JP3893362B2 - 前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はカーテンに関し、さらに詳しくは、一種の前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
図６および図７に示されるのは従来の巻上げブラインド（伸張状態にある）の外観斜視図および側面図であり、該巻上げブラインド９０は主に以下の内容を含む。窓の上縁に横向きに枢設され、使用者により手動あるいは電動方式で制御されて回転する長形の巻取りドラム９１、巻取りドラム９１の下方に位置するボトムレール９２、巻取りドラム９１およびボトムレール９２の間に並列に設けられている若干の軟質スラット９３、１個は左に１個は右にあり、それぞれスラット９３の前縁および後縁を縦方向に連結する前コード９５および後コード９６を含み、かつ前コード９５および後コード９６の上下両端がそれぞれ巻取りドラム９１およびボトムレール９２に連結される２本の連結コード組９４、適度な透光性を有し（例えばジョーゼットを使用する）、それぞれ該スラット９３の前方および後方に位置し、それぞれ長さと幅が窓の大きさにほぼ対応する長方形を呈し、上縁が巻取りドラム９１に連結され、底縁がボトムレール９２に連結される２枚の布片９７Ａ、９７Ｂ。（注：図例中の前後２枚の布片は、内面が該スラットに接合されていないが、従来の巻上げブラインド中、布片の内面がスラットの縁辺と接合されているタイプもある。例えば特許文献１で開示されている構造である。）
【０００３】
このように、該２枚の布片９７Ａ、９７Ｂが該スラット９２の前後両側をおぼろげに覆っているため、従来のブラインド（あるいは巻上げブラインド）とは異なる透光および遮蔽効果があり、室内に一種の上品な格調を生み出す。使用者は該カーテン９０が伸張状態にある時、巻取りドラム９１をやや回転させ前コード９５および後コード９６を縦方向に相対的に移動させ、該スラット９２を動かし傾斜させることにより透光および遮蔽の程度を変化させる。また巻取りドラム９１を継続して回転させると、該軟質のスラット９３および布片９７Ａ、９７Ｂを巻き取りドラム９１のどちらか一方（通常は後側）から漸次巻取りドラム９１の外周面に巻収することができる。例えば図８（側面図）に示される通りである。これにより巻上げブラインドを完全に窓の上縁に巻収したり、あるいは途中の高度に位置決めして窓の上部だけを遮蔽したりする。
【０００４】
前述した従来の巻上げブラインド９０は以前から改善を必要とする箇所があった。つまり、完全な伸張状態から巻収し始める時に、（図８の回転方向について言えば）後方の布片９７Ｂの上縁部分は前方の布片９７Ａよりも比較的早く巻き取りドラム９１の外周面を覆い、また巻回する過程では、（巻取りドラム外周上のどの点においても）後方の布片９７Ｂが前方の布片９７Ａの外側を覆っており、後方の布片９７Ｂの巻回時の円の直径は前方の布片９７Ａよりもやや大きいと考えられる。このように、該２枚の布片９７Ａ、９７Ｂの長さは等しいが、巻回動作の起点および速度が一致しないため、図８に示されるような状況が生まれる。つまり、後方の布片９７Ｂは巻取りドラム９１およびボトムレール９２の間に平坦状に伸張されるが、前方の布片９７Ａは余分に多く出ており、底端には褶曲９８が形成され、ボトムレール９２の前方底側まで垂れ下がり、該巻上げブラインド９０の巻収状態における整った美観を損なう。
【０００５】
【特許文献１】
米国特許第５４１９３８５号明細書
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主要目的は、前後両側の布製幕体が常に平坦状に整った状態を保持でき、底端が褶曲して垂れ下がり美観を損なった状況が発生することのない一種の改良された前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインドを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明が提供する巻上げブラインドは、窓の上縁に枢設される巻取りドラム、該巻取りドラムの下方に位置するボトムレール、該巻取りドラムおよび該ボトムレールの間に並列に設けられている若干のスラット、および該スラットを縦方向に連結する少なくとも２個の連結コード組を含む。本発明の特徴は以下の点にある。面積が窓の大きさの約２倍である単一の連続した布片が設置され、該布片は透光性を有し、その約半分の面積は該スラットの前方に位置し、もう一方の約半分の面積は該スラットの後方に位置し、かつ布片の前後両側の間の中央部分は、前後に滑移動できる方式で該ボトムレールに巻きかけられ、該ボトムレールに下方向への押圧される（例えば直接ボトムレールの底側に巻きかけてボトムレールを引っ張る、あるいはボトムレールに予め設置された横長の孔に通す）。この他、布片の前後両側の上縁はどちらも該巻取りドラムに連結される。
【０００８】
【発明の実施の形態】
まず図１から図３までを参照する。本発明の好ましい第一実施例である前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド１０は以下の内容を含む。
巻取りドラム２０、長形の円筒状を呈し、その軸方向の長さは使用する窓の横幅とほぼ等しい。巻取りドラム２０は窓の上縁に横向きに枢設され（注：通常、窓の上縁には横枠が固設され、巻取りドラムを該横枠に枢設する）、使用者が制御しその場で回転させられるようになっている（注：巻取りドラム２０を回転させる方法は、例えばコード構造を設置し使用者がコードを引き動かし巻取りドラム２０を動かしてもよいし、あるいは電動構造を設置して使用者がワイヤードリモートコントロールあるいはワイヤレスリモートコントロール方式により巻取りドラム２０を回転させてもよい。ただ前述の方式はすべて従来技術であり、かつ本発明の重点とは無関係であるため詳述しない）。
【０００９】
ボトムレール３０、巻取りドラム２０の下方に平行に位置し、中空で扁形の長状物で、その長さは窓の横幅とほぼ等しく、幅は巻取りドラム２０の直径とほぼ等しく、金属材質（例えばアルミ押出し成形など）から成りやや重量がある。ボトムレール３０の左右両端にはそれぞれ端カバー３１が設けられている。図３を参照する。各端カバー３１は端面からボトムレール３０内部に嵌入される嵌入栓３２、および嵌入栓３２の外端に連結されるＬ形板３３を有する。該Ｌ形板３３のうち一端は湾曲してボトムレール３０の底側まで伸び、ボトムレール３０の底面に平行する受け板３４を形成し、Ｌ形板３３の別の一端はボトムレール３０と垂直に位置し、ボトムレール３０の上面を超える所定の高さの側板３５を形成する。
【００１０】
若干のスラット４０、軟質の布で形成され、形状は細長い長方形で、その長さは窓の横幅とほぼ等しく、幅は巻取りドラム２０の直径よりもやや小さい。各スラット４０の向かい合う２個の長辺にはそれぞれ１個の辺棒４１が縫い込まれており、スラット４０が長軸方向に平らで真っ直ぐな状態を概ね維持できるようにしている。逆に言えば、各スラット４０は短軸方向には湾曲できる。該スラット４０は巻取りドラム２０およびボトムレール３０の間に横向きに並んでいる。
【００１１】
２個の連結コード組５０、該スラット４０の左右両端に近い場所に対称に設けられ、各連結コード組５０は前コード５１および１個の後コード５２を含み、前コード５１および後コード５２は縦方向に伸びかつ前後に向かい合っており、長さは窓の縦の長さとほぼ等しく、上端は巻取りドラム２０の外周面の向かい合う両側にそれぞれ連結され、底端はボトムレール３０の前後両側縁にそれぞれ連結される。この他、前コード５１および後コード５２は該スラット４０の前縁および後縁をそれぞれ等間隔で連結する（注：本実施例中、前コード５１および後コード５２はスラット４０の前後２側辺の辺棒４１に結び付けられているが、これは従来技術である、その他にも多くの従来の接合方式があるが、詳述しない）。該２個の連結コード組５０の縦方向の連結により、ボトムレール３０および該スラット４０は所定の関係で巻取りドラム２０の下方に懸吊される。図２を参照する。該スラット４０は等間隔で並列しているが、その内、隣り合う２個のスラット４０の間隔Ｐ（すなわち前コード５１あるいは後コード５２の、２個のスラット４０間における長さ）は、スラット４０の短辺の長さＷよりもやや短い。この他、本実施例では特に最下方のスラット４０ａをボトムレール３０の上面に接近させている。さらに、最下方の２個のスラット４０ａ、４０ｂは、左右両端がボトムレール３０の該２個の端カバー３１の側板３５にそれぞれ押さえられており、左右に偏移しない。
【００１２】
布片６０、材質はジョーゼットの類で、適度の透光性を有する。布片６０の形状は長方形で、その長さは窓の縦の長さの約２倍で、幅は窓の横幅とほぼ等しい。長軸方向に半々に区分された該布片６０の約半分の面積（窓のサイズに対応する面積）は該スラット４０前方に位置し、布片６０のほぼ中央部分は該ボトムレール３０の底側に巻きかけられ、該折れ曲がり部分の左右両側はボトムレール３０および該２個の受け板３４の間に挟まれている（図３に示される通りである）。また布片６０のもう片方の約半分の面積は該スラット４０の後方に位置する。同時に、布片６０の前後両側の上縁は巻取りドラム２０の外周面の向かい合う両側にそれぞれ連結される。この他、布片６０の長さは連結コード組５０の長さと互いに対応しており、ボトムレール３０が布片６０の最底端（すなわち布片６０の中央の折れ曲がり部分の内面）を押圧できるようにし、また該布片６０の前後両側が縦方向に平坦状に伸張されるようにしている。ボトムレール３０が布片６０の底端を押圧できるようにするために、製造上、連結コード組５０をわずかに長くする。このため、各連結コード組５０の底端部分は完全に伸張することができない。すなわち図２中に示される通りである。最も下方のスラット４０ａと下から数えて２個目のスラット４０ｂ間における前コード５１および後コード５２は、その他の部分のように完全に真っ直ぐ引っ張られることはない。
以上が本発明の比較的よい１実施例の巻上げブラインド１０の構造である。
【００１３】
使用者が巻取りドラム２０を正転（図２中の時計回りの回転を指す）あるいは逆転させると、該布片６０、該２個の連結コード組５０および該スラット４０を漸次上方向に引っ張り上げ巻取りドラム２０の後側から巻取りドラム２０の外周面に巻収するか、あるいは巻取りドラム２０の外周面から漸次下方向へ伸張し垂下する。ボトムレール３０が最低点まで垂下された時、該スラット４０は窓全体に平均的に分布している、この時、巻取りドラム２０を回転させると、連結コード組５０を通じて該スラット４０を動かしスラット面の角度を同時に変化させることができ、これにより必要な透光および遮蔽程度に調整できる。以上の機能は従来の巻上げブラインドと同じである。本発明中、半分に折られた該布片６０は該スラット４０の前後両側を同時に覆い、かつ布片６０の折れ曲がり部分はボトムレール３０により下方向へ押圧され、これによりスラット４０の前後両側にはそれぞれ１個の適度な透光性の平坦な布製幕体が形成され、その視覚効果は従来の巻上げブラインドと同等である。
【００１４】
巻上げブラインドが完全に伸張状態の時に巻取りドラム２０を正転させ始めると（例えばスラットの傾斜角度を調整する、あるいは上方向に巻収する場合）、図４に示されるように、前側の上縁接合部分に位置する布片６０は先に巻取りドラム２０の底側まで低下するが、後側の上縁部分に位置する布片６０は回転方向に従って先に巻取りドラム２０の外周面を覆う。さらに、巻取りドラム２０の正転が持続すると、図５に示されるように、布片６０の前後両側および該スラット４０は一緒に巻取りドラム２０の後側から巻取りドラム外周面に漸次巻回される。本発明が提供する上述の構造により、たとえ布片６０の前後両側が巻取りドラム２０の外周面に巻回される起点および巻回速度が一致しなくても、布片６０が該スラット４０あるいはボトムレール３０と連結していないので、布片６０の中央の折れ曲がり部分はボトムレール２０の底側で、前後両側に分配された布面の長さを自動調節するように前後に滑動でき、両側の布面を常に平坦に引っ張られた状態に保持し、従来の巻上げブラインドのように底端が余分に多く出て、褶曲し垂れ下がり美観を損なった状況が生まれることもない。
【００１５】
補足説明しなければならない点は、前述の実施例でボトムレール３０の両端に受け板３４が設置され布片６０の折れ曲がり部分の左右両側を囲んでおり、また側板３５が設置されスラット４０ａ、４０ｂの両端を押さえているのは、ともに動作がスムーズに秩序正しく行なわれるようにするためである。
さらに、スラットの幅Ｗがスラットの間隔Ｐに比べて所定の長さがやや長いのは、該スラット４０が直立した時、図５に示されるように下方のスラットの上縁（もともとの後縁）の辺棒４１が上方のスラットの底縁（もともとの前縁）の辺棒４１よりもやや高くなるようにさせ、従来の巻上げブラインドのように辺棒が重なり合うのを防止し、スラット４０が巻取りドラム２０の外周面に巻回される時、比較的均等に整うようにするためである。また、ボトムレール３０の上面にスラット４０を設けることにより、外観は比較的統一性があり美観を有するものになる。
【００１６】
この他、本発明中の布片は必ずしもボトムレールの底面に巻きかけられなければならない訳ではなく、例えばボトムレールに横長の孔（ボトムレールの長さとほぼ等しい）を設け、かつ該孔はボトムレールの前後両側を穿通し、これにより布片を前後に滑移動できる方式で通すことができ、同様に上述の機能を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一実施例による前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインドを示す外観斜視図である。
【図２】本発明の第一実施例による前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインドを示す左側面図である。
【図３】本発明の第一実施例による前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインドのボトムレールの一端を示す正面図である。
【図４】本発明の第一実施例による前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインドを示す左側面図であり、完全な伸張状態から巻収を開始する時の状態を示している。
【図５】本発明の第一実施例による前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインドを示す左側面図であり、巻収過程の状態を示している。
【図６】従来の巻上げブラインドの伸張状態を示す外観斜視図である。
【図７】図６の従来の巻上げブラインドを示す側面図である。
【図８】図６の従来の巻上げブラインドの巻収過程を示す側面概略図である。
【符号の説明】
１０ 巻上げブラインド
２０ 巻取りドラム
３０ ボトムレール
３１ 端カバー
３２ 嵌入栓
３３ Ｌ形板
３４ 受け板
３５ 側板
４０ スラット
４１ 辺棒
５０ 連結コード組
５１ 前コード
５２ 後コード
６０ 布片

Claims (7)

1. 窓の上縁に横向きに枢設され、使用者により制御されその場で回転する長形の巻取りドラムと、
   該巻取りドラムの下方に位置するボトムレールと、
   該巻取りドラムおよび該ボトムレールの間に並列に設けられている複数のスラットと、
   前コードおよび後コードを含み、該前コードおよび該後コードは該スラットの前方寄りの部分および後方寄りの部分をそれぞれ縦方向に連結し、かつ上端および底端がそれぞれ該巻取りドラムおよび該ボトムレールに連結される少なくとも２個の連結コード組と、
   透光性を有し、その約半分の面積は該スラットの前方に位置し、もう一方の約半分の面積は該スラットの後方に位置し、かつ前後両側のほぼ中央の部分は、前後に滑移動可能な方式で該ボトムレールに巻きかけられ、該ボトムレールにより下方向へ押圧され、前後両側の上縁はどちらも該巻取りドラムに連結される布片と、
   を備えた前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド。
2. 該布片のほぼ中央の部分は該ボトムレールの底側に巻きかけられており、該ボトムレールの底面は該布片の折れ曲がり部分の内面を押圧することを特徴とする請求項１記載の前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド。
3. 該ボトムレールの左右両端には受け板が設置され、該布片の折れ曲がり部分の左右両側はボトムレールおよび該２個の受け板の間に挟まれることを特徴とする請求項２記載の前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド。
4. 該ボトムレールは中空の長状物であり、その左右両端にはそれぞれ端カバーが設けられ、各端カバーは端面から該ボトムレール内部に嵌入される嵌入栓、および該嵌入栓の外端に連結されるＬ形板を有し、該Ｌ形板のうち一端は前記受け板を形成し、別の一端は該ボトムレールの上面を超える所定の高さの側板を形成し、該２個の端カバーの側板がそれぞれ最下方の２個のスラットの左右両端の外側を押さえることを特徴とする請求項３記載の前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド。
5. 該ボトムレールの左右両端にはそれぞれ上方向に凸出する所定の高さの側板が設けられ、該２個の側板はそれぞれ最下方の２個のスラットの左右両端の外側を押さえることを特徴とする請求項１記載の前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド。
6. 該ボトムレールには前後両側を穿通する横長の孔が設けられ、該布片のほぼ中央の部分が該孔を通って該ボトムレールに巻きかけられることを特徴とする請求項１記載の前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド。
7. 各スラットの長手方向の側部に沿ってそれぞれ１個の辺棒が設けられ、該スラットの該２個の辺棒は該連結コード組の前コードおよび後コードにそれぞれ接合され、各スラットの幅はスラットの各間隔よりもやや長い所定の長さであり、該スラットが直立した時、下方のスラットの上側の辺棒が、上方のスラットの底側の辺棒よりもやや高くなるようにしていることを特徴とする請求項１記載の前後両側に透光性布製幕体を有する巻上げブラインド。

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