JP3893098B2 - 吸収性物品 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、両側部に立体ギャザーを形成して、人体に装着して両側からの排泄物の漏れを防止する、使い捨て紙おむつ、尿取りパッド、生理用ナプキンなどの吸収性物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のこの種の吸収性物品としてのパンツ型紙おむつは、図８，９に示すように、透液性のトップシート１と、ポリエチレンなどのプラスチックフィルムなどからなる不透液性のバックシート２との間に、綿状パルプを主体とする吸収体３をティシュ４で包み、さらに、バックシート２の外側に不織布などからなる本体バックシート５を重ね、加えて、吸収体３の両側部には、吸収体３の長手方向に、直線状に立体ギャザー６を設ける。この立体ギャザー６には、長手方向に沿って糸ゴムなどの弾性部材を内在する。そして、図示のように配置して、ホットメルト接着剤などによりそれぞれを接着して一体化してなる。
【０００３】
次に、フラップ部７Ａ、７Ｃの側部７ａ，７ｃ、フラップ部７Ｂ、７Ｄの側部７ｂ，７ｄをそれぞれ熱融着により接合することによって、パンツ型紙おむつを形成すると、胴回り端部８Ａ，８Ｂによって形成される胴回り開口部と、脚回り凹部９Ａと脚回り凹部９Ｂによってそれぞれ形成される２つの脚回り開口部が形成される。そして、内在した弾性部材が縮んで立体ギャザー６がトップシート１側に起立する。
【０００４】
このように構成されたパンツ型紙おむつを使用するときは、胴回り開口部より２つの脚回り開口部に向かってそれぞれ左右の足を挿入して、股間部に透液性トップシート１の中央部をあてるようにして装着すると、起立した立体ギャザー６が装着者の脚回りにフィットし、尿や軟便などの排泄物の横漏れを防止する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のパンツ型紙おむつでは、図９に示すように、立体ギャザー６は、端部６Ａにおいてトップシート１上にホットメルト接着剤などで接着されているので倒れた状態となっており、起立した部分との間に隙間ができてしまう。そして、特に就寝時など横になった際に、排泄物が臀部を伝って腰部に達し、寝返りを打ったときなどに端部６Ａから排泄物が横漏れするという問題がある。
【０００６】
そこで、この発明の目的は、横漏れしない吸収性物品を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項１に記載の発明は、両側部に立体ギャザーを形成して、人体に装着して両側からの排泄物の漏れを防止する吸収性物品において、排泄物を吸収する補助吸収体を帯状につくり、その両端を各々、前記立体ギャザーの端部上に配置し、前記補助吸収体の、前記立体ギャザーの前記端部上にない部分に、不透液性部材を介在してなることを特徴とする。
【０００８】
したがって、吸収体で吸収できずにトップシート上を流れ臀部を伝って腰部に達し、立体ギャザーの端部に達した排泄物を補助吸収体で吸収することができ、横漏れしない吸収性物品を提供することができる。
特に就寝時など横になった際に、排泄物が臀部を伝って腰部に達した際に、補助吸収体が吸収し、腰まわりからの漏れを防止することができる。
また、補助吸収体の、立体ギャザーの端部上にない部分において、吸収体と補助吸収体との間に不透液性部材を備えるので、吸収体が吸収した排泄物が補助吸収体に浸透することがなく、吸収体に吸収されずにトップシート上を臀部を伝って腰部に達した排泄物のみを補助吸収体が吸収し、より効果的に、腰まわりからの漏れを防止することができる。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の吸収性物品において、前記補助吸収体がシートに覆われていることを特徴とする。
【００１０】
したがって、補助吸収体を一体化して、立体ギャザーへの取り付けを容易にすることができる。
【００１５】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の吸収性物品において、前記補助吸収体に高分子吸収ポリマーを散在させたことを特徴とする。
【００１６】
したがって、高分子吸収ポリマーが排泄物を吸収して膨潤するので、吸収体に吸収されずにトップシート上を臀部を伝って腰部に達した排泄物をブロックして、腰まわりからの漏れを一層防止することができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態につき説明する。図１、２には、吸収性物品の一例としてのパンツ型紙おむつを示す。パンツ型紙おむつは、不織布などからなる本体バックシート１５の上に、ポリエチレンなどのプラスチックフィルムなどからなる不透液性のバックシート１２を重ね、その上に、綿状パルプに高分子吸収ポリマーを散在させた吸収体１３をティシュ１４で包んで重ねる。そして、その上から不織布などからなる透液性のトップシート１１をバックシート１２と本体バックシート１５との間に巻き込むように被せる。
【００１８】
さらに、吸収体１３の両側部Ｓに、吸収体１３の長手方向に、立体ギャザー１６を直線状に設ける。この立体ギャザー１６は、不透液性の不織布などで形成され、長手方向に沿って糸ゴムなどの弾性部材１６Ａを内在する。そして、それぞれをホットメルト接着剤などにより貼り合せて一体化してなる。なお、本体バックシート１５には、長手方向の両端において左右にフラップ部１７Ａ，１７Ｂ，１７Ｃ，１７Ｄを延出させる。
【００１９】
そして、フラップ部１７Ａの側部１７ａとフラップ部１７Ｃの側部１７ｃ、フラップ部１７Ｂの側部１７ｂとフラップ部１７Ｄの側部１７ｄをそれぞれ熱融着により接合してパンツ型紙おむつを形成すると、図３に示すように、胴回り端部１８Ａ，１８Ｂにより胴回り開口部２０が、脚回り凹部１９Ａと脚回り凹部１９Ｂにより、２つの脚回り開口部２１がそれぞれ形成される。また、立体ギャザー１６に内在した弾性部材１６Ａが縮んで、立体ギャザー１６がトップシート１１側に起立する。
【００２０】
このように構成されたパンツ型紙おむつを装着して使用するときは、胴回り開口部２０より２つの脚回り開口部２１に向かってそれぞれ左右の足を挿入して、股間部にトップシート１１のほぼ中央部１１ａをあてるようにして装着する。すると、起立した立体ギャザー１６が、装着者の脚回りにフィットし、尿や軟便などの排泄物がパンツ型紙おむつの両側から横漏れするのを防止する。
【００２１】
ところで、この例のパンツ型紙おむつでは、立体ギャザー１６の端部２４がトップシート１１上にホットメルト接着剤などで接着されて倒れた状態となっており、その端部２４上に透液性シート（シート）２５に覆われた補助吸収体２６を備える。この補助吸収体２６は、綿状パルプに高分子吸収ポリマーを散在させた直方体状であり、必要に応じて適宜、ティシュなどに覆い、さらに補助吸収体２６の形状に沿うように透液性シート２５で覆った後、底面を端部２４にホットメルト接着剤などで固定する。
【００２２】
この例のパンツ型紙おむつは、このように構成されているので、就寝時など横になった際に、排泄物が臀部を伝って腰部に達し、寝返りを打ったときなどに立体ギャザー１６の端部２４に達したとしても、そこには従来の隙間をなくすように補助吸収体２６を設けて、排泄物を吸収するので、尿や軟便などの排泄物の横漏れを防止できる。また、補助吸収体２６には、高分子吸収ポリマーが散在しているので、排泄物を吸収した後、膨潤してその後の排泄物が横漏れするのをブロックし、一層、横漏れを防止することができる。
【００２３】
さらに、補助吸収体２６は、端部２４において、その底面を透液性シート２５を介して不透液性の立体ギャザー１６に接着固定されているので、立体ギャザー１６の下にトップシート１１を介して備えられている吸収体１３の吸収した排泄物を吸収することがない。
【００２４】
なお、この例では、立体ギャザー１６の４箇所の端部２４に補助吸収体２６を設けたが、この発明はこれに限定されるものではなく、図４に示すように、胴回り端部１８Ａ側の２箇所の端部２４にのみ設けてもよいし、図５に示すように、胴回り端部１８Ｂ側の２箇所の端部２４にのみ設けてもよい。
【００２５】
ところで、補助吸収体２６は、図６に示すように、帯状につくって、その両端を、各々、立体ギャザー１６の端部２４上に配置してもよい。このとき、図７に示すように、補助吸収体２６の、立体ギャザー１６の端部２４上にない部分、すなわち、補助吸収体２６がトップシート１１上に設けられる部分には、不透液性シート（不透液性部材）２８を介在して、補助吸収体２６を備えるようにする。
【００２６】
このように構成されたパンツ型紙おむつは、就寝時など横になった際に、排泄物が臀部を伝って腰部に達したとしても、透液性シート２５を介して補助吸収体２６が吸収し、腰まわりからの漏れを防止することができる。また、補助吸収体２６には、高分子吸収ポリマーが散在しているので、排泄物を吸収した後、膨潤してその後の排泄物が横漏れするのをブロックし、一層、横漏れを防止することができる。
【００２７】
さらに、補助吸収体２６の、立体ギャザー１６の端部２４上にない部分において、不透液性シート２８を介在して補助吸収体２６をトップシート１１上に備えるので、吸収体１６が吸収した排泄物を補助吸収体２６に浸透させることがなく、吸収体１６に吸収されずにトップシート１１上を胴回り開口部２０の方に向かって流れた排泄物のみを吸収することができる。
【００２８】
なお、上述の例では、吸収性物品の一例としてパンツ型紙おむつについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、展開型紙おむつ、尿取りパッド、生理用ナプキンなど立体ギャザーを有するあらゆる吸収性物品に適用することができる。
【００２９】
【発明の効果】
したがって、この発明によれば、就寝時など横になった際に、排泄物が臀部を伝って腰部に達し、寝返りを打ったときなどに立体ギャザーの端部に達したとしても、補助吸収体によって吸収することができ、横漏れしない吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 吸収性物品の一例としてのパンツ型紙おむつの展開図である。
【図２】 図１のＸ−Ｘ断面図である。
【図３】 その使用状態での斜視図である。
【図４】 パンツ型紙おむつの他例の展開図である。
【図５】 そのさらに他例の展開図である。
【図６】 この発明の吸収性物品の一例としてのパンツ型紙おむつの展開図である。
【図７】 そのＹ−Ｙ断面図である。
【図８】 従来のパンツ型紙おむつの展開図である。
【図９】 そのＺ−Ｚ断面図である。
【符号の説明】
１６ 立体ギャザー
２４ 端部
２５ 透液性シート（シート）
２６ 補助吸収体
２８ 不透液性シート（不透液性部材）
Ｓ 側部

Claims (3)

1. 両側部に立体ギャザーを形成して、人体に装着して両側からの排泄物の漏れを防止する吸収性物品において、
   排泄物を吸収する補助吸収体を帯状につくり、その両端を各々、前記立体ギャザーの端部上に配置し、前記補助吸収体の、前記立体ギャザーの前記端部上にない部分に、不透液性部材を介在してなることを特徴とする、吸収性物品。
2. 前記補助吸収体がシートに覆われていることを特徴とする、請求項１に記載の吸収性物品。
3. 前記補助吸収体に高分子吸収ポリマーを散在させたことを特徴とする、請求項１または２に記載の吸収性物品。

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