JP3892440B2 - 冷媒・循環回路を備えた冷却装置 - Google Patents

Description

本発明は、冷却装置であって、装置ケーシング内に格納された、圧縮機と蒸発器と液化器とを備えた冷媒・循環回路が設けられており、該冷媒・循環回路が、内部回路と外部回路とを有しており、内部回路が、装置ケーシングの側壁を介して、空気流入開口と空気流出開口とを介して、冷却したい室、有利にはエンクロージャ内室（もしくはスイッチキャビネット内室）に接続されており、内部回路に、冷媒循環回路の蒸発器が対応配置もしくは配属されており、外部回路に、冷媒循環回路の液化器が対応配置もしくは配属されている形式のものに関する。

有利にはエンクロージャケーシング（もしくはスイッチキャビネットケーシング）上に形成されるかまたはエンクロージャケーシングの側壁に取り付けられる、前記形式の冷却装置は、種々異なる設計および改造によって、ひいては種々異なる冷却性能によって公知である。この場合、通常、液化器には冷却のためのベンチレータが付置されている。このベンチレータは、新鮮空気を冷却装置・ケーシングの周囲から吸い込み、冷却装置・内室内に搬送する。この構造は、冷却装置・装置ケーシングが、エンクロージャケーシングにおける密な形成または取付けにもかかわらず密に閉鎖され得ず、かつ保護等級ＩＰ５５またはこれ以上では設計され得ないという欠点を有している。このことは、冷却装置を備えたエンクロージャ（もしくはスイッチキャビネット）が大気にさらされる場合には、特に不利である。

液体および空気が熱交換器・媒体として使用される熱交換器が、公知である。この場合、熱交換器は、液体管路を備えたプレート状の基体を形成している。この基体は、ヨーロッパ特許出願公開第０７４７９５３号明細書に示されているように、冷却リブを備えていて、熱導出作用を有する電気的な切換え回路のための支持体として使用される。

本発明の課題は、冒頭に述べた形式の冷却装置を改良して、空気流入開口と空気流出開口とを除いて装置ケーシングが完全に閉鎖され得、かつ保護等級ＩＰ５５またはこれ以上で設計され得る冷却装置を提供することである。

この課題は本発明によれば、装置ケーシングの、空気流入開口と空気流出開口とを備えた側壁を除いて全ての側壁が、完全に閉じられており、液化器が、埋め込まれた冷却媒体管路を備えたベースプレートとして形成されており、該ベースプレートが、装置ケーシングの側壁の少なくとも一部を形成していて、一体成形され、その外面において突出した冷却リブを有していることによって解決される。

この構成の場合、液化器を備えた外部回路に通常は対応配置もしくは配属されたベンチレータを、設けなくてよい。冷却装置・内室から周囲への空気誘導接続部はもはや必要とされない。なぜならば、このように構成された液化器は、絶対的に密に装置ケーシング内に組み込まれ得、冷却媒体を介して供給された熱は、周囲空気中に配置された冷却リブを介して導出され得るからである。装置ケーシングには、前記形式の液化器によって十分な冷却性能を達成するために、側壁において十分な面積が提供されている。この空気調和機はエンクロージャに密に連結され得る。この場合、何らかの部材が取り付けられていない（freiliegend）ケーシング・側壁はハーメチックに閉鎖されており、ＩＰ５５またはこれ以上による保護等級が達成され得る。

冷却装置とエンクロージャとの連結は、有利には、次のような形式で行われる。すなわち、空気流入開口と空気流出開口とを備えた側壁が、シールフレームによって、冷却したい室、特に、エンクロージャ内室を包囲しているエンクロージャケーシングに接続されており、この場合、当該冷却装置の空気流入開口が、エンクロージャケーシングの空気流出開口と同一列に並んでおり、当該冷却装置の空気流出開口が、エンクロージャケーシングの空気流入開口と同一列に並んでいるような形式で行われる。

冷却媒体から液化器のベースプレートへの熱移行は、冷却媒体管路が冷却蛇管として液化器のベースプレート内に埋め込まれていることによって改善される。

液化器の簡単な形成のために、冷却管路が液化器のベースプレートの収容溝に埋め込まれており、これらの収容溝が、ベースプレートの、当該冷却装置・内室に向けられた表面に加工成形されていることが考えられている。この場合、冷却媒体の導入および導出は、冷却媒体管路が、ベースプレートの上方部分の領域で導入されていて、ベースプレートの下方部分の領域で導出されているように行うことができる。

１実施態様にしたがって、液化器の冷却リブに、外部・ベンチレータが対応配置もしくは配属されており、当該冷却装置内で蒸発器に、内部・ベンチレータが対応配置もしくは配属されていることが考えられている場合、冷却装置の保護等級に不都合な影響を及ぼすことなしに、冷却性能を高めることができる。

圧力監視器とフィルタ・乾燥装置と弛緩弁とを備えた冷却媒体・循環回路の構造は、公知の形式で維持され得る。

一体成形された冷却リブを備えたベースプレートがアルミニウムから成っていて、かつ冷却媒体管路が銅管であることを特徴とする材料選択が、良好な冷却性能を備えた構造として、特に適していることがわかった。他の材料、例えば、他の熱伝達特性を備えた銅または特殊鋼から成るベースプレートも、使用可能である。

以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

図１による図に示してあるように、見ることのできない底壁１６を有する閉じた装置ケーシング１０を備えた冷却装置は、エンクロージャケーシング３０のカバー壁に密に結合され得る。この場合、自体公知のシールエレメントが、両ケーシングの電気的な接続部を形成することもできる。移行部は、この移行部が保護等級ＩＰ５５またはこれ以上を満たすように、容易に構成され得る。装置ケーシング１０の残りの側壁１１，１２，１３，１４，１５も前記要件を満たす。なぜならば、いかなる箇所においても、周囲から冷却装置・内室内への空気誘導接続部は必要とされないからである。側壁１１では、冷却媒体・循環回路の、あとで詳しく説明する液化器２６の冷却リブ２８だけが突出している。しかしながら前記液化器は、絶対的にハーメチックに閉鎖されて側壁１１内に組み込まれている。

冷却媒体・循環回路は、図２に示してあるように、主要構成部材として圧縮機２０と液化器２６と蒸発器２１とを有している。エンクロージャ・カバー壁の空気流出開口と同一列に並んでいる、底壁１６の空気流入開口３１を介して、ベンチレータ２２の使用下で温空気がエンクロージャ・内室から搬送され、蒸発器２１を介して誘導される。蒸発器２１を通流する冷媒ＫＭは、ガス状でかつ過熱された状態で圧縮機２０を介して液化器２６に供給される。この液化器２６はベースプレート２７を有している。このベースプレート２７は、堅固にかつ解離不能に側壁１１内に組み込まれていて、図１による図に示してあるように冷却リブ２８だけが装置ケーシング１０の外面において突出している。過熱された冷却媒体は、冷却蛇管（Kuehlschlange）の形状の冷却媒体管路２９を通る。これらの冷却媒体管路２９は、ベースプレート２７の、冷却装置・内室に向けられた面における収容溝に設けられている。

有利には銅管として形成された冷却媒体管路２９は、アルミニウムから成っているベースプレート２７に良好に熱伝導接触している。冷却媒体は、一体成形された冷却リブ２８を備えたベースプレート２７に熱を放出し、前記冷却リブ２８は熱を周囲空気に放射する。この場合、熱放出を、冷却リブ２８に対応配置もしくは配属されたベンチレータによって、さらに高めることができる。液化器２６から出た冷却媒体ＫＭｆは、液状でありかつ過冷却されていて、フィルタ・乾燥装置２４を介して再び蒸発器２１に戻される。

圧力監視器２５が、圧縮機２０の入口と液化器２６の出口とにおける冷媒の圧力差を監視する。さらに、弛緩弁２３が、フィルタ・乾燥装置２４と蒸発器２１との間で冷媒・循環回路内に接続されていてよい。

液化器２６はそのベースプレート２７で、側壁１１の少なくとも一部を覆っている。しかしながら液化器２６は、必要な冷却性能に応じて、側壁１１の全体を形成していてもよいかまたは複数の側壁の部分領域に分配されていてもよい。この場合、重要であるのは、ベースプレート２７がシームレスにかつハーメチックに密に装置ケーシング１０内にはめ込まれ、かつこの装置ケーシング１０を周囲に向かって空気密に閉鎖することだけである。

エンクロージャ・ケーシング上に形成された冷却装置の斜視図である。 冷却装置の構造を概略的に示す図である。

Claims (11)

1. 冷却装置であって、装置ケーシング（１０）内に格納された、圧縮機（２０）と蒸発器（２１）と液化器（２６）とを備えた冷媒・循環回路が設けられており、該冷媒・循環回路が、内部回路と外部回路とを有しており、内部回路が、装置ケーシングの側壁（１６）を介して、空気流入開口（３１）と空気流出開口（３２）とを介して、冷却したい室、有利にはエンクロージャ内室に接続されており、内部回路に、冷媒循環回路の蒸発器が対応配置もしくは配属されており、外部回路に、冷媒循環回路の液化器が対応配置もしくは配属されている形式のものにおいて、
   装置ケーシング（１０）の、空気流入開口（３１）と空気流出開口（３２）とを備えた側壁（１６）を除いて全ての側壁（１１，１２，１３，１４，１５）が、完全に閉じられており、
   液化器（２６）が、埋め込まれた冷却媒体管路（２９）を備えたベースプレート（２７）として形成されており、該ベースプレート（２７）が、装置ケーシング（１０）の側壁（１１）の少なくとも一部を形成していて、一体成形され、その外面において突出した冷却リブ（２８）を有していることを特徴とする、冷媒・循環回路を備えた冷却装置。
2. 空気流入開口（３１）と空気流出開口（３２）とを備えていない側壁（１１，１２，１３，１４，１５）が、保護等級ＩＰ５５以上で装置ケーシング（１０）を閉鎖している、請求項１記載の冷却装置。
3. 空気流入開口（３１）と空気流出開口（３２）とを備えた側壁（１６）が、シールエレメントによって、冷却したい室、特に、エンクロージャ内室を包囲しているエンクロージャケーシング（３０）に結合されており、当該冷却装置の空気流入開口（３１）が、エンクロージャケーシング（３０）の空気流出開口と同一列に並んでおり、当該冷却装置の空気流出開口（３２）が、エンクロージャケーシング（３０）の空気流入開口と同一列に並んでいる、請求項１または２記載の冷却装置。
4. 冷却媒体管路（２９）が、冷却蛇管として、液化器（２６）のベースプレート（２７）内に埋め込まれている、請求項１から３までのいずれか１項記載の冷却装置。
5. 冷却媒体管路（２９）が、液化器（２６）のベースプレート（２７）の収容溝に埋め込まれており、これらの収容溝が、ベースプレート（２７）の、当該冷却装置・内室に向けられた表面に加工成形されている、請求項４記載の冷却装置。
6. 冷却媒体管路（２９）が、ベースプレート（２７）の上方部分の領域で導入されていて、ベースプレート（２７）の下方部分の領域で導出されている、請求項４または５記載の冷却装置。
7. 液化器（２６）の冷却リブ（２８）に、外部・ベンチレータが対応配置もしくは配属されており、当該冷却装置内では蒸発器（２１）に、内部・ベンチレータ（２２）が対応配置もしくは配属されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の冷却装置。
8. 冷却媒体循環回路が、圧力監視器（２５）を有しており、該圧力監視器（２５）が、液化器（２６）の手前に配置された圧縮機（２０）の冷却媒体入口と、圧縮機（２０）に後置された液化器（２６）の冷却媒体出口との間の圧力差を監視する、請求項１から７までのいずれか１項記載の冷却装置。
9. 冷却媒体が、液化器（２６）に後置された蒸発器（２１）の手前で、フィルタ・乾燥装置（２４）を介して誘導されている、請求項１から８までのいずれか１項記載の冷却装置。
10. フィルタ・乾燥装置（２４）に、弁（２３）が後置されている、請求項１から９までのいずれか１項記載の冷却装置。
11. 一体成形された冷却リブ（２８）を備えたベースプレート（２７）が、アルミニウムから成っており、冷却媒体管路（２９）が銅管である、請求項１から１０までのいずれか１項記載の冷却装置。

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