の図示上端側には、配管継手4、5を締め付け固定するための雄ねじ形状のボルト締結部34が設けられている。そして、ボルト軸部32の外周には、ボルト円筒部35の途中からボルト締結部34の先端面に至るまで燃料流路溝36、37が外径切削加工等を用いて周方向に略均等に複数形成されている。
【0032】
複数の配管継手4、5は、鉄鋼材料により同一の略円管形状に一体成形されており、図2、図3および図5に示したように、コモンレール1の受圧座面19、20と締結ボルト2、3のボルト頭部31の密着面とを所定の締結軸力で密着させると共に、コモンレール1の受圧座面17、18と配管継手4、5自身の密着面とを所定の締結軸力で密着させる略ニップル形状の第1高圧締結部材である。そして、配管継手4、5の継手本体41の外周には、組付工具が係合する六角部42が形成されている。
【0033】
継手本体41の軸方向の一端面には、複数の高圧パイプ12の先端に設けられた接続頭部12aのシール面が密着する略円錐形状の受圧座面14、15が研削加工等によって形成されている。また、継手本体41の軸方向の他端面には、上記のコモンレール1の受圧座面17、18に対応した形状、例えば継手本体41の略中心部を中心とした曲率(図5において図示二点鎖線参照)の密着面が研削加工を施すことで形成されている。
【0034】
継手本体41の一端部(図示上端部、ナット7、8側の端部)の外周には、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持した各ナット7、8を締結するための雄ねじ形状のナット締結部43が設けられている。また、継手本体41の他端部(図示下端部、コモンレール1側の端部)の内周には、締結ボルト2、3のボルト軸部32の外周に形成されたボルト締結部34に締め付け固定される雌ねじ形状のボルト被締結部44が設けられている。また、継手本体41の内部には、燃料流路45、46が軸方向に貫通するように形成されている。それらの燃料流路45、46の途中には、燃料流路45、46よりも流路径の小さいオリフィス(固定絞り)47、48が形成されている。
【0035】
複数のナット7、8は、鉄鋼材料により同一の円筒形状に一体成形されており、図2および図3に示したように、高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aのシール面と配管継手4、5の受圧座面14、15とを所定の締結軸力で密着させる略袋ナット状の第2高圧締結部材である。これらのナット7、8は、複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持する配管保持手段である。
【0036】
そして、複数のナット7、8の外周には、組付工具が係合する六角部51が設けられている。そして、複数のナット7、8の図示上端部には、その中心部を貫通する貫通孔52が形成されている。また、複数のナット7、8の図示下端側の内周には、複数の配管継手4、5のナット締結部43に締め付け固定される雌ねじ形状のナット被締結部53が設けられている。そして、複数の高圧パイプ11、12は、それらの高圧パイプ11、12の先端部が貫通孔52を貫通した状態で、複数のナット7、8内に保持されている。
【0037】
[第1実施例の組付方法]
次に、本実施例のコモンレール1への複数の配管継手4、5および複数の高圧パイプ11、12の組付方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
【0038】
蓄圧室22等が設けられたコモンレール1の各貫通孔24、25内に、コモンレール1を略直径方向に貫通するように、図1において図示下方から図示上方へ向けて片軸ボルト形状の締結ボルト2、3を挿入する。
【0039】
次に、複数の配管継手4、5の図示下端部(他端部)を、図1において図示上方側から、複数の締結ボルト2、3の図示上端部(先端部)に嵌め込んだ後に、組付工具を六角部42に係合させて所定の方向に配管継手4、5を回転させることにより、複数の締結ボルト2、3のボルト締結部34に、複数の配管継手4、5のボルト被締結部44が螺合することで、複数の締結ボルト2、3の先端部外周に複数の配管継手4、5の他端部内周が締め付け(締結)固定される。よって、コモンレール1とは別体の複数の配管継手4、5がコモンレール1の複数の配管継手部23(配管高圧接合部、配管継手装着部)に一体的に組み付けられる。
【0040】
このとき、コモンレール1に組み付けられた複数の配管継手4、5の所定の締結軸力によって、コモンレール1の受圧座面19、20と複数の締結ボルト2、3の密着面とがメタルシールのように液密的に密着することで、コモンレール1と複数の締結ボルト2、3との間のシール性が確保され、且つコモンレール1の受圧座面17、18と複数の配管継手4、5自身の密着面とがメタルシールのように密着することで、コモンレール1と複数の配管継手4、5との間のシール性が確保される。
【0041】
次に、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持した各ナット7、8を、図1において図示上方側から、複数の配管継手4、5の一端部に嵌め込んだ後に、組付工具を六角部51に係合させて所定の方向にナット7、8を回転させることにより、複数の配管継手4、5のナット締結部43に、複数のナット7、8のナット被締結部53が螺合することで、複数の配管継手4、5の一端部外周にナット7、8の内周が締め付け(締結)固定される。よって、複数のナット7、8および複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aが複数の配管継手4、5に一体的に組み付けられる。
【0042】
このとき、複数の配管継手4、5に組み付けられたナット7、8の所定の締結軸力によって、複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aのシール面と複数の配管継手4、5の受圧座面14、15とがメタルシールのように密着することで、複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aと複数の配管継手4、5との間のシール性が確保される。
【0043】
[第1実施例の作用]
次に、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムの作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0044】
サプライポンプより吐出された高圧燃料は、サプライポンプの配管継手部に接続する高圧パイプ11を経て、その高圧パイプ11の接続頭部11aに形成された燃料流路より配管継手4の上流側の燃料流路45内に流入する。そして、上流側の燃料流路45内に流入した高圧燃料は、オリフィス47を経て配管継手4の下流側の燃料流路45内に流入し、締結ボルト2の燃料流路溝36とコモンレール1の貫通孔24との間に形成される燃料流路を通ってコモンレール1の蓄圧室22内に流入し、蓄圧室22内で一時的に蓄圧される。
【0045】
ここで、例えば#1気筒のインジェクタから#1気筒内への燃料噴射が開始されると、コモンレール1の蓄圧室22内に蓄圧されていた高圧燃料は、例えば#1気筒に対応した締結ボルト3の燃料流路溝37とコモンレール1の貫通孔25との間に形成される燃料流路を通って配管継手5の上流側の燃料流路46内に流入する。
【0046】
そして、上流側の燃料流路46内に流入した高圧燃料は、オリフィス48を経て配管継手5の下流側の燃料流路46内に流入し、高圧パイプ12内に形成された燃料流路を経て例えば#1気筒のインジェクタの配管継手部からインジェクタ内、例えば燃料通路、油溜まり、圧力制御室内に導かれる。そして、コモンレール1の蓄圧室22内に蓄圧されていた高圧燃料は、その他の気筒のインジェクタ内、例えば燃料通路、油溜まり、圧力制御室内へ、同様に分配供給される。
【0047】
[第1実施例の効果]
以上のように、サプライポンプ側の高圧パイプ11が接続される配管継手4、およびインジェクタ側の高圧パイプ12が接続される複数の配管継手5を、コモンレール1とは別体で所定の形状に成形し、複数の貫通孔24、25内にコモンレール1を略直径方向に貫通するように複数の締結ボルト2、3を差し込むことで、複数の締結ボルト2、3をコモンレール1に一体的に組み付ける(第1組付行程)。次に、複数の締結ボルト2、3の先端部外周に、複数の配管継手4、5の他端部内周を締め付け固定することで、複数の配管継手4、5をコモンレール1に一体的に組み付ける(第2組付行程・第1締結行程)。
【0048】
次に、コモンレール1に組み付けられた複数の配管継手4、5の一端部外周に、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持した各ナット7、8の内周を締め付け固定することで、複数の高圧パイプ12の接続頭部12aをコモンレール1に一体的に組み付ける(第3組付行程・第2締結行程)という締結作業のみで、確実に、且つ簡単に複数の配管継手4、5および複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aをコモンレール1に一体的に組み付けることができる。これにより、組立作業を簡略化できるので、コストパフォーマンスに優れる。
【0049】
また、気筒数が異なるエンジンにコモンレール1を搭載する場合には、コモンレール1の貫通孔24、25の本数を変更するだけで、複数の締結ボルト2、3および複数の配管継手4、5の形状を変更することなく複数の締結ボルト2、3および複数の配管継手4、5を使用して組み立てることができる。これにより、気筒数の異なるエンジンの各気筒に搭載されたインジェクタに高圧燃料を分配供給する4気筒用のコモンレール1、6気筒用のコモンレールに組み付ける、複数の締結ボルト2、3および複数の配管継手4、5等の組付部品の共通化を行なうことができるので、低コストとなる。
【0050】
そして、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムにおいては、コモンレール1のような大型部品ではなく、コモンレール1に別体で成形された小型部品である複数の配管継手4、5に、高圧パイプ11内に形成される燃料流路とコモンレール1内に形成される蓄圧室22とを連通する燃料流路45、46の途中にオリフィス47、48を設けている。これにより、オリフィス47、48等の精密加工または細部加工を簡単に行なうことができるので、低コストとなる。
【0051】
また、コモンレール1に形成された複数の貫通孔24、25に蓄圧室22を略直径方向に貫通するように複数の締結ボルト2、3を挿入し、更に複数の締結ボルト2、3の先端部外周に、複数の配管継手4、5を締め付け固定するように構成されているので、コモンレール1の蓄圧室22より分岐する複数の燃料流路の内周に、雌ねじ形状の締結部を形成する必要がない。これにより、単純な真円形状の鍛造成形品から、蓄圧室22および複数の貫通孔24、25等を有する、本実施例のコモンレール形状への切削加工を簡素化できるので、低コストとなる。
【0052】
また、溶接等の接合手段を用いていないので、所定の接合強度を確保するために、材料と溶接の相性を考慮する必要はなく、また、コモンレール1と複数の配管継手4、5との溶接箇所を大きくとる必要はなく、複数の配管継手4、5の体格を小型化できる。また、溶接等の接合手段を用いずに、複数の配管継手4、5をコモンレール1に組み付けているので、複数の配管継手4、5がコモンレール1の装着箇所からずれた位置に組み付いたり、複数の配管継手4、5とコモンレール1の継手配管装着部との接合箇所に溶接不良が生じることはない。
【0053】
したがって、複数の配管継手4、5を、複数の締結ボルト2、3の先端部外周に締結することによって所定の締結軸力を加えることで、コモンレール1の貫通孔24、25の図示下端側の受圧座面19、20と複数の締結ボルト2、3のボルト頭部31の密着面(シール面)との間のシール性を充分に確保でき、且つコモンレール1の貫通孔24、25の図示上端側の受圧座面17、18と複数の配管継手4、5の密着面(シール面)との間のシール性を充分に確保することができる。
【0054】
また、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持した各ナット7、8を、複数の配管継手4、5の先端部外周に締結することによって所定の締結軸力を加えることで、複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aの密着面(シール面)と配管継手4、5の受圧座面14、15との間のシール性を充分に確保することができる。これにより、コモンレール1、複数の配管継手4、5および複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aよりなる高圧シール部の信頼性を確保することができる。
【0055】
[第2実施例]
図6は本発明の第2実施例を示すもので、図6(a)、(b)は片軸ボルト形状の締結ボルトを示した図である。
【0056】
本実施例の締結ボルト2の内部には、サプライポンプ側の高圧パイプ11からコモンレール1の蓄圧室22内へ燃料を流入させる燃料流路孔38が形成されている。また、複数の締結ボルト3の内部には、蓄圧室22内からインジェクタ側の高圧パイプ12へ燃料を流出させるための燃料流路孔39がそれぞれ形成されている。これらの燃料流路孔38、39は、締結ボルト2、3の軸心に軸方向の縦孔が設けられ、その縦孔より半径方向に等間隔で横孔が設けられている。
【0057】
なお、燃料流路孔38の縦孔の図示上端部は、配管継手4のオリフィス47よりも下流側の燃料流路45内に向かって開口しており、燃料流路孔38の横孔の端部は、コモンレール1の蓄圧室22内に向かって開口している。また、燃料流路孔39の縦孔の図示上端部は、配管継手5のオリフィス48よりも上流側の燃料流路46内に向かって開口しており、燃料流路孔39の横孔の端部は、コモンレール1の蓄圧室22内に向かって開口している。
【0058】
[第3実施例の構成]
図7ないし図10は本発明の第3実施例を示すもので、図7ないし図9はコモンレール式燃料噴射システムに使用されるコモンレールを示した図で、図10は両軸ボルト形状の締結ボルトを示した図である。
【0059】
本実施例のコモンレール1は、図7に示したように、6気筒のディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)の各気筒に対応して搭載された各インジェクタに燃料を分配供給するもので、第1実施例と同様に、例えば外周面が真円形状に形成された周壁部21、この周壁部21を長手方向と平行な軸方向に貫通するように形成されて、高圧燃料を一時的に蓄圧するための蓄圧室22、および軸方向の周壁部21に所定の間隙を保持して複数の配管継手部23、29を有している。
【0060】
そして、これらの配管継手部23、29には、蓄圧室22の軸方向において所定の間隔で、蓄圧室22を直径方向に貫通する4つの貫通孔24、25が形成されている。なお、3つの貫通孔25の図示上端側および図示下端側は、蓄圧室22内から各インジェクタ側の高圧パイプ12、13へ燃料を流出させるための出口側燃料孔をそれぞれ構成する。そして、図示左端部の貫通孔24内には、サプライポンプ側の高圧パイプ11を接続するための配管継手4を締め付け固定するための締結ボルト2が挿入されている。また、残りの3つの貫通孔25内には、インジェクタ側の高圧パイプ12、13を接続するための複数の配管継手5、6をそれぞれ締め付け固定するための両軸ボルト形状の締結ボルト10が挿入されている。
【0061】
本実施例の締結ボルト10は、図10に示したように、両軸ボルト形状に形成されており、両端部(図示上端部および図示下端部)にボルト軸部61、62をそれぞれ有している。ボルト軸部61、62は、両側の先端部(両端部)がコモンレール1の外周面よりも突出するように、コモンレール1を略直径方向に貫通するように複数の貫通孔25内に挿入されている。また、ボルト軸部61、62のボルト円筒部63の両側外周には、複数の配管継手5、6を締結するための雄ねじ形状のボルト締結部64、65が形成されている。そして、締結ボルト10の外周には、ボルト円筒部63の途中からボルト締結部64、65の先端面に至るまで燃料流路溝66が周方向に略均等に複数形成されている。
【0062】
本実施例の配管継手4〜6は、図8および図9に示したように、コモンレール1の受圧座面18と配管継手5自身の密着面とを所定の締結軸力で密着させると共に、コモンレール1の受圧座面20と配管継手6自身の密着面とを所定の締結軸力で密着させる第1高圧締結部材である。また、配管継手4〜6は、第1実施例と同様な形状に形成されている。なお、継手本体41の先端面には、複数の高圧パイプ12、13の先端に設けられた接続頭部12a、13aのシール面が密着する略円錐形状の受圧座面15、16が研削加工等によって形成されている。また、継手本体41の先端面には、コモンレール1の受圧座面18、20に対応した形状、例えば継手本体41の略中心部を中心とした曲率(図10において図示二点鎖線参照)の密着面が研削加工を施すことで形成されている。
【0063】
複数のナット7〜9は、図8および図9に示したように、複数の高圧パイプ12、13の接続頭部12a、13aのシール面と配管継手5、6の受圧座面15、16とを所定の締結軸力で密着させる第2高圧締結部材である。これらのナット7〜9は、第1実施例と同様な形状に形成されている。
【0064】
[第3実施例の組付方法]
次に、本実施例のコモンレール1への複数の配管継手4〜6および複数の高圧パイプ11〜13の組付方法を図7ないし図10に基づいて簡単に説明する。
【0065】
蓄圧室22等が設けられたコモンレール1の図示左端側の貫通孔24内に、コモンレール1を略直径方向に貫通するように、図7において図示下方から図示上方へ向けて片軸ボルト形状の締結ボルト2を挿入する。また、コモンレール1の残りの3つの貫通孔25内に、コモンレール1を略直径方向に貫通するように、図7および図8において図示下方から図示上方へ向けて両軸ボルト形状の締結ボルト10を挿入する。
【0066】
次に、複数の配管継手4、5の継手本体41を、図7および図8において図示上方側から、複数の締結ボルト2、10の図示上端部に嵌め込んだ後に、組付工具を六角部42に係合させて所定の方向に複数の配管継手4、5を回転させることにより、複数の締結ボルト2、10のボルト締結部34、64に、複数の配管継手4、5のボルト被締結部44が螺合することで、複数の締結ボルト2、10の先端部外周に複数の配管継手4、5の他端部内周が締め付け(締結)固定される。よって、コモンレール1とは別体の複数の配管継手4、5がコモンレール1の複数の配管継手部23(高圧接合部、配管継手装着部)に一体的に組み付けられる。
【0067】
このとき、コモンレール1に組み付けられた配管継手4の所定の締結軸力によって、コモンレール1の受圧座面19と締結ボルト2の密着面とがメタルシールのように液密的に密着することで、コモンレール1と締結ボルト2との間のシール性が確保され、且つコモンレール1の受圧座面17と配管継手4自身の密着面とがメタルシールのように密着することで、コモンレール1と配管継手4との間のシール性が確保される。
【0068】
また、複数の配管継手6を、図7および図8において図示下方側から、締結ボルト10の図示下端部に嵌め込んだ後に、組付工具を六角部42に係合させて所定の方向に複数の配管継手6を回転させることにより、複数の締結ボルト10のボルト締結部65に、複数の配管継手6のボルト被締結部44が螺合することで、複数の締結ボルト10の先端部外周に複数の配管継手6の他端部内周が締め付け(締結)固定される。よって、コモンレール1とは別体の複数の配管継手6がコモンレール1の複数の配管継手部29(高圧接合部、配管継手装着部)に一体的に組み付けられる。
【0069】
このとき、コモンレール1に組み付けられた複数の配管継手5、6の所定の締結軸力によって、コモンレール1の受圧座面20と複数の配管継手6自身の密着面とがメタルシールのように液密的に密着することで、コモンレール1と複数の配管継手6との間のシール性が確保され、且つコモンレール1の受圧座面18と複数の配管継手5自身の密着面とがメタルシールのように密着することで、コモンレール1と複数の配管継手5、6との間のシール性が確保される。
【0070】
次に、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持した各ナット7、8を、図7および図8において図示上方側から、複数の配管継手4、5の図示上端部に嵌め込んだ後に、組付工具を六角部51に係合させて所定の方向にナット7、8を回転させることにより、複数の配管継手4、5のナット締結部43に複数のナット7、8のナット被締結部53が螺合することで、複数の配管継手4、5の一端部外周に複数のナット7、8の内周が締め付け(締結)固定される。よって、複数のナット7、8および複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aが複数の配管継手4、5に一体的に組み付けられる。
【0071】
このとき、複数の配管継手4、5に組み付けられたナット7、8の所定の締結軸力によって、複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aのシール面と複数の配管継手4、5の受圧座面14、15とがメタルシールのように密着することで、複数の高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aと複数の配管継手4、5との間のシール性が確保される。
【0072】
次に、各高圧パイプ13の接続頭部13aを保持した各ナット9を、図7および図8において図示下方側から、複数の配管継手6のナット締結部43の図示下端部に嵌め込んだ後に、組付工具を六角部51に係合させて所定の方向にナット9を回転させることにより、複数の配管継手6のナット締結部43にナット9のナット被締結部53が螺合することで、複数の配管継手6の一端部外周に複数のナット9の内周が締め付け(締結)固定される。よって、複数のナット9および複数の高圧パイプ13の接続頭部13aが複数の配管継手6に一体的に組み付けられる。
【0073】
このとき、複数の配管継手6に組み付けられた各ナット9の所定の締結軸力によって、複数の高圧パイプ13の接続頭部13aのシール面と複数の配管継手6の受圧座面16とがメタルシールのように密着することで、複数の高圧パイプ13の接続頭部13aと複数の配管継手6との間のシール性が確保される。
【0074】
[第4実施例]
図11は本発明の第4実施例を示すもので、図11(a)、(b)は両軸ボルト形状の締結ボルトを示した図である。
【0075】
本実施例の締結ボルト10の内部には、蓄圧室22内からインジェクタ側の高圧パイプ12へ燃料を流出させるための燃料流路孔69がそれぞれ形成されている。これらの燃料流路孔69は、締結ボルト10の軸心を軸方向に貫通する縦孔が設けられ、その縦孔の中間点より半径方向に等間隔で横孔が設けられている。なお、燃料流路孔69の縦孔の図示上端部は、配管継手5のオリフィス48よりも上流側の燃料流路46内に向かって開口しており、また、燃料流路孔69の縦孔の図示下端部は、配管継手6のオリフィス48よりも上流側の燃料流路46内に向かって開口しており、燃料流路孔69の横孔の端部は、コモンレール1の蓄圧室22内に向かって開口している。
【0076】
[変形例]
本実施例では、例えば低炭素鋼等の低硬度材料よりなる鍛造成形品またはプレス成形品によって蓄圧容器本体(コモンレール1)の断面形状を略真円形状または略真円筒形状に形成したが、蓄圧容器本体(コモンレール1)の断面形状を略楕円形状または略楕円筒形状、あるいは略長円形状または略長円筒形状に形成しても良い。
【0077】
本実施例では、本発明を、サプライポンプ側の高圧パイプ11の接続頭部11aまたはインジェクタ側の高圧パイプ12、13の接続頭部12a、13aを液密的に接続する配管継手4〜6とコモンレール1との組み付け構造に適用した例を示したが、本発明を、プレッシャリミッタや減圧調整弁等のコモンレール付属部品を液密的に接続する配管継手とコモンレール1との組み付け構造に用いても良い。
【0078】
また、サプライポンプ側の高圧パイプ11をコモンレール1に接続するための配管継手を、六角部の前後に雄ねじ形状の締結部、被締結部を有するニップル形状の締結部材として、その締結部材をコモンレール1の図示左端部または図示右端部に接続するようにしても良い。なお、締結部材の被締結部には、コモンレール1の蓄圧室22の端部に設けられた雌ねじ形状の締結部が螺合し、また、締結部材の締結部には、高圧配管11を保持したナット7が螺合する。
【0079】
本実施例では、コモンレール1に組み付けられた複数の締結ボルト2、3の先端部外周に、複数の配管継手4、5の他端部内周を締結した後に、それらの配管継手4、5の一端部外周に、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持した各ナット7、8の内周を締結しているが、複数の配管継手4、5の一端部外周に、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを保持した各ナット7、8の内周を締結した後に、各高圧パイプ11、12の接続頭部11a、12aを組み付けた複数の配管継手4、5の他端部内周を、コモンレール1に組み付けられた複数の締結ボルト2、3の先端部外周に締結するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射システムに使用されるコモンレールを示した正面図である(第1実施例)。
【図2】図1のA−A断面図である(第1実施例)。
【図3】図1のコモンレールの主要構造を示した断面図である(第1実施例)。
【図4】(a)は片軸ボルト形状の締結ボルトを示した側面図で、(b)は締結ボルトを示した正面図である(第1実施例)。
【図5】(a)はコモンレールとは別体で成形された配管継手を示した半断面図で、(b)はその配管継手を示した正面図である(第1実施例)。
【図6】(a)は片軸ボルト形状の締結ボルトを示した側面図で、(b)はその締結ボルトを示した正面図である(第2実施例)。
【図7】コモンレール式燃料噴射システムに使用されるコモンレールを示した正面図である(第3実施例)。
【図8】図7のB−B断面図である(第3実施例)。
【図9】図7のコモンレールの主要構造を示した断面図である(第3実施例)。
【図10】(a)は両軸ボルト形状の締結ボルトを示した側面図で、(b)はその締結ボルトを示した正面図である(第3実施例)。
【図11】(a)は両軸ボルト形状の締結ボルトを示した側面図で、(b)はその締結ボルトを示した正面図である(第4実施例)。
【図12】配管継手を蓄圧容器本体に一体成形したコモンレールを示した断面図である(従来の技術)。
【図13】配管継手を蓄圧容器本体に一体成形したコモンレールを示した断面図である(従来の技術)。
【図14】別体のスリーブニップルを溶接したコモンレールを示した断面図である(従来の技術)。
【図15】図14のC−C断面図である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 コモンレール
2 締結ボルト
3 締結ボルト
4 配管継手
5 配管継手
6 配管継手
7 ナット
8 ナット
9 ナット
10 締結ボルト
11 高圧パイプ(高圧配管)
12 高圧パイプ(高圧配管)
13 高圧パイプ(高圧配管)
14 配管継手の受圧座面
15 配管継手の受圧座面
16 配管継手の受圧座面
17 コモンレールの受圧座面
18 コモンレールの受圧座面
19 コモンレールの受圧座面
20 コモンレールの受圧座面
21 周壁部
22 蓄圧室(高圧室)
23 配管継手部
24 貫通孔
25 貫通孔
29 配管継手部
36 燃料流路溝
37 燃料流路溝
38 燃料流路孔
39 燃料流路孔
66 燃料流路溝
69 燃料流路孔
11a 接続頭部
12a 接続頭部
13a 接続頭部

Claims (7)

  1. (a)軸方向に延長して設けられた高圧室、およびこの高圧室を略直径方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記高圧室内の高圧燃料を、内燃機関の各気筒毎に対応して搭載された複数の燃料噴射弁へ分配供給するためのコモンレールと、
    (b)このコモンレールを略直径方向に貫通するように前記貫通孔内に挿入されて、少なくとも一端部が前記コモンレールの外周面よりも突出するボルトと、
    (c)前記コモンレールに対して別体で成形されて、前記ボルトの一端部に締め付け固定されると共に、前記コモンレールと前記ボルトとを所定の締結軸力で密着させる配管継手と
    を備えた蓄圧式燃料噴射装置において、
    前記コモンレールは、前記貫通孔の両端部に、外部に向けて内径が徐々に大きくなるような形状の受圧座面をそれぞれ有し、
    前記ボルトは、前記受圧座面に対応した形状の密着面を有し、
    前記配管継手は、前記受圧座面に対応した形状の密着面を有し、前記コモンレールの受圧座面と前記ボルトの密着面とを所定の締結軸力で密着させると共に、前記コモンレールの受圧座面と前記配管継手自身の密着面とを所定の締結軸力で密着させることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
    先端に前記配管継手に接続する鍔状の接続頭部を有する高圧配管と、
    前記配管継手に締め付け固定されると共に、前記高圧配管の接続頭部と前記配管継手とを所定の締結軸力で密着させるナットと
    を備えたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  3. (a)軸方向に延長して設けられた高圧室、およびこの高圧室を略直径方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記高圧室内の高圧燃料を、内燃機関の各気筒毎に対応して搭載された複数の燃料噴射弁へ分配供給するためのコモンレールと、
    (b)このコモンレールを略直径方向に貫通するように前記貫通孔内に挿入されて、少なくとも一端部が前記コモンレールの外周面よりも突出するボルトと、
    (c)前記コモンレールに対して別体で成形されて、前記ボルトの一端部に締め付け固定されると共に、前記コモンレールと前記ボルトとを所定の締結軸力で密着させる配管継手と
    を備えた蓄圧式燃料噴射装置において、
    先端に前記配管継手に接続する鍔状の接続頭部を有する高圧配管と、
    前記配管継手に締め付け固定されると共に、前記高圧配管の接続頭部と前記配管継手とを所定の締結軸力で密着させるナットと
    を備えたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
    前記配管継手は、外部に向けて内径が徐々に大きくなるような形状の受圧座面を有し、 前記高圧配管は、前記接続頭部の先端面に、前記配管継手の受圧座面に対応した形状の密着面を有し、
    前記ナットは、前記配管継手の受圧座面と前記接続頭部の密着面とを所定の締結軸力で密着させることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  5. 請求項ないし請求項のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記ボルトの外周と前記貫通孔の内周との間には、前記高圧配管から前記高圧室内へ燃料を流入させるか、あるいは前記高圧室内から前記高圧配管へ燃料を流出させるための燃料流路溝が形成されていることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  6. 請求項ないし請求項のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記ボルトの内部には、前記高圧配管から前記高圧室内へ燃料を流入させるか、あるいは前記高圧室内から前記高圧配管へ燃料を流出させるための燃料流路孔が形成されていることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  7. 請求項1ないし請求項のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記高圧室は、前記貫通孔に対して略直交する軸方向に設けられた燃料通路孔であり、 前記コモンレールは、断面形状が略円筒形状に成形されていることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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