JP3893502B2 - 電動式パワーステアリングの戻り制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のステアリングホイールを操作したとき、その操舵トルクにアシストトルクを付加して操作性を良くする電動式パワーステアリングシステムに関し、特にステアリングホイールの戻り性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車における電動式パワーステアリングシステムは、従来より種々の方式が提案されているが、そのなかには、図4に示すように、ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルクセンサの出力と自動車の車速を検出する車速センサの出力とにより決定される所定のアシスト指令値(電流指令値)により、ドライブ回路を介してアシストモータを駆動し操舵トルクにアシストトルクを付加してステアリングホイールの操作性を向上させる方式のものがある。
【0003】
そして、この様な電動式パワーステアリングシステムにおいて、切り込んだステアリングホイールを逆方向に戻した際の特性、即ちステアリングホイールの戻り性を向上させる戻り制御装置として図4に示すものも開発されている。つまり、例えばアシストモータの電流検出値と該モータの端子電圧とにより推定演算されたモータ回転数から得られるアシストモータの回転方向と、トルクセンサから得られた操舵トルクの入力方向とが互いに異なるとき、ステアリングホイールが戻り状態であることを極性判別手段により判別し、自動車の車速より決定される戻り指令値をアシスト指令値に足し込むことにより、ステアリングホイールの戻り性を向上させているのである。
【0004】
しかしながら、戻り制御を行いたい領域は、ある特定の操舵トルクやモータ回転数の領域に限られるのに対し、上述した従来の電動式パワーステアリングの戻り制御装置にあっては、必要でない領域での戻り制御も行っていたため、次に示すような操舵感覚に違和感を覚えるといった問題があった。
【0005】
即ち、図5に示すように、操舵トルクが十分に大きい時、つまり、トルクセンサの出力が必要以上に大きい時に、戻り指令値を出力して戻り制御を効かせると、保蛇時(直進等でステアリングホイールを大きく操舵しない時)におけるステアリングホイールの僅かな切り戻によっても所謂ハンドルを取られるという現象が生じる。
【0006】
また、図6に示すように、操舵トルクが極めて小さい時、即ちトルクセンサの出力が微小値の時には、トルクセンサが有する誤差がその出力値に大きく影響し、極性判別手段による判別が困難となり、戻り指令値の出力方向を誤って逆方向に戻り制御を行なったり、或いはオーバーシュートするといった誤動作を行なう場合がある。
【0007】
同様に、図6に示すように、推定演算されたモータ回転数推定値は誤差を含み、微速回転の時にはその誤差が大きく影響するため、ステアリングホイールの戻りが遅い時、即ちモータ回転推定値が低い時にはその誤差によって極性判別手段による判別が困難となり、戻り指令値の出力方向を誤って逆方向に戻り制御を行う場合がある。
【0008】
さらに、図7に示すように、ステアリングホイールの戻りが十分に速い時、即ちモータ回転数推定値が高い時に、必要以上の戻り指令値が出力されて戻り制御が効き過ぎ、ステアリングホイールが戻りすぎてオーバーシュートする場合もある。
【0009】
そこで、これらの問題を解決するために、本発明者等は鋭意研究開発し、図8に示すように、トルク感応リミッタ及びモータ回転数感応リミッタ等の各種のリミッタをそれぞれ設け、戻り指令値を必要な領域のみ取り出してアシスト指令値に足し込むことにより、戻り制御を行なう際に生じる種々の違和感を低減する戻り制御装置を案出した。
【0010】
つまり、トルク感応リミッタとして、トルク上限リミッタとトルク下限リミッタとをそれぞれ設け、図5の場合にあっては、トルク上限リミッタによりトルクセンサの出力値が所定値以上の時には戻り指令値を出力しないようにして保蛇時におけるステアリングホイールの僅かな切り戻による所謂ハンドルを取られるという現象を防止し、また、図6の場合にあっては、トルク下限リミッタによりトルクセンサの出力値が所定値以下の時には戻り指令値を出力しないようにしてトルクセンサの誤差による影響をなくし戻り制御の誤動作を防止するのである。
【0011】
一方、モータ回転数感応リミッタとして、モータ回転数下限リミッタとモータ回転数上限リミッタとをそれぞれ設け、図6の場合にあっては、モータ回転数下限リミッタによりアシストモータの回転数が所定値以下の時には戻り指令値を出力しないようにしてアシストモータの誤差による影響をなくし戻り制御の誤動作を防止し、図7の場合にあっては、モータ回転数上限リミッタによりアシストモータの回転数が所定値以上の時には戻り指令値を出力しないようにして戻り制御が効かないようにしステアリングホイールが戻りすぎてオーバーシュートすることを防止するのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この電動式パワーステアリングの戻り制御装置にあっても次のような問題点が残されていた。
【0013】
例えば、図3に示すように、ステアリングホイール(ハンドル)を中立付近で保舵あるいは微保舵している場合において、路面のギャップ等の外乱によるトルク振動やモータ回転数にばらつきが生じた際にも極性判別手段により戻り操作と判別されるため、その出力(戻り指令値)はパルス的なオン・オフ信号となり、これによる戻り制御もパルス的となってステアリングホイールにゴツゴツ感として伝わり、ハンドルの保舵時あるいは微保舵時の違和感につながるという問題が残されていた。
【0014】
一方、この様な違和感をなくす為には、全体のゲインを下げる手法や、上述したトルク感応リミッタやモータ回転数感応リミッタの下限値を下げて不感帯を広げる手法により、極性判別手段による戻り操作との判別を回避すれば良いのであるが、この様な手法を採ると逆に実際に戻り制御が働く必要のある状況時に戻り動作が不足するという問題も残されていた。
【0015】
本発明は、以上の実状に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、戻り制御を行う際に生じる種々の違和感を低減できる上に、実際の戻り制御の効きを損なうことなく、路面のギャップ等の外乱によるステアリングホイールの中立付近での保舵時あるいは微保舵時の違和感を簡単な構成により低減することができる電動式パワーステアリングの戻り制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために請求項1の発明が採った手段は、実施例で使用する符号を付して説明すると、
「ステアリングホイール10の操舵トルクを検出するトルクセンサ20の出力と車速を検出する車速センサ30の出力とにより決定される所定のアシスト指令値により、アシストモータ40を駆動して操舵トルクにアシストトルクを付加しステアリングホイール10の操作性を向上させる電動式パワーステアリングシステムにおいて、
前記アシストモータ40の回転方向と操舵トルクの入力方向とが互いに異なるときに前記ステアリングホイール10が戻り状態であると極性判別手段53により判別し、前記車速センサ30の出力により決定される戻り指令値を前記アシスト指令値に足し込むことにより、ステアリングホイール10の戻り性を向上させる電動式パワーステアリングの戻り制御装置について、
前記トルクセンサ20の出力値が所定の範囲外の時には前記戻り指令値を出力しないトルク感応リミッタ51を前記極性判別手段53の入力側に設け、且つ、前記極性判別手段53の出力側にローパスフィルタ60を備えることにより、該極性判別手段53の出力がローパスフィルタ60を経てアシスト指令値に足し込まれることを特徴とする電動式パワーステアリングの戻り制御装置」である。
【0017】
つまり、トルクセンサ20の出力値が所定の範囲外の時には、トルク感応リミッタ51が戻り指令値を出力しない。即ち、該トルク感応リミッタ51は、トルクセンサ20の出力値が所定値以上の時には戻り指令値を出力しないようにして保舵時におけるステアリングホイール10の僅かな切り戻しによる所謂ハンドルを取られるという現象を防止し、又、トルクセンサ20の出力値が所定値以下の時には戻り指令値を出力しないようにしてト ルクセンサ20の誤差による影響をなくし戻り制御の誤動作を防止する。
【0018】
更に、極性判別手段53からの出力(戻り指令値)は、パルス的なオン・オフ信号となっているが、このパルス波形(戻り指令)をローパスフィルタ60に通すことにより、その出力(戻り指令値)は、図3に示すように、戻り指令がオンの際にはローパスフィルタ60の時定数に基づいて緩やかに立ち上がり、一方戻り指令がオフの際には、ローパスフィルタ60の時定数に基づいて緩やかに減少するようになるのである。
【0019】
特に、極性判別手段53からの出力(戻り指令値)の波形が、急激なパルス波である場合には、このローパスフィルタ60を介することにより、その出力(戻り指令値)は僅かな脈動となって現れるに過ぎないのである。
【0020】
従って、この請求項1に係る発明にあっては、トルク感応リミッタ51を設け、戻り指令値の必要な領域のみ取り出してアシスト指令値に足し込むことにより、戻り制御を行なう際に生じる種々の違和感を低減し、その上、ローパスフィルタ60を設けたことにより、図3に示すように、戻り制御を行う際の入力パラメータである操舵トルク(トルクセンサ出力)やモータ回転数に、路面のギャップ等の外乱による微振動が生じた場合であっても、戻り指令値には余り影響を及ぼさずに済むため操舵感覚の違和感を低減することが可能となるのである
【0021】
また、通常の戻り制御や手放し戻り(セルフアライニング)の制御領域においては、操舵トルク及びモータ回転数共にその変化は比較的ゆっくりであるため、ローパスフィルタ60の影響を殆ど受けることがなく、実際の戻り制御の効きを損なうことなく通常の戻り制御を行うことが可能となるのである。
【0022】
なお、本発明にあっては、請求項2の如く、モータ回転数感応リミッタ52を設けることにより、さらにステアリングホイール10の操舵感覚の違和感をなくすことが可能となるのである。
【0023】
更に、この課題を解決するために請求項3の発明が採った手段は、実施例で使用する符号を付して説明すると、
「ステアリングホイール10の操舵トルクを検出するトルクセンサ20の出力と車速を検出する車速センサ30の出力とにより決定される所定のアシスト指令値により、アシストモータ40を駆動して操舵トルクにアシストトルクを付加しステアリングホイール10の操作性を向上させる電動式パワーステアリングシステムにおいて、
前記アシストモータ40の回転方向と操舵トルクの入力方向とが互いに異なるときに前記ステアリングホイール10が戻り状態であると極性判別手段53により判別し、前記車速センサ30の出力により決定される戻り指令値を前記アシスト指令値に足し込むことにより、ステアリングホイール10の戻り性を向上させる電動式パワーステアリングの戻り制御装置について、
前記アシストモータの回転数が所定の範囲外の時には前記戻り指令値を出力しないモータ回転数感応リミッタ52を前記極性判別手段53の入力側に設け、且つ、前記極性判別手段53の出力側にローパスフィルタ60を備えることにより、該極性判別手段53の出力がローパスフィルタ60を経てアシスト指令値に足し込まれることを特徴とする電動式パワーステアリングの戻り制御装置。」である。
【0024】
つまり、請求項3に記載の発明においては、アシストモータの回転数が所定の範囲外の時には、モータ回転数感応リミッタ52が戻り指令値を出力しない。即ち、該モータ回転数感応リミッタ52は、アシストモータの回転数が所定値以下の時には戻り指令値を出力しないようにしてアシストモータの誤差による影響をなくして戻り制御の誤動作を防止し 、アシストモータの回転数が所定値以上の時には戻り指令値を出力しないようにして戻り制御が効かないようにすることで、ステアリングホイールが戻りすぎてオーバーシュートすることを防止するものである。
【0025】
更に、請求項3に記載の発明においては、極性判別手段53の出力側にローパスフィルタ60を備えたことにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が奏される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。まず、電動式パワーステアリングシステムに関して図1及び図2を参照して説明する。図2において、ステアリングホイール10を操作すると、その操舵トルクはギヤーケース11の入力軸11aに伝達され、出力軸11bの下端のピニオンを介してラック12を駆動する。このラック12は操舵リンク13を介して車輪14の方向を変える。
【0027】
一方、図1に示すように、ギヤーケース11に取付けられたトルクセンサ20が操舵トルクを検出し、車速センサ30が自動車の速度を検出し、その電気信号が電気制御装置(以下ECU50と云う)に入力される。ECU50は、トルクセンサ20からの入力と車速センサ30からの入力とにより所定のアシスト指令値(電流指令値)を決定し、これを各リミッタを介してドライブ回路に伝達し、当該ドライブ回路によってアシストモータ40が駆動される。
【0028】
このアシストモータ40のトルクは、電磁クラッチ15を介してギヤーケース16の入力軸16aに伝達され、出力軸16bの下端のピニオンを介してラック12を駆動する。このラック12は、ステアリングホイール10の出力軸11bとともに、アシストモータ40の出力軸16bにより駆動されるので、ステアリングホイール10の操作性が著しく改善されるのである。
【0029】
つぎに、この様な電動式パワーステアリングシステムにおいて、切り込んだス テアリングホイール10を逆方向に戻した際の特性、即ちステアリングホイール10の戻り性を向上させる戻り制御は次のように行われる。
【0030】
先ず、アシストモータ40の電流値が電流検出センサにより検出され、さらに該アシストモータ40の端子電圧が電圧検出センサにより検出され、それぞれの検出値はECU50に入力される。ECU50は、これらの電流検出値とモータ端子電圧値とからモータ回転数推定演算手段54によりアシストモータ40の回転数を推定演算する。
【0031】
さらにECU50は、モータ回転数から得られるアシストモータ40の回転方向と、トルクセンサ20から得られた操舵トルクの入力方向とが互いに異なるとき、ステアリングホイール10が戻り状態であると判別する極性判別手段53を有しており、戻り状態であると判別した際には、車速より決定される戻り指令値を前記アシスト指令値に足し込むことにより、ステアリングホイール10の戻り性を向上させているのである。
【0032】
なお、本実施例では、トルクセンサ20から入力される操舵トルクの微分量と車速センサ30から入力される車速とにより決定される微分指令値を、アシスト指令値(電流指令値)に足し込むことにより、制御システムの位相遅れを補償している。
【0033】
さて、トルクセンサ20の出力値やアシストモータ40の回転数によって決定されたパルス的な戻り指令値を適正な型に整形しそれをアシスト指令値に足し込む制御を行うのが本発明であって、本実施例にあっては、戻り指令値は、車速によりゲイン決定された後にトルク感応リミッタ51及びモータ回転数感応リミッタ52を介して必要な領域のみ取り出された後、極性判別手段53により判別され、その後ローパスフィルタ60により整形されてアシスト指令値に足し込まれるよう構成されている。
【0034】
ここで、トルク感応リミッタ51は、トルクセンサ20の出力値が所定値以上の時には戻り指令値を出力しないトルク上限リミッタと、トルクセンサ20の出力値が所定値以下の時には戻り指令値を出力しないトルク下限リミッタとの両機能を備えており、一方、モータ回転数感応リミッタ52は、アシストモータ40の回転数が所定値以下の時には戻り指令値を出力しないモータ回転数下限リミッタと、アシストモータ40の回転数が所定値以上の時には戻り指令値を出力しないモータ回転数上限リミッタとの両機能を備えている。
【0035】
従って、ステアリングホイールを徐々に中立付近まで戻してきた場合においては、アシスト指令値に足し込まれる戻り指令値は、トルク感応リミッタ51のトルク下限リミッタとモータ回転数感応リミッタ52のモータ回転数下限リミッタとにより必要な領域のみ取り出される。
【0036】
取り出された戻り指令値は、極性判別手段53によりアシストモータ40の回転方向と操舵トルクの入力方向(トルクセンサ20の出力)とが互いに異なるときにステアリングホイール10が戻り状態であると判別されるため、この時点の戻り指令値は、図3の従来例に示すように、パルス的なオン・オフ信号として出力される。
【0037】
このパルス的な戻り指令値は、次段のローパスフィルタ60に入力され、その出力は前述のアシスト指令値に足し込まれるようになっている。このローパスフィルタ60によって、図3の最下図に示すように、極性判別手段53から出力される戻り指令値がオンの際には、戻り指令値の立ち上がりがローパスフィルタ60の時定数に基づいて徐々に行われ、一方戻り指令がオフの際には、その戻り指令値がローパスフィルタ60の時定数に基づいて緩やかに減少し、特に、極性判別手段53からの出力(戻り指令値)の波形が、急激なパルス波である場合には、その出力(戻り指令値)は僅かな脈動となって現れるにすぎない。
【0038】
従って、戻り制御を行う際の入力パラメータである操舵トルクやモータ回転数に外乱が入り微振動が生じた場合であっても、ローパスフィルタ60の時定数により外乱による影響をほぼ解消できるため、操舵感覚の改善を図ることができるのである。
【0039】
また、通常の戻り制御においては、操舵トルク及びモータ回転数共にその変化は比較的ゆっくりであるため、ローパスフィルタ60の影響を殆ど受けることがなく、良好な戻り制御を行うことができるのである。
【0040】
なお、本実施例にあっては、トルク感応リミッタ51及びモータ回転数感応リミッタ52を介した後にローパスフィルタ60に入力されているが、このリミッタ51、52を介さずに、車速によりゲイン決定された戻り指令値を直接極性判別手段53に入力し、その出力をローパスフィルタ60により整形しアシスト指令値に足し込むように構成しても良い。
【0041】
この際、操舵トルクやモータ回転数に外乱による微振動が生じた場合には、少なくとも極性判別手段53から出力されるパルス的なオン・オフ信号を除去できるため、ステアリングホイール10にゴツゴツ感として伝わる戻り制御の違和感を低減することができるのである。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る電動式パワーステアリングの戻り制御装置によれば、トルクセンサの出力値が所定の範囲外の時には戻り指令値を出力しないトルク感応リミッタを極性判別手段の入力側に設け、且つ、該極性判別手段の出力側にローパスフィルタを備えることにより、該極性判別手段の出力がローパスフィルタを経てアシスト指令値に足し込まれるようにしたことにより、戻り制御を行う際に生じる種々の違和感を低減できる上に、実際の戻り制御の効きを損なうことなく、路面のギャップ等の外乱によるステアリングホイールの中立付近での保舵時あるいは微保舵時の違和感を簡単な構成により低減することができるという優れた効果を奏するのである。
【0043】
又、アシストモータの回転数が所定の範囲外の時には前記戻り指令値を出力しないモータ回転数感応リミッタを、前記トルク感応リミッタに代えて、極性判別手段の入力側に設けることにより、前述と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電動式パワーステアリングの戻り制御装置における一実施例の制御ブロック図である。
【図2】 図1に示した実施例のシステムを説明するブロック図である。
【図3】 ステアリングホイールを中立付近に戻してきた際に外乱によって戻り指令値が出力される状態を従来技術と本発明とを比較して示すグラフである。
【図4】 従来の戻り制御装置の制御ブロック図である。
【図5】 操舵トルクが十分に大きい保舵時に戻り指令値を出力する状態を従来技術と改良例とを比較して示すグラフである。
【図6】 操舵トルクが極めて小さい時、或いはステアリングホイールの戻りが遅くモータ回転数が微小の時に戻り指令値を出力する状態を従来技術と改良例とを比較して示すグラフである。
【図7】 ステアリングホイールの戻りが十分に速い時に戻り指令値を出力する状態を従来技術と改良例とを比較して示すグラフである。
【図8】 従来の改良例における戻り制御装置の制御ブロック図である。
【符号の説明】
10 ステアリングホイール
20 トルクセンサ
30 車速センサ
40 アシストモータ
50 電気制御装置(ECU)
51 トルク感応リミッタ
52 モータ回転数感応リミッタ
53 極性判別手段
60 ローパスフィルタ
Claims (3)
- ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルクセンサの出力と車速を検出する車速センサの出力とにより決定される所定のアシスト指令値により、アシストモータを駆動して操舵トルクにアシストトルクを付加しステアリングホイールの操作性を向上させる電動式パワーステアリングシステムにおいて、
前記アシストモータの回転方向と操舵トルクの入力方向とが互いに異なるときに前記ステアリングホイールが戻り状態であると極性判別手段により判別し、前記車速センサの出力により決定される戻り指令値を前記アシスト指令値に足し込むことにより、ステアリングホイールの戻り性を向上させる電動式パワーステアリングの戻り制御装置について、
前記トルクセンサの出力値が所定の範囲外の時には前記戻り指令値を出力しないトルク感応リミッタを前記極性判別手段の入力側に設け、且つ、前記極性判別手段の出力側にローパスフィルタを備えることにより、該極性判別手段の出力がローパスフィルタを経てアシスト指令値に足し込まれることを特徴とする電動式パワーステアリングの戻り制御装置。 - 前記アシストモータの回転数が所定の範囲外の時には前記戻り指令値を出力しないモータ回転数感応リミッタを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリングの戻り制御装置。
- ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルクセンサの出力と車速を検出する車速センサの出力とにより決定される所定のアシスト指令値により、アシストモータを駆動して操舵トルクにアシストトルクを付加しステアリングホイールの操作性を向上させる電動式パワーステアリングシステムにおいて、
前記アシストモータの回転方向と操舵トルクの入力方向とが互いに異なるときに前記ステアリングホイールが戻り状態であると極性判別手段により判別し、前記車速センサの出力により決定される戻り指令値を前記アシスト指令値に足し込むことにより、ステアリングホイールの戻り性を向上させる電動式パワーステアリングの戻り制御装置について、
前記アシストモータの回転数が所定の範囲外の時には前記戻り指令値を出力しないモータ回転数感応リミッタを前記極性判別手段の入力側に設け、且つ、前記極性判別手段の出力側にローパスフィルタを備えることにより、該極性判別手段の出力がローパスフィルタを経てアシスト指令値に足し込まれることを特徴とする電動式パワーステアリングの戻り制御装置。
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