JP3892218B2 - 発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発光素子、特に紫外光を発生する発光素子の発光効率の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外領域で発光する発光ダイオード(LED)は、多くの分野に応用されることが期待されており、例えば光記録再生用の光源として、あるいは光通信用の光源としても有望視されている。
【0003】
図4には、このような紫外領域で発光するLEDの構成の断面図が示される。図4において、サファイア基板10上にN型GaN層12が例えば1〜5μm程度形成される。N型GaN層12の上にさらにN型層14とP型層16とが積層される。ここで、N型層14としては、例えばGaNとAlGaNを積層した多層構造が知られている。これにより、発光波長を340nmまで短波長化できることが報告されている。また、P型層16としては、例えばP型AlGaNを使用することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のLEDにおいては、構造中に厚いN型GaN層12があり、これが紫外光に対して不透明であるため、紫外光がこのN型GaN12に吸収されてしまう。このため、紫外光の発光効率が低下するという問題があった。
【0005】
そこで、図5に示されるように、紫外光に対して不透明であるN型GaN層12の代わりに紫外光に対して透明であるN型AlGaN層18を形成することが考えられる。
【0006】
しかし、この場合にN型AlGaN層18は、その厚さを1〜5μm程度とするが、その表面が荒れてしまい、その上に積層されるN型層14及びP型層16によって形成される発光領域の結晶性が低下する。このため、発生する光に紫外光よりも長波長側のスペクトルが含まれてしまい、やはり紫外光の発光効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、紫外光の発光効率に優れた発光素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、サファイア基板上に形成されたN型層とP型層とによりPN接合が形成され、紫外光を発生する発光素子であって、前記基板とN型層との間に、前記紫外光に対して透明である透明層が前記基板上に直接形成されており、前記透明層は、紫外光に対して透明である層と、前記紫外光に対して透明である層の表面を平坦にする層とが周期的に積層されたものであり、前記透明層は、AlGaNとGaNとが周期的に積層されたものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、サファイア基板上に形成されたN型層とP型層とによりPN接合が形成され、紫外光を発生する発光素子であって、前記基板とN型層との間に、前記紫外光に対して透明である透明層が前記基板上に直接形成されており、前記透明層は、紫外光に対して透明である層と、前記紫外光に対して透明である層の表面を平坦にする層とが周期的に積層されたものであり、前記透明層は、Al x Ga 1−x NとAl y Ga 1−y N(x>y>0)とが周期的に積層されたものであることを特徴とする。
【0013】
上記各構成によれば、発生した紫外光の吸収を抑制でき、また、紫外領域より長波長側の光の発生を抑制できる。このため、発光素子の発光効率を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1には、本実施形態における発光素子の構成の断面図が示されている。サファイア基板10上に、紫外光に対して透明である透明層20が形成され、透明層20の上にさらにN型層14が形成され、さらにP型層16が積層される。N型層14とP型層16の界面でPN接合が形成され、所定の電圧を印加することによりP型層16からのホールとN型層14からの電子の再結合が起こり紫外光を発生する。前述したように、N型層14としては、GaNとAlGaNを交互に積層した超格子構造(SLS strained layer superlattice)とすることができる。また、P型層16もGaNとAlGaNを交互に積層した超格子構造とすることができる。もちろん、P型層16は超格子構造でなくてもよく、P型AlGaN層とすることもできる。P型層16上にはP型オーミック層22が形成され、オーミックコンタクトにより電極と接続される。
【0016】
上記透明層20は、AlGaNとGaNとが周期的に積層された構造となっている。このように、AlGaNとGaNの薄膜を周期的に積層する際には、その実効バンドギャップが上記PN接合における発光層のバンドギャップよりも広く設定される。この場合の発光層は、PN接合の接合面であってもよく、またN型層14としてもよい。このような構成により、発光層で発生した紫外光に対して、透明層20が透明性を有することができる。したがって、発光層で発生した紫外光の吸収を抑制でき、LEDの発光効率を向上させることができる。
【0017】
また、サファイア基板10上に上記透明層20を構成するAlGaN層を形成すると、上述したようにその表面が荒れ、発光層を形成するN型層14及びP型層16の結晶性を低下させる。しかし、AlGaN層の厚さが充分薄い場合には、その表面の荒れの程度はそれほど大きくはならない。また、AlGaN層の上に形成されるGaN層には、表面を平坦にする効果がある。このため、AlGaN層とGaN層との周期構造を形成すると、表面の荒れを抑制することができる。したがって、所定の厚さでAlGaN層とGaN層との周期構造を形成し、その上にN型層14を形成すれば、発光層における結晶性の低下を抑制することができ、紫外領域よりも長波長側での発光を抑制できる。これにより、LEDの発光効率をさらに向上させることができる。
【0018】
なお、上記透明層20の厚さは1〜5μm程度となる。この理由は次の通りである。透明層20の材料であるGaN,AlGaNとサファイア基板10には大きな格子不整合があり、サファイア基板10の上に成長したGaN,AlGaNには、初期段階で島状の3次元核発生がおこる。ところが、透明層20の成長を続けるとこれらの島が大きくなって合体し、最終的には連続膜になる。良質の連続膜を得るためには1μm以上の透明層20を成長する必要がある。
【0019】
透明層20を形成するAlGaN層及びGaN層の各々の厚さが200nm以下であれば、合計の厚さが2μmを超えても表面の荒れは発生しない。しかし、各層の厚さを厚くするに従い、AlGaN層とGaN層との周期構造の実効バンドギャップがGaNのバンドギャップに近づくので、紫外光を発生するLEDへ適用する場合には、発光波長における吸収が増加する。このため、各層の厚さを薄くする必要がある。例えば、Al0.1Ga0.9N層とGaN層との多層構造とする場合、各層の厚さは30nm以下、より好ましくは10nm、更に好ましくは5nm以下がよい。但し、AlGaN層とGaN層との周期構造の表面の荒れは、AlGaN層のAlの組成により変化するので、各層の最適な厚さはAlの組成に依存する。
【0020】
本発明は、サファイア基板10の上にバンドギャップが発光層のバンドギャップよりも広いAlGaN/GaN多層量子井戸(MQW)を直接形成することにより紫外光の吸収を抑制し、LEDの発光効率を向上したものであり、UV光センサなどのGaNによる光吸収が問題になるデバイス全てに適用可能である。
【0021】
なお、透明層20に使用したAlGaN層とGaN層との周期構造の代わりに、AlxGa1-xN層とAlyGa1-yN層とを周期的に積層した多層構造も使用することができる。ここで、x>y>0の条件となっている。但し、yの増大と共にこの多層構造の表面平坦化の効果が低下してゆくので、yとしては0.1以下とするのが好適である。
【0022】
図2には、本発明に係る発光素子と図5に示された従来の発光素子との注入電流と光出力との関係が示される。図2からわかるように、本発明に係る発光素子の光出力は、従来例の発光素子の光出力のほぼ2倍となっている。
【0023】
また、図3には、本発明に係る発光素子と図5に示された従来の発光素子とから発生する光のスペクトルが示される。図3に示されるように、従来例においては、N型AlGaN層の表面が荒れるので、N型層及びP型層によって形成される発光領域の結晶性が低下するため、380〜400nm及び550nm付近にスペクトルのピークが存在する。このような波長領域は、紫外領域で発光させるLEDにとっては不要な光であり、このようなスペクトルが存在する分LEDの発光効率は低下してしまう。
【0024】
これに対して、本発明に係る発光素子では、上述した透明層20の表面が平坦化されているので、発光領域の結晶性の低下が抑制されるために、発生する光のスペクトルは360nmより短波長側の紫外領域のみにピークが存在する。したがって、本発明に係る発光素子では、長波長側の余分なスペクトル成分がないので、発光素子の発光効率を向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、サファイア基板と発光層との間に、紫外光に対して透明性を有する透明層を形成したので、発生した光が吸収されず、発光効率を向上できる。
【0026】
また、透明層はその表面が平坦であるので、発光層の結晶性の低下を抑制でき、発光層から長波長側の光が発生することを抑制できるので、この点からも発光素子の発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る発光素子の構成の断面図である。
【図2】 本発明に係る発光素子と従来の発光素子との注入電流に対する光出力の関係を示す図である。
【図3】 本発明に係る発光素子と従来における発光素子との発光スペクトルを示す図である。
【図4】 従来における発光素子の構成の断面図である。
【図5】 従来における発光素子の他の例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 サファイア基板、12 N型GaN層、14 N型層、16 P型層、18 N型AlGaN層、20 透明層、22 P型オーミック層。
Claims (3)
- サファイア基板上に形成されたN型層とP型層とによりPN接合が形成され、紫外光を発生する発光素子であって、
前記基板とN型層との間に、前記紫外光に対して透明である透明層が前記基板上に直接形成されており、
前記透明層は、紫外光に対して透明である層と、前記紫外光に対して透明である層の表面を平坦にする層とが周期的に積層されたものであり、
前記透明層は、AlGaNとGaNとが周期的に積層されたものであることを特徴とする発光素子。 - サファイア基板上に形成されたN型層とP型層とによりPN接合が形成され、紫外光を発生する発光素子であって、
前記基板とN型層との間に、前記紫外光に対して透明である透明層が前記基板上に直接形成されており、
前記透明層は、紫外光に対して透明である層と、前記紫外光に対して透明である層の表面を平坦にする層とが周期的に積層されたものであり、
前記透明層は、Al x Ga 1−x NとAl y Ga 1−y N(x>y>0)とが周期的に積層されたものであることを特徴とする発光素子。 - 請求項1、2のいずれかに記載の発光素子であって、
前記透明層における、局所的に積層された各層の厚さは5nm以下であることを特徴とする発光素子。
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