JP3893315B2 - シート給送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像処理装置において、積載されたシート束からシートを1枚ずつ画像処理装置本体内へ供給するシート給送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のシート給送装置に用いられる給送ローラは一般的に装置本体よりも寿命が短く、装置寿命の途中で磨耗、或いは劣化により摩擦係数が落ち、給送不良を発生させてしまうため寿命に至る所定のタイミングで給送ローラ単体を交換する手段が必要である。
【0003】
従来、給送ローラを交換可能にする手段としては、駆動軸ごと給送ローラを交換する方法や、給送ローラのコアごと給送ローラを交換する方法が採用されている。これらの手段に関して以下に説明する。
【0004】
先ず、駆動軸ごと給送ローラを交換する方法について図12を用いて説明する。図12において、給送ローラ50は、両側に軸部53bを備えた半月形状のコア53と、筒状に成形された高摩擦部材107とで構成されており、軸受け部材56を介してフレーム60に支持されている。
【0005】
また、コア53の片側の軸部53bの端部には凹部53aが形成されており、駆動軸51の端部に形成された凸部51aと軸部53bの凹部53aとが連結されて駆動軸51の回転駆動力がコア53に伝達されて回転駆動される。
【0006】
給送ローラ50を交換する際には、図12(b)に示すように軸受け部材56を外側にスライドさせた後、図12(c)に示すように給送ローラ50を片側に寄せてフレーム60から軸部53bを抜き取り、給送ローラ50を取り外す。そして、給送ローラ50をコア53ごと新品に交換し、上記と逆の手順で組み付ける。
【0007】
次に、給送ローラをコアごと交換する方法について図13を用いて説明する。図13において、駆動軸51とローラホルダ部材55は一体、或いは互いに回転しないように連結されており、ローラホルダ部材55は給送ローラ50の位置決め部55a及び給送ローラ50を固定する固定穴55bを有している。
【0008】
一方、給送ローラ50は位置決め部54a及び固定突起部54bを有する半月形状のコア54と、筒状に成形され、コア54の外周部に嵌装された高摩擦部材106とからなり、コア54の位置決め部54aがローラホルダ部材55の位置決め部55aと嵌合して互いの位置を決め、固定突起部54bが固定穴55bに嵌合して給送ローラ50がローラホルダ部材55に保持されている。
【0009】
給送ローラ50を交換する際には、ローラホルダ部材55の固定穴55bが設けられたフランジ部を外側に押し広げて固定突起部54bと固定穴55bとの嵌合を解除することで給送ローラ50を取り外す。そして、給送ローラ50をコア54ごと新品に交換し、上記と逆の手順で組み付ける。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例では、劣化または磨耗した高摩擦部材106,107のみならず、殆ど劣化も磨耗もしていないコア53,54まで廃棄することとなり、給送ローラ50を交換するユーザに課するコストを高くしてしまう上、環境保全上も好ましくない。
【0011】
ユーザにコア53,54から高摩擦部材106,107のみを外してもらい、高摩擦部材106,107のみを交換してもらうという考え方もあるが、高摩擦部材106,107はコア53,54に対して所定の張力をもって取り付けられているため、全てのユーザが容易に着脱することは困難である。
【0012】
また、従来例に示したような半月形状の給送ローラ50を用いた場合、高摩擦部材106,107の外周は一様に磨耗する訳ではなく、半月形状の頂点付近が早く磨耗してしまうという特徴があり、給送ローラ50表面の殆どの部位が磨耗、劣化していないにも関わらず、給送ローラ50の一部の磨耗によって所定の給送性能が得られなくなってしまうという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、給送回転体の高摩擦部材のみを容易に交換出来るようにしてユーザに課するコストの低いシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係るシート給送装置は、画像が形成されるシートを画像処理部に向けて搬送するものであって、断面形状が円弧部と該円弧部よりも中心寄りにある直線部とからなる略半月形状で形成され、駆動軸に支持されて該駆動軸によって回転駆動される給送回転体コアと、前記給送回転体コアに設けた係止部にシート状の一端部を引っ掛けることによって、前記給送回転体コアの外周に巻き付けて取り付けられるシート状の表裏両面裏返して使用可能な高摩擦部材と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上述の如く構成したので、高摩擦部材が磨耗、劣化し、交換を要するときには高摩擦部材のみを容易に交換することが出来、無駄な交換部品を削減することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係るシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置の一例としてレーザビームプリンタに適用した場合の一実施形態を具体的に説明する。図1はシート給送装置を装備した画像形成装置の構成を示す断面説明図、図2はシート給送装置の参考実施形態の構成を示す斜視図、図3は参考実施形態において用いられる高摩擦部材の一例を示す斜視図、図4は参考実施形態で用いられる表面研磨した高摩擦部材及びローレット加工した高摩擦部材の一例を示す斜視図である。
【0017】
また、図5は参考実施形態で用いられる表面微細加工を施した高摩擦部材の一例を示す斜視図、図6は参考実施形態における高摩擦部材の着脱方法を説明する図、図7は参考実施形態において図5に示す表面微細加工を施した高摩擦部材が圧を受けた状態を示す図、図8は図5に示す表面微細加工を施した高摩擦部材の磨耗状態を示す断面説明図である。
【0018】
参考実施形態
先ず、図1〜図8を用いてシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置の参考実施形態について説明する。図1は画像形成装置の一例としてレーザビームプリンタの全体構成を表す。図1を用いて本参考形態の画像形成装置Aの全体構成をシートSの流れに沿って説明する。
【0019】
図1において、シート載置手段となる給送トレイ1及び中板2上に複数枚積載されたシートSは、給送時のみ中板2によって、その先端を、シート給送手段であって給送回転体となる給送ローラ50に向けて所定の加圧力で押し上げられ、図2に示す高摩擦部材101を有して構成された給送ローラ50の表面と当接する。
【0020】
一方、給送ローラ50は給送時のみ図1の時計回り方向に回転するように制御され、当接したシートSを摩擦力によって給送する。
【0021】
分離手段となる分離パッド3はシートSを分離するための摩擦部材を有し、給送時のみ給送ローラ50へ向けて付勢され、回転する給送ローラ50との間でシートS束を捌き、最上部の1枚のシートS以外を画像形成装置A本体内へ給送させないよう働いている。
【0022】
ここで、中板2及び分離パッド3は給送動作が終了すると、給送ローラ50と離間した所定の位置に戻るように制御されている。
【0023】
シート給送装置30により給送されたシートSは、シート搬送手段となる搬送ローラ対4,5によって画像形成手段となる像担持体としての感光体ドラム7と転写ローラ6との間のトナー画像転写部8へと送られる。
【0024】
一方、感光体ドラム7は図1の時計回り方向に回転しており、帯電器9によって一様に帯電された後、画像信号に基づいてレーザスキャナ22から発射された選択的なレーザ光によって露光され、感光体ドラム7の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器10によってトナー画像が形成されて顕像化される。
【0025】
感光体ドラム7上に形成されたトナー画像は、転写ローラ6によって電気的に引きつけられることによって、トナー画像転写部8を通過するシートSの印字面(図1の上面)に順次転写され、トナー画像が形成される。
【0026】
トナー画像が形成されたシートSは、定着装置15の加熱手段13と、これに圧接する加圧ローラ14とのニップへ導かれ、シートSがニップを通過する過程でシート面に転写されたトナー画像は加熱及び加圧されてシート面に定着される。
【0027】
定着装置15を通過したシートSは分離ガイド17によって加圧ローラ14から分離された後、排出ローラ対18,19によって搬送されて排出トレイ20上へ排出される。
【0028】
次に図2〜図8を用いて第1実施形態の構成について詳細に説明する。図2は第1実施形態のシート給送装置に装備される給送回転体となる給送ローラ50の構成を示す斜視図である。
【0029】
図2において、駆動軸51に固定されている給送回転体コアとなる給送ローラコア52の外周形状は、その断面形状において一部が円弧部に形成された円筒形状と、一部が該円弧部よりも中心寄りにある直線部に形成された平面形状とを有して略半月形状で形成されており、駆動軸51に支持されて該駆動軸51によって回転駆動される。
【0030】
そして、給送時に給送ローラ50が回転したときのみ該給送ローラ50がシートSに当接するよう構成されている。
【0031】
給送ローラコア52の両端部には円形のフランジ部52bが設けられており、該給送ローラコア52の外周の平面形状部には、図3に示すシート状の高摩擦部材101を固定する固定手段となるボス52aが設けられている。
ボス52aの高さは円形のフランジ部52bよりも外側へ飛び出さないような高さとなっている。従って、給送ローラ50が回転してもボス52aが他の部品やシートSに干渉することはない。
【0032】
一方、この参考実施形態として示す高摩擦部材101は、図3R>3に示すように、ゴム材からなる帯状の部材であり、その長辺両端部には、給送ローラコア52の外周長に応じた距離に設定された固定手段となる2組の穴部101a,101b、及び穴部101p,101qが設けられている。
【0033】
シート状の高摩擦部材101は、その一端の穴部101a、若しくは穴部101pが選択的に給送ローラコア52のボス52aに差し込まれた後、該給送ローラコア52の外周に巻き付けられ、他端の穴部101b、若しくは穴部101qが更にボス52aに差し込まれることで固定されている。図2はボス52aに穴部101a,101bが差し込まれて固定された様子を示す。
【0034】
このとき、高摩擦部材101の外周の円筒面は給送ローラコア52のフランジ部52bの外周よりも適当な量だけ突出し、適当なニップ幅を得られるようになっている。
【0035】
図3は給送ローラコア52から外して展開した高摩擦部材101を示す。上述したように、高摩擦部材101には給送ローラコア52への取り付けのための1組の穴部101a,101bが設けられていると共に、該穴部101a,101bから等間隔にオフセットした位置に設けられた別の1組の穴部101p,101qが設けられている。
【0036】
この構成により、高摩擦部材101は給送ローラコア52に対して複数の位置で固定可能とされており、例えば、穴部101a,101bをボス52aに差し込んで高摩擦部材101を固定した給送ローラ50の耐久が進み、該高摩擦部材101が部分的に磨耗して十分な給送性能が得られなくなった際に、該高摩擦部材101を一旦取り外し、穴部101p,101qをボス52aに差し込んで高摩擦部材101を固定することで、磨耗位置を移動させて給送性能を維持して使うことが出来る。
【0037】
高摩擦部材101の表面は、図4及び図5に示したような種々の加工を施したものが適用可能である。図4(a)は高摩擦部材101の表面を研磨したものであり、図4(b)は高摩擦部材101の表面に回転軸方向に細い溝を設けたローレット加工を施したものであり、図5は高摩擦部材101の表面に500μm以下の微細な突起を等間隔に配置して設けた微細突起部101cを有する表面微細加工を施したものである。
【0038】
また、上記各種の表面加工はシート状の高摩擦部材101の表裏両面に施されており、第1面が磨耗して充分な給送性能を発揮することが出来なくなった際に、一旦取り外して裏返して使うことが出来る。即ち、本実施形態の高摩擦部材101は、その表裏両面に上記各種の表面加工が施され、表裏両面が裏返して取り付け可能に構成される。
【0039】
従って、高摩擦部材101の片面が磨耗した際に、一旦高摩擦部材101を取り外し、反対側の面を表面にして取り付けることで再び所定の給送性能を得ることが出来、、ユーザが交換用の給送回転体を購入する頻度を低減させることが出来る。
【0040】
図6は本参考実施形態の高摩擦部材101の給送ローラコア52に対する着脱方法を示した図である。以下、図6に沿って高摩擦部材101の着脱方法について説明する。先ず、高摩擦部材101を給送ローラコア52に取り付ける際には、図6(a)に示すように、給送ローラコア52に設けられたボス52aに高摩擦部材101の一端の穴部101aを差し込み、図6(b),(c)に示すように、給送ローラコア52を図6の反時計回り方向に回転させて高摩擦部材101を給送ローラコア52の外周に巻き付け、図6(d),(e)に示すように、高摩擦部材101の他端の穴部101bを給送ローラコア52のボス52aに差し込む。
【0041】
また、これと全く逆の手順で高摩擦部材101を給送ローラコア52から取り外すことが出来る。
【0042】
図5に示した表面微細加工を施した高摩擦部材101は、図7に示すように、矢印A方向に回転してシートSと接する表面に圧力を受けたときに微細突起部101cが容易に倒されるため、ソリッドな部材に比べて簡単に相手部材となるシートSとの接触面を作り出すことが出来る。
【0043】
従って、表面微細加工を用いた高摩擦部材101はニップ幅を稼ぐために部材の厚さを増やす必要がなく、表面微細加工を施していないものに比べて、厚さが薄い部材でも同等のニップ幅、同等の給送性能を得ることが出来る。従って、高摩擦部材101の厚さを薄くすることが出来て、高摩擦部材101の曲げ弾性を減らせて、取り付け作業を容易にすることが出来る。
【0044】
このように、表面微細加工を施した高摩擦部材101は通常の表面加工の部材に比べて薄く構成出来、曲げる方向の弾性力が小さく出来る。従って、図6に示した高摩擦部材101の取り付けの工程において、該高摩擦部材101を給送ローラコア52に巻き付ける作業を容易に行なうことが出来る。
【0045】
また、図5に示すような表面微細加工を施した高摩擦部材101は、図8に示したように矢印A方向に回転させて給送を繰り返した場合、微細突起部101cの片面側(磨耗面)101c1だけが集中的に磨耗する。従って、磨耗して所定の給送性能が得られなくなった場合、取り付け向きを180°反転させて逆向きにすることで、再び所定の給送性能を発揮することが出来る。
【0046】
以上の構成により、従来のように、給送ローラ50の交換時に、磨耗、劣化等のダメージを受けていない給送ローラコア52まで共に交換することなく、高摩擦部材101のみを交換することが出来る。
また、高摩擦部材101が磨耗した場合、磨耗部を移動させて使い、更に裏面を使うことが出来、図5R>5に示すような表面微細加工した高摩擦部材101に関しては更に180°反転させて逆向きに取り付けることにより、まだ使える要素の残っている高摩擦部材101を捨てることなく有効に使い切ることが出来る。
【0047】
実施形態)
次に図9〜図11を用いて本発明に係るシート給送装置の実施形態について説明する。図9は本発明に係るシート給送装置の実施形態構成を示す斜視図、図10は実施形態に用いられる高摩擦部材の構成を示す斜視図、図11は実施形態における高摩擦部材の着脱方法を説明する図である。尚、前記実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
図9において、本実施形態では、給送ローラ50の駆動軸51に固定されている給送ローラコア52の外周形状は、その断面形状が一部が円弧部の円筒形状と、一部が該円弧部よりも中心寄りにある直線部からなる平面形状で形成されており、給送時に給送ローラ50が回転したときのみ該給送ローラ50がシートSに当接するように構成されている。
【0049】
また、給送ローラコア52の両端部には略円形のフランジ部52bが設けられており、該フランジ部52bには、図10に示すシート状の高摩擦部材101を取り付けるための固定手段となる切り欠き部52c,52dが設けられている。
【0050】
一方、本実施形態の高摩擦部材101は、ゴム材からなる帯状の部材であり、その長辺両端部には、給送ローラコア52の外周長に対応する距離に設定された2組の穴部101a,101b、及び穴部101p,101qが設けられている。
【0051】
シート状の高摩擦部材101の両端部には該高摩擦部材101を給送ローラコア52に取り付けるための固定手段となるアダプタ106が設けられており、該アダプタ106に設けられた固定手段となるボス106bが高摩擦部材101の両端部に設けられた固定手段となる穴部101a,101b、或いは穴部101p,101qに差し込んで固定されている。
【0052】
また、アダプタ106には、シート状の高摩擦部材101を給送ローラコア52の外周に巻き付けてフランジ部52bに設けられた固定手段となる切り欠き部52c,52dに該アダプタ106を引っ掛けるための突起部106aが設けられている。
【0053】
例えば、初め、アダプタ106のボス106bは高摩擦部材101の穴部101a,101bに差し込んで取り付けられているが、給送ローラ50の耐久が進み、高摩擦部材101が部分的に磨耗して十分な給送性能が得られなくなった際に、アダプタ106のボス106bを穴部101a,101bから引き抜いて高摩擦部材101を一旦取り外し、該高摩擦部材101の穴部101p,101qにアダプタ106のボス106bを差し込んで取り付けることで、磨耗位置を移動させて使うことが出来る。
【0054】
このように、給送ローラ(給送回転体)50が偏磨耗し、所定の給送性能を得ることが出来なくなった際に、一旦高摩擦部材101を取り外し、別の位置にある高摩擦部材101の固定手段を用いて該高摩擦部材101の給送ローラコア(給送回転体コア)52に対する位置を変更することで再び所定の給送性能を得ることが出来、ユーザが交換用の給送回転体を購入する頻度を低減させることが出来る。
【0055】
高摩擦部材101は、その一端のアダプタ106の突起部106aが給送ローラコア52の切り欠き部52cに嵌合し、該給送ローラコア52の外周に巻き付けられ、他端のアダプタ106の突起部106aが該給送ローラコア52の切り欠き部52dに嵌合することで固定されている。
【0056】
本実施形態のシート状の高摩擦部材101はゴム材等の伸縮可能な材料で構成されており、給送ローラコア52の一方の切り欠き部52cに高摩擦部材101の一端部のアダプタ106の突起部106aを嵌合して係止し、該給送ローラコア52の外周に沿って高摩擦部材101を伸張させた状態で巻き付けて該高摩擦部材101の他端部のアダプタ106の突起部106aを給送ローラコア52の他方の切り欠き部52dに嵌合することで、伸張した高摩擦部材101が収縮して該アダプタ106の突起部106aが切り欠き部52dに係止される。
【0057】
このとき、高摩擦部材101の外周の円筒面は給送ローラコア52のフランジ部52bの外周よりも適当な量だけ突出し、適当なニップ幅を得られるようになっている。
【0058】
高摩擦部材101の表面は、前記第1実施形態と同様に、表面を研磨したもの、ローレット加工したもの、表面微細加工を施したものを用いることが出来る。また、第1実施形態と同様に、上記表面加工は高摩擦部材101の表裏両面に施されており、第1面が磨耗して充分な給送性能を発揮することが出来なくなった際に、高摩擦部材101を一旦取り外して裏返して使うことが出来る。
【0059】
図11は本実施形態の高摩擦部材101の着脱方法を説明する図であり、図11に沿って本実施形態の高摩擦部材101の着脱方法について詳細に説明する。先ず、高摩擦部材101の取り付け時は、図11(a)に示すように、給送ローラコア52のフランジ部52bに設けた一方の切り欠き部52cに高摩擦部材101の一端のアダプタ106の突起部106aを引っ掛け、図11(b),(c)に示すように、給送ローラコア52を図11の反時計回り方向に回転させて高摩擦部材101を給送ローラコア52の外周に巻き付け、図11(d),(e)に示すように、高摩擦部材101の他端のアダプタ106の突起部106aを給送ローラコア52のフランジ部52bの他方の切り欠き部52dに差し込む。
【0060】
また、これと全く逆の手順で高摩擦部材101を給送ローラコア52から取り外すことが出来る。
【0061】
上記の構成により、従来のように給送ローラ50の交換時に、磨耗、劣化等のダメージを受けていない給送ローラコア52まで共に交換することなく、高摩擦部材101と最小限の部材のみの交換で済ますことが出来る。
【0062】
また、高摩擦部材101が磨耗した場合、例えば、アダプタ106のボス106bを高摩擦部材101の一方の組みの穴部101a,101bから外して、他方の組みの穴部101p,101qに差し替えることで磨耗位置を移動させて使用することが出来、更には、高摩擦部材101を裏返して使用することが出来、図5に示したような表面微細加工を施した高摩擦部材101に関しては、更に180°反転させて逆向きに取り付けることにより、まだ使える要素の残っている高摩擦部材101を捨てることなく、有効に使い切ることが出来る。
【0063】
また、本実施形態では高摩擦部材101の両端部にアダプタ106を介在させて給送ローラコア52に取り付ける構成としたことで、高摩擦部材101の交換を容易に行うことが出来る。
【0064】
前述した実施形態では、シート給送装置を画像形成装置に用いた例を示したが、画像形成装置に限らず、他のシート供給装置を有する装置、例えば原稿を給送してその情報を読取る画像読取手段を有するスキャナ等の画像読取装置に用いてもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、高摩擦部材が磨耗、劣化し、交換を要するときには高摩擦部材だけを交換してそれに付帯する部材はそのまま継続使用ができ、無駄な交換部品を削減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート給送装置を装備した画像形成装置の構成を示す断面説明図である。
【図2】シート給送装置の参考実施形態の構成を示す斜視図である。
【図3】参考実施形態に用いられる高摩擦部材の一例を示す斜視図である。
【図4】参考実施形態に用いられる表面研磨した高摩擦部材及びローレット加工した高摩擦部材の一例を示す斜視図である。
【図5】参考実施形態に用いられる表面微細加工を施した高摩擦部材の一例を示す斜視図である。
【図6】参考実施形態における高摩擦部材の着脱方法を説明する図である。
【図7】参考実施形態において図5に示す表面微細加工を施した高摩擦部材が圧を受けた状態を示す図である。
【図8】図5に示す表面微細加工を施した高摩擦部材の磨耗状態を示す断面説明図である。
【図9】本発明に係るシート給送装置の実施形態の構成を示す斜視図である。
【図10】実施形態に用いられる高摩擦部材の構成を示す斜視図である。
【図11】実施形態における高摩擦部材の着脱方法を説明する図である。
【図12】従来例を説明する図である。
【図13】従来例を説明する図である。
【符号の説明】
A…画像形成装置、S…シート、1…給送トレイ、2…中板、3…分離パッド、4,5…搬送ローラ対、6…転写ローラ、7…感光体ドラム、8…トナー画像転写部、9…帯電器、10…現像器、13…加熱手段、14…加圧ローラ、15…定着装置、18,19…排出ローラ対、20…排出トレイ、22…レーザスキャナ、30…シート給送装置、50…給送ローラ、51…駆動軸、52…給送ローラコア、52a…ボス、52b…フランジ部、52c,52d…切り欠き部、101…高摩擦部材、101a,101b…穴部、101c…微細突起部、101c1…片面側(磨耗面)、101p,101q…穴部、106…アダプタ、106a…突起部、106b…ボス

Claims (6)

  1. 断面形状が円弧部と該円弧部よりも中心寄りにある直線部とからなる略半月形状で形成され、駆動軸に支持されて該駆動軸によって回転駆動される給送回転体コアと、
    前記給送回転体コア外周に巻き付けられるシート状の高摩擦部材と、
    前記給送回転体コアの両端部に設けられたフランジ部と、
    前記フランジ部に設けられ、前記シート状の高摩擦部材を前記給送回転体コアに固定する固定手段となる2つの切り欠き部と、を有し、
    前記シート状の高摩擦部材の一端に設けられたアダプタと、他端に設けられたアダプタと、をそれぞれ前記2つの切り欠き部に引っ掛けることで、前記シート状の高摩擦部材が前記給送回転体コアに巻き付けられた状態で固定されることを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記高摩擦部材の表面には、500μm以下の微細な突起が配置された表面微細加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記高摩擦部材は、その表裏両面に表面研磨、ローレット加工、または500μm以下の微細な突起が配置される表面微細加工のうちの少なくとも1つが施されたことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  4. 前記高摩擦部材は、前記給送回転体コアに対して、表裏両面を裏返して取り付け可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  5. 前記シート状の高摩擦部材は伸縮自在な材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシート給送装置。
  6. シートに画像を形成する画像形成手段又はシート原稿の画像を読取る画像読取手段を有し、前記画像形成手段又は前記画像読取手段へのシートを給送する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシート給送装置を有することを特徴とする画像処理装置。
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