JP3892475B1 - ビルのカーテンウォール構造と、カーテンウォール用部分カーテンウォールと、カーテンウォール用繊維強化プラスチック製貼付け材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の建物の外壁構造はカーテンウォールのガラス板、樹脂板、外壁枠に強化プラスチック製貼付け材を貼り付けてある。カーテンウォールの外壁枠の一部となる部分枠にガラス板や樹脂板を嵌め込み、そのガラス板、樹脂板、部分枠に強化プラスチック製貼付け材を貼り付けた部分カーテンウォールを組み合わせたものでもある。本発明の部分カーテンウォールは部分枠にガラス板や樹脂板を嵌め込み、そのガラス板又は樹脂板に、或はガラス板や樹脂板と部分枠に貼付け材を貼り付けたものとすることもできる。本発明の外壁用強化プラスチック製貼付け材は強化プラスチック製の帯状、テープ状、面状とした。強化プラスチックをFRPとしその表・裏両面又は片面に繊維を接着した。
【選択図】図1
Description
(1)ガラスカーテンウォールは外壁がガラス張りであるため透明感があり独自の外観を呈するが、無機質で硬い感じがあるため、そのようなビルが多くなると街の景観が殺風景になりがちである。
(2)ガラスカーテンウォールは耐震性において課題があり、特に、ガラス板が破損した場合のガラス破片の飛散による危険性がある。近年は飛散防止対策が施されたガラス板や飛散防止用のフィルム等も出現している。
(1)建物の外周に帯を巻き付けたような斬新なデザインの外観になりガラスカーテンウォールであっても無機質な雰囲気が緩和されて街の景観がソフトになる。
(2)強化プラスチック製貼付け材を繭のような縦長球状の建物の外壁に貼り付ければ、建物が繭のような斬新なデザインの外観になる。
(3)強化プラスチック製貼付け材が補強材の役割も果たすため外壁、特に、ガラス板又は樹脂板の補強になり耐震性が向上する。
(1)多数の部分カーテンウォールを組み合わせるだけで強化プラスチック製貼付け材が貼り付けられた外壁(カーテンウォール)となるため、外壁完成後に強化プラスチック製の貼付け材を貼り付ける必要がなく施工が容易になる。
(2)多数の部分カーテンウォールをそれらの強化プラスチック製貼付け材同士が連続するように組み合わせれば、帯状或はテープ状又は面状の強化プラスチック製貼付け材が建物の外壁に巻きついたような外観になり斬新なデザインの建物となる。
(1)既存或は新築の建物の外壁や部分カーテンウォールに接着剤で貼り付けるだけで建物の外壁の外観を変化させることができる。
(2)建物の外壁や部分カーテンウォールのガラス板又は樹脂板に貼り付ければガラス板又は樹脂板が破損してもそれらの破片が飛散しないようにすることができ、安全性が向上する。
(3)二以上の外壁枠とガラス板又は樹脂板に跨がせて貼り付ければ、外壁枠とガラス板又は樹脂板との連結が強化されそれらの耐震性も向上する。
(4)強化プラスチック製であるため強度に優れる。
(5)各種色彩に着色しておけば貼り付ける強化プラスチック製貼付け材の色の組み合わせによりカラフルで変化に富んだ外壁を提供することができる。
(6)紫外線の侵入を阻止したい建物、例えば、電話ボックス等に貼り付ければ紫外線の侵入を防止することができる。
(7)強化プラスチック製貼付け材を帯状或はテープ状又は面状とし、しかも長方形、円形、楕円形、ハート形、菱形、星形、花の形状、動物の形状等の任意の面状形状にしたりそれら形状を連続させたテープ状や帯状にすれば、それらをカーテンウォールや部分カーテンウォールに貼り付けるだけでカーテンウォールを装飾でき、斬新で、変化に富んだデザインのカーテンウォールにすることができる。
本発明の建物の外壁構造の実施形態の一例を図1〜図5に基づいて説明する。図1に示す建物は高層建築物の場合である。この建築物は多数本の長尺な縦外壁材(方立:マリオン)1と多数本の長尺な横外壁材(サッシ)2で囲まれた多数の外壁枠3内にガラス板又は樹脂板4を嵌め込んで外壁(ガラスカーテンウォール)5を形成し、そのガラス板又は樹脂板4と外壁5に帯状の強化プラスチック製貼付け材6を多数本貼り付けて、建物の外面に強化プラスチック製貼付け材6を巻きつけたイメージの外観(デザイン)にしたものである。強化プラスチック製貼付け材6はプラスチックに炭素繊維を含んだFRPとすることができる。強化プラスチック製貼付け材6はそのプラスチックと同系のプラスチック接着剤でガラス板や樹脂板4、外壁材1に貼り付けることができる。貼り付け方向は平行、交差方向といったように任意にすることができ、また、二本以上を並べたり重ねたりして貼り付けることもできる。図1の実施形態では角型のビルの外壁に強化プラスチック製貼付け材6を貼りつけてあるが、建物全体の外観を繭形とかラグビーボールのような縦長球形にすると糸が巻きついた繭のような外観の建物にすることができる。前記ガラス板又は樹脂板4には破損しにくい強化ガラスを用いるのが望ましい。ガラス板又は樹脂板4は間隔をあけて二枚配置した高断熱複層構造としてある。ガラス板又は樹脂板4には防弾構造、強化構造といった所望構造のものを使用することができる。前記強化プラスチック製貼付け材6は外壁5の二以上のガラス板又は樹脂板4と二以上の外壁枠3に跨がせて貼り付けることも、外壁枠3には貼り付けずに個々の外壁枠3内のガラス板又は樹脂板4にだけ貼り付けることもできる。外壁5に貼り付ける多数本の強化プラスチック製貼付け材6は色違いのものを使用すると外壁5がカラフルになり変化に富んだ建物となる。
この実施形態は建物の外壁(カーテンウォール)の一部を構成する外壁用部分カーテンウォール40を多数、縦横に組み合わせて連結して図6のような外壁(ガラスカーテンウォール)を形成したものである。外壁用部分カーテンウォール40には各種構造のものがあり、一例として図7(a)に示すものは上下の枠材41と左右の枠材42を組み合わせて方形に成形した部分枠43内に2枚のガラス板又は樹脂板4が間隔をあけて嵌め込まれて二層構造になっており、そのガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6が貼り付けられている。この場合、強化プラスチック製貼付け材6は上下の枠材41或は左右の枠材42の上まで貼り付けてもよい。また図7(b)に示す外壁用部分カーテンウォール40は上下の枠材41間に二枚のガラス板又は樹脂板4が間隔をあけて嵌め込まれて二層構造になっており、そのガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けてある。この場合も強化プラスチック製貼付け材6はガラス板又は樹脂板4だけでなく上下の枠材41の上まで貼り付けることができる。強化プラスチック製貼付け材6はそのプラスチックと同系のプラスチック接着剤で貼り付けることができる。外壁用プレキャストブロック40は左右の枠材のみで形成されたブロック枠内にガラス板を二層構造に嵌め込み、そのガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けたものでもよい。いずれの場合も強化プラスチック製貼付け材6はガラス板又は樹脂板4のみ、或はガラス板又は樹脂板4から上下の枠材41或は左右の枠材42の上まで貼り付けることもできる。
外壁枠3とガラス板又は樹脂板4の間の継ぎ目に段差がなく外壁枠3とガラス板又は樹脂板4が面一の場合は図4、図5に示すバックアップ材29、38を省略して強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けることができる。強化プラスチック製貼付け材6は外壁5の外面に限らず内面に貼り付けることもできる。強化プラスチック製貼付け材6は図に示すように一つの部分カーテンウォール40に複数本貼り付けることもできる。その場合の貼り付け方向は平行、交差方向といったように任意にすることができ、また、二本以上を並べたり重ねて貼り付けたりすることもできる。
前記外壁5、部分カーテンウォール40に貼り付ける外壁用強化プラスチック製貼付け材6はプラスチックと強化材の複合品を帯状に成形したものであり、例えばプラスチックに不飽和ポリエステル樹脂を、強化繊維に炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチック(FRP)が適する。強化繊維には、炭素繊維以外にも、ガラス繊維等を用いることもできる。図8に示すように、外壁用強化プラスチック製貼付け材6はFRP50だけでなく、その表・裏両面又は片面にガラス繊維以外の他の繊維51を接着剤で接着させたものとすることもできる。他の繊維51は例えば炭素繊維、絹糸、麻糸、樹脂製テグス等任意の繊維とすることができる。これら繊維51はFRP50の表面に露出した状態(繊維51が外部に出た状態)で接着することによりFRP50の表面に繊維51の質感を表現することができる。強化プラスチックは顔料で例えば黒、白、麻色、赤、青、黄、緑等、任意の色に着色したものとすることができる。強化プラスチック製貼付け材6のサイズは貼り付ける外壁5の面積に合わせて任意寸法とすることができるが一例としては厚さ1mm〜10数mm、幅10cm〜数10cm程度とすることができる。図示した外壁用強化プラスチック製貼付け材6は全長に亘って均一幅の帯状としてあるが、それとは別に波型の帯状としたり、長手方向に均一間隔或は不均一な間隔で正方形、長方形、円形、楕円形、ハート形、菱形、星形、花の形状、動物の形状、幾何学形状、記号といった各種形状のデザインを表現したものにすることもできる。この場合、同じ形状のものを帯状に連続させることも、異なるものを連続させることもできる。これら外壁用強化プラスチック製貼付け材6は前記各実施形態の外壁構造や部分カーテンウォール40に使用することができる。
図示した外壁用強化プラスチック製貼付け材の形状は幅が均一な帯状であるが、他の形状、例えば、テープ状や面状とすることもできる。テープ状の場合は帯状の場合よりも幅を狭くする。面状の場合は例えば、2m×2m程度の正方形、1m×2m程度の長方形、或は円形、楕円形、ハート形、菱形、星形、花の形状、動物の形状等の任意形状にすることができる。これら強化プラスチック製貼付け材6も前記各実施形態の外壁構造や部分カーテンウォール40に使用することができる。
2 横外壁材
3 外壁枠
4 ガラス板又は樹脂板
5 外壁
6 強化プラスチック製貼付け材
7 外壁枠
40 部分カーテンウォール
41 上下の枠材
42 左右の枠材
43 部分枠
Claims (5)
- 外壁枠にガラス板又は樹脂板が装備されたビルのカーテンウォールにおいて、繊維強化プラスチック製の帯状又はテープ状の貼付け材がビルのカーテンウォールの内面又は外面に外部から見えるように接着剤で貼り付けられ、その貼付け材はカーテンウォールの周囲全体に巻き付けられた外観となるように貼り付けられたことを特徴とするビルのカーテンウォール構造。
- 部分枠にガラス板又は樹脂板が装備された部分カーテンウォールを多数枚組み合わせて形成されたビルのカーテンウォール構造において、部分カーテンウォールの内面又は外面に繊維強化プラスチック製の帯状又はテープ状の貼付け材が外部から見えるように接着剤で貼り付けられ、その貼付け材は組み立て後のカーテンウォールの周囲全体に巻き付けられた外観となるように部分カーテンウォールに貼り付けられたことを特徴とするビルのカーテンウォール構造。
- ビルのカーテンウォールの一部を構成する部分カーテンウォールにおいて、その内面又は外面に繊維強化プラスチック製の帯状又はテープ状の貼付け材が外部から見えるように接着剤で貼り付けられたことを特徴とするカーテンウォール用部分カーテンウォール。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のビルのカーテンウォール構造又は部分カーテンウォールに使用する繊維強化プラスチック製の帯状又はテープ状のカーテンウォール用貼付け材であり、その貼付け材が着色されたことを特徴とするカーテンウォール用繊維強化プラスチック製貼付け材。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のビルのカーテンウォール構造又は部分カーテンウォールに使用する繊維強化プラスチック製の帯状又はテープ状のカーテンウォール用貼付け材であり、その貼付け材はその表・裏両面又は片面に繊維強化プラスチックの繊維と同じ又は異なる材質製の繊維を重ねて又は表面に露出した状態で接着させたものであることを特徴とするカーテンウォール用繊維強化プラスチック製貼付け材。
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