JP3892530B2 - 木質材の寸法安定化処理方法 - Google Patents

木質材の寸法安定化処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は木質材の寸法安定化処理方法に関し、特に、木質材の内部に高圧水蒸気を供給することにより木質材の寸法安定性を向上させるようにした木質材の処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材は水分の吸放出により膨潤又は収縮する。このことは無垢の挽き板、木材薄板(厚さ0.2mm〜10mm程度)やパーティクルボード、MDF(中質繊維板)、OSB(配向性ストランドボード)等でも同様である。建築用あるいは家具用材料として木質材を用いる場合には、環境により木質材が膨潤又は収縮することは好ましくなく、環境に左右されない寸法安定性を持つことが望まれる。
【0003】
そのための対策として、プレス盤で木質材を上下に挟持してオートクレーブ内に入れ、高圧水蒸気で数分間処理して木質材の寸法安定化を図る方法等が行われている。しかし、この方法は設備が大がかりであることに加え、木質材内部(中央部)への高圧水蒸気の浸透が難しく、木質材の中央部と周辺部での処理状態が異なる場合が生じる。
【0004】
本出願人は、その不都合を解消すべく多くの実験と研究を行い、従来の木材処理で用いられる熱盤を持つ平盤プレスの熱盤間に処理すべき木質材を配置し、さらにその周囲に弾性シリコン材等の弾性密封材料と、さらにその周囲にステンレス材等の材料で作られる厚さ規制治具であって処理すべき木質材の厚みと同じか幾分低い高さである厚さ規制治具とを配置し、プレス盤の移動により密封して密封空間を形成し、該密封空間内に上下の熱盤に設けた蒸気供給孔から高圧水蒸気を供与して高圧水蒸気による木質材の寸法安定化を図る方法を提案した(特開平6−238616号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平6−238616号公報に記載の処理方法は、木材の圧締や複合材の製造に用いられる通常の熱盤を持つ平盤プレスを用いて行うことができ、木質材の寸法安定化処理が簡素化される利点を有する。本発明者らは、上記処理方法による木質材の寸法安定化を実施していく過程において、木質材の比重や厚さ・大きさ、その表面状態等によっては、木質材の内部に高圧水蒸気が均一に供与されず、その結果、所期の寸法安定性が達成されない場合があることを経験した。また、弾性密封材料と熱盤との間の密封度が不均一となり、密封度の低い箇所から高圧水蒸気が一部外部に漏れ出る場合があった。
【0006】
本発明の目的は、前記の木質材の寸法安定化処理方法をさらに改良することにあり、より具体的には、供給する水蒸気が木質材内部まで確実に透過して均一に供給されるようにし、それにより、木質材の種類によらず常に高い寸法安定性が付与されるようにした寸法安定化処理方法を提供することにある。また、本発明の目的は、熱盤間の空間から水蒸気が漏れ出るのを防止し、安定した処理を継続して行ない得るようにした寸法安定化処理方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、より短い処理時間で高い寸法安定性が達成できる処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、基本的に、上下のプレス盤の間に、処理すべき木質材の当初厚みよりも広い高さを持つ密封空間を形成し、該密封空間内に木質材を配置した後、該密封空間を減圧し、該減圧された密封空間内に高圧水蒸気を供給して該木質材に高圧水蒸気処理による寸法安定化処理を施すことを特徴とする木質材の寸法安定化処理方法を開示する。本発明において、処理すべき木質材に特に制限はなく、単板等の無垢材だけでなくMDF、ウエハーボード、OSBやパーティクルボード等の木質加工材料も処理可能である。
【0008】
密封空間は、木材の圧締や複合材の製造に従来用いられる平盤プレスのプレス盤間に形成される。また、プレス盤を用いる場合に、熱源を有するもの、有しないもののいずれであってもよい。プレス盤が外部に連通する多数の細孔を有するものである場合には、一方のプレス盤の該細孔を従来公知の高圧水蒸気発生源に適宜の配管及び弁手段等を介して接続し、他方のプレス盤の細孔を従来公知の好ましくは耐熱性の真空ポンプ等の真空引き源にやはり適宜の配管及び弁手段等を介して接続する。好ましくは、真空引き側の配管には吸引ブロアーが配置される。それにより、プレス盤を介して木質材を収容した密封空間内を真空引きして減圧状態とし、かつ、高圧水蒸気を供給することが可能となる。上下のプレス盤双方の細孔を共に真空引き源と高圧水蒸気源とに切り替え自在に接続し、上下のプレス盤から同時に真空引きを行い、所定の減圧状態に到達した時点で、真空引き源から高圧水蒸気源側に切り替え、上下のプレス盤から同時に高圧水蒸気の供給を行うようにしてもよい。
【0009】
水蒸気の供給及び真空引きの他の方法として、上下のプレス盤と木質材との間に、上下面及び側面に多数の細孔を有しかつ耐圧性、耐熱性を有する別部材を配置して行なうようにしてもよい。その場合には、該別部材に形成した細孔を前記プレス盤に形成した細孔の場合と同様にして、蒸気発生源及び/又は真空引き源に接続する。それにより、前記別部材の細孔を介して密封空間の減圧と高圧水蒸気の供給が可能となる。この種の別部材の好ましい態様は処理すべき木質材を収容できる内部空間を持つ箱状部材と該内部空間を密閉する蓋部材とから構成される。
【0010】
本発明において、処理すべき木質材は、その当初厚みよりもわずかに広い高さを持つ密封空間内に配置される。従って、木質材表面と密封空間の天面との間には所要の隙間が形成される。そのために、密封空間内に噴出する高圧水蒸気の木質面への分散化が可能となり、均一な水蒸気供与が期待できる。また、密封空間内の真空引きも容易となる。この隙間は木質材に対する高圧水蒸気処理の進行による膨張によって埋められる。
【0011】
メッシュの小さい網状体、例えば金網を、木質材の上下面又はいずれかの面に配置するか、あるいは、密封空間の上下の内面の双方又はいずれかの面に取り付けた状態で、上記処理を行うことも可能であり、その場合には、前記隙間が埋まってしまうのを確実に阻止することができるので、供給される高圧水蒸気の分散が一層良好となり、短時間でのかつ均一な処理が可能となる。
【0012】
2枚のプレス盤間に密封空間を形成する好ましい態様では、木質材の周囲に、その当初厚みよりもわずかに高い高さを持つ厚さ規制治具を配置する。厚さ規制治具の材料は必要な剛性と耐熱性を持つ部材であればよく、アルミ材、ステンレス材等が好ましく用いられる。前記のように、別部材として箱状部材と蓋部材とからなるものを用いる場合には、それ自体で厚さ(高さ)が規制された密封空間を形成することが可能であり、厚さ規制治具を用いることは必ずしも必要でない。この場合には、例えば、上下のプレス盤間の距離を測定し、該測定値に基づきプレス盤の移動距離を所望距離に制御するような手段によって、木質材の当初厚みよりもわずかに広い高さを持つ密封空間を内部に形成することが可能である。
【0013】
また、厚さ規制治具を配置する場合、この厚さ規制治具の内面側に多くの細孔を形成し、該細孔を高圧水蒸気発生源及び/又は真空引き源に接続するようにしてもよい。この場合には、該厚さ規制治具の側面からの真空引き及び高圧水蒸気の供給が可能となり、寸法安定化処理方法の一層の均質化と迅速化が確保される。
【0014】
2枚のプレス盤間に密封空間を形成する場合、木質材の厚さよりも幾分高さの高い弾性密封材料を、厚さ規制治具と共に配置することは有効である。該弾性密封材料としては、プレス盤あるいは前記別部材から噴出する高圧水蒸気を外方に漏出しないだけの密封機能を持ちかつ耐熱性と圧縮性のある材料であれば使用可能であるが、シリコン弾性パッキン材は特に好ましい。この場合に、好ましくは前記厚さ規制治具は弾性密封材料の外側に配置する。
【0015】
2枚のプレス盤間に密封空間を形成する場合、必要に応じてプレス盤を熱源により加熱した状態で、上下のプレス盤を接近させ、2枚のプレス盤(又は別部材)の間に木質材を収容する。その状態では、前記のように木質材表面と密封空間の天面との間にはわずかな隙間が形成されるので、真空ポンプ等の真空引きもスムースに進行する。好ましくは、60〜750mmHg程度に減圧した状態となった時点で、密封空間内に飽和水蒸気又は過熱水蒸気(飽和水蒸気より高い温度の水蒸気)を噴出する。この時点では真空ポンプ等の真空引き手段は停止させてもよく、停止せずに真空引きを継続した状態で高圧水蒸気の供給を行ってもよい。いずれの場合でも、細孔から木質材に向けて噴出される高圧水蒸気は木質材の表面及び周囲から短時間で木質材の内部にまで侵入し、等しくかつ均一に行き渡る。その結果、寸法安定化処理が全域にわたり迅速に進行する。また、減圧状態とされていることにより、高圧水蒸気の外部への放出が抑制され、蒸気のロスを無くすことができる。さらに、前記のようにして減圧状態とされた密封空間内に高圧水蒸気を所定量供給した後に、再び真空引きをしながら高圧水蒸気の供給を行うようにしてもよく、この場合には、高圧水蒸気の有効利用と共に処理の迅速化が可能となる。
【0016】
なお、処理条件は対象となる木質材の種類及び寸法等によって実験的に最適値が定められるが、高圧水蒸気の圧力は数kgf/cm2 〜30kgf/cm2 、温度は150℃〜230℃程度が好ましい。
【0017】
所定の高圧水蒸気の噴出を終えた後にすぐに高圧水蒸気を大気に解放して解圧を行なってもよく、しばらく所定時間放置してから高圧水蒸気を大気に解放して解圧を行ってもよい。解圧は一定時間をかけて徐々に行うようにしてもよく、また熱盤に冷却水を供給していわゆるコールドの状態で行ってもよい。実験によれば徐々に解圧を行う場合よりもコールド状態で解圧を行う場合のほうが得られた最終製品の寸法変化率は小さくかつ表面状態も滑らかなものであった。
【0018】
高圧水蒸気処理を施す木質材として、予め加熱されて昇温しかつ自然乾燥状態よりも含水率が低くされた木質材を用いることもできる。この場合には、高圧水蒸気処理が開始する温度までに木質材が昇温する時間は短縮され、また、木質材の含水率分の水蒸気化に要する供給高圧水蒸気のエネルギーの量を低減できる。それにより、高圧水蒸気処理でのエネルギーの損失は回避され、密封空間内の寸法安定化処理に要する時間も短縮される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明をさらに詳細に説明する。図1は本発明の木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置の一例を示している。図において、1a、1bは、従来の木材処理で用いられる平板プレスに装着されると同様のプレス盤であり、それぞれに熱源としてのヒータ2a、2bが設けられ、さらに、処理すべき木質材Wと対向することとなる表面部分には多数の細孔3a、3bが形成されている。上方のプレス盤1aに形成された細孔3aは配管4a及び開閉弁Vを介して高圧水蒸気発生源Sに接続しており、下方のプレス盤1bに形成された細孔3bは配管4bを介して真空ポンプVPに接続している。真空ポンプに変えてブロアー(図1には示されない)を用いてもよい。さらに、上方のプレス盤1aには、処理しようとする木質材Wの当初厚さよりも高さが若干高い、好ましくは、1mm程度高さの高い厚さ規制治具10が図示しない適宜の固定手段によって取り付けられている。なお、11は密封を保持するために該厚さ規制治具10の上縁及び下縁に設けた弾性パッキンである。
【0020】
この装置を用いて本発明による処理方法を実施するに際しては、まず、処理材として平板状の木質材Wを下方のプレス盤1b上の、好ましくは細孔3bが形成されている位置に載置し、次に、プレス盤1a、1bを該厚さ規制治具10により規制されるまで接近させ、停止させる。それにより、木質材Wの上面と上プレス盤1aの表面との間にわずかな隙間を形成した状態で、木質材Wは厚さ規制治具10内の密封空間内に収容される。図示しないが、木質材Wの周囲に弾性密封材料を配置して、プレス盤1a、1bの間の密封度を高めるようにしてもよい。
【0021】
その状態で、真空ポンプVP(又は、ブロアー)を作動させて、下方のプレス盤1bに形成した細孔3bから真空引きを行ない、密封空間内を減圧状態とする。所定の減圧が得られた時点で真空引きを停止し、高圧水蒸気発生源S側の配管4aに設けた開閉弁Vを開き、プレス盤1aに形成した細孔3aから高圧水蒸気を噴出させる。それにより、噴出する水蒸気は木質材の木質材Wの内部にまで容易にかつ均一に到達することができる。さらに、真空引きが行なわれていることから、外部に高圧水蒸気が漏洩することはなく、高圧水蒸気の無駄を無くすと共に周囲の安全も補償される。
【0022】
所望量の高圧水蒸気の噴出を終えた後は、以下、従来法による場合と同様にして、高圧水蒸気の大気への解放による解圧及び冷却工程を行なうことにより、本発明による木質材の寸法安定化処理方法は終了する。
【0023】
図2は本発明の木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置の他の例を示している。この例は、プレス盤に外部に連通する細孔が設けられていない平板プレスを本発明の処理方法に用いる場合に好適な例であり、蒸気噴出用の細孔23aを有する平板状の第1の別部材20aがネジ21aを用いて上方のプレス盤1aに固定され、さらに、真空引き用の細孔23bを有する平板状の第2の別部材20bがネジ21bを用いて下方のプレス盤1bに固定されている。そして、それぞれの細孔23a、23bは、図1に示した装置の場合と同様に、高圧水蒸気発生源S及び真空ポンプVPに接続している。さらに該平板状の第1の別部材20aには、前記図1に示した装置の場合と同様に、処理しようとする木質材Wの当初厚さよりも高さが若干高く、好ましくは、1mm程度高さが高く、かつ、上縁及び下縁に弾性パッキン11を持つ厚さ規制治具10が適宜の固定手段により取り付けてある。この装置の使用方法は図1の場合と実質的に同じである。
【0024】
図3は本発明の木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置のさらに他の例を示している。この装置は、図2に示した装置と比較して、第2の別部材30bが上方側を開放した開放空間35を持つ有底箱状の耐圧容器であり、かつ、該開放空間35の深さが、処理しようとする木質材Wの当初厚さよりも若干深く、好ましくは、1mm程度深くされている点、及び、該第2の別部材30bの上端面にはパッキン36が取り付けられている点で相違している。この装置では、厚さ規制治具10や密封材を別途配置することなく、プレス盤の間に容易に密封空間を形成することができ、さらに、密封された状態では、収容した木質材Wの上面と第1の別部材30aの表面との間にわずかな隙間が確実に形成される利点がある。
【0025】
図4は本発明の木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置のさらに他の例を示している。図2に示した装置と比較して、第2の別部材30bが上方側を開放した開放空間35を持つ有底箱状の耐圧容器である点、及び、第1の別部材30aは該開放空間35の断面形状とほぼ同じ断面形状を有する挿入用凸部31aを有し、該挿入用凸部31aの先端面にまで細孔33aは達している点、で相違している。そして、前記第1の別部材30aの凸部31aの周囲にはパッキン36が取り付けられる。この装置では、プレス盤の間に容易に密封空間を形成することができると共に、異なった厚さの木質材Wに対しても、プレス盤1a、1bの距離を調整することにより、その上面にわずかな間隙を形成した状態で密封配置することが可能となる。
【0026】
図5は本発明の木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置のさらに他の例を示している。この例では、プレス盤1a、1bの表面に、金網等の耐熱性と耐圧性を有する材料で作られた網状体が固定的に取り付けられている。網状体の存在により、木質材表面とプレス盤1a、1bの表面との間の隙間を確実に確保することができ、真空引きは容易となり、また、供給される高圧水蒸気の分散が一層良好となって、短時間でのかつ均一な処理が可能となる。この網状体は、特に、下方のプレス盤1bと木質材Wとの間に配置することは有効である。また、網状体をプレス盤1a、1bに取り付けることなく、単に、下方のプレス盤1bの上、あるいは、木質材Wの上面に取り外し自在に単に配置するだけでもよい。
【0027】
なお、図示しないが、図1、図2、図5に示す装置での厚さ規制治具10の内面側に多くの細孔を形成し、該細孔を高圧水蒸気発生源S及び/又は真空引き源VPに接続し、厚さ規制治具の側面から真空引き及び高圧水蒸気の供給を行うこともできる。これは単独で行ってもよく、上記上下のプレス盤1a、1bからの真空引き及び高圧水蒸気の供給と並行して行ってもよい。また、図3、図4に示す装置の場合でも、第2の別部材30bの内側側面に多くの細孔を形成し、同様にして、該細孔を高圧水蒸気発生源S及び/又は真空引き源VPに接続して、その側面から真空引き及び高圧水蒸気の供給を行うことも可能である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明する。
〔実施例1〕
図1に示すプレス盤を用い、両プレス盤には2mm直径の細孔3a、3bを40mm間隔で縦横に形成した。上方のプレス盤の細孔群を高圧水蒸気発生源に接続し、下方のプレス盤の細孔群を真空ポンプに接続した。密封空間を形成する厚さ規制治具10の高さは16mmとした。
処理材として15mm厚のPタイプパーティクルボード30cm×30cmを用い、それを下方プレス盤に形成した細孔群上に配置した。そして、プレスを下降させて密封空間を形成した。
【0029】
次に、下方プレス盤に形成した細孔群に連続する真空ポンプを稼働させ、密封空間内を60mmHgまで減圧した。減圧後、バルブを閉鎖し、真空ポンプを停止した。次に、上方プレス盤に形成した細孔群から15kgf/cm2 の飽和水蒸気(約200℃)を10分間噴出させた。次に、密封空間から高圧水蒸気を大気に解放して解圧し、処理済の木質材を取り出した(製品1)。
【0030】
〔比較例1〕
密封空間内を減圧することなく、密封空間形成後に直ちに上方プレス盤に形成した細孔群から15kgf/cm2 の飽和水蒸気(約200℃)を10分間噴出させた以外は、実施例1と同様の処理を行った(比較品1)。
【0031】
〔実施例2〕
木質材として3mm厚のMタイプMDF30cm×30cmを用い、厚さ規制治具10の高さを4mmとした以外は、実施例1と同様にして、真空ポンプにより減圧した。減圧後に噴出させる飽和水蒸気は15kgf/cm2 (約200℃)とし、噴出時間は5分間とした。
【0032】
〔比較例2〕
密封空間内を減圧することなく、密封空間形成後に直ちに上方プレス盤に形成した細孔群から15kgf/cm2 の飽和水蒸気(約200℃)を5分間噴出させた以外は、実施例2と同様の処理を行った(比較品2)。
前記の製品1、2、比較品1、2、実施例1及び2で用いた木質材であって無処理のものについて、密度(g/cm3 )、曲げ強さ(kgf/cm2 )、剥離強さ(kgf/cm2 )、冷水浸漬厚さ変化率(%)(JIS A5908 パーティクルボードに準拠:20℃、24時間浸漬)、及び、煮沸厚さ変化率(%)(JIS A5908 パーティクルボードに準拠:煮沸2時間後、冷水1時間)を測定した。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003892530
【0034】
表1に示されるように、本発明による寸法安定化処理方法を施した製品は、冷水浸漬厚さ変化率及び煮沸厚さ変化率の双方において、高圧水蒸気処理は行なったが密封空間内の減圧処理を行わなかった処理品と比較して、大きく改善されており、本発明の有効性が確認された。また、短い処理時間でほぼ同じ結果が得られることがわかる。
【0035】
【発明の効果】
木質材の寸法安定化処理方法によれば、従来法に比較して、短い処理時間で高い寸法安定性を持つ処理済木質材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置の一例を示す図。
【図2】木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置の他の例を示す図。
【図3】木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置のさらに他の例を示す図。
【図4】木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置のさらに他の例を示す図。
【図5】木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置のさらに他の例を示す図。
【符号の説明】
1a、1b…プレス盤、2a、2b…ヒータ、3a…高圧水蒸気噴出用細孔、3b…真空引き用細孔、4a…高圧水蒸気供給用配管、5b…真空引き用配管、10…厚さ規制治具、W…木質材、S…高圧水蒸気供給源、VP…真空ポンプ

Claims (6)

  1. 上下のプレス盤の間に、処理すべき木質材の当初厚みよりも広い高さを持つ密封空間を形成し、該密封空間内に木質材を配置した後、該密封空間を減圧し、該減圧された密封空間内に高圧水蒸気を供給して該木質材に高圧水蒸気処理による寸法安定化処理を施すことを特徴とする木質材の寸法安定化処理方法。
  2. 高圧水蒸気の供給と並行して密封空間内の真空引きを行うことを特徴とする請求項1記載の木質材の寸法安定化処理方法。
  3. 密封空間内の減圧を、密封空間の側面側及び/又は上面側及び/又は下面側からの真空引きにより行うことを特徴とする請求項1又は2記載の木質材の寸法安定化処理方法。
  4. 密封空間内への高圧水蒸気の供給を、密封空間の側面側及び/又は上面側及び/又は下面側からの高圧水蒸気の噴出により行うことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の木質材の寸法安定化処理方法。
  5. プレス盤と木質材との間に高圧水蒸気の供給及び真空引きのための別部材を配置し、該別部材を介して高圧水蒸気の供給及び真空引きを行なうことを特徴とする請求項ないしいずれか記載の木質材の寸法安定化処理方法。
  6. 木質材表面と密封空間の内面との間に網状体を介在させた状態で、該密封空間の減圧及び該減圧された密封空間内への高圧水蒸気の供給を行うことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の木質材の寸法安定化処理方法。
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